JPH0562418A - テープカセツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カセット匣体の内部に、磁気テープを巻装し
たテープリール５が回転自在に収納されると共に、カセ
ット匣体の上ハーフ３の内面側には、テープリール５の
中心部を押さえるリール押さえばね１３がかしめによっ
て固定されてなるテープカセットにおいて、落下衝撃が
加わった際にテープリール５によってリール押さえばね
１３のかしめ部１４が破損されるのを防ぐ。 【構成】 カセット匣体の上ハーフ３の内面側における
かしめ部１４の近傍にストッパー突起１５を設け、テー
プリール５がかしめ部１４に衝突しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテープカセットに関し、
特にテープリールの中心部を押さえるリール押さえばね
を備えたテープカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】先ず、図４〜図６を参照して従来のテー
プカセットについて説明する。尚、ここに例示するテー
プカセットは、いわゆるベータ型のビデオカセットであ
る。図において１はテープカセットを全体として示し、
２はカセット匣体で、このカセット匣体２は上ハーフ
（カバーハーフ）３と下ハーフ（ベースハーフ）４とを
合体固着してなり、その内部には磁気テープＴを巻装し
た左右一対のテープリール５が回転可能に収納されてい
る。

【０００３】このテープリール５は、図６により明らか
な如く磁気テープＴが巻回されるハブ６と、このハブ６
に一体に形成される下フランジ７、及びハブの上面側に
下フランジ７と平行に固着される透明の上フランジ８に
よりなり、下ハーフ４の底部に形成されたリール軸挿入
孔９に対応して収納配置されている。またこのテープリ
ール５の中心部下面側にはリール軸係合凹孔１０が形成
されており、テープカセット１をカセットテープレコー
ダーに装着したときには、このリール軸係合凹孔１０に
テープレコーダー側のリール駆動軸が挿入係合されるこ
とによりテープリール５の回転駆動が行なわれる。

【０００４】上記テープリール５に巻装された磁気テー
プＴは、カセット匣体２内の所定のテープガイド系を通
ってカセット匣体２の前面部に導出露呈されるが、通常
この部分はリッド１１によって閉塞保護されている。即
ちこのリッド１１はカセット匣体２の前面側に上下方向
に回動可能に取り付けられており、テープカセットの保
存時（不使用時）の状態ではこのリッド１１によって磁
気テープの露出部が閉塞され、テープカセット１をカセ
ットテープレコーダーに装着したときには、テープレコ
ーダー側の機構によってリッド１１が上方に回動されて
磁気テープが露出される如くなされている。

【０００５】またカセット匣体２の上ハーフ３には一方
側のテープリール５に対応して透明窓部１２が設けられ
ており、この透明窓部１２を介してテープリール５に巻
回されている磁気テープの残量を目視できるようになっ
ている。さらに上ハーフ３の内面側には、左右のテープ
リール５をガタ付かないように押さえるためのリール押
さえばね１３が取り付けられている。このリール押さえ
ばね１３は板ばねによりなり、その中央部において上ハ
ーフ３に固定され、この中央の固定部に対し両端部が下
方へ傾斜状に若干屈曲されている。そしてこのリール押
さえばね１３の両端部が夫々テープリール５の上面側中
心部に突設された中心突起５ａに圧接されており、その
ばね力によってテープリール５は常に下方へ押し付けら
れ、テープカセットの保存時には不要にガタ付くことは
なく、またテープカセットがカセットテープレコーダー
に装着されたときにはテープレコーダー側のリール駆動
軸に対し確実に係合されて安定したテープ走行を可能と
する如く作用する。

【０００６】ところで、このようなリール押さえばね１
３の上ハーフ３に対する固定は、一般にいわゆる超音波
かしめによって行なわれる。即ち上ハーフ３の内面側に
は、左右のテープリール５と５の中間にあたる位置に前
後二つのかしめピン１４が突設されており、このかしめ
ピン１４にリール押さえばね１３の中央部両側縁に形成
された固定凹部１３ａを嵌合させた状態で超音波溶融機
によってかしめピン１４の先端部を潰して頭部１４ａを
形成することにより、リール押さえばね１３を上ハーフ
３に固定してある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上の如き従来のテー
プカセットにおいては、高いところから落下したとき等
に大きな衝撃が加わった場合、テープリール５によって
リール押さえばね１３のかしめ部が破損することがあ
る。即ち、テープリール５はカセット匣体２内で所要の
遊びを有しているため、テープカセットに衝撃が加わる
と図７に示す如く上フランジ８の外周部がかしめピン１
４に衝突し、このためかしめピン１４が折れてリール押
さえばね１３が上ハーフ３から脱落してしまう結果とな
る。

【０００８】この対応策としては、リール押さえばね１
３のかしめ部（かしめピン１４）をテープリール５の接
触エリアから外れた位置に設ける構造が考えられるが、
この場合リール押さえばね１３の板幅を大きく形成する
必要がある。リール押さえばね１３はコストダウンのた
めに板幅をできるだけ小さくスリムに形成することが望
ましく、上記構造はこれに逆行することになるため実用
化は難しい。

【０００９】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、簡単な構成でリール押さえばねのかしめ部の破損を
防止できるテープカセットを提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、カセット匣体の内部に、磁気テープを巻
装したテープリールが回転自在に収納され、カセット匣
体の内面側には、テープリールの中心部を押さえるリー
ル押さえばねがかしめによって固定されてなるテープカ
セットにおいて、カセット匣体の内面側におけるリール
押さえばねのかしめ部即ちかしめピンの近傍に、テープ
リールのかしめピンへの衝突を防止するためのストッパ
ーを設けてなるものである。

【００１１】

【作用】このように構成される本発明のテープカセット
においては、衝撃が加わった際にテープリールがかしめ
ピンに衝突しようとしても、テープリールはこれより前
にストッパーに当たることによってかしめピンに衝突す
ることがなく、このためかしめピンの破損が防止され、
リール押さえばねはカセット匣体から脱落するおそれが
ない。

【００１２】

【実施例】以下、図１〜図３を参照しながら本発明の実
施例について説明するに、上述した図４〜図７の従来例
と対応する部分には同一符号を付しその説明は省略す
る。

【００１３】本例においては図１に示す如く、カセット
匣体の上ハーフ３の内面側におけるテープリール５の回
転の妨げとならない部分に、二つのかしめピン１４を挟
むようにして一対のストッパー突起１５を突設してあ
る。このストッパー突起１５は、例えば図３Ａに示す如
き長円形の断面形状をなし、その突出高さはかしめピン
１４の高さより稍高く形成されており、テープリール５
が動いてかしめピン１４に衝突しようとしてもテープリ
ール５はこれより前にこのストッパー突起１５に当たる
ようになっている。尚、ストッパー突起１５はこの他に
も図３Ｂのような断面真円状の円柱形状、同図Ｃのよう
な三角柱形状、あるいは同図Ｄに示す如き二本の小径ピ
ンの並立形状等、種々の形状が考えられる。

【００１４】以上の構成によって明らかな如く本例のテ
ープカセットでは、落下等によって衝撃が加わった際に
リールハブ５は、図２に示す如くストッパー突起１５に
当たって止まることによってかしめピン１４に衝突する
ことがなく、このためかしめピン１４に破損が生じるこ
とはない。従ってリール押さえばね１３は上ハーフ３か
ら脱落することがなく、確実に左右のテープリール５に
対する押圧状態が維持されることになる。

【００１５】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例
えばストッパー突起１５は実施例の如き二つのかしめピ
ン１４を挟む二箇所に限ることなく、二つのかしめピン
１４と１４の間に設けてもよい。さらに本発明は図示し
たベータ型のビデオカセットに限ることなく、リール押
さえばねを有する各種のテープカセット、例えばＶＨＳ
型のビデオカセットや８ｍｍビデオカセット等にも広く
適用可能であることは勿論である。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明によって明らかなように本発
明は、カセット匣体の内部にテープを巻装したテープリ
ールが回転自在に収納され、カセット匣体の内面側には
テープリールの中心部を押さえるリール押さえばねがか
しめによって固定されてなるテープカセットにおいて、
カセット匣体の内面側におけるリール押さえばねのかし
め部の近傍にテープリールのかしめ部への衝突を防止す
るためのストッパーを設けたことにより、衝撃が加わっ
た際にテープリールによってリール押さえばねのかしめ
部が破損されることを防止でき、特にリール押さえばね
のコストダウン策としてその形状をスリムに形成する場
合に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示す上ハーフの内面側の平面図であ
る。

【図２】実施例においてテープリールがストッパーに当
たった状態の説明図である。

【図３】ストッパーの各種形状例である。

【図４】テープカセットの斜視図である。

【図５】従来例を示す上ハーフの内面側の平面図であ
る。

【図６】従来例の要部の縦断面図である。

【図７】従来例においてテープリールがリール押さえば
ねのかしめ部に当たった状態の説明図である。

【符号の説明】

１ テープカセット ２ カセット匣体 ３ 上ハーフ ５ テープリール １３ リール押さえばね １４ かしめピン（かしめ部） １５ ストッパー突起

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセット匣体の内部に、テープを巻装し
   たテープリールが回転自在に収納され、上記カセット匣
   体の内面側には、上記テープリールの中心部を押さえる
   リール押さえばねがかしめによって固定されてなるテー
   プカセットにおいて、上記カセット匣体の内面側におけ
   る上記かしめ部の近傍に、上記テープリールの上記かし
   め部への衝突を防止するためのストッパーを設けたこと
   を特徴とするテープカセット。