JPH0564633A - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

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JPH0564633A
JPH0564633A JP3227422A JP22742291A JPH0564633A JP H0564633 A JPH0564633 A JP H0564633A JP 3227422 A JP3227422 A JP 3227422A JP 22742291 A JP22742291 A JP 22742291A JP H0564633 A JPH0564633 A JP H0564633A
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Shoichi Kanayama
省一 金山
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間で被検体内の磁場強度分布を正確に測定
し磁場均一性を調整できる磁気共鳴映像装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】所定のフリップ角αの高周波パルスRFを印加
すると共にスライス用勾配磁場Gsを印加して所望の領
域を励起した後、読み出し用勾配磁場Grを正負交互に
反転させて印加すると共にGrの反転毎に位相エンコー
ド用勾配磁場Geを印加することにより第1のエコー信
号列を収集し、第1のエコー信号列の収集に続き、再び
Grを正負交互に反転させて印加すると共にGrの反転
毎にGsを印加することにより第2のエコー信号列を収
集して、これら第1および第2のエコー信号列から第1
および第2の位相画像データを生成し、これら第1およ
び第2の位相画像データと第1および第2のエコー信号
列の時間間隔ΔTから被検体内の磁場強度分布を演算で
求めるようにした磁気共鳴映像装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴映像装置に係
り、特に被検体内の磁場強度分布を高速に収集して磁場
均一性を調整する機能を備えた磁気共鳴映像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴映像法は、固有の磁気モーメン
トを持つ核スピンの集団が一様な静磁場中に置かれた時
に、特定の周波数で回転する高周波磁場のエネルギーを
共鳴的に吸収する現象を利用して、物質の化学的および
物理的な微視的情報を映像化する手法である。
【0003】この磁気共鳴映像法では、歪の少ない画像
を得るために、更にはスペクトロスコピックイメージン
グ法において周波数分解能の高いスペクトルを得るため
等の理由から、静磁場の磁場強度分布が均一であるこ
と、すなわち磁場均一性が要求される。特に、エコープ
ラナー法のような高速イメージング法や、生体中の 1
(プロトン)、31P(リン)などの特定の核種のスペク
トルを観測するスペクトロスコピックイメージング法に
おいては、百万分の一(ppm)以上の磁場均一性が要
求される。この磁場均一性を得るために、なんらかの方
法で磁場強度分布の調整を行う必要がある。この際、磁
場均一性は被検体の帯磁率や形状によっても影響を受け
るため、静磁場中に被検体が入った状態で被検体内の磁
場強度分布を測定し、その測定結果に従って磁場強度分
布が調整される。
【0004】従来、磁場強度分布の測定法として化学シ
フトイメージング法(A.A.Maudsleyet al."Rapid Measu
rement of Magnetic Field Distribution Using Nuclea
rMagnetic Resonance"Siemens R/D Report vol.8,pp326
-331,1979参照)や、スピンエコー法のシーケンスをエ
コー時間を変えて行って得られた2枚の位相画像から磁
場強度分布を求める、いわゆる位相法(特開昭61−1
80130号参照)が提案されている。
【0005】これらのうち化学シフトイメージング法
は、本質的に測定に時間がかかるという問題がある。位
相法は、高周波磁場の照射と磁気共鳴信号の検出のため
の高周波コイルの感度むらによる誤差や、装置固有の不
完全性に基づく位相誤差の影響を受けずに測定ができる
という利点があるが、1枚の位相画像を得るのにスピン
エコー法のパルスシーケンスを多数回繰り返す必要があ
るため、やはり測定に時間がかかるという問題がある。
また、位相法は被検体内において同一核種でありながら
化学シフトにより異なる磁気共鳴周波数を有する複数の
物質(例えばプロトンに注目したときの水と脂肪)が混
在している場合、正確な磁場強度分布を得ることができ
ないという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の化学シフトイメージングや位相法といった磁場強度分
布測定技術では、いずれも測定に時間がかかるため、検
査時間が長くなって被検体に与える苦痛が大きくなると
いう問題と、被検体内の対象とする核種の核スピンの化
学シフトの影響で、正確な磁場強度分布を得ることがで
きないという問題があった。本発明は上記の問題点を解
決し、短時間で被検体内の磁場強度分布を正確に測定し
磁場均一性を調整できる磁気共鳴映像装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は高周波パルスとスライス用勾配磁場の印加
により励起された領域に読み出し用勾配磁場を正負交互
に反転させて印加すると共に読み出し用勾配磁場の反転
毎に位相エンコード用勾配磁場を印加することによって
エコー信号列を収集する一連のシーケンスを2回続けて
行い、得られた第1および第2のエコー信号列から、励
起された領域内の磁場強度分布を反映した位相差を相対
応する画素間に有する第1および第2の位相画像を生成
し、これら第1および第2の位相画像データと該位相画
像データの時間間隔から被検体内の磁場強度分布を演算
することを基本的な特徴とする。
【0008】第1および第2のエコー信号列を収集する
ために、本発明の一つの態様によれば、被検体に所定フ
リップ角の高周波パルスとスライス用勾配磁場を印加す
ることにより所望の領域を励起し、この領域に読み出し
用勾配磁場を正負交互に反転させて印加すると共に読み
出し用勾配磁場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を
印加することにより、第1のエコー信号列を収集した
後、これに続き先の励起された領域に読み出し用勾配磁
場を正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用勾
配磁場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加する
ことによって、磁気共鳴信号として第2のエコー信号列
を収集する。
【0009】他の態様によれば、被検体に所定フリップ
角の高周波磁場パルスとスライス用勾配磁場を印加する
ことにより所望の領域を励起し、この領域を励起タイミ
ングに対して所定のタイミングで読み出し用勾配磁場を
正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用勾配磁
場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加すること
により、磁気共鳴信号として第1のエコー信号列を収集
した後、被検体に所定フリップ角の高周波磁場パルスと
スライス用勾配磁場を印加することにより先に励起され
た領域を再び励起し、この励起された領域に励起タイミ
ングに対して第1のエコー信号列収集と異なるタイミン
グで読み出し用勾配磁場を正負交互に反転させて印加す
ると共に読み出し用勾配磁場の反転毎に位相エンコード
用勾配磁場を印加することにより、第2のエコー信号列
を収集する。
【0010】これらの場合、第1および第2の位相画像
から磁場強度分布を演算する際の時間ファクタである両
位相画像の時間間隔としては、第1および第2のエコー
信号列の零エンコードの中心間間隔を利用することがで
きる。
【0011】さらに、別の態様によれば被検体に90°
高周波磁場パルスとスライス用勾配磁場を印加すること
により所望の領域を励起し、この領域に読み出し用勾配
磁場を正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用
勾配磁場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加す
ることにより第1のエコー信号列を収集した後、励起さ
れた領域に180°高周波磁場パルスを印加した後、読
み出し用勾配磁場を正負交互に反転させて印加すると共
に読み出し用勾配磁場の反転毎に位相エンコード用勾配
磁場を印加することにより、スピンエコーに基づく第2
のエコー信号列を収集する。
【0012】この場合、90°パルスの中心から180
°パルスの中心までの時間間隔と、180°パルスの中
心から第2のエコー信号列を収集する際の零エンコード
の中心までの時間間隔を等しくし、90°パルスの中心
から第1のエコー信号列収集における零エンコードの中
心までの時間間隔を第1および第2の位相画像から磁場
強度分布を演算する際の時間ファクタである両位相画像
の時間間隔として利用することができる。
【0013】一方、イメージング対象の核種の核スピン
が被検体中において化学シフトにより複数の磁気共鳴周
波数を有している場合には、予め所定の磁気共鳴周波数
以外の磁気共鳴周波数を有している核スピンからの磁気
共鳴信号を抑制するか、または特にイメージング対象の
核スピンが被検体中において化学シフトにより2つの磁
気共鳴周波数を有している場合には、第1および第2の
位相画像データから磁場強度分布を演算する際の時間フ
ァクタが、イメージング対象の核スピンの2つの磁気共
鳴周波数の位相差が360°となる時間となるようにパ
ルスシーケンスを制御することによって、イメージング
対象の核スピンの化学シフトの影響で正確な磁場強度分
布を得ることができないという問題を解決し、正確な磁
場強度分布を得る。
【0014】また、本発明の実施に際しては、上述した
磁場強度分布測定をスライス面を変えて複数回実行する
ことにより、3次元の磁場強度分布を求め、その3次元
磁場強度分布情報から、磁場強度分布を均一にするため
の各磁場均一性調整用コイルに印加する電流補正値を求
め、各磁場均一性調整用コイルに印加する電流を制御す
る。各磁場均一性調整用コイルに印加する電流補正値を
求める際には、被検体内の所定の領域のみの3次元磁場
強度分布情報を用いることが望ましい。
【0015】
【作用】このように本発明では、2次元イメージングの
パルスシーケンスにより被検体内の磁場強度分布を位相
差に反映した2つの位相画像を生成するため、迅速かつ
正確に磁場強度分布測定が可能となる。従って、こうし
て測定された磁場強度分布の情報を利用して磁場均一性
を調整することにより、被検体内の磁場均一性が向上す
る。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装
置の構成を示すブロック図である。
【0017】同図において、静磁場磁石1、磁場均一性
調整コイル3および勾配磁場生成コイル5は、それぞれ
電源2、4および6によって駆動される。これにより被
検体7には、一様な静磁場と、この静磁場と同一方向で
互いに直交する3方向に線形の傾斜磁場分布を持つ勾配
磁場が印加される。
【0018】高周波プローブ9は、送信部10から高周
波信号が供給されることにより、被検体7に対して高周
波磁場を印加すると共に、被検体内7から発生される磁
気共鳴信号を受信する。なお、ここでは高周波プローブ
9を送受共用としたが、送受別々に高周波プローブを設
けてもよい。高周波プローブ9で受信された磁気共鳴信
号は、受信部11で直交位相検波された後、データ収集
部13に転送され、A/D変換されることにより、画像
再構成に必要なディジタルデータ(以下、画像再構成用
データという)が収集される。
【0019】上述した電源2、4および6と、送信部1
0、受信部11およびデータ収集部13は、システムコ
ントローラ12によって制御される。システムコントロ
ーラ12および電子計算機14は、コンソール15から
の指令により制御される。
【0020】電子計算機14では、データ収集部13か
ら入力される画像再構成用データに基づいてフーリエ変
換による画像再構成処理を行い、被検体7の所定のスラ
イス面内の画像データを得る。この画像データは画像デ
ィスプレイ16に送られ、画像表示される。
【0021】被検体7内の所定のスライス面内の画像再
構成用データを収集するためのパルスシーケンスおよび
本発明に基づく静磁場強度分布測定のためのパルスシー
ケンスは、システムコントローラ12によって制御され
る。
【0022】以下、本発明による磁場強度分布測定の手
順を説明する。図2は、本発明による磁場強度分布測定
の概略的な手順をフローチャートで示したもので、励起
ステップS0、第1のデータ収集ステップS1、第2の
データ収集ステップS2、画像再構成ステップS3、第
1および第2の位相画像データ生成ステップS4、およ
び磁場強度分布演算ステップS5からなる。なお、後述
するように第2のデータ収集ステップS2の前に第2の
励起ステップが入る場合もある。
【0023】図3〜図5は、磁場強度分布測定のための
パルスシーケンスの実施例を示したものである。図3〜
図5においてRFは高周波磁場、Gs,Gr,Geはス
ライス用、読み出し用および位相エンコード用の各勾配
磁場、signalは磁気共鳴信号をそれぞれ示す。高周波磁
場RFはパルス状に印加されるので、以下では当該分野
の慣用に従って高周波パルスと呼び、またスライス面内
の磁化を90°回転させる高周波パルスを90°パル
ス、180°回転させる高周波パルスを180°パルス
とそれぞれ呼ぶ。スライス用勾配磁場Gsは被検体7内
の所望の領域(スライス面)を励起するために用いら
れ、読み出し用勾配磁場Grは磁気共鳴信号を読み出す
ために用いられ、位相エンコード用勾配磁場Geはスラ
イス面内の位置情報を磁気共鳴信号の位相情報に変換す
るために用いられる。
【0024】図3に示す第1の実施例によるパルスシー
ケンスにおいては、まず励起ステップS0として、任意
のフリップ角αの高周波パルスを印加すると同時に、ス
ライス用勾配磁場Gsを印加することにより、所望のス
ライス面を励起し、磁気共鳴信号signalとしてFID
(自由誘導減衰)信号を発生させる。
【0025】続いて、第1のデータ収集ステップS1と
して、読み出し用勾配磁場Grを正負に交互に反転させ
て印加すると共に、読み出し用勾配磁場Grの反転毎に
位相エンコード用勾配磁場Geを印加することにより、
第1のエコー信号列を画像再構成用データとして収集す
る(データ収集I)。
【0026】次に、このデータ収集Iに続き、第2のデ
ータ収集ステップS2として、読み出し用勾配磁場Gr
および位相エンコード用勾配磁場Geを上記と同様に印
加することにより、第2のエコー信号列を画像再構成用
データとして収集する(データ収集II)。
【0027】これらデータ収集I,IIによるエコー信号
列の収集は、最初のフリップ角αの高周波パルスおよび
スライス用勾配磁場Gsの印加により励起されたスライ
ス面内の所望の核磁化が横磁化の緩和現象によって緩和
する時間内に行われる。
【0028】次に、画像再構成ステップS3として、上
記のように収集された第1および第2のエコー信号列に
よる画像再構成用データをそれぞれ適当な前処理の後、
複素フーリエ変換して画像再構成を行い、画像データを
得る。
【0029】そして、第1および第2の位相画像生成ス
テップS4として、ステップS3で複素フーリエ変換に
より得られた画像データの各画素の実数成分と虚数成分
から第1および第2の位相画像データをそれぞれ生成す
る。
【0030】次に、磁場強度分布演算ステップS5とし
て、第1および第2の位相画像データ間の各画素毎の位
相差Φ(x,y)を求めると共に、これらの位相画像デ
ータの時間間隔を図1に示した第1のデータ収集Iにお
ける零エンコードの中心から、第2のデータ収集IIにお
ける零エンコードの中心までの時間間隔をΔTとして、
各画素毎の位相差Φ(x,y)を次式(1) により磁場強
度分布に換算する。
【0031】 ΔH(x,y)=Φ(x,y)/γ・ΔT γ:対象とする核スピンの磁気回転比) …(1) すなわち、位相差Φ(x,y)を角周波数Φ(x,y)
/ΔTに換算することにより、ωo =γHo の関係か
ら、各画素毎のHo の不均一性ΔH(x,y)が求まる
ことになる。ここで、時間間隔ΔTは、予想される磁場
不均一性の最大値をΔHmax とした場合、 |γ・ΔHmax ・ΔT|<π …(2) となるように選択する。このようにして、短時間で磁場
不均一性を計測することができる。
【0032】次に、図4に示す第2の実施例による磁場
強度分布測定のためのパルスシーケンスを説明する。こ
の実施例では、まず図2のデータ収集Iのパルスシーケ
ンスと同様の図4(a)に示すパルスシーケンスによ
り、第1のエコー信号列を画像再構成用データとして収
集する。次に、同様の図4(b)に示すパルスシーケン
スにより第2のエコー信号列を画像再構成用データとし
て収集する。ここで、図4(a)と(b)のパルスシー
ケンスでは、フリップ角αの高周波パルスとスライス用
勾配磁場Gsの印加によるスライス面の励起後、読み出
し用勾配磁場Grおよび位相エンコード用勾配磁場Ge
を印加するタイミングがΔTだけ異なっている。具体的
には、図4(a)におけるフリップ角αの高周波パルス
およびスライス用勾配磁場Gsの印加時点から、零エン
コードの中心までの時間(エコー時間)をTEとする
と、図4(b)におけるそれはTE+ΔTとなってい
る。
【0033】この実施例によれば、図4(a)(b)で
それぞれ高周波パルスおよびスライス用勾配磁場Gsの
印加によるスライス面の励起を行うため、図3のパルス
シーケンスに比較して磁場強度分布の測定に時間がかか
るが、従来の化学シフトイメージングや位相法に比較す
れば、1回のパルスシーケンスによりスライス面内の全
ての画像再構成用データが得られるので、測定に要する
時間は遥かに短い。
【0034】また、図4の実施例によれば、図3の実施
例に比較して時間間隔ΔTの設定の自由度が高くなるの
で、磁場不均一性が大きい場合には、ΔTを小さくとる
ことで位相差Φ(x,y) を小さくして、測定を容易にする
ことができる。
【0035】次に、図5に示す第3の実施例による磁場
強度分布測定のためのパルスシーケンスを説明する。こ
の実施例では、まず高周波磁場RFとして90°パルス
を印加すると同時に、スライス用勾配磁場Gsを印加す
ることで所望のスライス面を励起し、FID信号を発生
させる。
【0036】続いて、読み出し用勾配磁場Grを正負に
交互に反転させて印加すると共に、読み出し用勾配磁場
Grの反転毎に位相エンコード用勾配磁場Geを印加す
ることにより、FID信号に基づく第1のエコー信号列
(フィールドエコー信号列)を画像再構成用データとし
て収集する(データ収集I)。
【0037】次に、このデータ収集Iに引き続き、高周
波磁場として180°パルスを印加すると同時にスライ
ス用勾配磁場Gsを印加した後、読み出し用勾配磁場G
rおよび位相エンコード用勾配磁場Geを上記と同様に
印加することにより、第2のエコー信号列(スピンエコ
ー信号列)を画像再構成用データとして収集する(デー
タ収集II)。
【0038】これらデータ収集I,IIによるエコー信号
列の収集は、最初の90°パルスおよびスライス用勾配
磁場Gsの印加により励起されたスライス面内の所望の
核磁化が横磁化の緩和現象によって緩和する時間内に行
われる。
【0039】以下、第1、第2の実施例と同様に、こう
して収集された第1および第2のエコー信号列による画
像再構成用データをそれぞれ適当な前処理を施した後、
複素フーリエ変換して画像再構成を行い、得られた画像
データの各画素の実数成分と虚数成分から、第1および
第2の位相画像データをそれぞれ生成する。そして、第
1および第2の位相画像データ間の各画素毎の位相差Φ
(x,y)を求め、さらに前記(1) 式により磁場強度分
布に換算する。
【0040】この場合、90°パルスの中心から180
°パルスの中心までの時間間隔と、180°パルスの中
心から第2のデータ収集IIにおける零エンコードの中心
までの時間間隔を等しくTE/2とする。そして、90
°パルスの中心から第1のデータ収集Iにおける零エン
コードの中心までの時間間隔をΔTとして、(1) の演算
を行う。
【0041】従って、本実施例によれば第1の実施例と
同程度の測定時間で磁場強度分布を測定でき、しかも第
2の実施例と同様に磁場強度分布を測定する際の時間フ
ァクタΔTをある程度自由に設定できるという利点があ
る。
【0042】以上説明した第1〜第3の実施例のような
パルスシーケンスにより、ある一つのスライス面の磁場
強度分布、つまり2次元の磁場強度分布が得られる。こ
のパルスシーケンスをスライス面を変えて複数回実行す
れば、3次元の磁場強度分布ΔH(x,y,z)が得ら
れる。そして、得られた3次元磁場強度分布の情報から
磁場強度分布を均一にするための、図1の磁場均一性調
整用コイル3に印加する電流補正値を最小自乗法などの
方法を用いて求め、その補正値に従ってシステムコント
ローラ12により磁場均一性調整用コイル用電源4を調
整し、各磁場均一性調整用コイル3に印加する電流を制
御することにより、被検体内の磁場を均一にすることが
できる。
【0043】この場合、画像化あるいは検査領域が局所
に限定される場合には、磁場強度分布情報のうち所定の
領域の情報のみを用いて、磁場強度分布を均一にするた
めの、各磁場均一性調整用コイル3に印加する電流補正
値を求め、それに従って各磁場均一性調整用コイル3に
印加する電流を制御することが望ましい。
【0044】上述した本発明による磁場強度分布測定法
は、特開昭64−56042号公報に記載されているよ
うに超高速MRIパルスシーケンスと同様、磁場均一性
の影響による画像歪を考慮する必要もある。すなわち、
厳密には不均一磁場の影響により、磁場強度分布の測定
結果に誤差が含まれる。この誤差をなくすためには、例
えば上述のようにして得られた3次元磁場強度分布ΔH
(x,y,z)から、次式(3) を用いて位置シフト補正
を行えばよい。 ΔH(x′,y′,z′)=ΔH(x,y,z) x′=x+ΔH(x,y,z)/Gx y′=y+ΔH(x,y,z)/Gy
【0045】 z′=z+ΔH(x,y,z)/Gz …(3) 但し、Gx,Gy,Gzはそれぞれx,y,z方向の勾
配磁場強度である。このような補正を行うことによっ
て、より正確な磁場強度分布の情報を得ることができ
る。
【0046】以上第1〜第3の実施例で説明した磁場強
度分布測定において、被検体内の対象とする核スピンが
化学シフトにより異なる磁気共鳴周波数を有する物質が
混在している場合(例えば生体内のプロトンに注目した
ときの水と脂肪)には、正確な磁場強度分布を得ること
ができない。このように被検体が化学シフトなどにより
複数の磁気共鳴周波数を有する物質の場合には、予め測
定を行う前に被検体内の化学シフト等により所定の磁気
共鳴周波数以外で磁気共鳴を生ずる各スピンを飽和させ
るようなパルスシーケンスを付加して実行する。このよ
うなパルスシーケンスの具体的な例としては、例えば
【0047】(a) CHESS法(A.Hasse et al.“ 1
−NMR Chemical Shift Selective(CHESS)Imaging”,Ph
ys.Med.Biol.vol.30,pp341-344(1985)参照) (b) 1−1パルス法(C.L.Dumoulin“A Method for Che
mical-Shift-Selective Imaging ”,Magn. Reso.Med.vo
l.2,pp583-585(1985) 参照) (c) 1−3−3−1パルス法(P.J.Hore“A New Method
for Water Suppression in the Proton NMR Spectra o
f Aqueous Solitions",J.Magn.Reso.vol.54,pp539-542
(1983) 参照) といった幾つかの方法が提案されているので、場合に応
じて適当な方法を用いれば良い。
【0048】また、対象とする核スピンが被検体中にお
いて化学シフトにより2つの磁気共鳴周波数を有してい
る場合には、前記パルスシーケンスにおいて2枚の位相
画像データから磁場強度分布を演算する際の時間ファク
タΔTが Δωc・ΔT=2π …(4) となるように、パルスシーケンスを制御すればよい。但
し、Δωcは対象とする核スピンの化学シフトに伴う2
つの磁気共鳴周波数の角周波数差である。これらの方法
により、被検体内の対象とする核スピンの化学シフトの
影響を受けずに、正確な磁場強度分布を求めることがで
きる。
【0049】また、本発明によれば高速に被検体内の磁
場強度分布を計測し、磁場均一性を向上させることがで
きるため、静磁場中に被検体を配置した時、あるいは静
磁場中で被検体の位置を動かした場合等において、所定
の検査に先駆けて実行することができる。本発明はその
他種々変形して実施が可能であり、例えば図6や図7に
示すような公知の高速3次元イメージング法に適用する
こともできる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、迅速かつ正確に被検体
内の磁場強度分布を測定することができる。従って、こ
の測定結果に基づいて静磁場中に被検体を配置した時
や、静磁場中で被検体の位置を動かした場合に磁場均一
性を調整することにより、被検体内の磁場均一性を向上
させ、歪みのない良好な画像や周波数分解能の高いスペ
クトルを得ることが可能となり、疾病の診断に有用な画
像情報を正確かつ迅速に得ることができる。また、検査
時間が短縮されることにより、被検体に与える苦痛も少
なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気共鳴映像装置の構成を示す
ブロック図
【図2】 本発明に係る磁場強度分布測定の概略的な手
順を説明するためのフローチャート
【図3】 本発明の第1の実施例に係る磁場強度分布測
定のためのパルスシーケンスを示す図
【図4】 本発明の第2の実施例に係る磁場強度分布測
定のためのパルスシーケンスを示す図
【図5】 本発明の第3の実施例に係る磁場強度分布測
定のためのパルスシーケンスを示す図
【図6】 本発明を適用し得る高速3次元イメージング
のパルスシーケンスを示す図
【図7】 本発明を適用し得る高速3次元イメージング
のパルスシーケンスを示す図
【符号の説明】
1…静磁場磁石 2…励磁用電源 3…磁場均一性調整コイル 4…磁場均一性調
整コイル用電源 5…勾配磁場生成コイル 6…勾配磁場生成
コイル用電源 7…被検体 8…寝台 9…プローブ 10…送信部 11…受信部 12…システムコ
ントローラ 13…データ収集部 14…電子計算機 15…コンソール 16…画像ディス
プレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9118−2J G01N 24/02 Y

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一様な静磁場中に配置された被検体に高周
    波磁場とスライス用、読み出し用および位相エンコード
    用の各勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加
    することにより、被検体からの磁気共鳴信号を検出して
    映像化する磁気共鳴映像装置において、 被検体に所定フリップ角の高周波パルスとスライス用勾
    配磁場を印加することにより、所望の領域を励起する励
    起手段と、 この励起手段により励起された領域に読み出し用勾配磁
    場を正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用勾
    配磁場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加する
    ことにより、磁気共鳴信号として第1のエコー信号列を
    収集する第1のエコー信号列収集手段と、 前記第1のエコー信号列の収集に続き、前記励起手段に
    より励起された領域に読み出し用勾配磁場を正負交互に
    反転させて印加すると共に読み出し用勾配磁場の反転毎
    に位相エンコード用勾配磁場を印加することにより、磁
    気共鳴信号として第2のエコー信号列を収集する第2の
    エコー信号列収集手段と、 前記第1および第2のエコー信号列から第1および第2
    の位相画像データを生成する位相画像データ生成手段
    と、 前記第1および第2の位相画像データと該位相画像デー
    タの時間間隔から被検体内の磁場強度分布を演算する演
    算手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴映像装
    置。
  2. 【請求項2】一様な静磁場中に配置された被検体に高周
    波磁場パルスとスライス用、読み出し用および位相エン
    コード用の各勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従っ
    て印加することにより、被検体からの磁気共鳴信号を検
    出して映像化する磁気共鳴映像装置において、 被検体に所定フリップ角の高周波磁場パルスとスライス
    用勾配磁場を印加することにより所望の領域を励起する
    第1の励起手段と、 この第1の励起手段により励起された領域に励起タイミ
    ングに対して所定のタイミングで読み出し用勾配磁場を
    正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用勾配磁
    場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加すること
    により、磁気共鳴信号として第1のエコー信号列を収集
    する第1のエコー信号列収集手段と、前記第1のエコー
    信号列の収集に続き、被検体に所定フリップ角の高周波
    磁場パルスとスライス用勾配磁場を印加することにより
    前記第1の励起手段により励起された領域を励起する第
    2の励起手段と、 この第2の励起手段により励起された領域に励起タイミ
    ングに対して前記第1のエコー信号列収集手段と異なる
    タイミングで読み出し用勾配磁場を正負交互に反転させ
    て印加すると共に読み出し用勾配磁場の反転毎に位相エ
    ンコード用勾配磁場を印加することにより、磁気共鳴信
    号として第2のエコー信号列を収集する第2のエコー信
    号列収集手段と、 前記第1および第2のエコー信号列から第1および第2
    の位相画像データを生成する位相画像データ生成手段
    と、 前記第1および第2の位相画像データと該位相画像デー
    タの時間間隔から被検体内の磁場強度分布を算出する演
    算手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴映像装
    置。
  3. 【請求項3】一様な静磁場中に配置された被検体に高周
    波磁場とスライス用、読み出し用および位相エンコード
    用の各勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加
    することにより、被検体からの磁気共鳴信号を検出して
    映像化する磁気共鳴映像装置において、 被検体に90°高周波磁場パルスとスライス用勾配磁場
    を印加することにより所望の領域を励起する励起手段
    と、 励起手段により励起された領域に読み出し用勾配磁場を
    正負交互に反転させて印加すると共に読み出し用勾配磁
    場の反転毎に位相エンコード用勾配磁場を印加すること
    により、磁気共鳴信号として第1のエコー信号列を収集
    する第1のエコー信号列収集手段と、 前記第1のエコー信号列の収集に続き、前記励起手段に
    より励起された領域に180°高周波磁場パルスを印加
    した後、読み出し用勾配磁場を正負交互に反転させて印
    加すると共に読み出し用勾配磁場の反転毎に位相エンコ
    ード用勾配磁場を印加することにより、磁気共鳴信号と
    して第2のエコー信号列を収集する第2のエコー信号列
    収集手段と、 前記第1および第2のエコー信号列から第1および第2
    の位相画像データを生成する位相画像データ生成手段
    と、 前記第1および第2の位相画像データと、前記第1のエ
    コー信号列と第2のエコー信号列との時間間隔から被検
    体内の磁場強度分布を算出する演算手段とを具備するこ
    とを特徴とする磁気共鳴映像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8890525B2 (en) 2010-08-11 2014-11-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method

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