JPH0563297B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、平板状の真空断熱材に関するもので
ある。

〔発明の背景〕

断熱機能の高い真空断熱材は、耐圧構造上、円
筒、又は球状構造体のみであつたが、最近スペー
サを内蔵する平板状、又は箱状構造体が考えられ
てきた。

このスペーサは、極細径の無機質繊維のフアイ
バーを伝熱方向と直角方向に積層し、多段の接触
熱抵抗により断熱性能を持たせるものであるが、
このままでは低密度であり、真空圧縮による圧変
形が大きく、パネル全体が大きく変形し組込が困
難となるため、フアイバーに、フツク付針によ
り、繊維の一部を積層方向と直角方向、即ち、伝
熱方向に貫通縫込をし、密度を増大させ圧縮変形
を少くする手段が取られてきた。

しかし、この手段は、繊維の一部が伝熱方向に
一致するため、この縫込繊維の熱伝導により、真
空容器外板に直接熱が伝わり断熱機能を低下せし
める欠陥があつた。

〔発明の目的〕

本発明は、上記欠陥を改良するために成された
ものである。

〔発明の概要〕

即ち、無機質の細径繊維の主方向を伝熱方向に
対し直角方向でランダムに積層し、これと直角方
向に縫込繊維を途中まで縫込み、高密度としたフ
アイバーマツトを、平板状のパネルに内設し、内
部を高真空として封止切つたことを特徴とした真
空断熱材である。

〔発明の実施例〕

本発明に於ける一実施例を、第１図〜図５図に
より説明すると、１は、ステンレス材で構成し、
浅くプレスした絞り外板、１ａは、そのフランジ
１ｂは、絞り外板１のプレス１に底部に設ける円
筒状のカラー、２は、絞り外板１の蓋となる外
板、３は、真空引きパイプで、その一端は、カラ
ー１ｂに溶接する。４は、セラミツク等の細径の
無機質繊維の高密度のフアイバーマツトで、無機
質の繊維は数百度以上の耐熱性を有し、ガス発生
を防止できるものとする。

４ａは、フアイバーマツト４の主方向が伝熱方
向と直角方向で、ランダムに積層した細径繊維で
この細径繊維４ａは、相互に点接触となり、これ
が伝熱方向に多段になるよう構成する。４ｂは、
この細径繊維４ａと、直交するように縫込む、縫
込繊維で、この縫込は両面より行われ、かつ、縫
込位置は、フアイバーマツトの厚さ方向の途中ま
でで終了させる。

掛る部品で真空断熱材を構成するには、まず絞
り外板１の凹部にフアイバーマツト４を内設し、
外板２で蓋をし、フランジ１ａと、外板２の外周
部を気密溶接し、真空引きパイプ３に真空ポンプ
（図示せず）を接続し、排気をしながら高温に加
熱し脱ガスを促進させ、ベーキング脱ガス終了後
に真空引きパイプ３の一部を封止切つて真空断熱
材を完成する。

〔発明の効果〕

以上の如く構成された真空断熱材は、スペーサ
となるフアイバーマツト４の細径繊維４ａが、伝
熱方向に直角に、かつランダムに積層されている
ので、熱伝導が多段の点接触の接触熱抵抗を有し
断熱機能が高く、これを高密度とするため伝熱方
向となる縫込繊維４ｂは、縫込が途中までである
ため、絞り外板１と、外板２との間に直接熱伝導
がなく、縫込繊維４ｂによる熱損失を微小にでき
る効果がある。この上対流損失は、真空により、
輻射損失は、多段に反射させる細径繊維４ａによ
り、絞り外板１、及び外板２による外板廻り込み
熱損失は、熱伝導率の少いステンレス材によつて
防げ、全体的にも高い断熱機能を発揮するもので
ある。

又、フアイバーマツト４は、高密度であるた
め、真空圧による圧縮変形が少く、組立、及び配
設が安易になる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、真空断熱材の斜視図、第２図は、第
１図の縦断面図、第３図は、フアイバーマツトの
斜視図、第４図は、細径繊維のランダム積層図、
第５図は、フアイバーマツトの側視拡大図であ
る。 １…絞り外板、１ａ…フランジ、１ｂ…カラ
ー、２…外板、３…真空引きパイプ、４…フアイ
バーマツト、４ａ…細径繊維、４ｂ…縫込繊維。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 無機質の細径繊維４ａを伝熱方向に対し直角
   方向でランダムに積層し、これと直角方向に縫込
   繊維４ｂを途中まで縫込み、高密度としたフアイ
   バーマツト４を、平板状のパネルに内設し、内部
   を高真空として封止切つたことを特徴とした真空
   断熱材。 ２ 縫込繊維４ｂを、フアイバーマツト４の両面
   より縫込んだことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の真空断熱材。