JP3451149B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents

核磁気共鳴を用いた検査装置

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JP3451149B2
JP3451149B2 JP09047895A JP9047895A JP3451149B2 JP 3451149 B2 JP3451149 B2 JP 3451149B2 JP 09047895 A JP09047895 A JP 09047895A JP 9047895 A JP9047895 A JP 9047895A JP 3451149 B2 JP3451149 B2 JP 3451149B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(以
下、「NMR」という)を用いた3次元画像の計測方法に
係り、特に複数の領域の3次元画像を同時に計測するの
に好適な核磁気共鳴を用いた検査方法及び検査装置に係
る。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、核磁気共
鳴現象を利用して物体の断層像を計測する装置である。
通常は特定のスライスの2次元画像を計測するが、広い
領域の画像が必要な場合には、2次元マルチスライス画
像あるいは3次元画像を計測する。2次元マルチスライ
ス画像計測では、磁化回復の待ち時間の間に複数スライ
スの磁気共鳴信号(NMR)が計測され、1枚分の2次
元画像の計測時間で複数枚の2次元画像の計測ができ
る。この方法では、1画像を構成する領域はスピンを励
起する領域に一致するため、スライス厚が小さくなれば
S/Nが低下する。また、実質的な励起領域が重複する
恐れがあるため、ギャップレスで計測ができない。
【0003】これに対して3次元画像では、広い領域が
励起され、位相符号化により複数枚の断層像が計測でき
る。そのため信号の計測効率が高く、スライス厚が小さ
くてもS/Nは大きくは低下せず、またギャップレスで
計測が可能である。
【0004】以上、説明した磁気共鳴イメージングの原
理については、「MRI診断学(基礎と臨床)、朝倉書
店、69−78頁(1988年)」に詳しく述べられて
いる。3次元計測の欠点は、繰返し回数が増えるため計
測時間が長いことである。
【0005】しかし、「ジャーナル・オブ・マグネティ
ック・レゾナンス、第29巻、355−373頁(19
78年)」(Journal of Magnetic
Resonance、29、pp355−373(1
978))に記載されている、エコープレーナー法等の
超高速撮影法を3次元画像計測に適用して、計測時間の
短縮が可能である。
【0006】図2は、従来のエコープレーナー法を3次
元画像計測に適用した場合のパルスシーケンス図であ
る。図2において、横軸は時間を、縦軸は高周波パルス
や傾斜磁場等の強度を表す。また、1は励起高周波パル
ス、2は第1方向に印加されるスライス傾斜磁場、3は
第1方向に印加される位相エンコード傾斜磁場、4は第
2方向に印加される位相エンコード傾斜磁場、5は第3
方向に印加されるリードアウト傾斜磁場、6は核磁気共
鳴信号である。
【0007】検査対象にスライス傾斜磁場2と同時に励
起高周波パルス1を印加し、特定の領域を励起する。続
いてスライス傾斜磁場2と同じ第1方向に位相エンコー
ド傾斜磁場3を印加することにより、核磁気共鳴信号6
に第1方向の位置情報が付加される。
【0008】次に、位相エンコード傾斜磁場4と同時に
リードアウト傾斜磁場5を印加することにより、核磁気
共鳴信号6が読みだされる。核磁気共鳴信号6は複数の
エコー信号からなり、各エコーはリードアウト傾斜磁場
5の積分値がゼロになる時にピークをもつ。
【0009】この時、各エコーはリードアウト傾斜磁場
5の印加方向の位置情報を有しており、またエコー毎に
位相エンコード傾斜磁場4の印加量が異なるため、位相
エンコード傾斜磁場4の印加方向に対して異なる位置情
報を有するエコーが複数計測される。
【0010】上記の操作を位相エンコード傾斜磁場3の
印加量を変化させながら繰返し、計測した核磁気共鳴信
号に3次元フーリエ変換を施すことにより、3次元画像
が得られる。
【0011】超高速撮影法やスペクトロスコピックイメ
ージング等においては、通常の撮影では問題にならない
ような数ppm程度以下の静磁場不均一であっても、S
/Nやスペクトル分解能が著しく劣化する。そこで、こ
れらの撮影に先立って静磁場均一度の向上処理を行なう
ことが望ましい。しかし、静磁場発生用磁石内の静磁場
分布は、磁石自身の特性、周辺の磁性体の影響、被検体
自身の透磁率分布等によって歪められるため、その処理
は一般には容易ではない。
【0012】この静磁場不均一を補正するために、静磁
場発生用磁石内には、通常、シムコイルと呼ばれる多チ
ャンネルのコイルシステムが内蔵されている。これらの
多チャンネルのコイルシステムが発生する様々な特性の
シム磁場を静磁場コイルの発生する静磁場に重畳するこ
とにより、撮影領域の静磁場均一度を向上させている。
ところが、シムコイルはせいぜい3次程度の磁場しか
発生できないため、生体形状等に由来する高次の磁場歪
みを磁石内全体にわたって完全に補正することはできな
い。
【0013】そこで、従来は、例えば、マグネティック
・レゾナンス・イン・メディスン、第18巻、335−
347頁、1991年(Magnetic Reson
ance in Medicine 18、pp.33
5−347(1991))に記述されているように、撮
影に用いる領域のみで静磁場分布が均一になるように静
磁場調整を行なっている。
【0014】例えば、互いに8cm隔てた2枚のスライ
スをマルチスライス撮影する場合には、図3に示すよう
に、2枚のスライスを含む領域全体の静磁場均一度が最
良となるようなシム電流値の組を求め、マルチスライス
撮影に先立ち、これらのシム電流値に従ったシム磁場を
発生させておく(ステップ100)。この後、静磁場分
布を変えずに各スライスの撮影を行なう(ステップ20
0、300)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
エコープレーナー法等の高速撮影法を3次元画像計測に
適用して計測時間の短縮を図ることができ、関心部位が
広い領域を占める場合には3次元画像計測が適してい
る。しかし、関心部位が複数存在する場合に、従来の3
次元画像計測を行なう時には、すべての関心部位を包含
する領域を計測するか、数回に分けて計測する必要があ
るため、計測時間が増大するという問題点があった。
【0016】本発明の第1の目的は、このような問題点
を解決し、計測時間を延長することなく、複数の関心部
位の3次元画像を得ることが可能な核磁気共鳴を用いた
検査方法及び検査装置を提供することにある。
【0017】また、前述のように、静磁場均一度を向上
させる領域を狭い領域に限定して、高次の磁場歪みを低
次のシム磁場により補正するのが容易になるが、上記の
領域が広くなるほど、高い均一度の静磁場分布を得るこ
とは困難になる。従って、前述したマルチスライス撮影
では、シングルスライス撮影を行なう場合に比べて静磁
場均一度の低い条件で撮影を行わねばならず、当然画質
は劣化する、という問題点があった。同様に複数の局所
領域のスペクトル計測を行なう場合も、単一の局所領域
のスペクトル計測を行なう場合に比べて、スペクトル分
解能の劣化等の問題点が生じる。
【0018】本発明の第2の目的は、従来の技術におけ
る問題点を解消し、マルチスライス撮影や局所領域のス
ペクトル計測に適した、静磁場均一度を向上させ得るN
MRを用いた検査方法及び検査装置を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
静磁場、傾斜磁場、高周波磁場の発生手段と、電流を変
化させることにより静磁場の均一度が変化するような付
加的なシムコイルによる磁場の発生手段と、検査対象か
らのNMR信号を検出する信号検出手段と、信号検出手
段の検出信号の処理を行なう手段、及びシムコイルに流
れる電流値(シム電流値)の制御を行なう手段を有する
NMRを用いる検査装置における検査方法により達成さ
れる。この方法は、3次元画像の計測領域を各関心部位
毎に分割し、上記の複数の領域の3次元画像をエコープ
レーナー法、高速SE法、CPMG(Carr−Pur
cell−Meiboom−Gill)法等により、マ
ルチスライス計測する方法である。
【0020】この3次元マルチスライス計測では、磁化
回復の待ち時間の間に異なるスライスの核磁気共鳴信号
を計測することに特徴がある。例えば、エコープレーナ
ー法に適用する場合には、第1方向での第1のスライス
傾斜磁場(図1の28)と、第1の励起高周波パルス
(図1の27)とを検査対象に同時に印加する第1のス
テップと、第1方向での第1の位相エンコード傾斜磁場
A(図1の29)と、第3方向での第1のリードアウト
傾斜磁場(図1の31の一部)と、第2方向での第1の
位相エンコード傾斜磁場B(図1の30の一部)とを印
加する第2のステップと、第2方向での第2の位相エン
コード傾斜磁場B(図1の30の一部)と同時に第3方
向での第2のリードアウト傾斜磁場(図1の31の一
部)を極性反転を繰返しながら印加し、結果として生じ
る核磁気共鳴信号を読みだす第3のステップとを含み、
上記の第1の励起高周波磁場の周波数、あるいは第1方
向での第1のスライス傾斜磁場の強度を変化させなが
ら、上記ステップ第1から第3のステップを所望の回数
繰返すシーケンスを、第1方向に印加する上記の位相エ
ンコード傾斜磁場を変化させながら繰返し、読み出され
る上記核磁気共鳴信号から検査対象の複数スライスの3
次元画像を得ることに特徴がある。
【0021】また、脳機能計測のように時間変動を適確
に把握するための計測においては、所定の条件を満たす
ように各スライスの計測順序を決定して、3次元マルチ
スライス計測を行なうこと等に特徴がある。
【0022】本発明の第2の目的は、上記で説明したN
MRを用いる検査装置に於いて、マルチスライス撮影で
複数のスライスの連続撮影を行なう場合に、撮影するス
ライス毎に最適なシム電流値の組を記憶しておき、特定
のスライスの撮影前に、シム電流値を上記のスライスの
最適値に切り替え、次に別のスライスの撮影時には、撮
影の待ち時間の間にシム電流値をそのスライスの最適値
に切り替えるようにした装置、または、複数の局所領域
のスペクトル計測を行なう場合に、計測する局所領域毎
に最適なシム電流値の組を記憶しておき、特定の局所領
域のスペクトル計測前に、シム電流値を上記の局所領域
の最適値に切り替え、次に別の局所領域のスペクトル計
測時には、計測の待ち時間の間にシム電流値をその局所
領域の最適値に切り替えるようにした装置によって達成
される。
【0023】
【作用】図2に示した従来の3次元画像の計測では、励
起高周波パルス1を印加してから核磁気共鳴信号6を計
測し終わるまでの時間は100ms程度である。しかし
位相エンコード傾斜磁場3の印加量を変えてこの操作を
繰り返す際には、十分に磁化が回復するのを待つ方が画
像のS/Nが高くなるため、繰返しの時間が数秒という
場合さえある。
【0024】本発明においては、磁化回復の待ち時間に
比べて核磁気共鳴信号の計測時間が十分短い計測法(エ
コープレーナー法、高速SE法、CPMG法等)にて、
上記の繰返し時間の空き時間の間に他のスライスの核磁
気共鳴信号を計測する。このため、計測時間を延長する
ことなく、複数の関心部位(例えば頭部と腹部等)の3
次元画像を得ることができる。
【0025】なお、脳機能計測において右脳と左脳の一
部領域を計測する際には、N=(1+ne×ns)×n
e/ns(但し、ne:スライス毎の位相エンコード傾
斜磁場Aの印加回数、ns:スライス枚数、N:計測順
序を表す序数詞の総和)を満たすように、各スライスの
計測順序を決定することにより、全てのスライスの撮影
(計測)のタイミングを実質的に等しくして、脳の時間
変動を正確にスライスの撮影に反映させることができ
る。
【0026】本発明のNMRを用いた検査方法及び装置
では、マルチスライス撮影等で複数のスライスの連続撮
影を行なう場合に、複数スライス全体の静磁場均一度を
考慮する必要がなく、それよりも狭い範囲の各スライス
毎の静磁場均一度だけを考慮すればよい。即ち、各スラ
イス毎に静磁場均一度が最良となるようなシム電流値の
最適値を記憶しておき、各スライスの撮影時には、シム
電流値を対応するスライスの最適値に切り替えることに
より、常に、最も均一度の高い静磁場分布の下で撮影を
行なうことができる。
【0027】また、複数の局所領域のスペクトル計測を
行なう場合に、各局所領域毎に静磁場均一度が最良とな
るようなシム電流値の最適値を記憶しておき、各局所領
域のスペクトル計測時には、シム電流値を対応する局所
領域の最適値に切り替えることにより、常に最も均一度
の高い静磁場分布の下でスペクトル計測を行なうことが
できる。
【0028】要約すると本発明は、複数の関心部位の3
次元画像を得るために、位相エンコード傾斜磁場の印加
量を変化させながらある関心部位のスライスの核磁気共
鳴信号の計測を繰り返すが、この計測の繰返し時間の合
間に他の関心部位のスライスの核磁気共鳴信号を計測す
ることにより、計測時間を延長せずに、1スライス分の
計測時間で複数スライスの3次元画像を得る。
【0029】この時、スライス毎に静磁場均一度を向上
させるシム電流値を記憶しておき、個々のスライスの撮
影に先立ってシム電流値を当該スライスに対応させて切
り替えて、マルチスライス撮影を行なう。あるいは、局
所領域毎に静磁場均一度を向上させるシム電流値を記憶
しておき、個々の局所領域のスペクトル計測に先立って
シム電流値を当該局所領域に対応させて切り替えて、複
数の局所領域のスペクトル計測を行なう。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付の図面を
参照して以下に説明する。
【0031】図4は、本発明の核磁気共鳴を用いた検査
方法(3次元画像計測)が適用される装置の構成例を示
す図である。
【0032】図4において、7は静磁場を発生するコイ
ル、8は第1、第2第3方向の3方向に傾斜磁場を発生
するコイル、9は静磁場均一度を調整するためのシムコ
イル、10は検査対象である。この検査対象はコイル
7、8、及び9内に置かれる。シーケンサ11はシム電
源12に命令を送り、静磁場不均一を補正する付加的な
磁場をコイル9より発生させる制御を行なう。コイル9
は複数のチャンネルからなり、静磁場均一度調整時には
各コイルに流れる電流はシーケンサ11により制御され
る。
【0033】また、シーケンサ11は傾斜磁場電源1
3、高周波発信器14に命令を送り、傾斜磁場及び高周
波磁場の発生を制御する。傾斜磁場は傾斜磁場を発生す
るコイル8より発生され、検査対象から発生した信号に
位置情報を付加する。高周波磁場は、高周波変調器1
5、高周波増幅器16を経て高周波送信器17により、
検査対象10に印加される。検査対象から発生した核磁
気共鳴信号は受信器18によって受波され、増幅器1
9、位相検波器20、AD変換器21を通ってCPU2
2に送られ、ここで信号処理が行われる。必要に応じ
て、記憶媒体23に信号や測定条件を記憶することもで
きる。シム電源12は時定数の異なる低域通過型フィル
タ24及び25を有し、フィルタ切り替え部26により
用途に応じて使用する低域通過型フィルタを切り替え
る。シムコイル9は2重コイルになっており、アクティ
ブシールド効果が得られる構成となっている。
【0034】次に、本実施例におけるパルスシーケンス
について述べる。
【0035】本発明は、磁化回復のための待ち時間の間
に他のスライスの核磁気共鳴信号を計測するものである
から、上記の待ち時間に比べて核磁気共鳴信号の計測時
間が十分短い計測法である程、効果が大きい。このよう
な計測時間の短い計測法として、エコープレーナー法及
び高速SE法を用いる場合のパルスシーケンスについて
説明する。
【0036】第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例におけるエコープレーナ
ー法を適用した3次元画像計測パルスシーケンス図であ
る。
【0037】図1において、27、33は励起高周波パ
ルス、28、34は第1方向に印加されるスライス傾斜
磁場、29、35は第1方向に印加される位相エンコー
ド傾斜磁場A、30、36は第2方向に印加される位相
エンコード傾斜磁場B、31、37は第3方向に印加さ
れるリードアウト傾斜磁場、32、38は核磁気共鳴信
号である。
【0038】本実施例では、検査対象にスライス傾斜磁
場28と同時に励起高周波パルス27を印加し、特定の
領域Saを励起する。続いてスライス傾斜磁場28印加
される方向とと同方向に位相エンコード傾斜磁場A29
を印加することにより、核磁気共鳴信号32に上記方向
の位置情報が付加される。次に、位相エンコ−ド傾斜磁
場B30と同時にリードアウト傾斜磁場31を印加する
ことにより、核磁気共鳴信号32が読み出される。核磁
気共鳴信号32は複数のエコー信号からなり、各エコー
はリードアウト傾斜磁場31の積分値がゼロになる時に
ピークをもつ。この時、各エコーはリードアウト傾斜磁
場31の印加方向の位置情報を有しており、またエコー
毎に位相エンコード傾斜磁場B30の印加量が異なるた
め、位相エンコード傾斜磁場B30の印加方向に対して
異なる位置情報を有するエコーが複数計測される。
【0039】以上の操作に要する時間は通常50ms〜
100msである。3次元画像の生成に必要な情報を得
るためには、位相エンコード傾斜磁場A29の印加量を
変化させながら、上記の操作を所望の回数繰り返す。こ
の繰返しの時間が、例えば500msであるとすると、
400ms程度の余裕があるので、この間に他のスライ
スに対して同様の計測を行なうことができる。
【0040】即ち、検査対象にスライス傾斜磁場34と
同時に励起高周波パルス33を印加し、Saとは異なる
特定の領域Sbを励起する。続いてスライス傾斜磁場3
4が印加される方向と同方向に位相エンコード傾斜磁場
A35を印加することにより、核磁気共鳴信号38に上
記方向の位置情報が付加される。次に、位相エンコード
傾斜磁場B36と同時にリードアウト傾斜磁場37を印
加することにより、核磁気共鳴信号38が読み出され
る。
【0041】この後、位相エンコード傾斜磁場A29及
び35の印加量を変化させながら、領域Sa及びSbの
核磁気共鳴信号を計測することを所望の回数繰返し、そ
れぞれの核磁気共鳴信号に3次元フーリエ変換を施すこ
とにより、領域Sa、及びSbの3次元画像が得られ
る。
【0042】上記操作において、励起スライスの変更は
励起高周波パルスの周波数あるいはスライス傾斜磁場の
強度を変えることにより容易に行なうことができる。ス
ライス傾斜磁場の強度が一定の場合、スライスS1と傾
斜磁場の原点を通るスライスS0との間隔は、S1とS
0の励起周波数の差に比例する。また、上記の間隔はス
ライス傾斜磁場強度にも比例するので、励起周波数を固
定にして上記の傾斜磁場強度を変えることにより励起ス
ライスを変更することもできる。
【0043】しかし、この場合にはスライスの厚さも変
わってしまうので励起高周波パルスのパルス幅を変える
必要がある。スライスの厚さはスライス傾斜磁場強度、
及び励起高周波パルスのパルス幅に反比例するので、例
えばスライス傾斜磁場強度を小さくすることにより励起
スライスを変更する場合には、励起高周波パルスのパル
ス幅を大きくすればよい。
【0044】本実施例は、2枚のスライスの3次元画像
計測マルチスライス計測について述べたが、上記の繰返
し時間に余裕があれば、3枚以上のスライスの3次元画
像計測に適用することも可能である。
【0045】第2の実施例 図5は、本発明の第2の実施例におけるエコープレーナ
ー法を適用した3次元画像計測パルスシーケンス図であ
る。
【0046】図5において、39、47は励起高周波パ
ルス、40、48は第1方向に印加されるスライス傾斜
磁場、41、49は第1方向に印加される位相エンコー
ド傾斜磁場A、42、50は反転高周波パルス、43、
51は第1方向に印加されるスライス傾斜磁場、44、
52は第2方向に印加される位相エンコード傾斜磁場
B、45、53は第3方向に印加されるリードアウト傾
斜磁場、46、54は核磁気共鳴信号である。
【0047】本実施例では、検査対象にスライス傾斜磁
場40と同時に励起高周波パルス39を印加し、特定の
領域Saを励起する。続いてスライス傾斜磁場40が印
加される方向と同方向に位相エンコード傾斜磁場A41
を印加することにより、核磁気共鳴信号46に上記方向
の位置情報が付加される。
【0048】次に、スライス傾斜磁場43と同時に反転
高周波パルス42を印加し、領域Saの磁化を反転す
る。位相エンコード傾斜磁場B44と同時にリードアウ
ト傾斜磁場45を印加することにより、核磁気共鳴信号
46が読み出される。核磁気共鳴信号46は複数のエコ
ー信号からなり、各エコーはリードアウト傾斜磁場45
の積分値がゼロになる時にピークをもつ。
【0049】この時、各エコーはリードアウト傾斜磁場
45の印加方向の位置情報を有しており、またエコー毎
に位相エンコード傾斜磁場B44の印加量が異なるた
め、位相エンコード傾斜磁場B44の印加方向に対して
異なる位置情報を有するエコーが複数計測される。
【0050】なお、反転高周波パルス42の印加後に位
相エンコード傾斜磁場A41を印加するようにしても構
わない。
【0051】以上の操作に要する時間は通常100ms
程度である。3次元画像の生成に必要な情報を得るため
には、位相エンコード傾斜磁場A41の印加量を変化さ
せながら、上記の操作を所望の回数繰り返す。この繰返
しの時間が例えば500msであるとすると、400m
s程度の余裕があるので、この間に他のスライスに対し
て同様の計測を行なうことができる。
【0052】即ち、検査対象にスライス傾斜磁場48と
同時に励起高周波パルス47を印加し、Saとは異なる
特定の領域Sbを励起する。続いてスライス傾斜磁場4
8が印加される方向と同方向に位相エンコード傾斜磁場
A49を印加することにより、核磁気共鳴信号54に上
記の方向の位置情報が付加される。
【0053】次に、スライス傾斜磁場51と同時に反転
高周波パルス50を印加し、領域Saの磁化を反転す
る。位相エンコード傾斜磁場B52と同時にリードアウ
ト傾斜磁場53を印加することにより、核磁気共鳴信号
54が読み出される。
【0054】この場合にも、反転高周波パルス50の印
加後に位相エンコード傾斜磁場A49を印加するように
しても構わない。
【0055】この後、位相エンコード傾斜磁場A41及
び49の印加量を変化させながら、領域Sa及びSbの
核磁気共鳴信号を計測することを所望の回数繰返し、そ
れぞれの核磁気共鳴信号に3次元フーリエ変換を施すこ
とにより、領域Sa及びSbの3次元画像が得られる。
【0056】上記操作において、励起スライスの変更は
前述の実施例と同様に励起高周波パルスの周波数あるい
はスライス傾斜磁場の強度を変えることにより容易に行
なうことができる。同様にして、反転高周波パルスの周
波数あるいはスライス傾斜磁場の強度を変えることによ
り、磁化反転を行なうスライスを変更することができ
る。
【0057】本実施例は、2枚のスライスの3次元画像
計測マルチスライス計測について述べたが、上記の繰返
し時間に余裕があれば、3枚以上のスライスの3次元画
像計測に適用することも可能である。
【0058】第3の実施例 図6は、本発明の第3の実施例における高速SE法を適
用した3次元画像計測パルスシーケンス図である。
【0059】図6において、55、64は励起高周波パ
ルス、56、65は第1方向に印加されるスライス傾斜
磁場、57、66は第1方向に印加される位相エンコー
ド傾斜磁場A、58、67は第3方向に印加されるリー
ドアウト傾斜磁場A、59、68は第2方向に印加され
る位相エンコード磁場B、60、69は反転高周波パル
ス、61、70は第1方向に印加されるスライス傾斜磁
場、62、71は第3方向に印加されるリードアウト傾
斜磁場B、63、72は核磁気共鳴信号である。 本実
施例では、検査対象にスライス傾斜磁場56と同時に励
起高周波パルス55を印加し、特定の領域Saを励起す
る。続いてスライス傾斜磁場56が印加される方向と同
方向に位相エンコード傾斜磁場A57を印加することに
より、核磁気共鳴信号63に上記方向の位置情報が付加
される。
【0060】また、リードアウト傾斜磁場A58を印加
することにより、領域Saの磁化の位相をバラバラにす
る。
【0061】次に、以下の(1)〜(3)の操作を所望
の回数繰り返す。
【0062】(1)位相エンコード傾斜磁場B59を印
加する。
【0063】(2)スライス傾斜磁場61と同時に反転
高周波パルス60を印加し、領域Saの磁化を反転す
る。
【0064】(3)リードアウト傾斜磁場B62を印加
することにより、核磁気共鳴信号63を読み出す。核磁
気共鳴信号63はリードアウト傾斜磁場の積分値がゼロ
になる時にピークをもち、上記の傾斜磁場の印加方向の
位置情報を有している。
【0065】以上の(1)〜(3)の操作を繰り返す際
に、位相エンコード傾斜磁場B59の印加量を変化させ
るため、位相エンコード傾斜磁場B59の印加方向に対
して異なる位置情報を有する核磁気共鳴信号が複数計測
される。反転高周波パルス60の印加後に位相エンコー
ド傾斜磁場59を印加するようにしても構わない。
【0066】ここで、本実施例にCPMG法を適用した
パルスシーケンスを図7に示す。図7において、87、
97は第2方向に印加される位相エンコード磁場B
1(図6の59、68に相当)、90、100は第2方
向に印加される位相エンコード磁場B2である。また、
81、91は励起高周波パルス(図6の55、64に相
当)、82、92はスライス傾斜磁場(図6の56、6
5に相当)、83、93は第1方向に印加される位相エ
ンコード傾斜磁場A(図6の57、66に相当)、8
4、94は第3方向に印加されるリードアウト傾斜磁場
A(図6の58、67に相当)、85、95は反転高周
波パルス(図6の60、69に相当)、86、96は第
1方向に印加されるスライス傾斜磁場(図6の61、7
0に相当)、88、98は第3方向に印加されるリード
アウト傾斜磁場B(図6の62、71に相当)、89、
99は核磁気共鳴信号(図6の63、72に相当)であ
る。
【0067】CPMGを達成するには、ある反転高周波
パルスの中心から次の反転高周波パルスの中心までに第
2方向に印加される全ての位相エンコード傾斜磁場の積
分値をゼロに保つことが必要である。そのためには、図
7のように、位相エンコード傾斜磁場B187(図6の
59に相当)と強度の絶対値が等しく逆極性の傾斜磁場
(位相エンコード傾斜磁場B290)を核磁気共鳴信号
89(図6の63に相当)の計測後に印加すればよい。
【0068】以上の操作に要する時間は、例えば上記
(1)〜(3)の操作を8回繰り返す場合を考えると、
通常50〜200ms程度である。3次元画像の生成に
必要な情報を得るためには、図6の位相エンコード傾斜
磁場A57の印加量を変化させながら、上記の操作を所
望の回数繰り返す。この繰返しの時間が、例えば500
msであるとすると、300ms程度の余裕があるの
で、この間に他のスライスに対して同様の計測を行なう
ことができる。
【0069】即ち、検査対象にスライス傾斜磁場65と
同時に励起高周波パルス64を印加し、Saとは異なる
特定の領域Sbを励起する。続いてスライス傾斜磁場6
5が印加される方向と同方向に位相エンコード傾斜磁場
A66を印加することにより、核磁気共鳴信号72に上
記方向の位置情報が付加される。
【0070】また、リードアウト傾斜磁場A67を印加
することにより、領域Saの磁化の位相をバラバラにす
る。
【0071】次に、以下の(4)〜(6)の操作を所望
の回数繰り返す。
【0072】(4)位相エンコード傾斜磁場B68を印
加する。
【0073】(5)スライス傾斜磁場70と同時に反転
高周波パルス69を印加し、領域Saの磁化を反転す
る。
【0074】(6)リードアウト傾斜磁場B71を印加
することにより、核磁気共鳴信号72を読み出す。核磁
気共鳴信号72はリードアウト傾斜磁場の積分値がゼロ
になる時にピークをもち、上記傾斜磁場の印加方向の位
置情報を有している。
【0075】以上の(4)〜(6)の操作を繰り返す際
に、位相エンコード傾斜磁場B68の印加量を変化させ
るため、位相エンコード傾斜磁場B68の印加方向に対
して異なる位置情報を有する核磁気共鳴信号が複数計測
される。
【0076】この場合にも、反転高周波パルス69の印
加後に位相エンコード傾斜磁場68を印加するようにし
ても構わない。
【0077】この後、位相エンコード傾斜磁場B59及
び68の印加量を変化させながら、領域Sa及びSbの
核磁気共鳴信号を計測することを所望の回数繰返し、そ
れぞれの核磁気共鳴信号に3次元フーリエ変換を施すこ
とにより、Sa及びSbの3次元画像が得られる。
【0078】なお、(4)〜(6)の操作にCPMG法
を適用する場合には、図7に示したように、位相エンコ
ード傾斜磁場B197(図6の68に相当)と強度の絶
対値が等しく逆極性の位相エンコード傾斜磁場B210
0を領域Saからの核磁気共鳴信号99(図6の72に
相当)の計測後に印加する。
【0079】上記操作において、励起スライスの変更は
前述の実施例と同様に励起高周波パルスの周波数あるい
はスライス傾斜磁場の強度を変えることにより容易に行
なうことができる。
【0080】同様にして、反転高周波パルスの周波数あ
るいはスライス傾斜磁場の強度を変えることにより、磁
化反転を行なうスライスを変更することができる。本実
施例は、2枚のスライスの3次元画像計測マルチスライ
ス計測について述べたが、上記の繰返し時間に余裕があ
れば、3枚以上のスライスの3次元画像計測に適用する
ことも可能である。
【0081】なお、図5、図6に示したパルスシーケン
スでは、反転高周波パルスはスライス傾斜磁場の印加を
伴っており、特定の領域だけに作用するようにしている
が、励起高周波パルスを印加する時、上記のスライス傾
斜磁場は印加しなくてもよい。 この場合反転高周波パ
ルスは、広い領域に作用する、所謂ハードパルスでも構
わない。
【0082】第4の実施例 次に、図4の装置を使用して、頭部と腹部、例えば脳と
肝臓の検査を3次元画像を用いて行なう場合について説
明する。
【0083】このような離れた部位を計測するには、従
来技術では身長の半分程の領域を一度に計測するか、脳
を含む領域と肝臓とを含む領域の3次元画像計測を2回
に分けて行なう必要があり、計測時間は膨大になること
は容易に予想される。
【0084】この場合、磁化回復のための待ち時間の間
に他のスライスの計測を行なうようにして、図8に示す
ような2つの計測領域、領域73(脳)、及び領域74
(肝臓)の画像を同時に計測すれば、どちらか一方の領
域を計測するのと同程度の計測時間で複数の所望の領域
の3次元画像を計測できる。
【0085】さて、上記のような頭部と腹部の同時計測
等では、それぞれの関心部位の大きさが同程度であると
は限らない。このような場合には、図1、図5、図6に
示したパルスシーケンスにおいて、位相エンコード傾斜
磁場A(図1の29、35、図5の41、49、図6の
57、66)の1ステップ当りの印加量を変えることに
より、スライス毎に計測領域の大きさを変えることも可
能である。
【0086】位相エンコード傾斜磁場Aが印加される方
向の計測領域の大きさは、その位相エンコード傾斜磁場
の1ステップ当りの印加量に反比例する。この時、計測
領域の大きさに応じて、励起領域や磁化反転の領域の大
きさを変えることもできる。励起高周波パルス(図1の
27、33、図5の39、47、図6の55、64)の
パルス幅、あるいは励起高周波パルスと同時に印加する
スライス傾斜磁場の印加量の減少に伴って励起領域は広
くなり、逆に上記のパルス幅、あるいは上記の印加量の
増加に伴って励起領域は狭くなる。
【0087】同様に、反転高周波パルス(図5の42、
50、図6の60、69)のパルス幅、あるいは反転高
周波パルスと同時に印加するスライス傾斜磁場の印加量
の減少に伴って磁化反転領域は広くなり、逆に上記のパ
ルス幅、あるいは上記の印加量の増加に伴って磁化反転
領域は狭くなる。
【0088】第5の実施例 例えば、「サイエンス、第254巻、716−719頁
(1991年)」(Science、254、pp71
6−719(1991))に記載されている脳機能計測
では、特定の刺激に対する右脳と左脳の応答を計測する
場合がある。このような場合には、脳全体を計測する必
要はなく、右脳と左脳における関心領域の画像が得られ
ればよい。そこで、上記の実施例で示したように、回復
のための待ち時間の間に他のスライスの計測を行なうよ
うにし、図9の領域75(右脳)、及び領域76(左
脳)の画像を同時に計測すれば、短時間で必要な領域の
3次元画像が得られる。
【0089】前述の脳機能計測のように信号の時間変動
を問題にする計測では、全てのスライスの撮影(計測)
のタイミングがほぼ等しくなるように、各スライスの計
測(撮影)順序を決定することが望ましい。これを実現
するためには、例えば計測順序を表す序数詞(1、2、
3、…のように順序を表す数詞)の総和(Nとする)が
全てのスライスで等しくなるように計測順序を決定すれ
ばよい。このためには、スライスの枚数をns、スライ
ス毎の位相エンコード傾斜磁場Aの印加回数をneとす
ると、上記のNが、式(1)式の条件を満たすようにす
ればよい。
【0090】 N=(1+ne×ns)×ne/ns …(1) 2枚のスライスA、Bを計測する場合、式(1)の条件
を満たす計測順序の具体例としては、例えばA、B、
B、A、A、B、B、A、A、B、B、A、……等が挙
げられる。
【0091】第6の実施例 超高速撮影やスペクトロスコピックイメージングを行な
う場合には、それに先立って静磁場均一度の調整を行な
うことが望ましい。また、磁気共鳴イメージング装置を
用いて画像を計測する場合、画質を改善するために静磁
場均一度を向上させる処理(シミング)を行なうことが
望ましい。このために、通常の磁気共鳴イメージング装
置は、シムコイルと呼ばれるシミング用の静磁場発生コ
イルを有している。このシムコイルはx、y、z、x2
−y2、xy、z2、z3…等、様々な特性を有する多
チャンネルのコイルシステムであり、例えば、xはx軸
に対してリニアに変化するような磁場を発生し、その変
化率はコイルに流す電流値(シム電流値)にほぼ比例す
る。これらの付加的な静磁場を主コイルの発生する静磁
場と重ね合わせることにより、より均一な静磁場分布が
得られる。従って、シミングとは、最適な静磁場分布を
与えるようなシム電流値の組を求めることを意味する。
【0092】さて、撮影対象が人体のように複雑な形状
を有する場合には、異なるスライスの静磁場分布は数p
pm程度異なる場合がある。このような場合には、計測
領域全体に渡って良好なシム電流値の組を求めることは
困難である。
【0093】そこで、スライス毎に静磁場均一度が最適
になるようなシム電流値の組を求めておき、特定のスラ
イスの計測を行なう毎に、シム電流値をこの特定のスラ
イスの静磁場均一度が最適になるようなシム電流値に切
り替えれば、常に最良な静磁場分布の下で計測ができ
る。
【0094】以下、図4の検査装置を用いてマルチスラ
イス超高速撮影を行なう場合を例に取って説明する。例
えば、1cmおきに5枚のスライスを連続撮影するもの
とする。
【0095】静磁場均一度の調整は、次に示すようなス
テップからなる。
【0096】ステップ1:撮影領域を含む調整領域にお
ける、各シムコイルの電流−磁場特性(シム特性)を調
べる。このシム特性は計算により求めてもよいし、水試
料等を磁石内に挿入して、各チャネル毎にシム電流値の
変化に対する静磁場分布の変化量を求めてもよい。
【0097】ステップ2:撮影領域の静磁場分布を計測
する。このときの計測対象は、実際に撮影する被検体を
用いることが望ましい。
【0098】ステップ3:ステップ1で求めた各チャネ
ルのシム特性を用いて、ステップ2で求めた静磁場分布
を打ち消すようなシム電流値の組を見つける。
【0099】ステップ4:ステップ3で求めたシム電流
をシムコイルに流す。
【0100】この後、改善された静磁場分布の下で、超
高速撮影等を行なう。
【0101】さて、1cmおきに5枚のスライスをマル
チスライス撮影等を用いて連続撮影する場合には、撮影
領域の両端では静磁場分布は数ppm程度異なる場合が
ある。 特に、撮影対象が人体のように複雑な形状を有
する場合には、この傾向が強くなる。従って、上記の撮
影領域全体にわたって良好な静磁場分布を実現するよう
なシム電流値の組を求めることは困難である。
【0102】そこで、ここでは、図10においてステッ
プ124に示すように、撮影するスライス毎に、最も均
一な静磁場分布が得られるようなシム電流値の組を、そ
れぞれ求めておく。即ち、上述のステップ1において上
記のマルチスライス撮影を行なうスライスのシム特性を
求め、ステップ2において上記のスライス毎の静磁場分
布を計測し、ステップ3において上記のスライス毎に、
最良な静磁場分布が得られるようなシム電流値の組を求
める。
【0103】次に、ステップ125では、これら各スラ
イス毎のシム電流値を電流値記憶手段に記憶して、撮影
直前に撮影スライスに対応するシム電流値を、上記の電
流値記憶手段から呼出し、シムコイルに流した後、撮影
を行なう(ステップ126、127)。
【0104】次に、別のスライスを撮影する場合には、
その直前にシム電流値を切り替えた後、撮影を行なう
(ステップ128、129)。
【0105】本実施例によれば、マルチスライス撮影等
で複数のスライスを連続撮影する場合に、各スライス毎
に最良の静磁場分布が得られるようなシム電流値の最適
値を記憶しておき、各スライスの撮影直前に上記のシム
電流値を最適値に切り替えるので、常に均一度の高い静
磁場分布の下での撮影ができる。
【0106】上記のマルチスライス撮影とシム電流値の
切り替えのタイミングの一例を、図11に示す。即ち、
シム電流値の初期値としてスライス1に対応する電流値
1をシムコイルに流し、スライス1の撮影を行なう(ス
テップ130、131)。スライス1の撮影直後、シム
電流値を電流値2に切り替える(ステップ132)。
【0107】続いて所定の待ち時間の後、スライス2の
撮影を行なう(ステップ133)。
【0108】以上の説明では、マルチスライスの超高速
撮影を行なう場合についての実施例を述べたが、局所領
域のスペクトル計測を行なう場合等も、同様にシム電流
値の切り替えを行なえば、計測する領域毎に最良の静磁
場分布の下でのスペクトル計測ができる。
【0109】即ち、図12においてステップ135に示
すように、撮影する局所領域毎に最も均一な静磁場分布
が得られるようなシム電流値の組をそれぞれ求めてお
く。前記のステップ1において上記のスペクトル計測す
る局所領域のシム特性を求め、前記のステップ2におい
て上記の局所領域毎の静磁場分布を計測し、前記のステ
ップ3において上記の局所領域毎に最良な静磁場分布が
得られるようなシム電流値の組を求める。
【0110】これら各局所領域毎のシム電流値を電流値
記憶手段に記憶しておき(ステップ136)、スペクト
ル計測の直前に撮影する局所領域に対応するシム電流値
を上記の電流値記憶手段から呼出し、シムコイルに流し
た後、スペクトル計測を行なう(ステップ137、13
8)。
【0111】次に、別の局所領域を撮影する場合には、
その直前にシム電流値を切り替えた後、スペクトル計測
を行なう(ステップ139、140)。
【0112】上記の局所領域のスペクトル計測とシム電
流値の切り替えのタイミングの一例を、図13に示す。
即ち、シム電流値の初期値として局所領域1に対応する
電流値1をシムコイルに流し、局所領域1のスペクトル
計測を行なう(ステップ141、142)。局所領域1
のスペクトル計測直後、シム電流値を電流値2に切り替
える(ステップ143)。続いて所定の待ち時間の後、
局所領域2のスペクトル計測を行なう(ステップ14
4)。
【0113】上述の電流値の切り替えは、撮影スライス
あるいはスペクトル計測領域が変化する度に行なう必要
がある。しかし、この切り替え時間のために、撮影ある
いはスペクトル計測の繰返し時間が長くなることは具合
の悪いことである。このような状況を回避するには、図
4に示すように、シム電源12の低域通過型フィルタを
複数個設けて、フィルタ切り替え部26により、用途に
応じて使用する低域通過型フィルタを切り替えればよ
い。
【0114】即ち、シム電流値の切り替え時には、時定
数が撮影あるいはスペクトル計測の待ち時間よりも短い
低域通過型フィルタ24(フィルタ1)に切り替え、撮
影あるいはスペクトル計測時には、S/Nを劣化させな
いために、時定数の長い低域通過型フィルタ25(フィ
ルタ2)に切り替えればよい。
【0115】前述のステップ1、ステップ2における静
磁場分布は、例えば、水試料や被検体の核磁気共鳴信号
の位相分布や共鳴周波数分布から得られる。
【0116】また、核磁気共鳴信号の位相分布から静磁
場分布を求める場合には、例えば、ジャーナル・オブ・
フィジックス・イー:サイエンティフィック・インスツ
ルメント、第18巻、224−227頁、1985年
(J.Phys.E:Sci.Instrum.18、
pp.224−227(1985))に記述されている
ように、図14に示すパルスシーケンスを用いて水試料
等の画像撮影を行なう。ここで、145は励起高周波パ
ルス、146は反転高周波パルス、147はエコー信
号、148、149は第1方向に印加されるスライス傾
斜磁場、150は第2方向に印加される位相エンコード
傾斜磁場、151は第3方向に印加されるリードアウト
傾斜磁場である。
【0117】励起高周波パルス145で励起された核磁
化の位相は、静磁場不均一によりバラバラになるが、反
転高周波パルス146を印加した時点で位相が反転する
ので、励起高周波パルス145と反転高周波パルス14
6との間隔と、反転高周波パルス146とエコー信号1
47との間隔とが一致する場合には、静磁場不均一の影
響は完全に相殺される。
【0118】ところが、図14では、静磁場不均一の影
響を含むエコー信号を計測するため、上記の2つの間隔
を、τ、τ+ΔτとしてΔτだけ、意識的にずらしてい
る。このとき、エコー信号に含まれる位相の大きさは、
静磁場不均一と上記の2つの間隔のずれΔτに比例する
ことから、次の式(2)に示すように、静磁場分布が求
められる。
【0119】 θ(x,y)=γ・ΔE(x,y)・Δτ …(2) ここで、θは位相(rad)、Δγは磁気回転比(ra
d/(T・sec))、ΔEは静磁場不均一(T(テス
ラ))、Δτは上述の2つの間隔のずれである。
【0120】核磁気共鳴信号の共鳴周波数分布から静磁
場分布を求める場合には、例えば、ジャーナル・オブ・
マグネティック・レゾナンス、第85巻、244−25
4頁、1989年(Journal of Magne
tic Resonance85、pp.244−25
4(1989))に記載されているように、図15に示
すパルスシーケンスを用いて均質な水試料等のスペクト
ロスコピックイメージング撮影を行なう。
【0121】図15で、152は励起高周波パルス、1
53は反転高周波パルス、154はエコー信号、15
5、156は第1方向に印加されるスライス傾斜磁場、
157、158はそれぞれ、第2、第3方向に印加され
る位相エンコード傾斜磁場である。 上記のスペクトロ
スコピックイメージングから、1ピクセル毎に水の共鳴
周波数が得られる。均質な試料を計測対象としている場
合、次の式(3)に示すように、共鳴周波数のずれΔf
(x,y)が、静磁場不均一に比例することを利用して静
磁場分布が求められる。
【0122】 Δf(x,y)∝ΔE(x,y) …(3) 静磁場分布を計測せずに、静磁場均一度の調整を行なう
こともできる。例えば、水試料等を磁石内に挿入し、特
定のスライスあるいは局所領域のスペクトルピークや自
由誘導減衰(FID)の長さを評価関数として、シム電
流値を変化させながら、上記の評価関数が改善されるよ
うなシム電流値の組を決定すればよい。この場合、スペ
クトルのピーク値が最高、あるいはFIDの長さが最長
になるときが最も均一度の高い静磁場分布になっている
と仮定する。
【0123】以上のような方法で静磁場均一度を行なう
場合にも、特定のスライスあるいは局所領域毎に最適な
シム電流値の組を記憶しておき、撮影あるいはスペクト
ル計測に先立って対応するスライスあるいは局所領域に
最適なシム電流をシムコイルに流すことにより、良好な
静磁場分布の下で撮影あるいはスペクトル計測を実行で
きる。
【0124】さて、以上の静磁場均一度の調整では、特
定のスライスの撮影あるいは特定の局所領域のスペクト
ル計測の待ち時間の間にシム電流値を切り替えるため、
シムコイルの発生する磁場の変動により発生する渦電流
が、画像やスペクトルを劣化させる可能性がある。
【0125】しかし、図4に示す実施例の検査装置にお
いて、シムコイル9を2重コイルとすれば、アクティブ
シールド効果が得られ、このような渦電流による影響を
防止できる。ここで、アクティブシールドとは、磁石や
フレームなどの導体部において、2重シムコイルの一方
が発生する磁場を、2重コイルの他の一方により打ち消
す方法であり、導体部で磁場が発生しないため、渦電流
も発生しない構成となっている。
【0126】従来のシムコイルでは、シーケンスの途中
で電流を変化させることは想定されておらず、このため
渦電流の発生も想定されてはおらず、上記のような構成
は必要ではなかった。
【0127】しかし、本発明に係る検査方法では、スラ
イスの位置に応じて電流を切り替える必要があるため、
検査装置の構成によっては、アクティブシールドが必要
である。
【0128】なお、アクティブシールドの詳細について
は、例えば、ジャーナル・オブ・フィジックス・イー:
サイエンティフィック・インスツルメント、第19巻、
540−545頁、1986年(J.Phys.E:S
ci.Instrum.19、pp.540−545
(1986))に記載されているので、それを参照され
たい。
【0129】図1、図5、図6に示したパルスシーケン
スを用いて位相エンコードAの印加量を変化させなが
ら、計測を繰り返す場合、図16に示すような手順でシ
ム電流値を切り替える。ここでは、スライスが2枚の場
合を例にとって説明する。
【0130】上記の印加量がE1の時、まずスライス1
に最適なシム電流値に切り替えてから(ステップ17
7)、スライス1の計測を行なう(ステップ178)。
次に、スライス2に最適なシム電流値に切り替えてから
(ステップ179)、スライス2の計測を行なう(ステ
ップ180)。位相エンコードAの印加量をE2として
同様の操作を行なう。即ち、スライス1に最適なシム電
流値に切り替えてから(ステップ177’)、スライス
1の計測を行なう(ステップ178’)。次に、スライ
ス2に最適なシム電流値に切り替えてから(ステップ1
79’)、スライス2の計測を行なう(ステップ18
0’)。このように、位相エンコードAの印加量を変え
て、スライス1とスライス2の計測を交互に行なう度
に、以上の操作を繰り返す。
【0131】この電流値の切り替えは計測するスライス
が変化する度に行なう必要があるので、切り替え時間は
十分短くなければならない。例えば、繰返し時間が50
0ms、1エンコード当りの計測時間が100msで2
スライスの計測を行なう場合には、300msの空き時
間の間にシム電流値を2回切り替える必要がある。
【0132】通常、シム電源の低域通過型フィルタはS
/Nの劣化を防ぐため、時定数の長いものが用いられて
おり、150msの間にシム電流値を切り替えることは
困難である。このような状況を回避するには、図4のよ
うに、シム電源12の低域通過型フィルタ(フィルタ
1)を複数個設け、フィルタ切り替え部26により用途
に応じて使用する低域通過型フィルタを切り替えればよ
い。
【0133】即ち、シム電流値の切り替え時には時定数
が計測の空き時間よりも短い低域通過型フィルタ(フィ
ルタ1)24に切り替え、計測時にはS/Nを劣化させ
ないために、時定数の長い低域通過型フィルタ(フィル
タ2)25に切り替えればよい。
【0134】なお、以上の各実施例はいずれも本発明の
例を示したものであり、本発明はこれに限定されるべき
ものではないことは言うまでもないことである。
【0135】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
磁化回復のための待ち時間の間に、他のスライスの核磁
気共鳴信号を計測するため、計測時間を延長することな
く、複数の関心部位の3次元画像を得ることができる。
【0136】さらに、マルチスライス撮影や局所領域の
スペクトル計測に適した、静磁場均一度調整機能を向上
させ得るNMRを用いた検査方法及び装置を実現でき、
より具体的に述べれば、下記の通りの効果を達成でき
る。
【0137】(1)マルチスライス撮影等で、複数のス
ライスを連続撮影する場合に、各スライス毎に最良の静
磁場分布が得られるようなシム電流値の最適値を記憶し
ておき、各スライスの撮影直前に上記シム電流値を最適
値に切り替えるので、常に均一度の高い静磁場分布の下
で撮影を行なうことが可能なNMRを用いた検査方法及
び装置を実現できる。
【0138】(2)複数の局所領域のスペクトル計測を
行なう場合に、各局所領域毎に最良の静磁場分布が得ら
れるようなシム電流値の最適値を記憶しておき、各局所
領域のスペクトル計測を行なう直前に上記シム電流値を
最適値に切り替えるので、常に均一度の高い静磁場分布
の下でスペクトル計測を行なうことが可能なNMRを用
いた検査方法及び装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である、エコープレーナ
ー法を適用した3次元画像計測パルスシーケンス図。
【図2】従来のエコープレーナー法を3次元画像計測に
適用した場合のパルスシーケンス図。
【図3】従来法による静磁場均一度調整。及びマルチス
ライス撮影の手順を示す図。
【図4】本発明の核磁気共鳴を用いた検査方法(3次元
画像計測)が適用される装置の構成例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施例である。エコープレーナ
ー法を適用した3次元画像計測パルスシーケンス図。
【図6】発明の第3の実施例である。高速SE法を適用
した3次元画像計測パルスシーケンス図。
【図7】本発明の第3の実施例にCPMG法を適用した
3次元画像計測パルスシーケンス図。
【図8】本発明の第4の実施例である。3次元画像計測
の領域を示す図。
【図9】本発明の第5実施例である。3次元画像計測の
領域を示す図。
【図10】第6の実施例に係る静磁場均一度調整。及び
マルチスライス撮影の手順を示す図。
【図11】第6の実施例に係るシム電流値の切り替え手
順を示す図。
【図12】第6の実施例に係る静磁場均一度調整。及び
スペクトル計測の説明図。
【図13】第6の実施例に係るシム電流値の切り替え手
順を示す図。
【図14】第6の実施例に係る静磁場分布計測のパルス
シーケンスを示す図。
【図15】第6の実施例に係る静磁場分布計測のパルス
シーケンスを示す図。
【図16】本発明の第6の実施例に係るシム電流値の切
り替え手順を示す図。
【符号の説明】
1、27、33、39、47、55、64、81、91
…励起高周波パルス、2、28、34、40、43、4
8、51、56、61、65、70、82、86、9
2、96…スライス傾斜磁場、3、4…位相エンコード
傾斜磁場、29、35、41、49、57、66、8
3、93…位相エンコード傾斜磁場A、30、36、4
4、52、59、68…位相エンコード傾斜磁場B、8
7、97…位相エンコード傾斜磁場B1、90、100
…位相エンコード傾斜磁場B2、5、31、37、4
5、53…リードアウト傾斜磁場、58、67、84、
94…リードアウト傾斜磁場A、62、71、88、9
8…リードアウト傾斜磁場B、6、32、38、46、
54、63、72、89、99…核磁気共鳴信号、7…
静磁場を発生するコイル、8…傾斜磁場を発生するコイ
ル、9…静磁場均一度を調整するためのシムコイル、1
0…検査対象、11…シーケンサ、12…シム電源、1
3…傾斜磁場電源、14…高周波発信器、15…高周波
変調器、16…高周波増幅器、17…高周波送信器、1
8…受信器、19…増幅器、20…位相検波器、21…
AD変換器、22…CPU、23…記憶媒体、24、2
5…低域通過型フィルタ、26…フィルタ切り替え部、
42、50、60、69、85、95…反転高周波パル
ス、73…領域(脳)、74…領域(肝臓)、75…領
域(右脳)、76…領域(左脳)、145、152…励
起高周波パルス、146、153…反転高周波パルス、
147、154…エコー信号、148、149、15
5、156…スライス傾斜磁場、150、157、15
8…位相エンコード傾斜磁場、151…リードアウト傾
斜磁場。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 陽 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 板垣 博幸 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−208133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場,傾斜磁場,及び高周波磁場の各磁
    場発生手段と,電流を変化させることにより前記静磁場
    の均一度が変化する付加的なシムコイルによる磁場の発
    生手段と,検査対象からの核磁気共鳴信号を検出する信
    号検出手段と,前記シムコイルに流すシム電流値の制御
    を行う制御手段とを有し,複数のスライスの中の計測対
    象とする前記スライスからの前記核磁気共鳴信号の計測
    に先立って,磁化の回復の待ち時間の間に,前記シム電
    流値を前記計測対象とする前記スライスに対応させて切
    り替えた後に,前記計測対象とする前記スライスからの
    前記核磁気共鳴信号の計測を行ない,前記待ち時間の間
    に異なる前記スライスからの前記核磁気共鳴信号を計測
    し,前記検査対象の3次元画像を得る3次元マルチスラ
    イス計測を行なうことを特徴とする核磁気共鳴を用いた
    検査装置。
  2. 【請求項2】静磁場,傾斜磁場,及び高周波磁場の各磁
    場発生手段と,電流を変化させることにより前記静磁場
    の均一度が変化する付加的なシムコイルによる磁場の発
    生手段と,時定数の異なる複数の低域通過型フィルタを
    有し前記シムコイルに電流を供給するシム電源と,検査
    対象からの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と,
    前記シムコイルに流すシム電流値の制御を行う制御手段
    とを有し,複数のスライスの中の計測対象とする前記ス
    ライスからの前記核磁気共鳴信号の計測に先立って,磁
    化の回復の待ち時間の間に,前記シム電流値を前記計測
    対象とする前記スライスに対応させて切り替えた後に,
    前記計測対象とする前記スライスからの前記核磁気共鳴
    信号の計測を行ない,前記待ち時間の間に異なる前記ス
    ライスからの前記核磁気共鳴信号を計測し,前記検査対
    象の3次元画像を得る3次元マルチスライス計測を行な
    い,前記シム電流値の切り替え時に,前記低域通過型フ
    ィルタは時定数が前記待ち時間よりも短い第1のフィル
    タに切り替えられ,前記核磁気共鳴信号の計測時に,前
    記低域通過型フィルタは前記第1のフィルタよりも時定
    数が長い第2のフィルタに切り替えられることを特徴と
    する核磁気共鳴を用いた検査装置。
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