JPH0564566A - カルシウム吸収効率の高い飲食物 - Google Patents

カルシウム吸収効率の高い飲食物

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JPH0564566A
JPH0564566A JP3254237A JP25423791A JPH0564566A JP H0564566 A JPH0564566 A JP H0564566A JP 3254237 A JP3254237 A JP 3254237A JP 25423791 A JP25423791 A JP 25423791A JP H0564566 A JPH0564566 A JP H0564566A
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calcium
inositol
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food
soluble
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JP3254237A
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Isao Kiyozawa
功 清澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルシウムの吸収効率の高い飲食物を提供す
ること。 【構成】 菓子、清涼飲料、ジュースなどの飲食物にカ
ルシウムと共にイノシトール二リン酸および/またはイ
ノシトール三リン酸を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルシウムの吸収効率の
高い飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】厚生省の国民栄養調査によると、日本人
の食事では、カルシウム摂取量が、その所要量を充分充
足していないのが現状である。すなわち、平均栄養所要
量に対するカルシウム摂取量の充足率は82%であり、
国民の約40%が所要量の80%以下のカルシウムを摂
取しているに過ぎないという。このようなカルシウム不
足は種々の疾患を招く原因となることが懸念されてい
る。
【0003】日本人の食事におけるカルシウムの主な供
給源は、野菜類、乳類、豆類、魚介類である。これらの
内、カルシウムが消化管から最も吸収されやすい形態で
存在し、しかも豊富に含まれている乳類が、食事に占め
る割合は極めて低い。一方、野菜類や豆類のカルシウム
は、含量が低い上、必ずしも吸収されやすい形態では存
在していない。このため、吸収されやすい形態のカルシ
ウムを食品に増強することが望まれている。
【0004】日本人の食事において、主要な米、麦など
の穀類、豆類などの種子には、リンの貯蔵形態としてフ
ィチン酸が多量含まれている。フィチン酸は、ミオイノ
シトールの水酸基6個にリン酸が1個ずつエステル結合
した化学物質であり、ミオイノシトール六リン酸(以
下、「IP6 」と略記することがある)ともよばれてい
る。IP6 は、食品中のカルシウムやマグネシウムをは
じめ、亜鉛、鉄、銅などの金属イオンに対して強い結合
力をもつ金属封鎖剤であり、、消化管内ではこれらミネ
ラルの吸収に対して顕著な抑制作用を発揮することが知
られている。
【0005】従って、食品中に含まれるIP6 は、消化
管内で容易にカルシウムイオンなどと強く結合し、その
吸収を著しく抑制することが知られている。
【0006】IP6 は加水分解によってイノシトール五
リン酸(IP5 )、イノシトール四リン酸(IP4 )、
イノシトール三リン酸(IP3 )、イノシトール二リン
酸(IP2 )およびイノシトール一リン酸(IP1 )を
生ずる。Jackmanらは、IP6 およびこれらの分
解物とカルシウム、鉄、アルミニウム、およびマグネシ
ウムとの不溶性塩の形成について調べており、分解物の
方が不溶性塩の形成が少ないことを認めている〔R.
H.Jackman and C.A.Black,S
oil Sci.,72,179(1951)〕。
【0007】消化管内においてイオンなどの遊離した状
態で存在するカルシウムは、食物中のIP6 や脂肪が消
化して遊離した脂肪酸、あるいはシュウ酸などの有機酸
と不溶性塩を形成しやすい。このため、カルシウムは腸
粘膜細胞に取り込まれるまで結合型で存在することが必
要であるが、この場合、腸粘膜との接触によって細胞の
担体に容易にカルシウムを引き渡すことができる程度の
弱い結合力をもつ複合体として存在することが望まし
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルシウム
不足を補うことのできる、カルシウムの吸収効率の高い
飲食物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、IP6 の加水
分解によって生成するイノシトール二リン酸および/ま
たはイノシトール三リン酸ならびに可溶性カルシウムを
含有するカルシウム吸収効率の高い飲食物を提供するも
のである。
【0010】本発明に使用するイノシトール二リン酸お
よびイノシトール三リン酸は、前記のとおりIP6 の分
解物である。本発明においてイノシトール二リン酸とし
ては、公知のいずれの調製法により得られたものも使用
できる。イノシトール二リン酸および/またはイノシト
ール三リン酸の調製法としては、例えば以下に示す方法
が知られている。
【0011】すなわち、穀類などから得られたIP6
酸性条件下で加熱あるいはフィターゼにより部分加水分
解し、その加水分解物中の各分解物を陰イオン交換樹脂
クロマトグラフィーにより所定濃度の塩酸で溶出、分離
して得ることができる。例えば、加熱により得られたI
6 加水分解物をイオン交換樹脂カラム(AGl−X
8、Cl- 型、メッシュ200−400、バイオ・ラッ
ド ラボラトリーズ製)に充填し、0.05〜1.0N
塩酸でステップワイズにより溶出を行い、イノシトール
二リン酸またはイノシトール三リン酸画分を得る〔B.
Loenherdal,A.S.Sandberg,
B.Sandstoroem and C.Kunz,
J. Natr.,119,211(1989)〕こと
ができる。
【0012】イノシトール二リン酸および/またはイノ
シトール三リン酸は、可溶性カルシウムと混合されると
複合体を形成すると考えられ、この複合体は、IP6
場合のようにカルシウムとの結合力が強くないため、食
品に添加してもカルシウムの吸収を抑制することはな
く、その結合力はカゼインホスホペプチドと同程度であ
るので、カルシウム吸収促進効果を発揮するものと考え
られる。
【0013】イノシトール二リン酸および/またはイノ
シトール三リン酸は、脂肪酸などとカルシウムとの不溶
性塩の形成を抑制する作用を有する。これは、イノシト
ール二リン酸および/またはイノシトール三リン酸中に
存在する多くの水酸基が水分子との親和性を高めること
によって、イノシトール二リン酸および/またはイノシ
トール三リン酸のリン酸基に結合したカルシウムを保護
し、あるいは不溶性塩の形成を抑制するためである。
【0014】また、IP6 とその分解物の腸管における
吸収性を試験した結果、IP6 およびIP5 は腸粘膜を
そのまま通過しているが、イノシトール二リン酸、イノ
シトール三リン酸などではそのような現象が見られない
ことが明らかになった。この点から、これらの化合物は
腸管における生理的挙動が異なると考えられる。
【0015】以上の二点もイノシトール二リン酸および
/またはイノシトール三リン酸が、カルシウムが体内で
不溶性塩となって吸収を阻害されることを防止し、むし
ろ可溶性カルシウムとして吸収を容易にする効果を有す
ることを示している。
【0016】次に、本発明で使用される可溶性カルシウ
ムとしては、可溶性カルシウムのほか、体内で可溶化し
うるカルシウムも含まれ、食品に添加して無害なものを
使用する。例えば、グリセロリン酸カルシウム、塩化カ
ルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ム、酸性ピロリン酸カルシウム、第二リン酸カルシウ
ム、第三リン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0017】本発明の飲食物に含まれるイノシトール二
リン酸および/またはイノシトール三リン酸ならびに可
溶性カルシウムの量は、特に限定されるものではない
が、経済性およびカルシウムの使用基準などから、それ
ぞれ0.1〜0.3重量%とするのが好ましい。
【0018】本発明において飲食物としては、菓子類、
乳酸飲料、乳飲料、ジュースなどを挙げることができ
る。これらの飲食物の原料または製品にイノシトール二
リン酸および/またはイノシトール三リン酸ならびに可
溶性カルシウムを添加、混合することにより本発明のカ
ルシウム吸収効率の高い飲食物を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、「部」および「%」は共に
重量基準である。 参考例1 IP6 およびその各分解物(IP1 〜IP5 )とカルシ
ウムとの結合性の差異を明らかにするために本参考例の
実験を行った。カゼインはカルシウムと結合するとカル
シウムカゼイネートとなり白濁する性質がある。このカ
ルシウムカゼイネート溶液にIP6 およびその分解物を
添加してこれらとカルシウムとの複合体を形成させ、カ
ルシウムカゼイネートの白濁度の変化からIP6 および
その分解物間のカルシウムに対する親和性の差異を観察
した。ホスホセリンについても同様に行った。
【0020】0.1NのNaOHを添加しながら酸カゼ
インを蒸留水に分散し、最後に0.1NのHClにより
pH7.0に調節して0.4%カゼイン溶液を調製し
た。別にIP6 またはその各分解物を蒸留水に溶解した
後、0.1Nまたは1NのNaOHによりpH7.0に
調節し、リン濃度として0.6、1.2、2.4、3.
6および4.8mMの溶液を調製した。同様にしてホス
ホセリン溶液を調製した。
【0021】0.4%カゼイン溶液1.0mlを試験管
に採取し、これに4mM塩化カルシウム溶液1.0ml
を添加して20秒後にIP6 、各分解物またはホスホセ
リンの前記溶液2.0mlを添加し、37℃、3時間保
持した。その後この溶液について、分光光度計を用いて
600nmにおける吸光値を測定した。結果を図1に示
す。
【0022】図1よりIP6 およびその分解物のカルシ
ウムに対する結合力はそれぞれ異なり広範囲にわたって
いることがわかる。また、ホスホセリンの濁度はIP1
とIP2 の中間に位置している。ホスホセリンのカルシ
ウムに対する結合定数(log Kb(M))は低く、内藤
が掲載している「各種カルシウム結合物質の親和性
(表)」〔日本農芸化学会編:「食品の加工と栄養科
学」p.84(1986)、(株)朝倉書店〕から求め
ると、約2.0である。
【0023】カルシウムの吸収を促進するペプチドとし
て注目されているCPP(カゼインホスホペプチド)の
結合定数は約4.0であり、ホスホセリンより高い。こ
の程度の結合定数をもったCPPは、カルシウムイオン
を陰イオンのリン酸基から離して、小腸の上皮細胞内に
輸送する場合好都合であると考えられている。IP2
よびIP3 の結合力はCPPと同程度であるので、CP
P同様、カルシウム吸収促進効果を発揮するものと考え
られる。
【0024】実施例1(キャンデー) 粉末ソルビット83.0部およびクエン酸0.4部を水
16.0部に混合して溶解させ、この混合液をバキュー
ムパンで減圧下において加熱し、水分が2〜5%になる
まで濃縮し、この濃縮物を冷却盤上に移し、あらかじめ
イノシトール二リン酸1.0部および塩化カルシウム
1.0部を少量の水で溶解して得た水溶液、適量の香料
および食用色素を加え、品温約60℃まで冷却した。こ
れをスタンピングマシンで成型してキャンデーを得た。
【0025】実施例2(清涼飲料) リンゴ酸 0.6部 酒石酸 0.4部 蜂蜜 5.0部 D−ソルビット(70%) 6.0部 グラニュー糖 7.0部 アルギン酸 0.15部 イノシトール二リン酸 1.0部 塩化カルシウム 1.0部 精製水 (計100部) 上記成分を混合し、均一に溶解したのち、濾過し、清涼
飲料を得た。
【0026】実施例3(錠菓) クエン酸 1.0部 スキムミルク 20.0部 蔗糖脂肪酸エステル 1.0部 香料 1.0部 グラニュー糖 15.0部 乳糖 56.0部 イノシトール二リン酸 3.0部 塩化カルシウム 3.0部 上記成分を均一に混合し、造粒して打錠して錠菓を得
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の飲食物は、カルシウムの吸収促
進効果を有するため、骨の強化、例えば閉経後の女性に
多い骨粗しょう症の予防および治療、骨折者の回復強
化、女性に多い弱貧血の治療などの効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IP6 およびその分解物間のカルシウムとの結
合性の差異を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イノシトール二リン酸および/またはイ
    ノシトール三リン酸ならびに可溶性カルシウムを含有す
    るカルシウム吸収効率の高い飲食物。
JP3254237A 1991-09-06 1991-09-06 カルシウム吸収効率の高い飲食物 Pending JPH0564566A (ja)

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JP3254237A JPH0564566A (ja) 1991-09-06 1991-09-06 カルシウム吸収効率の高い飲食物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022123001A (ja) * 2017-10-26 2022-08-23 大塚製薬株式会社 イノシトールリン酸含有組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022123001A (ja) * 2017-10-26 2022-08-23 大塚製薬株式会社 イノシトールリン酸含有組成物

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