JPH0564658A - 生体活性セメント及びその製造方法 - Google Patents
生体活性セメント及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0564658A JPH0564658A JP3258311A JP25831191A JPH0564658A JP H0564658 A JPH0564658 A JP H0564658A JP 3258311 A JP3258311 A JP 3258311A JP 25831191 A JP25831191 A JP 25831191A JP H0564658 A JPH0564658 A JP H0564658A
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- JP
- Japan
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- glass powder
- phosphate
- crystallized glass
- aqueous solution
- bone
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- Materials For Medical Uses (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 生体組織に対して炎症反応を誘起することな
く、早期に自己凝固硬化して人工生体材料を接着固定さ
せることができ、さらに生体骨と化学結合すると共に高
強度であるため、長期に亙って安定である生体活性セメ
ント及びその製造方法を提供する。 【構成】 リン酸アンモニウムカルシウム水和物を含む
ガラス粉末及び/又は結晶化ガラス粉末と、リン酸塩を
主成分とする水溶液とからなる。
く、早期に自己凝固硬化して人工生体材料を接着固定さ
せることができ、さらに生体骨と化学結合すると共に高
強度であるため、長期に亙って安定である生体活性セメ
ント及びその製造方法を提供する。 【構成】 リン酸アンモニウムカルシウム水和物を含む
ガラス粉末及び/又は結晶化ガラス粉末と、リン酸塩を
主成分とする水溶液とからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医科あるいは歯科の分
野で用いられる人工骨や人工歯根等の人工生体材料の接
着材として、また骨や歯の欠損部への充填材として使用
する生体活性セメント及びその製造方法に関するもので
ある。
野で用いられる人工骨や人工歯根等の人工生体材料の接
着材として、また骨や歯の欠損部への充填材として使用
する生体活性セメント及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】整形外科分野において骨折や骨腫瘍など
によって骨の一部を欠損したり、切除した場合、また歯
科分野において抜歯や歯槽膿漏などによって顎骨に欠損
を生じた場合、このような部所を修復するために金属、
セラミック、結晶化ガラス等からなる人工生体材料が使
用されている。
によって骨の一部を欠損したり、切除した場合、また歯
科分野において抜歯や歯槽膿漏などによって顎骨に欠損
を生じた場合、このような部所を修復するために金属、
セラミック、結晶化ガラス等からなる人工生体材料が使
用されている。
【0003】このような人工生体材料は、修復部に早期
に適合性良く埋入固定されることが望ましく、そのため
には、修復部の形状に合わせて研削するか、あるいは人
工生体材料の形状を修復部の形状に合わせて加工する必
要があるが、このような研削や加工を正確に施すことは
非常に困難である。
に適合性良く埋入固定されることが望ましく、そのため
には、修復部の形状に合わせて研削するか、あるいは人
工生体材料の形状を修復部の形状に合わせて加工する必
要があるが、このような研削や加工を正確に施すことは
非常に困難である。
【0004】このため一般に人工生体材料を使用する場
合、それと生体骨とを接着固定する目的で生体用セメン
トが使用されており、例えば、整形外科分野では、広く
PMMA(ポリメチルメタクリレート)セメントが使用
され、歯科分野では、リン酸亜鉛セメントやカルボキシ
レートセメントが使用されている。またアパタイトやア
ルミナセラミックの顆粒を直接修復部に充填することに
より、形状の適合を図っている。
合、それと生体骨とを接着固定する目的で生体用セメン
トが使用されており、例えば、整形外科分野では、広く
PMMA(ポリメチルメタクリレート)セメントが使用
され、歯科分野では、リン酸亜鉛セメントやカルボキシ
レートセメントが使用されている。またアパタイトやア
ルミナセラミックの顆粒を直接修復部に充填することに
より、形状の適合を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
各種の生体用セメントは、人工生体材料とは強固に接着
するが、生体骨とは化学的に結合しないため、長期間使
用すると生体骨との間に緩みが生じたり、周囲組織に炎
症反応を引き起こす恐れがある。
各種の生体用セメントは、人工生体材料とは強固に接着
するが、生体骨とは化学的に結合しないため、長期間使
用すると生体骨との間に緩みが生じたり、周囲組織に炎
症反応を引き起こす恐れがある。
【0006】またアパタイトやアルミナセラミックの顆
粒は、顆粒同士が結合することがないため、上記の生体
用セメント等で固定する必要があり、やはり生体骨との
間に緩みの生じる恐れがある。
粒は、顆粒同士が結合することがないため、上記の生体
用セメント等で固定する必要があり、やはり生体骨との
間に緩みの生じる恐れがある。
【0007】近年、上記事情に鑑み、骨と化学的に結合
する生体活性セメントが各種提案されており、例えばC
aを構成成分とするガラス粉末に、硬化液としてリン酸
アンモニウム水溶液を混合してなり、ガラス粉末のCa
2+(カルシウム)イオンと硬化液中のHPO4 2- (リン
酸)イオンとが反応し、非晶質リン酸カルシウム物やリ
ン酸アンモニウムカルシウム塩等の前駆体を経て、水酸
アパタイトが生成することによって硬化する生体活性セ
メントが提案されている。しかしながらこの生体活性セ
メントは、初期強度が低く、実用上必要な早期固定性が
得られ難いという問題を有している。
する生体活性セメントが各種提案されており、例えばC
aを構成成分とするガラス粉末に、硬化液としてリン酸
アンモニウム水溶液を混合してなり、ガラス粉末のCa
2+(カルシウム)イオンと硬化液中のHPO4 2- (リン
酸)イオンとが反応し、非晶質リン酸カルシウム物やリ
ン酸アンモニウムカルシウム塩等の前駆体を経て、水酸
アパタイトが生成することによって硬化する生体活性セ
メントが提案されている。しかしながらこの生体活性セ
メントは、初期強度が低く、実用上必要な早期固定性が
得られ難いという問題を有している。
【0008】本発明は、生体組織に対して炎症反応を誘
起することなく、早期に自己凝固硬化して人工生体材料
を接着固定させることができ、さらに生体骨と化学結合
すると共に高強度であるため、長期に亙って安定である
生体活性セメント及びその製造方法を提供することを目
的とするものである。
起することなく、早期に自己凝固硬化して人工生体材料
を接着固定させることができ、さらに生体骨と化学結合
すると共に高強度であるため、長期に亙って安定である
生体活性セメント及びその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の生体活性セメン
トは、リン酸アンモニウムカルシウム水和物を含むガラ
ス粉末及び/又は結晶化ガラス粉末と、リン酸塩を主成
分とする水溶液とからなることを特徴とする。
トは、リン酸アンモニウムカルシウム水和物を含むガラ
ス粉末及び/又は結晶化ガラス粉末と、リン酸塩を主成
分とする水溶液とからなることを特徴とする。
【0010】また本発明の生体活性セメントの製造方法
は、Caを含有するガラス粉末及び/又は結晶化ガラス
粉末と、リン酸アンモニウム水溶液とを混合することに
よって硬化させた後、粉砕してリン酸アンモニウムカル
シウム水和物を含むガラス粉末及び/又は結晶化ガラス
粉末を作製し、次いで該粉末と、リン酸塩を主成分とす
る水溶液とを混合することを特徴とする。
は、Caを含有するガラス粉末及び/又は結晶化ガラス
粉末と、リン酸アンモニウム水溶液とを混合することに
よって硬化させた後、粉砕してリン酸アンモニウムカル
シウム水和物を含むガラス粉末及び/又は結晶化ガラス
粉末を作製し、次いで該粉末と、リン酸塩を主成分とす
る水溶液とを混合することを特徴とする。
【0011】本発明において使用されるガラス粉末及び
結晶化ガラス粉末の好ましい組成は、重量百分率でCa
O 20〜60%、SiO2 20〜50%、P2 O5
0〜30%、MgO 0〜20%、CaF2 0〜5
%であり、このような組成からなる結晶化ガラス粉末に
は、内部にアパタイト結晶やウォラストナイト結晶が析
出する。ガラス粉末や結晶化ガラス粉末の粒径は小さい
ほど高強度のセメントが得られるので好ましく、具体的
には最大粒径44μm以下のものが好ましい。
結晶化ガラス粉末の好ましい組成は、重量百分率でCa
O 20〜60%、SiO2 20〜50%、P2 O5
0〜30%、MgO 0〜20%、CaF2 0〜5
%であり、このような組成からなる結晶化ガラス粉末に
は、内部にアパタイト結晶やウォラストナイト結晶が析
出する。ガラス粉末や結晶化ガラス粉末の粒径は小さい
ほど高強度のセメントが得られるので好ましく、具体的
には最大粒径44μm以下のものが好ましい。
【0012】リン酸塩を主成分とする水溶液としては、
正リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウムが使用可能である。
正リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウムが使用可能である。
【0013】本発明におけるCaを含有するガラス粉末
や結晶化ガラス粉末と、リン酸アンモニウム水溶液との
割合、すなわち粉液比としては、粉末1gに対して水溶
液0.1〜0.5mlが適当であり、また硬化体を粉砕
した後のガラス粉末や結晶化ガラス粉末と、硬化液との
粉液比としては、粉末1gに対して水溶液0.3〜0.
6mlが適当である。さらに硬化体の粉砕は、最大粒径
44μm以下の粉末になるように行うのが好ましい。
や結晶化ガラス粉末と、リン酸アンモニウム水溶液との
割合、すなわち粉液比としては、粉末1gに対して水溶
液0.1〜0.5mlが適当であり、また硬化体を粉砕
した後のガラス粉末や結晶化ガラス粉末と、硬化液との
粉液比としては、粉末1gに対して水溶液0.3〜0.
6mlが適当である。さらに硬化体の粉砕は、最大粒径
44μm以下の粉末になるように行うのが好ましい。
【0014】
【作用】本発明において、まずCaを構成成分とするガ
ラス粉末や結晶化ガラス粉末に、リン酸アンモニウム水
溶液を混合すると、粉末の表面あるいはその周辺に溶出
するCa2+イオンとリン酸アンモニウム水溶液中のHP
O4 2- (リン酸)イオン及びNH4 +(アンモニウム)イ
オンとが反応し、リン酸アンモニウムカルシウム水和物
が生成することによって硬化する。
ラス粉末や結晶化ガラス粉末に、リン酸アンモニウム水
溶液を混合すると、粉末の表面あるいはその周辺に溶出
するCa2+イオンとリン酸アンモニウム水溶液中のHP
O4 2- (リン酸)イオン及びNH4 +(アンモニウム)イ
オンとが反応し、リン酸アンモニウムカルシウム水和物
が生成することによって硬化する。
【0015】さらにこの硬化体を所定の粒度に粉砕する
ことによって作製したリン酸アンモニウムカルシウム水
和物を含むガラス粉末や結晶化ガラス粉末に、硬化液と
してリン酸塩を主成分とする水溶液を混合すると、ガラ
ス粉末や結晶化ガラス粉末中のCa2+イオンと硬化液中
のHPO4 2-イオンが反応し、水酸アパタイト等のリン
酸カルシウム結晶が生成して硬化する。さらにもともと
の粉末に含まれるリン酸アンモニウムカルシウム水和物
同士も結合するために早期に硬化することになる。硬化
体中のリン酸アンモニウムカルシウム水和物は、生体中
で徐々にアンモニウムを溶出し、且つ、水酸アパタイト
に変化し、生体骨との化学結合性に優れ、生体内で安定
な物質となり得る。
ことによって作製したリン酸アンモニウムカルシウム水
和物を含むガラス粉末や結晶化ガラス粉末に、硬化液と
してリン酸塩を主成分とする水溶液を混合すると、ガラ
ス粉末や結晶化ガラス粉末中のCa2+イオンと硬化液中
のHPO4 2-イオンが反応し、水酸アパタイト等のリン
酸カルシウム結晶が生成して硬化する。さらにもともと
の粉末に含まれるリン酸アンモニウムカルシウム水和物
同士も結合するために早期に硬化することになる。硬化
体中のリン酸アンモニウムカルシウム水和物は、生体中
で徐々にアンモニウムを溶出し、且つ、水酸アパタイト
に変化し、生体骨との化学結合性に優れ、生体内で安定
な物質となり得る。
【0016】ガラス粉末と結晶化ガラス粉末とは、Ca
2+イオンの溶出速度が異なり、ガラス粉末の方が結晶化
ガラス粉末よりも溶出速度が大きく、硬化時間が短い。
硬化液中のHPO4 2- イオン濃度との組合せによっても
硬化時間は、異なるが、使用の必要に応じて適当なCa
+ イオン溶出速度を有するようにガラス粉末と結晶化ガ
ラス粉末との混合割合を選択すれば良い。
2+イオンの溶出速度が異なり、ガラス粉末の方が結晶化
ガラス粉末よりも溶出速度が大きく、硬化時間が短い。
硬化液中のHPO4 2- イオン濃度との組合せによっても
硬化時間は、異なるが、使用の必要に応じて適当なCa
+ イオン溶出速度を有するようにガラス粉末と結晶化ガ
ラス粉末との混合割合を選択すれば良い。
【0017】尚、本発明においては、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の無機材
料の粗粒子やそれらを繊維状にしたもの、あるいはウィ
スカー等の補強材を、粉末100重量%に対して1重量
%以上添加することによって、より強度を高めることが
可能となる。但し、補強材を多量添加すると、硬化時間
が長くなるので好ましくない。
ム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の無機材
料の粗粒子やそれらを繊維状にしたもの、あるいはウィ
スカー等の補強材を、粉末100重量%に対して1重量
%以上添加することによって、より強度を高めることが
可能となる。但し、補強材を多量添加すると、硬化時間
が長くなるので好ましくない。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
する。
【0019】表1は、本発明の実施例(試料No.1〜
6)及び比較例(試料No.7〜9)の生体活性セメン
トを示すものである。
6)及び比較例(試料No.7〜9)の生体活性セメン
トを示すものである。
【0020】
【表1】
【0021】表中のガラス粉末A及びBは、以下のよう
にして作製した。
にして作製した。
【0022】まず重量百分率で、CaO 47.0%、
SiO2 35.5%、P2 O517.0%、CaF2
0.5%の組成を有するガラスとなるように調合した
原料を1500℃で2時間溶融し、ガラス化した後、ロ
ール成形し、次いでこの成形体をボールミルで粉砕し、
ふるいで分級して最大粒径が44μm以下のガラス粉末
Aを得た。また同様のガラス成形体をボールミルに入
れ、さらにリン酸アンモニウム水溶液をガラス10に対
して1体積比となるように混合して粉砕し、ふるいで分
級することによって最大粒径が44μm以下であり、リ
ン酸アンモニウムカルシウム水和物を含むガラス粉末B
を得た。
SiO2 35.5%、P2 O517.0%、CaF2
0.5%の組成を有するガラスとなるように調合した
原料を1500℃で2時間溶融し、ガラス化した後、ロ
ール成形し、次いでこの成形体をボールミルで粉砕し、
ふるいで分級して最大粒径が44μm以下のガラス粉末
Aを得た。また同様のガラス成形体をボールミルに入
れ、さらにリン酸アンモニウム水溶液をガラス10に対
して1体積比となるように混合して粉砕し、ふるいで分
級することによって最大粒径が44μm以下であり、リ
ン酸アンモニウムカルシウム水和物を含むガラス粉末B
を得た。
【0023】また表中の結晶化ガラス粉末C及びDは、
以下のようにして作製した。
以下のようにして作製した。
【0024】上記したガラス粉末Aと同様のガラス成形
体を1050℃で4時間焼成することによって結晶化さ
せた後、この結晶化ガラス成形体をボールミルで粉砕
し、ふるいで分級して最大粒径が44μm以下の結晶化
ガラス粉末Cを得た。また同様の結晶化ガラス成形体を
ボールミルに入れ、さらにリン酸アンモニウム水溶液を
結晶化ガラス10に対して1体積比となるように混合し
て粉砕し、ふるいで分級することによって最大粒径が4
4μm以下であり、リン酸アンモニウムカルシウム水和
物を含む結晶化ガラス粉末Dを得た。
体を1050℃で4時間焼成することによって結晶化さ
せた後、この結晶化ガラス成形体をボールミルで粉砕
し、ふるいで分級して最大粒径が44μm以下の結晶化
ガラス粉末Cを得た。また同様の結晶化ガラス成形体を
ボールミルに入れ、さらにリン酸アンモニウム水溶液を
結晶化ガラス10に対して1体積比となるように混合し
て粉砕し、ふるいで分級することによって最大粒径が4
4μm以下であり、リン酸アンモニウムカルシウム水和
物を含む結晶化ガラス粉末Dを得た。
【0025】硬化液としては、正リン酸を蒸留水に混合
した希薄な弱酸性を示す正リン酸水溶液、弱酸性から中
性を示す希薄リン酸アンモニウム水溶液、リン酸ナトリ
ウム水溶液及びリン酸カリウム水溶液を使用した。
した希薄な弱酸性を示す正リン酸水溶液、弱酸性から中
性を示す希薄リン酸アンモニウム水溶液、リン酸ナトリ
ウム水溶液及びリン酸カリウム水溶液を使用した。
【0026】表中の粉液比は、各粉末と硬化液との割合
であり、圧縮強度が最大となる値を選んだ。
であり、圧縮強度が最大となる値を選んだ。
【0027】セメントの特性評価は、固定性を得るため
の圧縮強度と生体骨あるいは組織との係わりを検討し
た。
の圧縮強度と生体骨あるいは組織との係わりを検討し
た。
【0028】圧縮強度は、JIS T 6602(歯科
用リン酸亜鉛セメント)に準じて測定したものであり、
各粉末と硬化液とを十分に混練した後、所定の型に流し
込んで1時間放置して硬化させ、次いで型から取り出
し、疑似体液中に24時間浸漬した後、濡れ圧縮強度を
測定した。
用リン酸亜鉛セメント)に準じて測定したものであり、
各粉末と硬化液とを十分に混練した後、所定の型に流し
込んで1時間放置して硬化させ、次いで型から取り出
し、疑似体液中に24時間浸漬した後、濡れ圧縮強度を
測定した。
【0029】また炎症反応は、各粉末と硬化液とを混練
した後、直径10mm、厚さ2mmの型に流し込み、4
分間放置した後、混練物をラットの皮下に埋入し、その
周囲の軟部組織を顕微鏡で観察することによって判断し
たものであり、壊死のみられたものを有、壊死のみられ
なかったものを無とした。
した後、直径10mm、厚さ2mmの型に流し込み、4
分間放置した後、混練物をラットの皮下に埋入し、その
周囲の軟部組織を顕微鏡で観察することによって判断し
たものであり、壊死のみられたものを有、壊死のみられ
なかったものを無とした。
【0030】さらに生体骨との結合は、ラットの脛骨顆
部に4mmφの穴をあけ、ここに練和後の各試料を充填
し、4週間後に屠殺し、セメントの周囲組織を摘出して
周囲骨との結合性を顕微鏡で観察したものであり、また
硬化時間は、JIS T 6602(歯科用リン酸亜鉛
セメント)に準じて測定したものであり、混練物に重さ
300g、断面積1mm2 の針を落とし、針跡がつかな
くなる時間によって求めた。
部に4mmφの穴をあけ、ここに練和後の各試料を充填
し、4週間後に屠殺し、セメントの周囲組織を摘出して
周囲骨との結合性を顕微鏡で観察したものであり、また
硬化時間は、JIS T 6602(歯科用リン酸亜鉛
セメント)に準じて測定したものであり、混練物に重さ
300g、断面積1mm2 の針を落とし、針跡がつかな
くなる時間によって求めた。
【0031】その結果、本発明の実施例であるNo.1
〜6の各試料は、70MPa以上の圧縮強度を有してお
り、また周囲の生体組織との炎症反応も無く、周囲骨と
の結合も示し、さらに早期に自己凝固硬化した。
〜6の各試料は、70MPa以上の圧縮強度を有してお
り、また周囲の生体組織との炎症反応も無く、周囲骨と
の結合も示し、さらに早期に自己凝固硬化した。
【0032】それに対し、ガラス粉末Aと硬化液として
リン酸アンモニウム水溶液を使用したNo.7の試料
は、圧縮強度が50MPaと低く、また結晶化ガラス粉
末Cと硬化液としてリン酸アンモニウム水溶液を使用し
たNo.8の試料は、硬化時間が長かった。さらにPM
MAセメントを示すNo.9の試料は、圧縮強度が80
MPaと高いが、周囲組織に炎症反応を引き起こし、且
つ、周囲骨との結合が認められなかった。
リン酸アンモニウム水溶液を使用したNo.7の試料
は、圧縮強度が50MPaと低く、また結晶化ガラス粉
末Cと硬化液としてリン酸アンモニウム水溶液を使用し
たNo.8の試料は、硬化時間が長かった。さらにPM
MAセメントを示すNo.9の試料は、圧縮強度が80
MPaと高いが、周囲組織に炎症反応を引き起こし、且
つ、周囲骨との結合が認められなかった。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の生体活性セメント
は、生体組織に対して炎症反応を誘起することなく、早
期に自己凝固硬化して人工生体材料を接着固定させるこ
とができ、また生体骨と化学結合すると共に高強度を有
するため、長期間使用しても生体骨との緩みが生じるこ
とがなく安定である。さらにそれ自体を各種の形状にし
て骨や歯の欠損部の充填材として使用することも可能で
ある。
は、生体組織に対して炎症反応を誘起することなく、早
期に自己凝固硬化して人工生体材料を接着固定させるこ
とができ、また生体骨と化学結合すると共に高強度を有
するため、長期間使用しても生体骨との緩みが生じるこ
とがなく安定である。さらにそれ自体を各種の形状にし
て骨や歯の欠損部の充填材として使用することも可能で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 リン酸アンモニウムカルシウム水和物を
含むガラス粉末及び/又は結晶化ガラス粉末と、リン酸
塩を主成分とする水溶液とからなることを特徴とする生
体活性セメント。 - 【請求項2】 Caを含有するガラス粉末及び/又は結
晶化ガラス粉末と、リン酸アンモニウム水溶液とを混合
することによって硬化させた後、粉砕してリン酸アンモ
ニウムカルシウム水和物を含むガラス粉末及び/又は結
晶化ガラス粉末を作製し、次いで該粉末と、リン酸塩を
主成分とする水溶液とを混合することを特徴とする生体
活性セメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3258311A JPH0564658A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 生体活性セメント及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3258311A JPH0564658A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 生体活性セメント及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0564658A true JPH0564658A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=17318491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3258311A Pending JPH0564658A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 生体活性セメント及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0564658A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08252306A (ja) * | 1995-02-07 | 1996-10-01 | Ethicon Inc | 外科用デバイスを取り付けるための生体適合性接着剤/シーラント材料の使用 |
KR20210069151A (ko) * | 2019-12-02 | 2021-06-11 | 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 | 구리가 도핑된 생활성 유리 나노입자를 포함하는 나노시멘트 및 이의 제조 방법 |
-
1991
- 1991-09-09 JP JP3258311A patent/JPH0564658A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08252306A (ja) * | 1995-02-07 | 1996-10-01 | Ethicon Inc | 外科用デバイスを取り付けるための生体適合性接着剤/シーラント材料の使用 |
KR20210069151A (ko) * | 2019-12-02 | 2021-06-11 | 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 | 구리가 도핑된 생활성 유리 나노입자를 포함하는 나노시멘트 및 이의 제조 방법 |
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