JPH0564038U

JPH0564038U - 運搬装置

Info

Publication number: JPH0564038U
Application number: JP1309592U
Authority: JP
Inventors: 鳥羽仁美; 潮崎純二
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1992-02-07
Filing date: 1992-02-07
Publication date: 1993-08-24

Abstract

(57)【要約】【目的】ロッカー等の運搬対象物を容易に運搬するこ
とが可能で、価格が安く経済性に優れ、コンパクトで収
容保管に場所をとらない運搬装置を提供する。【構成】移動台車２に対して、昇降装置により支持枠
３を上，下に昇降させる一組の運搬台車１，１を、ロッ
カー１９の左，右に互いに対面させて配置し、連結ロッ
ド１８によって該各運搬台車１，１を着脱可能に連結す
る。これにより、両運搬台車１，１の支持枠３，３間で
ロッカー１９を支持し、支持枠３，３を下げた状態で該
ロッカー１９と運搬台車１，１とを一体化し、支持枠
３，３を上げた状態で移動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ロッカー等の大型筐体の運搬対象物を近距離に移設する場合に用いて好適な運搬装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

事務所や工場では、配置の変更等でロッカーのような大型筐体の運搬対象物を移設する必要が生じ、近距離の運搬を行うことがしばしばある。そのようなときには、通常何人かで力を合わせて、持ち上げたまま運ぶか、持ち上げてから台車に載せて運搬する、あるいはパイプ等を床の上に並べてころとして使い、その上を滑らせる等の方法で行われている。

【０００３】また、工場、倉庫等で、油圧式フォークパレットのような運搬用の機器が他の目的で使用するために備えられている場合には、それらの機器を使って大型筐体の運搬対象物を運搬することもある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ロッカーのような大型筐体の運搬対象物は、その大きさと重量を考えても、人力で運搬するには困難が伴い、加えて、該運搬対象物は表面が平坦で把手のような手掛かりになるものがないので掴みにくく、したがって力が加わりにくい等の理由から、無理な姿勢で力を入れてしまい腰痛を発生させてしまう等の問題がある。

【０００５】また、運搬対象物が空の場合にはともかく、中に書類等が収納されたロッカー等では人の力で運搬することはほとんど不可能である。したがって、事前に中に収納された書類等を一旦外に出してから運搬し、該ロッカーの移設後に今度は残された該書類を運んで再び該ロッカーに収納する必要があり、非常に手間がかかるという問題がある。

【０００６】また、台車に載せて運ぶ場合には、運搬対象物を持ち上げて該台車に載せるのが大変で、載せるときにちょっとした力が該台車に加わっただけで該台車の車輪が勝手に回転し、台車が動いてしまうので載せにくく、加えて、通常の事務所等に常備してある台車は該運搬対象物の運搬には小さすぎることが多く、そのような場合には運搬対象物が台車の上で安定しないので、運搬中に台車が外れるあるいは運搬対象物が倒れるという危険性がある。

【０００７】ころを使用する場合には、該ころの材質によっては床に傷をつけてしまうことがあり、また、方向が曲がらないように該ころをきちんと平行に並べるのが難しいという欠点がある。

【０００８】さらに、フォークパレットのような運搬用の機器を使用すれば楽に運搬することはできるが、通常はロッカー等の大型の運搬対象物を運ぶためだけの目的でそれらの機器を購入するのは、使用頻度を考えた場合に不経済であり、通常時はただ場所をとるだけで、むしろ仕事のじゃまになるという新たな問題が生じる。

【０００９】本考案は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたものであり、ロッカー等の大型の運搬対象物を容易に運搬することが可能で、しかも価格が安く経済性に優れ、コンパクトで場所を取らず手近な場所に置いておくことができる運搬装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために本考案は、キャスタを介して移動可能となり、昇降装置により支持枠を上下に昇降させる一組の運搬台車と、該各運搬台車間を着脱可能に連結する連結部材とからなり、運搬対象物の前後に該各運搬台車を配置し、該各運搬台車の支持枠間で運搬対象物を支持する構成としてある。

【００１１】

【作用】上記構成により、本考案に係る運搬装置では、一組の運搬台車の支持枠を床まで下げた状態にし、一方の運搬台車の支持枠を運搬対象物の下面に挿入し、当該運搬台車に対面させて他方の運搬台車の支持枠を運搬対象物の下面に挿入し、その状態で一組の運搬台車間を連結部材により連結する。そして、昇降装置によって支持枠を上げていけば運搬対象物は、運搬台車に支持されて床から離れる。その状態で移動方向の力を加えると、各運搬台車のキャスタの回転によって、これら各運搬台車と一体となった運搬対象物が円滑に移動する。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１ないし図５に基づき説明する。

【００１３】図１は本考案実施例の運搬台車と連結部材の一部を示し、１は運搬台車であり、該運搬台車１は、移動台車２に支持枠３と昇降装置４とを取付けることによって大略構成されている。

【００１４】ここで、前記移動台車２は、ロッカー等の運搬対象物の奥行を考慮して所定の長さを有した板状の台板５と、該台板５の両端部下面に取付けられたキャスタ６，６と、前記台板５の両端部上面に鉛直方向に伸びるように立設された支柱７，７とから構成されている。

【００１５】前記支持枠３は、前記台板５とほぼ同じ長さを有し、該台板５と高さ方向に所定寸法離間して配設された横板８と、該横板８の両端からキャスタ６，６近傍まで下方に垂下するように溶着された左，右の立板９，９と、該立板９，９の下端にそれぞれ前方に向け水平方向に突出するように設けられ、運搬対象物の下面への挿入を容易にすべく上面が傾斜面１０Ａ，１０Ａとなった爪１０，１０と、前記横板８と共に各立板９，９を補強すべく該各立板９の上端側に該横板８とＬ字状をなすように溶着された補強板１１と、前記各立板９，９の下部途中に位置して横板８と平行に対向して該各立板９，９に溶着された案内板１２，１２とから構成されている。

【００１６】そして、前記横板８には移動台車２の各支柱７，７と対応する位置に該各支柱７を挿通させる挿通孔８Ａ，８Ａが穿設されている。また、前記各案内板１２，１２にも前記各支柱７，７と対応する位置に該各支柱７，７を挿通させる挿通孔１２Ａ，１２Ａが穿設されている。

【００１７】かくして、各支柱７，７に対して各案内板１２の挿通孔１２Ａと横板８の各挿通孔８Ａを挿通することにより、支持枠３は移動台車２に対して上，下動可能に取付けられる。なお、各支柱７の頂部には、支持枠３が上，下動するとき該各支柱７から離脱するのを防止するストッパ１３，１３が設けられている。

【００１８】１４，１４は後述する連結ロッド１８，１８を連結すべく支持枠３の各立板９，９の外側端面に位置して、高さ方向中間位置に取付けられたロッド受で、該各ロッド受１４には上下方向に貫通する係合孔１４Ａが穿設されている。

【００１９】また、昇降装置４として、本実施例では手動式の昇降装置を採用し、該昇降装置４はシリンダ１５と、該シリンダ１５に油圧を供給する手動ポンプ１６と、圧油給排用ハンドル１７とから構成されている。

【００２０】ここに、前記シリンダ１５は、後述するポンプケース１６Ａを介して移動台車２の台板５のほぼ中央から立設されたチューブ１５Ａと、該チューブ１５Ａ内に摺動可能に挿嵌されたピストン１５Ｂと、一端が該ピストン１５Ｂに連結され、他端がチューブ１５Ａ外に突出して横板８の中央と固着されたピストンロッド１５Ｃと、前記チューブ１５Ａのボトムに穿設された圧油給排孔１５Ｄとから構成されている。

【００２１】また、手動ポンプ１６は、移動台車２の台板５上に設置され、内部に油タンク、ポンプ、開閉弁等（いずれも図示せず）を収容したポンプケース１６Ａと、該ポンプケース１６Ａに設けられ、ポンプを手動操作で駆動するように上，下動操作されるポンプ駆動レバー１６Ｂとから構成されている。そして、前記ポンプ駆動レバー１６Ｂを上，下動させることによってポンプを駆動し、油タンクからの油を加圧し、圧油をシリンダ１５の圧油給排孔１５Ｄに供給し、ピストン１５Ｂを上昇させる。

【００２２】一方、圧油給排用ハンドル１７は、ポンプケース１６Ａ内に位置してポンプを迂回してシリンダ１５と油タンクとの間に設けられた開閉弁を手動開閉するものである。そして、前記ハンドル１７を一方向に回転することによりシリンダ１５と油タンクとの間が遮断され、ポンプ駆動レバー１６Ｂの操作によりポンプからの圧油がシリンダ１５に供給され、支持枠３を移動台車２に対して上昇させる。また、前記ハンドル１７を他方向に回転することにより、シリンダ１５と油タンクとが連通され、支持枠３の自重によりシリンダ１５内の油は油タンクに戻り、支持枠３は下降する。なお、前記ハンドル１７の操作によってポンプとシリンダ１５との間を遮断することにより、シリンダ１５内の油はオイルロック状態になり、支持枠３はその位置に固定される。

【００２３】さらに、１８，１８は連結部材としての連結ロッドで、該各連結ロッド１８は運搬台車１，１間を連結するもので、両端がＬ字状に折曲げられ、前述した各ロッド受１４の係合孔１４Ａに係合される。ここで、各連結ロッド１８は、ロッカー等が何種類かの定尺に分けられるので、それに合わせた何種類かの長さのものを用意されている。各連結ロッド１８は各運搬台車１の各ロッド受１４の係合孔１４Ａに嵌合させることによって、両運搬台車１，１間を連結し、これら運搬台車１，１と両運搬台車１，１に支持された運搬対象物を一体にして移動させるものである。

【００２４】次に、本実施例の運搬装置によってロッカーを運搬する場合を例にして、運搬装置の使用方法を説明する。

【００２５】まず、図２に示すように、運搬するロッカー１９の一方の側面（図中左）上部を斜めに押し上げて該ロッカー１９を傾け、それによってできた床とロッカー１９底面との隙間に、一方の運搬台車１の支持枠３の爪１０を傾斜面１０Ａ側から挿入する。各運搬台車１は、ハンドル１７（図１参照）による開閉弁の操作によって、挿入前に爪１０が床に接するまで支持枠３の位置を下げておく。即ち、該開閉弁を開けることによって支持枠３を下げ、床に爪１０が接してから再び該開閉弁を閉じておけばよい。

【００２６】次に、図３に示すように、ロッカー１９のもう一方の側面（図中右）上部を斜めに押し上げて床とロッカー１９底面との間に隙間を作り、すでに爪１０を挿入した運搬台車１（図中左）に対面させてもう一方の運搬台車１を（図中右）に配置する。この状態から、もう一方の運搬台車１の支持枠３の爪１０を床とロッカー１９との隙間に挿入すれば、ロッカー１９は床から離れて爪１０，１０の上に載った状態となり、両運搬台車１，１の支持枠３，３間で支持されている。

【００２７】続いて、図４に示すように、連結ロッド１８，１８を各ロッド受１４，１４に挿入して、運搬台車１，１間を連結する。その後、各運搬台車１の各ポンプのレバー１６Ｂ（図１参照）を往復動させて油タンクの油をシリンダ１５に送り込み、ピストン１５Ｂをそれぞれ上昇させることによって、各ピストンロッド１５Ｃを介して各支持枠３を押し上げる。

【００２８】やがて前記レバー１６Ｂの操作によって、図５に示すように、支持枠３の爪１０が床からある程度離れた状態となってから、運搬台車１に力を加えると運搬台車１の各キャスター６，６が回転し、運搬台車１，１と一体化されたロッカー１９は円滑に移動を開始する。このようにして所定の場所まで移動したならば、各運搬台車１のハンドル１７を回し、シリンダ１５内の油をタンクに開放する。ピストン１５Ｂにはピストンロッド１５Ｃを介してロッカー１９および支持枠３の荷重が加えられており、該荷重によってピストン１５Ｂが押圧するので、シリンダ１５内の油はタンクに流出していく。それにつれてピストン１５Ｂの位置が下がり支持枠３も下がって行く。なお、油の流出に要する管路抵抗をハンドル１７によって調整すれば、支持枠３を適度の速度で下降させることができる。

【００２９】やがて、支持枠３，３の爪１０，１０が床に接してから各連結ロッド１８を外し、ロッカー１９の一方の側面上部を斜めに押し上げて支持部３の爪１０をロッカー１９から外し、一方の運搬台車１を引き出す。続いて残ったもう一方の台車を同様にして外せば、ロッカー１９の運搬が終了する。

【００３０】運搬が終了した後は、運搬台車１，１を部屋の隅等に片づけておけばよい。運搬台車１，１の幅はロッカー１９の奥行とほぼ同じなので、ロッカー１９と並べて置いた場合にでっぱることもなく、支持枠３を下げて爪１０が床に接した状態にしておけば不用意に動くこともない。また、一方の運搬台車１を他方の運搬台車１に重ねておけば、収容保管には更に場所をとらず、運搬台車１台強のスペースがあればよい。

【００３１】このように本実施例による運搬装置では、ロッカー１９等の大型筐体を運搬する場合に、手動ポンプ１６を利用して運搬対象物を持ち上げて、移動台車２，２に取付けたキャスタ６，６の回転を利用して移動するので、大きな力は必要とせず運搬が楽であり、すでに収容されている書類等を収容したままでも運搬が可能となるので移設を短時間で行いうる。加えて、わずかの隙間を作るために運搬対象物を押し上げる場合にも、腰をのばす方向に力を加えるので腰痛になることもなく安全性が高い。

【００３２】また、油圧を利用しているので運搬対象物を下降させる場合に、その下降速度を管路抵抗を調節するハンドル１７によって自在に変えるあるいは途中で停止させることが可能である。

【００３３】また、運搬装置が運搬台車１，１と連結ロッド１８，１８とに分れるので場所を取らず、収容保管が容易である。したがって、使用しないときでも邪魔にならないので、手近な場所に置いて必要なときに何時でも使うことができる。

【００３４】さらに、運搬対象物の剛性を利用することによって、通常の一体型の台車の中央部分に相当する部材をなくしたので、構造が簡単になって、価格が安くなり、経済性に優れたものとなる。

【００３５】なお、本実施例では昇降装置４として、シリンダ１５、手動ポンプ１６を採用したが、本考案の昇降装置は、歯車やねじの機構を用いたもの、梃や滑車の原理を利用したもの、蓄電池を搭載して電動モータとしたもの等とすることも可能である。

【００３６】また、本実施例では一組になる運搬台車１，１の両方に手動ポンプ１６を設けているが、一方の運搬台車にのみ手動ポンプを設け、該ポンプから連結部材を兼ねた連結パイプ等を介して、他方の運搬台車のシリンダに油圧を供給することも可能である。この場合には、ポンプを動かすために２倍の力が必要になるが、両支持枠が均等に上下するという利点もある。

【００３７】さらに、連結部材として固定長の連結ロッド１８を用いたが、連結ロッドの長さを調節可能にしたもの、または、ある単位長の連結ロッドを適宜の数連結することによって、所要の長さの連結ロッドを形成する等種々の構成が可能である。

【００３８】

【考案の効果】

以上詳述した如く、本考案による運搬装置では、ロッカー等の大型筐体を運搬する場合に、昇降装置を利用して運搬対象物を持ち上げて、移動台車に取付けた各キャスタの回転を利用して移動するので、大きな力は必要とせず運搬が楽であり、すでに収容されている書類等を収容したままでも運搬が可能となるので移設を短時間で行いうる。加えて、わずかの隙間を作るために運搬対象物を押し上げる場合にも、腰をのばす方向に力を加えるので腰痛になることもなく安全性が高い。

【００３９】また、運搬装置が運搬台車と連結ロッドとに分れるので場所を取らず、収容保管が容易である。したがって、使用しないときでも邪魔にならないので、手近な場所に置いて必要なときに何時でも使うことができる。

【００４０】さらに、運搬対象物の剛性を利用することによって、通常の一体型の台車の中央部分に相当する部材をなくしたので、構造が簡単になって、価格が安くなり、経済性に優れたものとなる等の種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による運搬装置の運搬台車と連
結ロッドの一部とを示す斜視図である。

【図２】一方の運搬台車をロッカーの下に挿入した状態
を示す正面図である。

【図３】もう一方の運搬台車を挿入する前の状態を示す
正面図である。

【図４】双方の運搬台車をロッカーの下に挿入した状態
を示す正面図である。

【図５】運搬台車の支持枠を上げてロッカー全体を上げ
た状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１運搬台車２移動台車３支持枠４昇降装置６，６キヤスター１０，１０爪１５シリンダ１６手動ポンプ１８連結ロッド１９ロッカー（運搬対象物）

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】キャスタを介して移動可能となり、昇降
装置により支持枠を上下に昇降させる一組の運搬台車
と、該各運搬台車間を着脱可能に連結する連結部材とか
らなり、運搬対象物の前後に該各運搬台車を配置し、該
各運搬台車の支持枠間で運搬対象物を支持する構成とし
てなる運搬装置。