JPH0561016A - 高分子分散液晶表示素子 - Google Patents

高分子分散液晶表示素子

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JPH0561016A
JPH0561016A JP21949891A JP21949891A JPH0561016A JP H0561016 A JPH0561016 A JP H0561016A JP 21949891 A JP21949891 A JP 21949891A JP 21949891 A JP21949891 A JP 21949891A JP H0561016 A JPH0561016 A JP H0561016A
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JP
Japan
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liquid crystal
polymer matrix
crystal display
crystal composition
refractive index
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Pending
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JP21949891A
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English (en)
Inventor
Masaya Mizunuma
昌也 水沼
Tatsuo Masumi
達生 増見
Shigeyuki Kamine
茂行 加峯
Shin Tabata
伸 田畑
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の透明電極を備えた基板間に、誘電異方
性の正の液晶組成物が、高分子マトリックス中に分散保
持され、且つ高分子マトリックスの屈折率が、該液晶組
成物の常光屈折率(n0)とほぼ一致するようにされた
高分子分散液晶表示素子において、該液晶組成物粒子径
が、0.1μm〜10μmである。 【効果】 可視光全域にわたりコントラスト比が高く、
輝度の高い液晶表示素子が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子分散液晶表示素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶の表示モードを大別すると次の3つ
に分類できる。 1.偏光板を2枚用いる複屈折モード 2.偏光板を1枚用いるゲスト−ホストモード 3.偏光板を用いない散乱モード 1および2は、偏光板を用いて表示を行うため、光の利
用効率が低く、実用化されている液晶表示素子において
は、10〜20%程度の光しか利用していないのが現状
である。一方、表示素子の大画面化への要求が近年強く
なってきており、投影により100インチ以上の画面を
得ることのできる液晶プロジェクションテレビも上市さ
れている。
【0003】現在の液晶プロジェクションテレビには、
複屈折モードの1種である、TNモードの液晶表示素子
が用いられているが、先に述べたように、この表示モー
ドは、光の利用効率が低いため、投影を行うためには光
源の強度を非常に強くする必要があり、またこのとき光
吸収の発熱により液晶表示素子が劣化するという問題が
あり、光の利用効率の高い液晶表示素子が考えられてい
る。そこで先に示した第3の表示モードである散乱モー
ドは、偏光板を用いない表示モードであるため、液晶表
示素子での光のロスがほとんどなく、100%に近い光
の利用効率を達成することが可能であり、液晶プロジェ
クションテレビへの適用が求められている。
【0004】散乱モードには、さらに次の2手法に分類
することができる。 a.動的散乱モード b.高分子分散モード 動的散乱モードは、整列配向した誘電率が負(Δε<
0)のネマチック液晶中にイオン流を走行させることに
より、多数のドメインを発生させ、このドメイン間の強
い複屈折性により散乱を起こさせるものである。この表
示モードは、液晶中にイオン剤を含むことが必要である
が、このイオン剤により、電極界面で電気化学反応が起
こり、表示素子が劣化する、また各画素に非線形素子を
つけたアクティブマトリックス駆動を行うには液晶中を
流れる電流値が高いため、大きな保持容量をつけなけれ
ばならないという問題点がある。
【0005】高分子分散モードは、現在最も有望視され
ているモードである。図1を用いて説明すると、このモ
ードは、透明電極間の高分子マトリックス1中に、球状
の液晶粒子2が分散した構造をしており、液晶分子3
は、粒子内部で高分子マトリックス壁面に沿った配向を
している(図1a)。このとき液晶粒子の平均屈折率と
高分子マトリックスの屈折率に差があるとき、入射光4
は散乱することになる(散乱光5)。この高分子分散セ
ルに電圧を印加すると、液晶がΔε>0の場合、液晶分
子は、高分子マトリックスの壁面の拘束から離れ、透明
電極面に対し垂直になる(図1b)。高分子マトリック
スの屈折率と液晶分子の分子短軸方向の屈折率が近接し
ているとき、入射光は散乱することなく透過することが
できる(透過光6)。このように、高分子分散モードで
は、散乱状態と透過状態の間でON・OFFを行うこと
ができ、これにより表示を行うことできる。この高分子
分散モードの液晶(高分子分散液晶:Polymer Disperse
d liquid Crystal:以下PDLCと呼ぶ)材料を、現在
液晶表示素子の駆動モードの中心になっている薄膜トラ
ンジスタ(ThinFilm Transistor:以下TFTと呼ぶ)
と組み合わせて用いることを考えたとき、PDLC材料
は次のような特性が求められる。 1.駆動電圧:10V以下(できれば5V以下が好まし
い) 2.比抵抗ρ:1011Ω・cm以上 3.コントラスト:100以上 4.応答速度:20ms以下(立ち上がり速度τR,立ち
上がり速度τD
【0006】PDLC材料構造とこれら特性の間には次
のような複雑な相関がある。 1.液晶粒子のサイズを小さくしたとき、液晶分子と高
分子マトリックスの接触面積が大きくなるので界面での
拘束力が強くなり、電圧を印加したとき、液晶分子が立
ち上がり難くなる(駆動電圧が高くなり、立ち上がり速
度も遅くなるが、立ち下がり速度は速くなる)。 2.コントラスト比は、PDLC材料の散乱状態と透明
状態で得られる透過光量の比である。透過状態での透過
光強度は、おもに光源の光強度により決まる。PDLC
でおこる光の散乱は、高分子マトリックスの屈折率と高
分子マトリックス中に分散保持される液晶組成物の平均
屈折率の差によって起こる。さらに、光の散乱効率は、
PDLC材料中の高分子マトリックス−液晶界面の存在
確率に依存する。また、この散乱効率は、PDLC材料
に入射する光の波長により変化する。すなわち、光の波
長により高分子マトリックス−液晶界面の存在確率が変
化するためである。従って、同一の液晶粒径、基板間隔
においては、入射する光の波長が短い(青い)ほど散乱
効率が高く、光の波長が長く(赤く)なるに連れて散乱
効率が低下する。一方、散乱状態での透過光強度は、高
分子マトリックスおよび液晶組成物の屈折率、並びに液
晶粒子の粒径に依存して変化する。従って、コントラス
ト比を高くするためには、散乱状態での光の透過率を下
げる、すなわち散乱効率を上げるために高分子マトリッ
クス−液晶界面の存在確率を高くし、且つセルギャップ
を厚くする必要がある。ただし、セルギャップを厚くす
ると、駆動電圧が高くなる。 3.駆動電圧を下げるためには、Δεの大きな液晶材料
を選択すればよいと考えられるが、Δεが大きいとき液
晶分子と高分子マトリックスとの相互作用が大きくな
り、立ち上がり速度が遅くなる。また誘電率の大きさと
屈折率の大きさは、ほぼ同じ傾向を示している。誘電率
の大きな液晶材料はほとんどの場合、屈折率も大きくな
り、液晶分子短軸の屈折率と高分子マトリックスの屈折
率に大きな差が生じることが考えられる。この場合、電
圧を印加したときにも入射光が散乱してしまい、コント
ラストが低下することが予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように多くの特性が相反する関係になっており、しきい
値電圧・応答速度・コントラストとすべてを満足させる
ことは非常に困難である。それゆえ、PDLC材料を用
いた液晶表示素子では、十分な輝度、コントラスト比、
カラー表示を行う際の色バランスが取りにくいという欠
点がある。本発明は、上記のような従来の課題を解決
し、可視光全域にわたりコントラスト比が高く、輝度の
高い液晶表示素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者ら鋭意検討の結
果、上記のような従来の課題を解決することができた。
すなわち本発明は、一対の透明電極を備えた基板間に、
誘電異方性の正の液晶組成物が、高分子マトリックス中
に分散保持され、且つ高分子マトリックスの屈折率が、
該液晶組成物の常光屈折率(n0)とほぼ一致するよう
にされた高分子分散液晶表示素子において、該液晶組成
物粒子径が、0.1μm〜10μmであることを特徴とす
る、高分子分散液晶表示素子を提供するものである。
【0009】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、液晶組成物粒子の粒径を適正化することによ
り、散乱状態での透過率が可視光全域にわたって十分に
低く且つ均一になるようにし、その結果、可視光全域に
わたりコントラスト比が高く、輝度の高い液晶表示素子
を提供するものである。
【0010】本発明で使用することのできる液晶組成物
は、ネマチック液晶、カイラル剤(不斉炭素原子を有す
る光学活性化合物)を含むネマチック液晶、コレステリ
ック液晶等が挙げられる。例えば、ビフェニル系、フェ
ニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系液晶組
成物等を挙げることができる。これらは例えば“E8”
(BDH社製)等として市販されている。
【0011】本発明で使用することのできる高分子マト
リックスは、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリ
レート等が挙げられ、中でもポリアクリレートが好適で
ある。本発明において、PDLC材料中の液晶組成物粒
子径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、さ
らに好ましくは1.5〜3.5μmがよい。液晶組成物粒
子の粒径が、0.1μmより小さいと、液晶組成物粒子を
とりまく高分子マトリックスの拘束力が強くなり、しき
い値電圧は高く、立ち上がり速度も30msより遅くな
ることから好ましくない。また、10μmより大きい
と、しきい値電圧は低下するが、立ち下がり速度が遅く
なり、加えて、一定のセルギャップ中に存在する液晶組
成物−高分子マトリックス界面の数が減少するため散乱
効率が低くなり、ひいては、散乱効率を稼ぐために基板
間隔を大きくしなければならず、駆動電圧の上昇を招く
ことから好ましくない。
【0012】本発明方法において、液晶組成物は、高分
子マトリックス−液晶組成物または高分子マトリックス
前駆体−液晶の全体の重量に対して、通常30〜90重
量%、好ましくは50〜80重量%がよい。上記の液晶
粒径は、PDLC材料の用途によって、その最適値が変
化するものである。
【0013】本発明において、PDLC材料を製造する
場合は、公知の製造技術を用いることができるが、例え
ばまず、高分子マトリックス前駆体、例えばアクリレー
トモノマーまたはオリゴマーに液晶組成物を溶解し、こ
れを透明電極を有するセルに注入し、前記前駆体を重合
させる方法がある。液晶組成物の粒径は、本発明者らが
提案している、液晶組成物の含有率によってその粒径を
調整する方法が好適である。
【0014】
【作用】本発明では、高分子マトリックスの屈折率n0
と液晶の常光屈折率の値をほぼ一致させ、液晶組成物の
平均屈折率がn0より大きなものを用いることにより、
電界により透明状態と散乱状態とを制御できる高分子分
散液晶表示素子を得て、さらに、高分子マトリックス中
に分散保持されている液晶粒子の粒径を適正化すること
により、光の散乱効率の波長依存性がなくなり、散乱状
態での透過光がほとんどない高分子分散液晶表示素子を
得ることができる。
【0015】
【実施例】アクリレート系の紫外線重合性組成物(光重
合開始剤はダロキュア1116、メルク社製を使用)と
液晶組成物(E8、BDH社製)を均一に溶解し、IT
O電極を有するガラスセルに注入後、紫外線を照射(1
5mW、500秒)し、PDLCセルを作製した。PD
LC材料中に分散保持された液晶粒子の粒径は、PDL
C材料中の液晶組成物の含有量によって調節した。すな
わち、高分子マトリックスと液晶組成物との合計重量に
対し、65〜75重量%の液晶組成物を用いて、粒径の
異なる試料を調製した。図2は、PDLC材料中の液晶
粒子径を1.8〜3.5μmの範囲で変化させ、PDLC
素子が散乱状態のときに、白色光照射により得られた透
過光スペクトルをCIE色度図に展開したものである。
図から分かるように、液晶粒子の粒子径を大きくしてい
くと、はじめはそれに伴って赤みを増し、粒径が2μm
のとき最も赤くなる、さらに、液晶粒子径が大きくなる
と今度は白色に近付いた。また、透過状態でのPDLC
セルの透過光スペクトルを測定した結果、すべての粒子
径に対してほぼ白色光と同じであった。従って、3.5
μmの粒径をもったPDLC材料を用いることにより、
可視光全域で均一なコントラスト比をもった高分子分散
液晶表示素子を得ることができた。本発明により得られ
た高分子分散液晶表示素子は、可視光全域で均一なコン
トラスト比をもち、色バランスを取り易いことから、カ
ラーフィルターを設けることにより、カラー表示を行う
ことができる。このカラーフィルターは、1個の高分子
分散液晶表示素子に3色設けてもよいし、1個の高分子
分散液晶表示素子に1色設けてこれを3個組み合わせて
もよい。
【0016】
【発明の効果】本発明によって、可視光全域にわたりコ
ントラスト比が高く、輝度の高い高分子分散液晶表示素
子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子液晶表示素子の基本構造ならび
に表示原理を説明するための図である。
【図2】PDLC材料中に分散保持した液晶粒子の粒子
径と、散乱状態での透過光の色度の相関を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 高分子マトリックス 2 液晶粒子 3 液晶分子 4 入射光 5 散乱光 6 透過光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 伸 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の透明電極を備えた基板間に、誘電
    異方性の正の液晶組成物が、高分子マトリックス中に分
    散保持され、且つ高分子マトリックスの屈折率が、該液
    晶組成物の常光屈折率(n0)とほぼ一致するようにさ
    れた高分子分散液晶表示素子において、該液晶組成物粒
    子径が、0.1μm〜10μmであることを特徴とする、
    高分子分散液晶表示素子。
JP21949891A 1991-08-30 1991-08-30 高分子分散液晶表示素子 Pending JPH0561016A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6313894B1 (en) 1997-03-10 2001-11-06 Canon Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
KR20170073782A (ko) * 2015-12-18 2017-06-29 엘지디스플레이 주식회사 고유전율 나노 입자가 배합된 고분자 분산형 액정 및 이를 이용한 액정 표시장치

Cited By (3)

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US6476887B1 (en) 1997-03-10 2002-11-05 Canon Kabushiki Kaisha Preparation of liquid crystal display using multiple light beam scanning speeds
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