JPH05637A - 二輪車の制御装置 - Google Patents

二輪車の制御装置

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JPH05637A
JPH05637A JP3175916A JP17591691A JPH05637A JP H05637 A JPH05637 A JP H05637A JP 3175916 A JP3175916 A JP 3175916A JP 17591691 A JP17591691 A JP 17591691A JP H05637 A JPH05637 A JP H05637A
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Masahiko Ikegami
雅彦 池上
Kaoru Hatanaka
薫 畑中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車速及びハンドル切れ角に応じてバンク角を
検出し、該バンク角に応じて当該車両の制御を行う二輪
車の制御装置において、コーナリング開始時あるいは終
了時等における過渡状態においてもバンク角の検出を正
確に行い、これにより当該二輪車を正確に制御する。 【構成】 βマップ117には、ハンドル切れ角の変化
速度Δθh 及び車速V(又はそれに相当するデータ)に
応じた第2補正係数βが予め記憶されていて、前記変化
速度Δθh 及び車速に応じて読み出される。バンク角演
算手段203は、V、β及びハンドル切れ角θh に応じ
てバンク角θb を演算し、そして該バンク角θb に応じ
て当該車両が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二輪車の制御装置に関す
るものであり、特に、車速及びハンドル切れ角に応じて
当該二輪車のバンク角を演算し、該バンク角に応じて当
該二輪車を制御(ヘッドライト装置の配光制御や駆動力
制御等)する二輪車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車等のヘッドライト装置におい
ては、当該二輪車等が直線走行しているか、コーナリン
グしているかにかかわらず、車体前方の所要部に対して
常に良好な配光が成されることが要求される。このた
め、光源からの光の一部を反射鏡の前面開口部側に配置
した遮蔽板(以下、シェードという)により遮蔽するこ
とにより、所定の配光パターンを形成するように構成さ
れたヘッドライト装置が知られている。このような装置
は、例えば特開昭63−158701号公報に記載され
ている。
【0003】ところで、このようなヘッドライト装置を
制御するためには、当該自動二輪車等の車体の傾斜角
(以下、バンク角という)を検出する必要があるが、前
記公報においては、バンク角の検出としてジンバル、ジ
ャイロスコープ等を用いているために、当該ヘッドライ
ト制御装置の構造が複雑化し、コストアップにつなが
る。 このような不具合を解決するために、特開平1−
101245号においては、車速とハンドル切れ角とに
よりバンク角を検出する技術が提案されている。
【0004】また、従来より、滑りやすい路面での発進
時や加速時において車両の過大なスリップを防止するこ
とができるように、車両の駆動輪及び従動輪の回転数よ
り車両のスリップ率を検出し、該スリップ率が所定値よ
りも大きい場合には、点火時期や燃料噴射量、あるいは
スロットル弁の開度を調整して、当該車両の駆動力を抑
えるようにした駆動力制御装置が提案されている。
【0005】このような駆動力制御装置においても、車
速及びハンドル切れ角に応じて、換言すればバンク角に
応じて駆動力制御を行えば、当該車両のコーナリング状
態に応じて、過大なスリップを良好に防止することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−10124
5号に記載された技術では、定常円旋回中は良好な制御
が可能であるが、コーナリング開始時あるいは終了時等
における過渡状態においては、ハンドル切れ角が安定し
ないために、演算されたバンク角の信頼性が低い場合が
ある。
【0007】つまり、例えば左に旋回しようとする場
合、ライダは、ハンドルを一旦瞬時に右側に切ってライ
ダの重心を当該自動二輪車の左側に移動させた後、ハン
ドルを左側に切ることになるから、このような旋回の過
渡状態では、ハンドル切れ角とバンク角とは直接対応し
ない。そして、このような場合、ハンドル切れ角から直
接バンク角を演算すると、バンク角データ(想定された
当該自動二輪車の傾斜角)の信頼性が低くなり、バンク
角に応じた配光制御や駆動力制御を良好に行うことがで
きないおそれがある。
【0008】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、コーナリング開始時
あるいは終了時等における過渡状態においても、バンク
角の検出を正確に行い、これにより当該二輪車を正確に
制御することのできる二輪車の制御装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、ハンドル切れ角の変化速度を演算
し、該変化速度に応じて、バンク角データを修正するよ
うにした点に特徴がある。 また、演算されたバンク角
データを、さらに車速に応じて修正するようにした点に
も特徴がある。
【0010】
【作用】ハンドル切れ角の変化速度が大きい場合には、
コーナリング開始時あるいは終了時等における過渡状態
にあると判断できるから、該変化速度に応じてバンク角
データを修正すれば、コーナリング開始時あるいは終了
時等における過渡状態においても、バンク角の検出を正
確に行うことができる。
【0011】また、定常円旋回中には、車速Vが大きい
ほどハンドル切れ角の変化速度は小さくなるので、前記
変化速度及び車速Vに応じてバンク角データを修正すれ
ば、コーナリング開始時あるいは終了時等における過渡
状態において、バンク角の検出をさらに正確に行うこと
ができる。
【0012】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。まず、本発明を自動二輪車の配光制御装置に適
用して説明する。図2は本発明の第1の実施例が適用さ
れるヘッドライト装置の構成の概略を示す図、図3はヘ
ッドライト装置の一例の断面図である。各々の図におい
て、それぞれ同一の符号は、同一又は同等部分をあらわ
している。また、図2において、H−H線及びV−V線
は、それぞれ水平線及び鉛直線を示している。なお、図
示したヘッドライト装置は、自動二輪車が左側通行する
場合のものである。
【0013】各々の図において、ヘッドライト装置1
は、図示されないランプボディ内に収容されて、当該自
動二輪車に装着されている。回転楕円体面をなす反射面
3を有する反射鏡4の前方に、連結部材5を介して凸レ
ンズ6が取り付けられており、反射鏡4及び凸レンズ6
のそれぞれ光軸は、一致している(光軸X)。
【0014】バルブ7は、その光源であるフィラメント
8が反射面3を形成する楕円の第1焦点F1に位置する
ように取り付けられている。F2は、前記楕円の第2焦
点で、この実施例においては、凸レンズ6の入射面に位
置している。F3は凸レンズ6の焦点であり、シェード
9の上縁の中心点9Cが該焦点F3に位置している。
【0015】シェード9の上縁は、光線照射方向に対し
て左右方向に延びている。そして、左側(反射鏡4側か
ら凸レンズ6側に向かって左、以下同様)の上縁9A
は、中心点9Cと同じ高さで水平に延びているが、右側
の上縁9Bは、中心点9Cから下方に傾斜している。シ
ェード9の下縁には、後方すなわち反射鏡4側に屈曲し
た取付部9Dが一体に形成されており、該取付部9Dが
ねじ11により後方のギヤプレート10に固定されてい
る。
【0016】ギヤプレート10は、ヘッドライト装置1
の横断面下半分全体を覆う大きさの扇形状をなしてい
る。このギヤプレート10の上縁の中心部すなわちシェ
ード9の中心点9Cの背後に位置する部分に光軸Xを軸
線とする軸受穴12が設けられている。
【0017】ギヤプレート10の背後には、その下縁を
反射鏡4の開口縁下部に固定された支柱部材14が立設
されている。前記支柱部材14の上端はギヤプレート1
0の突出部13の後方に位置し、この部分に前記軸受穴
12に整合する軸受穴15が設けられている。そして、
この軸受穴12,15にピボット軸16が挿通されて、
ギヤプレート10を支柱部材14に傾動可能に支持する
軸受部17が形成されている。
【0018】また、前記ギヤプレート10は、その下部
においてサーボモータ18により駆動される駆動ギア1
9と噛み合っている。したがって、サーボモータ18を
駆動させることにより、ギヤプレート10を軸受部17
の軸線すなわち光軸Xを中心として傾動させることがで
き、これに応じてシェード9がその上縁の中心点9Cを
通る光軸Xのまわりに傾動する。
【0019】このように構成されることにより、バルブ
7より照射される光は、図2に示されるように、暗部2
1及び明部22を有する配光状態となる。前記暗部21
及び明部22を区画する明暗境界線9a及び9bは、そ
れぞれ前記シェード9の上縁9A及び上縁9Bにより決
定される。
【0020】本実施例におけるヘッドライト装置の基本
的な配光制御は、当該二輪車が左側にコーナリングする
場合には明暗境界線9a及び9bが図2のL方向に回転
するように、また右側にコーナリングする場合には同図
R方向に回転するように、前記サーボモータ18を駆動
して、シェード9を回転させるものである。なお、この
ようなヘッドライト装置の構成は単なる一例であり、本
発明に適用されるヘッドライト装置はいかなるものであ
っても良い。
【0021】図4は本発明の第1の実施例の構成を示す
ブロック図である。図4において、自動二輪車30の車
速(前輪の速度)Vを検出するための車速センサ31
と、ハンドルの切れ角を検出する舵角センサ32と、シ
ェード9を回転させるためのサーボモータ18と、該サ
ーボモータ18の回転角(すなわち、シェード9の回転
角)を検出するためのモータ回転角センサ33とは、自
動二輪車30の適宜の箇所に取り付けられている。この
例においては、前記モータ回転角センサ33は、適当な
減速率を有する減速機構43を介してサーボモータ18
に接続されている。
【0022】符号42は、当該ヘッドライト制御を行う
ための、マイクロコンピュータを備えた電子制御装置で
あり、必要に応じて、当該自動二輪車30の他の各種制
御(エンジンの点火時期制御、燃料噴射制御等)も行
う。
【0023】前記車速センサ31は、入力回路34及び
レベル判定回路35を介して、また、前記舵角センサ3
2は、入力回路36及びA/Dコンバータ37を介し
て、それぞれ電子制御装置42に接続されている。ま
た、前記サーボモータ18は、保護回路38及びドライ
バ39を介して、また前記モータ回転角センサ33は、
入力回路40及びA/Dコンバータ41を介して、それ
ぞれ電子制御装置42に接続されている。
【0024】前記入力回路34、36及び40は、ノイ
ズ、サージ電圧、静電気あるいは電磁波等の影響から、
レベル判定回路35、A/Dコンバータ37及び41、
並びに電子制御装置42を保護する。同様に、保護回路
38も、前記したような影響からサーボモータ18を保
護する。
【0025】前記車速センサ31は、例えば前輪の回転
に応じてパルス(以下、車速検出用パルスVPという)
を発生するパルス発生器である。また前記舵角センサ3
2及びモータ回転角センサ33は、例えば、それぞれハ
ンドルの切れ角及びサーボモータ18の回転角に応じて
出力電圧が変化するポテンショメータである。
【0026】レベル判定回路35は、後述するように、
入力回路34を介して出力された車速検出用パルスVP
の電圧値を判定し、該電圧値が所定範囲内にない場合に
は、その旨の信号を電子制御装置42に出力する。前記
電子制御装置42は、前記信号を検出して、車速センサ
31が断線又は短絡しているものと判断し、その後は、
シェード9の制御を停止する。
【0027】電源回路45は、切換回路46及び定電圧
回路47を備えている。そして、コンビスイッチ49の
オン操作により、バッテリ44が定電圧回路47に接続
され、所定電圧(例えば+5[V])が電子制御装置4
2等に供給される。また、コンビスイッチ49のオン操
作は、抵抗48を有する接続ラインにより、電子制御装
置42に検出される。そして、コンビスイッチ49がオ
ンからオフ状態になると、切換回路46が切り替えら
れ、該オフ状態から予定時間(例えば3時間)の間は、
バッテリ44が電源回路45に接続され、電子制御装置
42等がバックアップされる。
【0028】また、バッテリ44が定電圧回路47に接
続されている間は、該バッテリ44は、図示されるよう
に、抵抗53、インジケータランプ50、保護回路51
及びスイッチング素子52に接続される。常時はスイッ
チング素子52がオンとなっているので、インジケータ
ランプ50は点灯しないが、異常時には、スイッチング
素子52がオフとなり、インジケータランプ50に通電
され、点灯する。
【0029】図20及び図21は本発明の第1の実施例
を具備する二輪車のヘッドライト制御装置の構成及びそ
の動作を示す機能ブロック図であり、それぞれを組合せ
て一図を構成している。図20及び図21において、図
4と同一の符号は、同一又は同等部分をあらわしてい
る。
【0030】図20及び図21において、車速センサ3
1より出力される車速検出用パルスVPは、断線/短絡
検出手段101に入力され、該パルスの電圧値が検出さ
れる。この電圧値が予想される値よりも小さい場合、又
は大きい場合には、それぞれ短絡又は断線と判断され、
Fid発生手段102よりフラグFidが発生される。この
断線/短絡検出手段101の機能は、レベル判定回路3
5(図4)により達成される。
【0031】ドライバ130は、常時はスイッチング素
子52をオンとしているので、インジケータランプ50
は消灯しているが、前記フラグFidの発生により、スイ
ッチング素子52をオフとし、インジケータランプ50
を点灯させる。このインジケータランプ50の点灯によ
り、当該自動二輪車の異常が表示される。
【0032】また、前記Fidの発生により、後述する切
換手段123が付勢されて、モータ復帰手段127がド
ライバ39に接続される。これにより、当該ヘッドライ
ト制御装置は、バンク角に応じたシェード9の制御(サ
ーボモータ18の制御)を停止し、シェード9を中央位
置(後述するモータ中央値θmc)に復帰させる。
【0033】車速センサ31の断線又は短絡が検出され
ない場合には、車速検出手段103により、適宜の手法
により、当該自動二輪車の車速Vが検出される。速度範
囲確認手段104は、車速Vが例えば3[km/h]≦V≦
127.5[km/h]である場合には、車速Vをそのまま
バンク角演算手段120に出力し、V<3[km/h]であ
る場合には、車速Vを0[km/h]としてバンク角演算手
段120に出力する。
【0034】127.5[km/h]<Vである場合には、
Fvo発生手段105が付勢され、フラグFvoが発生され
る。このFvoの発生により切換手段123が付勢され、
第2モータ制御手段126がドライバ39に接続され
る。このように自動二輪車が高速で走行している場合に
は、コーナリング半径が大きく、シェード9の制御は不
要であるので、前記第2モータ制御手段126は、シェ
ード9を徐々に中央位置に復旧させる。
【0035】舵角センサ32より出力される舵角信号θ
ho(n) は、所定タイミング毎に断線/短絡検出手段10
6に入力され、その電圧値が検出される。そして、この
断線/短絡検出手段106は、前記断線/短絡検出手段
101と同様に、前記電圧値が予想される値よりも小さ
い場合、又は大きい場合には、それぞれ舵角センサ32
の短絡又は断線と判断する。これにより、Fid発生手段
107よりフラグFidが発生される。
【0036】Δθh 演算手段116は、前記θho(n) を
取り込み、その偏差Δθh を演算する。前述のように、
θh0(n) は所定タイミング毎に検出されるので、Δθh
はハンドル切れ角の変化速度である。
【0037】移動平均値演算手段108は、サンプリン
グされた所定数のθh0(n) からその平均値を演算すると
共に、それらを該平均値が演算されるたびに複数個集
め、さらにそれらの平均値(移動平均値)を演算する。
もちろん、前記移動平均値演算手段108は、サンプリ
ングされた所定数のθh0(n) から、単にその平均値を演
算するだけであっても良い。
【0038】θhaはダイナミックセンター値演算手段1
10に入力され、該演算手段110は、舵角センサ32
の動的な中央位置データ、すなわち当該自動二輪車が実
際に直進走行している場合における舵角センサ32の出
力信号θdcd を演算する。このダイナミックセンター値
演算手段110によるθdcd の演算は、θhaが演算され
るたびに行われても良いが、分周比記憶手段112に記
憶された分周比で(すなわち、θhaが所定回数演算され
るたびに)行われても良い。
【0039】なお、前記ダイナミックセンター値演算手
段110によるθdcd の演算は、図11及び図12に関
して後述するように、前記ハンドル舵角の移動平均値θ
ha、不感帯幅記憶手段111に記憶された不感帯幅R、
及び車速検出用パルスVP(換言すれば、当該自動二輪
車の走行距離データ)により行われる。演算されたダイ
ナミックセンター値θdcd は、ダイナミックセンター値
記憶手段113にθdcとして記憶される。
【0040】ハンドル切れ角演算手段109は、ハンド
ル切れ角の移動平均値θha、及びダイナミックセンター
値記憶手段113から読み出されたダイナミックセンタ
ー値θdcを用いて、真のハンドル切れ角θh(n)(ハンド
ルの中央位置からのハンドル切れ角、換言すれば前輪の
切れ角)を演算する。
【0041】変化量制限手段114は、今回演算された
ハンドル切れ角θh(n)の値が、前回演算されたハンドル
切れ角θh(n-1)から所定レベルを上回っていたならば、
θh(n)を前記所定レベルの範囲内に抑える。換言すれ
ば、変化量制限手段114は、ハンドル切れ角の変化量
が所定レベル以上であるか否かを検出し、所定レベル以
上である場合には、該変化量が前記所定レベルとなるよ
うにハンドル切れ角を修正し、これをδテーブル119
及びバンク角演算手段120に出力する。これにより、
ハンドルが急に切られても、バンク角θb の検出値が緩
和される。
【0042】αテーブル118、βマップ117及びδ
テーブル119は、それぞれ第1補正係数α、第2補正
係数β及び第4補正係数δが記憶されたテーブル又はマ
ップであり、それぞれ車速V、該車速V及びΔθh 、そ
してθh(n)を用いて読み出される。
【0043】バンク角演算手段120は、車速V、及び
ハンドル切れ角θh(n)、並びに第1補正係数α、第2補
正係数β及び第4補正係数δを用いて、第1式より、当
該自動二輪車のバンク角(当該自動二輪車の、走行時に
おける傾斜角)θb を演算する。
【0044】 θb =V×α×θh(n)×δ×β …(1) ここで、前記第1補正係数α、第2補正係数β及び第4
補正係数δを説明する。
【0045】第1補正係数αは、車速V及びハンドル切
れ角θh(n)を用いてバンク角θb を決定する際の係数で
あり、車速Vに応じて読み出される。
【0046】第2補正係数βは、車速V及びハンドル切
れ角の変化速度Δθhをパラメータとして決定される係
数である。この第2補正係数βがΔθh をパラメータと
する係数β1、及び車速Vをパラメータとするβ2の積
で表現されるものとすると、該β1及びβ2は図22及
び図23に示されるような係数になる。つまり、第2補
正係数βは、Δθh が大きいほど、また車速Vが大きい
ほど、小さい値に設定されている。
【0047】すなわち、コーナリングの開始時、又は終
了時等においては、ハンドル切れ角はバンク角に直接対
応した数値とならない。つまり、例えば左に旋回しよう
とする場合、ライダは、ハンドルを一旦瞬時に右側に切
ってライダの重心を当該自動二輪車の左側に移動させた
後、ハンドルを左側切ることになるから、このような旋
回の過渡状態では、ハンドル切れ角とバンク角とは直接
対応しない。そして、このような場合、ハンドル切れ角
から直接バンク角θb を演算すると、バンク角に応じた
シェード9の制御ができないおそれがある。
【0048】したがって、このような過渡状態、すなわ
ちΔθh が急変するような場合には、該Δθh が大きい
ほど小さく設定された第2補正係数βを乗算することに
より、演算されるバンク角の急変化を極力抑えるように
し、バンク角の演算、すなわちシェード9の制御が正確
にできるようにしている。
【0049】また、同じハンドル切れ角の変化速度で
も、バンク角は、車速Vが大きいほど小さくなるので、
第2補正係数βを車速Vが大きいほど小さな値とし、前
記変化速度及び車速Vが共に大きい場合には、バンク角
が、想定されるデータよりもさらに小さいものと判定
し、バンク角データをさらに減少させて、シェード9の
制御をさらに良好に行うようにしている。定常円旋回に
入った場合には、Δθh の変化が少なくなるために、第
2補正係数βの値が大きくなり、ハンドル切れ角に応じ
て正確にバンク角が算出できる。
【0050】第4補正係数δは、ハンドル切れ角、及び
ハンドルが右に切れているか左に切れているかに応じて
決定される係数であり、ハンドル切れ角が同一であって
も、ハンドルが右に切れている場合には、左に切れてい
る場合に比較して小さな値に設定されている。この第4
補正係数δの内容を図24に示す。
【0051】つまり、バンク角が0である場合、すなわ
ち当該自動二輪車が直立して走行(直進走行)している
場合には、シェード9は中央位置にあるが、その配光状
態は、もともと自動二輪車前方右側はフラット、そして
前方左側は左上がりとなっている。したがって、ハンド
ルが右に切れている場合と左に切れている場合と(バン
ク角が右である場合と左である場合と)でシェード9の
回転角を同一とすると、ライダにとってはバンク角が右
側になった場合の配光制御量が大きく感じられてしまう
おそれがある。この実施例では、バンク角からシェード
9の制御量を決定するようにしているので、バンク角が
右側である場合に、前記制御量を小さくするために、こ
の第4補正係数δを用いている。
【0052】モータ制御量演算手段121は、バンク角
θb に後述する第3補正係数γを乗算してサーボモータ
18のモータ中央値θmc(当該二輪車が直進走行してい
る場合におけるシェードの回転角(シェードの中央位
置)に対応するシェード駆動用モータの回転角)からの
回転角(モータ制御量)θmを演算する。前記第3補正
係数γは、前記ダイナミックセンター値記憶手段113
に記憶されたダイナミックセンター値θdcの値が、走行
の開始直後であり、安定した直進状態が検出されない場
合のものであるときには、前記ダイナミックセンター値
演算手段110より出力されるデータにより、減少され
る。したがって、ハンドル切れ角θh(n)の信頼性が低い
領域では、モータ制御量θm の値が緩和される。
【0053】演算されたモータ制御量θm が所定角度以
内である場合には、Fbu発生手段122が付勢され、フ
ラグFbuが発生される。このフラグFbuの発生により、
第2モータ制御手段126がドライバ39に接続され
る。このようにモータ制御量θm 、換言すればバンク角
θb が比較的小さい場合には、直進時のちょっとしたラ
イン変更や、路面の凹凸等による、車体のノイズ的な傾
斜であると判断できるから、このような場合には、シェ
ード9の制御は本来的に不要であるので、前記第2モー
タ制御手段126は、バンク角θb に応じたシェード9
の制御を行わず、該シェード9を徐々に中央位置に復旧
させる。
【0054】前記フラグFid,Fvo及びFbu、並びに後
述するフラグFd ,Fd1及びFvo1が発生されていない
(“H”となっていない)場合には、モータ制御量θm
は、第1モータ制御手段124に供給される。この第1
モータ制御手段124は、前記θm に、後述するように
して算出されたモータ中央値θmcを加算することによ
り、モータ制御角θm0を演算し、さらに、該制御角θm0
と、モータ回転角センサ33より断線/短絡検出手段1
28を介して出力されるモータの実回転角θm1とを用い
て、ドライバ39に制御信号を出力し、サーボモータ1
8をフィードバック制御する。
【0055】このフィードバック制御は、モータ制御角
θm0とモータ実回転角θm1との差に応じたデューティ比
をデューティ比記憶手段125(図19参照)より読出
し、サーボモータ18をチョッピング制御することによ
り行われる。
【0056】前記断線/短絡検出手段128は、モータ
回転角センサ33より出力されるモータ実回転角θm1の
電圧値を検出し、前記前記断線/短絡検出手段101及
び106と同様に、前記電圧値が予想される値よりも小
さい場合、又は大きい場合には、それぞれモータ回転角
センサ33の短絡又は断線と判断する。これにより、F
id発生手段129よりフラグFidが発生される。
【0057】切換回路46は、常時(初期状態)はコン
ビスイッチ49をオンとしなければ、バッテリ44が定
電圧回路47に接続されないように構成されている。コ
ンビスイッチ49が投入されると、バッテリ44より抵
抗48を介して流入する電流によりFb 発生手段131
が付勢され、フラグFb が発生する。そして、このフラ
グFb の発生により、バックアップタイマ133がリセ
ットされる。また、このフラグFb の発生は、コンビス
イッチ49をオフにすると解除される。 前記フラグF
b が発生してから消滅した場合、すなわちフラグFb の
立ち下がりにより、Fhr発生手段132が付勢され、フ
ラグFhrが発生される。これにより、バックアップタイ
マ133が起動されると共に、切換回路46が付勢さ
れ、定電圧回路47が、コンビスイッチ49を介さずに
直接バッテリ44に接続される。
【0058】前記バックアップタイマ133は、予定時
間(例えば3時間)の経過を検出すると、前記切換回路
46を消勢し、定電圧回路47をバッテリ44から切り
離す。 すなわち、コンビスイッチ49がオフとなって
も前記予定時間の間は、当該ヘッドライト制御装置に電
源が接続されたままとなり、RAM等の各種記憶手段に
記憶された各種データ(ダイナミックセンター値記憶手
段113に記憶されたダイナミックセンター値θdc等)
が保持される。したがって、例えばライダがコンビスイ
ッチ49をオフとして休憩をした後、再び走行を開始し
たような場合には、即座に良好なヘッドライトの制御が
可能となる。
【0059】また、前記バックアップタイマ133が予
定時間を検出する前に、コンビスイッチ49がオンとな
った場合には、Fb 発生手段131より発生されるフラ
グFb により、該バックアップタイマ133はリセッ
ト、停止される。また、切換回路46が消勢される。
【0060】コンビスイッチ49、フラグFb 及びバッ
クアップタイマ133の状態と、定電圧回路47より出
力される電源電圧との関係を示すタイムチャートを、図
25に示す。
【0061】コンビスイッチ49のオン状態が検出され
た場合、すなわちフラグFb の立ち上がりが検出された
場合には、モータ復帰手段127が付勢される。この場
合、モータ復帰手段127は、車速Vが所定速度(例え
ば3[km/h])以下である場合には、シェードがその左
右のストッパに当接するまで、サーボモータ18を右方
向及び左方向に一杯に回転させ、それぞれのモータ実回
転角を検出し、それらの合計の1/2の値を演算する。
シェード及びそのストッパが当該二輪車のフレームに対
して正確に取り付けられているならば、この値は、ハン
ドルの中央位置、換言すればシェードの中央位置に対応
するモータ中央値θmcである。この後、サーボモータ1
8が前記中央値θmcとなるように、該サーボモータ18
を制御する。
【0062】さて、図11及び図12に関して後述する
ように、前記ダイナミックセンター値演算手段110に
より算出されたダイナミックセンター値θdcd が、当該
ヘッドライト制御に用いられるのに相応しい値となった
場合、換言すれば、当該自動二輪車が比較的長い距離を
走行してダイナミックセンター値θdcd が信頼できる値
となったことが判別された場合には、Fd 発生手段11
5及びFd1発生手段134より、フラグFd 及びFd1が
発生される。
【0063】フラグFd が発生されるまでの間は、前記
Fb の発生によりサーボモータ18が中央位置に戻され
た後は、該モータの制御は行われないが、Fd の発生に
より切換手段123が制御され、第1又は第2モータ制
御手段124又は126による制御が可能となる。
【0064】また前記Fd1の発生により、フラグFd の
立ち上がり時だけ、バンク角θb に応じたサーボモータ
18の制御が第2モータ制御手段124により緩和さ
れ、モータの回転角が制御角θm0に徐々に一致するよう
に制御される。その後、フラグFd1がリセットされ、第
1モータ制御手段124により制御が続行される。
【0065】また、前述のように、前記第2モータ制御
手段126は、フラグFvoが発生している場合(12
7.5[km/h]<Vとなった場合)には、シェード9を
徐々に中央位置に復旧させるが、車速Vが127.5
[km/h]以下となった場合、すなわち、Fvoの立ち下が
りにより、Fvo1 発生手段135が付勢され、フラグF
vo1 が発生されると、バンク角θb に応じたサーボモー
タ18の制御が再開される。この場合、モータの回転角
は、制御角θm0に徐々に一致するように制御され、そし
て、一致が確認された場合には、前記フラグFvo1 がリ
セットされ、その後、第1モータ制御手段124により
制御が続行される。
【0066】なお、前述の説明より明らかなように、断
線/短絡検出手段101,106及び128は、それぞ
れ同様の機能であるが、この実施例においては、断線/
短絡検出手段101のみがハード構成となっており(す
なわち、その機能はレベル判定回路35により実現され
ており)、断線/短絡検出手段106及び128の機能
は、電子制御装置42(図4)によりソフトウェアによ
り実現されている。もちろん、断線/短絡検出手段10
1の機能も電子制御装置42により行われても良い。
【0067】次に、図20及び図21に示された二輪車
のヘッドライト制御装置の動作を詳細に説明する。この
実施例によるシェード9の制御は、基本的には、図5に
示されるメインルーチンと、メインルーチン実行中に定
時間ごとに行われる割込処理(図7)、及びメインルー
チン実行中に車速検出用パルスの割込により行われる割
込処理(図9及び図10)により行われる。
【0068】図5において、まずステップS1では、イ
ニシャライズが行われる。これにより、フラグFb が
“H”と、また、それ以外の各種フラグ(Fvo,Fvo1
,Fbu,Fd ,Fd1,Fid及びFhr)が“L”にセッ
トされる。また、図7に関して後述するn、並びに各種
カウンタ及びタイマ等がリセットされる。さらに、図1
1及び図12に関して後述するLdcmax が“0”データ
にセットされる。
【0069】ステップS2においては、シェードの初期
動作確認が行われる。この処理では、シェード9(図2
及び図3)を中央位置(すなわち、当該自動二輪車30
が直進走行している場合のシェード9の位置)に復帰さ
せる。この処理の詳細を図6に示す。
【0070】図6のステップS20においては、Fb が
“H”であるか否かが判別され、“L”であれば、当該
処理は終了する。Fb が“H”であれば、ステップS2
1において自動二輪車30の車速Vが3[km/h]以下で
あるか否かが判別される。Vが3[km/h]を超えていれ
ば、当該処理は終了する。
【0071】Vが3[km/h]以下であれば、ステップS
22において、サーボモータ18が右方向に回転され
る。この回転は、ステップS23において、シェード9
がそのストッパ(図示せず)に接触したことが検出され
るまで、行われる。ステップS24においては、サーボ
モータ18の回転角θm1がθmrm として読み込まれる。
【0072】ステップS25において、サーボモータ1
8が左方向に回転される。この回転は、ステップS26
において、シェード9がストッパに接触したことが検出
されるまで、行われる。ステップS27においては、サ
ーボモータ18の回転角θm1がθmlm として読み込まれ
る。
【0073】ステップS28においては、当該二輪車が
直進走行している場合におけるシェードの回転角(シェ
ードの中央位置)に対応するシェード駆動用モータ18
の回転角(モータ中央値)θmcが演算される。この演算
は、前記θmrm 及びθmlm の和を1/2することにより
行われる。ステップS29においては、サーボモータ1
8の回転角がθmcとなるように、該サーボモータ18を
駆動させる。この駆動の後、当該処理は終了する。
【0074】なお、図示されていないが、前記ステップ
S22及びS25の処理において、サーボモータ18の
良好な回転が確認されない場合にはモータロックと判断
し、フラグFidが“H”となる。このFidが“H”とな
った場合の効果は、図26に関して後述する。
【0075】図5に戻り、ステップS2の処理の後は、
ステップS3において、Fidが“H”であるか否かが判
別される。Fidが“L”であれば、ステップS5におい
てスイッチング素子52がオン(すなわちインジケータ
ランプ50が消灯)された後、ステップS6に移行す
る。また、Fidが“H”であれば、当該処理はステップ
S4のインジケータ処理に移行する。この処理の詳細を
図26に示す。なお、このインジケータ処理は、Fidが
“H”となったときに割り込みで実行されても良い。
【0076】図26において、ステップS211では、
スイッチング素子52がオフとなり、インジケータラン
プ50が点灯される。ステップS212においては、サ
ーボモータ18の回転角がθmcとなるように、サーボモ
ータ18を制御する。フラグFidが図6に示された処理
で“H”となった場合にはθmcは算出されていないの
で、このような場合には、予め定められた回転角となる
ように、サーボモータ18を制御する。
【0077】そして、ステップS213においては、図
示されないリセットスイッチがオンとなったか否かが判
別される。オンである場合には当該処理は終了する。す
なわち、図5のステップS1に戻る。
【0078】図5に戻り、ステップS6においては、コ
ンビスイッチ49がオフであるか否かが判別される。コ
ンビスイッチ49がオンであれば、ステップS7におい
てFhrが“L”であるか否かが判別される。Fhrが
“L”であれば、ステップS3に戻る。
【0079】Fhrが“H”であれば、ステップS405
において、切換回路46(図4並びに図21)がリセッ
トされ、バッテリ44と定電圧回路47との直接接続が
解除される。前記直接接続は、後述するステップS40
0において行われる。
【0080】ステップS8及びS9において、Fhr及び
Fb がそれぞれ“L”及び“H”にセットされる。そし
て、ステップS11において、後述するステップS16
でセットされたバックアップタイマがリセットされ、そ
の後、当該処理はステップS3に戻る。
【0081】前記ステップS6においてコンビスイッチ
49がオフであることが判別された場合には、ステップ
S12において、Fhrが“H”であるか否かが判別され
る。Fhrが“L”であれば、ステップS14において、
Fb が“L”にセットされる。 ステップS13におい
ては、Fhrが“H”にセットされる。
【0082】ステップS400においては、前記切換回
路46がセットされ、バッテリ44と定電圧回路47と
が直接接続される。そして、ステップS16において、
バックアップタイマにより時間計測が開始された後、ス
テップS3に戻る。
【0083】前記ステップS12においてFhrが“H”
であることが判別された後は、ステップS17において
所定時間(例えば3時間)が経過したか否かが判別され
る。前記所定時間の経過が判別されない場合には当該処
理はステップS3に戻り、前記所定時間の経過が判別さ
れた場合には、ステップS404において切換回路46
がリセットされ、バッテリ44と定電圧回路47との直
接接続が解除される。コンビスイッチ49はオフである
から、これにより、当該ヘッドライト制御装置に対する
電源の接続がなくなり、当該処理は終了する。
【0084】図7はメインルーチン実行中に定時間ごと
(例えば5[msec]ごと)に行われる割込処理(定時間
割込処理)を示すフローチャートである。図7におい
て、ステップS30においては、nに1が加算される。
ステップS31においては、舵角センサ32の出力信号
である舵角信号θh0(n) が読み込まれる。
【0085】ステップS32においては、舵角センサ3
2の断線/短絡検出処理が行われる。この処理の詳細を
図8に示す。なお、A/Dコンバータ37(図4)を介
して出力される舵角センサ32の信号は、通常は、例え
ば0.5〜4.5[V]の範囲(ハンドルが最も左に切
れた場合〜最も右に切れた場合)にあり、製造取付誤差
がある場合には、0〜5[V]の範囲までとする。
【0086】図8において、ステップS40において
は、θh0(n) が0.5[V]を下回っているか否かが判
別され、下回っていればステップS42に、下回ってい
なければステップS41に移行する。ステップS41に
おいては、θh0(n) が4.5[V]を上回っているか否
かが判別され、上回っていればステップS42に、上回
っていなければステップS46に移行する。
【0087】ステップS42においては、車速Vが例え
ば30[km/h]以上であるか否かが判別され、30[km
/h]以上であればステップS43に、30[km/h]以上
でなければステップS46に移行する。ステップS43
においては、切れ角カウンタ(図示せず)のカウント値
に1が加算される。
【0088】ステップS44においては、前記カウント
値が20以上であるが否かが判別され、20未満であれ
ば当該処理は終了する。また、前記カウント値が20以
上である場合には、舵角センサ32の断線又は短絡と判
定し、ステップS45においてFidが“H”にセットさ
れ、その後、当該処理は終了する。
【0089】また、ステップS46においては、前記切
れ角カウンタのカウント値がリセットされる。つまり、
この図8の処理は、比較的高速(30[km/h]以上)で
走行している場合には、ハンドル切れ角があまり大きく
ならない(θh0(n) があまり大きく、又はあまり小さく
ならない)という事実に基づいて舵角センサ32の断線
/短絡検出を行うものである。
【0090】もちろん、舵角センサ32に製造誤差がな
く、断線/短絡でない場合にはその出力が必ず0.5〜
4.5[V]となる場合には、ステップS40及びS4
1のしきい値を0.5[V]よりも大きく、また4.5
[V]よりも小さくしても良い。
【0091】また、このように、前記しきい値を当該舵
角センサ32より出力が予想される最大の範囲よりも小
さな範囲の上端値及び下端値に設定する場合には、ステ
ップS42の処理を省略することによっても、舵角セン
サ32の断線/短絡の検出を行うことができる。
【0092】図7に戻り、ステップS33においては、
第2式より、ハンドル切れ角の変化速度Δθh が演算さ
れる。
【0093】 Δθh =θh0(n) −θh0(n-10) …(2) なお、第2式において、θh0(n) から減算される値は、
(n-10)以外のタイミングで検出されたθh0でも良い。
【0094】ステップS34においては、θh0を用い
て、図20及び図21に関して前述したような移動平均
値(又は単なる平均値)を演算する。ステップS35に
おいては、後述するダイナミックセンター値θdcが読み
出される。
【0095】ステップS36においては、第3式より、
ハンドル切れ角(ハンドルの中心位置からの切れ角)θ
h(n)を演算する。
【0096】 θh(n)=θha−θdc …(3) ステップS37においては、θh(n)からθh(n-1)を減じ
た差の絶対値が、所定[レベル]、例えば3[レベル]
(1[レベル]は当該マイクロコンピュータにより演算
可能な最小値、すなわちマイクロコンピュータに設定さ
れた分解能、以下、同様)を超えているか否かが判別さ
れる。所定レベルを超えていなければステップS39
へ、所定レベルを超えていればステップS38に移行す
る。
【0097】ステップS38においては、θh(n)の絶対
値が、θh(n-1)に2[レベル]を加算した値にセットさ
れる。そして、ステップS39において、θh(n)が記憶
された後、この処理は終了する。
【0098】図9及び図10はメインルーチン実行中に
車速検出用パルスの割込により行われる割込処理を示す
フローチャートであり、それぞれを組合せて一図を構成
している。図9及び図10において、まずステップS5
1においては、車速検出用パルスVPの検出間隔時間を
用いて、適宜の手法により、当該自動二輪車30の車速
Vが検出される。
【0099】ステップS52においては、車速Vが12
7.5[km/h]を超えているか否かが判別される。超え
ていれば、ステップS53においてFvoが“H”にセッ
トされてステップS56に移行する。車速Vが127.
5[km/h]を超えていない場合には、ステップS201
において、フラグFvoが“H”であるか否かが判別され
る。“H”でない場合には、ステップS54に移行す
る。
【0100】Fvoが“H”である場合には、ステップS
202及びS203において、フラグFvo及びFvo1
が、それぞれ“L”及び“H”にセットされる。そし
て、ステップS204において、図15のステップS1
25において後述するθmmがリセットされたのち、ステ
ップS54に移行する。
【0101】ステップS54においては、車速Vが3
[km/h]未満であるか否かが判別される。3[km/h]未
満である場合には、ステップS55において車速Vが0
[km/h]にセットされてから、ステップS56に移行す
る。また、3[km/h]以上である場合には、そのままス
テップS56に移行する。
【0102】ステップS56においては、後述するステ
ップS57の処理を行うタイミングであるか否かが判別
される。すなわち、ステップS57の処理は、例えば当
該フローチャートが所定回数実行される毎に行われる。
このステップS57では、舵角センサ32の動的な中心
位置データであるダイナミックセンター値、すなわちハ
ンドルが中央に位置している場合の舵角センサ32の出
力信号が演算される。このダイナミックセンター値の検
出により、舵角センサ32の取り付けが当該自動二輪車
に対してずれていても、ハンドル中央位置における舵角
センサ32の出力信号を正確に得ることができる。
【0103】前記ステップS57の処理の詳細を、図1
1及び図12に示す。図11及び図12はそれぞれを組
合せて一図を構成している。まずステップS71では、
図7のステップS34で演算されたθhaが読み込まれ
る。ステップS72においては、後述するステップS8
5において、不感帯が既にセットされているか否かが判
別される。不感帯がセットされていなければステップS
84に移行する。
【0104】ステップS84においては、θhaがθhaa
にセットされる。ステップS85においては、不感帯が
セットされる。この不感帯は、前記θhaa の上下方向に
所定幅Rを有するものであり(図18参照)、その上限
値θhd1及び下限値θhd2 は、前記θhaa に不感帯幅R
を加算又は減算したものである。
【0105】そして、後述するように、θhaが不感帯か
ら外れた場合に、該不感帯がセットされてから(θhaa
がセットされてから)θhaが不感帯から外れるまでに当
該自動二輪車が走行した距離Ldcが測定され(同図参
照)、また、後述のように所定の条件を満たした場合、
そのときのθhaa がθhaa 又はθhaa(FF)として記憶
される。
【0106】ステップS86においては、不感帯がセッ
トされてからの走行距離Ldcの計測が開始され、その
後、当該処理は終了する。前記ステップS72において
不感帯がセットされていると判別された場合には、ステ
ップS73において、θhaが不感帯を外れたか否か、つ
まり、上限値θhd1 を上回ったか否か、あるいは下限値
θhd2 を下回ったか否かが判別される。
【0107】不感帯を超えていなければ、ステップS8
7において、走行距離Ldcが所定距離FF以上であるか
否かが判別される。FF以上でなければ当該処理は終了
する。 前記ステップS73において、θhaが不感帯を
外れたことが判別された場合には、ステップS74にお
いて、走行距離Ldcの計測が終了し、記憶される。換言
すれば、不感帯がセットされてからθhaが不感帯から外
れるまでに当該自動二輪車が走行した距離、つまり安定
した直進状態の距離Ldcが検出される。
【0108】ステップS90においては、前記距離Ldc
がLdcmax(今まで検出されたLdcのうちで最も大きい
値、このLdcmax の初期値は図5のステップS1におい
てイニシャライズされた“0”なる値である)以上であ
るか否かが判別される。LdcがLdcmax 以上でなけれ
ば、後述するステップS75に移行する。
【0109】LdcがLdcmax 以上であれば、ステップS
91において、Ldcmax として前述したFFなる値がセ
ットされているか否かが判別される。このセットは、後
述するステップS95において行われる。
【0110】Ldcmax がFFとなっていれば、ステップ
S94において、不感帯セット時にセットされたθhaa
の値がθhaa(FF)にセットされ、その後、ステップS
75に移行する。Ldcmax がFFでなければ、ステップ
S92において、θhaa の値がそのままθhaa として記
憶される。そして、ステップS93においては、前記ス
テップS74で記憶されたLdcがLdcmax として記憶さ
れ、その後、ステップS75に移行する。
【0111】前記ステップS87においてLdcが所定距
離FF以上であることが判別された場合には、ステップ
S95においてLdcmax がFFにセットされる。前記L
dcmax の値は、ステップS90の処理から明らかなよう
に、Ldcの最も大きな値に順次セットされていくが、ス
テップS87においてLdcが所定距離FF以上となった
ことが判別された場合には、Ldcmax の値はFFの値に
固定される。
【0112】ステップS96においては、不感帯セット
時にセットされたθhaa の値がθhaa(FF)にセットさ
れる。その後、ステップS75に移行する。このよう
に、Ldcの最も大きい値がLdcmax にセットされると共
に、そのときのθhaa がそのままθhaa として記憶され
る。そして、Ldcmax が最大値FFにセットされた後
は、θhaa は、θhaa(FF)として記憶される。
【0113】ステップS75においては、Fd が“L”
であるか否かが判別され、“H”であればステップS8
0に移行する。Fd が“L”であれば、ステップS76
において、Ldc(又はLdcmax )がLdcb (<FF)を
上回っているか否かが判別され、上回っていなければ、
ステップS80に移行する。
【0114】LdcがLdcb を上回っていれば、ステップ
S77においてFd 及びFd1が“H”にセットされた
後、ステップS80に移行する。ステップS80におい
ては、θhaa(FF)が4つ記憶されているか否かが判別
される。θhaa(FF)が4つ記憶されている場合には、
ステップS81において、その4つの平均値がハンドル
切れ角のダイナミックセンター値θdcd として演算さ
れ、これがθdcとして記憶される。そして、ステップS
82において、最も古いθhaa(FF)が削除される。す
なわち、最新の3つのθhaa(FF)が選択される。その
後、当該処理はステップS83に移行する。
【0115】前記ステップS80において、θhaa(F
F)が4つあることが判別されない場合には、ステップ
S88において、最新のθhaa (すなわちステップS9
2で記憶されたθhaa 、又はステップS94若しくはS
96において記憶されたθhaa(FF))がダイナミック
センター値θdcd として選択され、これがθdcとして記
憶された後、ステップS83に移行する。ステップS8
3においては、不感帯がリセットされた後、前記ステッ
プS84に移行して、不感帯が再度セットされる。
【0116】図9及び図10に戻り、ステップS58な
いしS60において、図20及び図21に関して前述し
た第1補正係数α、第2補正係数β及び第4補正係数δ
が読み出され、そして、ステップS61において、前掲
した第1式よりバンク角θbが演算される。
【0117】ステップS62においては、サーボモータ
18の制御量が演算される。この処理の詳細を図13に
示す。図13において、まずステップS100において
は、θhaa(FF)(図11及び図12参照)が1以上記
憶されているか否かが判別される。θhaa(FF)が1以
上記憶されている場合には、ダイナミックセンター値が
信頼性の高い値であると判断し、ステップS101にお
いて第3補正係数γがεに設定される。
【0118】前述のように、バンク角θb はハンドル切
れ角θh(n)を用いて算出されており、また該θh(n)は、
図11及び図12において決定されたダイナミックセン
ター値θdcを用いて行われるが、このθdcは、θhaa(F
F)が記憶されている場合(当該自動二輪車が走行を開
始してから、ハンドル切れ角θhaが不感帯を外れること
なく、距離FF以上走行した場合)には信頼性が高いと
いうことができる。つまり、このような場合には、ハン
ドルは中央位置にあると予想することができる。 した
がって、このような場合には、第3補正係数γがそのま
まεに設定される。 しかし、それ以外の、θhaa(F
F)が一つも記憶されていない場合には、ダイナミック
センター値θdcの信頼性が低いと判定され、第3補正係
数γは、ステップS103又は105に示すように、ε
よりも小さい値に設定される。
【0119】ステップS100において、θhaa(FF)
が一つも記憶されていないと判別された場合には、ステ
ップS102においてθhaa が1以上記憶されているか
否かが判別される。θhaa が一つも記憶されていない場
合には、ダイナミックセンター値が算出されていないと
判定し、ステップS103において第3補正係数γが0
に設定される。すなわち、後述するステップS106に
おいて、モータ制御量θm が0となる。
【0120】θhaa が1以上記憶されている場合には、
ステップS104において、Ldcmax がLdcb を超えて
いるか否かが判別される。そして、Ldcb を超えていな
ければダイナミックセンター値の信頼性が低いと判定
し、ステップS103に移行する。また、Ldcb を超え
ていればステップS105に移行する。
【0121】ステップS105においては、第4式よ
り、第3補正係数γを演算する。
【0122】 γ=ε×{(Ldc−Ldcb )/(FF−Ldcb )} …(4) この第4式より明らかなように、第3補正係数γはεよ
りも小さな値に設定される。すなわち、ステップS10
5に移行した場合、ダイナミックセンター値の信頼性は
それほど高くはないが、該センター値を緩和すれば、モ
ータ制御量θmの演算に十分使用できるものと判定さ
れ、第3補正係数γがLdcに応じて緩和される。なお、
前掲した第4式においては、LdcとしてLdcmax を用い
ても良い。
【0123】第3補正係数γが設定された後は、ステッ
プS106において、第5式よりサーボモータ18の制
御量(サーボモータ18の回転軸の中心位置からの角度
差)θm が演算される。
【0124】 θm =θb ×γ …(5) なお、ステップS101及びS105に示されたεは、
バンク角θb をサーボモータ18の制御量θm に変換す
るための係数である。
【0125】図10に戻り、ステップS63において
は、演算されたモータ制御量θm が±5度未満であるか
否かが判定される。±5度未満であれば、ステップS6
4においてフラグFbuが“H”にセットされた後、ステ
ップS65に移行する。 θmが±5度以上であれば、
ステップS205においてフラグFbuが“L”にセット
され、ステップS206において、前記ステップS20
4と同様にθmmがリセットされた後、ステップS65に
移行する。
【0126】ステップS65においては、モータ回転角
センサ33よりA/Dコンバータ41(図4)を介して
出力されるサーボモータ18の実回転角θm1を読み込
む。ステップS66においては、モータ回転角センサ3
3の断線/短絡検出処理が行われる。この処理の詳細
を、図14に示す。なお、A/Dコンバータ41を介し
て出力されるモータ回転角センサ33の信号は、通常
は、0.5〜4.5[V]の範囲内にあるものとする。
【0127】図14において、まず、ステップS110
では、θm1が0.5[V]未満であるか否かが判別され
る。0.5[V]未満であればステップS112に移行
し、0.5[V]以上であれば、ステップS111に移
行する。ステップS111においては、θm1が4.5
[V]を超えているか否かが判別される。4.5[V]
を超えていればステップS112に移行し、4.5
[V]以下であれば、ステップS113に移行する。
【0128】ステップS112においては、モータ回転
角カウンタ(図示せず)のカウント値に1が加算され
る。ステップS114においては、前記カウント値が2
0以上であるか否かが判別され、20未満であれば当該
処理は終了する。また、前記カウント値が20以上であ
る場合には、モータ回転角センサ33の断線又は短絡と
判定し、ステップS115において、フラグFidが
“H”にセットされ、その後、当該処理は終了する。ま
た、前記ステップS113においては、前記モータ回転
角カウンタのカウント値がリセットされる。
【0129】図10に戻り、ステップS67において
は、サーボモータ18の制御が行われる。この処理の詳
細を、図15及び図16に示す。なお、図15及び図1
6はそれぞれを組合せて一図を構成しており、またステ
ップS144及びS145の処理は、実モータ回転角θ
m1を、演算された制御角θm0に即座に一致させるための
フィードバック処理、ステップS125〜S135は、
実モータ回転角を徐々に中央位置に戻すための処理、そ
して、ステップS136〜S143は、実モータ回転角
を、演算された制御角に徐々に一致させるための処理で
ある。
【0130】図15及び図16において、まず、ステッ
プS120では、フラグFd が“L”であるか否かが判
別される。“L”である場合、すなわちコンビスイッチ
49がオンとなってから、Ldc>Ldcb となるまでの間
(図13のステップS104に関して前述したように、
ダイナミックセンター値が信頼性の低い値であるとき、
あるいは算出されていないとき)は、サーボモータ18
の制御を行わずに、当該処理は終了する。
【0131】Fd が“H”であれば、ステップS121
において、フラグFbuが“H”であるか否かが判別され
る。“H”であれば(図10のステップS63及びS6
4に関して前述したように、モータ制御量θm が±5度
未満のとき)ステップS221に、“L”であればステ
ップS122に移行する。
【0132】ステップS122においては、フラグFvo
が“H”であるか否かが判別され、“H”であれば(図
9のステップS52及びS53に関して前述したよう
に、車速Vが127.5[km/h]を超えているとき)ス
テップS221に、“L”であればステップS123に
移行する。
【0133】ステップS221においては、フラグFvo
1 が“L”にリセットされ、ステップS222では、フ
ラグFd1が“L”にリセットされる。そして、ステップ
S200において、モータ制御量θm が0であるか否か
が判別される。0であれば、当該処理は終了する。
【0134】θm が0でない場合には、ステップS12
5において、後述するステップS126又はS127で
すでにθm がθmmにセットされているか否かが判別され
る。このθmmなる値は、シェード9を徐々に中央位置に
戻すための、基準データである。
【0135】θmmがセットされていれば、ステップS1
27に移行する。また、θmmがセットされていなけれ
ば、ステップS126において、現在のモータの回転角
θm1から、図6のステップS28で算出されたモータ回
転角の中央値θmcを減じて実モータ回転角の中央位置か
らの偏差を算出し、これをθmmにセットした後、ステッ
プS127に移行する。
【0136】ステップS127においては、θmmの絶対
値から所定レベル(例えば1[レベル])が減じられ、
ステップS128において、θmmがモータ制御量θm に
セットされる。
【0137】ステップS129においては、前記中央値
θmcに前記θmが加算され、これがモータ制御角θm0に
セットされる(第6式)。
【0138】 θm0=θmc+θm …(6) ステップS130においては、ドライバ39(図4)に
対して、制御データが出力される。この処理の詳細を、
図17に示す。
【0139】図17において、まずステップS150に
おいては、モータ制御角θm0と実モータ回転角θm1との
差(角度差)が検出される。ステップS151において
は、前記θm0及びθm1の大小に応じて、サーボモータ1
8へ通電される電流の極性が検出される。
【0140】ステップS152においては、前記角度差
に応じて、例えば図19に示されようなテーブルからド
ライバ39に出力されるべき信号のデューティ比が読み
出される。なお、この図19に示されたテーブルは一例
であり、サーボモータ18の特性等に応じて、任意に決
定される。
【0141】そして、ステップS153においては、前
記極性及びデューティ比に基づいて、ドライバ39に制
御信号が出力される。その後、当該処理は終了する。以
上の説明から明らかなように、この例においては、読み
出されたデューティ比が100[%]未満である場合に
は、サーボモータ18はチョッピング制御される。
【0142】図15及び図16に戻り、ステップS13
1においては、θm が0であるか否か、すなわち、サー
ボモータ18の回転角が中央位置に戻ったか否かが判別
される。θm が0でない場合には当該処理は終了する。
またθm が0である場合には、ステップS135におい
ては、θmmの値がリセットされ、その後、当該処理は終
了する。このような処理により、サーボモータ18が徐
々に中央位置に復旧する。
【0143】前記ステップS122においてフラグFvo
が“L”であると判別された場合には、ステップS12
3において、フラグFvo1 が“H”であるか否かが判別
される。“H”である場合(図9のステップS52,S
53,S201及びS203に関して前述したように、
車速Vが127.5[km/h]を超えてから、該速度以下
となった場合)には、ステップS136に、また“L”
である場合にはステップS124に移行する。
【0144】ステップS124においては、フラグFd1
が“H”であるか否かが判別される。“H”であれば
(図12のステップS76及びS77関して前述したよ
うに、Ldcが走行後初めてLdcb を上回った場合、すな
わちダイナミックセンター値が算出され始めた場合)、
ステップS136に移行し、“L”であればステップS
144に移行する。
【0145】ステップS136においては、ステップS
129と同様に、第6式の演算が行われ、モータ制御角
θm0がセットされる。ステップS137においては、θ
m0及びθm1の角度差の絶対値が3[レベル]以上である
か否かが判別される。3[レベル]以上でなければ、ス
テップS139に移行する。また、3[レベル]以上で
あれば、ステップS138において、モータ制御角θm0
を実モータ回転角θm1から2[レベル]の範囲に抑え
る。これにより、後述のステップS139におけるモー
タ制御が緩和される。
【0146】ステップS139においては、ステップS
130と同様に、ドライバ39に対して制御データが出
力される。ステップS140においては、モータ制御角
θm0が実モータ回転角θm1に一致したか否かが判別され
る。一致していなければ当該処理は終了し、一致してい
れば、ステップS141において、フラグFvo1 が
“H”であるか否かが判別される。この処理は、ステッ
プS136〜S140の処理の実行が、フラグFvo1 =
“H”に起因するものか、あるいはフラグFd1=“H”
に起因するものかを判別するためのものである。
【0147】Fvo1 が“H”であれば、ステップS14
2においてFvo1 が“L”にセットされた後、当該処理
は終了する。Fvo1 が“H”でなければ、すなわちFd1
が“H”であれば、ステップS143において、Fd1が
“L”にセットされた後、当該処理は終了する。
【0148】前記ステップS124においてFd1が
“L”であると判別された場合には、ステップS144
において、ステップS129及びS136と同様に、第
6式の演算が行われ、モータ制御角θm0がセットされ
る。そして、ステップS145において、ステップS1
30及びS139と同様に、ドライバ39に対して制御
データが出力され、その後、当該処理は終了する。
【0149】図10に戻り、ステップS67が終了した
後は、当該処理は終了する。
【0150】さて、前記実施例では、ダイナミックセン
ター値演算手段211は、図11及び図12に示された
ような手法を用いてダイナミックセンター値を演算する
ものとして説明したが、同図に示された手法以外の手法
により演算されても良い。また、第3補正係数γの修正
(図13のステップS105)のタイミングは、同図に
関して前述したようなタイミングのみに限定されず、算
出されたダイナミックセンター値の信頼性があまり高く
ないと予測できるタイミングであれば良い。
【0151】図27は、図13に示された処理の他の例
を示すフローチャートであり、図13と同一の符号は同
等処理をあらわしている。図27において、まずステッ
プS300では、ダイナミックセンター値記憶手段11
3に記憶されたダイナミックセンター値が、θhaa(F
F)4つの平均値により演算されたものであるか否か
(図11及び図12のステップS81で演算されたダイ
ナミックセンター値であるか否か)が判別される。肯定
の場合には、ステップS101に移行する。
【0152】否定の場合には、ステップS301におい
て、ダイナミックセンター値記憶手段113に記憶され
たダイナミックセンター値が、最新のθhaaによるもの
であるか否か(図12のステップS88で設定されたダ
イナミックセンター値であるか否か)が判別される。肯
定の場合にはステップS105に移行し、否定の場合
(すなわちダイナミックセンター値が演算されていない
場合)はステップS103に移行する。
【0153】つまり、これは、ダイナミックセンター値
の算出が前記ステップS81で行われた場合には、該ダ
イナミックセンター値を信頼性の高いものであると予測
し、前記ステップS88で行われた場合には、ダイナミ
ックセンター値の信頼性はそれ程高くはないが、制御を
緩和して行えば、十分使用に耐えるものであると予測
し、この予測結果に応じて第3補正係数γを決定するも
のである。なお、この図27のステップS105の処理
(第4式)においても、第3補正係数の算出に、Ldcの
代わりにLdcmax を用いても良い。
【0154】図1は本発明の一実施例の機能ブロック図
である。図1において、図20及び図21と同一の符号
は、同一又は同等部分をあらわしている。まず、車速演
算手段201は、車速センサ31より出力される信号を
用いて当該自動二輪車の車速Vを演算し、該データをバ
ンク角演算手段203に出力する。
【0155】ハンドル切れ角演算手段202は、舵角セ
ンサ32より出力される信号を用いてハンドル切れ角
(ハンドル中央位置からの切れ角)θh を算出し、該デ
ータを前記バンク角演算手段203に出力する。またΔ
θh 演算手段116は、前記舵角センサ32の出力信号
を用いて、ハンドル切れ角の変化速度Δθh を演算す
る。もろちん、このΔθh 演算手段116は、前記ハン
ドル切れ角を用いて、該ハンドル切れ角の変化速度Δθ
h を演算しても良い。
【0156】図22に示されたβ1及び図23に示され
たβ2の乗算値である第2補正係数βが車速V及びハン
ドル切れ角の変化速度Δθh を用いてβマップ117よ
り読み出され、該データはバンク角演算手段203に出
力される。前記バンク角演算手段203は、入力された
各種データを用いて当該自動二輪車のバンク角θb を演
算する。この演算は、具体的には、ハンドル切れ角θh
、車速V及び第2補正係数βを乗算することにより行
われ、必要に応じて、所定の係数(第1補正係数α等)
が乗算される。
【0157】モータ制御量演算手段204は、前記バン
ク角θb を用いてモータ制御量(モータの中心位置から
の制御角)θm を演算する。そして、モータ制御手段2
05は、モータ制御量θm 及びモータの中央位置データ
θmcよりモータ制御角θm0を演算し、該制御角θm0と、
モータ回転角センサ33より出力されるモータの実回転
角θm1とを用いて、サーボモータ18をフィードバック
制御する。
【0158】さて、前記実施例では、バンク角の演算に
は、ハンドル切れ角の変化速度Δθh 及び車速Vをパラ
メータとした第2補正係数βが用いられるものとして説
明したが、前記可変速度Δθh のみをパラメータとして
係数(β1)のみを用いるようにしても良い。
【0159】さて次に、本発明を自動二輪車の駆動力制
御装置に適用して説明する。図28は本発明の第2の実
施例が適用される自動二輪車の一例の側面図、図29は
図28の平面図である。各々の図において、同一の符号
は、同一又は同等部分をあらわしている。
【0160】各々の図において、自動二輪車1001の
エンジン1005には、エンジン回転数検出用の一対の
第1パルサ1002A及び第2パルサ1002Bが設け
られている。前記第1パルサ1002Aは、クランク軸
が所定角度回転するたびにパルス信号PC1を発生し、
第2パルサ1002Bは、クランク軸が所定角度に達す
るたびにパルス信号PC2を発生する。
【0161】自動二輪車1001の前輪(従動輪)及び
後輪(駆動輪)には、それぞれの車輪の回転速度を検出
するための前輪速度センサ1003及び後輪速度センサ
1004が設けられている。これらのセンサ1003及
び1004は、前輪及び後輪が所定角度回転するたびに
パルス信号を発生する。
【0162】点火制御用ECU1031は、メータパネ
ル1020の裏側(各種メータが配置された側と反対
側)に配置され、第1パルサ1002A及び第2パルサ
1002Bより検出されたエンジン回転数Ne 、前輪速
度センサ1003及び後輪速度センサ1004の出力信
号等を用いて、後述するように、イグニションコイル1
008の点火時期(点火角)を制御する。この点火制御
用ECU1031は、標準的な点火時期を演算する点火
CPUと、当該車両の、主に加速時の車輪のスリップを
制御するための、駆動力制御(トラクションコントロー
ル)用の点火時期を演算する駆動力制御CPUとを備え
ている。また、舵角センサ32の出力信号を用いて行わ
れる、当該自動二輪車1001のバンク角の演算は、例
えば前記点火CPUで行われる。
【0163】ALB用ECU1032は、本発明の動作
とは直接は関係ないが、ブレーキ操作時において、当該
自動二輪車のスリップ率あるいはスリップ量が所定レベ
ルを超えた場合に、フロントキャリパ1037及びリア
キャリパ1038によるブレーキ動作を制御する。符号
1033,1034,1035,1036は、これらの
制御を行うためのフロントモジュレータ、リアモジュレ
ータ、フロントブレーキマスタシリンダ、リアブレーキ
マスタシリンダである。
【0164】符号1020はメータパネルであり、図2
9に示されるように、スピードメータ1021、タコメ
ータ1022、フュエルメータ1023、水温メータ1
024、ターンランプ(左)1025及びターンランプ
(右)1026を備えている。このメータパネル102
0の上部にはインジケータパネル1010が設けられて
いる。
【0165】図30はインジケータパネル1010の詳
細を示す平面図である。同図において、フレーム101
0Aには、当該駆動力制御が解除されたことを示す解除
ランプ1011、当該駆動力制御が実行されていること
を示す作動ランプ1012、サイドスタンドが出ている
ことを示すサイドスタンドランプ1013、前記ALB
用ECU1032により実行されるブレーキ制御(AL
B)システムがフェールしたことを表示するALBフェ
ールランプ1014及びALBフェールLED109
4、オイル切れを表示するオイル警告ランプ1015、
後述の駆動力制御システムがフェールしたことを表示す
るフェールランプ1016及びフェールLED109
6、燃料切れを表示する燃料警告ランプ1017、ヘッ
ドライトの配光状態がハイ(ハイビーム)であることを
表示するハイビームランプ1018、並びにエンジンの
変速装置がニュートラル状態であることを表示するニュ
ートラルランプ1019が設けられている。
【0166】前記ランプ1011〜1013はオレンジ
色、ランプ及びLED1014〜1017,1094,
1096は赤色、ランプ1018は青色、そしてランプ
1019は緑色である。なお、符号1010Bは、イン
ジケータパネル1010の取付穴である。
【0167】図28に戻り、符号1028及び1029
はホーン及び警告ブザー、図29において符号102
7,1041,1042,1043,1044は、それ
ぞれ当該駆動力制御システムの解除スイッチ、スロット
ルグリップ、スイッチケース、イグニションキー穴、ハ
ンドルカバーである。
【0168】図31は本発明の第2の実施例の構成を示
すブロック図である。同図において、図28、図29及
び図4と同一の符号は同一又は同等部分をあらわしてい
るので、その説明は省略する。第1パルサ1002A及
び第2パルサ1002B、前輪速度センサ1003、並
びに後輪速度センサ1004より出力される信号は、そ
れぞれ波形整形回路1301〜1303を介して電子制
御回路1305に入力される。前輪速度センサ1003
は、図4に示された車速センサ31に相当する。
【0169】この電子制御回路1305は、マイクロコ
ンピュータを備えていて、入力された各種信号を用い
て、後述するような手法で点火時期θig(後述するSθ
ig(n)及びCθig(n) )を演算し、その一方をドライバ
(点火制御装置)1069に出力する。これにより、イ
グニションコイル1008による点火時期がスリップ状
態に応じて制御される。
【0170】本実施例にかかる駆動力制御を行うか否か
を選択するための解除スイッチ1027は、前記電子制
御回路1305に接続されている。また前記電子制御回
路1305は、本実施例にかかる、スリップ状態に応じ
た駆動力制御が行われている場合には、ドライバ107
1を介してインジケータパネル1010に設けられた作
動ランプ1012を点灯する。
【0171】インジケータパネル1010に設けられた
解除ランプ1011及びフェールランプ1016は、ド
ライバ1072及び1207を介して、前記電子制御回
路1305に接続されている。またフェールLED10
96は直接電子制御回路1305に接続されている。ま
たメータパネル1020内に配置された警告ブザー10
29は、ドライバ1108を介して、前記電子制御回路
1305に接続されている。前記電子制御回路1305
は、必要に応じて、当該自動二輪車1001の他の制御
(燃料噴射制御、排気制御、自動変速機の変速比制御、
減速時におけるブレーキ制御、ヘッドライト装置の配光
制御等)を行う。
【0172】次に点火制御用ECU1031で演算され
る本発明の第2の実施例の動作を説明する。図32及び
図33は本発明の第2の実施例の動作を示すフローチャ
ートである。この図32及び図33はそれぞれを組合わ
せて一図を構成しており、またこの処理は、定時間ごと
に行われる。なお、図11及び図12に示されたような
ダイナミックセンター値θdcの検出、及び図7に示され
たようなハンドル切れ角θh(n)の演算は、所定タイミン
グごとに行われるものとする。また、ハンドル切れ角θ
h(n)は、その変化量が大きいときには、その値が制限さ
れる(図7のステップS37及びS38参照)が、この
実施例においては省略可能である。
【0173】まずステップS501においては、nに1
が加算される。ステップS502においては、前輪速度
センサ1003及び後輪速度センサ1004(図31)
より出力される信号を用いて、公知の手法により、前輪
回転速度(以下、前輪速度という)HA及び後輪回転速
度(以下、後輪速度という)HBが演算される。
【0174】ステップS601においては、車速V(す
なわち前輪速度HA)は、所定値(速度)以上であるか
否かが判定される。所定値以上であれば、ステップS6
05において、バンク角補正係数Kθ(ステップS60
7に関して後述する。)が1にセットされ、その後ステ
ップS503に移行する。
【0175】車速が前記所定値以上でなければ、ステッ
プS602において、図9及び図10のステップS58
〜S60に関して前述したように、第1補正係数α、第
2補正係数β及び第4補正係数δが検出される。もちろ
ん、第2補正係数βの検出は、車速及びハンドル切れ角
の変化速度、あるいは車速に応じて行われる。
【0176】ステップS603においては、前掲した第
1式より、当該自動二輪車1001のバンク角θb が演
算される。ステップS604においては、図34に示さ
れたようなテーブルを用いて、バンク角θb からバンク
角補正係数Kθが読み出される。図34より明らかなよ
うに、バンク角θb が微少値θbb未満である場合にはバ
ンク角補正係数Kθは1にセットされ、θb がθbb以上
である場合にはKθはθb に応じて設定される。なお、
符号K1は、バンク角補正係数Kθの、設定され得る最
大の数値である。
【0177】ステップS503においては、次式(第7
式)より当該自動二輪車1001の実際のスリップ率S
b(n)が演算される。
【0178】 Sb(n)=(HB−HA)/HB …(7) この結果、スリップ率Sb(n)は、0〜1の範囲内で演算
される。もちろん、前輪が駆動輪で、後輪が従動輪であ
る場合には、HA及びHBの値は入れ替えて用いられ
る。
【0179】ステップS504においては、他の処理に
おいてPC1及びPC2を用いて公知の手法により演算
されたエンジン回転数Ne が読み出される。ステップS
505においては、公知の手法により、標準的なエンジ
ンの点火時期(以下、標準点火時期という)Sθig(n)
が演算される。
【0180】ステップS506においては、現在、標準
点火時期でエンジンが制御中であるか、あるいは後述す
るステップS509において演算された駆動力制御用点
火時期でエンジンが制御中であるかが判別される。現
在、標準点火時期で制御中であればステップS507に
移行し、駆動力制御用点火時期で制御中であればステッ
プS606に移行する。
【0181】ステップS507においては、標準点火時
期で制御を継続すべき条件であるか否か、換言すれば駆
動力制御用点火時期を用いた制御に移行すべき条件であ
るか否かが、判別される。標準点火時期で制御を継続す
べき条件である場合には、ステップS508に移行し、
駆動力制御用点火時期を用いた制御に移行すべき条件と
なった場合には、ステップS606に移行する。
【0182】このステップS507の処理の詳細を、図
35に示す。図35において、まずステップS521に
おいては、スリップ率Sb(n)が予め設定された第1スリ
ップ率S1 (後述する目標スリップ率Sよりも小さな
値、例えば0.05)を超えたか否かが判別される。超
えていなければステップS508に移行し、超えていれ
ばステップS522に移行する。
【0183】ステップS522においては、後輪速度H
Bが予め設定された所定車速HBon(例えば5[km/
h])を超えたか否かが判別される。超えていればステ
ップS509に移行し、超えていなければステップS5
08に移行する。図32及び図33に戻り、ステップS
508においては、点火時期θig(n) として標準点火時
期Sθig(n) が採用される。その後、当該処理はステッ
プS512に移行する。
【0184】ステップS606においては、Kθが1で
あるか否かが判定される。Kθが1であればステップS
509に移行し、1でなければ(すなわち1を超えてい
れば)ステップS607に移行する。ステップS607
においてはバンク角補正係数Kθが修正又は緩和され
る。このKθの修正又は緩和は、例えば図36又は図3
7に示されたような手順で行われる。
【0185】図36及び図37において、図13及び図
27と同一の符号は、同一又は同等処理を表わしてい
る。各々の図との対比より明らかなように、ダイナミッ
クセンター値の信頼性が低い場合には、ステップS70
3において、第5補正係数γ´が0にセットされる。ま
た、ダイナミックセンター値が信頼性の高い値であると
判断される場合には、ステップS701において、第5
補正係数γ´が1にセットされる。
【0186】そして、ダイナミックセンター値の信頼性
はそれほど高くはないが、該センター値による影響を緩
和すれば、駆動力制御用点火時期の演算に十分使用でき
るものと判定された場合には、ステップS705におい
て、前記第5補正係数γ´がLdcに応じて緩和され、0
<γ´<1の範囲内で設定される。このステップS70
5の演算では、LdcとしてLdcmax を用いても良い。
【0187】その後、ステップS706では、すでにス
テップS604において設定されているバンク角補正係
数Kθを、前記第5補正係数γ´を用いて修正(緩和)
する。この修正は、例えば図46に示されるような、修
正前のKθ(すなわちステップS604において設定さ
れたKθ)及び第5補正係数γ´をパラメータとするマ
ップを用いて行われる。このようにして、Kθが1から
ステップS604で設定された数値までの範囲内で、ダ
イナミックセンター値の信頼性に応じて修正される。そ
の後、当該処理は終了する。
【0188】図32及び図33に戻り、ステップS50
9においては、駆動力制御用点火時期Cθig(n) が演算
される。この処理の詳細を図38に示す。図38におい
て、まずステップS531においては、フィードバック
制御項Tp 、Td 及びTd2が、第8式〜第10式より演
算される。
【0189】 Tp =(Sb(n)−S)×Gp =ΔS(n) ×Gp …(8) Td =(ΔS(n) −ΔS(n-1) )×Gd …(9) Td2={(ΔS(n) −ΔS(n-1) )−(ΔS(n-1) −ΔS(n-2) )}×Gd2 …(10) このTp 、Td 及びTd2はPID制御による制御項であ
る。なお、Sは制御の目標値となる目標スリップ率(例
えば0.1)、Gp 、Gd 及びGd2は予め設定された制
御ゲイン、ΔS(n) はSb(n)からSを減じた差、ΔS(n
-1) はΔS(n)の前回演算値、ΔS(n-2) はΔS(n) の
前々回演算値である。
【0190】Sb(n)、S及びΔS(n) の関係を図47に
示す。Tp を演算するための(Sb(n)−S)は今回検出
されたスリップ率と目標スリップ率との差、Td を演算
するための(ΔS(n) −ΔS(n-1) )は前記差の変化
量、Td2を演算するための{(ΔS(n) −ΔS(n-1) )
−(ΔS(n-1) −ΔS(n-2) )}は、前記変化量の変化
量である。
【0191】ステップS532においては、第11式よ
り制御項の合算値Ktotal が演算される。
【0192】 Ktotal =Tp +Td +Td2 …(11) ステップS533においては、Ktotal 、及び前記ステ
ップS504において読み込まれたエンジン回転数Ne
を用いて、基本補正量Δθigが設定される。この基本補
正量Δθigは、図39に示されるようにKtotal 及びN
e をパラメータとするマップから読み出される。このマ
ップにおけるΔθigは、Ne に対しては図40の関係
で、またKtotal に対しては図41の関係で予めセッテ
ィングされている。なお、図39〜図41では、Δθig
の+値は点火時期の進角側、−値は遅角側のデータであ
る。
【0193】ステップS534においては、後述するス
テップS537でセットされた減算補正量Zが0である
か否かが判別される。ステップS537においては、減
算補正量Zは、正の値にセットされる。Zが0であれ
ば、ステップS535において、前回演算されたスリッ
プ率Sb(n-1)が、目標スリップ率Sと予め設定された第
3スリップ率S3 との和の値を下回っているか否かが判
別される(図42参照)。下回っていなければステップ
S539に移行し、下回っていればステップS536に
移行する。
【0194】ステップS536においては、今回演算さ
れたスリップ率Sb(n)が、目標スリップ率Sと予め設定
された第3スリップ率S3 との和の値以上であるか否か
が判別される。前記和の値以上でなければステップS5
39に移行し、前記和の値以上であればステップS53
7に移行する。
【0195】ステップS537においては、例えば前輪
速度HA(すなわち車速)に応じて減算補正量Zが読み
出され、その後、ステップS539に移行する。ここ
で、前記減算補正量Zは、例えば図43に示されるよう
に、車速が大きいほど大きな値に設定される。
【0196】一般に同じスリップ状態であっても、低速
時よりも高速時の方が早く駆動力を抑制することが望ま
しい。この実施例では、車速に応じた減算補正量Zの設
定が行われることにより、駆動力制御がさらに良好に行
われるようになる。このZは、後述のように駆動力制御
用点火時期の遅角量となる。
【0197】前記ステップS534においてZが0でな
いと判別された場合には、ステップS38においてZか
ら所定遅角量(例えば1)が減算され、その後、ステッ
プS539に移行する。ステップS539においては、
ステップS505において演算された標準点火時期Sθ
ig(n) が読み出される。
【0198】ステップS540においては、ステップS
605又はS607で設定されたバンク角補正係数Kθ
が読み出される。ステップS541においては、第12
式より、当該自動二輪車の変速機のギヤ比GRが演算さ
れる。
【0199】 GR=(HB×1000)/(Ne ×60) …(12) ステップS542においては、ギヤ比GRに応じてギヤ
比係数Kg が設定される。このギヤ比係数Kg は、図4
4に示すように、ギヤ比GRが大きい場合には、大きな
値に設定される。これにより、後述のように、エンジン
のトルクが大きい場合には、小さい場合に比較して、Δ
θigの値が大きく補正される。
【0200】ステップS543においては、第13式よ
り、駆動力制御用点火時期Cθig(n) が演算される。
【0201】 Cθig(n) =Sθig(n) +{(Δθig×Kg ×Kθ)−Z} …(13) このようにして、Cθig(n) が演算された後は、当該処
理は終了する。
【0202】なお、第13式より明らかなように、減算
補正量Zがセットされた直後の場合には、Zがセットさ
れていない場合(Z=0の場合)に比較して、点火時期
Cθig(n) が大きく遅角される。
【0203】さて、このように、Cθig(n) は、基本的
には、標準点火時期Sθig(n) に、スリップ率Sb に応
じた基本制御量(換言すれば、点火時期の変化量)Δθ
igを加算することにより決定される。したがって、スリ
ップ率Sb に応じて点火時期の絶対角度を演算する場合
等に比較して、いままでの走行状態が反映されることに
なり、良好な制御が期待できる。
【0204】さらに、前記基本制御量Δθig自体も、今
回以前に演算されたスリップ率等により決定されるΔS
(n) 、ΔS(n-1) 、ΔS(n-2) 等により決定されるの
で、いままでの走行状態が反映され、さらに良好な制御
が期待できる。
【0205】さらにバンク角に応じて設定されたバンク
角補正係数Kθを乗算することにより、Cθig(n) がバ
ンク角に応じて設定されることになり、コーナリングに
応じた駆動力制御が可能となる。そして、このKθがダ
イナミックセンター値の信頼性に応じて緩和されるの
で、さらに良好な制御が可能となる。
【0206】図32及び図33に戻り、ステップS51
0においては、駆動力制御用点火時期で制御を継続すべ
き条件であるか否か、換言すれば標準点火時期を用いた
制御に移行すべき条件であるか否かが、判別される。駆
動力制御用点火時期で制御を継続すべき条件である場合
にはステップS511に移行し、標準点火時期を用いた
制御に移行すべき条件となった場合には、ステップS5
08に移行する。
【0207】このステップS510の処理の詳細を、図
45に示す。図45において、まずステップS551で
は、Sb(n)が予め設定された第2スリップ率S2 (S2
<S1 、図42参照)を下回ったか否かが判別される。
下回っていなければステップS511に移行し、下回っ
ていればステップS552に移行する。
【0208】ステップS552においては、Cθig(n)
とSθig(n) との差の絶対値が所定角度r度以上である
か否かが判別される。前記所定角度r度未満であればス
テップS511に移行し、r度以上であればステップS
553に移行する。ステップS553においては、タイ
マがスタートされ、時間計測が開始される。
【0209】ステップS554においては、タイマがス
タートされてから所定時間Tn [msec]経過したか否か
が判別される。Tn の経過が判別されない場合には、ス
テップS511に移行する。またTn の経過が判別され
た場合には、ステップS555において前記タイマが停
止され、リセットされる。そして、ステップS556に
おいて、Zが0にリセットされた後、当該処理はステッ
プS508に移行する。
【0210】図32及び図33に戻り、ステップS51
1においては、点火時期θig(n) として駆動力制御用点
火時期Cθig(n) が採用される。その後、当該処理はス
テップS512に移行する。ステップS512において
は、決定された点火時期θig(n) による点火タイミング
であるか否が判別される。点火タイミングであれば、ス
テップS513において点火され、ステップS514に
移行する。また、点火タイミングでなければ、直接ステ
ップS514に移行する。
【0211】ステップS514においては、点火時期θ
ig(n) として、駆動力制御用点火時期Cθig(n) が採用
されたか否かが判別される。Cθig(n) が採用されてい
なければ、ステップS517において作動ランプ101
2(図30)が消灯(オフ)され、その後、当該処理は
終了する。
【0212】ステップS514において、Cθig(n) の
採用が検出されたならば、ステップS515において、
Cθig(n) とSθig(n) との差の絶対値が所定角度R度
以上であるか否かが判別される。前記所定角度R度未満
であればステップS517に移行し、R度以上であれば
ステップS516に移行する。
【0213】ステップS516においては、作動ランプ
1012が点灯(オン)され、その後、当該処理は終了
する。上記した制御の様子を、さらに図42を参照して
説明する。
【0214】図42は、本発明の第2の実施例による駆
動力制御の様子を説明するための、当該自動二輪車のス
リップ率の変化を示す一例のタイムチャートである。同
図において、縦軸はスリップ率Sb 、横軸は時間を表し
ている。図42において、まず標準点火時期による点火
時期制御が開始され、時刻T0において、当該自動二輪
車1が走行を開始したとすると、例えばスロットル弁の
開け過ぎによりスリップ率Sb が急激に上昇する。
【0215】そして、スリップ率Sb が第1スリップ率
S1 を超え、かつ後輪速度HBが所定車速HBonを超え
た時点(T1、図35参照)で、ステップS509で演
算された駆動力制御用点火時期Cθigによる点火時期制
御に移行する。このスリップ率Sb の増加によりCθig
の値が減少し、点火時期が遅角される。
【0216】このような制御の後も、スリップ率Sb が
増加を続け、Sb が目標スリップ率Sと第3スリップ率
S3 との和以上となってしまった場合(T2)には、演
算されたCθigから前輪速度HAに応じた減算補正量Z
が減算される。このZの値は0となるまで徐々に減じら
れる。またZの値が0を超えている間は、Zの再セット
は禁止される(図38参照)。このZのセットにより点
火時期がさらに遅角され、出力の制限が大きくなる。
【0217】Zが0となった(T3)後、再度、スリッ
プ率Sb が目標スリップ率Sと第3スリップ率S3 との
和以上となってしまった場合(T4)には、前輪速度H
Aに応じてZが再度セットされる。この後、当該自動二
輪車が図45に示した各種条件を満たした場合(T6)
には、Cθig(n) による点火時期制御から、Sθig(n)
による標準点火時期制御に移行する。
【0218】もちろん、スロットル弁の開け過ぎ状態が
未だ持続されている場合には、図42の二点鎖線で示し
たように、当該自動二輪車は、そのスリップ率Sb が目
標スリップ率Sに一致するように制御される。
【0219】図48及び図49は本発明の第2の実施例
の機能ブロック図である。これらの図はそれぞれを組合
せることにより一図を構成しており、また図1及び図3
1と同一の符号は、同一又は同等部分をあらわしてい
る。図48及び図49において、Ne 検出手段1021
は、第1パルサ1002A及び第2パルサ1002Bの
出力信号PC1及びPC2を用いてエンジン回転数Ne
を検出する。
【0220】前輪速度演算手段1022(すなわち車速
演算手段201)及び後輪速度演算手段1023は、前
輪速度センサ1003(すなわち車速センサ31)及び
後輪速度センサ1004より出力される信号を用いて、
前輪速度HA(すなわち車速V)及び後輪速度HBを演
算する。
【0221】スリップ率演算手段1024は、前記HA
及びHB、並びに第7式を用いて当該自動二輪車のスリ
ップ率Sb(n)を演算する。制御項演算手段1025は、
第8式〜第10式を用いてフィードバック制御項Tp 、
Td 及びTd2を演算する。
【0222】Ktotal 演算手段1026は、第11式を
用いてKtotal を演算する。Δθig設定手段1027
は、Ktotal 及びNe を用いて、図39に示されるよう
な基本補正量テーブルより基本補正量Δθigを読み出
す。このΔθigは駆動力制御用点火時期演算手段103
4に出力される。
【0223】状況判定手段1028は、今回演算された
スリップ率Sb(n)と、前回演算されたスリップ率Sb(n-
1)と、Zが0であるか否かとに応じて、Zをセットする
か否かを判定する。Z設定手段1029は、前記状況判
定手段1028により付勢され、HAに応じて減算補正
量Zをセットする。このセットは、図43に示したよう
に、例えばHAに応じて予めZの値が記憶されたテーブ
ルから、Zのデータを読み出すことにより行われる。
【0224】漸減制御手段1030は、Z設定手段10
29より出力されるZの値を所定時間ごと(例えば演算
手段1034による演算タイミングごと)に減少して、
駆動力制御用点火時期演算手段1034に出力する。ま
た、この漸減制御手段1030は、Zが0となるまで、
Z設定手段1029によるZの再セットを禁止する。
【0225】GR演算手段1032は、エンジン回転数
Ne 及び後輪速度HB、並びに第12式を用いて、ギヤ
比GRを演算する。Kg 設定手段1033は、ギヤ比G
Rに応じてギヤ比係数Kg をセットする。このセット
は、図44に示したように、例えばギヤ比GRに応じて
予めKg の値が記憶されたテーブルから、Kg のデータ
を読み出すことにより行われる。セットされたKg は、
前記演算手段1034に出力される。
【0226】標準点火時期演算手段1035は、公知の
手法を用いて、エンジン回転数Neより標準点火時期S
θig(n) を演算し、前記駆動力制御用点火時期演算手段
1034及び切換手段36に出力する。
【0227】図1に関して前述したように、ハンドル切
れ角演算手段202はハンドル切れ角(ハンドル中央位
置からの切れ角)θh を算出し、またΔθh 演算手段1
16は、ハンドル切れ角の変化速度Δθh を演算する。
図22に示されたβ1及び図23に示されたβ2の乗算
値である第2補正係数βは、前輪速度センサ1003の
出力信号又は車速V、及びハンドル切れ角の変化速度Δ
θh を用いてβマップ117より読み出され、該データ
はバンク角演算手段203に出力される。
【0228】前記バンク角演算手段203は、車速V、
第2補正係数β及びハンドル切れ角θh を用いて当該自
動二輪車のバンク角θb を演算する。Kθ設定手段15
01は、図34に示したようなテーブルを備えていて、
バンク角θb に応じてバンク角補正係数Kθを演算し、
駆動力制御用点火時期演算手段1034に出力する。
【0229】駆動力制御用点火時期演算手段1034
は、第13式より、駆動力制御用点火時期Cθig(n) を
演算し、切換手段1036に出力する。切換手段103
6は、常時はSθig(n) を点火制御手段1040に出力
するが、第1切換制御手段1037より制御信号が出力
された場合には、Cθig(n) を点火制御手段1040に
出力する。また、この状態において、第2切換制御手段
1038より制御信号が出力された場合には、再びSθ
ig(n) を点火制御手段1040に出力する。
【0230】点火制御手段1040は、入力された点火
時期でイグニションコイル1008を付勢する。前記第
1切換制御手段1037は、図35に示されたような機
能を有し、ステップS522において肯定判断が成され
た場合に、切換手段1036に制御信号を出力する。
【0231】また前記第2切換制御手段1038は、図
45に示されたような機能を有し、ステップS554に
おいて肯定判断が成され、ステップS556の処理が終
了した後に、切換手段1036に制御信号を出力する。
またこの際、Zを0にリセットする。比較手段1041
は、図33のステップS515の処理を行う機能を有
し、該処理において肯定判断が成された場合に、アンド
ゲート1042の一方の入力端子に出力を発生する。
【0232】また、切換手段1036は、Cθig(n) を
選択している場合に、前記アンドゲート1042の他方
の入力端子に出力を発生する。作動ランプ1012は、
前記アンドゲート1042の出力により付勢され、点灯
する。
【0233】さて、前述したように、バンク角の演算に
は、ハンドル切れ角の変化速度Δθh 及び車速Vをパラ
メータとした第2補正係数βが用いられるものとして説
明したが、前記可変速度Δθh のみをパラメータとして
係数(β1)のみを用いるようにしても良い。
【0234】また、減速制御量Zは車速に応じて決定さ
れるものとして説明したが、例えば車速に応じて変化し
ない、固定値であっても良い。さらに、ギヤ比GRは、
第12式より演算されるものとして説明したが、当該車
両の変速機がマニュアルミッションである場合には、第
12式のような演算を行うことなく、単に変速機のギヤ
位置からGRの値をセットしても良い。
【0235】さらにまた、Δθig、Kg 、Z、Kθは、
それぞれ図39〜図41、図44、図43、図34に示
された特性以外のテーブルより設定されても良い。これ
らのテーブルは、当該車両の走行特性等により決定され
る。
【0236】また駆動力の制御は、前述したような点火
時期の遅角により行うだけでなく、点火の間引きやスロ
ットル弁開度の制御、あるいは他の各種エンジンデバイ
スの制御により行っても良い。
【0237】さらに、図38のステップS531におい
ては、第8式〜第10式を用いてフィードバック制御項
Tp 、Td 及びTd2が演算され、これらを用いて合算値
Ktotal が演算されるものとして説明したが、次の第1
4式〜第16式を用いてPIDフィードバック制御項T
p 、Ti 及びTd を演算し、これらの合算値をKtotal
としても良い。
【0238】 Tp =(Vb(n)−VT(n) )×Gp =ΔV(n) ×Gp …(14) Ti =(ΔV(n) +ΔV(n-1) +ΔV(n-2) +…+ΔV(1) )×Gi =dtΣΔV(n) ×Gi …(15) Td =(ΔV(n-1) −ΔV(n) )×Gd …(16) ここで、Gp 、Gi 及びGd は予め設定された制御ゲイ
ン、Vb(n)は後輪速度から前輪速度を減じた値である現
在の実スリップ量、VT(n) は目標スリップ量である。
したがって、ΔV(n) は現在の実スリップ量Vb(n)と目
標スリップ量VT(n) との差である。また、dtΣΔV
(n) は、最初の定時間割込において演算されたΔV(n)
の値(すなわちΔV(1) )から、今回の定時間処理にお
いて演算されたΔV(n) の値までの総和である。
【0239】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果が達成される。 (1) 請求項1記載の二輪車の制御装置によれば、ハンド
ル切れ角の変化速度に応じて、演算されたバンク角デー
タが修正されるので、ハンドル切れ角変化速度が大き
い、コーナリング開始時あるいは終了時等における過渡
状態においても、ヘッドライト装置や駆動力制御装置等
の車両制御装置による制御を正確に行うことができる。
【0240】(2) 請求項2記載の二輪車の制御装置によ
れば、車速に応じてもバンク角データが修正されるの
で、バンク角データがさらに良好に修正される。したが
って、前記過渡状態において、前記車両制御装置による
制御をさらに正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の機能ブロック図であ
る。
【図2】 本発明が適用されるヘッドライト装置の構成
の概略を示す図である。
【図3】 ヘッドライト装置の一例の断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図である。
【図5】 図20及び図21に示されたヘッドライト制
御装置のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 ステップS2の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図7】 定時間割込処理のフローチャートである。
【図8】 ステップS32の詳細を示すフローチャート
である。
【図9】 図10と組合せることにより構成される車速
検出用パルスの割込により行われる割込処理のフローチ
ャートである。
【図10】 図9と組合せることにより構成される車速
検出用パルスの割込により行われる割込処理のフローチ
ャートである。
【図11】 図12と組合せることにより構成されるス
テップS57の詳細を示すフローチャートである。
【図12】 図11と組合せることにより構成されるス
テップS57の詳細を示すフローチャートである。
【図13】 ステップS62の詳細を示すフローチャー
トである。
【図14】 ステップS66の詳細を示すフローチャー
トである。
【図15】 図16と組合せることにより構成されるス
テップS67の詳細を示すフローチャートである。
【図16】 図15と組合せることにより構成されるス
テップS67の詳細を示すフローチャートである。
【図17】 ステップS130の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図18】 θhaと自動二輪車の走行距離との関係の一
例を示すタイムチャートである。
【図19】 デューティ比記憶手段125に記憶される
デューティ比テーブルの一例を示す図である。
【図20】 図21と組合せることにより構成される本
発明の第1の実施例を具備する二輪車のヘッドライト制
御装置の構成及びその動作を示す機能ブロック図であ
る。
【図21】 図20と組合せることにより構成される本
発明の第1の実施例を具備する二輪車のヘッドライト制
御装置の構成及びその動作を示す機能ブロック図であ
る。
【図22】 第2補正係数βを構成するβ1の内容を示
す図である。
【図23】 第2補正係数βを構成するβ2の内容を示
す図である。
【図24】 第4補正係数δの内容を示す図である。
【図25】 コンビスイッチ49、フラグFb 及びタイ
マ133の状態と、定電圧回路47より出力される電源
電圧との関係を示すタイムチャートである。
【図26】 ステップS4の詳細を示すフローチャート
である。
【図27】 ステップS62の内容の他の例を示すフロ
―チャ―トであり、図13と対応する図である。
【図28】 本発明の第2の実施例が適用される自動二
輪車の一例の側面図である。
【図29】 図28の平面図である。
【図30】 インジケータパネル1010の詳細を示す
平面図である。
【図31】 本発明の第2の実施例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図32】 図33と組合せることにより構成される本
発明の第2の実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図33】 図32と組合せることにより構成される本
発明の第2の実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図34】 バンク角補正係数Kθの内容を示すテーブ
ルである。
【図35】 ステップS507の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図36】 ステップS607におけるバンク角補正係
数Kθの修正手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】 ステップS607におけるバンク角補正係
数Kθの修正手順の他の例を示すフローチャートであ
る。
【図38】 ステップS509における駆動力制御用点
火時期Cθig(n)の演算処理の詳細を示すフローチャー
トである。
【図39】 基本補正量Δθigの内容を示すマップであ
る。
【図40】 ΔθigとNe との関係を示す図である。
【図41】 ΔθigとKtotal との関係を示す図であ
る。
【図42】 スリップ率の変化の一例を示すタイムチャ
ートである。
【図43】 減算補正量Zの内容を示すテーブルであ
る。
【図44】 ギヤ比係数Kg の内容を示すテーブルであ
る。
【図45】 ステップS510の処理の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図46】 第5補正係数γ´を用いてステップS60
4において設定されたKθを修正するための、該第5補
正係数γ´及び修正前のKθとをパラメータとするマッ
プである。
【図47】 Sb(n)、S及びΔS(n) の関係を示す図で
ある。
【図48】 図49と組合せることにより構成される本
発明の第2の実施例の機能ブロック図である。
【図49】 図48と組合せることにより構成される本
発明の第2の実施例の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…ヘッドライト装置、18…サーボモータ、31…車
速センサ、32…舵角センサ、116…Δθh 演算手
段、117…βマップ、201…車速演算手段、202
…ハンドル切れ角演算手段、203…バンク角演算手
段、204…モータ制御量演算手段、1003…前輪速
度センサ、1004…後輪速度センサ、1008…イグ
ニションコイル、1024…スリップ率演算手段、10
27…Δθig設定手段、1034…駆動力制御用点火時
期演算手段、1035…標準点火時期演算手段、103
6…切換手段、1040…点火制御手段、1501…K
θ設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 29/02 311 A 9248−3G 45/00 314 M 8109−3G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速を演算する車速演算手段と、ハンド
    ル切れ角を演算するハンドル切れ角演算手段と、車速及
    びハンドル切れ角に応じて、当該二輪車のバンク角を演
    算するバンク角演算手段と、演算されたバンク角に応じ
    て、当該二輪車を制御する車両制御手段とを具備した二
    輪車の制御装置において、ハンドル切れ角の変化速度を
    演算する変化速度演算手段をさらに備え、前記バンク角
    演算手段は、さらにハンドル切れ角の変化速度に応じて
    バンク角データを修正することを特徴とする二輪車の制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記バンク角演算手段は、さらに車速に
    応じてバンク角データを修正することを特徴とする請求
    項1記載の二輪車の制御装置。
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