JP2505545B2 - 硬化性組成物の硬化方法 - Google Patents

硬化性組成物の硬化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生体の骨欠損部及び空隙部、又は歯牙の欠損
部を充填する硬化性組成物の新規な硬化方法に関する。
詳しくは、水との接触により、速やかにヒドロキシアパ
タイト硬化体を生成し、優れた親和性を有する充填材と
なる硬化性組成物の硬化方法に関する。
〔従来技術及びその問題点〕
外科、整形外科領域においては、交通事故、骨腫瘍の
切除等により、また歯科領域においては歯槽膿漏によっ
て引き起こされる歯槽骨吸収又は抜歯等により、骨に欠
損部あるいは空隙部が生じる。
現在このような骨欠損部あるいは空隙部への充填のた
めに自家骨、高分子、金属、セラミックス等種々の材料
が使用されている。中でも、自家骨はその回りに骨形成
され易く、更に拒絶反応が少ないなどの点で非常に優れ
ている。しかしながら、自家骨は本人の正常な組織から
採取せねばならず、手術による大きな苦痛を伴うばかり
でなく、十分な量を確保できない場合も多い。
そこで近年、自家骨に代わる材料としてヒドロキシア
パタイトが使用され始めている。ヒドロキシアパタイト
は合成または動物の骨を焼成し、有機成分を除去する等
により得られ、生体親和性が非常に良いことが知られて
いる。しかしながら、ヒドロキシアパタイトを微粉末又
は顆粒状で充填材として使用した場合、血液や体液によ
る流出あるいは縫合後も異物として漏出されると言う問
題点が指摘されている。
上記問題点を解決する方法として、リン酸四カルシウ
ムと他のリン酸カルシウム塩混合物を、粉末のまま、あ
るいは水で練和して充填することにより、ヒドロキシア
パタイトを生成、硬化する組成物が提案されている(US
P4518430)。しかしながら、この組成物は硬化時間が20
−30分と長いため、骨充填の場合の血液や体液による漏
出、あるいは歯牙の裏層材として用いた場合に次の操作
に移れないなどの問題点が指摘されている。そこで硬化
時間を短くする方法として、フッ化ナトリウム、フッ化
カルシウム等おフッ化物、あるいはヒドロキシアパタイ
トの添加等が検討されている。しかしながら、フッ化物
は体内充填材として使用する場合には為害性の問題があ
り、ヒドロキシアパタイトの添加は24−43%と大量の添
加が必要なため、操作性が非常に悪くなる、あるいは圧
縮強度が低下する等の問題点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、リン酸四カルシウム及びCa/P原子比が1.
67未満のリン酸カルシウムよりなる硬化性組成物を硬化
させるに際し、該硬化性組成物と水との混合時の初期pH
を特定の範囲に調整することにより、為害性、操作性、
製造上等の問題点を生ずることなく、硬化時間が著しく
短くなることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、リン酸四カルシウム及びCa/P原子比が
1.67未満のリン酸カルシウムよりなるCa/P原子比が1.3
〜1.8の硬化性組成物を硬化させるに際し、該硬化性組
成物と水との混合時の初期pHを6〜9に調整する事を特
徴とする硬化性組成物の硬化方法に関する。
本発明の硬性組成物に用いられるリン酸四カルシウム
(以下、C4Pと略す。)粉体は、いかなる方法で製造さ
れたものであっても良い。原料は、Ca源として炭酸カル
シウム[CaCO3]、炭酸カリウム[CaO]、水酸化カルシウ
ム[Ca(CO)2]、P源として五酸化リン[P2O5]、リン酸[H3
PO4]、リン酸二水素アンモニウム[NH4H2PO4]、リン酸水
素アンモニウム[(NH4)2HPO4]、CaとPの両方を含有する
リン酸水素カルシウム二水和物[CaHPO4・2H2O]、リン酸
水素カルシウム無水物[CaHPO4]、リン酸二水素カルシウ
ム無水物[Ca(H2PO4)2]、ピロリン酸カルシウム[Ca2P
2O7]等が採用され、原料によって種々の製造方法があ
る。中でも公知のCaHPO4・2H2Oを焼成して得たγ‐Ca2P2
O7をCaCO3と混和焼成する乾式製造法が好適である。
この反応は、 2CaHPO4・2H2O→γ‐Ca2P2O7+3H2O γ‐Ca2P2O7+2CaCO3→Ca4P2O9+2CO2 の反応式で示され、1200℃以上で焼成後炉外で急冷する
か、窒素雰囲気中で1200℃以上で焼成すれば、ヒドロキ
シアパタイトに転移することなく純粋なC4Pが得られ
る。
また本発明において、前記したC4Pと混合されるCa/P
原子比が1.67未満のリン酸カルシウム(以下、HPCPと略
す。)としては、種々のものが使用される。例えば、リ
ン酸二水素カルシウム二水和物[Ca(H2PO4)2・H2O],リン
酸水素カルシウム二水和物[CaHPO4・2H2O],リン酸水素
カルシウム無水物[CaHPO4],リン酸八カルシウム[Ca8H2
(PO4)6・5H2O],リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2],ピロ
リン酸カルシウム[Ca2P2O7]が挙げられるが、そのうちC
aHPO4・2H2O,CaHPO4は、硬化体の力学的性質、操作性、
保存安定性の点で、特に好適である。例えばHPCPとして
CaHPO4・2H2Oを用いた場合、反応式は次式のように表さ
れ、ヒドロキシアパタイトが生成する。
2Ca4P2O9+2CaHPO4・2H2O→Ca10(PO4)6(OH)2+2H2O 本発明において、上記のHPCP粉末とC4P粉末の混合物
の混合比はCa/P原子比が1.3〜1.8の割合になるように調
節することが、ヒドロキシアパタイトを効率よく生成さ
せ、得られる硬化体の強度を高めるために好ましい。
また、上記のHPCP粉末及びC4P粉末の粒径、形状は特
に制限されないが、硬化速度を速めるためと粉液比を向
上させるために、HPCP粉末の平均粒径については50μm
未満、好ましくは0.1〜10μmの範囲が、またC4P粉末の
平均粒径については0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50
μmの範囲が好適に使用される。
本発明の最大の特徴は、硬化性組成物と水との混合時
の初期pHを6〜9の範囲に調整する事にある。本発明で
言う初期pHとは、硬化性組成物と水との混合後1分以内
のpHである。また、硬化時間の著しい短縮を実現するた
めに上記pHは6.4〜7.8の範囲である事がより好ましい。
硬化性組成物と水との混合時の初期pHを上記範囲とす
るための手段は特に制限されない。例えば一つの手段と
しては、前記したC4Pの製造における原料混合時のCa/P
原子比を2よりも若干小さくして得られたC4Pを、硬化
性組成物の原料として用いる方法がある。その場合、好
ましいCa/P原子比は1.94〜1.98の範囲である。Ca/P原子
比が上記の範囲より大きいと、初期pHは9より大きくな
り、硬化時間が長くなってしまう。又、Ca/P原子比が上
記範囲より小さいと、C4P合成時にリン酸三カルシウム
が副生し、硬化が阻害される事により硬化時間が延長さ
れる。
上記手段による硬化時間短縮の理由は明かではない
が、Ca/P原子比を小さする事によりC4P合成時にC4P中に
副生するCaO量が減少し、結果として硬化性組成物と水
との混合時のpHが上記の範囲に入るためと思われる。
pHをコントロールするための他の手段としては、硬化
性組成物と混合する水を上記範囲のpHを有する緩衝溶液
とする方法がある。
本発明で用いられる緩衝溶液は、そのpHが上記の範囲
にあれば特に限定されず、一般に公知の物が使用され
る。
それらを例示すれが、リン酸二水素カリウムと水酸化
ナトリウム、リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナト
リウム、四ホウ酸ナトリウムと塩酸、リン酸二水素カリ
ウムと四ホウ酸ナトリウム、ジエチルバルビツル酸ナト
リウムと塩酸、四ホウ酸ナトリウムとホウ酸と塩化ナト
リウム、リン酸水素二ナトリウムとクエン酸、246−ト
リメチルピリジンと塩酸、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタンと塩酸、リン酸二水素カリウムと炭酸水素
ナトリウム等の組合せによる水溶液がある。
その中でも、特にリン酸イオンを含む緩衝溶液が好ま
しくそれらを例示すれば、リン酸二水素カリウムと水酸
化ナトリウム、リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナ
トリウム、リン酸二水素カリウムと四ホウ酸ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウムとクエン酸、リン酸二水素
カリウムと炭酸水素ナトリウム等の組合せがある。
上記緩衝溶液中に含まれるイオン種の組成比は緩衝溶
液のpHが上記の範囲となるように適宜決定される。
又、上記緩衝溶液中に含まれるイオン種の濃度は該緩
衝溶液が使用されるに際し十分な緩衝能を有するように
適宜決定されるが、一般的には0.001〜0.5Mの範囲であ
り、より好ましくは0.01〜0.2Mの範囲である。
更に,pHをコントロールする他の手段としては、上記
緩衝溶液の酸、塩基、又は塩成分を硬化性組成物に予め
添加しておいて、水との混合時のpHを前記範囲に納める
事も可能であり、その場合にはイオン交換水等を用いて
硬化させれば良い。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて硬化性に著し
い悪影響を与えない範囲で、他の成分を添加することが
できる。例えば、X線造影性を持たせるために、硫酸バ
リウム、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ジル
コニア、ヨードホルム等を硬化性組成物100重量部に対
して10〜50重量部添加するのが好適である。また、操作
性及び強度を調節するために、シリカ、フッ化カルシウ
ム、二酸化チタン、水酸化カルシウム、アルミナ、リン
酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等を添加することが
出来る。
本発明の水硬性組成物の粉末と練和液の粉液比は、用
途に応じて好適な粘度となるように適宜決定すれば良
い。一般には、得られる練和物の練和1分後の粘度が10
〜10000ポイズ、好ましくは100〜7000ポイズの範囲内と
なるように粉液比を調節すれば良い。例えば根管充填材
として使用する場合には、練和物の粘度が100〜5000ポ
イズとなるように粉液比を調節することが望ましい。
[作用] 本発明において、硬化性組成物と水との混合時の初期pH
を調節する事によって硬化性組成物の硬化時間が短縮さ
れる事の理由は明かではないが、pHの調整によりC4PとH
PCPの溶解とヒドロキシアパタイトの結晶成長が共に促
進されるためと思われる。
[効果] 従来のC4PとHPCPとからなる硬化性組成物は、硬化時
間が長く、限られた用途にしか用いることが出来なかっ
た。しかし、本発明の硬化方法によれば操作性、安全
性、強度等の性質を損なうことなく、該硬化性組成物の
硬化時間を短縮できる。
従って、本発明の硬化方法を用いることにより該硬化
性組成物を、裏層材、合着セメント、充填セメント、根
管充填材、覆罩材、歯周ポケット充填材などの歯科用修
復材、あるいは骨充填材、骨セメントなどの整形外科用
修復材として好適に使用することが出来る。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、本文中並びに実施例中に示した材料の性状に関する
諸量の定義及びそれらの測定方法については次の通りで
ある。
(1)平均粒子径 得られた粒子をイソプロピルアルコールに分散させ
て、粒度分布計(CAPA−500、堀場製作所製)で測定し
た。測定原理は遠心沈降法である。
(2)構造 X線回折測定装置(日本電子)を用いて反応生成物の
X線回折を測定し、原料を残量及び反応生成物の構造を
同定した。
(3)硬化性組成物と水との混合時の初期pH イオン交換水15gに硬化性組成物4.5gを添加混合し、
混合1分後のpHをpHメーター(堀場製作所)にて測定し
た。
(4)混和物の硬化時間 内径が20mm、厚さ3mmのポリ塩化ビニル製モールド
に、1分間練和した練和物を満たし、その表面を平らに
した。練和の開始から2分30秒を経過したときこれを温
度37℃、相対湿度100%の恒温槽中に移した。その後、
重量114.12gのギルモア針(針の断面積4.91mm2)を試験
片の面に静かに落とし、針跡がつかなくなった時を、練
和開始時から起算して硬化時間とした。
(5)圧縮強度 JIS T−6602のリン酸亜鉛セメントの破砕抗力試験に
準じた。
すなわち、1分間練和した練和物をモールドに入れ、
これを温度37℃、相対湿度100%の恒温槽中に1時間保
ってから、硬化体をモールドから取り出した。試験片の
大きさ及び形状は12mm×6mmφの円柱状である。その
後、この試験片をさらに37℃の蒸留水中に23時間保った
後、万能試験機テンシロン(東洋ボールドウィン社製)
を使用してクロスヘッドスピード毎分0.5mmで試験片が
破砕するまで加圧した。このときの破砕抗力を圧縮強度
(kg/cm2)とした。
実施例1 CaHPO4・2H2Oを500℃で2時間焼成してγ−Ca2P2O7
得た。この粉末とCaCO3粉末を1:2(モル比)で混合し、
空気中1400℃で2時間焼成した後、炉外で急冷した。生
成した粉末はC4PであることをX線回折図から確認し
た。このC4Pをアルミナ製ボールミルにかけ、10時間粉
砕した。これを250メッシュの目開きのふるいにかけ、C
4P粉末(平均粒径5.3μm)を得た。
このC4P粉末43.7重量部とリン酸水素カルシウム無水
物16.3重量部を混合してCa/P原子比1.67の硬化性組成物
を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を4対6の割合で混合
してpHが7.0の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所、練和開始
1分後のpHは7.0、硬化時間は5分30秒、圧縮強度は251
kg/cm2であった。
実施例2 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67のC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を6対4の割合で混合
してpHが6.6の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは6.6、硬化時間は8分10秒、圧縮強度は231kg
/cm2であった。
実施例3 実施例1で得られたC4P34.4重量部とリン酸水素カル
シウム無水物25.6重量部を混合してCa/P原子比1.50の硬
化性組成物を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を1対9の割合で混合
してpHが7.8の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.8、硬化時間は6分20秒、圧縮強度は209kg
/cm2であった。
実施例4 実施例1で得られたC4P43.7重量部とリン酸水素カル
シウム二水和物20.6重量部を混合してCa/P原子比1.75の
硬化性組成物を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を4対6の割合で混合
してpHが7.0の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.0、硬化時間は5分10秒、圧縮強度は213kg
/cm2であった。
実施例5 実施例1で得られたC4P22.3重量部とリン酸三カルシ
ウム37.7重量部を混合してCa/P原子比1.75の硬化性組成
物を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を4対6の割合で混合
してpHが7.0の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.0、硬化時間は9分10秒、圧縮強度は194kg
/cm2であった。
実施例6 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67のC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
次に、1/5Mリン酸水素二ナトリウム水溶液及び1/10M
クエン酸水溶液を7.7対2.3の割合で混合し、pHが6.8の
緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは6.8、硬化時間は7分50秒、圧縮強度は202kg
/cm2であった。
実施例7 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67のC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
次に、1/10Mリン酸二水素カリウム水溶液及び1/20M四
ホウ酸ナトリウム水溶液を5.8対4.2の割合で混合し、pH
が7.2の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.2、硬化時間は9分40秒、圧縮強度は231kg
/cm2であった。
実施例8 CaHPO4・2H2Oを500℃で2時間焼成してγ−Ca2P2O7
得た。この粉末とCaCO3粉末を1:1.96(モル比)で混合
し、空気中1400℃で2時間焼成した後、炉外で急冷し
た。生成した粉末はC4PであることをX線回折図から確
認した。このC4Pをアルミナ製ボールミルにかけ、10時
間粉砕した。これを250メッシュの目開きのふるいにか
け、C4P粉末(平均粒径5.5μm)を得た。
このC4P粉末44.4重量部とリン酸水素カルシウム無水
物15.6重量部を混合してCa/P原子比1.67の硬化性組成物
を得た。
該硬化性組成物とイオン交換水を練和した所、練和開
始1分後のpHは7.3、硬化時間は7分30秒、圧縮強度は2
46kg/cm2であった。
実施例9 CaHPO4・2H2Oを500℃で2時間焼成してγ−Ca2P2O7
得た。この粉末とCaCO3粉末を1:1.98(モル比)で混合
し、空気中1400℃で2時間焼成した後、炉外で急冷し
た。生成した粉末はC4PであることをX線回折図から確
認した。このC4Pをアルミナ製ボールミルにかけ、10時
間粉砕した。これを250メッシュの目開きのふるいにか
け、C4P粉末(平均粒径5.2μm)を得た。
このC4P粉末44.1重量部とリン酸水素カルシウム無水
物15.9重量部を混合してCa/P原子比1.67の硬化性組成物
を得た。
該硬化性組成物とイオン交換水を練和した所、練和開
始1分後のpHは7.7、硬化時間は9分20秒、圧縮強度は2
28kg/cm2であった。
比較例1 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67とC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
該硬化性組成物とイオン交換水を練和した所、練和開
始1分後のpHは11.8、硬化時間は51分、圧縮強度は163k
g/cm2であった。
比較例2 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67とC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を9.5対0.5の割合で混
合してpHが5.4の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所、練和開始
1分後のpHは5.4、硬化時間は14分10秒、圧縮強度は171
kg/cm2であった。
比較例3 実施例1と同様にして、Ca/P原子比1.67とC4Pとリン
酸水素カルシウム無水物とからなる硬化性組成物を得
た。
次に、1/10Mリン酸二水素カリウム水溶液及び1/20Mリ
ン酸水素二ナトリウム水溶液を調製し両者を0.5対9.5の
割合で混合してpHが9.2の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所、練和開始
1分後のpHは9.2、硬化時間は28分、圧縮強度は159kg/c
m2であった。
比較例4 実施例1で得られたC4P55.4重量部とリン酸水素カル
シウム無水物4.6重量部を混合してCa/P原子比1.90の硬
化性組成物を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を4対6の割合で混合
してpHが7.0の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.0、硬化時間は31分、圧縮強度は141kg/cm2
であった。
比較例5 実施例1で得られたC4P15.1重量部とリン酸水素カル
シウム無水物44.9重量部を混合してCa/P原子比1.20の硬
化性組成物を得た。
次に、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナトリ
ウムの1/15M水溶液を調製し両者を4対6の割合で混合
してpHが7.0の緩衝溶液を得た。
該硬化性組成物と該緩衝溶液を練和した所練和開始1
分後のpHは7.0、硬化時間は26分、圧縮強度は145kg/cm2
であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸四カルシウム及びCa/P原子比が1.67
    未満のリン酸カルシウムよりなるCa/P原子比が1.3〜1.8
    の硬化性組成物を硬化させるに際し、該硬化性組成物と
    水との混合時の初期pHを6〜9に調整する事を特徴とす
    る硬化性組成物の硬化方法。
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