JPH0561811U - フロッピーディスクドライブのアジマス調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロッピーディスクドライブ装置の磁気ヘッ
ドを搭載したキャリッジをフレームに固定した後にアジ
マス調整を簡単でありかつ高精度に行うことを可能にし
たアジマス調整機構を提供する。 【構成】 キャリッジ１はガイドレール２で軸支され、
ガイドレール押さえ５がガイドレール２をフレームに設
けられた固定ピン３および４によって支持されている。
固定ピン３は、ガイドレール２に設けられた偏心部７に
接触しており、ガイドレール２を回転させることにより
水平方向に微調整を行うことによってキャリッジ１に搭
載したヘッドのアジマスを調整することができる。 【効果】 フロッピーディスク装置の部品の削減やキャ
リッジ組立の際に、簡単で高精度のアジマス調整を行う
ことが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ヘッドを搭載したキャリッジを移動させるためのフロッピーデ ィスク（以下ＦＤＤと略記する）のキャリッジ機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＦＤＤは、外部記憶装置として、パソコン・ワープロ等に多用され、大量生産 されており、組立工数も増大している傾向にある。特開平１−２５１４６９号と 特開昭６３−１６１５１３号に記載されているようにフロッピーディスクを挟む ことが出来る上下ヘッドを搭載したキャリッジをガイドレールによって移動させ て情報の授受を行うＦＤＤのアジマス調整方法に多種多用な発明考案がなされて いる。それらによると、特開昭６３−１６１５１３号によれば、キャリッジは２ 本のレールでガイドされ、特開平１−２５１４６９によれば、キャリッジは１本 のレールでガイドされている。特開昭６３−１６１５１３号に記載されているア ジマス調整は、２本のガイドレールの一方の一端部を螺子機構部によって水平方 向に微調整を行うことによってキャリッジに搭載したヘッドの位置を調整してお り、特開平１−２５１４６９号に記載されているアジマス調整は、一本のガイド レールの一方端部を固定し、他方端部を螺子機構部によって水平方向に微調整を 行う事によってキャリッジを移動させ、キャリッジに搭載したヘッドの位置を調 整して正しいアジマスにセットしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の技術においては、その調整機構上部品数が多くなり、ま た螺子ピッチの粗さや螺子先端の形状により微調整が困難であり、そのため各部 品で生ずる誤差が高精度な調整に多くの時間を要すると言う欠点を有している。 また、部品数が多くなると構造が複雑になり、部品組立に手間がかかるためコス トアップにつながると言う欠点を有していた。さらにガイドレールの径方向から 螺子の回転による微調整は、周囲実装部品を避けてドライバーを操作しなければ ならない低操作性を有していた。

【０００４】 本考案の目的は、上記課題を解決しようとするためのアジマス調整機構を提供 することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の要旨は、偏心部分を設けたガイドレールと ＦＤＤ装置のフレームにガイドレールを固定するために設けられた固定部分とに より、アジマス調整を行うことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

すなわち本考案におけるアジマス調整機構は、上記ガイドレールを回転させる ことにより、ガイドレール一方端部の水平方向への移動調整を行い、キャリッジ を水平方向に微動させキャリッジに搭載したヘッドのアジマス調整を行える構造 となっている。

【０００７】

【実施例】

以下図面により本考案の実施例を詳述する。図１は、本考案におけるキャリッ ジ機構を示す外観斜視図である。図２（ａ）と図３（ａ）は、ガイドレールの偏 心部７の作動図であり、図２（ｂ）と図３（ｂ）はその断面図である。図１にお いて、情報を磁気的に授受するヘッド６を搭載したキャリッジ１が、ガイドレー ル２に摺動可能に軸支されている。キャリッジ１の摺動に必要とされないガイド レール２の略中央部には、ガイドレール２に偏心する円形断面を有する偏心部７ が形成されている。そして、ガイドレール２の両端にはドライバー用の溝２１が 切られている。フレーム８に螺子止めされるガイドレール押さえ５の２箇所から 延伸する腕５１、５２が形成され、両方の腕５１、５２には固定ピン３、４の挿 入可能な窓部５３、５４があけられている。そして、腕５１、５２は弾性を有し 、その先端を曲げたくの字部５５、５６によって、ガイドレール２をフレーム８ とフレーム８に植設された固定ピン３及び４の２方向を同時に押圧することが可 能である。以下に前記部品の組立について詳述する。すなわちキャリッジ１の２ 箇所の腕１１、１２の間にガイドレール２の偏心部７があるように、キャリッジ １をガイドレール２に摺動可能に軸支する。キャリッジ１を軸支するガイドレー ル２をフレーム８に載置するとともに、ガイドレール２の一方端部を固定ピン４ に接触させ、偏心部７を固定ピン３に接触させる。この状態で、ガイドレール押 さえ５の腕５１、５２の窓５３、５４を固定ピン３、４に合わせてくの字部５５ 、５６をガイドレール２に圧接させる。図示しない螺子によってガイドレール押 さえ５をフレーム８に固定する。ガイドレール２は、ガイドレール押さえ５の弾 性を有するくの字部５５、５６によって押圧されてフレーム８に取り付けられて いる。

【０００８】 以下本考案によるアジマス調整について図２及び図３により詳述する。すなわ ち図２（ａ）は、アジマス不正の時の固定ピン３及び４とガイドレール２の関係 を示す作動図であり、図３（ａ）はアジマス調整後の固定ピン３及び４とガイド レール２の関係を示す作動図であり、図２（ｂ）及び図３（ｂ）はそれぞれの偏 心部７の拡大断面図である。図２（ａ）に示すアジマス調整前では、ヘッド６と キャリッジ１全体をガイドレール２を介して微調整しなければならない。この微 調整は、ガイドレール２の両端に設けられたドライバー用の溝２１によってガイ ドレール２を回転して行われる。固定ピン４とガイドレール２の接触において、 ガイドレール２の接触点２４は調整の前後でその平面的位置を変化させないが、 固定ピン３とガイドレール２の接触ではガイドレール２の接触点２３がガイドレ ール２の回転に従って平面的位置を変化させていき、ガイドレール２の軸中心が 変化し振れを生じる。ガイドレール２に摺動可能に軸支されたキャリッジ１は前 記振れ面内で同様に振れ、キャリッジ１に固定されたヘッド６も振れアジマスの 調整が行われる。調整中固定ピン３及び４の近傍で働くガイドレール押さえ５の くの字部の弾性によって、ガイドレール２はフレーム８と固定ピン３及び４側に 押圧されて衝撃に対しても十分堪えられるように固定されている。

【０００９】

【考案の効果】 上記のごとく本考案によれば、ガイドレールの軸回転のみでキャリッジの水平 方向の移動を可能にしたので、従来のアジマス調整機構のように調整のために螺 子機構部をもつような別部材を必要とせず、とてもシンプルな構造とすることが 出来た。そして、構造が単純化されたことにより、アジマス調整機構を構成する 各部品の仕上がり精度の誤差による高精度なアジマス調整に与える悪影響を回避 することが出来た。また、構成する部品数が少なくなったことから部品コストを 下げることが出来、さらに組立性が向上したために生産コストを下げることで大 きなコストダウンにつながるという効果もあげることが出来た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すキャリッジ機構の構成
を示す外観斜視図である。

【図２】（ａ）は本考案の一実施例を示すアジマス調整
前の機構を示すガイドレールの偏心部の作動図である。
（ｂ）は図２（ａ）の偏心部の拡大断面図である。

【図３】（ａ）は本考案の一実施例を示すアジマス調整
後の機構を示すガイドレールの偏心部の作動図である。
（ｂ）は図３（ａ）の偏心部の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ キャリッジ ２ ガイドレール ３ 固定ピン ４ 固定ピン ５ ガイドレール押さえ ６ 磁気ヘッド ７ ガイドレールの偏心部 ８ フレーム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤澤 衛 東京都田無市本町６丁目１番12号 シチズ ン時計株式会社田無製造所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドを搭載したキャリッジを磁気
   記録媒体へ移動させるガイドレールを有するフロッピー
   ディスクドライブのキャリッジ駆動機構において、前記
   キャリッジを支持するガイドレールの断面の一部は、両
   端部の円形断面と異なる中心を有する円形断面を有する
   ことを特徴とするフロッピーディスクのアジマス調整機
   構。