JPH0563888U - ボールペン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立・構成が極めて簡単・容易で極めて安価
なボールペンを提供する。 【構成】 外筒１内に弾性体２で後方に付勢されたレフ
ィール３を挿設し、略軸方向に案内する軸方向カム路４
及び該カム路４に沿って略側方に案内する側方カム路５
を有し、該カム路５の後部に係止部６を有するカム筒７
を外筒１内に固着し、カム筒７の軸方向カム路４に、レ
フィール３の後部を嵌挿穴８に嵌入したカムバー９の先
端部外面に設けた突子１０を係合し、カムバー９の操作
部１１を外筒後端より突出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は操作部を弾性体の弾性力に抗して押込むことによりレフィールのペン 先を外筒の先端より突出して突出状態に係止し、操作部を周方向に回動すること により係止を解いて弾性体の弾性力によりレフィールのペン先を外筒の先端より 引込めることができるボールペンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のボールペンとしては、例えば実公昭６３−３７２７１号公報に記載され たものがある。 該ボールペンは、外筒内に弾性体で後方に付勢されたレフィールを挿設し、外 筒の内面にカム収納筒体を固着し、このカム収納筒体内に、レフィールの後部を 嵌挿した回転カムを収納し、この回転カムを摺動させるカム棒をカム収納筒体内 に収容して該カム収納筒体の段部に係止し、この段部より突出するカム棒にノッ ク部を嵌着してなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来のボールペンにあっては、芯押出機構の構成部品数がカム収 納筒体，回転カム及びカム棒の３部品と多いばかりでなく、回転カムの外周面に 切換突起が、その先端に外向き突部が突設されていること、カム棒の外周に突部 が突設されていること、カム収納筒体の内周面に複数の回転付与部が形成され、 各回転付与部は回転カムの切換突起を周方向にすべり傾斜回転移動させる第１， 第２傾斜面と，該傾斜面間に形成され回転カムの切換突起のすべり傾斜回転移動 を一時停止させる段部と，カム棒の突部が摺動する突部摺動溝と，回転カムの切 換突起が所定時に侵入し軸方向に後退摺動すると共に該切換突起を軸方向へ押圧 前進移動させるカム棒の突部が摺動するカム溝とを有すること、回転カムの外向 き突部が回転付与部の先端に係止される構造であること、及びカム棒の段部がカ ム収納筒体の段部に係止する構造であること等によりカム収納筒体，回転カム及 びカム棒の形状・構造が極めて複数であるため、ボールペンの構成・組立が極め て複雑・困難となり、極めて高価になるという課題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案ボールペンは、上記の課題を解決するため、図１に示すように外筒１内 に弾性体２で後方に付勢されたレフィール３を挿設し、略軸方向に案内する軸方 向カム路４及び該軸方向カム路４に沿って略側方に案内する側方カム路５を有し ，該側方カム路５の後部に係止部６を有するカム筒７を外筒１の内面に固着し、 該カム筒７の軸方向カム路４に、レフィール３の後部を嵌挿穴８に嵌入したカム バー９の先端部外面に設けた突子１０を係合し、該カムバー９の操作部１１を外 筒後端より突出してなる。

【０００５】

【作用】

外筒１を４本の指で押え、操作部１１を親指で弾性体２の弾性力に抗して押込 むと、カムバー９及びその嵌挿穴８に嵌入したレフィール３が前進し、レフィー ル３のペン先１６が外筒１の先端より突出すると共に、カムバー９の突子１０が カム筒７の軸方向カム路４の後端より該軸方向カム路４に沿って側方カム路５に 移動し、該側方カム路５段部の係止部６に係合して係止され、これによってレフ ィール３のぺン先１６が外筒１の先端より突出した状態に維持され、筆記に供す ることができる。

【０００６】 ペン先１６の突出状態で外筒１を４本の指で押え、操作部１１を親指で周方向 に擦り回動すると、カムバー９の突子１０とカム筒７の係止部６との係合が外れ 、カムバー９の突子１０が弾性体２の弾性力によりカム筒７の側方カム路５を経 て軸方向カム路４の後端に戻ると共に、レフィール３のペン先１６が外筒１の先 端より引込むことになる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案ボールペンの１実施例の構成を示す縦断面図、図２はその構成部 品図である。 図１，図２において１は外筒、３は外筒１内に挿設されたレフィールで、バネ ２により後方に付勢されている。１７は先具、７はカム筒で、該カム筒７の対向 位置に、略軸方向に案内する軸方向カム孔４及び該軸方向カム孔４に沿って略側 方に案内する側方カム孔５を有し，該各側方カム孔５の後部に係止部６を有する 。

【０００８】 カム筒７の外面に複数個の係止突部１４が設けられ、外筒１の後方部内面に環 状係止溝１３が設けられており、環状係止溝１３に複数個の係止突部１４を係着 することによりカム筒７が外筒１の後方部内面に強固に固着されている。

【０００９】 レフィール３の後部を嵌挿穴８に嵌入したカムバー９の先端部外面の対向位置 に突子１０が設けられ、カムバー９の先端部の対向位置に、各突子１０部に弾性 を付与する切込み部１２が設けられており、各突子１０がカム筒７の両軸方向カ ム孔４に係合されている。カムバー９の後部には外筒後端より突出するクリップ １５付き操作部１１が一体又は別体に設けられている。

【００１０】 上記の構成において先ず、その作用を説明する。 外筒１を４本の指で押え、操作部１１を親指でバネ２のバネ力に抗して押込む と、カムバー９及びその嵌挿穴８に嵌入したレフィール３が前進し、レフィール ３のペン先１６が外筒１の先具１７より突出すると共に、カムバー９の突子１０ がカム筒７の軸方向カム孔４の後端より該軸方向カム孔４に沿って側方カム孔５ に移動し、該側方カム孔５後部の係止部６に係合して係止され、これによってレ フィール３のペン先１６が外筒１の先具１７より突出した状態に維持され、筆記 に供することができる。

【００１１】 ペン先１６の突出状態で外筒１を４本の指で押え、操作部１１のクリップ１５ を親指で周方向に回動すると、カムバー９の突子１０とカム筒７の係止部６との 係合が外れ、カムバー９の突子１０がバネ２のバネ力によりカム筒７の側方カム 孔５を経て軸方向カム孔４の後端に戻ると共に、レフィール３のペン先１６が外 筒１の先具１７より引込むことになる。 なお、クリップ１５を設けた場合は、回動操作性が向上するので好ましい。

【００１２】 次に本考案ボールペンの組立について説明する。 外筒１の後端よりカム筒７を圧入して外筒１の環状係止溝１３にカム筒７の係 止突部１４を強固に係着し、カム筒７内にカムバー９を押し込んでカム筒７の軸 方向カム孔４にカムバー９の突子１０を係合し連結する。又はカム筒７とカムバ ー９を連結した後、外筒１のカム筒７を強固に係着する。

【００１３】 上記従来例では、外筒の内面にカム収納筒体を強固に固着するのに内外に係止 突起と嵌合部を有する略円筒状金属製のユニット本体を用いているが、本考案で は外筒１とカム筒７に係着手段を設けて別に係着部品を用いていないので、その 分，構成・組立が簡単・容易になり安価になる。

【００１４】 係着後、バネ２を嵌め込んだレフィール３を外筒１の前端より挿入してレフィ ール３の後部をカムバー９の嵌挿穴８に嵌入し、外筒１の先端部に先具１７を螺 着して組立を完了する。 なお、操作部１１をカムバー９と別体にした時は、カムバー９の後部に操作部 １１を嵌着等により取り付けることは記すまでもない。 又、カムバー９の先端部に切込み部１２を設けると突子１０部が撓み易くなり 、カム筒７の軸方向カム孔４にカムバー９の突子１０を係合し易くなるので、組 立が一層容易になり好ましい。

【００１５】 なお、本考案においては、図示の実施例のように軸方向カム孔４，側方カム孔 ５及び係止部６をカム筒７の対向位置に設け、各軸方向カム孔４に係合する突子 １０をカムバー９の対向位置に設けた場合には操作性が向上するので望ましい。 又、カム孔４，５に代えてカム溝としてもよいことは勿論である。

【００１６】 本実施例によれば、芯押出機構の構成部品数をカム筒７とカムバー９の２部品 に低減できること、カム筒７とカムバー９の形状・構造が上記従来例の芯押出機 構を構成するカム収納筒体及びカム棒の形状・構造より極めて簡単であること及 び係着部品が不要であること等によりボールペンの構成・組立が極めて簡単・容 易となり、極めて安価になる。

【００１７】

【考案の効果】

上述のように本考案によれば、外筒１内に弾性体２で後方に付勢されたレフィ ール３を挿設し、略軸方向に案内する軸方向カム路４及び該軸方向カム路４に沿 って略側方に案内する側方カム路５を有し，該側方カム路５の後部に係止部６を 有するカム筒７を外筒１の内面に固着し、該カム筒７の軸方向カム路４に、レフ ィール３の後部を嵌挿穴８に嵌入したカムバー９の先端部外面に設けた突子１０ を係合し、該カムバー９の操作部１１を外筒後端より突出してなるので、芯押出 機構の構成部品数を従来の３部品からカム筒７及びカムバー９の２部品に低減で きること、カム筒７及びカムバー９の形状・構造が極めて簡単であること等によ りボールペンの構成・組立を極めて簡単・容易にでき、極めて安価に実施するこ とができる。 又、従来のボールペンのように、ペン先１６の格納時に持ちかえることなく、 筆記状態のままクリップ１５の先端部を親指で軽く周方向に擦り回動することに より、ペン先１６が先具１７内に収納される便利な構造となっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案ボールペンの１実施例の構成を示す縦断
面図である。

【図２】その構成部品図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ２ 弾性体（バネ） ３ レフィール ４ 軸方向カム路（孔） ５ 側方カム路（孔） ６ 係止部 ７ カム筒 ８ 嵌挿穴 ９ カムバー １０ 突子 １１ 操作部 １２ 切込み部 １３ 環状係止溝 １４ 係止突部 １５ クリップ １６ ペン先 １７ 先具

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒（１）内に弾性体（２）で後方に付
   勢されたレフィール（３）を挿設し、略軸方向に案内す
   る軸方向カム路（４）及び該軸方向カム路（４）に沿っ
   て略側方に案内する側方カム路（５）を有し，該側方カ
   ム路（５）の後部に係止部（６）を有するカム筒（７）
   を外筒（１）の内面に固着し、該カム筒（７）の軸方向
   カム路（４）に、レフィール（３）の後部を嵌挿穴
   （８）に嵌入したカムバー（９）の先端部外面に設けた
   突子（１０）を係合し、該カムバー（９）の操作部（１
   １）を外筒後端より突出してなるボールペン。
2. 【請求項２】 カムバー（９）の先端部に、突子（１
   ０）に弾性を付与する切込み部（１２）を設けてなる請
   求項１のボールペン。
3. 【請求項３】 外筒（１）とカム筒（７）の固着は、外
   筒（１）の内面に設けた環状係止溝（１３）と、カム筒
   （７）の外面に設けた係止突部（１４）との係着による
   ことを特徴とする請求項１のボールペン。
4. 【請求項４】 カムバー（９）にクリップ（１５）付き
   操作部（１１）を一体又は別体に設けてなる請求項１の
   ボールペン。
5. 【請求項５】 軸方向カム路（４），側方カム路（５）
   及び係止部（６）をカム筒（７）の対向位置に設け、各
   軸方向カム路（４）に係合する突子（１０）をカムバー
   （９）の対向位置に設けてなる請求項１のボールペン。