JP2878811B2 - 二輪車のヘッドライト制御装置 - Google Patents

二輪車のヘッドライト制御装置

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JP2878811B2 JP2240007A JP24000790A JP2878811B2 JP 2878811 B2 JP2878811 B2 JP 2878811B2 JP 2240007 A JP2240007 A JP 2240007A JP 24000790 A JP24000790 A JP 24000790A JP 2878811 B2 JP2878811 B2 JP 2878811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は二輪車のヘッドライト制御装置に関するもの
であり、特に、その配光状態を制御することのできるヘ
ッドライト装置を有する二輪車のヘッドライト制御装置
に関するものである。
(従来の技術) 自動二輪車等のヘッドライト装置においては、当該二
輪車等が直線走行しているか、コーナリングしているか
にかかわらず、車体前方の所要部に対して常に良好な配
光が成されることが要求される。このため、光源からの
光の一部を反射鏡の前面開口部側に配置した遮蔽板(以
下、シェードという)により遮蔽することにより、所定
の配光パターンを形成するように構成されたヘッドライ
ト装置が知られている。このような装置は、例えば特開
昭63−158701号公報に記載されている。
ところで、このようなヘッドライト装置を制御するた
めには、当該自動二輪車等の車体の傾斜角(以下、バン
ク角という)を検出する必要があるが、前記公報におい
ては、バンク角の検出としてジンバル、ジャイロスコー
プ等を用いているために、当該ヘッドライト制御装置の
構造が複雑化し、コストアップにつながる。
このような不具合を解決するために、本出願人は、特
開平1−101245号において、車速とハンドル切れ角とに
よりバンク角を検出する技術を既に提案している。
ところで、ハンドル切れ角を検出するための舵角セン
サは、例えば当該二輪車のステアリングステム等に設け
られるポテンショメータにより構成されるが、この舵角
センサの中央位置と、ハンドルの中央位置(直進走行す
る場合のハンドル角)とを予め対応つけておいても、そ
の後のステアリング等のメンテナンスや、経時変化等に
よって、舵角センサの取付位置がずれるおそれがある。
この場合、舵角センサの中央位置が実際のハンドルの中
央位置からずれ、舵角センサの出力信号により演算され
るハンドル切れ角が、実際のハンドル切れ角と異なる値
となる場合が生じる。
したがって、舵角センサの中央位置を、走行状態に応
じて(すなわち直進走行と予測できる場合に)演算し、
該演算値(以下、ダイナミックセンター値という)を用
いてハンドル切れ角を演算することが望ましい。比較的
長い距離を走行しているにもかかわらず舵角センサの出
力信号が変化しないような場合には、当該二輪車は直線
走行していると予測できるから、このときの舵角信号を
用いて前記ダイナミックセンター値を演算することがで
きる。
(発明が解決しようとする課題) 前述のように、ダイナミックセンター値を用いてハン
ドル切れ角を演算する場合には、当該二輪車の状況(例
えば走行直後の場合、走行距離が短い場合、又は休憩等
に為にコンビスイッチを一旦オフとし、その直後に走行
を再開するような場合)によっては、配光制御の信頼性
が低下するおそれがある。
すなわち、当該二輪車が走行直後である場合、又は走
行を開始してから間もない場合には、直線走行距離が短
く、また学習頻度も少ないため、前記ダイナミックセン
ター値の信頼性は低い。したがって、このような場合に
ハンドル切れ角を演算してシェードの制御を行っても、
シェード制御の信頼性は低く、ドライバは違和感を感じ
る。
また、ダイナミックセンター値が正確に得られた後で
あっても、ドライバが休憩等の為にコンビスイッチを一
旦オフにしてしまうと、ダイナミックセンター値を記憶
していたRAM等に対する電源の供給が断たれ、ダイナミ
ックセンター値が消失してしまうおそれもある。したが
って、このような休憩の後、再度走行を開始する場合に
は、シェード制御の信頼性は休憩前に比較して低下し、
ドライバは違和感を生じる。
本発明は、前述の問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的は、当該二輪車が当該ヘッドライト
装置の配光制御の信頼性が低下するような状況にあって
も、ドライバに対して配光制御による違和感を与えるこ
とのないヘッドライト制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段及び作用) 前記の問題点を解決するために、本発明は、ダイナミ
ックセンター値が検出されるまでは、配光制御を停止す
るようにした点に特徴がある。
また、本発明は、ダイナミックセンター値が低信頼性
であると予測される場合には、該ダイナミックセンター
値を用いた配光制御を緩和させるようにした点にも特徴
がある。
さらに、本発明は、コンビスイッチが開状態となった
ことを検出し、この場合には、少なくともダイナミック
センター値を記憶するダイナミックセンター値記憶手段
に所定時間だけ電源供給を行うようにした点にも特徴が
ある。このように前記所定時間だけコンビスイッチを断
状態とした場合でも、それまでに演算され、記憶された
ダイナミックセンター値が消失しない。
(実施例) 以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
第2図は本発明が適用されるヘッドライト装置の構成
の概略を示す図、第3図はヘッドライト装置の一例の断
面図である。各々の図において、それぞれ同一の符号
は、同一又は同等部分をあらわしている。また、第2図
において、H−H線及びV−V線は、それぞれ水平線及
び鉛直線を示している。なお、図示したヘッドライト装
置は、自動二輪車が左側通行する場合のものである。
各々の図において、ヘッドライト装置1は、図示され
ないランプボディ内に収容されて、当該自動二輪車に装
着されている。
回転楕円体面をなす反射面3を有する反射鏡4の前方
に、連結部材5を介して凸レンズ6が取り付けられてお
り、反射鏡4及び凸レンズ6のそれぞれ光軸は、一致し
ている(光軸X)。
バルブ7は、その光源であるフィラメント8が反射面
3を形成する楕円の第1焦点F1に位置するように取り付
けられている。
F2は、前記楕円の第2焦点で、この実施例において
は、凸レンズ6の入射面に位置している。
F3は凸レンズ6の焦点であり、シェード9の上縁の中
心点9Cが該焦点F3に位置している。
シェード9の上縁は、光線照射方向に対して左右方向
に延びている。そして、左側(反射鏡4側から凸レンズ
6側に向かって左、以下同様)の上縁9Aは、中止点9Cと
同じ高さで水平に延びているが、右側の上縁9Bは、中心
点9Cから下方に傾斜している。シェード9の下縁には、
後方すなわち反射鏡4側に屈曲した取付部9Dが一体に形
成されており、該取付部9Dがねじ11により後方のギヤプ
レート10に固定されている。
ギヤプレート10は、ヘッドライト装置1の横断面下半
分全体を覆う大きさの扇形状をなしている。このギヤプ
レート10の上縁の中心部すなわちシェード9の中心点9C
の背後に位置する部分に光軸Xを軸線とする軸受穴12が
設けられている。
ギヤプレート10の背後には、その下縁を反射鏡4の開
口縁下部に固定れた支柱部材14が立設されている。前記
支柱部材14の上端はギヤプレート10の突出部13の後方に
位置し、この部分に前記軸受穴12に整合する軸受穴15が
設けられている。そして、この軸受穴12,15にピボット
軸16が挿通されて、ギヤプレート10を支柱部材14に移動
可能に支軸する軸受部17が形成されている。
また、前記ギヤプレート10は、その下部においてサー
ボモータ18により駆動される駆動ギヤ19と噛み合ってい
る。したがって、サーボモータ18を駆動させることによ
り、ギヤプレート10を軸受部17の軸線すなわち光軸Xを
中心として傾動させることができ、これに応じてシェー
ド9がその上縁の中心点9Cを通る光軸Xのまわりに傾動
する。
このように構成されることにより、バルブ7より照射
される光は、第2図に示されるように、暗部21及び明部
22を有する配光状態となる。前記暗部21及び明部22を区
画する明暗境界線9a及び9bは、それぞれ前記シェード9
の上縁9A及び上縁9Bにより決定される。
本発明による基本制御は、当該二輪車が左側にコーナ
リングする場合には明暗境界線9a及び9bが第2図L方向
に回転するように、また右側にコーナリングする場合に
は同図R方向に回転するように、前記サーボモータ18を
駆動して、シェード9を回転させる。
なお、このようなヘッドライト装置の構成は単なる一
例であり、本発明に適用されるヘッドライト装置はいか
なるものであっても良い。
第4図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
第4図において、自動二輪車30の車速(前輪の速度)
Vを検出するための車速センサ31と、ハンドルの切れ角
を検出する舵角センサ32と、シェード9を回転させるた
めのサーボモータ18と、該サーボモータ18の回転角(す
なわち、シェード9の回転角)を検出するためのモータ
回転角センサ33とは、自動二輪車30の適宜の箇所に取り
付けられている。この例においては、前記モータ回転角
センサ33は、適当な減速率を有する減速機構43を介して
サーボモータ18に接続されている。
符号42は、当該ヘッドライト制御を行うための、マイ
クロコンピュータを備えた電子制御装置であり、必要に
応じて、当該自動二輪車30の他の各種制御(エンジンの
点火時期制御、燃料噴射制御等)も行う。
前記車速センサ31は、入力回路34及びレベル判定回路
35を介して、また、前記舵角センサ32は、入力回路36及
びA/Dコンバータ37を介して、それぞれ電子制御装置42
に接続されている。
また、前記サーボモータ18は、保護回路38及びドライ
バ39を介して、また前記モータ回転角センサ33は、入力
回路40及びA/Dコンバータ41を介して、それぞれ電子制
御装置42に接続されている。
前記入力回路34、36及び40は、ノイズ、サージ電圧、
静電気あるいは電磁波等の影響から、レベル判定回路3
5、A/Dコンバータ37及び41、並びに電子制御装置42を保
護する。同様に、保護回路38も、前記したような影響か
らサーボモータ18を保護する。
前記車速センサ31は、例えば前輪の回転に応じてパル
ス(以下、車速検出用パルスVPという)を発生するパル
ス発生器である。また前記舵角センサ32及びモータ回転
角センサ33は、例えば、それぞれハンドルの切れ角及び
サーボモータ18の回転角に応じて出力電圧が変化するポ
テンショメータである。
レベル判定回路35は、後述するように、入力回路34を
介して出力された車速検出用パルスVPの電圧値を判定
し、該電圧値が所定範囲内にない場合には、その旨の信
号を電子制御装置42に出力する。前記電子制御装置42
は、前記信号を検出して、車速センサ31が断線又は短絡
しているものと判断し、その後は、シェード9の制御を
停止する。
電源回路45は、切換回路46及び定電圧回路47を備えて
いる。そして、コンビスイッチ49のオン操作により、バ
ッテリ44が定電圧回路47に接続され、所定電圧(例えば
+5[V])が電子制御装置42等に供給される。
また、コンビスイッチ49のオン操作は、抵抗48を有す
る接続ラインにより、電子制御装置42に検出される。そ
して、コンビスイッチ49がオンからオフ状態になると、
切換回路46が切り替えられ、該オフ状態から予定時間
(例えば3時間)の間は、バッテリ44が電源回路45に接
続され、電子制御装置42等がバックアップされる。
また、バッテリ44が定電圧回路47に接続されている間
は、該バッテリ44は、図示されるように、抵抗53、イン
ジケータランプ50、保護回路51及びスイッチング素子52
に接続される。常時はスイッチング素子52がオンとなっ
ているので、インジケータランプ50は点灯しないが、異
常時には、スイッチング素子52がオフとなり、インジケ
ータランプ50に通電され、点灯する。
第17図は本発明の一実施例を具備する二輪車のヘッド
ライト制御装置の構成及びその動作を示す機能ブロック
図である。第17図において、第4図と同一の符号は、同
一又は同等部分をあらわしている。
第17図において、車速センサ31より出力される車速検
出用パルスVPは、断線/短絡検出手段101に入力され、
該パルスの電圧値が検出される。この電圧値が予想され
る値よりも小さい場合、又は大きい場合には、それぞれ
短絡又は断線と判断され、Fid発生手段102よりフラグFi
dが発生される。この断線/短絡検出手段101の機能は、
レベル判定回路35(第4図)により達成される。
ドライバ130は、常時はスイッチング素子52をオンと
しているので、インジケータランプ50は消灯している
が、前記フラグFidの発生により、スイッチング素子52
をオフとし、インジケータランプ50を点灯させる。この
インジケータランプ50は、当該自動二輪車の異常を表示
するものである。
また、前記Fidの発生により、後述する切換手段123が
付勢されて、モータ復帰手段127がドライバ39に接続さ
れる。これにより、当該ヘッドライト制御装置は、バン
ク角に応じたシェード9の制御(サーボモータ18の制
御)を停止し、シェード9を中央位置(θm)に復帰さ
せる。
車速センサ31の断線又は短絡が検出されない場合に
は、車速検出手段103により、適宜の手法により、当該
自動二輪車の車速Vが検出される。
速度範囲確認手段104は、車速Vが例えば3[km/h]
≦V≦127.5[km/h]である場合には、車速Vをそのま
まバンク角演算手段120に出力し、V<3[km/h]であ
る場合には、車速Vを0[km/h]としてバンク角演算手
段120に出力する。
127.5[km/h]<Vである場合には、Fvo発生手段105
が付勢れ、フラグFvoが発生される。このFvoの発生によ
り、切換手段123が付勢れ、第2モータ制御手段126がド
ライバ39に接続される。このように自動二輪車が高速で
走行している場合には、コーナリング半径が大きく、シ
ェード9の制御は不要であるので、前記第2モータ制御
手段126は、シェード9を徐々に中央位置に復旧させ
る。
舵角センサ32より出力される舵角信号θho(n)は、
所定タイミング毎に断線/短絡検出手段106に入力さ
れ、その電圧値が検出される。そして、この断線/短絡
検出手段106は、前記断線/短絡検出手段101と同様に、
前記電圧値が予想される値よりも小さい場合、又は大き
い場合には、それぞれ舵角センサ32の短絡又は断線と判
断する。これにより、Fid発生手段107よりフラグFidが
発生される。
Δθh演算手段116は、前記θho(n)を取り込み、
その偏差Δθhを演算する。前述のように、θh0(n)
は所定タイミング毎に検出されるので、Δθhはハンド
ル切れ角の変化速度である。
移動平均値演算手段108は、サンプリングされた所定
数のθh0(n)からその平均値を演算すると共に、それ
らを該平均値が演算されるたびに複数個集め、さらにそ
れらの平均値(移動平均値)を演算する。もちろん、前
記移動平均値演算手段108は、サンプリングされた所定
数のθh0(n)から、単にその平均値を演算するだけで
あっても良い。
θhaはダイナミックセンター値演算手段110に入力さ
れ、舵角センサ32の動的な中央位置のデータθdcdを演
算する。このダイナミックセンター値演算手段110によ
るθdcdの演算は、θhaが演算されるたびに行われても
良いが、分周比記憶手段112に記憶された分周比で(す
なわち、θhaが所定回数演算されるたびに)行われても
良い。
なお、前記ダイナミックセンター値演算手段110によ
るθdcdの演算は、第10図に関して後述するように、前
記ハンドル舵角の移動平均値θha、不感帯幅記憶手段11
1に記憶された不感帯幅R、及び車速検出用パルスVP
(換言すれば、当該自動二輪車の走行距離データ)によ
り行われる。
演算されたダイナミックセンター値θdcdは、ダイナ
ミックセンター値記憶手段113にθdcとして記憶され
る。
ハンドル切れ角演算手段109は、ハンドル切れ角の移
動平均値θha、及びダイナミックセンター値記憶手段11
3から読み出されたダイナミックセンター値θdcを用い
て、ハンドル切れ角θh(n)(ハンドルの中央位置か
らのハンドル切れ角)を演算する。
変化量制限手段114は、今回演算されたハンドル切れ
角θh(n)の値が、前回演算されたハンドル切れ角θ
h(n−1)から所定レベルを上回っていたならば、θ
h(n)を前記所定レベルの範囲内に抑える。換言すれ
ば、変化量制限手段114は、ハンドル切れ角の変化量が
所定レベル以上であるか否かを検出し、所定レベル以上
である場合には、該変化量が前記所定レベルとなるよう
にハンドル切れ角を修正し、これをδテーブル119及び
バンク角演算手段120に出力する。
これにより、ハンドルが急に切られても、バンク角θ
bの検出値が緩和される。
αテーブル118、βマップ117及びδテーブル119は、
それぞれ第1補正係数α、第2補正係数β及び第4補正
係数δが記憶されたテーブル又はマップであり、それぞ
れ車速V、該車速V及びΔθh、そしてθh(n)を用
いて読み出される。
バンク角演算手段120は、車速V、及びハンドル切れ
角θh(n)、並びに第1補正係数α、第2補正係数β
及び第4補正係数δを用いて、第1式より、当該自動二
輪車のバンク角(当該自動二輪車の、走行時における傾
斜角)θbを演算する。
θb=V×α×θh(n)×δ×β …(1) ここで、前記第1補正係数α、第2補正係数β及び第
4補正係数δを説明する。
第1補正係数αは、車速V及びハンドル切れ角θh
(n)を用いてバンク角θbを決定する際の係数であ
り、車速Vに応じて読み出される。
第2補正係数βは、車速V及びハンドル切れ角の変化
速度Δθhをパラメータとして決定される係数である。
この第2補正係数βがΔθhをパラメータとする係数β
1、及び車速Vをパラメータとするβ2の積で表現され
るものとすると、該β1及びβ2は第18図及び第19図に
示されるような係数になる。つまり、第2補正係数β
は、Δθhが大きいほど、また車速Vが大きいほど、小
さい値に設定されている。
すなわち、コーナリングの開始時、又は終了時等にお
いては、ハンドル切れ角はバンク角に直接対応した数値
とならない。つまり、例えば左に旋回しようとする場
合、ライダは、ハンドルを一旦瞬時に右側に切ってライ
ダの重心を当該自動二輪車の左側に移動させた後、ハン
ドルを左側切ることになるから、このような旋回の過渡
状態では、ハンドル切れ角とバンク角とは直接対応しな
い。そして、このような場合、ハンドル切れ角から直接
バンク角θbを演算すると、バンク角に応じたシェード
9の制御ができないおそれがある。
したがって、このような過渡状態、すなわちθΔhが
急変するような場合には、該Δθhが大きいほど小さく
設定された第2補正係数βを乗算することにより、演算
されるバンク角の急変化を極力抑えるようにし、バンク
角の演算、すなわちシェード9の制御が正確にできるよ
うにしている。
また、同じハンドル切れ角の変化速度でも、バンク角
は、車速Vが大きいほど小さくなるので、第2補正係数
βを車速Vが大きいほど小さな値とし、前記変化速度及
び車速Vが共に大きい場合には、バンク角が、想定れる
データよりもさらに小さいものと判定し、バンク角デー
タをさらに減少させて、シェード9の制御をさらに良好
に行うようにしている。
定常円旋回に入った場合には、Δθhの変化が少なく
なるために、第2補正係数βの値が大きくなり、ハンド
ル切れ角に応じて正確にバンク角が算出できる。
第4補正係数δは、ハンドル切れ角、及びハンドルが
右に切れているか左に切れているかに応じて決定される
係数であり、ハンドル切れ角が同一であっても、ハンド
ルが右に切れている場合には、左に切れている場合に比
較して小さな値に設定されている。この第4補正係数δ
の内容を第20図に示す。
つまり、バンク角が0である場合、すなわち当該自動
二輪車が直立して走行している場合には、シェード9は
中央位置にあるが、その配光状態は、もともと自動二輪
車前方右側はフラット、そして前方左側は左上がりとな
っている。したがって、ハンドルが右に切れている場合
と左に切れている場合と(バンク角が右である場合と左
である場合と)でシェード9の回転角を同一とすると、
ライダにとってはバンク角が右側になった場合の配光制
御量が大きく感じられてしまうおそれがある。
この実施例では、バンク角からシェード9の制御量を
決定するようにしているので、バンク角が右側である場
合に、前記制御量を小さくするために、この第4補正係
数δを用いている。
モータ制御量演算手段121は、バンク角θbに後述す
る第3補正係数γを乗算してサーボモータ18のモータ中
央値(当該二輪車が直進走行している場合におけるシェ
ードの回転角(シェードの中央位置)に対応するシェー
ド駆動用モータの回転角)からの回転角(モータ制御
量)θmを演算する。前記第3補正係数γは、前記ダイ
ナミックセンター値記憶手段113に記憶れたダイナミッ
クセンター値θdcの値が、走行の開始直後であり、安定
した直進状態が検出されない場合のものであるときに
は、前記ダイナミックセンター値演算手段110より出力
されるデータにより、減少される。したがって、ハンド
ル切れ角θh(n)の信頼性が低い領域では、モータ制
御量θmの値が緩和される。
演算されたモータ制御量θmが所定角度以内である場
合には、Fbu発生手段122が付勢され、フラグFbuが発生
される。このフラグFbuの発生により、第2モータ制御
手段126がドライバ39に接続される。このようにモータ
制御量θm、換言すればバンク角θbが比較的小さい場
合には、直進時のちょっとしたライン変更や、路面の凹
凸等による、車体のノイズ的な傾斜であると判断できる
から、このような場合には、シェード9の制御は不要で
あるので、前記第2モータ制御手段126は、バンク角θ
bに応じたシェード9の制御を行わず、該シェード9を
徐々に中央位置に復旧させる。
前記フラグFid,Fvo及びFbu、並びに後述するフラグF
d,Fd1及びFvo1が発生されていない(“H"となっていな
い)場合には、モータ制御量θmは、第1モータ制御手
段124に供給される。この第1モータ制御手段124は、前
記θmに、後述するようにして算出されたモータ中央値
θmcを加算することにより、モータ制御角θm0を演算
し、さらに、該制御角θm0と、モータ回転角センサ33よ
り断線/短絡検出手段128を介してデータされるモータ
の実回転角θm1とを用いて、ドライバ39に制御信号を出
力し、サーボモータ18をフィードバック制御する。
このフィードバック制御は、モータ制御角θm0とモー
タ実回転角θm1との差に応じたデューティ比をデューテ
ィ比記憶手段125(第16図参照)より読出し、サーボモ
ータ18をチョッピング制御することにより行われる。
前記断線/短絡検出手段128は、モータ回転角センサ3
3より出力れるモータ実回転角θm1の電圧値を検出し、
前記前記断線/短絡検出手段101及び106と同様に、前記
電圧値が予想される値よりも小さい場合、又は大きい場
合には、それぞれモータ回転角センサ33の短絡又は断線
と判断する。これにより、Fid発生手段129よりフラグFi
dが発生される。
切換回路46は、常時(初期状態)はコンビスイッチ49
をオンとしなければ、バッテリ44が定電圧回路47に接続
されないように構成されている。
コンビスイッチ49が投入れると、バッテリ44より抵抗
48を介して流入する電流によりFb発生手段131が付勢さ
れ、フラグFbが発生する。そして、このフラグFbの発生
により、バックアップタイマ133がリセットされる。ま
た、フラグFbの発生は、コンビスイッチ49をオフにする
と解除される。
前記フラグFbが発生してから消滅した場合、すなわち
フラグFbの立ち下がりにより、Fhr発生手段132が付勢さ
れ、フラグFhrが発生される。これにより、バックアッ
プタイマ133が起動されると共に、切換回路46が付勢
れ、定電圧回路47が、コンビスイッチ49を介さずに直接
バッテリ44に接続される。
前記バックアップタイマ133は、予定時間(例えば3
時間)の経過を検出すると、前記切換回路46を消勢し、
定電圧回路47をバッテリ44から切り離す。
すなわち、コンビスイッチ49がオフとなっても前記予
定時間の間は、当該ヘッドライト制御装置に電源が接続
されたままとなり、RAM等の各種記憶手段に記憶された
各種データ(ダイナミックセンター値記憶手段113に記
憶されたダイナミックセンター値θdc等)が保持され
る。したがって、例えばライダがコンビスイッチ49をオ
フとして休憩をした後、再び走行を開始したような場合
には、即座に良好なヘッドライトの制御が可能となる。
また、前記バックアップタイマ133が予定時間を検出
する前に、コンビスイッチ49がオンとなった場合には、
Fb発生手段131より発生されるフラグFbにより、該バッ
クアップタイマ133はリセット、停止される。また、切
換回路が消勢される。
コンビスイッチ49、フラグFb及びバックアップタイマ
133の状態と、定電圧回路47より出力される電源電圧と
の関係を示すタイムチャートを、第21図に示す。
コンビスイッチ49のオン状態が検出された場合、すな
わちフラグFbの立ち上がりが検出された場合には、モー
タ復帰手段127が付勢される。この場合、モータ復帰手
段127は、車速Vが所定速度(例えば3[km/h])以下
である場合には、シェードがその左右ストッパに当接す
るまで、サーボモータ18を右方向及び左方向に一杯に回
転させ、それぞれのモータ実回転角を検出し、それらの
1/2の値を演算する。シェード及びそのストッパが当該
二輪車のフレームに対して正確に取り付けられているな
らば、この値は、ハンドルの中央位置に対応するモータ
中央値θmcである。
この後、サーボモータ18が前記中央値θmcとなるよう
に、該サーボモータ18を制御する。
さて、第10図に関して後述するように、前記ダイナミ
ックセンター値演算手段110により算出されたダイナミ
ックセンター値θdcdが、当該ヘッドライト制御に用い
られるのに相応しい値となった場合、換言すれば、当該
自動二輪車が比較的長い距離を走行してダイナミックセ
ンター値θdcdが信頼できる値となったことが判別され
た場合には、Fd発生手段115及びFd1発生手段134より、
フラグFd及びFd1が発生される。
フラグFdが発生されるまでの間は、前記Fbの発生によ
りサーボモータ18が中央位置に戻された後は、該モータ
の制御は行われないが、Fdの発生により切換手段123が
制御され、第1又は第2モータ制御手段124又は126によ
る制御が可能となる。
また前記Fd1の発生により、フラグFdの立ち上がり時
だけ、バンク角θbに応じたサーボモータ18の制御が第
2モータ制御手段124により緩和され、モータの回転角
が制御角θm0に徐々に一致するように制御され。その
後、フラグFd1がリセットされ、第1モータ制御手段124
により制御が続行される。
また、前述のように、前記第2モータ制御手段126
は、フラグFvoが発生している場合(127.5[km/h]<V
となった場合)には、シェード9を徐々に中央位置に復
旧させるが、車速Vが127.5[km/h]以下となった場
合、すなわち、Fvoの立ち下がりにより、Fvo1発生手段1
35が付勢され、フラグFvo1が発生されると、バンク角θ
bに応じたサーボモータ18の制御が再開される。この場
合、モータの回転角は、制御角θm0に徐々に一致するよ
うに制御され、そして、一致が確認された場合には、前
記フラグFvo1がリセットされ、その後、第1モータ制御
手段124により制御が続行される。
なお、前述の説明より明らかなように、断線/短絡検
出手段101,106及び128は、それぞれ同様の機能である
が、この実施例においては、断線/短絡検出手段101の
みがハード構成となっており(すなわち、その機能はレ
ベル判定回路35により実現されており)、断線/短絡検
出手段106及び128の機能は、電子制御装置42(第4図)
によりソフトウェアにより実現されている。もちろん、
断線/短絡検出手段101の機能も電子制御装置42により
行われても良い。
次に、第17図に示された二輪車のヘッドライト制御装
置の動作を詳細に説明する。この実施例によるシェード
9の制御は、基本的には、第5図に示されるメインルー
チンと、メインルーチン実行中の定時間ごとに行われる
割込処理(第7図)、及びメインルーチン実行中に車速
検出用パルスの割込により行われる割込処理(第9図)
により行われる。
第5図において、まずステップS1では、イニシャライ
ズが行われる。これにより、フラグFbが“H"と、また、
それ以外の各種フラグ(Fvo,Fvo1,Fbu,Fd,Fd1,Fid及びF
hr)が、“L"にセットれる。また、第7図に関して後述
するn、並びに各種カウンタ及びタイマ等がリセットさ
れる。さらに、第10図に関して後述するLdcmaxが“0"デ
ータにセットされる。
ステップS2においては、シェードの初期動作確認が行
われる。この処理では、シェード9(第2図及び第3
図)を中央位置(すなわち、当該自動二輪車30が直進走
行している場合のシェード9の位置)に復帰させる。こ
の処理の詳細を第6図に示す。
第6図のステップS20においては、Fbが“H"であるか
否かが判別され、“L"であれば、当該処理は終了する。
Fbが“H"であれば、自動二輪車30の車速Vが3[km/
h]以下であるか否かが判別される。Vが3[km/h]を
超えていれば、当該処理は終了する。
Vが3[km/h]以下であれば、ステップS22におい
て、サーボモータ18が右方向に回転される。この回転
は、ステップS23において、シェード9がそのストッパ
(図示せず)に接触したことが検出されるまで、行われ
る。
ステップS24においては、サーボモータ18の回転角θm
1がθmrmとして読み込まれる。
ステップS25において、サーボモータ18が左方向に回
転される。この回転は、ステップS26において、シェー
ド9がストッパに接触したことが検出されるまで、行わ
れる。
ステップS27においては、サーボモータ18の回転角θm
1がθm1mとして読み込まれる。
ステップS28においては、当該二輪車が直進走行して
いる場合におけるシェードの回転角(シェードの中央位
置)に対応するシェード駆動用モータの回転角(モータ
中央値)θmcが演算される。この演算は、前記θmrm及
びθm1mの和を1/2することにより行われる。
ステップS29においては、サーボモータ18の回転角が
θmcとなるように、該サーボモータ18を駆動させる。こ
の駆動の後、当該処理は終了する。
なお、図示されていないが、前記ステップS22及びS25
の処理において、サーボモータ18の良好な回転が確認さ
れない場合にはモータロックと判断し、フラグFidが
“H"となる。このFidが“H"となった場合の効果は、第2
2図に関して後述する。
第5図に戻り、ステップS2の処理の後は、ステップS3
において、Fidが“H"であるか否かが判別される。
Fidが“L"であれば、ステップS5においてスイッチン
グ素子52がオン(すなわちインジケータランプ50が消
灯)された後、ステップS6に移行する。また、Fidが
“H"であれば、当該処理はステップS4のインジケータ処
理に移行する。この処理の詳細を第22図に示す。なお、
このインジケータ処理は、Fidが“H"となったときに割
り込みで実行されても良い。
第22図において、ステップS211では、スイッチング素
子52がオフとなり、インジケータランプ50が点灯され
る。
ステップS212においては、サーボモータ18の回転角が
θmcとなるように、サーボモータ18を制御する。フラグ
Fidが第6図に示された処理で“H"となった場合にはθm
cは算出されていないので、このような場合には、予め
定められた回転角となるように、サーボモータ18を制御
する。
そして、ステップS213においては、図示されないリセ
ットスイッチがオンとなったか否かが判別される。オン
である場合には当該処理は終了する。すなわち、第5図
のステップS1に戻る。
第5図に戻り、ステップS6においては、コンビスイッ
チ49がオフであるか否かが判別される。コンビスイッチ
49がオンであれば、ステップS7においてFhrが“L"であ
るか否かが判別される。Fhrが“L"であれば、ステップS
3に戻る。
Fhrが“H"であれば、ステップS405において、切換回
路46(第4図)がリセットされ、バッテリ44と定電圧回
路47との直接接続が解除される。前記直接接続は、後述
するステップS400において行われる。
ステップS8及びS9において、Fhr及びFbがそれぞれ
“L"及び“H"にセットされる。そして、ステップS11に
おいて、後述するステップS16でセットされたバックア
ップタイマがリセットされ、その後、当該処理はステッ
プS3に戻る。
前記ステップS6においてコンビスイッチ49がオフであ
ることが判別された場合には、ステップS12において、F
hrが“H"であるか否かが判別される。Fhrが“L"であれ
ば、ステップS14において、Fbが“L"にセットされる。
ステップS13においては、Fhrが“H"にセットされる。
ステップ400においては、前記切換回路46がセットさ
れ、バッテリ44と定電圧回路47とが直接接続される。
そして、ステップS16において、バックアップタイマ
により時間計測が開始された後、ステップS3に戻る。
前記ステップS12においてFhrが“H"であることが判別
された後は、ステップS17において所定時間(例えば3
時間)が経過したか否かが判別される。前記所定時間の
経過が判別されない場合には当該処理はステップS3に戻
り、前記所定時間の経過が判別された場合には、ステッ
プS404において切換回路46がリセットされ、バッテリ44
と定電圧回路47との直接接続が解除される。コンビスイ
ッチ49はオフであるから、これにより、当該ヘッドライ
ト制御装置に対する電源の接続がなくなり、そして、当
該処理は終了する。
第7図はメインルーチン実行中に定時間ごと(例えば
5[msec]ごと)に行われる割込処理(定時間割込処
理)を示すフローチャートである。
第7図において、ステップS30においては、nに1が
加算される。
ステップS31においては、舵角センサ32の出力信号で
ある舵角信号θh0(n)が読み込まれる。
ステップS32においては、舵角センサ32の断線/短絡
検出処理が行われる。この処理の詳細を第8図に示す。
なお、A/Dコンバータ37(第4図)を介して出力される
舵角センサ32の信号は、通常は、例えば0.5〜4.5[V]
の範囲(ハンドルが最も左に切れた場合〜最も右に切れ
た場合)にあり、製造取付誤差がある場合には、0〜5
[V]の範囲までとする。
第8図において、ステップS40においては、θh0
(n)が0.5[V]を下回っているか否かが判別され、
下回っていればステップS42に、下回っていなければス
テップS41に移行する。
ステップ41においては、θh0(n)が4.5[V]を上
回っているか否かが判別され、上回っていればステップ
S42に、上回っていなければステップS46に移行する。
ステップS42においては、車速Vが例えば30[km/h]
以上であるか否かが判別され、30[km/h]以上であれば
ステップS43に、30[km/h]以上でなければステップS46
に移行する。
ステップS43においては、切れ角カウンタ(図示せ
ず)のカウント値に1が加算される。
ステップS44においては、前記カウント値が20以上で
あるが否かが判別され、20未満であれば当該処理は終了
する。また、前記カウント値が20以上である場合には、
舵角センサ32の断線又は短絡と判定し、ステップS45に
おいてFidが“H"にセットされ、その後、当該処理は終
了する。
また、ステップS46においては、前記切れ角カウンタ
のカウント値がリセットされる。
つまり、この第8図の処理は、比較的高速(30[km/
h]以上)で走行している場合には、ハンドル切れ角が
あまり大きくならない(θh0(n)があまり大きく、又
はあまり小さくならない)という事実に基づいて舵角セ
ンサ32の断線/短絡検出を行うものである。
もちろん、舵角センサ32に製造誤差がなく、断線/短
絡でない場合にはその出力が必ず0.5〜4.5[V]となる
場合には、ステップS40及びS41のしきい値を0.5[V]
よりも大きく、また4.5[V]よりも小さくしても良
い。
また、このように、前記しきい値を当該舵角センサ32
より出力が予想される最大の範囲よりも小さな範囲の上
端値及び下端値に設定する場合には、ステップS42の処
理を省略することによっても、舵角センサ32の断線/短
絡の検出を行うことができる。
第7図に戻り、ステップS33においては、第2式よ
り、ハンドル切れ角の変化速度Δθhが演算される。
Δθh=θh0(n)−θh0(n−10) …(2) なお、第2式において、θh0(n)から減算される値
は、(n−10)以外のタイミングで検出されたθh0でも
良い。
ステップS34においては、θh0を用いて、第17図に関
して前述したような移動平均値(又は単なる平均値)を
演算する。
ステップS35においては、後述するダイナミックセン
ター値θdcが読み出される。
ステップS36においては、第3式より、ハンドル切れ
角(ハンドルの中心位置からの切れ角)θh(n)を演
算する。
θh(n)=θha−θdc …(3) ステップS37においては、θh(n)からθh(n−
1)を減じた差の絶対値が、所定[レベル]、例えば3
[レベル](1[レベル]は当該マイクロコンピュータ
により演算可能な最小値、すなわちマイクロコンピュー
タに設定された分解能、以下、同様)を超えているか否
かが判別される。所定レベルを超えていなければステッ
プS39へ、所定レベルを超えていればステップS38に移行
する。
ステップS38においては、θh(n)の絶対値が、θ
h(n−1)に2[レベル]を加算した値にセットされ
る。
そして、ステップS39において、θh(n)が記憶さ
れた後、この処理は終了する。
第9図はメインルーチン実行中に車速検出用パルスの
割込により行われる割込処理を示すフローチャートであ
る。
第9図において、まずステップS51においては、車速
検出用パルスVPの検出間隔時間を用いて、適宜の手法に
より、当該自動二輪車30の車速Vが検出される。
ステップS52においては、車速Vが127.5[km/h]を超
えているか否かが判別される。超えていれば、ステップ
S53においてFvoが“H"にセットされてステップS56に移
行する。
車速Vが127.5[km/h]を超えていない場合には、ス
テップS201において、フラグFvoが“H"であるか否かが
判別される。“H"でない場合には、ステップS54に移行
する。
Fvoが“H"である場合には、ステップS202及びS203に
おいて、フラグFvo及びFvo1が、それぞれ“L"及び“H"
にセットされる。そして、ステップS204において、第13
図のステップS125において後述するθmmがリセットされ
たのち、ステップS54に移行する。
ステップS54においては、車速Vが3[km/h]を未満
であるか否かが判別される。3[km/h]未満である場合
には、ステップS55において車速Vが0[km/h]にセッ
トされてから、ステップS56に移行する。また、3[km/
h]以上である場合には、そのままステップS56に移行す
る。
ステップS56においては、後述するステップS57の処理
を行うタイミングであるか否かが判別される。すなわ
ち、ステップS57の処理は、例えば当該フローチャート
が所定回数実行される毎に行われる。
このステップS57では、舵角センサ32の動的な中心値
(ダイナミックセンター値)、すなわちハンドルが中央
に位置している場合の舵角センサ32の出力信号が演算さ
れる。このダイナミックセンター値の検出により、舵角
センサ32の取り付けが当該自動二輪車に対してずれてい
ても、ハンドル中央位置における舵角センサ32の出力信
号を正確に得ることができる。
前記ステップS57の処理の詳細を、第10図に示す。
第10図において、まずステップS71では、第7図のス
テップS34で演算されたθhaが読み込まれる。
ステップS72においては、後述するステップS85におい
て、不感帯が既にセットされているか否かが判別され
る。不感帯がセットされていなければステップS84に移
行する。
ステップS84においては、θhaがθhaaにセットされ
る。
ステップS85においては、不感帯がセットされる。こ
の不感帯は、前記θhaaの上下方向に所定幅Rを有する
ものであり(第15図参照)、その上限値θhd1及び下限
値θhd2は、前記θhaaに不感帯幅Rを加算又は減算した
ものである。
そして、後述するように、θhaが不感帯から外れた場
合に、該不感帯がセットされてから(θhaaがセットさ
れてから)θhaが不感帯から外れるまでに当該自動二輪
車が走行した距離Ldcが測定され(同図参照)、また、
後述のように所定の条件を満たした場合、そのときのθ
haaがθhaa又はθhaa(FF)として記憶される。
ステップS86においては、不感帯がセットされてから
の走行距離Ldcの計測が開始され、その後、当該処理は
終了する。
前記ステップS72において、不感帯がセットされてい
ると判別された場合には、ステップS73において、θha
が不感帯を外れたか否か、つまり、上限値θhd1を上回
ったか否か、あるいは下限値θhd2を下回ったか否かが
判別される。
不感帯を超えていなければ、ステップS87において、
走行距離Ldcが所定距離FF以上であるか否かが判別され
る。FF以上でなければ当該処理は終了する。
前記ステップS73において、θhaが不感帯を外れたこ
とが判別された場合には、ステップS74において、走行
距離Ldcの計測が終了し、記憶される。換言すれば、不
感帯がセットされてからθhaが不感帯から外れるまでに
当該自動二輪車が走行した距離、つまり安定した直進状
態の距離Ldcが検出される。
ステップS90においては、前記距離LdcがLdcmax(今ま
で検出されたLdcのうちで最も大きい値、このLdcmaxの
初期値は第5図のステップS1においてイニシャライズさ
れた“0"なる値である)以上であるか否かが判別され
る。LdcがLdcmax以上でなければ、後述するステップS75
に移行する。
LdcがLdcmax以上であれば、ステップS91において、Ld
cmaxとして前述したFFなる値がセットされているか否か
が判別される。このセットは、後述するステップS95に
おいて行われる。
LdcmaxがFFとなっていれば、ステップS94において、
不感帯セット時にセットされたθhaaの値がθhaa(FF)
にセットされ、その後、ステップS75に移行する。
LdcmaxがFFでなければ、ステップS92において、θhaa
の値がそのままθhaaとして記憶される。そして、ステ
ップS93においては、前記ステップS74で記憶されたLdc
がLdcmaxとして記憶され、その後、ステップS75に移行
する。
前記ステップS87においてLdcが所定距離FF以上である
ことが判別された場合には、ステップS95においてLdcma
xがFFにセットされる。前記Ldcmaxの値は、ステップS90
の処理から明らかなように、Ldcの最も大きな値に順次
セットされていくが、ステップS87においてLdcが所定距
離FF以上となったことが判別された場合には、Ldcmaxの
値はFFの値に固定される。
ステップS96においては、不感帯セット時にセットさ
れたθhaaの値がθhaa(FF)にセットされる。その後、
ステップS75に移行する。
このように、Ldcの最も大きい値がLdcmaxにセットさ
れると共に、そのときのθhaaがそのままθhaaとして記
憶される。そして、Ldcmaxが最大値FFにセットされた後
は、θhaaは、θhaa(FF)として記憶される。
ステップS75においては、Fdが“L"であるか否かが判
別され、“H"であればステップS80に移行する。
Fdが“L"であれば、ステップS76において、Ldc(又は
Ldcmax)がLdcb(<FF)を上回っているか否かが判別さ
れ、上回っていなければ、ステップS80に移行する。
LdcがLdcbを上回っていれば、ステップS77においてFd
及びFd1が“H"にセットされた後、ステップS80に移行す
る。
ステップS80においては、θhaa(FF)が4つ記憶され
ているか否かが判別される。θhaa(FF)が4つ記憶さ
れている場合には、ステップS81において、その4つの
平均値がハンドル切れ角のダイナミックセンター値θdc
dとして演算され、これがθdcとして記憶される。そし
て、ステップS82において、最も古いθhaa(FF)が削除
される。すなわち、最新の3つのθhaa(FF)が選択さ
れる。その後、当該処理はステップS83に移行する。
前記ステップS80において、θhaa(FF)が4つあるこ
とが判別されない場合には、ステップS88において、最
新のθhaa(すなわちステップS92で記憶されたθhaa、
又はステップS94若しくはS96において記憶されたθhaa
(FF))がダイナミックセンター値θdcdとして選択さ
れ、これがθdcとして記憶された後、ステップS83に移
行する。
ステップS83においては、不感帯がリセットされた
後、前記ステップS84に移行して、不感帯が再度セット
される。
第9図に戻り、ステップS58ないしS60において、第17
図に関して前述した第1補正係数α、第2補正係数β及
び第4補正係数δが読み出され、そして、ステップS61
において、前掲した第1式よりバンク角θbが演算され
る。
ステップS62においては、サーボモータ18の制御量が
演算される。この処理の詳細を第11図に示す。
第11図において、まずステップS100においては、θha
a(FF)(第10図参照)が1以上記憶されているか否か
が判別される。θhaa(FF)が1以上記憶されている場
合には、ダイナミックセンター値が信頼性の高い値であ
ると判断し、ステップS101において第3補正係数γがε
に設定される。
前述のように、バンク角θbはハンドル切れ角θh
(n)を用いて算出されており、また該θh(n)は、
第10図において決定されたダイナミックセンター値θdc
を用いて行われるが、このθdcは、θhaa(FF)が記憶
されている場合(当該自動二輪車が走行を開始してか
ら、ハンドル切れ角θhaが不感帯を外れることなく、距
離FF以上走行した場合)には信頼性が高いということが
できる。つまり、このような場合には、ハンドルは中央
位置にあると予想することができる。
したがって、このような場合には、第3補正係数γが
そのままεに設定される。
しかし、それ以外の、θhaa(FF)が一つも記憶され
ていない場合には、ダイナミックセンター値θdcの信頼
性が低いと判定され、第3補正係数γは、ステップS103
又は105に示すように、εよりも小さい値に設定され
る。
ステップS100において、θhaa(FF)が一つも記憶さ
れていないと判別された場合には、ステップS102におい
てθhaaが1以上記憶されているか否かが判別される。
θhaaが一つも記憶されていない場合には、ダイナミッ
クセンター値が算出されていないと判定し、ステップS1
03において第3補正係数γが0に設定される。すなわ
ち、後述するステップS62において、モータ制御量θm
が0となる。
θhaaが1以上記憶されている場合には、ステップS10
4において、LdcmaxがLdcbを超えているか否かが判別さ
れる。そして、Ldcbを超えていなければダイナミックセ
ンター値の信頼性が低いと判定し、ステップS103に移行
する。また、Ldcbを超えていればステップS105に移行す
る。
ステップS105においては、第4式より、第3補正係数
γを演算する。
この第4式より明らかなように、第3補正係数γはε
よりも小さな値に設定される。すなわち、ステップS105
に移行した場合、ダイナミックセンター値の信頼性はそ
れほど高くはないが、該センター値を緩和すれば、モー
タ制御量θmの演算に十分使用できるものと判定され、
第3補正係数γがLdcに応じて緩和される。
なお、前掲した第4式においては、LdcとしてLdcmax
を用いても良い。
第3補正係数γが設定された後は、ステップS106にお
いて、第5式よりサーボモータ18の制御量(サーボモー
タ18の回転軸の中心位置からの角度差)θmが演算され
る。
θm=θb×γ …(5) なお、ステップS101及びS105に示されたεは、バンク
角θbをサーボモータ18の制御量θmに変換するための
係数である。
第9図に戻り、ステップS63においては、演算された
モータ制御量θmが±5度未満であるか否かが判定され
る。±5度未満であれば、ステップS64においてフラグF
buが“H"にセットされた後、ステップS65に移行する。
θmが±5度以上であれば、ステップS205においてフ
ラグFbuが“L"にセットされ、ステップS206において、
前記ステップS204と同様にθmmがリセットされた後、ス
テップS65に移行する。
ステップS65においては、モータ回転角センサ33よりA
/Dコンバータ41(第4図)を介して出力されるサーボモ
ータ18の回転角θm1を読み込む。
ステップS66においては、モータ回転角センサ33の断
線/短絡検出処理が行われる。この処理の詳細を、第12
図に示す。なお、A/Dコンバータ41を介して出力される
モータ回転角センサ33の信号は、通常は、0.5〜4.5
[V]の範囲内にあるものとする。
第12図において、まず、ステップS110では、θm1が0.
5[V]未満であるか否かが判別される。0.5[V]未満
であればステップS112に移行し、0.5[V]以上であれ
ば、ステップS111に移行する。
ステップS111においては、θm1が4.5[V]を超えて
いるか否かが判別される。4.5[V]を超えていればス
テップS112に移行し、4.5[V]以下であれば、ステッ
プS113に移行する。
ステップS112においては、モータ回転角カウンタ(図
示せず)のカウント値に1が加算される。
ステップS114においては、前記カウント値が20以上で
あるか否かが判別され、20未満であれば当該処理は終了
する。また、前記カウント値が20以上である場合には、
モータ回転角センサ33の断線又は短絡と判定し、ステッ
プS115において、フラグFidが“H"にセットされ、その
後、当該処理は終了する。
また、前記ステップS113においては、前記モータ回転
角カウンタのカウント値がリセットされる。
第9図に戻り、ステップS67においては、サーボモー
タ18の制御が行われる。この処理の詳細を、第13図に示
す。
なお、第13図において、ステップS144及びS145の処理
は、実モータ回転角θm1を演算された制御量θm0に即座
に一致させるためのフィードバック処理、ステップS125
〜S135は、実モータ回転角を徐々に中央位置に戻すため
の処理、そして、ステップS136〜S143は、実モータ回転
角を、演算された制御量に徐々に一致させるための処理
である。
第13図において、まず、ステップS120では、フラグFd
が“L"であるか否かが判別される。“L"である場合、す
なわちコンビスイッチ49がオンとなってから、Ldc>Ldc
bとなるまでの間(第11図のステップS104に関して前述
したように、ダイナミックセンター値が信頼性の低い値
であるとき、あるいは算出されていないとき)は、サー
ボモータ18の制御を行わずに、当該処理は終了する。
Fdが“H"であれば、ステップS121において、フラグFb
uが“H"であるか否かが判別される。“H"であれば(第
9図のステップS63及びS64に関して前述したように、モ
ータ制御量θmが±5度未満のとき)ステップS221に、
“L"であればステップS122に移行する。
ステップS122においては、フラグFvoが“H"であるか
否かが判別され、“H"であれば(第9図のステップS52
及びS53に関して前述したように、車速Vが127.5[km/
h]を超えているとき)ステップS221に、“L"であれば
ステップS123に移行する。
ステップS221においては、フラグFvo1が“L"にリセッ
トされ、ステップS222では、フラグFd1が“L"にリセッ
トされる。
そして、ステップS200において、モータ制御量θmが
0であるか否かが判別される。0であれば、当該処理は
終了する。
θmが0でない場合には、ステップS125において、後
述するステップS126又はS127ですでにθmがθmmにセッ
トされているか否かが判別される。このθmmなる値は、
シェード9を徐々に中央位置に戻すための、基準データ
である。
θmmがセットされていれば、ステップS127に移行す
る。また、θmmがセットされていなければ、ステップS1
26において、現在のモータの回転角θm1から、第6図の
ステップS28で算出されたモータ回転角の中央値θmcを
減じて実モータ回転角の中央位置からの偏差を算出し、
これをθmmにセットした後、ステップS127に移行する。
ステップS127においては、θmmの絶対値から所定レベ
ル(例えば1[レベル])が減じられ、ステップS128に
おいて、θmmがモータ制御量θmにセットされる。
ステップS129においては、前記中央値θmcに前記θm
が加算され、これがモータ制御角θm0にセットされる
(第6式)。
θm0=θmc+θm …(6) ステップS130においては、ドライバ39(第4図)に対
して、制御データが出力される。この処理の詳細を、第
14図に示す。
第14図において、まずステップS150においては、モー
タ制御角θm0と実モータ回転角θm1との差(角度差)が
検出される。
ステップS151においては、前記θm0及びθm1の大小に
応じて、サーボモータ18へ通電される電流の極性が検出
される。
ステップS152においては、前記角度差に応じて、例え
ば第16図に示されようなテーブルからドライバ39に出力
されるべき信号のデューティ比が読み出される。なお、
この第16図に示されたテーブルは一例であり、サーボモ
ータ18の特性等に応じて、任意に決定される。
そして、ステップS153においては、前記極性及びデュ
ーティ比に基づいて、ドライバ39に制御信号が出力され
る。その後、当該処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、この例においては、
読み出されたデューティ比が100[%]未満である場合
には、サーボモータ18はチョッピング制御される。
第13図に戻り、ステップS131においては、θmが0で
あるか否か、すなわちサーボモータ18の回転角が中央位
置に戻ったか否かが判別される。θmが0でない場合に
は当該処理は終了する。またθmが0である場合には、
ステップS135においては、θmmの値がリセットされ、そ
の後、当該処理は終了する。このような処理により、サ
ーボモータ18が徐々に中央位置に復旧する。
前記ステップS122において、フラグFvoが“L"である
と判別された場合には、ステップS123において、フラグ
Fvo1が“H"であるか否かが判別される。“H"である場合
(第9図のステップS52,S53,S201及びS203に関して前述
したように、車速Vが127.5[km/h]を超えてから、該
速度以下となった場合)には、ステップS136に、また
“L"である場合にはステップS124に移行する。
ステップS124においては、フラグFd1が“H"であるか
否かが判別される。“H"であれば(第10図のステップS7
6及びS77関して前述したように、Ldcが走行後初めてLdc
bを上回った場合、すなわちダイナミックセンター値が
算出され始めた場合)、ステップS136に移行し、“L"で
あればステップS144に移行する。
ステップS136においては、ステップS129と同様に、第
6式の演算が行われ、モータ制御角θm0がセットされ
る。
ステップS137においては、θm0及びθm1の角度差の絶
対値が3[レベル]以上であるか否かが判別される。3
[レベル]以上でなければ、ステップS139に移行する。
また、3[レベル]以上であれば、ステップS138におい
て、モータ制御角θm0を実モータ回転角θm1から2[レ
ベル]の範囲に抑える。これにより、後述のステップS1
39におけるモータ制御が緩和される。
ステップS139においては、ステップS130と同様に、ド
ライバ39に対して制御データが出力される。
ステップS140においては、モータ制御角θm0が実モー
タ回転角θm1に一致したか否かが判別される。一致して
いなければ当該処理は終了し、一致していれば、ステッ
プS141において、フラグFvo1が“H"であるか否かが判別
される。この処理は、ステップS136〜S140の処理の実行
が、フラグFvo1=“H"に起因するものか、あるいはフラ
グFd1=“H"に起因するものかを判別するためのもので
ある。
Fvo1が“H"であれば、ステップS142においてFvo1が
“L"にセットされた後、当該処理は終了する。
Fvo1が“H"でなければ、すなわちFd1が“H"であれ
ば、ステップS143において、Fd1が“L"セットされた
後、当該処理は終了する。
前記ステップS124において、Fd1が“L"であると判別
された場合には、ステップS144において、ステップS129
及びS136と同様に、第6式の演算が行われ、モータ制御
角θm0がセットされる。
そして、ステップS145において、ステップS130及びS1
39と同様に、ドライバ39に対して制御データが出力さ
れ、その後、当該処理は終了する。
第9図に戻り、ステップS67が終了した後は、当該処
理は終了する。
さて、前記実施例では、ダイナミックセンター値演算
手段211は、第10図に示されたような手法を用いてダイ
ナミックセンター値を演算するものとして説明したが、
同図に示された手法以外の手法により演算されても良
い。
また、第3補正係数γの修正(第11図のステップS10
5)のタイミングは、同図に関して前述したようなタイ
ミングのみに限定されず、算出されたダイナミックセン
ター値の信頼性があまり高くないと予測できるタイミン
グであれば良い。
第23図は、第11図に示された処理の他の例を示すフロ
ーチャートであり、第11図と同一の符号は同等処理をあ
らわしている。
第23図において、まずステップS300では、ダイナミッ
クセンター値記憶手段113に記憶されたダイナミックセ
ンター値が、θhaa(FF)4つの平均値により演算され
たものであるか否か(第10図のステップS81で演算され
たダイナミックセンター値であるか否か)が判別され
る。肯定の場合には、ステップS101に移行する。
否定の場合には、ステップS301において、ダイナミッ
クセンター値記憶手段113に記憶されたダイナミックセ
ンター値が、最新のθhaaによるものであるか否か(第1
0図のステップS88で設定されたダイナミックセンター値
であるか否か)が判別される。肯定の場合にはステップ
S105に移行し、否定の場合(すなわちダイナミックセン
ター値が演算されていない場合)はステップS103に移行
する。
つまり、これは、ダイナミックセンター値の算出が前
記ステップS81で行われた場合には、該ダイナミックセ
ンター値を信頼性の高いものであると予測し、前記ステ
ップS88で行われた場合には、ダイナミックセンター値
の信頼性はそれ程高くはないが、制御を緩和して行え
ば、十分使用に耐えるものであると予測し、この予測結
果に応じて第3補正係数γを決定するものである。
なお、この第23図のステップS105の処理(第4式)に
おいても、第3補正係数の算出に、Ldcの代わりにLdcma
xを用いても良い。
第1図は本発明の一実施例の機能ブロック図である。
第1図において、第17図と同一の符号は、同一又は同等
部分をあらわしている。
まず、車速演算手段201は、車速センサ31より出力さ
れる信号を用いて当該自動二輪車の車速Vを演算し、該
データをバンク角演算手段203Aに出力する。前記車速セ
ンサ31は、前述のように、前輪の回転に応じて、すなわ
ち定走行距離ごとにパルスVPを発生する。
ダイナミックセンター値演算手段211は、例えば第10
図に示されたような手法を用いて、ハンドルが中央に位
置している場合の舵角センサ32の出力値であるダイナミ
ックセンター値を演算する。演算されたダイナミックセ
ンター値θdcdは、ダイナミックセンター値記憶手段113
にθdcとして記憶される。
ハンドル切れ角演算手段202Aは、舵角センサ32より定
時間ごとに出力される信号、及びダイナミックセンター
値記憶手段113より読み出されるダイナミックセンター
値θdcを用いてハンドル切れ角(ハンドル中央位置から
の切れ角)θhを演算し、該データをバンク角演算手段
203Aに出力する。
前記バンク角演算手段203Aは、入力された各種データ
を用いて当該自動二輪車のバンク角θbを演算する。こ
の演算は、少なくともハンドル切れ角θh及び車速Vを
乗算することにより行われる。
モータ制御量演算手段204Aは、前記バンク角θbに、
γ記憶手段212又はγ補正手段213より出力される第3補
正係数γを乗算して、モータ制御量(モータの中心位置
からの制御角)θmを演算する。
前記γ記憶手段212には、第3補正係数としてεが記
憶されている。
前記γ補正手段213は、前掲した第4式を用いて、第
3補正係数を演算する。
そして、γ記憶手段212及びγ補正手段213は、切換手
段214を介して、前記モータ制御量演算手段204Aに接続
されている。
前記ダイナミックセンター値演算手段211は、第11図
又は第23図に関して前述したように、ダイナミックセン
ター値の信頼性が高いと予測された場合(ステップS100
又はS300において、肯定判断された場合)には、切換手
段214を付勢してγ記憶手段212をモータ制御量演算手段
204Aに接続し、ダイナミックセンター値の信頼性があま
り高くないと判断された場合(ステップS104又はステッ
プS301において、肯定判断された場合に)には、切換手
段214を付勢してγ補正手段213を前記モータ制御量演算
手段204Aに接続する。γ補正手段213が選択された場
合、ダイナミックセンター値演算手段211は、第4式の
演算を行うのに必要なLdc(又はLdcmax)を、γ補正手
段213に対して出力する。
モータ制御手段205は、前記モータ制御量演算手段204
Aより出力されるモータ制御量θmを用いてモータ制御
角θm0を演算し、該制御角θm0と、モータ回転角センサ
33より出力されるモータ実回転角θm1を用いてドライバ
39に制御信号を出力し、サーボモータ18をフィードバッ
ク制御する。
切換手段209Aは、常時は、モータ制御量演算手段204A
の出力信号θm及びモータ回転角センサ33の出力信号θ
m1をモータ制御手段205に供給しているが、ダイナミッ
クセンター値演算手段211が未だダイナミックセンター
値を算出していない場合(第11図のステップS102若しく
はS104において否定判断された場合、又は第23図のステ
ップS301において否定判断された場合)には、前記モー
タ制御量演算手段204A及びモータ回転角センサ33とモー
タ制御手段205との接続を解除する。すなわち、この場
合、サーボモータ18の制御は行われない。
したがって、コンビスイッチ投入直後に、又はコンビ
スイッチの投入直前までに、サーボモータ18がその中央
位置に復帰するように構成されている場合には、ダイナ
ミックセンター値が算出されるまでは、シェードは中央
位置を保持する。
電源投入検出手段131Aは、第17図に示されたFb発生手
段131と同様に、コンビスイッチ49のオン状態を検出す
る。このオン状態検出により、バックアップタイマ133
がリセットされる。この場合、すでに切換回路46が付勢
されていて、バッテリ44及び定電圧回路47が直接接続さ
れている場合には、切換回路46が消勢され、前記直接接
続が解除される。
また電源断検出手段132Aは、同図に示されたFhr発生
手段132と同様に、コンビスイッチ49のオフ状態、すな
わち前記電源投入検出手段131Aの出力信号の立ち下がり
を検出する。このオフ状態の検出により、切換回路46が
付勢されて、バッテリ44及び定電圧回路47が直接接続さ
れ、同時に、バックアップタイマ133が起動される。こ
の直接接続により、少なくともダイナミックセンター値
記憶手段113に対して引き続き電源が接続される。これ
により、ダイナミックセンター値記憶手段113に記憶さ
れたダイナミックセンター値が保持される。
前記バックアップタイマ133は、予定時間経過後に切
換回路46を消勢し、バッテリ44から定電圧回路47を切り
離す。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、当
該二輪車がヘッドライト装置の配光制御の信頼性を低下
させるような状況にある場合には、配光制御を停止し、
若しくは緩和し、又はダイナミックセンター値記憶手段
にバックアップ電源を接続するようにしたので、ドライ
バに対してスムーズな配光制御を提供できる。
すなわち、各請求項に記載された二輪車のヘッドライ
ト制御装置によれば、つぎのような効果が達成される。
(1)請求項1記載の二輪車のヘッドライト制御装置に
よれば、走行直後でダイナミックセンター値が算出され
ていない場合に配光制御が停止されるので、良好な配光
を行なうことができる。
(2)請求項2記載の二輪車のヘッドライト制御装置に
よれば、走行距離が短く、演算されたダイナミックセン
ター値が低信頼性であると予測される場合に配光制御が
緩和されるので、良好な配光制御を行なうことができ
る。
(3)請求項3記載の二輪車のヘッドライト制御装置に
よれば、コンビスイッチが開状態となった場合には、少
なくともダイナミックセンター値記憶手段に所定時間だ
け電源供給が行われるので、該所定時間だけコンビスイ
ッチを開状態として、ドライバが小休止したような場合
でも、それまでに演算され、記憶されたダイナミックセ
ンター値が消失しない。したがって、前記小休止後の走
行においても、即座に良好な配光制御を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の機能ブロック図である。 第2図は本発明が適用されるヘッドライト装置の構成の
概略を示す図である。 第3図はヘッドライト装置の一例の断面図である。 第4図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。 第5図は第17図に示されたヘッドライト制御装置のメイ
ンルーチンを示すフローチャートである。 第6図はステップS2の詳細を示すフローチャートであ
る。 第7図は定時間割込処理のフローチャートである。 第8図はステップS32の詳細を示すフローチャートであ
る。 第9図は車速検出用パルスの割込により行われる割込処
理のフローチャートである。 第10図はステップS57の詳細を示すフローチャートであ
る。 第11図はステップS62の詳細を示すフローチャートであ
る。 第12図はステップS66の詳細を示すフローチャートであ
る。 第13図はステップS67の詳細を示すフローチャートであ
る。 第14図はステップS130の詳細を示すフローチャートであ
る。 第15図はθhaと自動二輪車の走行距離との関係の一例を
示すタイムチャートである。 第16図はデューティ比記憶手段125に記憶されるデュー
ティ比テーブルの一例を示す図である。 第17図は本発明の一実施例を具備する二輪車のヘッドラ
イト制御装置の構成及びその動作を示す機能ブロック図
である。 第18図及び第19図は第2補正係数βを構成するβ1及び
β2の内容を示す図である。 第20図は第4補正係数δの内容を示す図である。 第21図はコンビスイッチ49、フラグFb及びタイマ133の
状態と、定電圧回路47より出力される電源電圧との関係
を示すタイムチャートである。 第22図はステップS4の詳細を示すフローチャートであ
る。 第23図は第9図に示されたステップS62の内容の他の例
を示すフローチャートであり、第11図と対応する図であ
る。 1…ヘッドライト装置、7…バルブ、9…シェード、18
…サーボモータ、31…車速センサ、32…舵角センサ、33
…モータ回転角センサ、44…バッテリ、46…切換回路、
47…定電圧回路、49…コンビスイッチ、113…ダイナミ
ックセンター値記憶手段、132A…電源断検出手段、133
…バックアップタイマ、201…車速演算手段、202A…ハ
ンドル切れ角演算手段、203A…バンク角演算手段、204A
…モータ制御量演算手段、205…モータ制御手段、209A
…切換手段、211…ダイナミックセンター値演算手段、2
12…γ記憶手段、213…γ補正手段、214…切換手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配光制御用の駆動手段を備えたヘッドライ
    ト装置と、 車速を演算する車速演算手段と、 ハンドルに取り付けられた舵角センサと、 当該二輪車の走行状態に応じて、ハンドルが中央に位置
    している場合の前記舵角センサの出力信号であるダイナ
    ミックセンター値を演算するダイナミックセンター値演
    算手段と、 前記舵角センサの出力信号及びダイナミックセンター値
    を用いて、ハンドル切れ角を演算するハンドル切れ角演
    算手段と、 車速及びハンドル切れ角に応じて、前記駆動手段を制御
    する配光制御手段とを具備した二輪車のヘッドライト制
    御装置において、 前記ダイナミックセンター値演算手段によりダイナミッ
    クセンター値が演算されるまでは、前記配光制御手段に
    よる配光制御を停止する配光制御停止手段を具備したこ
    とを特徴とする二輪車のヘッドライト制御装置。
  2. 【請求項2】配光制御用の駆動手段を備えたヘッドライ
    ト装置と、 車速を演算する車速演算手段と、 ハンドルに取り付けられた舵角センサと、 当該二輪車の走行状態に応じて、ハンドルが中央に位置
    している場合の前記舵角センサの出力信号であるダイナ
    ミックセンター値を演算するダイナミックセンター値演
    算手段と、 前記舵角センサの出力信号及びダイナミックセンター値
    を用いて、ハンドル切れ角を演算するハンドル切れ角演
    算手段と、 車速及びハンドル切れ角に応じて、前記駆動手段を制御
    する配光制御手段とを具備した二輪車のヘッドライト制
    御装置において、 前記ダイナミックセンター値演算手段により演算された
    ダイナミックセンター値が低信頼性であると予測される
    場合には、前記配光制御手段による配光制御を緩和する
    配光制御緩和手段を具備したことを特徴とする二輪車の
    ヘッドライト制御装置。
  3. 【請求項3】配光制御用の駆動手段を備えたヘッドライ
    ト装置と、 車速を演算する車速演算手段と、 ハンドルに取り付けられた舵角センサと、 当該二輪車の走行状態に応じて、ハンドルが中央に位置
    している場合の前記舵角センサの出力信号であるダイナ
    ミックセンター値を演算するダイナミックセンター値演
    算手段と、 前記ダイナミックセンター値を記憶するダイナミックセ
    ンター値記憶手段と、 前記舵角センサの出力信号及び前記ダイナミックセンタ
    ー値記憶手段に記憶されたダイナミックセンター値を用
    いて、ハンドル切れ角を演算するハンドル切れ角演算手
    段と、 車速及びハンドル切れ角に応じて、前記駆動手段を制御
    する配光制御手段とを具備した二輪車のヘッドライト制
    御装置において、 コンビスイッチが開状態となったことを検出する電源断
    検出手段と、 コンビスイッチが開状態となった場合に、少なくとも前
    記ダイナミックセンター値記憶手段に、所定時間の電源
    供給を行う電源バックアップ手段とを具備したことを特
    徴とする二輪車のヘッドライト制御装置。
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