JPH0564017B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベータの巻上げ機に含まれる電
動機の保守点検時に用いられる分解、組立装置に
関するものである。

〔従来技術〕 エレベータの巻上げ機に含まれる電動機の点
検、清掃または補修時には、回転子を固定子から
引き抜き、これらの作業終了後に再び回転子を固
定子に挿入することが行われる。

従来、このような作業をする場合、固定子や回
転子をそれそれクレーンやホイストなどで吊り上
げる方法が実施されていた。しかし、クレーンや
ホイストの設備のない現場ではその組立に手間取
り、作業効率が著しく低下したり、クレーンやホ
イストの設営に必要な広い空間のない、狭い現場
等では利用できないことがあつた。また、クレー
ンやホイスト等で電動機を吊り上げた場合、回転
子と固定子が強く接触し、故障を起したりする場
合がある。さらに、吊り上げられた電動機は不安
定であるため、人力によつて押さえなければなら
ず、思わぬ事故の原因となつた。

このため、実開昭55−59572号公報に示される
ような電動機の分解、組立装置が提案された。

この考案は、回転子軸の一端に軸継手を介して
組立用仮軸を結合し、回転子軸の他端には直接も
う一つの組立用仮軸を結合し、これらの組立用仮
軸をそれぞれ台車で受け、回転子を水平に支持す
る。そして、これら台車を水平に移動させ、固定
子から回転子を抜いた後、複数のころより移動可
能に構成された支持体上に回転子を受け、軸継手
を外せば、固定子と回転子を完全に分解すること
ができる。組立はこの逆の手順による。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の装置は、電動機本体が下部
に据え付けられた土台より支持され、電動機の両
側が露出しているものにのみ適用可能で、一端が
被駆動側フランジと結合し、その結合部分により
支持されている電動機では、固定子内に軸継手を
通し、この軸継手の両側に台車を取り付けるよう
なことはできず、電動機は被駆動側フランジから
切り離した途端に落下してしまう。

また、この装置も、回転子を組立用仮軸で支持
する間は、やはり人間の手によつて押さえなけれ
ばならず、安全性に問題がある。

本発明は目的は、一端が被駆動側フランジに水
平に結合、支持され、エレベータの巻上げ機に含
まれる電動機の分解、組立作業に適し、安全かつ
効率良く作業を行うことのできる電動機の分解、
組立装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本発明は、一端が被
駆動側フランジに水平に結合、支持された電動機
の分解、組立に使用される電動機の分解、組立装
置において、王下調整手段を有し、一端を前記被
駆動側フランジ下部の据付台上の前記電動機側に
固定される作業台と、この作業台上を前記電動機
の軸方向に移動可能で、前記電動機を下方から支
持する電動機受け台と、前記作業台の反フランジ
側端部に立設されたスタンドと、一方側が前記電
動機の回転子軸のフランジ側に嵌合し、他方側が
前記フランジに支持される第一の回転子軸延長部
材と、一方側が前記回転子軸の反フランジ側に嵌
合し、他方側が前記スタンドに支持される第二の
回転子軸延長部材とを備えるとともに、前記スタ
ンドが前記第二の回転子軸延長部材の前記他方側
を高さ位置調整可能に支持する支持手段を有する
構成にしてある。

〔作用〕

上記構成により本発明は、作業台の一端を据付
台に取り付け、作業台上に電動機受け台を設け、
この電動機受け台により電動機を支持することに
より、前記電動機を被駆動側フランジから切り離
しても、落下することはないので、一端が被駆動
側フランジに水平に結合、支持された電動機の分
解、組立作業が可能となる。また、電動機は前記
電動機受け台により直接に支持されるので、揺動
することなく作業台内における移動が可能で、従
来のように電動機を手で押える必要がなく、安全
に作業を行うことができる。さらに、回転子は第
一の回転子軸延長部材および、第二の回転子軸延
長部材を介してフランジとスタンドにより支持さ
れて浮いた状態となるため電動機浮け台を前記フ
ランジ方向に移動させるだけで回転子が露出した
状態とすることができ、効率的に分解作業を進め
ることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の電動機の分解、組立装置の実施
例を図に基づいて説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図で、１
は作業台、２はこの作業台１上を移動して電動機
を支持する電動機受け台、５は電動機の固定子、
３は作業台１の反電動機側端部に立設されたスタ
ンド、４は回転子軸、６は電動機の回転子、７は
被駆動側フランジである。

第２図は電動機受け台２を示す斜視図で、８は
電動機受け台の枠体、９は電動機受け、１０は電
動機受け９の高さ調整ボルトである。また、第３
図はスタンド３を示す正面図で、１１はスタンド
本体、１２はスタンド本体１１に形成した調整
孔、１３はスタンド本体１１に装着される固定子
軸支持部である。なお、第１図に示す１４，１５
は第一、第二の回転子軸延長部材、１６はフラン
ジ７に嵌め込まれる支持体である。上述したスタ
ンド本体１１に形成した調整孔１２と、回転子軸
支持部１３とは、第二の回転子軸延長部材１５の
端部を高さ唯唯調整可能に支持する支持手段を構
成している。

このように構成してある実施例にあつて電動機
を分解するときには、先ず、作業台１の脚の高さ
を調整して電動機据付台の高さと整合させ、作業
台の一端を電動機据付台に結合する。作業台１上
に電動機受け台２を載せて電動機の直下まで移動
させ、電動機受け台２の枠体８により支持された
電動機受け９を、調整ボルト１０により電動機を
支持する位置まで高さを調整する。回転子軸４の
継手部（図示せず）とフランジ７を外して電動機
を一旦、フランジ７側方向に移動させる。次に、
電動機より突き出た回転子軸４のフランジ７側に
第一の回転子軸延長部材１４を取り付け、この延
長部材１４の他端を支持体１６上に乗せる。そし
て、回転子軸４の反フランジ７側に第二の回転子
軸延長部材１５を取り付け、この回転子軸延長部
材１５の他端をスタンド３に取り付ける。回転子
軸延長部材１５の他端は平板状に形成してあり、
回転子支持部１３と螺合するねじ孔が設けてある
（図示せず）ので、回転子支持部材１３を調整し、
調整孔１２内を上下移動させることにより、回転
子軸延長部材１５をスタンド本体１１に高さ調整
可能に固定することができる。これにより、回転
子６は宙に浮いた状態となり、電動機浮け台２を
再びフランジ７方向に移動させれば、過度に接触
させることなく固定子５の中から回転子６を抜き
出すことができる。組立作業はこの逆の手順によ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、作業台の一端を
据付台に取り付け、この作業台上に電動機受け台
を設け、この受け台により電動機を支持すること
により、電動機を被駆動側フランジから切り離し
ても落下することはないので、一端が被駆動側フ
ランジに水平に結合、支持されたエレベータの巻
き上げ機に含まれる電動機の分解、組立作業が可
能となる。また、電動機は受け台により直接に支
持されるので、揺動することなく作業台内におけ
る移動が可能で、従来のように電動機を手で押さ
える必要がなく、安全に作業を行うことができ
る。さらに、回転子は第一の回転子軸延長部材、
および第二の回転子軸延長部材を介してフランジ
とスタンドにより支持されて浮いた状態となるた
め、電動機受け台をフランジ方向に移動させるだ
けで回転子が露出する状態とすることができ、効
率的に分解作業を進めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電動機の分解、組立装置の一
実施例を示す斜視図、第２図は第１図に示す実施
例に備えられる電動機受け台の斜視図、第３図は
第１図に示す実施例に備えられるスタンドの正面
図である。 １……作業台、２……電動機受け台、３……ス
タンド、４……回転子軸、５……固定子、６……
回転子、７……フランジ、１２……調整孔（支持
手段）、１３……回転子軸支持部（支持手段）、１
４……第一の回転子軸延長部材、１５……第二の
回転子軸延長部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端が被駆動側フランジに水平に結合、支持
   された電動機の分解、組立に使用される電動機の
   分解、組立装置において、上下調整手段を有し、
   一端を前記フランジ下部の据付台の前記電動機側
   に固定される作業台と、この作業台上を前記電動
   機の軸方向に移動可能で、前記電動機を下方から
   支持する電動機受け台と、前記作業台の反フラン
   ジ側端部に立設されたスタンドと、一方側が前記
   電動機の回転子軸の前記フランジ側に嵌合し、他
   方側が前記フランジに支持される第一の回転子軸
   延長部材と、一方側が前記回転子軸の反フランジ
   側に嵌合し、他方側が前記スタンドに支持される
   第二の回転子軸延長部材とを備えるとともに、前
   記スタンドが前記第二の回転子軸延長部材の前記
   他方側を高さ位置調整可能に支持する支持手段を
   有することを特徴とする電動機の分解、組立装
   置。