JPH0563578A - アナログ/デイジタル変換器 - Google Patents
アナログ/デイジタル変換器Info
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- JPH0563578A JPH0563578A JP3248277A JP24827791A JPH0563578A JP H0563578 A JPH0563578 A JP H0563578A JP 3248277 A JP3248277 A JP 3248277A JP 24827791 A JP24827791 A JP 24827791A JP H0563578 A JPH0563578 A JP H0563578A
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Abstract
においてサンプリングスイッチを不要にして、そのスイ
ッチングノイズによる特性劣化を防止することである。 【構成】 電圧/電流変換回路1と、出力電流値がディ
ジタル信号によって制御される局部D/A変換回路2と
の各出力電流の差分を、一端が直流電位点に接続するア
ナログ回路で積分し、その積分によって得られる電圧を
量子化回路4で量子化し、その結果をディジタル積分回
路5で積分して帰還量補正回路6に与えると共に、A/
D変換結果を出力する。帰還量補正回路6は、前記量子
化回路4の出力が局部D/A変換回路2の出力に反映さ
れるまでの間(量子化出力に対するディジタル積分演算
を行う間)に前記アナログ回路3にサンプリングされる
アナログ量の誤差を相殺する補正をディジタル信号に対
して行う。
Description
応するディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル
(以下単にA/Dとも記す)変換器に、さらには半導体
集積回路で実現するのに好適なオーバサンプリング方式
のA/D変換器に関する。
入力信号の周波数帯域に対し数十倍から数百倍のサンプ
リング周波数を用いるオーバサンプリング方式がある。
オーバサンプリングA/D変換器は、その回路構成によ
って幾つかのタイプに分類され、例えば第1の文献、ア
イ・エス・エス・シー・シー85、ダイジェスト オブ
テクニカルペーパーズ、第80頁から第81頁(ISS
CC’85、Digest of technical
papers、pp.80〜81(FEB.198
5)記載のデルタ−シグマ(ΔΣ)型や、第2の文献、
アイ・エス・エス・シー・シー86、ダイジェスト オ
ブ テクニカルペーパーズ、第180頁から第181頁
(ISSCC’86、Digest of techn
icalpapers、pp.180〜181(FE
B.1986)記載の補間型等がある。これらオーバサ
ンプリング方式は、他の非オーバサンプリング方式に比
べると、高速動作が必要な代わりに、アナログ回路の所
要素子精度が大幅に緩和できるため、半導体集積回路に
よる高精度変換特性が比較的容易に実現できる特徴があ
る。また、入力信号に含まれた高域雑音成分のサンプリ
ングによる帯域内折り返しを防ぐために、通常全てのA
/D変換器の前段に設けられるプレフィルタを、小型、
かつ緩い精度で実現できる特徴もある。
型A/D変換器の実現例の多くには、入力アナログ参照
信号と帰還アナログ参照信号との誤差電圧を積分するた
めの積分回路部に演算増幅器が用いられており、この演
算増幅器に対する高速動作の必要性から、A/D変換器
を低消費電力化することには限界があった。逆に、演算
増幅器の高速度化は、例えその消費電力を増加させても
限界があるため、サンプリング周波数を高くしてより一
層の高変換精度を得ることも困難である。また、従来実
現されているオーバサンプリングA/D変換器には5V
又はそれ以上の電源電圧が用いられているが、近年開発
が盛んなページャ(通称ポケットベル)、コードレス電
話機、自動車電話機等の小型携帯通信端末装置にオーバ
サンプリングA/D変換器を適用しようとした場合に
は、小型電池での動作、すなわち低電圧電源動作が必要
となるが、この場合にも演算増幅器の高速動作の要求条
件から、所要変換精度の実現がますます困難になってい
る。
方式として、アナログ積分回路部に演算増幅器を必要と
しない回路方式が、第3の公知文献、アイ・イー・イー
・イー・ジャーナル・オブ・ソリッドステート・サーキ
ッツ・エスシー21(1986年12月)、第1003
頁から1010頁(IEEE JOURNAL OFS
OLID−STATE CIRCUITS,SC−21
(DEC.1986)pp.1003〜1010)で提
案されている。これは、入力アナログ電圧信号を電圧/
電流変換回路を用いて電流信号に変換し、同時に局部A
/D変換回路を1ビットの電流スイッチ回路で構成する
ことによって、入力信号と帰還信号の差分電流を、一端
が直流電位に接地されたキャパシタをアナログ積分回路
として充電積分するものであり、ΔΣ型とされる。前記
入力信号の電圧/電流変換回路においては、ある程度の
線形精度を確保するために演算増幅器が必要であるが、
この演算増幅器は目的とする入力信号の周波数帯域に対
してある程度の利得が確保されればよく、かつ、この演
算増幅器で駆動されなければならない負荷は電流源に接
続される単なるMOSトランジスタのゲート電極のみで
あり、これにより、低消費電力を実現しようとしてい
る。
3の公知文献に記載された従来回路構成においては、局
部A/D変換器が1ビット構成であることなどに起因し
て、差分電流が大きくなる。これにより、電流源を構成
するトランジスタの線形特性が劣化して所望の変換特性
を実現するのが困難となる。さらに、量子化雑音を低減
させる手段として、積分キャパシタの電圧をさらに演算
増幅器を用いた第2の電圧/電流変換回路を用いて2重
に積分する回路構成が用いられている。結果として、斯
るΔΣ型のA/D変換器は低電圧電源動作に対する考慮
がなされていない。また、当該文献において抵抗及びキ
ャパシタ素子の製造値変動に対する問題は提起されてい
るが、具体的な解決策は示されていない。
ーバーサンプリング型のA/D変換器について検討し
た。同図に示されるA/D変換器において、電圧/電流
変換回路11は、アナログ入力電圧信号Vinを比例的
に電流信号Iinに変換する。電流出力形局部D/A変
換回路12は、ディジタル積分回路15の出力値に対応
した電流信号Iqを出力する。これら2つの差分電流I
d(=Iin−Iq)は、サンプリングスイッチ17を
通してアナログ積分回路13に流れ、サンプリングスイ
ッチ17が閉じている間のみ積分される。積分回路の電
圧Vcは、電圧比較回路を有する量子化回路14で1ビ
ットまたは複数ビットのディジタル信号に変換される。
このディジタル信号は、ディジタル積分回路15を介し
て出力することによりA/D変換結果を得る。前記差分
電流Idは前記サンプリングスイッチ17が閉じている
ときにアナログ積分回路13に積分され、同スイッチ1
7が開いている期間はその積分電圧に対するディジタル
積分演算を行うための期間とされる。この様子は図13
に示され、tintがサンプリング期間、tcalが演算時間
とされる。したがって、量子化回路14によって行われ
る電圧比較結果は、次の動作サイクルのサンプリング期
間の最初から局部D/A変換回路12の出力に反映され
る。
トランスファゲートのようなスイッチゲートによって構
成することができる。しかしながら、当該MOSFET
のドレイン電圧やソース電圧は電源電圧に対してフルス
イングするように変化されることは殆どなく、電源電圧
でゲートを制御する場合にはトランスファゲートのオン
抵抗が大きくなって、理想的なスイッチからはその特性
がほど遠くなり、積分電流値に誤差を生じてS/N特性
の劣化が顕在化する。このとき、前記サンプリングスイ
ッチを構成するMOSFETのゲートを昇圧電圧で制御
することも考えられるが、その場合には当該MOSFE
Tはもとより昇圧回路のMOSFETにも高耐圧構造を
採用しなければならなくなり、半導体集積回路製造プロ
セスの複雑化やチップ面積の増大をもたらすことになっ
てしまう。
用いないようにするために、図12の構成において10
0%積分を行うようにした場合、即ち、サンプリングス
イッチ7を閉じたままにした場合について、計算機シミ
ュレーションを行ったところ、S/N劣化を引き起こす
ことが明らかになった。その原因は以下の通りであるこ
とを見い出した。図13のようにサンプリングスイッチ
17によってサンプリングを行っている場合、サンプリ
ング期間の前半の時間tintで積分が行われ、後半の時
間tcalではディジタル積分の演算が行われ、電圧比較
結果の局部D/A変換回路12への反映は、次のサンプ
リング期間の最初から行われる。これに対して、図14
のようにアナログ積分を100%積分にすると、動作サ
イクル全体が積分時間tintとなり、ディジタル積分の
演算のための時間tcalは、次周期に入ってしまう。こ
のため、100%積分の場合では電圧比較結果の局部D
/A変換回路12への反映は、次のサンプリング期間の
途中からになる。この遅延分がアナログ積分での誤差と
なり、この誤差がS/N劣化の原因であることが明らか
になった。
器においてサンプリングスイッチを不要にして、そのス
イッチングノイズによる特性劣化を防止することであ
る。
む広範囲の電源電圧条件に対して、低消費電力で、かつ
素子の製造値変動に対しても安定した変換特性の実現が
可能なオーバサンプリング型A/D変換器を提供するこ
とである。
ログ・ディジタル混載大規模半導体集積回路として大規
模な論理回路と共にオンチップ化したときに、論理回路
からのディジタル雑音混入による変換特性劣化が少ない
オーバサンプリング型A/D変換器を提供することにあ
る。
なうこと無く、従来以上のオーバサンプリング化による
高変換精度化、及び変換信号の広帯域化が可能なオーバ
サンプリング型A/D変換器を提供することにある。
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
じた電流信号に変換する電圧/電流変換回路と、出力電
流値がディジタル信号によって制御される局部D/A変
換回路との各出力電流の差分を、一端が直流電位点に接
続されたアナログ回路で積分し、その積分によって得ら
れる電圧を量子化回路で所定のしきい値電位と比較し、
その比較結果に基づいて、ディジタル回路が前記ディジ
タル信号を形成すると共に、A/D変換結果を出力する
ようにする。このとき、前記ディジタル回路は、前記量
子化回路の出力が前記局部D/A変換回路の出力に反映
されるまでの間に前記アナログ回路にサンプリングされ
るアナログ量の誤差を相殺させる補正を前記ディジタル
信号に対して行う帰還量補正手段を有する。
出力を積分して前記帰還量補正手段に出力するディジタ
ル積分回路を含むとき、前記帰還量補正手段は、1サン
プリング周期間における出力の平均値を、当該周期にお
ける量子化回路出力を反映した前記ディジタル積分回路
の出力に等しくする、ディジタル値を出力する回路とし
て構成することができる。
て構成するには、前記アナログ回路は、前記直流電位点
に結合する容量素子を含んで構成することができる。さ
らには前記容量素子と前記電流出力接続点との間に結合
される抵抗素子を含んで構成することができる。
複数ビットのディジタル信号によって制御されるように
構成することができる。
おいて100%サンプリング期間としたとき、ディジタ
ル積分演算などの処理は次サイクルで行われる。この処
理結果が局部D/A変換出力すなわち帰還電流信号に反
映されるまでの帰還電流の誤差は、帰還量補正手段が、
平均化などの手法によってディジタルデータを補正する
ことによって相殺する。このことにより、帰還量補正手
段は、サンプリングスイッチを用いずに100%サンプ
リング期間とした場合に帰還電流信号に誤差を生じない
ように作用する。これ故、電流駆動型のA/D変換器に
おいてサンプリングスイッチを不要にして、そのスイッ
チングノイズによる特性劣化が防止される。
/A変換回路の電流スイッチ回路を多ビット化すること
は、入力信号電流と帰還電流信号との差分電流を小さく
するように作用する。このことは、上記入力電圧/電流
変換回路及び局部D/A変換回路を構成する定電流源M
OSトランジスタの安定動作を可能とし、結果としてA
/D変換器の低電源電圧化、低消費電力化を達成させ
る。
イッチ回路の多ビット化は、量子化雑音電力を低減する
ように働き、これが、所望の変換精度を得るためのサン
プリング周波数を一層低くすることを可能にし、回路動
作の低速化に寄与する。このことは、低消費電力化を更
に促進可能にする。また同時に、キャパシタ、電流源ト
ランジスタ等の所要素子精度を大幅に緩和するようにも
作用する。
素子で成るアナログ積分回路は、論理回路からのディジ
タル雑音混入を原理的に最も受けやすい仮想接地型では
なく、接地型とされ、このことが、電源電圧の変動やデ
ィジタル雑音に対して動作特性の安定なA/D変換器の
実現に寄与する。
プリングA/D変換器の基本構成図が示される。図1の
構成は、図12の構成に対して電流のサンプリングスイ
ッチ17が取り除かれ、その代わりに帰還量補正回路6
が付加された点が相違する。電圧/電流変換回路1は、
アナログ入力電圧信号Vinを該電圧振幅に応じた電流
信号Iinに変換する。電流出力形の局部D/A変換回
路2は、出力電流値がディジタル信号によって制御され
るものであって、例えば、帰還量補正回路6から出力さ
れるディジタル値に対応した電流信号Iqを出力する。
これら2つの差分電流Id(=Iin−Iq)は、代表
的に容量素子Cが図示されているアナログ積分回路3に
供給されて積分される。アナログ積分回路3の電圧Vc
は、電圧比較回路を有する量子化回路4で例えば1ビッ
トのディジタル信号に変換される。このディジタル信号
は、ディジタル積分回路5で積分され、その積分結果が
A/D変換結果Doutとして出力される。前記帰還量
補正回路6は、前記量子化回路の出力が前記局部D/A
変換回路2の出力に反映されるまでの間に前記アナログ
積分回路3にサンプリングされるアナログ量の誤差を相
殺させる補正を前記局部D/A変換回路2に対して行
う。例えば、その帰還量補正回路6は、1サンプリング
周期間における出力の平均値を、当該周期における量子
化回路4の出力を反映した前記ディジタル積分回路5の
出力に等しくする、ディジタル値を出力する回路として
構成される。
作説明のためのタイミングチャートが示される。図2に
おいてCYCは1サンプリング周期若しくはA/D変換
の1動作サイクルであり、特に制限されないが、量子化
回路4による比較動作の間隔周期に一致される。図1の
構成ではサンプリングスイッチ17が存在しないため、
前記サイクルCYCの全期間がサンプリング即ちアナロ
グ積分回路3への積分期間とされる。このときの帰還電
流Iqの理想的な変化状態は前記図13においてディジ
タル積分の演算の時間をtcal=0とした場合、即ち、
図2の破線で示される理想帰還電流信号Iqrの波形に
なる。しかしながら実際にはディジタル積分の演算時間
を0にすることはできない。このとき帰還量補正回路6
は、図2に示されるように、当初は直前の動作サイクル
で得た値に従って帰還電流Iqを制御し、当該動作サイ
クルの途中の所定タイミングで、当該サイクルにおける
帰還電流Iqの平均値が理想帰還電流信号Iqrによる
電流値に一致するように帰還電流Iqを制御する。した
がって帰還量補正回路6の動作により、各動作サイクル
において100%アナログ積分を行った場合でも、図1
4のIqで示されるような誤差を生ずることなくアナロ
グ積分を行うことができるようになる。
間形オーバサンプリングA/D変換器の詳細な実施例が
示される。図4には図3のA/D変換器の動作を説明す
るためのタイミングチャートが示される。この実施例で
は帰還量補正回路6の出力は1サンプル期間CYCの前
半では前サンプル期間の平均値を出力し、1サンプル期
間の後半で補正値を出力している。図3において6aは
2倍回路、6b及び6cはラッチ回路、6dは減算回
路、5a及び5bは加算回路、5cはラッチ回路、4a
は比較回路、4bはラッチ回路である。
Vcは、z関数を用いて次のように表すことができる。
尚、Y1のような信号はz関数表示でY1(z)とさ
れ、入力電圧信号VinはV(z)とされる。 (1−z-1)Vc(z)=1/C∫〔Iin−Iq〕dt……(1) 上式においてIinを、 Iin=X(z)/R として、(1)式を変形すると、 (1−z-1)Vc(z)= 1/(R・C・fs)・ 〔X(z)−(Y7(z)+z-1/2Y7(z))/2〕 であり、ここでY7(z)は、 Y7(z)=2Y4(z)−z-1Y4(z)……(A) であり、z-1/2Y7(z)は、 z-1/2Y7(z)=z-1Y4(z) である。量子化ビット数が1ビットであることを考慮し
て(1)式は、 (1−z-1)Vc(z)= 〔X(z)−{(2Y4(z)−z-1Y4(z))+z-1Y4(z)}/2〕 ……(2) となる。一方Y4(z)は、 Y4(z)=〔1+1/(1−z-1)〕・〔Vc(z)+N(z)〕 ……(3) であるから(2),(3)式より Y4(z)=(2−z-1)/〔(1−z-1)2+(2−z-1)〕 ・〔X(z)+(1−z-1)N(z)〕 ……(4) したがって、 Y4(z)≒X(z)+(1−z-1)N(z) ……(5) となって図3の回路が補間形A/D変換器を実現するこ
とは明らかである。
成は、上記式(A)の Y7(z)=2Y4(z)−z-1Y4(z) に従って決定されている。図4に従ってその帰還量補正
回路6の動作を説明する。
クルCYCに着目すると、時刻tiにおいて、ラッチ回
路6cにはその直前のサイクルでディジタル積分器5に
よって得られる出力z-1Y4が保持されており、且つ出
力Y4もz-1Y4を維持している。したがって、時刻t
iに制御信号φ1がアサートされると、ラッチ回路6b
は、2・z-1Y4−z-1Y4=z-1Y4をラッチし、こ
れを信号Y7として局部D/A変換器2に出力する。従
って帰還量補正回路6の出力Y7は1サンプル期間CY
Cの最初では前サンプル期間の平均値とされる。当該サ
イクルCYCで量子化回路4によって比較された出力Y
1は制御信号φ4がアサートされた後にディジタル積分
出力Y4に反映される。これに同期して信号Y6は、2
Y4−z-1Y4とされ、この値2Y4−z-1Y4は、制
御信号φ5の変化に同期して帰還電流の制御信号Y7に
反映される。このように帰還量補正回路6は1動作サイ
クルCYCの前半では前サンプル期間の平均値を出力
し、1動作サイクルCYCの後半では補正値を出力して
いる。そして1動作サイクル期間に出力される信号Y7
の平均値は、当該サイクルでの量子化比較結果Y1の反
映されたディジタル信号Y4に等しくされる。これによ
り、図4に代表的に示されるように、入力信号Iinの
波形と実際の帰還電流信号Iqの波形とに挟まれた領域
の面積(アナログ積分されるべき差分電流)は、入力信
号Iinの波形と理想帰還電流信号Iqrの波形とに挟
まれた領域の面積(理想的な差分電流の値)に等しくな
り、各動作サイクルにおいて100%アナログ積分を行
ってもS/N特性の劣化をもたらすような誤差を生ずる
ことなくアナログ積分を行うことができる。
示す回路図が示される。図5及び図6に示される回路は
で示される対応箇所で相互に接続される。
ように演算増幅回路AMP、Pチャンネル型MOSFE
TQ1、及びNチャンネル型MOSFETQ2,Q3,
Q4によって構成される。入力電圧信号Vinは、特に
制限されないが、単一電源での動作を可能とするために
内部発生させた直流バイアス電圧(例えばアナロググラ
ンド電位)にアナログ信号成分が重畳された信号であ
る。この入力信号Vinは抵抗素子Rinを介して演算
増幅器AMPの反転入力端子(−端子)に供給される。
演算増幅器AMPの非反転入力端子(+端子)には、特
に制限されないが、前記直流バイアス電圧よりも低い電
圧例えば当該直流バイアス電圧の概ね半分の電圧Vbが
供給される。演算増幅器AMPの出力には、ソース電極
が該増幅器AMPの反転入力端子と接続されたMOSF
ETQ3のゲート電極が接続される。MOSFETQ3
のドレイン側には、電圧Vbiasp1によってゲート
がバイアスされたMOSFETQ1及びダイオード接続
されたMOSFETQ2によって電源Vddに通ずる電
流源が構成され、MOSFETQ3のソース側には電圧
Vbiasn1によってゲートがバイアスされたMOS
FETQ4によって接地電位Vssに通ずる電流源が構
成される。局部D/A変換器2の帰還電流Iqの経路及
び電流信号Iinの経路はMOSFETQ3とQ4の結
合ノードに接続され、アナログ積分回路3はMOSFE
TQ2とQ3の結合ノードに接続する。ここで、入力電
流Iin、帰還電流Iq、及び差分電流Idとの間に
は、 Iin−Iq=Id+Isn−Isp の関係が成立する。Isp及びIsnは定電流とされ
る。
幅器AMPの非反転入力端子の入力レベルはアナロググ
ランド電位よりも低い電位例えばその半分の電位Vbに
されていることにより、MOSFETQ3のソース電位
は前記アナロググランド電位よりも低くされる。したが
って、MOSFETQ3のドレイン電極をアナロググラ
ンド電位近傍の電圧にバイアスすることが可能になり、
アナロググランド電位を基準として動作するコンパレー
タ4aの動作感度を最大若しくはそれに近い感度にする
ことができる。仮に、演算増幅器AMPの非反転入力端
子の入力レベルをアナロググランド電位と同一レベルに
すると、MOSFETQ3のソース電位がアナロググラ
ンド電位になり、当該MOSFETQ3がオン動作する
ときにはそのドレイン電極のレベルはアナロググランド
電位よりも高くなり、コンパレータ4aによる比較動作
の感度が低下する。そうかといって、コンパレータ4a
の比較動作の基準をアナロググランド電位以外に設定す
ることは容易でなく、またそのためには特別な回路も必
要になる。
ベルシフト機能は、内部発生直流電圧を直流バイアス電
圧とする入力アナログ信号から該直流成分を減少させ、
このことは、電流積分によるキャパシタの極板間電圧変
化を減少させるように作用する。このことは、上記入力
電圧/電流変換回路及び局部D/A変換回路を構成する
定電流源MOSトランジスタの安定動作を可能とし、結
果としてA/D変換器の低電源電圧化、低消費電力化に
寄与する。
ート電極が電圧Vbiasn2によってバイアスされる
ことによって夫々定電流I0,2I0,…,2n+1I0が流
れるよう設定されたNチャネル型MOSFETQc0乃
至Qcn+1と、夫々のMOSFETQc0乃至Qcn+1の
ドレイン電極と接地電位Vssとの間に配置されたNチ
ャネル型MOSFETQs0乃至Qsn+1とで構成され
る。前記MOSFETQc0乃至Qcn+1のドレイン電極
は前記MOSFETQ3のソース電極に共通接続され
る。前記MOSFETQs0乃至Qsn+1は、帰還量補正
回路6から出力されるn+2ビットの制御信号Y7をゲ
ート電極に受けることによってスイッチ制御され、当該
信号Y7のディジタル値に応じて、2進荷重された定電
流を流す。
る加算回路5a,5bはn+1ビットの全加算回路によ
って構成され、ラッチ回路5cはn+1ビットのパラレ
ルイン・パラレルアウト形式のラッチ回路で構成され
る。
ビットのパラレルイン・パラレルアウト形式のラッチ回
路6c、n+2ビットの全加算回路6ad、n+2ビッ
トのパラレルイン・パラレルアウト形式のラッチ回路6
bによって構成される。全加算回路6adは図3の減算
回路6dと2倍回路6aの機能を実現する。即ち、n+
1ビットの信号Y4を1ビット上位側にシフトさせて全
加算回路6adに入力させることによって2倍回路の機
能を実現する。また、ラッチ回路6cの出力をインバー
タで論理反転させて全加算回路6adに入力させること
によって減算回路の機能を実現させている。
オーバサンプリングA/D変換器が示される。図8には
図7のA/D変換器の動作を説明するためのタイミング
チャートが示される。この実施例では図3のディジタル
積分回路5と帰還量補正回路6とに代えて、それらの機
能を合わせ持った補正付ディジタル積分回路8を設けた
ものである。この補正付ディジタル積分回路8の論理は
次のような式変形を行うことで求められる。即ち、前記
(2)式を変形すると (1−z-1)Vc(z)= 〔X(z)−{(1+z-1)Y4(z)+(1−z-1)Y4(z)}/2〕 ……(6) となる。ここで、Y4(z)は、 Y4(z)={1+1/(1−z-1)}Y1(z) であるから(6)式は (1−z-1)Vc(z)= 〔X(z)−{(1+z-1)/2・ 1/(1−z-1)+3/2}・Y1(z)〕 ……(7) となる。ここで Y3(z)={1/(1−z-1)}Y1(z) とおくと(7)式は (1−z-1)Vc(z)= 〔X(z)−{(1+z-1)/2・ Y3(z)+3/2・Y1(z)}〕…(8) となる。補正付ディジタル積分回路8の論理は式(8)
に従って決定される。
分回路8は3倍回路8a、1/2回路8b、加算回路8
c、データラッチ回路8d及び8eによって構成され
る。この構成は図3の構成に比べて、加算回路等の数が
少ないため回路規模が小さくなる。更に、図8から明ら
かなように、局部D/A変換回路2の出力電流Iqは、
量子化回路4内の電圧比較器の比較タイミングφ1にお
いて変化されない。したがって、図3の構成に比べ、電
圧比較動作時に電源ノイズが発生する虞は著しく少なく
なり、より安定な動作を行うことができる。
に示す回路図が示される。図9及び図10に示される回
路はで示される対応箇所で相互に接続される。
は、図5の構成に対して、直列接続されたPチャンネル
型MOSFETQ5,Q6によって構成された電流経路
が付加される。MOSFETQ5はそのドレインが前記
MOSFETQ2のソースに結合され、電圧Vbias
p2によってそのゲート電極がバイアスされる。MOS
FETQ6はそのソースが電源電位Vddに接続され、
そのゲートに供給される信号Y2によってオン状態にさ
れることにより電流3I0を流す。図10に従えば、局
部D/A変換回路2は、ゲート電極が電圧Vbiasn
2によってバイアスされることによってそれぞれ定電流
I0,2I0,…,2nI0,3I0が流れるよう設定され
たNチャネル型MOSFETQc0乃至Qcn及びQc3
と、夫々のMOSFETQc0乃至Qcn及びQc3のド
レイン電極と接地電位Vssとの間に配置されたNチャ
ネル型MOSFETQs0乃至Qsn及びQs3とで構成
される。前記MOSFETQc0乃至Qcnのドレイン電
極は前記MOSFETQ3のソース電極に共通接続され
る。前記MOSFETQs0乃至Qsnは、補正付ディジ
タル積分回路8から出力されるn+1ビットの信号をゲ
ート電極に受けることによってスイッチ制御され、当該
信号のディジタル値に応じて、2進荷重された定電流を
流す。前記MOSFETQs3は、補正付ディジタル積
分回路8から出力される信号Y2をゲート電極に受ける
ことによってスイッチ制御され、オン状態において電流
3I0を流す。
路8において信号Y2は2ビットの信号とされ、量子化
回路4からの出力と制御信号φ4とを2入力とするナン
ドゲートNANDと、量子化回路4から出力される信号
の反転信号と制御信号φ4とを2入力とするアンドゲー
トANDによって形成される。図10において全加算回
路(FullAdder)は図7の加算回路8cに対応
される。ラッチ回路8e,8dは夫々n+1ビットのパ
ラレルイン・パラレルアウト形式のラッチ回路で構成さ
れる。
補間形オーバサンプリングA/D変換器が示される。こ
の実施例では図7と別の補正付ディジタル積分回路8が
設けられる。この補正付ディジタル積分回路8の論理は
次のような式変形を行うことで求められる。即ち、前記
(6)式のY4(z)は、 Y4(z)={1+1/(1−z-1)}Y1(z) ={(2−z-1)/(1−z-1)}Y1(z) であるから、前記(6)式にこれを代入すると、 (1−z-1)Vc(z)= 〔X(z)−{(1+z-1)Y4(z)/2+ 2Y1(z)/2−z-1Y1(z)/2)〕 ……(9) となる。図11に示される補正付ディジタル積分回路8
の論理は式(9)に従って決定される。この補正付ディ
ジタル積分回路8は、2倍回路8f、1/2回路8g、
ラッチ回路8h、−1回路8i、1/2回路8j、加算
回路8k,8l、ラッチ回路8m,8nによって構成さ
れる。
載して成る携帯通信端末装置の一例が示される。この携
帯通信端末装置は、ベースバンド部201、中間周波数
部202、及び高周波数部203から構成される。
210から入力された送信アナログ音声信号のうち高域
雑音成分を抑制するプレフィルタ211、その出力をデ
ィジタル信号に変換する本発明に係るA/D変換器21
2、その出力をディジタル信号処理によって帯域圧縮
し、また、上記とは逆に、帯域圧縮された受信ディジタ
ル音声信号を元の帯域に伸長するためのディジタル・ア
ナログ・プロセッサ(以下DSPとも記す)213、2
13で帯域伸長された出力をアナログ音声信号に変換す
るためのD/A変換器214、その出力に含まれる高調
波成分を抑圧し、且つその出力を増幅するためのポスト
フィルタ215、このポストフィルタ215の出力によ
って駆動されるスピーカ216などによって構成され
る。
13から出力される信号に対して無線伝送に適した変
調、例えばガウシアン・ミニマム・シフト・キーイング
(GMSK;Gaussian Mimimum Sh
ift Keying)変調又はπ/4シフト・キュー
・ピー・エス・ケー(QPSK)変調などを行うための
第1変調器220、その出力をアナログ信号に変換する
D/A変換器221、その出力に含まれる高調波成分を
抑圧するポストフィルタ222、及び上記とは逆に受信
変調信号に含まれる広域雑音成分を抑圧するプレフィル
タ223、プレフィルタ223の出力をディジタル信号
に変換する本発明に係るA/D変換器224、このA/
D変換器224の出力から元の基本信号成分を復調する
第1復調器225などによって構成される。
タ222から出力される信号を、例えば800MHzか
ら2GHz程度の無線周波数キャリア信号で変調するた
めの第2変調器230、この変調器230の出力を所定
の送信電力にまで増幅し、送受信切り替えスイッチ23
1を介してアンテナ232を励振するための高電力増幅
器233、前記アンテナ232及びスイッチ231を介
して受信した信号を増幅する増幅器234、及びその増
幅器234の出力から所望の信号を検波するための検波
器235などから構成される。尚、図には示されていな
いが、キーパッド、ダイヤル信号発生器、呼出信号発生
器、制御用マイクロコンピュータ、クロック信号発生
器、並びにバッテリーを電源とする電源回路などが備え
られている。
D変換器212,224は前記説明に係る電流積分形式
のオーバサンプリング型A/D変換器であり、これらは
高い変換精度を維持しながら低消費電力並びに低電源電
圧駆動可能に構成されているから、バッテリー駆動に最
適化される。更に、ベースバンド部201、中間周波数
部202が別々に或いは一体的に1チップのアナログ・
ディジタル混載大規模半導体集積回路化されるような場
合にも、A/D変換器212,224はDSP213な
どの論理回路部からのディジタル雑音混入による変換特
性劣化が少なく、高い信頼性を実現することができる。
例に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることは言うまでもない。上記実施
例では、アナログ積分回路として容量素子を用いた補間
形オーバサンプリングA/D変換器について説明した
が、本発明はそれに限定されるものではなく、抵抗素子
と容量素子とを直列接続した形式のアナログ積分回路を
用いる補間形オーバサンプリングA/D変換器、さらに
はΔΣ形オーバサンプリングA/D変換器にも適用する
ことができる。本発明は、少なくともオーバーサンプリ
ング型A/D変換器においてサンプリングスイッチを用
いないことを条件とするものに広く適用することができ
る。
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
でアナログ積分回路を構成するから、アナログ積分回路
に演算増幅回路を用いることなく実現でき、かつ、積分
動作の振幅変化を小さくすることができる。これによ
り、オーバサンプリングA/D変換器を低電源電圧で動
作可能に実現することができ、且つ、低消費電力化にも
寄与するという効果がある。
ナログ積分回路は、論理回路からのディジタル雑音混入
を原理的に最も受けやすい仮想接地型ではなく、接地型
とされ、このことが、電源電圧の変動やディジタル雑音
に対して動作特性の安定なA/D変換器の実現に寄与す
る。従来の演算増幅回路を用いた仮想接地型積分回路が
本質的に有していた雑音混入による特性劣化を改善する
ことができる。さらにまた、消費電流を増やしても演算
増幅回路の動作速度改善の限界から困難であった変換信
号の広帯域化についても可能になる。
/A変換回路の電流スイッチ回路を複数ビット化するこ
とにより、入力信号電流と帰還電流信号との差分電流を
小さくすることができ、上記入力電圧/電流変換回路及
び局部D/A変換回路を構成する定電流源MOSトラン
ジスタの安定動作を可能とし、これによっても、A/D
変換器の低電源電圧化、低消費電力化を達成することが
できる。
スイッチが不要のためスイッチングノイズによる特性劣
化を無くすことができる。さらにサンプリングのための
タイミング作成用の回路も不要であるため電流駆動型A
/D変換器の回路構成を簡素かする事ができる。
とき、チップ面積を小型化する事ができる。
ングA/D変換器の基本構成図である。
のためのタイミングチャートである。
ーバサンプリングA/D変換器の詳細な一実施例ブロッ
ク図である。
めの一例タイミングチャートである。
回路図である。
回路図である。
サンプリングA/D変換器ブロック図である。
めの一例タイミングチャートである。
す回路図である。
示す回路図である。
形オーバサンプリングA/D変換器のブロック図であ
る。
グスイッチを有するオーバーサンプリング型A/D変換
器の原理的なブロック図である。
ンプリング動作とディジタル積分動作との関係をおもに
示す動作タイミングチャートである。
プリングスイッチを常時閉じた場合の動作タイミングチ
ャートである。
て成る携帯通信端末装置の一例ブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 入力電圧信号を該電圧振幅に応じた電流
信号に変換する電圧/電流変換回路と、 出力電流値がディジタル信号によって制御される局部D
/A変換回路と、 一端が上記電圧/電流変換回路と局部D/A変換回路と
の電流出力接続点に、他端が直流電位点にそれぞれ接続
され、前記電圧/電流変換回路の出力電流と局部D/A
変換回路の出力電流との差分電流が供給されるアナログ
回路と、 前記電流出力接続点の電位を所定のしきい値電位と比較
する電圧比較回路を有する量子化回路と、 前記量子化回路の出力に基づいて、前記ディジタル信号
を形成するためのディジタル回路とを含むアナログ/デ
ィジタル変換器であって、 前記ディジタル回路は、前記量子化回路の出力が前記局
部D/A変換回路の出力に反映されるまでの間に前記ア
ナログ回路にサンプリングされるアナログ量の誤差を相
殺させる補正を前記ディジタル信号に対して行う帰還量
補正手段を有するものであることを特徴とするアナログ
/ディジタル変換器。 - 【請求項2】 前記ディジタル回路は、前記量子化回路
の出力を積分して前記帰還量補正手段に出力するディジ
タル積分回路を含み、 前記帰還量補正手段は、1サンプリング周期間における
出力の平均値を、当該周期における量子化回路出力を反
映した前記ディジタル積分回路の出力に等しくする、デ
ィジタル値を出力する回路であることを特徴とする請求
項1記載のアナログ/ディジタル変換器。 - 【請求項3】 前記アナログ回路は、前記直流電位点に
結合する容量素子を含んで成るものであることを特徴と
する請求項1又は2記載のアナログ/ディジタル変換
器。 - 【請求項4】 前記アナログ回路は更に、前記容量素子
と前記電流出力接続点との間に結合される抵抗素子を含
んで成るものであることを特徴とする請求項3記載のア
ナログ/ディジタル変換器。 - 【請求項5】 前記局部D/A変換回路に与えられるデ
ィジタル信号は複数ビットの信号であることを特徴とす
る請求項1乃至4の何れか1項記載のアナログ/ディジ
タル変換器。 - 【請求項6】 1個の半導体基板に形成されて成る請求
項1乃至5の何れか1項記載のアナログ/ディジタル変
換器。
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