JPH0564544U - サスペンション用ブッシュ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内筒の中央部外周面にバルジ状に膨出した大
径部を有するバルジブッシュにおいて、ブッシュ軸方向
の座屈強度と、ゴム弾性体の接着における耐久性の両方
の向上、ならびにブッシュ自体の軽量化を図る。 【構成】 内筒金具（１）の中央部外周面に、バルジ状
に膨出する合成樹脂環状体（４）を、内筒金具（１）の
両端部を余して固設すると共に、この合成樹脂環状体
（４）を内包させて、内筒金具（１）と外筒金具（２）
の間にゴム弾性体（３）を固着せしめた構成を有してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はサスペンション用ブッシュに係り、詳しくは内筒金具の中央部外径を その両端部外径より大ならしめてバルジ状の大径部を形成した、謂るバルジブッ シュに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

内筒に大径部を有するバルジブッシュは、ブッシュの軸直角方向のばね力を上 げること、ならびに、こじりばね力を下げることを目的としてサスペンション用 ブッシュに用いられることが多い。

【０００３】 かかるブッシュとしては、従来、図２に示すように、プレス等を施すことによ り中央部を膨出させた内筒（７）と、これを取り囲む外筒（２）との間にゴム弾 性体（３）を加硫接着したものや、図３に示すように、中央部にバルジ状に膨出 した大径部（６）を有する合成樹脂製のスリーブ（８）を内筒金具（９）に外嵌 せしめ、このスリーブ（８）と外筒金具（２）との間にゴム弾性体（３）を加硫 接着したものが一般によく知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のバルジブッシュにあっては、内筒金具を膨出させて プレスしたものは、軸方向への座屈強度が低下し、内筒金具が挿着されるボルト の締着力によって変形しやすいとの問題を有し、また、合成樹脂スリーブを内筒 金具に嵌挿させたものは、ゴム弾性体がこの合成樹脂スリーブと外筒金具との間 に固着されることから、ゴム弾性体と樹脂スリーブの接着部の耐久性が劣るとの 問題を有している。

【０００５】 本考案は、叙上の如き実状に対処してなされたものであり、内筒金具に新規な 構成を見出すことにより、バルジブッシュの軸方向の座屈強度とゴム弾性体の接 着における耐久性とを同時に確保することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

しかして、上記目的に適合する本考案サスペンション用ブッシュの特徴は、内 筒金具と、これを取り囲む外筒金具の間に、ゴム弾性体を介設せしめたブッシュ であって、外面がバルジ状に膨出する合成樹脂環状体を、上記内筒金具の両端部 を余しその中央部外周面に固設すると共に、該合成樹脂環状体を内包させて、上 記内筒金具と外筒金具の間にゴム弾性体を固着せしめたことにある。

【０００７】

【作用】

上記構成を有する本考案のブッシュにおいては、内筒金具として真直な形状の ものを採用しうることから、ブッシュの軸方向の座屈強度が確保され、また、内 筒金具の中央部に固設した合成樹脂環状体を内包させて、内筒金具と外筒金具に ゴム弾性体を固着することから、該ゴム弾性体はブッシュ端部において上記内、 外筒の金具と直接接着されることになり、その接着における耐久性も前記座屈強 度と同様に確保される。

【０００８】

【実施例】

以下、さらに添付図面を参照し、本考案サスペンション用ブッシュの実施例を 説明する。 図１は本考案実施例のバルジブッシュを示す断面図であり、図において、（１ ）は内筒金具、（２）は外筒金具、（３）はゴム弾性体を夫々示している。 内筒金具（１）の中央部外周面には、該内筒金具（１）の両端部を余し、バル ジ状に膨出した外面を有する中実の合成樹脂環状体（４）が大径部（６）として 固設されている。この合成樹脂環状体（４）は、内筒金具（１）中央外周面に２ 〜４ケ所凹設した抜け止め（５）にその一部を充填させて、射出成形によって内 筒金具（１）外周面にリング状に形成されている。 このように、合成樹脂環状体（４）を内筒金具（１）に対し固定して設けるの は、後述するゴム弾性体（３）の加硫接着時に、その熱と圧力に対抗させるため であり、合成樹脂環状体（４）の固設手段としては、内筒金具（１）に形成した 抜け止め（５）を前記とは逆に凸設する等、種々のものを採用することができる 。

【０００９】 一方、内筒金具（１）と外筒金具（２）の間には、図示の如く、前記合成樹脂 環状体（４）を内包し、かつ上記内，外筒（１），（２）の両端部付近まで充填 させて、ゴム弾性体（３）が加硫により接着されている。このゴム弾性体（３） の加硫接着の際には、熱や圧力が発生するが、内包される上記合成樹脂環状体（ ４）は、前記の如く抜け止め（５）によって固定されているため、該環状体（４ ）が移動したりすることはない。

【００１０】 しかして、上記構成を有する本考案実施例のバルジブッシュにおいては、内筒 金具（１）に真直な形状のものを採用しうることから、従来の内筒金具自身を膨 出させてプレスしたものに比べ、ブッシュの軸方向の座屈強度を大きく向上させ ることができる。

【００１１】 また、内筒金具（１）中央部の合成樹脂環状体（４）を内包して、内筒金具（ １）と外筒金具（２）とにゴム弾性体（３）を固着することから、該ゴム弾性体 （３）は、ブッシュ端部において上記内，外筒（１），（２）の金具と直接加硫 接着されることになり、ゴム弾性体（３）の接着における耐久性も、従来の樹脂 スリーブを内筒金具に外嵌したものに比し大きく向上させることが可能である。

【００１２】 しかも、本考案バルジブッシュにおいては、前記従来のブッシュに比べ内筒金 具（１）ならびに合成樹脂環状体（４）の材量を共に減じることが可能で、ブッ シュの軽量化も同時に達成することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のサスペンション用ブッシュは、内筒金具の中央 部外周面に、バルジ状に膨出する合成樹脂環状体を、内筒金具の両端部を余して 固設すると共に、該合成樹脂環状体を内包させて、内筒金具と外筒金具の間にゴ ム弾性体を固着せしめたものであり、上記内筒金具としてストレートな形状のも のを採用しうることから、内筒を膨出プレスした従来のものに比し、ブッシュの 軸方向の座屈強度を向上させることが可能で、また、内筒金具中央部の合成樹脂 環状体を内包して、ブッシュ端部において内筒金具と外筒金具とにゴム弾性体を 直接固着することから、ゴム弾性体の接着における耐久性も、樹脂スリーブを内 筒金具に外嵌する従来のものに比し大きく向上せしめ、さらに、前記従来の２種 のブッシュに比べ、内筒金具、及び合成樹脂の夫々材量を減じ、ブッシュの軽量 化も同時に達成しうる等、多くの優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のバルジブッシュを示す断面図で
ある。

【図２】内筒金具をプレスにより膨出させた従来のバル
ジブッシュを示す断面図である。

【図３】合成樹脂スリーブを内筒金具に外嵌した従来の
バルジブッシュを示す断面図である。

【符号の説明】

（１） 内筒 （２） 外筒 （３） ゴム弾性体 （４） 合成樹脂環状体 （５） 抜け止め （６） 大径部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内筒金具と、これを取り囲む外筒金具の
   間に、ゴム弾性体を介設せしめたサスペンション用ブッ
   シュにおいて、外面がバルジ状に膨出する合成樹脂環状
   体を、上記内筒金具の両端部を余しその中央部外周面に
   固設すると共に、該合成樹脂環状体を内包させて、上記
   内筒金具と外筒金具の間にゴム弾性体を固着せしめたこ
   とを特徴とするサスペンション用ブッシュ。