JPH0561876U - 磁気テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ハブ３、３への磁気テープ４の巻き乱れが防
止されると共に、磁気テープ４による特定の個所の摩耗
等が起こらないフリクションシート１０を備えた磁気テ
ープカセット。 【構成】 ハブ３、３及び磁気テープ４の両側にある上
下のフリクションシート１０、１０が両側辺１１、１１
で一連になるよう一体に形成されているので、両フリク
ションシート１０、１０がその弾力でハブ３、３と磁気
テープ４とを両側から挟持する。上下のフリクションシ
ート１０、１０の両側の両側辺１１、１１に至る部分
は、間隔が次第に狭くなるような勾配を有するため、ハ
ブ３、３に巻かれた磁気テープ４の巻量の変化により両
側部分が変形し、磁気テープ４の巻き乱れを防止すると
共に、特定の個所に摩耗等が起こらない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気テープを巻回した一対のハブと共にカセットシェルの中にフリ クションシートを挿入した磁気テープカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の磁気テープカセットの構成を、図４により説明すると、上ハーフ１と下 ハーフ２とを重ね合わせて箱形のケースを形成するが、このケースの内部に、磁 気テープ４を巻回した一対のハブ３、３を収納し、該ハブ３、３を回転自在に軸 支する。そして、前記テープ４とハーフ１、２との間にフリクションシート５、 ５が挿入される。図４において、９、９は、カセットデッキに装着したとき、ハ ブ３、３を回転させるためのスピンドルを挿入するハーフ１、２のハブ孔であり 、ハブ３、３は、このハブ孔９、９の内側に軸支される。また、このハブ孔９、 ９の位置に対応して、フリクションシート５、５にもハブ孔７、７が開設されて いる。前記ハーフ１、２は、重ね合わせた後ネジ１５、１５…で固定され、結合 される。

【０００３】 図４に示されたフリクションシート５、５は、何れも両側に前記ハブ３、３を 挿入するハブ孔７、７を有するが、そのうち下側のフリクションシート５は、そ のハブ孔７、７を挟むようにエンボス加工によるリブ８、８が形成されている。 このリブ８、８は、図示のようにフリクションシート５の長手方向でなく、短辺 と平行に形成されるものもある。さらには、図４において上側に示すようなフリ クションシート５のように、リブ８、８が設けられない平坦なものもある。

【０００４】 何れにしても、ハブ３、３に巻かれた磁気テープ４を両側から保持し、その巻 状態を整えると共に、ハブ３、３が回転するときの磁気テープ４の回転、走行抵 抗を低減し、磁気テープ４の走行性を高めることを目的として、磁気テープ４と ハーフ１、２の間に挿入される。 このような磁気テープカセットでは、ハブ３、３を上下のシェル１、２に組み 込んだ後、磁気テープ４を高速で巻き込んで磁気テープカセットに組み込む、い わゆるテラリング法による組立技術が用いられている。

【０００５】

【考案が解決しようとしている課題】

しかしながら、前記従来の従来の磁気テープカセットにおいて、図４で上側に 示すような平坦なフリクションシート５を用いた場合、前記のテラリング法によ る磁気テープ４の高速巻込時、或は組立後の通常の磁気テープ４の走行時に、磁 気テープ４のハブ３、３への巻き乱れが発生し、走行抵抗の増大や磁気テープ４ のエッジ部分の損傷が起こりやすいという問題がある。 他方、前記図４において下側に示したフリクションシート５は、このような問 題の低減が図れるものとされているが、このフリクションシート５では、ハブ３ 、３から引き出されて走行する磁気テープ４がリブ８、８の概ね同じ位置を通る ことから、このリブ８、８の部分に傷が発生し、その部分のフリクションシート ５の摩擦抵抗が増大し、磁気テープ４の粉落ちが起こるという課題があった。

【０００６】 本考案は、前記従来の磁気テープカセットにおける欠点を解消し、ハブへの磁 気テープの巻量に応じて両側が変形することにより、磁気テープの巻き乱れが防 止されると共に、磁気テープによる特定の個所の摩耗等が起こらないフリクショ ンシートを備えた磁気テープカセットを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案では、前記目的を達成するため、ハーフ１、２を重ね合わせて 箱形に形成されたカセットシェルと、該ハーフ１、２の間に回転自在に装着され 、磁気テープ４が巻回された一対のハブ３、３と、該磁気テープ４とハーフ１、 ２との間に挿入されたフリクションシートとを備えてなる磁気テープカセットに おいて、ハブ３、３及び磁気テープ４の両側にある上下のフリクションシート１ ０、１０が両側辺１１、１１で一連になるよう一体に形成されると共に、上下の フリクションシート１０、１０のハブ孔１４、１４の回りの中央部はほぼ平行で あって、その両側の両側辺１１、１１に至る部分は間隔が次第狭くなるような勾 配を有することを特徴とする磁気テープカセットを提供する。

【０００８】

【作用】

前記本考案による磁気テープカセットでは、ハブ３、３及び磁気テープ４の両 側にある上下のフリクションシート１０、１０が両側辺１１、１１で一連になる よう一体に形成されているので、両フリクションシート１０、１０がその弾力で ハブ３、３と磁気テープ４とを両側から挟持する。上下のフリクションシート１ ０、１０のハブ孔１４、１４の回りの中央部はほぼ平行であって、その両側の両 側辺１１、１１に至る部分は、間隔が次第に狭くなるような勾配を有するため、 この勾配を有する両側部分が、ハブ３、３に巻かれた磁気テープ４の巻量が多く 、従ってその巻径が大きくなると、それらの弾力に抗して広がり、逆にハブ３、 ３に巻かれた磁気テープ４の巻量が少なく、従ってその巻径が小さくなると、そ れらの弾力により狭まる。

【０００９】 このように、ハブ３、３への磁気テープ４の巻量に応じてフリクションシート １０、１０が変形することにより、ハブ３、３に巻かれた磁気テープ４は、常に 外側から両側のフリクションシート１０、１０に強圧され、ハブ３、３に巻き込 まれる時に上下から案内され、磁気テープ４の巻き乱れが防止される。また、こ のようにフリクションシート１０、１０がハブ３、３への磁気テープ４の巻量の 応じて変化することから、それに応じて磁気テープ４がフリクションシート１０ 、１０に当たる位置が絶えず変化する。このため、フリクションシート１０、１ ０の特定の個所に摩耗等が起こらない。

【００１０】

【実施例】

次に、図面を参照しながら、本考案の実施例について具体的に説明する。 図１と図２に本考案の実施例による磁気テープカセットが示されている。これ らの図に示された磁気テープカセットは、基本的に図４に示された従来のものと 共通しており、同じ部材は同じ符号で示してある。 この実施例では、ハブ３、３とそれに巻かれた磁気テープ４を上下から挟むフ リクションシート１０、１０が両側辺１１、１１で連接され一体になっており、 両方の口が開いた袋状となっている。このフリクションシート１０、１０は、或 る程度コシのある薄い樹脂フィルムで作られるが、それらのハブ孔１４、１４の 回りの中央部はほぼ平行となっている。そして、これらフリクションシート１０ 、１０の両側は、折曲線１２、１２で内側に折り曲げられ、そこから外側の両側 辺１１、１１に至る部分は、上下のフリクションシート１０、１０の間隔が次第 に狭くなるような勾配が形成されている。さらに、このフリクションシート１０ 、１０の両側辺１１、１１の一方の端部側が斜めに切られ、切欠部１３、１３が 形成されている

【００１１】 図１に示すように、このようにして一体となった上下のフリクションシート１ ０、１０の間にハブ３、３とそれに巻かれた磁気テープ４を挿入する。そして、 フリクションシート１０、１０の切欠部１３、１３を有する側の開口部から磁気 テープ４を引き出し、これを上下のハーフ１、２により形成されるカセットシェ ルの前面にガイドローラ６、６を通して案内する。このようにして案内される磁 気テープ４は、前記フリクションシート１０、１０の切欠部１３、１３の部分を 通過する。

【００１２】 このように構成された磁気テープカセットでは、ハブ３、３及び磁気テープ４ の両側にある上下のフリクションシート１０、１０が両側辺１１、１１で一連に なるよう一体に形成されているので、両フリクションシート１０、１０がその弾 力でハブ３、３と磁気テープ４とを両側から挟持する。この状態を図３に示す。 ここで、上下のフリクションシート１０、１０のハブ孔１４、１４の回りの中 央部はほぼ平行であって、その両側は両側辺１１、１１へいくに従って前記間隔 が狭くなるような勾配を有するため、この勾配を有する両側部分が、ハブ３、３ に巻かれた磁気テープ４の巻量が多く、その巻径が大きいと、図３に二点鎖線で 示すように、それらの弾力に抗して広がる。逆にハブ３、３に巻かれた磁気テー プ４の巻量が少なく、その巻径が小さいと、それらの弾力により図３に実線で示 すように狭まる。

【００１３】 また、ハブ３、３から引き出された磁気テープ４は、図１及び図２に示すよう に、フリクションシート１０、１０の切欠部１３、１３の部分を通過するが、こ の部分で両側から強圧され、一定の位置を通過するよう案内される。この場合に 、前記切欠部１３、１３の大きさ、つまり図５に示すその幅ｗや深さｄを変える ことによって切欠部１３、１３の長さが変わり、磁気テープ４を両側から挟持す る圧力を変えることもできる。すなわち、切欠部１３、１３の幅ｗを広くし、深 さｄを深くすれば、切欠部１３、１３での挟持圧をそれだけ弱くすることができ る。 さらに、図３ではフリクションシート１０、１０の両側辺１１、１１が鋭角的 に折り曲げられてているため、磁気テープ４が両フリクションシート１０、１０ の両側部分から受ける挟持圧が強い。他方、図６（ａ）で示すように、この両側 辺１１、１１でのフリクションシート１０、１０の折曲曲率を大きくしたり、或 は同図（ｂ）で示すように、両側辺１１、１１でフリクションシート１１、１１ を二段に折り曲げ、その折曲部分の高さｈを高くすることで磁気テープ４が両フ リクションシート１０、１０から受ける挟持圧を弱くすることができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によれば、ハブへの磁気テープの巻き乱れが防止さ れると共に、磁気テープによる特定の個所の摩耗等が起こらないフリクションシ ートを備えた磁気テープカセットを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による磁気テープカセットの全
体を示す分解斜視図である。

【図２】同磁気テープカセットの一方のハーフを除き、
上側のフリクションシートを一部切り欠いた平面図であ
る。

【図３】同磁気テープカセットの要部拡大縦断正面図で
ある。

【図４】従来例の磁気テープカセットの全体を示す分解
斜視図である。

【図５】前記実施例を示すフリクションシート、ハブ及
び磁気テープの斜視図である。

【図６】本考案の他の実施例を示すフリクションシート
の要部正面図である。

【符号の説明】

１、２ ハーフ ３ ハブ ４ 磁気テープ ６ ガイドローラ ９ ハーフのハブ孔 １０ フリクションシート １１ フリクションシートの両側辺 １２ フリクションシートの折曲線 １３ フリクションシートの切欠部 １４ フリクションシートのハブ孔

Claims (2)

【整理番号】 ００３０７０３−０１ 【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハーフ（１）、（２）を重ね合わせて箱
   形に形成されたカセットシェルと、該ハーフ（１）、
   （２）の間に回転自在に装着され、磁気テープ（４）が
   巻回された一対のハブ（３）、（３）と、該磁気テープ
   （４）とハーフ（１）、（２）との間に挿入されたフリ
   クションシートとを備えてなる磁気テープカセットにお
   いて、ハブ（３）、（３）及び磁気テープ（４）の両側
   にある上下のフリクションシート（１０）、（１０）が
   両側辺（１１）、（１１）で一連になるよう一体に形成
   されると共に、上下のフリクションシート（１０）、
   （１０）のハブ孔（１４）、（１４）の回りの中央部は
   ほぼ平行であって、その両側の両側辺（１１）、（１
   １）に至る部分は間隔が次第に狭くなるような勾配を有
   することを特徴とする磁気テープカセット。
2. 【請求項２】 前記請求項１において、フリクションシ
   ート（１０）、（１０）の両側辺（１１）、（１１）の
   一方の端部であって、ハブ（３）、（３）から繰り出さ
   れた磁気テープ（４）が通過する部分が斜めに切り欠か
   れていることを特徴とする磁気テープカセット。