JPH05622U - 紙容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙バンドを外れないように掛けることができ
て、しかも容器周壁の積重ねを可能にした紙容器を提供
することにある。 【構成】 容器体Ａを上蓋２と下蓋３、及び上下蓋の間
に嵌挿するテーパ周壁１にて構成し、上下蓋を周壁より
一回り大きい基板2a，3aと、該基板より周壁内に挿入し
て係止する環状片７，８より構成し、両基板外周部の対
向位置に切欠12，13を設け、その切欠を利用して容器体
に紙バンド５を掛けるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、主として紙バンドを簡単にしかも外れないように掛け得るように した紙容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

容器本体と蓋を紙バンドで係止する手段として、容器本体底壁の外周部に抜穴 を、又蓋基板の外周部に透穴を一対づつ設け、底壁の下より抜穴に紙バンドを通 し、そのバンド先部を蓋基板の透穴に通し、蓋基板の上で相互に係止する手段が 知られている。（例えば実開昭62-45212号公報） 又容器本体底壁の外周部対向位置にバンド片の基部を係止し、両バンド片を容 器側壁の外側より蓋の上まで起こし、バンド先部を蓋の上で相互に係止する手段 が知られている。（例えば実開昭61-93438号公報）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前者の紙バンドによる係止手段あっては、本体底壁と蓋基板に穴が穿設されて いるため、穴より容器内部に埃が入り込む問題点があるし、紙バンドを底壁の抜 穴と蓋基板の透穴に挿通しなければならない面倒な問題点があった。 又後者の紙バンドによる係止手段あっては、バンド片を蓋に外接するのみであ るから、蓋から簡単に外れる問題点があった。 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、紙バンドを外れないように掛けることができて、しか も容器周壁の積重ねを可能にした紙容器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における紙容器は、容器体を上蓋と下蓋、 及び上下蓋の間に嵌挿するテーパ周壁にて構成し、上下蓋を周壁より一回り大き い基板と、該基板より周壁内に挿入して係止する環状片より構成し、両基板外周 部の対向位置に切欠を設け、その切欠を利用して容器体に紙バンドを掛けるもの である。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案における紙容器の構造を実施例の図面に基づき説明すれば、紙容 器は上蓋２と下蓋３、及び上下蓋２，３の間に嵌挿し少し先細と成るテーパ周壁 １により紙容体Ａを構成し、この紙容体Ａに紙バンド５を掛けるもので、上蓋２ と下蓋３、テーパ周壁１、及び紙バンド５の何れも、弾性板紙や防水板紙にて形 成するものである。

【０００６】 上蓋２は円形基板2aの外周部対向位置にバンド幅Ｓより大きい切欠12を設け、 切欠12より少し内周に下向環状片７を突設するもので、具体的には基板2aの外周 部に切欠12を対向して設ける一方、基板2aより一回り大きい裏板2bの外周部を下 向に屈曲し、裏板2bの外周に下向環状片７を形成し、その裏板2bを基板2aの裏面 に着設したものである。

【０００７】 下蓋３は上蓋２と同様の構造を成すもので、下蓋３の上向環状片８を上蓋２の 下向環状片７より一回り大きく形成し、下蓋環状片８の内部に上蓋環状片７を嵌 合し得るようにするものである。上蓋２の下向環状片７と下蓋３の上向環状片８ を、図９の如く鋸歯状の脚片21を有する帯状片20にて形成し、脚片21の着設にて 設けることも可能である。

【０００８】 テーパ周壁１は帯板10の一側上下部より側方に向けて爪片６を突設し、中間部 より側方に向けて舌片16を突設する一方、他側部に上記爪片６に対応する切込口 ９を設け、表面に適宜の印刷表示Ｂを施し、該帯板10の両側部を重なるよう輪状 に彎曲し、一側に設けた爪片６を他側の切込口９に挿入係止してテーパ周壁１に 構成すると共に、舌片16を周壁１の外側に露出するもので、この周壁下端部1bを 下蓋環状片８の外側に嵌合し、周壁上端部1aを上蓋環状片７の外側に嵌合するも のである。

【０００９】 帯板10の一側に設ける爪片６を、上向き又は下向きの鈎状爪片６と成すか、矢 尻の如く楔状爪片６と成し、帯板10の他側部に設ける切込口９に、上下端より開 脚方向の傾斜部9aを連続し、爪幅Ｈを切込口幅ｈより少し大きくしておき、爪片 ６の一部を折曲げて切込口９に挿入し、折曲げた爪片６が弾力にて復帰すること により、爪片６が離脱不能に係止するようにしておくことが望ましい。

【００１０】 図７の（Ｂ）は、帯板10の一側に糊代部11を連続し、該糊代部11を他側部に糊 付けするものである。テーパ周壁１を構成する帯板10は僅かに円弧状、或いは扇 状を成し、周壁下端径Ｒより周壁上端径ｒが周壁厚さｔ以上に小径となるように 構成される。又帯板10の一側に突設する舌片16を省略することも可能である。

【００１１】 紙バンド５は両先部5aに切込み15を設け、バンド５の中央部を下蓋３の下に重 ね、バンド５の左右を下蓋３の下からその切欠13に嵌挿し、周壁１の外側より上 蓋２の切欠12に嵌挿した後、バンド５の先部を上蓋２の上で相互に係止するもの である。この紙バンド５を下蓋３より上蓋２に跨がって掛ける場合、上下蓋２， ３の切欠12，13に嵌挿して掛けると、上下蓋２，３より外れる事がないし、バン ド５の片方を更に周壁１と舌片16の間に嵌挿すれば、一段とバンド５の外れが防 止される。

【００１２】 図２の紙容器は、上周壁１と下周壁１' の間に中蓋４を介在するもので、中蓋 ４は基板4aの外周部対向位置に切欠14を設け、基板4aの表裏面に裏板4b，4cを着 設し、基板4aより上方に上蓋環状片７より一回り大きい上向環状片17を、基板4a より下方に下蓋環状片８より一回り小さい下向環状片18を突設し、中蓋４に上蓋 ２と下蓋３を直接嵌合し得るようにするものである。

【００１３】

【考案の効果】

本案は、上記のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 本案紙容器の容器体を上蓋と下蓋、及び上下蓋の間に嵌挿するテーパ周壁より 構成し、上下蓋の嵌合を可能にすると共に、テーパ周壁の積重ねを可能にしたた め、容器体を分解してコンパクトに保管したり輸送することができる。特にテー パ周壁を組立て式にした容器体にあっては、一段とコンパクトに保管したり輸送 することができる。

【００１４】 容器体が組立て式であっても、上下蓋の基板外周部に切欠を設け、その切欠を 利用して容器体に紙バンドを掛けるものであるから、組立てた容器体は紙バンド を取らない限り分離することはないし、容器体に掛けた紙バンドが外れることも ないばかりか、容器体に対する紙バンド掛けも至って容易である。又テーパ周壁 に嵌合する上下蓋は、上下蓋に設けた環状片を周壁内に挿入して嵌合するもので あるから、周壁の全面を収納商品の印刷表示に利用し得る大きな特徴がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案紙容器の一部を切欠して要部構造を示す正
面図である。

【図２】類例紙容器の一部切欠正面図である。

【図３】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）上蓋と下蓋及び中蓋の構
造例を示す一部切欠正面図である。

【図４】下蓋の平面図である。

【図５】周壁の一部切欠平面図である。

【図６】周壁の正面図である。

【図７】の（Ａ）（Ｂ）帯板の平面図である。

【図８】の（Ａ）（Ｂ）爪片の形状例を示す帯板の要部
平面図である。

【図９】類例下蓋の一部切欠正面図である。

【図１０】帯状片の要部平面図である。

【図１１】の（Ａ）（Ｂ）蓋の嵌合例を示す一部切欠正
面図である。

【図１２】帯状片の展開平面図である。

【符号の説明】

１ テーパ周壁 ２ 上蓋 ３ 下蓋 ４ 中蓋、2a,3a,4a 基板 ５ 紙バンド ６ 爪片 ７，８,17,18 環状片 ９ 切込口 10 帯板、12,13,14 切欠、16 舌片 Ａ 容器体、Ｂ 印刷表示 Ｈ 爪幅、ｈ 切込口幅、Ｓ バンド幅 Ｒ 周壁下端径、ｒ 周壁上端径、ｔ 周壁厚さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 21/02 ３０１ Ａ 2330−3Ｅ 25/28 １０６ Ｚ 6540−3Ｅ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 容器体（Ａ）を上蓋（２）と下蓋
   （３）、及び上下蓋の間に嵌挿するテーパ周壁（１）に
   て構成し、上下蓋をテーパ周壁より一回り大きい基板
   （2a，3a）と、該基板より周壁内に挿入して係止する環
   状片（７，８）より構成し、両基板外周部の対向位置に
   切欠（12，13）を設け、その切欠を利用して容器体に紙
   バンド（５）を掛ける紙容器。