JP2534040B2

JP2534040B2 - 複合筆記具

Info

Publication number: JP2534040B2
Application number: JP61197415A
Authority: JP
Inventors: 秀平陰山; 三郎小林; 良英光谷
Original assignee: Kotobuki and Co Ltd
Current assignee: Kotobuki and Co Ltd
Priority date: 1986-08-25
Filing date: 1986-08-25
Publication date: 1996-09-11
Anticipated expiration: 2011-09-11
Also published as: JPS6354298A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、例えば芯径の異なる２種のシャープペン
シル、または、シャープペンシルとボールペンの組合せ
など、第１と第２のレフィールを備えた複合筆記具に係
り、特に、第１と第２のレフィールを交互に突出・退没
させるカム筒を備えた複合筆記具の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の複合筆記具は、外筒の後端に連結され
てシャープペン軸とボールペン軸を軸方向へ摺動可能に
取付けた鞘と、該鞘を介して上記外筒の後端に回動自在
に連結されたキャップと、上記鞘の鞘軸に回動自在に嵌
合支持されて上記外筒内に軸廻り方向が係合されたカム
筒との組合せからなり、上記外筒を回動させることによ
り、該外筒と一体に回動するカム筒で上記シャープペン
軸とボールペン軸とを上記外筒の先端から交互に突出・
退没させるようになっている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような従来の複合筆記具では、カム筒と鞘とが別
体構造になっているため、それらの組立時に精密な同芯
精度が要求され、かつ、組立後の使用に際しては、上記
カム筒の回動および軸方向移動時に該カム筒が鞘軸との
間でガタ付き易くなって上記カム筒を円滑に動作させる
ことができず、このため、シャープペン軸とボールペン
軸を交互に円滑に突出・退没させることができなくなっ
て複合筆記具の機能が低下するという問題点があった。

また、上述のように、カム筒と鞘とが別体のために、
部品点数が多く構造が複雑となり、しかも、上述のよう
に、精密な組立精度が要求されることにより、部品組立
に多くの手数がかかってコスト高になると共に、生産性
が大幅に低下するという問題点もあった。

この発明は上記問題点を解消するためになされたもの
で、カム筒と鞘軸を一体構造とすることにより、上記カ
ム筒の回動および軸方向移動時におけるガタ付きがなく
なって、該カム筒を円滑に動作させることができ、該カ
ム筒によるレフィールの円滑かつ確実な動作が得られ、
しかも、部品点数の減少が図れて簡単かつ容易に組立て
ることができ、生産性の向上およびコストダウンが図
れ、さらに、鞘軸に係合したクリップの回動によって、
スムーズなレフィールの突出・退没が行える複合筆記具
を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る複合筆記具は、外筒内に設けられて第
１および第２のレフィールが軸方向に摺動自在に挿入さ
れたガイド手段と、上記外筒の後端に着脱可能に連結さ
れたキャップ内に設けられて上記第１および第２のレフ
ィールの各後端が圧接係合されたカム筒と、このカム筒
内に設けられて前方に延出し、上記ガイド手段に軸方向
へ摺動自在に挿入された鞘軸を有する鞘と、この鞘に係
合したクリップとを備え、上記鞘は上記鞘軸と上記カム
筒との一体構成とし、上記クリップの回動により、上記
カム筒を介して上記第１および第２のレフィールを交互
に突出・退没させ、かつ、上記キャップの後端に設けら
れたノックキャップのノック操作により、上記鞘を介し
て上記カム筒を軸方向移動可能に構成したものである。

［作用］この発明の複合筆記具は、クリップを一方向に回動操
作すると、これと一体に回動するカム筒で第１および第
２のレフィールの一方が前進して他方が後退し、かつ、
上記クリップを他方向に回動操作すると、これと一体に
回動する上記カム筒で第１および第２のレフィールの一
方が退没して他方が前進突出する。また、キャップの後
端に設けられたノックキャップをノック操作すると、こ
れと一体にカム筒が前進し、該カム筒と一体の鞘軸がガ
イド手段で軸方向にガイドされて前進移動する。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、１は複合筆記具の外筒であり、この
外筒１の後端部には中継外筒２が着脱可能に連結されて
いる。

この連結手段として、第１図〜第４図示のように上記
外筒１の後端側に形成された大径段差の後端筒部10内
に、上記中継外筒２の先端側に形成された小径段差状の
先端円形部20を着脱可能に圧入連結している。

この場合、第５図、第６図示のように、上記後端筒部
10の内周面対称位置に設けた回り止め突起11に、上記先
端円形部20の外周面対称位置に設けた軸方向係合溝21を
嵌込み係合させている。これにより、上記中継外筒２は
上記外筒１に軸廻り方向が係合されて回動しないように
なっている。

また、上記先端円形部20は、第３図から第６図示のよ
うにその軸心部に設けた軸挿通孔22と、該軸挿通孔22を
挟んで上記軸方向係合溝21から90度変位した位置にレフ
ィール挿通用の２つの摺動孔23,24（第４図、第５図参
照）とを有している。

これらの摺動孔23,24には、第１図示のように、シャ
ープペン軸３（第１のレフィール）とボールペン軸４
（第２のレフィール）が軸方向に摺動自在に挿入されて
いる。

ここで、上記摺動孔23,24は第４図、第５図示のよう
に、上記シャープペン軸３およびボールペン軸４が前進
突出時にシナリ（撓み）ながら円滑に摺動するように、
そのシナリ方向が長径となって且つ後端側が漸次大径と
なる楕円状に形成されている。

尚、第４図示の23a,24aは、上記摺動孔23,24の先端側
内周壁に突設された環状突部であって、弾性体34,40の
前端を係止すると共に摺動孔23,24からシャープペン軸
３およびボールペン軸４が抜出するのを防止している。

上記シャープペン軸３は、第１図示のように上記一方
の摺動孔23に挿入された芯パイプ30の先端にリードガイ
ド31が着脱可能に連結されているので、該筒１から中継
外筒２を抜き取った後、上記芯パイプ30をリードガイド
31から抜き取ることにより、上記芯パイプ30への芯補充
を行うことができる。

かかるシャープペン軸３において、リードガイド31の
先端側には芯送出機構32が配置されている。尚、この芯
送出機構32は、図示しないリードチャックとチャック締
付リングおよび第１の弾性体33を有する構成になってい
る。

一方、ボールペン軸４は、上記他方の摺動孔24に摺動
自在に挿入されたペン取付軸40の前端に着脱可能に連結
されている。尚、上記ボールペン軸４は、第８図示のよ
うに、ペン取付軸40の前端にペンホルダ41を介して連結
してもよい。

この場合、ペンホルダ41は、ペン取付軸40の先端小径
軸部40aが圧入・接着等で嵌合連結された最小径の接続
筒部41Aと、この先端に一体連結されて上記シャープペ
ン軸３の芯パイプ30が嵌合連結可能な大径段差状の小径
嵌合筒部41Bと、この先端に連結してボールペン軸４の
後端側が着脱可能に連結された更に大径段差状の大径嵌
合筒部41Cとからなる構成とする。

かかるペンホルダ41により、その大径嵌合筒部41Cに
嵌合連結されたボールペン軸４を抜き取って、上記シャ
ープペン軸３とは芯径または種類の異なる別のシャープ
ペン軸を上記小径嵌合筒部41Bに嵌合連結することによ
り、レフィールの互換性が得られる。

上記シャープペン軸３とボールペン軸４の各後端に
は、第１図示のように後述するカム筒９の前端カム面に
圧接係合させるためのカム係合子（スライダー）5,6の
それぞれが一体連結されている。

これらのカム係合子5,6は、第３図、第４図、第７図
示のように、上記中継外筒２の内周面に設けられた軸方
向案内溝25,26に嵌込まれて軸方向に円滑に摺動するよ
うになっている。

そして、上記シャープペン軸３およびボールペン軸４
は、上記摺動孔23,24の後端開口壁面と上記カム係合子
5,6との間に介在した弾性体34,42によって後退方向に付
勢されている。

また、上記中継外筒２の後端には、第１図示のように
キャップ７が軸方向に着脱自在に嵌合されている。この
キャップ７内でかつ上記中継外筒２内には、カム筒９を
一体構成した鞘８が回動自在でかつ軸方向に摺動自在に
収納されている。

上記鞘８は第１図、第９図〜第11図示のように、消し
ゴム収納筒部80と、後述するノックキャップ87の先端を
係止するツバ部81と、中間軸部82の先端同軸上に一体形
成された大径段差状のカム筒９と、中間軸部82の先端か
ら突設され、カム筒９の軸心部を通って前方へ延出する
鞘軸83と、中間軸部82の外周面に軸方向に沿って突設さ
れた一対の軸方向係合突起84とを有する。

そして、上記鞘８には、第１図示のように、クリップ
100が係合されている。このクリップ100の自由端側は、
第１図、第12図ないし第15図示のように、キャップ７の
周面に沿って開口された環状孔7aから外部へ突出してい
る。

上記軸方向係合突起84は、クリップ100と鞘８とを係
合させるためのものである。即ち、第１図、第12図〜第
15図（第14図は、鞘８を点線で示している。）示のよう
に、クリップ100の挿入孔101を貫通した鞘８において、
軸方向係合突起84をクリップ100の係合溝102に係合さ
せ、軸廻り方向にはクリップ100と鞘８とを一体的に回
動可能とし、他方、軸方向には鞘８をクリップ100に対
して移動可能としている。従って、後述するように、鞘
８およびカム筒９はクリップ100の回動と一体的に回転
し、シャープペン軸３またはボールペン軸４を突出・退
没すると共に、鞘８のみが軸方向移動可能なので、鞘８
のノックを可能とし、シャープペン軸３の芯送り出しを
できるようにした。

そこで、上記クリップ100は、通常のクリップ機能の
他に、カム筒９、鞘８を回動させるカム筒回動機能を有
する。

ここで、クリップ100の回動規制手段、即ち、カム筒
９の回動規制は、第15図示のように、クリップ100と、
これを貫通させたキャップ７の環状孔7aとの間で行う。
即ち、第15図示のように、キャップ７の環状孔7aは円周
の半分以上に渡って開口され、これによって、クリップ
100が略180°左右に回動できるように規制されている。
これによって、カム筒９が過大な回動をしないように規
制されている。

尚、第１図示のようにクリップ100の後壁と鞘８のツ
バ81の先端側との間には距離ａが確保されている。この
距離ａはシャープペン軸３の芯送出用ノック代またはそ
れ以上の長さとなっており、シャープペン軸３のスムー
ズな芯送りができるようになっている。

上記カム筒９は、第９図、第10図示のように、前端部
両側の彎曲傾斜カム面91,92と、これらの彎曲傾斜カム
面91,92の最先端に設けられた先端係止部93と、上記彎
曲傾斜カム面91,92の後端係止部94とを有している。

そして、一方の彎曲傾斜カム面91にシャープペン軸３
のカム係合子５が、かつ、他方の彎曲傾斜カム面92にボ
ールペン軸４のカム係合子６がそれぞれ上記弾性体34,4
2の付勢力で圧接係合されている。

従って、第16図示のように、カム筒９の回動により、
彎曲傾斜カム面91,92の中間部にカム係合子5,6が保持さ
れると、シャープペン軸３とボールペン軸４が前部外筒
１内の退没位置に収納保持される。

また、シャープペン軸３のカム係合子５が先端係止部
93に係合すると、シャープペン軸３が突出すると同時
に、ボールペン軸４のカム係合子６が後端係止部94に係
合してボールペン軸４を退没収納位置に保持される。逆
に、シャープペン軸３側にカム係合子５が後端係止部94
に、かつ、ボールペン軸４側のカム係合子６が先端係止
部93に係合すると、シャープペン軸３が収納位置に、か
つ、ボールペン軸４が突出位置に保持される。

このように、カム筒９の回動でシャープペン軸３とボ
ールペン軸４とが交互に前進・後退し、かつ、それらが
同時に収納されるようになっている。

尚、第１図において、86は消しゴム収納筒部80内に収
納された消しゴム、87は消しゴム収納筒部80に着脱可能
に被嵌されて上記消しゴム86を覆うノックキャップであ
る。

次に上記実施例の動作を説明する。クリップ100を一
方向に回動すると、これと一体に鞘８を介してカム筒９
が一方向に回動し、シャープペン軸４のカム係合子５が
第16図示のように一方の彎曲傾斜カム面91を先端係止部
93側に向って前進移動する。これと同時に、ボールペン
軸４のカム係合子６が他方の彎曲傾斜カム面92を後端係
止部94に向って移動することにより、ボールペン軸４が
後退移動する。この後退移動は弾性体42の付勢力によっ
て行われる。

そして、シャープペン軸３側のカム係合子５が上記先
端係止部93に、かつ、ボールペン軸４側のカム係合子６
が上記後端係止部94にそれぞれ係合すると同時に、第15
図の点線で示すように、クリップ100の一方の側面がキ
ャップ７の環状孔7aの一方の壁面に係止される。

これにより、上記カム筒９の一方向回動が規制される
と同時に、上記シャープペン軸３が外筒１の先端から突
出した位置に保持され、かつ、ボールペン軸４が外筒１
内の退没位置に収納保持される。

この状態において、キャップ７後端のノックキャップ
87をノック操作すると、上記鞘８を介して上記カム筒が
距離（ａ）だけ前進移動する。

この時のカム筒９でシャープペン軸３のカム係合子５
が前進させられることにより、芯パイプ30が前方に押し
進められ、芯送出機構32が動作して芯送りが行われる。

この状態から、クリップ100を他方向に回動させる
と、これと一体に鞘８を介してカム筒９が他方向に回動
し、このカム筒９の一方の彎曲傾斜カム面91に沿ってシ
ャープペン軸３側のカム係合子５が弾性体34の付勢力で
後退移動すると同時に、上記カム筒９の他方の彎曲傾斜
カム面92でボールペン軸４側のカム係合子６が押圧前進
させられる。

そして、ボールペン軸４が前進して突出し、その位置
でカム係合子６が先端係止部93に係合すると同時に、第
15図の点線で示したように、クリップ100の他方の側面
がキャップ７の環状孔7aの他方の壁面に係止される。こ
れにより、上記カム筒９の他方向回動が規制される。そ
して、上記ボールペン軸４が外筒１から突出した筆記位
置に保持されると同時に、シャープペン軸３が後退して
収納される。

尚、上記実施例では、外筒１と中継外筒２とを別体に
構成したが、外筒１を長く形成し、中継外筒２を省略し
てもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、カム筒と鞘軸とを
一体構造として、該鞘軸をレフィールのガイド手段に摺
動自在に挿入したことにより、上記カム筒の回動時およ
び軸方向移動時のガタがなくなって該カム筒を円滑に動
作させ得るため、該カム筒によるレフィールの突出・退
没動作が円滑かつ確実に行われる。

また、上述のように、カム筒と鞘軸とが一体のため、
部品点数の減少が図れて構造が簡素化し、部品の組立て
を簡単かつ容易に行うことができて生産性の向上および
コストダウンが図れる。

さらに、クリップを回動することによってレフィール
の突出・退没が簡単かつスムーズに行える等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る複合筆記具の断面
図、第２図は外筒と中継外筒を取り外した状態で同軸上
に配置した側面図、第３図は同断面図、第４図は第３図
のVI-VI線断面図、第５図は第３図のVII-VII線断面図、
第６図は第３図のVIII-VIII線断面図、第７図は第４図
のIX-IX線断面図、第８図はホルダーの縦断面図、第９
図はカム筒の平面図、第10図は第９図のＸ−Ｘ線断面
図、第11図は第10図のXI-XI線断面図、第12図はクリッ
プの背面図、第13図は同側面図、第14図は同平面図、第
15図はキャップの断面図、第16図はカム筒の展開作用説
明図を示す。図において、１は外筒、３は第１のレフィール、４は第
２のレフィール、７はキャップ、９はカム筒、22はガイ
ド手段、83は鞘軸、100はクリップ。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】外筒（１）内に軸方向へ摺動自在に挿入さ
れた第１のレフィール（３）と第２のレフィール（４）
とを交互に突出・退没させる複合筆記具において、上記
外筒（１）内に設けられて上記第１および第２のレフィ
ール（３），（４）が軸方向に摺動自在に挿入されたガ
イド手段（22）と、上記外筒（１）の後端に着脱可能に
連結されたキャップ（７）内に設けられて上記第１およ
び第２のレフィール（３），（４）の各後端が圧接係合
されたカム筒（９）と、このカム筒（９）に設けられて
前方に延出し、上記ガイド手段（22）に軸方向へ摺動自
在に挿入された鞘軸（83）を有する鞘（８）と、この鞘
（８）に係合したクリップ（100）とを備え、上記鞘
（８）は上記鞘軸（83）と上記カム筒（９）との一体構
成とし、上記クリップ（100）の回動により、上記カム
筒（９）を介して上記第１および第２のレフィール
（３），（４）を交互に突出・退没させ、かつ、上記キ
ャップ（７）の後端に設けられたノックキャップ（87）
のノック操作により、上記鞘（８）を介して上記カム筒
（９）を軸方向移動可能に構成したことを特徴とする複
合筆記具。