JPH05626B2 - - Google Patents

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JPH05626B2
JPH05626B2 JP60106280A JP10628085A JPH05626B2 JP H05626 B2 JPH05626 B2 JP H05626B2 JP 60106280 A JP60106280 A JP 60106280A JP 10628085 A JP10628085 A JP 10628085A JP H05626 B2 JPH05626 B2 JP H05626B2
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JP
Japan
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temperature
low
displacer
chamber
medium
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JP60106280A
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JPS61265455A (ja
Inventor
Yoshinori Doi
Mitsuo Inabe
Osamu Noro
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP10628085A priority Critical patent/JPS61265455A/ja
Publication of JPS61265455A publication Critical patent/JPS61265455A/ja
Publication of JPH05626B2 publication Critical patent/JPH05626B2/ja
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱駆動ヒートポンプに係り、特に、作
動ガスを高温と低温の熱源で加熱、冷却すること
によつて発生する作動ガス圧力の上昇、下降を、
機械動力を介することなく直接ヒートポンプにお
ける作動ガスの圧縮、膨張に利用して吸熱、排熱
を行う方式のヒートポンプに関する。
〔従来の技術〕
2個のデイスプレーサを適切な時間ずれをもつ
て変位するように、対向状に配置した2個のシリ
ンダ内に収容し、各デイスプレーサの往復変位に
伴つて、、各シリンダに付属する加熱器、リジエ
ネレータおよび冷却器を含む流路を経て、両シリ
ンダ内の作動ガスを、両シリンダの端部の高温室
および低温室と、両シリンダの中間の中温室との
間を往復させるようにしたヒートポンプは、米国
特許第1275507号明細書に記載されているように
公知である。
この公知のヒートポンプでは、両デイスプレー
サは、両シリンダの中間部に設けた駆動軸により
クランク機構を介して強制的に時間ずれをもつて
変位する。
また、2個のデイスプレーサを外部から別々の
モータで駆動するようにしたものは、米国特許第
3630041号明細書により、2個のデイスプレーサ
に永久磁石を取付けて電磁石の力でデイスプレー
サを駆動するようにしたものは、米国特許第
3774405号明細書により、それぞれ公知である。
一方、デイスプレーサの変位を作動ガスからの
力によつて行い、デイスプレーサの動きをそれに
連係されたクランク軸を介して動力として取出せ
るようにしたヒートポンプは、米国特許第
3379026号明細書により公知である。
また、中温室をフローテイングピストンで仕切
つたものが、米国特許第4455841号明細書に記載
されている。
さらにまた、低温デイスプレーサをフリーピス
トンとし、かつガスばねで支持し、受圧面積差に
よつて作動ガス圧力で駆動するようにしたもの
も、米国特許第4024727号明細書に記載されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上に述べた公知のヒートポンプは、いずれ
も、クランク機構を有し、少くとも一方のデイス
プレーサは外部からの機械力または電磁力により
駆動される。したがつて、ヒートポンプは機構的
に複雑になり、外部に動力源がないと運転するこ
とができないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することがで
き、構造が簡単で、熱源のみがあれば運転するこ
とが可能で、しかも高い性能を期待することがで
きる熱駆動ヒートポンプを提供することを主目的
とする。
また、本発明は、中温室フローテイングピスト
ンで仕切る前記公知の方式に対して、ピストンの
摺動による摩擦ロスがない。ピストンの慣性抵抗
や摩擦抵抗によつて生じるピストン前後両間の圧
力差によるピストン前後面間の作動ガスのもれに
よるロスがない。等の利点をさらに有する熱駆動
ヒートポンプを提供することをも目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による熱駆動ヒートポンプは、同軸的に
配置され、、内部に作動ガスを充填した高温シリ
ンダおよび低温シリンダと、高温シリンダの低温
シリンダと反対の側に高温室を形成しかつ高温シ
リンダの低温シリンダ側に中温室を形成するよう
に、高温シリンダの内部に摺動自在に挿入された
高温デイスプレーサと、前記高温室と中温室とを
連通させる高温側作動ガス流路と、高温室から中
温室へ向かう方向に関して高温側作動ガス流路内
に順次配列された高温熱交換器、高温リジエネレ
ータおよび高温側中温熱交換器と、低温シリンダ
の高温シリンダと反対の側に低温室を形成しかつ
低温シリンダの高温シリンダ側に中温室を形成す
るように、低温シリンダの内部に摺動自在に挿入
された低温デイスプレーサと、前記低温室と中温
室とを連通させる低温側作動ガス流路と、低温室
から中温室へ向かう方向に関して低温側作動ガス
流路内に順次配列された低温熱交換器、低温リジ
エネレータおよび低温側中温熱交換器と、前記高
温シリンダおよび低温シリンダの間に固定状態で
設けられた高温側デイスプレーサガイドおよび低
温側デイスプレーサガイドとを備え、高温側デイ
スプレーサガイドおよび低温側デイスプレーサガ
イドは、それぞれ高温デイスプレーサおよび低温
デイスプレーサと摺動自在にかん合して両デイス
プレーサを軸方向に案内し、かつ両デイスプレー
サとの間にガスを収容したガスばね室を形成して
おり、両デイスプレーサガイドは、両シリンダの
間に固設された隔壁に一体的に設けられ、隔壁は
連通開口を有し、隔壁の両側に前記中温室が形成
され、両中温室が前記連通開口を介して連通して
ことを特徴とする。
また、併合発明によれば、上記構成において、
両デイスプレーサガイドは両シリンダ間に固設さ
れた隔壁に設けられ、隔壁は連通開口を有し、こ
の連通開口内に中温リジエネレータが設けられ、
隔壁の両側に中温室が形成されている。
〔作 用〕
以上の構成により、本発明の熱駆動ヒートポン
プは、デイスプレーサ外部から機械的駆動力を与
えなくても、作動ガスの高温部と低温部の間での
流動を伴う作用と、両デイスプレーサに作用する
ガスばねの作用とにより、デイスプレーサガイド
やシリンダとの摩擦、流路を作動ガスが流れると
きの抵抗などに起因する減衰力と作動ガスからの
力がつり合つた状態で持続振動をする。
〔実施例〕
つぎに、図面について本発明の実施例を説明す
る。
第1図において、1は本発明の熱駆動ヒートポ
ンプの筒状ケーシングで、このケーシング1の内
部には、それを一体的に高温シリンダ2Hおよび
低温シリンダ2Lが同軸的に設けられている。図
示の例では低温シリンダ2Lの方が高温シリンダ
2Hより径が大となつている。ケーシング1内に
は、たとえばヘリウムガスのような作動ガスが封
入されている。
高温シリンダ2Hの内部には高温デイスプレー
サ3Hが摺動自在に収容され、この高温デイスプ
レーサ3Hによつて、高温シリンダ2Hの低温シ
リンダ2Lと反対の側に高温室4Hが形成され、
また低温シリンダ2Lの側に中温室4が形成され
ている。
高温室4Hと中温室4Mは、高温シリンダ2H
の外周に形成した環状の高温側作動ガス流路5H
により連通している。そして、この流路5Hの内
部には、高温室4Hから中温室4Mへ向かつて高
温熱交換器7H、高温リジエネレータ8Hおよび
高温側中温熱交換器9Hが順次設けられている。
低温シリンダ2Lの側においても同様な構成が
とられ、低温シリンダ2Lの内部に低温デイスプ
レーサ3Lが摺動自在に収容され、この低温デイ
スプレーサ3Lによつて、低温シリンダ2Lの高
温シリンダ2Hと反対の側に低温室4Lが形成さ
れ、また高温シリンダ2Hの側に中温室4Mが形
成されている。
さらに、低温室4Lと中温室4Mは、低温シリ
ンダ2Lの外周に形成した環状の低温側作動ガス
流路5Lにより連通している。そして、この流路
5Lの内部には、低温室4Lから中温室4Mへ向
かつて低温熱交換器7L、低温リジエネレータ8
Lおよび低温側中温熱交換器9Lが順次設けられ
ている。
両シリンダ2H,2Lの中間部には、ケーシン
グ1と一体をなして隔壁10が設けられ、この隔
壁10からは高温側および低温側デイスプレーサ
ガイド11H,11Lが軸方向に突設されてい
る。図示の例ではこれらのガイド11H,11L
はロツドとして形成され、それぞれのロツド11
H,11Lは高温および低温デイスプレーサ3
H,3Lに形成した凹穴12H,12Lに摺動自
在に挿入され、これにより凹穴12H,12L内
にガスばね室13H,13Lが形成されている。
ガスばね室内には、たとえばヘリウムガスが封入
される。なお、ガイドと凹穴の雌雄関係は逆にす
ることも可能であるが、図示の構造の方が好まし
い。隔壁10には連通開口14が形成され、両中
温室4M,4Mは連通し、1つの中温室のように
機能するようになつている。
前記高温熱交換器7Hは、その外部から高温の
熱源、たとえばプロパンガスの燃焼ガスによつて
矢印Aで示すように加熱され、内部の作動ガスへ
その熱が伝わるようにされる。また、高温室4H
は高温熱交換器7Hによつて高温に保持される。
一方、高温側中温熱交換器9Hは、外部の低温
熱源、たとえば上水道水に接し、それによつて冷
却され、内部の作動ガスを中間温度、たとえば40
℃程度にするように機能する。
作動ガスは、2個のデイスプレーサ3H,3L
の動きに応じて、それぞれの作動ガス流路5H,
5L内をいずれの方向にも自由に流れることもで
きる。そして、高温室4Hと中温室4M、および
低温室4Lと中温室4Mの圧力の間には、作動ガ
スが流路5H,5Lを流れるときに発生する圧力
降下に起因する圧力差のみが存在する。
両リジエネレータ8H,8Lは蓄熱性能に優れ
た材料からなり、そこを流通する作動ガスに、蓄
えた熱を放出したり、熱を奪つたりする。
つぎに、以上に説明したヒートポンプの作用を
説明する。
前述のように、高温デイスプレーサ3Hおよび
低温デイスプレーサ3Lは、それぞれガスばね室
13H,13L内のガスばねを介してケーシング
1内に支持されており、いわゆるばね質点系を構
成している。また、高温室4H、中温室4Mおよ
び低温室4Lは流路5H,5Lを通じて互いに連
通しており、各室の作動ガス圧力間には流路5
H,5Lの圧力降下分の圧力差があるのみであ
り、全作動ガスの圧力はほぼ均一とみなせる。
一方、デイスプレーサ3H,3Lが作動ガスか
ら圧力を受ける面積は、高温、低温いずれのデイ
スプレーサにおいても、中温室4M側の方がケー
シング端(高温室4H、低温室4L)側よりロツ
ド11H,11Lの断面積分だけ小さくなつてい
る。よつて、いずれのデイスプレーサも、作動ガ
ス圧力が上昇すると圧力上昇分にロツド断面積を
乗じただけの力を中温室4Mに向かう方向へ受
け、作動ガス圧力が低下すると圧力の低下分にロ
ツド断面積を乗じただけの力を中温室4Mから遠
ざかる方向へ受ける。
作動ガスの温度は、前述のように高温室4Hで
は高温に保持され、中温室4Mでは中間的な温度
に保持され、低温室4Lは、後述のような本ヒー
トポンプの作動の結果低温に保持される。
このような状態の下で、高温デイスプレーサ3
Hと低温デイスプレーサ3Lは、後で詳述するよ
うに自励振動を開始し、このヒートポンプは低温
側熱交換器7Lを介して外部から熱を吸収し、2
つの中温熱交換器9H,9Lから外部へ熱を排出
する。
以下、それについて詳述する。なお、表現の便
宜上、中温室4Mから高温室4Hへ向かう方向を
上方向、中温室4Mから中温室4Lへ向かう方向
を下方向と呼ぶ。
まず、低温デイスプレーサ3Lの動きが高温デ
イスプレーサ3Hに及ぼす影響ついて述べる。
いま、低温デイスプレーサ3Lが周期的に往復
運動をしているとする。低温デイスプレーサ3L
が上方向へ移動すると、中温室4Mの一部の作動
ガスは低温デイスプレーサ3Lに押しのけられ
て、低温側中温熱交換器9L、低温リジエネレー
タ8L、低温熱交換器7Lを通り、低温リジエネ
レータ8Lに熱を奪われて低温になり低温室4L
へ流入する。この過程で、中間温度の作動ガスの
一部が低温に冷却されることになるため、作動ガ
スの圧力は下り、また各室4H,4M,4Lの作
動ガスは流路5H,5Lを通じて連通しているた
めに、各室の圧力が互いに均一になつた状態で全
作動ガスの圧力の低下が起る。
作動ガス圧力が低下すると、前述のように高温
デイスプレーサ3Hには、圧力の低下分にロツド
11Hの断面積を乗じた力が中温室4Mから遠ざ
かる方向すなわち上方向へ加わる。
逆に低温デイスプレーサ3Lが下方向へ移動す
ると、低温室4Lの作動ガスは低温デイスプレー
サ3Lに押しのけられて、低温熱交換器7L、低
温リジエネレータ8L、低温側中温熱交換器9L
を通り、低温リジエネレータ8Lから熱を受けと
り中間温度となつて中温室4Mへ流入する。この
過程で低温の作動ガスの一部が中間温度に加熱さ
れることになるため、作動ガスの圧力は上がり、
また各室4H,4M,4Lの作動ガスは流路5
H,5Lを通じて連通しているために圧力の上昇
は各室の圧力が均一になつた状態で起る。
作動ガスの圧力が上昇すると、前述のように高
温デイスプレーサ3Hには圧力の上昇分にロツド
11Hの断面積を乗じただけの力が下方向に加わ
る。
以上より、低温デイスプレーサ3Lが往復運動
をすると、高温デイスプレーサ3Hには低温デイ
スプレーサ3Lの変位と同方向の力が加わること
がわかる。
高温デイスプレーサ3Hは、デイスプレーサ自
身を質点、ガスばね室13H内のガスばねをばね
とするばね質点系の質点とみなすことができるた
め、周期的な力を受けると、ばね質点系の一般的
な特性を基づいて、加えられた力に時間的に遅れ
て追従して変化する。ただし、この時間的な遅れ
は、変位が力の逆方向となるまでは遅れない。
よつて、高温デイスプレーサ3Hは低温デイス
プレーサ3Lの変位と同方向の力を受け、その結
果高温デイスプレーサ3Hの変位は低温デイスプ
レーサ3Lの変位に時間的に遅れつつ追従するこ
とになる。
つぎに、高温デイスプレーサ3Hの動きが低温
デイスプレーサ3Lに及ぼす影響について述べ
る。
高温デイスプレーサ3Hが周期的に往復運動を
しているとする。いま、高温デイスプレーサ3H
が上方向へ移動すると、高温度4Hの作動ガスの
一部は高温デイスプレーサに押しのけられて、高
温熱交換器7H、高温リジエネレータ8H、高温
側中温熱交換器9Hを通り、高温リジエネレータ
8Hに熱を与えて中間温度となつて中温室4Mへ
流入する。この過程で高温の作動ガスの一部が中
間温度に冷却されることになるため、作動ガスの
圧力は下り、各室4H,4M,4Lの作動ガスは
流路5H,5Lによつて互いに連通しているため
この圧力の低下は全作動ガスに及ぶ。
作動ガス圧力が低下すると、低温デイスプレー
サ3Lには圧力の低下分にロツド11Lの断面積
を乗じた力が下方向へ加わる。
逆に、高温デイスプレーサ3Hが下方向へ移動
すると、中温室4Mの作動ガスの一部は高温デイ
スプレーサに押しのけられて、高温側中温熱交換
器9H、高温リジエネレータ8H、高温熱交換器
7Hを通り交換リジエネレータ8Hから熱を受け
とつて高温となつて高温室4Hへ流入する。この
過程で、中間温度の作動ガスが一部加熱されるこ
とになるため、全作動ガスの圧力は上る。
作動ガス圧力が上昇すると、低温デイスプレー
サ3Lには圧力の上昇分にロツド11Lの断面積
を乗じた力が上方向に加わる。
以上より、高温デイスプレーサ3Hが周期運動
をすると、低温デイスプレーサ3Lには高温デイ
スプレーサの変位と逆向きの力が加わることがわ
かる。
低温デイスプレーサ3Lも高温デイスプレーサ
3Hと同じくばね質点系の質点とみなせるため、
受けた力が、時間的に遅れて変位が追従するが、
その遅れは、受けた力に対して変位が逆方向にな
るほどではない。このことは次のように言いかえ
られる。すなわち、ばね質点系の質点が周期的な
力を受けると、受けた力と逆向きの波形に対して
は先行して変位る。この関係を第2図に示す。同
図において、力Fによる変位Dは力Fに対してB
だけ遅れるが、力Fと逆向きの波形Rに対しては
Cだけ先行する。
一方、高温デイスプレーサ3Hの動きに対して
低温デイスプレーサ3Lが受ける力は、高温デイ
スプレーサ3Hの変位と逆方向であるため、低温
デイスプレーサ3Lの変位は、高温デイスプレー
サ3Hの変位と逆方向の力とは逆向きの波形に先
行する。すなわち、低温デイスプレーサ3Lは高
温デイスプレーサ3Hの変位に先行した波形で変
位する。
以上より、 (a) 低温デイスプレーサ3Lが周期運動をする
と、高温デイスプレーサ3Hは低温デイスプレ
ーサ3Lの変位に遅れて追従する波形で変位
し、 (b) 高温デイスプレーサ3Hが周期運動をする
と、低温デイスプレーサ3Lは高温デイスプレ
ーサ3の変位に先行する波形で変位する、 ことが明らかである。
よつて、低温デイスプレーサ3Lが周期運動を
した場合も、高温デイスプレーサ3Hが周期運動
をした場合も、いずれもその結果引き起される両
デイスプレーサの運動の相対関係は同じで、必ず
低温デイスプレーサ3Lの変位は高温デイスプレ
ーサ3Hの変位に先行する。
一方、高温デイスプレーサ3Hも低温デイスプ
レーサ3Lもばねでケーシング1内に支持されて
いるため、何らかの外力たとえば衝撃力や電磁力
などの人為的な力が加わると、その外力が消減し
た後に継続して振動する性質を持つが、、この振
動においては上述のように、低温デイスプレーサ
3Lの変位は高温デイスプレーサ3Hの変位に先
行する。また、この振動はもし、2個のデイスプ
レーサの運動を促進する力を作動ガスが発生しな
ければ、デイスプレーサとシリンダ2H,2Lや
ロツド11H,11Lとの摩擦力、前記流路5
H,5Lの抵抗などにより減衰し、停止すること
になる。
この熱駆動ヒートポンプでは、高温および低温
デイスプレーサ3H,3Lに対する作動ガスの作
用により、上述のような外力の消減後も、両デイ
スプレーサの振動は減衰せずに持続する。
両デイスプレーサ3H,3Lのいずれかに外力
を与えて両者を振動させたとすると、外力は除い
た後、両者は第3図に示すように、低温デイスプ
レーサ3Lの変位が高温デイスプレーサ3Hの変
位にcだけ先行する形で振動する。以下、第3図
にaないしhで示す状態におけるヒートポンプの
作動状態を第4A図ないし第4H図を参照して説
明する。なお、aないしhの状態は第4A図ない
し第4H図の状態にそれぞれ対応する。
() 状態aから状態cに至るまで (第4A図ないし第4C図) この間、高温デイスプレーサ3Hは上方から下
方への方向転換をし、動きは緩やかであるため作
動ガスの状態に与える影響は小さく、作動ガスの
状態は下方へ向かつて移動する低温デイスプレー
サ3Lの動きの影響を受ける。
第4A図の状態においては、高温室4Hの作動
ガスは容積が最小となりつつあり、低温室4Lの
作動ガスは容積が最大から減少しかけているとこ
ろである。よつて、第4A図の状態は作動ガスが
低温側へ最も偏つた状態であり、サイクル中で作
動ガス圧力が最も低くなつた状態である。
低温デイスプレーサ3Lが下方へ向つて移動す
る第4B図の過程で、低温室4Lの低温の作動ガ
スは低温熱交換器7L、低温リジエネレータ8
L、低温側中温熱交換器9Lを順に通り、低温熱
交換器7Lを介して外部から熱を奪い、さらに低
温リジエネレータ8Lからも熱を受けとり、中間
温度となつて中温室4Mへ流入する。この結果、
低温の作動ガスが一部中間温度にまで加熱される
ため、作動ガス圧力は上昇する。圧力が上昇する
過程で、第4A図の時点で中温室を占めていた作
動ガスもまた圧力が上昇すなわち、圧縮されるこ
とになり、中温室4Mにおいては断熱圧縮と類似
の状態変化が起り、中温室4Mの温度は上昇す
る。この温度上昇分に見合つた熱量が引き続く過
程で、高温側および低温側の中温熱交換器9H,
9Lから低温熱源に排出される。
第4A図ないし第4C図の過程での圧力上昇幅
は、上述から明らかなように、低温室4Lと中温
室4Mの温度差が大なるほど大きく、したがつ
て、この過程での中温室4Mの温度上昇幅すなわ
ち引続く過程での中温熱交換器9H,9Lからの
排出熱量は、低温室4Lと中温室4Mの温度差が
大なるほど大きい。
() 状態cから状態eに至るまで (第4C図ないし第4E図) この間、低温デイスプレーサ3Lは下方から上
方への方向転換をし、動きは緩やかであるため、
作動ガスの状態に与える影響は少なく、作動ガス
の状態は下方へ向かつて移動する高温デイスプレ
ーサ3Hの動きの影響を受ける。
第4C図の状態においては高温室4H、低温室
4Lとも、容積が最小の状態に近く、中温室4M
の容積は最大の状態である。よつてこの状態は、
サイクルの中で作動圧力が平均値に近い値になつ
ている状態である。
高温デイスプレーサ,3Hが下方へ向かつて移
動する第4C図の過程で、中温室4Mの中間温度
の作動ガスは高温デイスプレーサ3Hに押しのけ
られて高温側中温熱交換器9H、高温リジエネレ
ータ8H、高温熱交換器7Hを順に通り、前記
()の過程での中温室4Mの温度上昇に見合つ
た熱量を高温側中温熱交換器9Hへ排出し、高温
リジエネレータ8Hから熱を受けとり高温となつ
て高温室4Hへ流入する。この結果、中間温度の
作動ガスが一部高温に熱せられるため、作動ガス
の圧力は前記()の過程に引き続いて上昇す
る。このように圧力が上昇する過程で、第4C図
の状態で中温室4Mと低温室4Lをそれぞれ占め
ていた作動ガス圧力も上昇することになり、わず
かの作動ガスが中温室4Mから低温室4Lへも流
れ込む。このとき、前記()の過程での中温室
4Mの温度上昇に見合つた熱量の一部が低温側中
温熱交換器9Lからも排出される。これと同時
に、中温室4Mでは圧縮に伴い断熱圧縮と類似の
状態変化が起り、中温室4Mの温度は上昇する。
この温度上昇分に見合つた熱量が引き続く過程で
低温側中温熱交換器9Lから低温熱源に排出され
る。
第4C図ないし第4E図の過程での圧力上昇幅
は上述から明かなように中温室と高温室の温度差
が大なるほど大きく、したがつて、この過程での
中温室の温度上昇幅、すなわち引続く過程での中
温熱交換器からの排出熱量は中温室と高温室の温
度差が大なるほど大きい。
() 状態eから状態gに至るまで (第4E図ないし第4G図) この間、高温デイスプレーサ3Hは下方から上
方への方向転換をし、動きは緩やかであるため作
動ガスの状態に与える影響は小さく、作動ガスの
状態は、上方へ向かつて移動する低温デイスプレ
ーサ3Lの動きの影響を受ける。
第4E図の状態においては、高温室4Hの作動
ガスの容積は最大になりつつあり、低温室4Lの
作動ガスの容積は最小から増大しかけているとこ
ろである。よつて、第4E図の状態は作動ガスが
高温側へ最も偏つた状態であり、サイクル中で作
動ガス圧力が最も高くなつた状態である。
低温デイスプレーサ3Lが上方へ向かつて移動
する第4F図の過程で、中温室4Mの中間温度の
作動ガスは、低温デイスプレーサ3Lに押しのけ
られて低温側中温熱交換器9L、低温リジエネレ
ータ8L、低温熱交換器7Lを順に通り、前記
()の過程での中温室4Mの温度上昇に見合つ
た熱量を低温側中温熱交換器9Lに排出し、さら
に低温リジエネレータ8Lに熱を奪われて低温と
なつて低温室4Lへ流入する。この結果、中間温
度の作動ガスが一部低温に冷却されることになる
ため、作動ガス圧力は低下する。
このように作動ガス圧力が低下する過程で、高
温室4Hの作動ガスも流路5Hを通り中温室4M
へ流入し圧力が低下し、全作動ガスの圧力の低下
が起ることになる。すなわち、この過程において
は、高温室4Hは容積変化がほとんどない状態
で、作動ガスが引き抜かれることになり、高温室
4Hの作動ガスには断熱膨張と類似の状態変化が
起り、高温室4Hの温度は低下する。この高温室
4Hの温度低下に見合つた熱量が引き続く過程で
高温熱源から高温熱交換器7Hを介して作動ガス
に加えられる。
第4E図から第4G図の過程での圧力低下の幅
は、上述から明らかなように、低温室4Lと中温
室4Mの温度差が大なるほど大きく、したがつて
この過程での高温室4Hの温度低下幅すなわち引
き続く過程での高温熱交換器7Hからの吸収熱量
は、低温室4Lと中温室4Mの温度差が大なるほ
ど大きい。
() 状態gから状態hに至るまで (第4G図および第4H図) この間、低温デイスプレーサ3Lは上方から下
方への方向転換をし、動きは緩やかであるため、
作動ガスの状態に与える影響は小さく、作動ガス
の状態は上方へ向かつて移動する高温デイスプレ
ーサ3Hの動きの影響を受ける。
第4G図の状態においては、低温室4L、高温
室4Hともに容積がほぼ最大の圧力が平均値に近
い値になつている状態である。
高温デイスプレーサ3Hが上方へ向かつて移動
する第4H図の過程で、高温室4Hの高温の作動
ガスは高温デイスプレーサ3Hに押しのけられて
高温熱交換器7H、高温リジエネレータ8H、高
温側中温熱交換器9Hを順に通り、前記()の
過程での高温室4Hの温度低下に見合つた熱量を
高温熱交換器7Hから吸収し、さらに高温リジエ
ネレータ8Hに熱を与えて中間温度となつて中温
室4Mへ流入する。この結果、高温の作動ガスが
一部中間温度に冷却されることになるため、作動
ガス圧力は前記()の過程に続き低下する作動
ガス圧力の変化は前述のように全作動ガスについ
て起るために、この作動ガス圧力が低下する過程
においては低温室4Lの作動ガスも一部が流路5
Lを通り中温室4Mへ流れ込み、低温室4Lの圧
力も低下ることになる。よつて、この過程では、
低温室4Lは容積変化がほとんどない状態で作動
ガスが一部引抜かれることになり、低温室4L内
の作動ガスは断熱膨張と類似の状態変化が起り、
低温室4Lの温度は低下する。この温度の低下に
よつて、低温室4Lは低温に保たれることにな
る。また、この低温室4Lの温度低下に見合つた
熱量を、引き続く過程で作動ガスは低温熱交換器
7Lから吸収する。
第4G図から第4A図の過程での圧力低下の幅
は、上述から明らかなように高温室4Hと中温室
4Mの温度差が大なるほど大きく、したがつてこ
の過程での低温室4Lの温度低下幅すなわち引き
続く過程での低温熱交換器7Lからの吸収熱量
は、高温室4Hと中温室4Mの温度差が大なるほ
ど大きい。
以上が、高温デイスプレーサ3Hと低温デイス
プレーサ3Lとが1サイクル分運動したときの本
ヒートポンプの状態の変化である。
前記()から()までの過程をまとめると
次のようになる。
(A) デイスプレーサに対する作動ガスの作用作動
ガス圧力は第4A図の状態で最低値、第4C図
の状態で中間的な値、第4E図の状態で最高
値、第4G図の状態で再び中間的値をとりつつ
変動する。高温デイスプレーサ3Hの変位、低
温デイスプレーサ3Lの変位に関連して作動ガ
ス圧力Pがどのように変動するかを第3図に示
す。
高温デイスプレーサおよび低温デイスプレー
サは、ケーシング端側と中温室側との間の受圧
面積の差によつて作動ガスから次のような力を
受ける。
(a) 第3図の状態cから状態gまで、作動ガス
圧力は平均的な値より高いために、高温デイ
スプレーサ3H、低温デイスプレーサ3L共
にケーシング端から中温室4Mの方向に作動
ガスから力を受ける。すなわち、高温デイス
プレーサ3Hは下向き、低温デイスプレーサ
3Lは上向きの力をそれぞれ作動ガスから受
ける。
高温デイスプレーサ3Hは、この間ほとん
どの間下向きに移動しつつあり、作動ガスは
高温デイスプレーサ3Hの下向きの運動をさ
らに加速する方向に作用する。また、低温デ
イスプレーサ3Lはこの間ほとんどの間上向
きに移動しつつあり、作動ガスは低温デイス
プレーサ3Lの上向きの運動をさらに加速す
る方向に作用する。
(b) 第3図の状態gから状態cまで、作動ガス
圧力は平均的な値より低いために、デイスプ
レーサには前記a)の場合と逆向きの力、す
なわち高温デイスプレーサ3Hには上向き、
低温デイスプレーサ3Lには下向きの力が作
動ガスから加わる。
高温デイスプレーサ3Hはこの間ほとんど
の間上向きに移動しつつあり、作動ガスは高
温デイスプレーサ3Hの上向きの運動をさら
に加速する方向に作用する。また、低温デイ
スプレーサ3Lはこの間ほとんどの間下向き
に移動しつつあり、作動ガスは低温デイスプ
レーサ3Lの下向きの運動をさらに加速する
方向に作用する。
すなわち、前記a)、b)より高温デイスプ
レーサ3Hおよび低温デイスプレーサ3Lの運
動は作動ガスからの力によつて促進されること
になる。
第5A図および第5B図に高温デイスプレー
サ3Hの変位と高温デイスプレーサに対する作
動ガスの力の線図、および低温デイスプレーサ
3Lの変位と低温デイスプレーサに関する作動
ガスの力の線図を示す。これらの図中、aない
しhは前述の状態aないしhにそれぞれ相当す
る。
高温デイスプレーサと低温デイスプレーサと
は、これらの線図で囲まれた面積に相当するエ
ネルギーを作動ガスから受け取る。
よつて、高温デイスプレーサ3Hと低温デイ
スプレーサ3Lとは、上述の作動ガスからの力
と、ロツド11H,11Lやシリンダ2H,2
Lとの摩擦、流路5H,5Lを作動ガスが流れ
るときの抵抗などに起因する減衰力とがつり合
つた状態で持続振動をする。
(B) 熱交換器における熱の授受 第3図のaないしh(第4図ないし第4H図)
の過程において各熱交換器での熱の授受は次の
通りである。
(a) aからcの過程では、hからaの過程にお
ける低温室4Lの膨張仕事相当分の熱量を低
温熱交換器7Lから吸収する。この熱量は高
温室4Hと中温室4Mの温度差に比例する。
また、同時に中温室4Mの作動ガスは圧力上
昇により圧縮仕事を受ける。
(b) cからeの過程では、aからcの過程にお
ける中温室4Mに対する圧縮仕事相当分の熱
量を主に高温側中温熱交換器9Hから排出す
る。この熱量は低温室4Lと中温室4Mの温
度差に比例する。また、同時に中温室4Mの
作動ガスはaからcに引き続いて圧縮仕事を
受ける。
(c) eからgの過程では、cからeの過程にお
ける中温室4Mに対する圧縮仕事相当分の熱
量を低温側中温熱交換器9Lから排出する。
この熱量は高温室4Hと中温室4Mの温度差
に比例する。また、同時に高温室4Hは中温
室4Mへ向かつて作動ガスを排出すことによ
る膨張仕事をする。
(d) gからaの過程では、eからgの過程にお
ける高温室4Hの膨張仕事相当分の熱量を高
温熱交換器7Hから吸収する。この熱量は中
温室4Mと低温室4Lの温度差に比例する。
また同時に、低温室4Lは中温室4Mへ向か
つて作動ガスを排出することによる膨張仕事
をする。この膨張仕事相当分の熱量は上述の
ように、aからcの過程で低温熱交換器7L
から吸収される。
以上より概略次のことが成立する。
高温熱交換器7H… 中温室4Mと低温室4Lの温度
差に比例する熱量を吸収。
高温側中温熱交換器9H… 中温室4Mと低温室4Lの温度
差に比例する熱量を排出。
低温側中温熱交換器9L… 高温室4Hと中温室4Mの温度
差に比例する熱量を排出。
低温熱交換器7L… 高温室4Hと中温室4Mの温度
差に比例する熱量を吸収。
よつて、本装置がヒートポンプとして作動する
ことは以下より明らかである。そして、本ヒート
ポンプは、 (i) 高温室4Hと中温室4Mの温度差に比例し
た熱量を低温室4Lの温度レベルから中温室4
Mの温度レベルにまで汲み上げる。
(ii) そのために必要なエネルギーは、中温室4
Mと低温室4Lの温度差すなわち汲み上げの温
度揚程に比例する。
(iii) したがつて、 (a) 汲上げの出力の温度レベルが高いほど、すな
わち中温室4Mの温度が高いほど投入エネルギ
ーに対する汲上げ熱量の比率は低くなる。
(b) 高温室4Hの温度が高いほど、投入エネルギ
ーに対する汲上げ熱量の比率は高くなる。
(c) 汲上げの入力の温度レベルが低いほど、すな
わち低温室4Lの温度が低いほど投入エネルギ
ーに対する汲上げ熱量の比率は低くなる。
などの性質がある。
第6図は本発明のヒートポンプの他の例を示
す。このヒートポンプにおいては、第1図のヒー
トポンプにおいて、連通開口14内に中温リジエ
ネレータ16が挿入されて、中温室は2つの室4
M1,4M2に分けられている。また、互いに温
度の異なる2種の低温熱源が用いられ、高温側中
温熱交換器9Hは高温側の低温熱交換器によつて
冷却され、低温側中温熱交換器9Lは低温側の低
温熱交換器によつて冷却される。したがつて中温
室4M1,4M2の温度は異なつてくる。
作動ガスは中温リジエネレータ16を自由に通
過できるようになつており、作動ガスの状態の変
化は第1図の場合と同じく全作動ガスが均圧状態
をとる。
中温リジエネレータ16は、高温側中温室4M
1の温度と低温側中温度室4M2の温度が異なつ
ているため、温度の高い側から温度の低い側へ作
動ガスが流れるときには、作動ガスから熱を奪い
蓄熱材にその熱を一旦たくわえて作動ガスの温度
を低温側の温度にまで下げ、逆に温度の低い側か
ら温度の高い側へ作動ガスが流れるときには上述
の一旦たくわえた熱を作動ガスに与えて作動ガス
の温度を高温側の温度にまで高める。すなわち、
中温リジエネレータ16は高温側中温室4M1と
低温側中温室4M2の温度差を保持する働きをす
る。したがつて、高温側中温室4M1は2つの低
温熱源の温度差に応じて低温側中温室4M2より
も高い温度に保持される。
第1図に示した装置の作動に関する前記説明
は、第6図に示す装置についても該当し、高温デ
イスプレーサ3Hの運動と低温デイスプレーサ3
Lの運動の相互干渉の仕組、および高温デイスプ
レーサ3Hおよび低温デイスプレーサ3Lの変位
と作動ガス圧力との相対関係は中温室4Mの温度
が一様である場合と全く同じであり、第6図の装
置においても高温デイスプレーサ3Hおよび低温
デイスプレーサ3Lは振動を持続する。
一方、熱交換器における熱の授受に関しては概
略次のことが言える。
高温熱交換器7H… 低温側中温室4M2と低温室4
Lの温度差に比例する熱量を吸
収。
高温側中温熱交換器9H… 低温側中温室4M2と低温室4
Lの温度差に比例する熱量を排
出。
低温側中温熱交換器9L… 高温側中温室4M1と高温室4
Hの温度差に比例する熱量を排
出。
低温熱交換器7L… 高温側中温室4M1と高温室4
Hの温度差に比例する熱量を吸
収。
したがつて、第6図に示した装置はヒートポン
プとしては、 (i) 高温室4Hと高温側中温室4M1の温度差に
比例する熱量を低温室4Lの温度レベルから汲
み上げる。
(ii) そのために必要なエネルギーは、低温側中温
室4M2と低温室4Lの温度差に比例する。
(iii) 汲み上げた熱の出力温度レベルは、高温側中
温室4M1の温度と低温側中温室4M2の温度
の2段階があり、各段における出力熱量は、 (a) 低温側中温室4M2と低温室4Lの温度差
が小さいほど高温側中温室4M1の温度レベル
での出力は小さくなり、 (b) 高温側中温室4M1と高温室4Hの温度差
が小さいほど低温側中温室4M2の温度レベル
の出力は小さくなる。
などの性質があり、第1図の装置と比較して次の
ことが言える。
(1) 第6図の装置において、高温側中温室4M1
の温度を第1図の装置の中温室4Mの温度と等し
くし、低温側中温室4M2の温度をそれよりも低
くすることにより、第6図の装置においては、第
1図の装置よりも少ない所要エネルギーによつて
第1図の装置と等しい低温室の温度レベルから同
量の熱量を汲み上げ、第1図の装置よりも熱量は
少ないが温度レベルの等しい熱出力が得られる。
(2) 第6図の装置において、高温側中温室4M1
の温度を第1図の装置の中温室4Mの温度と等し
くし、低温側中温室4M2の温度はそれよりも低
くし、低温室4Lの温度も第1図の装置の低温室
4Lの温度よりも低くすることにより、第1図の
装置と同量の所要エネルギーによつて、第1図の
装置と同量の熱量をより低温から汲み上げること
ができる。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、本発明のヒートポンプ
は、外部から機械的動力を与えなくても持続振動
するので、構造的に簡単であり、クランク機構等
の外部動力機構の保守等が不要となり、高い性能
が期待できる。また、本発明では1対のデイスプ
レーサの間に単なる固定隔壁があつて、その両側
の2つの中温室が連通開口を介して連通してい
て、デイスプレーサ以外に可動部分がないので、
構造が簡単であり、部品点数が少なく、摺動部が
少ないことにより寿命が長くなり、熱エネルギー
を直接的にヒートポンプの作動のために用いるこ
とができる。
また、本併合発明では、隔壁の連通開口に中温
リジエネレータが設けられていることにより、特
定発明の場合よりも少ない所要エネルギーにより
同量の熱量を汲み上げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱駆動ヒートポンプの原理的
軸方向断面図、第2図はばね質点系の振動の説明
図、第3図は本発明における高温および低温デイ
スプレーサの変位および作動ガス圧力の変動の関
係を示す線図、第4A図ないし第4H図は本発明
の熱駆動ヒートポンプの作動経過を順次示す図、
第5A図は高温デイスプレーサの変位と作動ガス
がそれに及ぼす力の関係を示すグラフ、第5B図
は低温デイスプレーサの変位と作動ガスがそれに
及ぼす力の関係を示すグラフ、第6図は本発明の
熱駆動ヒートポンプの他の例を示す原理的軸方向
断面図である。 1…ケーシング、2H…高温シリンダ、2L…
低温シリンダ、3H…高温デイスプレーサ、3L
…低温デイスプレーサ、4H…高温室、4L…低
温室、4M,4M1,4M2…中温室、5H…高
温側作動ガス流路、5L…低温側作動ガス流路、
7H…高温熱交換器、7L…低温熱交換器、8H
…高温リジエネレータ、8L…低温リジエネレー
タ、9H…高温側中温熱交換器、9L…低温側中
温熱交換器、10…隔壁、11H…高温側デイス
プレーサガイド、11L…低温側デイスプレーサ
ガイド、12H,12L…凹穴、13H,13L
…ガスばね室、14…連通開口、16…中温リジ
エネレータ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 同軸的に配置され、内部に作動ガスを充填し
    た高温シリンダおよび低温シリンダと、高温シリ
    ンダの低温シリングと反対の側に高温室を形成し
    かつ高温シリンダの低温シリンダ側に中温室を形
    成するように、高温シリンダの内部に摺動自在に
    挿入された高温デイスプレーサと、前記高温室と
    中温室とを連通させる高温側作動ガス流路と、高
    温室から中温室へ向かう方向に関して高温側作動
    ガス流路内に順次配列された高温熱交換器、高温
    リジエネレータおよび高温側中温熱交換器と、低
    温シリンダの高温シリンダと反対の側に低温室を
    形成しかつ低温シリンダの高温シリンダ側に中温
    室を形成するように、低温シリンダの内側に摺動
    自在に挿入された低温デイスプレーサと、前記低
    温室と中温室とを連通させる低温側作動ガス流路
    と、低温室から中温室へ向かう方向に関して低温
    側作動ガス流路内に順次配列された低温熱交換
    器、低温リジエネレータおよび低温側中温熱交換
    器と、前記高温シリンダおよび低温シリンダの間
    に固定状態で設けられた高温側デイスプレーサガ
    イドおよび低温側デイスプレーサガイドとを備
    え、高温側デイスプレーサガイドおよび低温側デ
    イスプレーサガイドは、それぞれ高温デイスプレ
    ーサおよび低温デイスプレーサと摺動自在にかん
    合して両デイスプレーサを軸方向に案内し、かつ
    両デイスプレーサとの間にガスを収容したガスば
    ね室を形成しており、両デイスプレーサガイド
    は、両シリンダの間に固設された隔壁に一体的に
    設けられ、隔壁は連通開口を有し、隔壁の両側に
    前記中温室が形成され、両中温室が前記連通開口
    を介して連通していることを特徴とする熱駆動ヒ
    ートポンプ。 2 高温側および低温側デイスプレーサガイドが
    いずれも軸方向に突出するロツドからなり、高温
    および低温デイスプレーサはそれぞれのロツドを
    摺動自在に受ける凹穴を有し、この凹穴内にガス
    ばね室が形成されている特許請求の範囲第1項記
    載の熱駆動ヒートポンプ。 3 高温側作動ガス流路および低温側作動ガス流
    路がそれぞれ高温シリンダおよび低温シリンダの
    外周に形成されている特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の熱駆動ヒートポンプ。 4 同軸的に配置され、内部に作動ガスを充填し
    た高温シリンダおよび低温シリンダと、高温シリ
    ンダの低温シリンダと反対の側に高温室を形成し
    かつ高温シリンダの低温シリンダ側に中温室を形
    成するように、高温シリンダの内部に摺動自在に
    挿入された高温デイスプレーサと、前記高温室と
    中温室とを連通させる高温側作動ガス流路と、高
    温室から中温室へ向かう方向に関して高温側作動
    ガス流路内に順次配列された高温熱交換器、高温
    リジエネレータおよびの高温側中温熱交換器と、
    低温シリンダの高温シリンダと反対の側に低温室
    を形成しかつ低温シリンダの高温シリンダ側に中
    温室を形成するように、低温シリンダの内部に摺
    動自在に挿入された低温デイスプレーサと、前記
    低温室と中温室とを連通させる低温側作動ガス流
    路と、低温室から中温室へ向かう方向に関して低
    温側作動ガス流路内に順次配列された低温熱交換
    器、低温リジエネレータおよび低温側中温熱交換
    器と、前記高温シリンダおよび低温シリンダの間
    に固定状態で設けられた高温側デイスプレーサガ
    イドおよび低温側デイスプレーサガイドとを備
    え、高温側デイスプレーサガイドおよび低温側デ
    イスプレーサガイドは、それぞれ高温デイスプレ
    ーサおよび低温デイスプレーサと摺動自在にかん
    合して両デイスプレーサを軸方向に案内し、かつ
    両デイスプレーサとの間にガスを収容したガスば
    ね室を形成しており、両デイスプレーサガイドは
    両シリンダ間に固設された隔壁に設けられ、隔壁
    は連通開口を有し、この連通開口内に中温リジエ
    ネレータが設けられ、隔壁の両側に中温室が形成
    されていることを特徴とする熱駆動ヒートポン
    プ。 5 高温側および低温側デイスプレーサガイドが
    いずれも軸方向に突出するロツドからなり、高温
    および低温デイスプレーサはそれぞれのロツドを
    摺動自在に受ける凹穴を有し、この凹穴内にガス
    ばね室が形成されている特許請求の範囲第4項記
    載の熱駆動ヒートポンプ。
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