JPH0563171A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子の製造方法

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JPH0563171A
JPH0563171A JP3220499A JP22049991A JPH0563171A JP H0563171 A JPH0563171 A JP H0563171A JP 3220499 A JP3220499 A JP 3220499A JP 22049991 A JP22049991 A JP 22049991A JP H0563171 A JPH0563171 A JP H0563171A
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JP
Japan
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photoelectric conversion
layer
cooling
cooling rate
glass substrate
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JP3220499A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Okushiba
浩之 奥芝
Katsumi Tsuchida
克巳 土田
Minoru Tsukada
稔 塚田
Yuji Yoshida
雄二 吉田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造上の歩留りを大幅に改善しかつ信頼性が
向上される光電変換素子の製造方法を提供することであ
る。 【構成】 ガラス基板15上にたとえばクロム、アルミ
ニウムなどで金属層34をたとえばスパッタリングや蒸
着などの薄膜技術で形成し、パターン化して共通電極1
6を形成する。次に、ガラス基板15上の前記共通電極
16を被覆して非晶質シリコンからなる半導体層17を
グロー放電によるP−CVD法によって成膜する。この
製造段階のガラス基板15を所定温度、所定時間で加熱
処理し、引き続き基準冷却速度VT2以下の冷却速度で
徐冷する熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば密着型イメー
ジセンサや薄膜トランジスタ、あるいは静電複写機にお
ける感光ドラム、太陽電池などに用いられ、非晶質シリ
コンを用いて形成される光電変換素子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば密着型イメージセンサの画像読
取素子として、非晶質シリコンを用いた光電変換素子が
用いられている。このような光電変換素子は、透明なガ
ラス基板上にたとえばクロム、アルミニウムなどの金属
材料からスパッタリング法、あるいは蒸着法により下部
電極を形成し、下部電極上にグロー放電による化学的気
相成長法により非晶質シリコンから成る光電変換層を成
膜する。光電変換層上にITO (インジウム錫酸化物)
層、クロムCr層およびアルミニウムAl層から成る上
部電極をスパツタリング法により形成する。これに続
き、光電変換層および上部電極をエッチングして導光窓
を形成する。このような製造工程によって、光電変換素
子が製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような光電変換素
子を製造するに際して光電変換特性を向上するために、
(1)暗電流密度(Id)の低下、(2)明電流密度
(Ip)の増加、(3)上記(1)項、(2)項の達成
による信号/雑音比の向上、(4)応答速度の高速化、
(5)光劣化および放射線劣化の回復を実現する必要が
ある。そのために、非晶質シリコンを基板温度(Tsu
b)150〜300℃で成膜する技術が、特公平2−4
5344、特開昭58−68965および特開昭58ー
162075などで知られている。しかしながら、これ
らの技術は、当該先行技術文献に基づく本件発明者の追
試によれば、効果の再現性が低く、また効果にばらつき
が大きいという不具合があり、製造時の歩留まりが低下
するという課題を有している。
【0004】一方、成膜後のベーク処理で加熱された非
晶質シリコンの冷却速度を制御することにより、非晶質
シリコン中の欠陥であるD.B(ダングリングボンド)
密度が変化する例が知られている。しかしながら、この
例は前記暗電流密度や明電流密度と冷却速度との関係を
確認したものではなく、またショットキー障壁型の非晶
質シリコン膜で実験されたものである。p−i−n型の
構造を有する非晶質シリコン膜において、前記ダングリ
ングボンド密度と暗電流密度および明電流密度の特性と
は必ずしも1対1対応するものではない。
【0005】すなわち、前記p−i−n型の非晶質シリ
コン膜を用いる光電変換層に関して、前述したような各
種の問題点を解決する手段は現在までは確認されておら
ず、したがって前記p−i−n型の非晶質シリコン膜に
よる光電変換層を用いる光電変換素子の製造時に、暗電
流密度、明電流密度、各電流密度の程度に基づく信号/
雑音比、応答速度、および光劣化と放射線劣化の回復な
どの特性にばらつきが大きく、製造時の歩留まりが低い
という課題を有している。
【0006】更に、非晶質シリコン膜のベーク処理後の
冷却処理が比較的速い冷却速度で行われる場合、成膜時
に発生した構造欠陥すなわち前記D.B密度や表面欠陥
などは、冷却工程時に凍結されるが、このような構造欠
陥は常温において熱力学的に準安定状態であり、熱エネ
ルギー(フォトン)あるいはフォトン(すなわち光の照
射)によって構造組換えが発生し、内部構造および表面
構造は安定状態に変化する。したがって、非晶質シリコ
ンを用いる光電変換素子は、製造中あるいは製造後にお
いて光電変換特性が時間とともに変化し、信頼性が低い
という課題を有している。
【0007】本発明の目的は、上述の技術的課題を解消
し、製造時の歩留まりが向上され、信頼性が格段に向上
される光電変換素子の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板上
に、下部電極と、非晶質半導体層からなる光電変換層
と、上部電極とをこの順序に形成する光電変換素子の製
造方法において、形成された光電変換層を加熱する工程
と、昇温した光電変換層を2℃/分以下の冷却速度で冷
却する冷却工程とを含むことを特徴とする光電変換素子
の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明に従えば、絶縁基板上に下部電極を形成
し、この上に複数の導電形式の非晶質半導体層を積層し
てなる光電変換層を形成し、形成された光電変換層を加
熱する。次に、昇温した光電変換層を予め定める基準冷
却速度以下の速度で冷却する。この上に上部電極を形成
する。
【0010】前記光電変換層がp−i−n型の非晶質シ
リコンからなる場合、熱処理時に暗電流密度および明電
流密度に影響を与える要因として、少なくとも、(α)
半導体各層の界面での表面準位、荷電欠陥密度の変化、
(β)金属ー半導体結合部での表面準位、荷電欠陥密度
の変化、(γ)半導体各層間の内部応力による歪みの変
化(δ)D.B密度の変化、が想定される。
【0011】前記(δ)項のダングリングボンドととも
に、(α)項および(β)項に示した表面準位も、熱平
衡型欠陥であるものが多いと想定され、加熱処理後の冷
却処理が比較的速い冷却速度で行われる場合、成膜時に
発生した構造欠陥すなわち前記ダングリングボンドや表
面欠陥などは、冷却工程時に高温時の非平衡状態のまま
凍結されるが、予め定める基準冷却速度以下の冷却速度
で徐冷すると、構造組換えが発生し、内部構造および表
面構造は安定状態に変化する。
【0012】したがって、暗電流密度、明電流密度、各
電流密度の程度に基づく信号/雑音比、応答速度、およ
び光劣化と放射線劣化の回復などの特性のばらつきを可
及的に抑制することができ、製造上の歩留まりを格段に
向上することができる。
【0013】また同様な理由により、欠陥の安定状態へ
の移行を1つの工程で実現してしまうため、製造時の当
該工程後の工程や、製造後に光電変換素子の特性が時間
とともに変化する事態を防止でき、信頼性を格段に向上
することができる。
【0014】前記冷却工程に続いて上部電極を形成した
後、光電変換層を加熱し、更に加熱後の光電変換層を前
記予め定める基準冷却速度以下の冷却速度で冷却する第
2の冷却工程を含む場合や、当該第2の冷却工程に続い
て光電変換素子を加熱した後、加熱後の光電変換素子を
前記予め定める冷却速度以下の冷却速度で冷却する第3
の冷却工程を含場合でも、前記作用効果を達成すること
ができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例に従って製造されて
いる完全密着型イメージセンサ (以下、イメージセンサ
と略す)11の断面図であり、図2はイメージセンサ1
1の平面図である。イメージセンサ11は、遮光性を有
するハウジング12を備え、PCB板 (信号処理配線基
板)13上に一直線状にLED (発光ダイオード)14
が配置される。
【0016】ベースプレート28には、ガラス基板15
が乗載され、ガラス基板15上には共通電極16と光の
入射によって通電状態が変化するアモルファスシリコン
などの半導体材料から成る半導体層17と、たとえば透
明導電膜としてのITO層18と、クロム層19および
アルミニウム層20がこの順序で積層され、個別電極2
1が構成される。前記半導体層17は、n型非晶質シリ
コンからなるn層29と、i型非晶質シリコンからなる
i層30と、p型非晶質シリコンからなるp層31とが
積層されて構成される。
【0017】このような構成が実装されたガラス基板1
5は、透光性を有する樹脂層22で被覆され、その上に
は保護ガラス23が配置される。また前記共通電極1
6、半導体層17および個別電極21を貫通して、読取
るべき原稿24にLED14からの光を導くための導光
窓25が形成される。導光窓25は、図1の紙面と垂直
方向に多数間隔をあけて配置され、導光窓25付近の前
記共通電極16、半導体層17および個別電極21がそ
れぞれフォトダイオード27を構成する。
【0018】読取られるべき原稿24は、保護ガラス2
3上に搬送ローラ26によって圧接されて摺動し、LE
D14から発生した光が矢符A1で示すようにガラス基
板15および導光窓25を経て原稿24を照射し、矢符
A2で示すように反射して各フォトダイオード27毎に
半導体層17に入射する。半導体層17において、前記
反射光により発生した電気信号は、個別電極21を介し
て外部に出力される。
【0019】本実施例は、上述したような構成を有する
イメージセンサ11を製造するに際して、とりわけ光電
変換作用を実現する半導体層17を形成するに際して、
半導体層17の光電変換作用にばらつきを生じさせ、製
造上の歩留まりを低下させ、かつこのばらつきが時間的
に変化する点で、信頼性を損なう原因となっていたダン
グリングボンド等の構造欠陥を低減させ、安定化させよ
うとするものである。
【0020】その論拠は、前記作用の項目で説明したよ
うに、熱処理時に暗電流密度および明電流密度に影響を
与える要因として想定される前記(α)項〜(δ)項に
対するもので、半導体層17の加熱時は前記D.B密度
等の欠陥密度が増大するが、熱力学的平衡を保ったまま
冷却することで(すなわち、予め定める基準冷却速度以
下で冷却することで)欠陥密度の低減と安定化が図れる
との知見に基づくものである。本件発明者は、このよう
な知見の正当性を実証するために、以下のような実験を
行った。
【0021】図3はこの実験に用いられた構成の系統図
である。すなわち、ガラス基板15上に共通電極16
と、前述したようにn層29、i層30およびp層31
からなる半導体層17と、個別電極21とを形成した
後、共通電極16と個別電極21との間に、出力電圧を
可変できる電源32と電流計33とを直列に接続した。
このとき、電源32の極性はp層31側を正極とし、n
層29側を負極とする逆バイアスに接続する。
【0022】同一のガラス基板15上に、図3に示す共
通電極16、半導体層17および個別電極21を形成し
た後、これらを分断して図3に示す構成を複数個得た。
これらに対して、それぞれ210℃、1時間の加熱を行
った後、100℃/分以上の冷却速度VT1で急冷、
2℃/分の冷却速度VT2で徐冷、1℃/分の冷却
速度VT3で徐冷、0.5℃/分の冷却速度VT4で
徐冷、の処理をそれぞれ行った。このような4種類の処
理が施された図3に示す試料に対し、印加されるバイア
ス電圧を変化させて、暗電流密度を計測した。その結果
を図4のグラフに示す。
【0023】図4のラインL1,L2,L3,L4はそ
れぞれ前記冷却速度VT1,VT2,VT3,VT4の
場合にそれぞれ相当する。すなわち、冷却速度を落とす
ほど逆バイアスでの電圧変化が小さく、入射光量によっ
てのみ出力レベルが変化するというフォトダイオードと
して望ましい特性に近付くことが理解される。
【0024】図5は図4に示した前述の実験結果に対
し、冷却速度VT1の暗電流出力を100%としたとき
の冷却速度とバイアス電圧との関係を示すグラフであ
る。図5のラインL5,L6,L7は電源32によるバ
イアス電圧がそれぞれ電圧Vb1,Vb2,Vb3(V
b1<Vb2<Vb3)の場合である。図5からはバイ
アス電圧の高低に拘わらず、冷却速度を低下した場合
程、暗電流密度を大きく低減できることが理解される。
【0025】また図4および図5の実験結果を得るに用
いた上述のように作成された4種類の冷却条件の下での
試料に対して、図3に示すように個別電極21側から光
を照射して、一例として100Lux当たりの明電流密
度を計測した。図6のラインL11,L12,L13,
L14は、前記冷却速度VT1〜VT4でそれぞれ作成
された試料に対応する。図6からは明電流密度の前記冷
却速度に対応するラインL11〜L14に示される変化
状態は、バイアス電圧の変化に対応する顕著な変化状態
の相違は見受けられず、バイアス電圧に正に同程度の相
関があるものと判断される。
【0026】図7は図6の計測結果を冷却速度VT1の
場合を100%としたときの他の冷却条件における出力
%の変化を示すグラフである。図7のラインL8,L
9,L10は図5で説明したバイアス電圧Vb1,Vb
2,Vb3と同一電圧である。いずれのラインL8〜L
10でも、冷却速度VT1に対し、当該冷却速度VT1
より小さな冷却速度VT2で出力が低下しているが、冷
却速度VT2以下ではいずれも出力が増大しており、し
かも出力比としてはバイアス電圧が小さい程、出力の増
大の程度が大きいという結果が見られる。
【0027】すなわち、図4〜図7の実験結果からイメ
ージセンサ11を製造する工程において、半導体層17
を製造する際に半導体層17後、加熱処理を行った後の
冷却処理は、前記冷却速度VT2以下の冷却速度で徐冷
することにより、半導体層17における前記ダングリン
グボンドが抑制されることが判明した。一方、上記実験
結果が示す原理は、成膜工程および加熱工程において、
半導体層17に生じたダングリングボンドは、急速に冷
却されることにより、非熱平衡状態で半導体層17中に
凍結されるのに対し、前記基準冷却速度VT2より小さ
な冷却速度では、熱平衡状態を保ったまま冷却が行われ
る。これにより、シリコンネットワーク中で未結合でダ
ングリングボンドとなっていた部分が再結合するので、
前記D.B密度を減少させている。
【0028】したがって、本発明の眼目は、非晶質シリ
コンからなる半導体層17への加熱処理に引き続く徐冷
処理であり、このような処理は前記実施例において述べ
た半導体層17の形成後、個別電極21の製造に先立っ
て行われる加熱処理と徐冷処理とに限らず、このような
加熱処理と徐冷処理とによって、半導体層17を形成し
た後、個別電極21を形成した後に、150〜300℃
で加熱処理し前記基準冷却速度以下の冷却速度で冷却す
る工程を行ってもよいのは勿論である。
【0029】更に、個別電極21の製造に引き続き、イ
メージセンサ11の動作制御を行う集積回路素子を設備
し、ワイヤーボンディング等で、電気的に接続した後、
100〜250℃で加熱処理し、前記基準冷却速度VT
2以下の冷却速度で冷却する用にしてもよいのは勿論で
ある。本発明は、これらのいずれかの工程で徐冷処理を
行うようにしてもよく。あるいは2工程あるいは3工程
の複数工程で徐冷処理を行うようにしてもよいのは勿論
である。
【0030】図8はイメージセンサ11の製造工程の全
体を示す工程図であり、図9はこの製造工程を説明する
断面図である。図8工程a1では、図9(1)に示され
るようにガラス基板15上にたとえばクロム、アルミニ
ウムなどで金属層34をたとえばスパッタリングや蒸着
などの薄膜技術で形成し、パターン化して共通電極16
を形成する。
【0031】工程a2では、図9(2)に示されるよう
にガラス基板15上の前記共通電極16を被覆して非晶
質シリコンからなる前述したような半導体層17をグロ
ー放電によるP−CVD法によって成膜する。工程a3
ではこの製造段階のガラス基板15を所定温度、所定時
間で加熱処理し、引き続き前記基準冷却速度VT2以下
の冷却速度で徐冷するなどの熱処理を行う。
【0032】工程a4では、図9(3)に示されるよう
に、ガラス基板15および半導体層17を被覆して、I
TO層18、クロム層19およびアルミニウム層20を
この順序にスパッタリングにより成膜する。工程a5で
はアルミニウム層20、クロム層19およびITO層1
8をエッチングし、所望の電極形状が得られるようにパ
ターンニングを行う。
【0033】工程a6では、半導体層17および共通電
極16をエッチングして、導光窓25を形成する。工程
a7では、この製造段階のガラス基板15を150〜3
00℃で加熱し、引き続いて前記冷却速度VT2以下の
冷却速度で徐冷する熱処理を行う。工程a8ではこの上
に、樹脂層22を介して保護ガラス23を固着し、さら
にイメージセンサ11の画像読み取り動作を行うための
集積回路素子をたとえばガラス基板15上に形成し、こ
の集積回路素子と個別電極21とを電気的に接続するボ
ンディングワイヤを接続するなど各種回路素子を実装す
る。工程a9ではこの製造段階のガラス基板15に対
し、100〜250℃で加熱し、前記冷却速度VT2以
下の冷却速度で徐冷する。
【0034】以上のようにして、本実施例では、p−i
−n接合の構造を有する半導体層17を製造した後、加
熱処理に引き続き前記基準冷却速度VT2以下の冷却速
度で徐冷するようにした。これにより、半導体層17に
おいて成膜工程中あるいは加熱処理中に発生するダング
リングボンドの密度を格段に低減することができ、暗電
流密度を格段に低下することができる。また、その達成
により、共通電極16および個別電極21から得られる
信号に対して、S/Nを格段に向上することができる。
【0035】また、前記ダングリングボンドを格段に抑
制することにより、イメージセンサにおいてダングリン
グボンドが抑制され、したがってダングリングボンドが
残存した際に従来例で述べたような半導体層17の特性
が製造後の時間経過に伴って変化する事態を防止するこ
とができる。これにより、製造上の歩留まりが格段に向
上されるとともに、信頼性を向上することができる。
【0036】本発明の実施例は、前記実施例の密着型イ
メージセンサ11に限定されるものではなく、薄膜トラ
ンジスタ、あるいは静電複写機における感光ドラム、太
陽電池など、非晶質シリコンを用いて形成される光電変
換素子を有する半導体装置に関して広く実施されるもの
である。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明に従えば、絶縁基板
上に下部電極を形成し、この上に複数の導電形式の非晶
質半導体層を積層してなる光電変換層を形成し、形成さ
れた光電変換層を加熱する。次に、昇温した光電変換層
を予め定める基準冷却速度以下の速度で冷却する。この
上に上部電極を形成する。
【0038】前記光電変換層が例としてp−i−n型の
非晶質シリコンからなる場合、熱処理時に暗電流密度お
よび明電流密度に影響を与える要因として、少なくと
も、(α)半導体各層の界面での表面準位、荷電欠陥密
度の変化、(β)金属ー半導体結合部での表面準位、荷
電欠陥密度の変化、(γ)半導体各層間の内部応力によ
る歪みの変化(δ)D.B密度の変化、が想定される。
【0039】前記(δ)項のD.B密度とともに(α)
項および(β)項に示した表面準位も、熱平衡型欠陥で
あるものが多いと想定され、加熱処理後の冷却処理が比
較的速い冷却速度で行われる場合、成膜時に発生した構
造欠陥すなわち前記D.B密度や表面欠陥などは、冷却
工程時に高温時の非平衡状態のまま凍結されるが、予め
定める基準冷却速度以下の冷却速度で徐冷すると、構造
組換えが発生し、内部構造および表面構造は安定状態に
変化する。
【0040】したがって、暗電流密度、明電流密度、各
電流密度の程度に基づく信号/雑音比、応答速度、およ
び光劣化と放射線劣化の回復などの特性のばらつきを可
及的に抑制することができ、製造上の歩留まりを格段に
向上することができる。
【0041】また同様な理由により、欠陥の安定状態へ
の移行を1つの工程で実現してしまうため、製造時の当
該工程後の工程や、製造後に光電変換素子の特性が時間
とともに変化する事態を防止でき、信頼性を格段に向上
することができる。
【0042】前記冷却工程に続いて上部電極を形成した
後、光電変換層を加熱し、更に加熱後の光電変換層を前
記予め定める基準冷却速度以下の冷却速度で冷却する第
2の冷却工程を含む場合や、当該第2の冷却工程に続い
て光電変換素子を加熱した後、加熱後の光電変換素子を
前記予め定める冷却速度以下の冷却速度で冷却する第3
の冷却工程を含場合でも、前記作用効果を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従って製造されるイメージ
センサ11の断面図である。
【図2】イメージセンサ11の平面図である。
【図3】本発明の作用を説明する断面図である。
【図4】本実施例の半導体層17のバイアス電圧に対応
する暗電流密度の変化を示すグラフである。
【図5】明電流密度の出力比を示すグラフである。
【図6】本実施例の半導体層17のバイアス電圧に対応
する明電流密度の変化を示すグラフである。
【図7】明電流密度の出力比を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例の製造工程を説明する工程図
である。
【図9】本実施例の製造工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
11 イメージセンサ 15 ガラス基板 16 共通電極 17 半導体層 18 ITO層 19 クロム層 20 アルミニウム層 21 個別電極 29 n層 30 i層 31 p層
フロントページの続き (72)発明者 塚田 稔 鹿児島県姶良郡隼人町内999番地3 京セ ラ株式会社鹿児島隼人工場内 (72)発明者 吉田 雄二 鹿児島県姶良郡隼人町内999番地3 京セ ラ株式会社鹿児島隼人工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に、下部電極と、非晶質半導
    体層からなる光電変換層と、上部電極とをこの順序に形
    成する光電変換素子の製造方法において、 形成された光電変換層を加熱する工程と、 昇温した光電変換層を2℃/分以下の冷却速度で冷却す
    る冷却工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製
    造方法。
JP3220499A 1991-08-30 1991-08-30 光電変換素子の製造方法 Pending JPH0563171A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100512988B1 (ko) * 2002-09-26 2005-09-07 삼성전자주식회사 플렉서블 mems 트랜스듀서 제조방법
KR100512960B1 (ko) * 2002-09-26 2005-09-07 삼성전자주식회사 플렉서블 mems 트랜스듀서와 그 제조방법 및 이를채용한 플렉서블 mems 무선 마이크로폰
JP2009164251A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 光電変換装置の製造方法

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