JPH0564666B2

JPH0564666B2 -

Info

Publication number: JPH0564666B2
Application number: JP18588985A
Authority: JP
Inventors: Hirosuke Ookura; Nobuo Ise
Original assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Current assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date: 1985-08-26
Filing date: 1985-08-26
Publication date: 1993-09-16
Also published as: JPS6245675A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、例えばインクジエツト記録用、筆
記具用、記録計用、スタンプ用などに使用する記
録用インク、特にインクジエツト記録用インクと
して印字後の速乾性、耐水性に優れた記録用イン
クに関するものである。

（従来の技術）インクジエツト記録方式は記録ヘドの微細な吐
出口からインク液滴を飛翔させて記録紙上にイン
ク粒子を付着、浸透吸収させて記録させる方式
で、この方式による記録は低騒音であり、且つ記
録の高速化及びカラー化が容易であり、また普通
紙が使用できる可能性があるため、近年各種プリ
ンター、フアクシミリ等への応用、開発が盛んに
行われている。

（発明が解決しようとする問題点）通常、油性インクは記録紙の選択範囲が広く、
速乾性（紙への浸透吸収性）、記録紙の耐水性が
良く、またノズルの目詰りを少なくなる等の利点
があり、一方水性インクは吐出安定性が高く、安
定性（引火点、毒性等）に優れている等の特性が
あるが、従来知られているインクジエツト記録用
インクは油性溶媒に油性染料を溶解させたもの、
或は水性溶媒に水性染料を溶解させたものであ
り、これ等のインクにおいてはノズル内或はノズ
ル表面で溶媒が蒸発し、染料がノズル内或はノズ
ル口で固化又は凝集し、インク液滴の吐出が行な
われなくなるという問題点を抱えている。

また、この問題を解決するため、蒸発乾燥防止
に多価アルコール系等の溶剤を使用すると、記録
紙上のインク乾燥性が遅いので、記録紙を見掛け
上速乾性にするために浸透吸収性の良い特殊紙を
用いなければならない。

そこで、この発明はインクジエツト用特殊紙は
勿論、一般に市販されている普通紙にも記録する
ことができ、その上耐水性、速乾性のある記録用
インクを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）以上の問題点を解決するため、この発明では油
溶性染料を界面活性剤に溶解させてなる溶液を親
水性有機溶媒及び水溶媒中に可溶化させてなる記
録用インクを提案するものである。

この発明に使用できる油溶性染料については特
に限定されないが、使用特性上耐候性の良いもの
が望ましく、例えば C.I.Solvent Black ３，７，22，34，50 C.I.Solvent Blue 14，25，35，48，108 C.I.Solvent Yellow ３，14，16，33，56 C.I.Solvent Red 18，24，27，122，135 等を挙げることができ、また最終配合時に記録用
インクとしての性態を損われない範囲で水性染料
を混合使用させることもできる。

界面活性剤は上述の油溶性染料を溶解させ、ジ
エツトインクとしての性能を損わないものであれ
ば、種類を選ばないが、溶解力の大なる点からア
ニオン系またはノニオン系の界面活性剤が有効で
あり、具体的にはポリオキシエチレンアルキルフ
エノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンエーテル縮合物、ソルビタンエ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩、アルキルスルホジコハク
酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ヒマシ油硫酸化油、高級アル
コールリン酸ジエステル塩、グリセリン脂肪酸エ
ステル、シヨ糖脂肪酸エステル特の一種又は二種
以上を使用することができる。

また、親水性有機溶媒としてはエチルグリコー
ル、ジ又はトリ又はポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジ又はトリプロピレングリ
コール、グリセリン、ポリグリセリン、ヘキシレ
ングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、プロピレンセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチルアセテート、ブチルアセテート等の多
価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、
Ｎ−メチル−２−ピロリドン、1.3−ジメチルイ
ミダゾリジノン等の窒素化合物類の一種又は二種
以上を組合せて使用することができる。

この発明に係るインクの調整は、例えば油溶性
染料を界面活性剤を用いて溶解させ、この溶液を
親水性有機溶媒及び水溶媒に可溶化させる。

なお、使用する界面活性剤が液状の場合には油
溶性染料と混合して溶解させた後、上記溶媒中に
分散させるのが好ましいが、固形の界面活性剤の
場合には界面活性剤を加熱溶融して油溶性染料を
混合した後、溶媒中に可溶化させるか、又は界面
活性剤を親水性有機溶媒に溶解させた後、溶媒中
に油溶性染料を加えるようにする。

なお、界面活性剤の使用量は油溶性染料１部に
対し0.2部以上が必要であり、0.5〜３部の範囲が
最適である。

また、この発明に係るインク中にはその特性を
損わない程度に殺菌剤、脱酸素剤、金属封鎖剤を
配合することができる。

（発明の効果）この発明に係るインクは油溶性染料を界面活性
剤を用いてほぼ単分子状態にして親水性有機溶媒
及び水溶媒中に可溶化しているため、凝集を起さ
ず、したがつてインクジエツト記録用インクとし
て使用した場合にもノズルよりインク液滴の吐出
が妨げらることがない。

また、この発明に係るインクは水性溶媒をベー
スとしているため、吐出安定性が高く、且つ安全
性に優れており、また水性溶媒中に油溶性染料を
可溶化させているため、紙面上での濡れ性、速乾
性、耐水性に優れ、更に記録紙の選択範囲も広
く、一般に市販されている普通紙にも使用するこ
とができる。

したがつて、この発明に係るインクはインクジ
エツト記録用に限らず、筆記具用、記録計用、ス
タンプ用など各種の記録用インクとして使用する
ことができる。

（実施例）以下、この発明の実施例を示すが、この発明は
勿論これ等の実施例に限定されるものではない。

(1) 使用する染料の調整下記の油溶性染料を界面活性剤に混合溶解して
使用する染料溶液を調整した。

C.I.Solvent Black7 ポリオキシエチレンアルキルエーテル（HLB9）10部 10部 (A) C.I.Solvent Blue14 C.I.Solvent Blue14 ポリオキシエチレンアルキルフエノールエーテル（HLB1
2）10部 15部 (B) C.I.Solvent Yellow33 ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸エステル高級アルコール硫酸トリエタノール10部 10部 10部 (C) C.I.Solvent Red24 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルポリオキシエチレンアルキルアミン10部 10部 10部 (D) 実施例１染料溶液Ａ 8wt％エチレングリコールモノブチルエーテル
12wt％Ｎ−メチル−２ピロリドン 25wt％ポリエチレングリコール＃200 35wt％水 20wt％実施例２染料溶液Ｂ 10wt％ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート 30wt％ジエチレングリコール 20wt％水 40wt％実施例３染料溶液Ｃ 15tw％エチレングリコールモノエチルエーテル
15wt％Ｎ−メチル−２−ピロリドン 10wt％ポリエチレングリコール＃300 5wt％エチレングリコール 20wt％水 35wt％実施例４染料溶液Ｄ 10wt％ブチルセロソルブ 10wt％エチルアセテート 15wt％ジエチレングリコール 15wt％エチレングリコール 10wt％水 40wt％上記溶解染料Ａ〜Ｄを実施例１〜４の組成に混
合して孔径0.45μのメンブランフイルターで吸引
過後、減圧で脱気処理してインクを調整した。

市販のインクジエツトプリンターを使用し、こ
れに使用されている特殊紙及び一般に入手できる
PPC紙で連続24時間印字を行なつた所、問題と
なる目詰り、印字の乱れ等なく印字ができた。

(1) 耐水テストこの印字サンプルを30℃の水に０分間浸し、乾
燥後色の変化を下記の５段階評価で耐水テストを
行なつた。

(a) ５段階評価５：全く変わらない４：色が少し落ちている３：色落ちが良くわかる２：かなり色が落ちた１：殆んど脱色した (b) 試験結果評価実施例１５実施例２５実施例３４実施例４４市販水性インク３ (2) 乾燥テストインクジエツト用記録紙及びJIS P3201に規定
する筆記用紙にインクジエツトプリンターによつ
て、１行５秒間隔で印字する様にセツトして１分
間（12行）印字した。印字後の用紙をガラス板上
に載せ10秒後に同質の用紙を印字用に合せてガラ
ス板を載せてガラス板とおもりを合せて重量
500grで両紙を圧着させ１分間静止し、両紙を離
した時重ねた用紙に印字が転写したかどうかを観
察した。

実施例１〜４は、インクジエツト用記録紙及び
筆記用紙において転写はみられなかつた。

これに対して市販の水性インクを用いて同様の
観察結果ではインクジエツト用記録紙においては
転写はなかつたが、筆記用紙においては転写がみ
られ、印字後１分後のものについても転写がみら
れた。

以上の結果からこの発明の記録用インクはイン
クジエツト用インクとしての諸特性を満足するも
のであり、しかも油溶性染料を界面活性剤を用い
て単分子状に分散させているため、凝集がなく、
また紙に対する濡れ性速乾性が向上し、更に紙面
上で油溶性染料が固着し、耐水性が高まるため、
良好な記録用インクとなる。

Claims

【特許請求の範囲】

１油溶性染料を界面活性剤に溶解させてなる溶
液を親水性有機溶媒及び水溶媒中に可溶化させて
なることを特徴とする記録用インク。