JPH0560937A - 光半導体モジユール - Google Patents

光半導体モジユール

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JPH0560937A
JPH0560937A JP3246409A JP24640991A JPH0560937A JP H0560937 A JPH0560937 A JP H0560937A JP 3246409 A JP3246409 A JP 3246409A JP 24640991 A JP24640991 A JP 24640991A JP H0560937 A JPH0560937 A JP H0560937A
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optical semiconductor
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で量産性に優れた送受信用光半導体モジ
ュールを提供する。 【構成】 光半導体素子と集光用レンズ2と光を分岐、
結合させる光学素子を同一基板4上に配置し、光半導体
素子LD1から出射されレンズ2により光ファイバ27
に集光される光ビーム9の光路を確保するために、光ビ
ーム9の幅よりも広い幅の溝10を基板4上に設けた。
光半導体素子は基板4表面に形成された金属薄膜電極6
上に、集光用レンズ2は基板4をエッチングして形成し
た溝7に、光学素子はプリズム底面と同じ形状の溝23
に実装することで位置決めを行う。また、エッチングで
は光ビーム通過溝10も同時に作製するものである。 【効果】 光ビームの光路に溝を設けることにより、P
−サイドを基板側にしたときに基板で光ビームが遮られ
るという問題を防ぐことができる。また基板上に精度よ
く形成した溝に光学部品を配置することで小型で再現
性、量産性よく光半導体モジュールを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は双方向光通信用光半導体
モジュールに関し、特にこれを構成する光半導体、集光
用レンズ、光分岐・分波素子などの光学部品を配置、固
定する基板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】LDモジュールや受光モジュールは光通
信システムを構成する基本光デバイスであり、これらは
発光素子であるレーザダイオード(LD)あるいは受光
素子であるフォトダイオード(PD)と光ファイバ、そ
してこれらを光学的に結合させるレンズとこれらを固
定、実装する筐体とから構成される。これまで光通信シ
ステムは幹線系を中心に高速化、伝送距離の拡大が図ら
れてきた。今後、光通信システムはこうした幹線系のみ
ならず、その広帯域な信号伝送が可能な特質を活かしビ
ル内のローカルエリア・ネットワーク(LAN)や一般
家庭を対象とした加入者系にまで適用の検討が開始され
ている。
【0003】こうした広いユーザを対象とした光通信シ
ステムでは、幹線系大容量システムのような機能、性能
だけでなくシステムの経済性が最も重要な導入の条件の
一つとなり、システムを構築するデバイスの低価格化が
強く望まれている。とりわけ、この光通信システム用デ
バイスのなかで大きなコストの割合を占めるのは光デバ
イスすなわちLDモジュールやAPDモジュールなどの
光半導体モジュールであり、これらの光デバイスの低価
格化は光加入者系システムの導入、実用化には不可欠で
あると考えられている。また、光加入者系システムでは
上述の光デバイスの低価格化に加え、装置が各加入者に
設置されることから装置の小型化も重要な課題となって
いる。
【0004】一方、この光加入者系システムに要求され
る機能としては、光通信のもつ広帯域性を利用し、従来
の同軸ケーブルによる通信と差別化し付加価値を高める
ため、通信とCATVなどの放送機能との統合化が検討
されている。先に述べた加入者系の厳しい低価格化の要
請から、単一の光ファイバにおいて光カプラを用いて同
一波長で双方向伝送したり、異なった波長の光を上り、
下りに使い分けて波長多重伝送する方式が有力視されて
いる。
【0005】図9は、従来の個別光デバイスによる光送
受信モジュールの構成図であり、上述の波長多重機能と
分岐機能を有した双方向伝送を可能にする手段として、
図に示すようにLDモジュール34、APD(アバラン
シェ・フォトダイオード)モジュール35、光カプラ光
コネクタ39、光分岐38、光合分波器37、1.55
用APDモジュール36のそれぞれを個々に組み合わせ
た方法がある。この方法によるとあらかじめ個々のデバ
イスの特性を確認した上で構成できる反面、デバイスど
うしを結合する際のコネクタ損失が生じることや、全体
の構成が大きくなってしまうという欠点があり、特に装
置全体の小型化が強く求められる光加入者系では適用は
困難であると考えられている。
【0006】そこで光半導体モジュールと光合分波器や
光分岐全体を小型化した構造として、例えば従来例とし
て図10乃至図13に示す光合分波器:LD,APD、
光ファイバの各コリメータパッケージの構造図のよう
に、光半導体素子と集光用レンズまたは光ファイバと集
光用レンズをあらかじめ出射ビームが平行光になるよう
に調整・固定したコリメータとよばれるユニットを用意
し、これとプリズムを光学的に結合する位置に配置・固
定して上述の光送受信モジュールを形成する方法があ
り、これを量産性よく、しかもモジュール自体を小型化
するため、図14に示す従来の光半導体モジュールの組
立法説明図のように光半導体コリメータとプリズム、光
ファイバコリメータはあらかじめ光学的にこれらが結合
する位置を定めた金型の精密ガイドに載せ、さらにこの
上からセラミック基板をかぶせ、各部品を固定した後、
精密ガイドを取り外すという構造、工法が開発されてい
る。これは一般に転写工法といわれている。しかし、こ
の方法では、まず各半導体コリメータを形成する時点で
光軸調整が必要となりまた大きな問題として、転写を行
う際、必ずしも精度よく位置決めされるとは限らず、転
写後に各部品が光学的に結合せずに所望の特性、性能を
満たしていないということがある。特にこれは近年加入
者系にも適用が検討されているシングルモード光ファイ
バを用いた場合に顕著であり、実際のところ、完全無調
整とはいかず、転写前に結局はコリメータの徴調整を要
するようになり必ずしも量産性がよいとはいえない。
【0007】さらに小型化・量産性を改善したものとし
て、図7は、従来の光半導体モジュールの斜視図であ
る。
【0008】図8は、従来の光半導体モジュールの断面
図である。図7、図8に示されるように、光半導体素子
(LD1、フォトダイオード24,11)と集光用レン
ズ2を同一基板(ガラス基板4)上に配置し、光半導体
素子をこの基板4上に形成された位置決め、固定と電極
を兼ね備えた金属薄膜6上に固定し、集光用レンズ2も
基板4上に形成された位置決め固定するための球レンズ
溝7に配置固定する構造が提案されている。この構造に
よれば、光半導体素子(LD1、フォトダイオード)と
集光用レンズ2および複数の光半導体素子LD1,PD
から出射あるいは入射される光を分岐、結合させる光学
素子(台形プリズム19、平行四辺形プリズム20、三
角形プリズム21、レンズプリズム22を側面同志貼り
合わせガスラ基板4のプリズム溝23に固定されてい
る。)の位置関係は精度よく定まり、位置調整を要しな
い。例えば、レーザダイオードLD1から出射された光
を集光用レンズ2を通して光ファイバに結合させる場合
は、ほぼ光ファイバを配置する位置にビームが集束する
ように光半導体素子LD1と集光用レンズ2の位置を金
属薄膜6と溝7の位置により定め、最後に光ファイバ端
末15の位置を徴調整する。また、レーザダイオードL
D1から出射された光を分岐、結合機能を有する光学素
子プリズムに入射させるために平行ビームにする場合に
は、より両者を近づけた位置に配置するように金属薄膜
6とプリズム溝23を設ける。この金属薄膜6は、例え
ば基板4上に金属薄膜の蒸着とフォトリソグラフィによ
り、また、溝7,23は異方性ケミカルエッチングなど
の手法を用いて作製することができる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】上述した従来の光半
導体モジュールの光学的な接続精度はレーザダイオード
LD1の実装精度と球レンズ溝7のエッチングおよび球
レンズ2の外径精度とその実装精度、それに加え、分
岐、結合機能を有する光学素子(プリズム)を有する場
合にはその光学素子の実装精度により決まる。レーザダ
イオードLD1と球レンズ2の光軸に対して垂直な方向
で水平面上の位置ずれは金属薄膜6へのレーザダイオー
ドLD1の実装精度と球レンズ溝7のエッチングおよび
球レンズ2の外径精度とその実装精度によって決まる。
また、高さ方向の位置ずれはレーザダイオードLD1の
実装時の高さ方向のばらつきと球レンズ溝7の径と球レ
ンズ2の外径および実装時のばらつきによって決まり、
前者はレーザダイオードLD1の活性層のある面(P−
サイド)をガラス基板4側にして実装する方法を採用す
ることにより実用性のある位置ずれ精度内にすることが
できる。水平方向と高さ方向の位置ずれ精度が数マイク
ロメータ以下に抑えられるため、光ファイバ端末15の
光軸調整の際もほぼコバーガラス14の窓の中心に光が
出射されているため、結合は極めて効率よく行える。
【0010】しかしながら上述の方法ではP−サイドを
ガラス基板4側にしてレーザダイオードLD1を実装す
ることにより高さ方向の位置精度を確保しているが、ガ
ラス基板4に近い位置から光ビームが出射されるため、
一定の広がりをもっている光ビームはガラス基板4に当
たってしまう。このため光ビームは部分的に遮断されて
損失が増大し、光半導体モジュールとして所望の特性が
得られないという課題がある。これを防ぐ手段としてガ
ラス基板4に光ビームが当たらないようにP−サイドを
ガラス基板4から離した状態でレーザダイオードLD1
を実装する方法が考えられる。ところが、この方法では
高さ方向の位置精度が悪くなるという課題がある。ガラ
ス基板4からP−サイドまでの距離が長くなるため、高
さ方向の実装精度が落ちてしまう。このため、コバーガ
ラス14の窓の中心に光が出射されず、光ファイバ端末
15を光軸調整により結合させようとしたときの調整範
囲が広がり、調整の効率が著しく低下してしまう。著し
く光半導体素子の高さ方向の精度が悪い場合には調整し
きれず、所望の特性が得られないなどの課題があった。
【0011】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであり、小型化され調整箇所の少ない量産性に
優れた光ビーム損失を防止できる光半導体モジュールを
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光半導体モジュ
ールは、同一基板上に配置固定した、光を分岐・結合す
る機能を有する光学素子と、少なくとも二つの光半導体
素子と、前記各半導体素子の前面に配置した集光用のレ
ンズと、該基板上に配置固定した前記光学素子とレンズ
を介して前記光半導体素子のおのおのと光学的に結合さ
れ実装される一本の光ファイバと、前記光半導体素子か
ら出射されレンズにより集光される光ビームの光路に沿
ってこの光ビームの幅よりも広い幅の該基板上に設けら
れた溝とを備えている。また前記溝が該基板表面のエッ
チングにより形成されるものである。
【0013】
【作用】上記構成の本発明における光半導体モジュール
は、光半導体素子と光学素子と集光用レンズを同一基板
上に配置固定して、該基板上にエッチングにより形成さ
れた前記半導体素子から出射されレンズにより集光され
る光ビームの光路に沿ってこの光ビームの幅よりも広い
幅の溝を設けたので、光ビームの損失を回避することが
できる。
【0014】
【実施例】次に図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0015】図1は本発明の一実施例である光半導体モ
ジュールの上面図である。
【0016】図2は本発明の一実施例の光半導体モジュ
ールの断面図である。
【0017】図3は本発明の光半導体モジュールの斜視
図である。本実施例の光半導体モジュールは、波長1.
31マイクロメータの光を用いて同一波長で光送受信を
行う機能を備えたモジュールである。光半導体素子とし
てレーザダイオード1とPINフォトダイオード24を
備え、集光用レンズとして球レンズ2を、また光分岐・
結合する光学素子として、側面にハーフミラー30が蒸
着された三角形プリズム21を有する。レーザダイオー
ド1から出射された光は球レンズ2で集光され平行光と
なり、三角形プリズム21のハーフミラー30を50%
の光ビーム9が透過し、さらに共通ポート光ファイバ2
7側に配置された球レンズ2により再び集光され、共通
ポート光ファイバ27に結合する。一方、共通ポート光
ファイバ27から出射された光ビーム9は、球レンズ2
で集光され平行光となり、三角形プリズム21のハーフ
ミラー30で50%の光が反射し、球レンズ2で集光さ
れ、PINフォトダイオード24に結合する。このよう
にして、本光半導体モジュールにより光送受信伝送が可
能となる。なお、集光用レンズ2の大きさは、結合効率
と光ビーム9の伝搬距離を考慮して、レーザダイオード
1の前面に配置された球レンズ2はφ0.8mm、PI
Nフォトダイオード24の前面と共通ポート光ファイバ
27側はφ1.2mmを用いた。
【0018】ここで、本発明の光半導体モジュールは、
レーザダイオード1、PINフォトダイオード24が厚
さ0.5mmのガラス基板4にあらかじめ形成されたC
r−Au金属薄膜6に半田18を用いて固定されてい
る。また、3個の球レンズ2もすべてガラス基板4に設
けられた円形の球レンズ溝7の上に配置され、低融点ガ
ラス17により固定されている。さらに、三角形プリズ
ム21もガラス基板4に設けられたプリズムの底面と同
一形状のくぼみに配置され、樹脂33により固定されて
いる。金属薄膜6はフォトリソグラフィにより、プリズ
ム、レンズを配置するくぼみと穴はガラス基板の異方性
エッチングを用いて形成した。また、上記光学部品は固
定の温度が高い方から、すなわち球レンズ2、光半導体
素子、プリズムの順でウェハー状態で一括して実装した
後、シリコン基板5の上に実装・固定され、ウェハーを
切断して光学部品が実装された個々のガラス基板4を作
製した。
【0019】ここで、レーザダイオード1は活性層をガ
ラス基板4側にして実装し、発振部をガラス基板4の表
面すれすれにし、球レンズ2を配置する球レンズ溝7
は、レーザダイオード1側と共通ポート光ファイバ27
およびPINフォトダイオード24側でそれぞれφ0.
7mm、φ1.54mmとして光ビーム9の高さ方向の
位置を合わせた。しかし、ガラス基板4の表面が均一に
形成されている場合、ガラス基板4の表面すれすれから
出射され平行光になって伝搬する光ビーム9は、ガラス
基板4の表面によって部分的に遮断されてしまう。これ
を防ぐため、本発明ではガラス基板4の表面に、光ビー
ム9の光路に沿って光ビーム9の幅より広い幅を持つ溝
10を設けた。これによって空間を伝搬する光ビーム9
はこの光ビーム通過溝10の中を伝搬し、光ビーム9の
損失無しに光送受信伝送を可能としている。なお、上記
シリコン基板5作製後、これをパッケージ13に実装
し、金属薄膜6のパッドと電極端子12をワイヤボンデ
ィングにより接続後、レーザダイオード1を発振させた
状態で共通ポート光ファイバ27を光軸調整して両者を
結合させた。このとき、レーザダイオード1とPINフ
ォトダイオード24の相対的な位置関係はガラス基板4
のパターニング精度が高いため、精度よく決められてお
り、PINフォトダイオード24の位置精度も厳しくな
いため、無調整で結合される。このようにして、本発明
の光半導体モジュールを用いることにより、ウェハーの
プロセス技術を利用して、複数の光半導体素子と分岐・
結合する光学素子を有する光半導体モジュールも量産性
よく作製することが可能となる。
【0020】次に図面を用いて本発明の他の実施例を説
明する。
【0021】図4は本発明の他の実施例の光半導体モジ
ュールの斜視図である。波長1.31マイクロメータ/
1.55マイクロメータの光を用いた波長分割多重によ
る光送受信モジュールに適用した場合の一実施例を示す
ものである。光半導体モジュールはレーザダイオード1
と単一モード光ファイバと両者を光学的に結合させる集
光用球レンズ2と、レーザダイオード1から出射された
光ビームを分岐、結合させるため機能を持つのプリズム
などの光学素子から構成されている。
【0022】図5は、本発明の他の実施例の光半導体モ
ジュールの縦断面図である。
【0023】図6は、本発明の他の実施例の光半導体モ
ジュールの上面図である。
【0024】レーザダイオード1と球レンズ2と4つの
光学素子(台形プリズム19、平行四辺形プリズム2
0、三角形プリズム21、レンズプリズム22)は同一
のガラス基板4上に実装されており、実装後の位置調整
が不要となるように高精度な実装方法をとっている。レ
ーザダイオード1は厚さ0.5mmのガラス基板4の表
面に形成されたCr−Auからなる金属薄膜6の上に半
田18により固定されている。また、球レンズ2はφ
0.8mmのBK−7ガラスからできており、ガラス基
板4にあらかじめケミカルエッチングにより形成された
φ0.7mmの穴形状の球レンズ溝7の上に配置され、
低融点ガラス17により固定されている。台形プリズム
19、平行四辺形プリズム20、三角形プリズム21、
レンズプリズム22の光学素子は球レンズ溝7と同様に
ガラス基板4にあらかじめエッチングで形成されたプリ
ズム溝23に配置され、樹脂33により固定されてい
る。
【0025】このように部品を固定したガラス基板4は
シリコン基板5の上に実装され、さらにレーザダイオー
ド1の球レンズ2とは反対側の端面近傍にはモニタ用の
フォトダイオード11がシリコン基板5の上に実装され
ている。また、受光用のPINフォトダイオード24
が、共通ポート用光ファイバから入射された光が光学素
子を通った後、出射される位置に実装されている。この
レーザダイオード1、球レンズ2、プリズム、ガラス基
板4、フォトダイオード11、PINフォトダイオード
24を実装したシリコン基板5はコバー材からなるパッ
ケージ13に実装され、電極端子12とガラス基板4上
の金属薄膜6はワイヤボンディングにより接続される。
光学部品実装後、パッケージ13の側面に設けられたコ
バーガラス14の窓から出射された光ビーム9が光ファ
イバ端末15中のロッドレンズ25を通って集束し図5
のように光ファイバ3に結合する位置に光ファイバ端末
15を光軸調整した後、YAGレーザ溶接により両者を
固定する。
【0026】この光半導体モジュールの光学的な接続精
度はレーザダイオード1の実装精度と球レンズ溝7とプ
リズム溝23のエッチングおよび球レンズ2の外径精
度、実装精度と光学素子の形状精度、実装精度により決
まる。レーザダイオード1と球レンズ2の光軸に対して
垂直な方向で水平面上の位置ずれは金属薄膜6へのレー
ザダイオード1の実装精度と球レンズ溝7とプリズム溝
23のエッチングおよび球レンズ2の外径精度、実装精
度と光学素子の形状精度、実装精度によって決まり、本
実施例の場合、前者は数十回の試作においても±5マイ
クロメータ以下、後者についても球レンズ2と光学素子
の外径、形状精度が±1マイクロメータ、実装精度が±
3マイクロメータ以下と極めて高精度にこれを行えるこ
とが確認された。また、高さ方向の位置ずれはレーザダ
イオード1の実装時の高さ方向のばらつきと球レンズ溝
7の径と球レンズ2の外径および実装時のばらつきによ
って決まり、前者はレーザダイオード1のP−サイド8
をガラス基板4側にして実装するタイプを採用すること
により、±5マイクロメータ以下に抑えることが可能と
なり、球レンズ2の実装後の中心軸の高さも±3マイク
ロメータ以下にすることができた。P−サイド8をガラ
ス基板4側にしてレーザダイオード1を実装する方法を
採用すれば高さ方向の位置精度は確保できるが、ガラス
基板4に近い位置から光ビーム9が出射されるため、従
来はガラス基板4により光ビーム9が部分的に遮断さ
れ、光の損失の原因となっていた。本発明の光半導体モ
ジュールでは、光ビーム9の光路となる部分のガラス基
板4に光ビーム9が完全に通れる幅をもつ光ビーム通過
溝10を設けることにより、P−サイド8をガラス基板
4に近づけてレーザダイオード1を実装しても光ビーム
9を遮断すること無く光学的結合を実現することができ
る構造となっている。このため光ビーム9の損失がな
く、かつレーザダイオード1の高さ方向の実装精度を±
5マイクロメータ以下に抑えることができる。このよう
な水平方向と高さ方向の位置ずれ精度を実現すれば、ほ
ぼコバーガラス14の窓の中心に光ビーム9が出射され
るため、光ファイバ端末15の光軸調整、結合は極めて
効率よく行える。
【0027】一方、ガラス基板4への金属薄膜6、球レ
ンズ溝7、プリズム溝23および光ビーム通過溝10の
形成は、本実施例においては、5インチウェハーを使い
フォトリソグラフィを用いて金属薄膜6、球レンズ溝
7、プリズム溝23および光ビーム通過溝10のパター
ニングを行い、金属薄膜6の蒸着および球レンズ溝7、
プリズム溝23と光ビーム通過溝10のエッチングをウ
ェハー単位で行ったので半導体デバイスと同様、非常に
量産性よく製造できた。1チップあたりの大きさは長さ
6mm、幅3mmである。さらに、レーザダイオード
1、球レンズ2、光学素子の実装はウェハー単位で一括
して行って実装後に個別のチップに切断すればよく、光
学部品の実装面でも非常に量産性に優れている。
【0028】各光学部品はシリコン基板5に載せられた
ガラス基板4上に位置精度よく実装され、さらにパッケ
ージ13に収容される。この状態で、パッケージ13の
側面にあるコバーガラス14窓、1.31マイクロメー
タ反射フィルター26を通して共通ポート光ファイバ2
7、1.55マイクロメータ用光ファイバ28に光学的
に結合する。レーザダイオード1から出射された光は球
レンズ2によりコリメート光となり、各プリズムを透過
するため、これをロッドレンズ25により集光し各光フ
ァイバに結合させる。
【0029】本実施例の光半導体モジュールを使用した
光送受信モジュールの大きさは全長25mm、幅12m
m、高さ4mmであり、光ファイバ端末15以外は調整
部が不要であるため、非常に小型化できる。また、光半
導体素子、レンズ、プリズムはすべてウェハー上で一括
して無調整または画像処理による位置決めで実装でき、
しかも例えば1枚の5インチウェハーで100チップ近
く製造できるので、量産性にも優れている。
【0030】また、ガラス基板4を用いずにシリコン基
板5を直接異方性エッチングしてレンズ溝、プリズム溝
と光ビーム通過溝10を作製することもできる。
【0031】
【発明の効果】本発明は光半導体素子、集光用レンズと
光学素子を同一基板上に実装し、光半導体素子、集光用
レンズと光学素子を高精度に実装できるような構造にす
ることにより光ファイバ端末の光軸調整を容易にし、量
産性を大幅に向上させるものである。光学部品の実装精
度を向上させるために基板にはフォトリソグラフィーを
用いて金属薄膜と各種溝のパターニングを行い、金属薄
膜の蒸着と、ケミカルエッチング等による球レンズ溝、
プリズム溝の形成によって光半導体素子と球レンズ、光
学素子の実装についての水平方向の位置決め機能ももた
せた。また、高精度に実装するためにレーザダイオード
のP−サイドを基板に近づけて実装するが、その際に問
題となる基板での光ビームの遮断を光路溝を設けて防
ぎ、高さ方向の位置決めについても簡易に、しかも再現
性、量産性よく行える構造としている。
【0032】上述のような実装技術を用いることによ
り、例えばレーザダイオードから出射された光はレンズ
により集光され、プリズムを通してほぼ再現性よく光フ
ァイバが固着される位置に結合する。これを若干の光フ
ァイバを位置調整により光軸調整を行うことにより、光
ビームの損失無しに非常に安価に光送受信モジュールを
製造することを可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光半導体モジュールの
上面図である。
【図2】本発明の一実施例である光半導体モジュールの
断面図である。
【図3】本発明の一実施例である光半導体モジュールの
斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例の光半導体モジュールの斜
視図である。
【図5】本発明の他の実施例の光半導体モジュールの縦
断面図である。
【図6】本発明の他の実施例の光半導体モジュールの上
面図である。
【図7】従来の光半導体モジュールの斜視図である。
【図8】従来の光半導体モジュールの断面図である。
【図9】従来の個別光デバイスによる光送受信モジュー
ルの構成図である。
【図10】従来の2波光合分波器の構造図である。
【図11】従来のLDコリメータパッケージの構造図で
ある。
【図12】従来のAPDパッケージの構造図である。
【図13】従来の光ファイバコリメータパッケージの構
造図である。
【図14】従来の光半導体モジュールの組立法説明図で
ある。
【符号の説明】 1 レーザダイオード 2 球レンズ 3 光ファイバ 4 ガラス基板 5 シリコン基板 6 金属薄膜 7 球レンズ溝 8 P−サイド 9 光ビーム 10 光ビーム通過溝 11 フォトダイオード 12 電極端子 13 パッケージ 14 コバーガラス 15 光ファイバ端末 16 YAGレーザ溶接固定部 17 低融点ガラス 18 半田 19 台形プリズム 20 平行四辺形プリズム 21 三角形プリズム 22 レンズプリズム 23 プリズム溝 24 PINフォトダイオード 25 ロッドレンズ 26 1.31マイクロメータ反射フィルタ 27 共通ポート光ファイバ 28 1.55マイクロメータポート光ファイバ 29 1.31/1.55マイクロメータ分離フィル
タ 30 ハーフミラー 31 全反射面 32 ガラス管 33 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 9/00 U 8426−5K

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上に配置、固定した、光を分岐
    ・結合する機能を有する光学素子と、少なくとも二つの
    光半導体素子と、前記各光半導体素子の前面に配置した
    集光用のレンズと、該基板上に配置固定した前記光学素
    子とレンズを介して前記光半導体素子のおのおのと光学
    的に結合され実装される一本の光ファイバと、前記光半
    導体素子から出射されレンズにより集光される光ビーム
    の光路に沿ってこの光ビームの幅よりも広い幅の該基板
    上に設けられた溝とを備えたことを特徴とする光半導体
    モジュール。
  2. 【請求項2】 前記溝が基板表面のエッチングにより形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の光半導体
    素子モジュール。
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