JPH0561052U - プラスチック製蓋付カートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、使用後の廃棄時に紙製品とプラスチ
ック製蓋とを容易に分離し得るカートンを目的とする。 【構造】開口部の内側に折り込まれた上縁１１を有する
紙製箱１０と、この箱１０の開口部の外周面に密接する
ことが出来る外周縁１４を有するプラスチック製蓋１３
との組合せよりなり、前記箱１０の開口部外周面に凹溝
１２を穿設し、かつ蓋１３の外周縁に突起１５を突設
し、更に蓋１３の所定位置に折曲用溝１６を穿設して構
成したプラスチック製蓋付カートンである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、紙製箱と該箱の開口部とに被蓋し得るプラスチック製蓋とよりなる カートンであって、廃棄時に箱と蓋とを簡単に分離して紙と樹脂に素材分別を可 能とし、かつ全体をコンパクトにクラッシュすることを可能としたプラスチック 製蓋付カートンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、洗剤等を収納するこの種のカートンの中で、容器保形性及び再封性を高 めるために開口部にプラスチックを用いたものとして、例えば図９に示すような カートン１が知られている。 即ち、このカートン１は、箱２の開口縁３にプラスチック製開口枠４を使用し て、開口縁３を該開口枠４の下部内周縁４ａと外周縁４ｂとで強固に取付固定し 、この開口枠４にプラスチック製蓋５を開閉自在に被蓋することによって構成し ていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然るに、前述の従来のカートン１は、箱２の開口縁３にプラスチック製開口枠 ４がその内外周縁４ａ、４ｂを利用して強固に取付固定されていたので、このカ ートン１を使用後に廃棄する際には、この箱２と開口枠４とを簡単に分離して夫 々分別廃棄することが困難であった。 従って、このカートンはプラスチックと紙とに素材分別収集することが出来ず 、カートン全体をプラスチックのごみの方に廃棄しなければならない問題があっ た。 また、箱２の開口部にプラスチック製開口枠４が一体的に取付られている場合 には、カートン１をコンパクトにクラッシュして廃棄することも出来ない問題も あった。

【０００４】 本考案に係るカートンは、前述の問題点に鑑み開発された技術であって、特に 蓋の開閉を容易にし、廃棄の際には箱とプラスチック製蓋とを簡単に分離させる ことが出来、更に全体をコンパクトにクラッシュさせることが可能な全く新しい 技術提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るカートンは、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術であっ てその要旨は、紙製箱と該箱の開口部に被蓋し得るプラスチック製蓋とよりなる カートンに於て、前記蓋の周辺縁には箱の開口部外周面に密接し得る内周縁が設 けられ、かつ該蓋の天井面及びこれに接続する外周縁に折曲用溝或は切欠溝が設 けられて構成されることを特徴としたプラスチック製蓋付カートンである。

【０００６】

【作用】

本考案に係るカートンに於ては、上述の如く、プラスチック製蓋の周辺縁に箱 の開口部の外周面に密接し得る内周縁が設けられているので、箱に蓋を被蓋した 際には、該蓋の外周縁で箱の開口縁をその外側から支持して補強することが出来 る。 また、本考案に係るカートンに於ては、蓋の天井及びこれに接続された外周縁 に折曲用溝或は切欠溝が設けられているので、これ等の折曲用溝及び切欠溝を利 用することによって、蓋の後部を箱の開口縁に固定したまま蓋を容易に開閉する ことが出来る。

【０００７】 本考案に係るカートンは、上述の如く、紙製箱とプラスチック製蓋との組合せ で構成されており、従来のように箱の開口部に開口枠を取付ける必要がないので 、カートンを使用した後は、紙製箱とプラスチック製蓋とに夫々簡単に分離して 廃棄することが出来る。 前記蓋の外周縁の内周面所定位置に、箱の開口部外周面に設けられた凹溝に嵌 入し得る突起を突設した場合には、これ等の凹溝と突起とを相互に組合わせるこ とによって、蓋を箱の開口部に強固に取付固定することが出来る。

【０００８】

【実施例】

図により、本考案に係るカートンの一実施例を具体的に説明すると、図１は本 考案に係るカートンの全体の構成を示す斜視図、図２はカートンの構成部品を示 す斜視図、図３は箱に蓋を被蓋した状態の斜視図、図４は図３の状態の要部の断 面説明図、図５は本考案の第２実施例を示す斜視説明図、図６は第２実施例の構 成部品の斜視図、図７は第３実施例を示す斜視説明図、図８は図７の状態の要部 の断面説明図である。

【０００９】 図１乃至図４により、本考案に係るカートンの第１実施例を具体的に説明する と次ぎの通りである。 １０は厚紙製箱であって、その開口部には上縁１１が内周面に沿って折り込ま れている。 この箱１０の開口部の外周面には所定位置に凹溝１２が穿設されている。 次ぎに１３はプラスチック製蓋であって、その蓋１３の周縁には、前記箱１０ の開口部外周面に密接し得る外周縁１４が吊下げられ、かつこの外周縁１４の内 周面所定位置には、前記箱１０の凹溝１２に嵌着し得る突起１５が突設されてい る。

【００１０】 従って、箱１０の開口部に蓋１３を被蓋した際には、その蓋１３の外周縁１４ が箱１０の開口部の外周面に密接され、かつ外周縁１４に設けた突起１５が、箱 １０の開口部外周面に設けられた凹溝１２に嵌着されるように構成されている。 特に、この突起１５及び凹溝１２は蓋１３及び箱１０の後部に設けられており 、蓋１３及び箱１０の後部を相互に強く嵌合し得るように構成されている。 １６は蓋１３の天井面に設けられた折曲用溝であって、この部分の蓋１３を肉 薄に形成し、これによって蓋１３をこの折曲用溝１６で容易に折曲げることが出 来るように構成されている。

【００１１】 また、この折曲用溝１６に隣接する両側の外周縁１４には切欠溝１７が穿設さ れ、蓋１３を折曲用溝１６で折り曲げる際に、この外周縁１４が邪魔をしないよ うに構成されている。 １８は粘着シールであって、この粘着シール１８を用いて箱１０に被蓋した蓋 １３の後部をより強固に固定することが出来るように構成されている。 この粘着シール１８は、図２に示すように、箱１０と蓋１３との後部のみに貼 着することも、或は箱１０と蓋１３との全周に亘って両者を相互に貼着すること も可能である。

【００１２】 上記実施例に於て、蓋１３の前面中央部にはつまみ片１９が突設されており、 このつまみ片１９を持って蓋１３を容易に開閉することが出来るように構成され ている。 上記つまみ片１９は蓋１３をシールする際にも利用することが出来る。 本考案に係る第１実施例のカートンの組立構成に当っては、図１乃至図４に示 す如く、箱１０の開口部に蓋１３を当接した後、蓋１３の外周縁を箱１０の外周 面に密接し、かつ蓋１３の外周縁１４に設けられた突起１５を箱１０に穿設され た凹溝１２内に嵌入して、該蓋１３を箱１０の開口部に被蓋固定することが出来 る。

【００１３】 次ぎに、第一実施例のカートンの蓋１３を開口する場合には、図１に示すよう に、つまみ片１９を持って蓋１３に設けられた折曲用溝１６のヒンジ作用及び外 周縁１４の切欠溝１６の作用で蓋１３の前部を徐々に上昇させて蓋１３を開くこ とが出来る。その際に、蓋１３と箱１０との後部は、前記凹溝１２と突起１６と の作用で強固に固着されているので、この後部は安定させたままで、蓋１３の前 側のみを開閉することが出来る。

【００１４】 図５及び図６により、本考案に係るカートンの第２実施例を説明すると次ぎの 通りである。 この第２実施例に示すカートンは、前述の第１実施例に示すカートンとは、次 ぎの点で異なっている。 即ち、第２実施例では、蓋１３の外周縁１４の内の前部に、所謂折曲用溝１６ よりも前側部分の上下巾が、その後部の上下巾よりも短くなった外周短縁１４ａ で構成されている。 この第２実施例の場合の方が、第１実施例の場合よりも蓋１３と箱１０との嵌 合面積が小さくなるので、蓋１３を容易に開閉することが出来る。

【００１５】 図７及び図８により、本考案に係るカートンの第３実施例を説明すると次ぎの 通りである。 この第３実施例に示すカートンは、前記第１実施例或は第２実施例に示すカー トンとは、次ぎの点で異なる。 即ち、この第３実施例の場合には、特に図８に明らかなように、蓋１３ａの天 井面外周縁に凹溝リング２０が設けられており、この凹溝リング２０内に箱１０ の開口縁を嵌入して固定することが出来るように構成されている。 この第３実施例の特徴は、凹溝リング２０内に箱１０の開口縁を嵌入すること により、内容物をもれにくくし、箱１０の開口部をより強固に補強することが出 来る。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係るカートンは、上述の如き構造と作用とを有するので、箱の開口部 に被蓋された蓋の外周縁で箱の開口部をその外側から補強することが出来、これ によって従来の如きプラスチック製開口枠を必要とせず、このプラスチック開口 枠を省略することが出来る。 従って、使用する樹脂量を少なくすることが出来ると共に、使用後にプラスチ ック製蓋と、紙製箱とを簡単に分離することが出来、これで素材分別ごみの収集 を可能とすることが出来る。

【００１７】 また、蓋には折曲用溝が設けられているので、蓋の開口に当っては、蓋をこの 折曲用溝で折り曲げることにより、容易にかつ体裁良く開閉することが出来る。 更に、上述の如く蓋の開口部に従来のようなプラスチック製開口枠等を取り付 ける必要がないので、箱は容易に押しつぶして全体をコンパクトにすることが出 来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るカートンの全体の構成を示す斜視
図である。

【図２】カートンの構成部品を示す斜視図である。

【図３】箱に蓋を被蓋した状態の斜視図である。

【図４】図３の状態の要部の断面説明図である。

【図５】本考案の第２実施例を示す斜視説明図である。

【図６】第２実施例の構成部品の斜視図である。

【図７】第３実施例を示す斜視説明図である。

【図８】図７の状態の要部の断面説明図である。

【図９】従来のカートンの一例を示す断面説明図であ
る。

【符号の説明】

１ カートン ２ 箱 ３ 開口縁 ４ 開口枠 ４ａ，４ｂ 内外周縁 ５ 蓋 １０ 箱 １１ 上縁 １２ 凹溝 １３，１３ａ 蓋 １４，１４ａ 外周縁 １５ 突起 １６ 折曲用溝 １７ 切欠溝 １８ 粘着シール １９ つまみ片 ２０ 凹溝リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】紙製箱と該箱の開口部に被蓋し得るプラス
   チック製蓋とよりなるカートンに於て、前記蓋の周辺縁
   には箱の開口部外周面に密接し得る内周縁が設けられ、
   かつ該蓋の天井面及びこれに接続する外周縁に折曲用溝
   或は切欠溝が設けられて構成されていることを特徴とし
   たプラスチック製蓋付カートン