JPH0562496U

JPH0562496U - 開栓装置

Info

Publication number: JPH0562496U
Application number: JP313092U
Authority: JP
Inventors: 順一松本
Original assignee: Shimadzu Corp
Current assignee: Shimadzu Corp
Priority date: 1992-01-31
Filing date: 1992-01-31
Publication date: 1993-08-20

Abstract

(57)【要約】【目的】弾性材料からなる栓が装着された真空採液管
を開栓するための開栓装置であって、注射針と、注射針
を介して真空採液管の内部に空気を送り込む空気送出手
段と、注射針に係止した栓を排出する栓排出手段を備え
ることにより、真空採液管の開栓を容易に且つ迅速に行
う。【構成】注射針３が栓７を貫通した後、ピストン５が
下降することにより、真空採液管８の内部圧力が徐々に
高くなり、栓７と真空採液管８との摩擦力を超えた時点
で、栓７が真空採液管８から抜けて注射針３に係止され
る。次に、円環状部材４が注射針３に係止した栓７を押
し下げて排出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病院や検査センター等において、血液、血清、血漿、尿等の試料中の目的成分の濃度や酵素活性値等の化学検査を行う場合に、試料を採取した真空採液管を開栓するための開栓装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、真空採液管にはゴム栓やコルク栓等の弾性材料からなる栓が装着されており、例えば試料分注する場合、作業者の手、又はロボットハンドのような機械的な手で栓及び採液管を掴んで栓を引き抜くことにより開栓した後、所定の分析装置に投入していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、作業者の手で開栓する場合は、多数の真空採液管を処理するには作業量が膨大となり、また開栓速度向上にも限界があるという課題があった。また、分析対象の多くは血液等の体液であるため、例えばＡＩＤＳや肝炎等の感染性ウィルスが試料の中に混入している場合、開栓の際に試料が作業者の手や体に飛散する恐れがあるという課題があった。

【０００４】また、作業者の手の代わりに、機械的な手で開栓を行う場合は、栓及び採液管を壊さないように掴んで栓を引き抜くという機構が大変複雑になるため、装置が高価なものとなっていた。

【０００５】本考案は、前記課題を解決するため、真空採液管を効率良く開栓することが可能で、且つ機構が簡単な開栓装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案の開栓装置は、弾性材料からなる栓が装着された真空採液管を開栓するための開栓装置であって、注射針と、注射針を介して真空採液管の内部に空気を送り込む空気送出手段と、注射針に係止した栓を排出する栓排出手段を備えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

前記構成によれば、真空採液管の栓に注射針を挿入して貫通させ、真空採液管の内部に空気を送り込むことにより内部の圧力が高くなり、栓と真空採液管との摩擦力を超えた時点で、栓が真空採液管から抜け注射針に係止され、別途、栓排出手段により注射針に係止した栓を排出することにより、真空採液管の開栓を容易に且つ迅速に行うことができる。また、注射針と、空気送出手段と、栓排出手段という簡単な構成で実現できるため、開栓装置が安価となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。図１は、本考案の開栓装置の一実施例を示した概略断面図である。図１ａにおいて、空気送出手段は円筒状のピストンポンプで構成されており、シリンダー１の中をピストン５が往復運動することにより、空気の送出又は吸入を行う。シリンダー１の端部には、注射針３が固定された注射器固定部材２が装着されており、空気送出手段の駆動により注射針３の先端から空気が出入りする。

【０００９】栓排出手段は円環状部材４と、円環状部材４を注射針３に対して略平行に移動させるための直線駆動機構からなる。なお、直線駆動機構はボールネジや電磁プランジャ等の公知の駆動機構を用いることができ、その説明を省略する。

【００１０】以上のように構成された開栓装置は、予めピストン５がシリンダー１の上部に移動してシリンダー１内部に空気を蓄えておいて、開栓装置の移動又は真空採液管８の搬送により、真空採液管８に装着された栓７の上部に位置した後、開栓装置全体が所定距離下降することにより、ゴム栓やコルク栓等の弾性材料からなる栓７に注射針３が突き刺さって、注射針３の先端が真空採液管８の内部に到達する（図１ｂ）。なお、開栓装置全体の移動は、前述のような公知の直線駆動機構を用いることができる。

【００１１】次に、ピストン５の突起部６を前述のような公知の直線駆動機構により押し下げて、ピストン５が下降することにより、シリンダー１内部の空気が注射針３を介して真空採液管８の内部に送り込まれる（図１ｃ）。真空採液管８の内部の圧力が徐々に高くなり、栓７と真空採液管８との摩擦力を超えた時点で、栓７が真空採液管８から抜けて注射針３に係止される（図１ｄ）。

【００１２】その後、開栓装置全体が、定位置まで上昇し（図１ｅ）、抜いた栓７を回収する場所へ移動し（図１ｆ）、円環状部材４が注射針３に係止した栓７を押し下げて排出することにより、栓７が脱落して回収される（図１ｇ）。なお、真空採液管８が搬送され開栓装置全体が停止した状態で栓７の排出を行っても構わない。また、栓７を注射針３から外す際に、円環状部材４が停止した状態で開栓装置全体が更に上昇する機構によっても、栓７の回収を行うことができる。

【００１３】このようにして、真空採液管８の開栓を行うことができる。引き続いて他の真空採液管を開栓する場合は、以上の手順を繰り返す。なお、以上の実施例において、空気送出手段として円筒状のピストンポンプで構成される場合を説明したが、コンプレッサー等の動力空気ポンプと電磁弁の組み合わたものを使用しても構わない。また、栓排出手段として、円環状部材４の直線移動で構成される場合を説明したが、注射針の動きに対して栓の動きを止める機構であれば本考案の開栓装置に適用することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上詳説したように、本考案の開栓装置は、注射針を介して真空採液管の内部圧力を高めることにより開栓しているため、容易に且つ迅速に開栓を行うことができる。また、従来の手作業又は機械的手作業のように真空採液管を強力に固定する必要がないため、例えば複数の真空採液管がラックに載置された状態で各々の開栓を行うことができる。また、装置構成が簡単なため、各構成部材の動きを自動化することが容易であり、多数の真空採液管の開栓を行うライン化にも対応することができる。また、自動化することにより、作業者の体に試料が付着することを解消できるため、ウィルスや細菌の感染を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の開栓装置の一実施例を示した概略断面
図である。

【符号の説明】１シリンダー２注射器固定部材３注射針４円環状部材５ピストン６突起部７栓８真空採液管９試料

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】弾性材料からなる栓が装着された真空採
液管を開栓するための開栓装置であって、注射針と、前
記注射針を介して前記真空採液管の内部に空気を送り込
む空気送出手段と、前記注射針に係止した栓を排出する
栓排出手段を備えたことを特徴とする開栓装置。