JPH0560913A - 光学フイルター構造体 - Google Patents

光学フイルター構造体

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JPH0560913A
JPH0560913A JP3220691A JP22069191A JPH0560913A JP H0560913 A JPH0560913 A JP H0560913A JP 3220691 A JP3220691 A JP 3220691A JP 22069191 A JP22069191 A JP 22069191A JP H0560913 A JPH0560913 A JP H0560913A
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芳雄 木嶋
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    • Y10S501/90Optical glass, e.g. silent on refractive index and/or ABBE number
    • Y10S501/905Ultraviolet transmitting or absorbing

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐ソーラリゼーション性に優れ、一定の波長分
布と照射エネルギーが長期的に安定して得られ、かつ近
赤外を含む赤外線および短波長の紫外線を効率よく遮断
するとともに可視光を十分に透過させる光学フィルター
構造体を提供する。 【構成】酸化物換算量で0.1〜5重量%の酸化銅を含
有させた燐酸系または弗燐酸系ガラスからなるガラスフ
ィルター7と、光路長3〜50mmの液層5を有するアク
アフィルター6とを備え、前記ガラスフィルター7が前
記アクアフィルタ6ーの容器壁2a,2b外または前記
液層5内に配置されており、その光学特性は、短波長側
の吸収端が250〜330nmの範囲にあり、780nmよ
りも長波長側での分光透過率の最大値が40%以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学フィルター構造体に
係り、詳しくは可視光に加えて紫外線および赤外線を放
射する人工光源からの光を所望の分光分布特性の光とし
て出射するための光学フィルター構造体に関する。本発
明の光学フィルター構造体は、特に耐候性試験機や耐光
性試験機(以下、総称して耐候性試験機ということがあ
る)の光源装置に用いて有用である。
【0002】
【従来の技術】製品開発に際しては、合成樹脂や顔料、
塗料等の素材の環境耐性、あるいはそれ等を用いた製品
の環境耐性をそれらが使用される環境条件のもとで調べ
る必要があるため、耐候性試験が広く行われている。こ
の耐候性試験は、屋外での自然環境における長期間曝露
の結果と同一の結果を短時間のうちに得ることを主たる
目的とするため、所定の波長分布および照射エネルギー
の光を出射する光源装置を備えた耐候性試験機を用い
て、促進試験のかたちで行われる。
【0003】ところで、人工光源から出射される光の分
光分布は耐候性試験で必要とされる光の分光分布と大き
く異なる。このため耐候性試験機の光源装置では、特定
の種類の人工光源から出射された光の波長分布および照
射エネルギーを、試験目的に応じて、特定の分光透過率
特性を有するガラスフィルターを用いて適宜コントロー
ルしている。
【0004】耐候性試験機の光源装置用のガラスフィル
ターとしては、例えばJIS B7751(−199
0)、JIS B 7753(−1988)およびJI
SB 7754(−1989)に規定されている分光透
過率特性を有するガラスフィルターが知られている。こ
れらのガラスフィルターは、Fe3+イオン、Ce4+イオ
ンまたはTi3+を含有する珪酸塩系ガラスからなるガラ
スフィルター(以下、ガラスフィルターAということが
ある)と、Fe2+イオンを含有する燐酸塩系または珪酸
塩系ガラスからなるガラスフィルター(以下、ガラスフ
ィルターBということがある)である。ガラスフィルタ
ーAは、主として、サンシャインカーボンアーク灯と組
合せて紫外線をカットしたいときに用いられるものであ
り、その種類は試験目的に合わせて適宜選択される。ガ
ラスフィルターBは一般に熱線吸収ガラスフィルターと
称されているものであり、主として、キセノンアーク灯
と組合せて300nm以下の紫外線と800nm以上の赤外
線をカットしたいときに用いられるものである。
【0005】また、耐候性試験のプレ試験に用いる光源
装置用のガラスフィルターとして、特開昭60−117
128号公報には1%のCoと1%のNiとを含有する
珪酸塩系ガラスからなるガラスフィルター(以下、ガラ
スフィルターCということがある)が開示されている。
同公報に開示されているプレ試験機では、ガラスフィル
ターCと光源の温度上昇を防ぐために、水冷ジャケット
を使用している。このガラスフィルターCは若干の赤外
線も通すが300〜400nm波長の紫外線の透過率に優
れており、メタルハライドランプと組み合わせて300
〜400nm波長の紫外線を極めて効率よく得るのに適し
ている。このため、地表に到達する太陽光に合わせて2
95nm以下の波長の紫外線を完全にカットし、300〜
400nmの紫外線を集中的に照射したいときには、耐候
性試験機の光源装置用のガラスフィルターとしても利用
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐候性
試験や耐候性試験のプレ試験は、通常、促進試験のかた
ちで行われるため、光源装置の人工光源からは、被験物
質の劣化促進に特に重要な波長域の紫外線および赤外線
が多量に放射される。例えばキセノンアークランプで
は、紫外、可視部に比べて赤外部の光(800〜100
0nm)が著しく多く、キセノンランプによる人工促進耐
候性試験機においてエネルギー強度を上げた試験を行う
場合、赤外部の光量増大により、試料(被験物)温度が
上昇して低温(例えば50℃)での試験を行い難い。ま
た、高圧水銀灯では1000nm付近にかなりの放射があ
り、Sn系メタルハライドランプにおいては、全放射光
のうち、760〜2600nm域の放射光の占める割合が
約50%に達する。このために、従来の耐候性試験機あ
るいは従来の耐候性試験のプレ試験機には以下のような
問題点がある。
【0007】ガラスフィルターAは、その代表的な透過
率曲線を図10中に実線で示すように、近赤外線域から
長波長側の透過率が高い。このため、メタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ等のような赤外線放射量の多い人
工光源と組合せて用いた場合には、赤外線の透過量が多
くなり過ぎるという問題点がある。耐候性試験機におい
てフィルターを透過する赤外線量が多いと、このフィル
ターを透過した赤外線により試料室内の被験物の温度が
極めて高温になる。したがって、例えば耐熱性の低いポ
リ塩化ビニル樹脂の耐候性試験を行う場合には試験機の
冷却能を上げなければならず、試験機の複雑化やコスト
高の要因になる。
【0008】ガラスフィルターBは、その代表的な透過
率曲線を図10中に破線で示すように、多少可視域の光
を吸収するものの赤外線を効率よく吸収し、その使用初
期においては比較的好ましい透過率特性を有している。
しかしながら、後述する図13中に破線で示すように、
ガラスフィルターBは使用時間の経過につれて紫外線に
よるソーラリゼーションの影響を強く受け、特に紫外部
の吸収が大幅に増大する。従って、透過光の波長分布が
経時的に変化することになり、長期に亘って安定して使
用することができないという問題点があり、そのため再
現性の高い試験を行いづらいという難点がある。
【0009】ガラスフィルターCは、その代表的な透過
率曲線を図10中に一点鎖線で示すように赤外線も一部
通すため、ガラスフィルターAの場合と同様の問題点が
ある。さらに、ガラスフィルターCは可視域の光を大き
く吸収するため、可視光による影響を検討する場合には
使用できないという問題がある。
【0010】また、ガラスフィルターBに限らずガラス
フィルターAおよびガラスフィルターCも、後述する図
12中に示すように、ガラスフィルターB程ではないが
人工光源から放射される強い紫外線によりソーラリゼー
ションを起こし、照射時間の経過につれて紫外域から可
視域の透過率が低下するという難点がある。このため、
これらのガラスフィルターA、BおよびCは長期的に安
定して用いることができず、定期的に交換しなければな
らない。例えばJIS B 7753(−1988)で
は、8枚構成のフィルターを500時間毎に2枚ずつ交
換する方法が採られている。またJIS B 7751
(−1990)およびJISB 7754(−198
9)では、2000時間毎にフィルター交換する方法が
採られている。ガラスフィルターのこのような交換は利
用者にとっては煩雑な操作であり、かつ利用者に経済的
負担を強いるものである。
【0011】したがって本発明の目的は、耐ソーラリゼ
ーション性に優れ、一定の波長分布と照射エネルギーが
長期的に安定して得られ、かつ近赤外を含む赤外線およ
び短波長の紫外線を効率よく遮断するとともに可視光を
十分に透過させる光学フィルター構造体を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光学フィルター構造体は、(I) 酸化物換算量で0.
1〜5重量%の酸化銅を含有させた燐酸系または弗燐酸
系ガラスからなるガラスフィルターと、光路長3〜50
mmの液層を有するアクアフィルターとを備え、(II)前記
ガラスフィルターは前記アクアフィルターの容器壁外ま
たは前記液層内に配置されており、(III) 短波長側の吸
収端が250〜330nmの範囲にあるとともに、780
nmよりも長波長側での分光透過率の最大値が40%以下
であることを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光学フィルター構造体は、上述したようにガラスフィル
ターとアクアフィルター(光の入射面および出射面を備
えた透明容器内に純水等を滞留または循環させることに
より構成される)とからなり、ガラスフィルターは酸化
物換算量で0.1〜5重量%の酸化銅を含有する燐酸系
または弗燐酸系ガラスからなる。上記組成のガラスフィ
ルターは、耐候性試験機において被験物の昇温の一因と
なる近赤外線を効率良く遮断するとともに、遠紫外〜中
紫外の紫外線も効率良く遮断する。そして、紫外線およ
び赤外線の透過率は、図11に示すように、酸化銅の含
有量によって調整できる。図11において、実線は酸化
銅の含有量が0.5wt%の燐酸系ガラスフィルターの透
過率曲線(0.5wt%酸化銅で指す)を、一点鎖線は酸
化銅の含有量が2wt%の燐酸系ガラスフィルターの透過
率曲線(2wt%酸化銅で指す)を、破線は酸化銅の含有
量が4wt%の燐酸系ガラスフィルターの透過率曲線(4
wt%酸化銅で指す)をそれぞれ示している。なお、いず
れのガラスフィルターにおいても酸化銅を除くガラス組
成は重量%で85P2 5 −12Al2 3 −3MgO
であり、フィルターの肉厚は1.0mmである。また、本
発明で用いるガラスフィルターでは可視域において大き
な吸収は認められないが、必要に応じてフィルターの肉
厚を変えることによって、可視光の透過率を制御するこ
とができる。
【0014】さらに、図12および図13からわかるよ
うに、本発明で用いるガラスフィルターは、従来のガラ
スフィルターよりも耐ソーラリゼーション性に優れてい
る。図12および図13に示した各線は、それぞれ以下
のガラスフィルターの波長320nmでの透過率の経時変
化を示している。なお、試験条件は後述する耐ソーラリ
ゼーション性試験の項に示した通りである。
【0015】・図12 実線………本発明で用いる燐酸系ガラスフィルター(酸
化銅の含有量:0.5wt%,酸化銅を除くガラス組成:
重量%で85P2 5 −12Al2 3 −3MgO,肉
厚1mm) 一点鎖線…本発明で用いる弗燐酸系ガラスフィルター
(酸化銅の含有量:1.5wt%,酸化銅を除くガラス組
成:重量%で28P2 5 −10AlF3 −5MgF2
−10CaF2 −19SrF2 −15BaF2 −8Al
2 3 −4Li2 O,肉厚1mm) 二点鎖線…ガラスフィルターA(ガラス組成:重量%で
81SiO2 −13B2 3 −2Al2 3 −4Na2
O−0.03Fe2 3 ,肉厚2.5mm) 破線………ガラスフィルターC(ガラス組成:重量%で
65SiO2 −18PbO−7Na2 O−8K2 O−1
CoO−1NiO,肉厚1mm) ・図13(破線) ガラスフィルターB(ガラス組成:重量%で80P2
5 −12Al2 3 −4MgO−2ZnO−1K2 O−
2.2Fe3 4 ,肉厚3mm)
【0016】本発明の光学フィルター構造体における短
波長側の吸収端は、本発明で用いるガラスフィルターに
おける短波長側の吸収端によって実質的に規制される。
このガラスフィルターの短長側の吸収端は250〜33
0nmの範囲にある必要があるが、耐候性試験機用として
用いる場合には295〜330nmが特に好ましい。短波
長側の吸収端が330nmよりも長波長側にあると、耐候
性試験機用として用いた場合には紫外線量が少なくなり
過ぎて、その促進性が損なわれる。また、短波長側の吸
収端が250nmよりも短波長側にあると、780nmより
も長波長側での分光透過率の最大値を40%に抑えるこ
とができず、好ましくない。耐候性試験機用として用い
る場合には、地表に到達する太陽光に295nm以下の波
長の光が含まれないことから、短波長側の吸収端を29
5nm以上にすることがより好ましい。
【0017】本発明で用いるガラスフィルターの短波長
側の吸収端は、酸化銅の含有量とガラスフィルターの肉
厚(光路長)とにより調節することができる。しかしな
がら、酸化銅の含有量が0.1重量%未満では、短波長
の吸収端を上記範囲内にするためにはガラスフィルター
を極めて厚くしなければならなくなり実用上好ましくな
い。一方、酸化銅の含有量が5重量%を超えると、耐候
性試験で重要な近紫外から可視域の透過率が低下するた
め好ましくない。したがって、本発明で用いるガラスフ
ィルターにおける酸化銅の含有量は0.1〜5重量%に
限定される。
【0018】本発明で用いる酸化銅を0.1〜5重量%
含有するガラスが燐酸系または弗燐酸系ガラスであれ
ば、そのガラス組成に拘らず耐ソーラリゼーション性お
よび透過率特性はほぼ近似する。このガラス組成は、目
的とする光学フィルター構造体の用途等に応じて、原料
の溶解性や、得られるガラスの耐失透性、化学的耐久
性、機械的強度あるいは熱膨張係数等を勘案して適宜選
択される。原料の溶解性、得られるガラスの耐失透性や
化学的耐久性等の点から好ましい燐酸系ガラスおよび弗
燐酸系ガラスの組成(酸化銅を除く)としては、例えば
以下のものが挙げられる。
【0019】 ・燐酸系ガラス(酸化物換算量で示す) P2 5 40〜85wt% Al2 3 3〜20wt% RO 0〜30wt% (ROは2価の金属の
酸化物を示す) R2 O 0〜10wt% (R2 Oは1価の金属
の酸化物を示す) RO+R2 O 3〜40wt% ・弗燐酸系ガラス(Fを除き酸化物換算量で示す) P2 5 5〜45wt% Al2 3 2〜25wt% RO+R2 O 7〜60wt% (ROおよびR2 Oは
それぞれ2価および1価の金属の酸化物を示す) F 5〜30wt%
【0020】このような燐酸系ガラスおよび弗燐酸系ガ
ラスは、最終的に酸化銅となる原料を使用する以外は通
常の燐酸系ガラスおよび弗燐酸系ガラスの製造方法に従
って得ることができる。なお本発明で用いるガラスフィ
ルターには、吸収端の調整や可視光の透過率の調整等を
目的として、Ni、Co、Mn、Cr、Ti、Ce、N
d等の着色成分を少量(総量で概ね3重量%以下)含有
させてもよい。
【0021】本発明の光学フィルター構造体では、上述
したガラスフィルターとともにアクアフィルターを併用
する。このアクアフィルターは、1400nm付近よりも
長波長の赤外線をほぼ100%遮断するとともに、前述
したガラスフィルターと共働して780nm付近から14
00nm付近にかけての近赤外線の分光透過率の最大値を
40%以下に低下させるものである。このアクアフィル
ターは、例えば、所定の間隔で保持された2枚の平行平
面無色透明板を光の入射面および出射面として備えた容
器内に、フィルター用溶液として純水を満たすことによ
り得ることができる。このときの透明板間の間隔(内
寸)、すなわちフィルター用溶液からなる液層の光路長
は、3〜50mmとすることが好ましい。
【0022】図14に示すように、近赤外線の透過率は
液層の光路長が増すにつれて減少する。光路長が2.2
mmでは、図14中に破線(t=2.2mmで指す)で示す
ように、780nm付近よりも長波長の近赤外線の減光お
よび赤外線の遮断が不十分である。光路長が10mmおよ
び22.5mmでは、それぞれ図14中に一点鎖線(t=
10mmで指す)および実線(t=22.5mmで指す)で
示すように、1400nm付近よりも長波長の赤外線の遮
断は十分なされている。しかしながら、光路長が増すに
つれて紫外域の吸収も増すため、紫外線を十分に必要と
する場合には限度以上の光路長は好ましくない。なお、
図14に透過率曲線を示したいずれのアクアフィルター
でも、容器としては肉厚1mmの石英ガラスを用いてい
る。
【0023】したがって、これ等を勘案して、光路長が
3mm未満では1400nm付近よりも長波長の赤外線の遮
断が不十分になり好ましくない。また同時に、1150
nm付近および1270nm付近の透過率が高くなるため
に、前述したガラスフィルター(酸化銅を含有するも
の)と共働しても780nm付近から1400nm付近にか
けての近赤外線の分光透過率の最大値を40%以下に低
下させることができなくなる。上記ガラスフィルターと
共働したときに780nmよりも長波長側での赤外線の分
光透過率の最大値が40%をこえると、耐候性試験機に
おいて被験物の昇温の一因となる近赤外線の透過光量が
増大するため、冷却能をあげなければならない。光路長
が50mmを超えると、劣化促進に特に重要な300nmか
ら400nmまでの紫外域の透過率が抑制されるため好ま
しくない。したがって、本発明で用いるアクアフィルタ
ーの水層の光路長は、3〜50mmに限定される。
【0024】本発明で用いるアクアフィルターの容器の
材質は、耐ソーラリゼーション性および化学的耐久性に
優れ、かつ中紫外から近赤外にかけての吸収が少ない透
過率特性に優れたものであればよいが、特に石英ガラス
が好ましい。石英ガラス製の容器では、石英ガラスの肉
厚の合計(容器の光路長)が30mm以内であれば、その
透過率特性に実用上の問題点はない。またフィルター用
溶液としては、水や純水以外に、特定波長の光を吸収す
ることを目的として水や純水に金属の無機酸塩(硝酸
銅、硫酸鉄等)等を混入ないし溶解させたものや、水あ
るいは純水に防腐剤として有機窒素硫黄系化合物を混合
させたもの等を用いることもできる。アクアフィルター
は、赤外線の吸収に伴うフィルター用溶液の液温の上
昇、ひいてはアクアフィルター自体の温度上昇を抑制す
るうえから、フィルター用溶液を循環させ得る構造にす
ることが好ましい。前述したガラスフィルターと上述し
たアクアフィルターとを備えた本発明の光学フィルター
構造体は、ガラスフィルターをアクアフィルターの容器
壁外または液層内に配置することにより構成される。ガ
ラスフィルターをアクアフィルターの容器壁外または液
層内に配置するにあたっては、ガラスフィルターとアク
アフィルターとが光路上に並ぶようにする。
【0025】ガラスフィルターをアクアフィルターの容
器壁外に配置する場合のガラスフィルターの配置位置
は、アクアフィルターの入射面側であっても出射面側で
あってもよいが、ガラスフィルターの温度上昇を抑制す
るうえから、アクアフィルターの出射面側に配置するこ
とが好ましい。ガラスフィルターは、アクアフィルター
の容器壁から所定の間隔を保って配置してもよいが、ア
クアフィルターの容器壁に密着させる方がより好まし
い。ガラスフィルターをアクアフィルターの容器壁に密
着させた場合には、フィルター用溶液の冷却効果をガラ
スフィルターの温度上昇の抑制にも利用することができ
るために効率的であるとともに、構造の簡素化にもな
る。
【0026】一方、ガラスフィルターをアクアフィルタ
ーの液層内に配置する場合、ガラスフィルターの配置位
置は特には限定されず、この場合にはフィルター用溶液
の冷却効果をガラスフィルターの冷却に十分に活用する
ことができる。ただし、ガラスフィルターをアクアフィ
ルターの液層内に配置する場合には、耐水性を向上させ
るために、予めガラスフィルターの表面に耐ソーラリゼ
ーション性および耐水性に優れた膜、例えば弗素樹脂コ
ート等を設けておくことが望ましい。
【0027】このようにして構成される本発明の光学フ
ィルター構造体においては、主としてガラスフィルター
により中紫外線〜遠紫外線が効率良く遮断され、短波長
側の吸収端は250〜330nmの範囲にある。また、本
発明の光学フィルター構造体ではガラスフィルターとア
クアフィルターとにより近赤外域および赤外域が効率良
く遮断され、780nmよりも長波長側での分光透過率の
最大値は40%以下である。このため、例えば耐候性試
験機の光源装置の一部として利用した場合には、被験物
の昇温を容易に抑制することができ、かつ冷却能を小さ
くできる。加えて、本発明の光学フィルター構造体は可
視域の光を十分に透過する。そして、本発明で用いるガ
ラスフィルターおよびアクアフィルターはいずれも耐ソ
ーラリゼーション性に優れているため、本発明の光学フ
ィルター構造体ではソーラリゼーションに起因する透過
率特性の変動が小さく、長期に亘って安定した透過率特
性を示す。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 実施例1 促進耐候性試験機の仕切り窓部に適用された本発明の光
学フィルター構造体を、図1に示す。同図に示すよう
に、本発明の光学フィルター構造体1では、両面研磨さ
れた2枚の高純度石英ガラス板(幅200mm×長さ50
0mm×厚み5mm)2a,2bがステンレス製の枠3によ
り互いに10mmの間隔(液層の光路長に相当)をあけて
保持されている。ステンレス製の枠3には送水用の枝管
4aおよび排水用の枝管4bが設けられており、高純度
石英ガラス板2aと2bとの間隙は水5の流路となって
いる。そして、高純度石英ガラス2a,2bと、これら
の高純度石英ガラス2a,2bの間隙を実線矢印W1
方向に流れる水5(液層に相当)とにより、アクアフィ
ルター6を構成している。また光学フィルター構造体1
では、アクアフィルター6における光の出射面に相当す
る高純度石英ガラス2bの外側表面に、重量%で85P
2 5 −12Al2 3 −3MgOの基礎ガラス組成に
CuOが0.5重量%添加された燐酸系ガラスからなる
幅200mm×長さ500mm×厚み1mmのガラスフィルタ
ー7が密着されている。このガラスフィルター7も、ス
テンレス製の枠3によって保持されている。
【0029】図1は促進耐候性試験機の要部、すなわち
ランプ室と試料室とを示しており、このような要部を備
えた促進耐候性試験機8(以下、単に促進耐候性試験機
8または促進耐候性試験機ということがある)では、ア
クアフィルター6とガラスフィルター7とを備えた本発
明の光学フィルター構造体1により、アルミ製広帯域ミ
ラー9を壁面とするランプ室10と試料室11とが仕切
られている。ランプ室10には人工光源12が設けられ
ており、この人工光源12は、ランプ室10の側壁に設
けられた送気口13から入り排気口14から出る空気
(破線矢印Aで示す)により冷される。また、試料室1
1内には、試料(被験物)15を載せるための台16が
設けられている。そして、試験時における試料室11の
雰囲気は、通常、相対湿度70%、温度60〜70℃に
なるため、光学フィルター構造体1を構成するガラスフ
ィルター7をこのような雰囲気から保護するために、ガ
ラスフィルター7の外側表面は厚みが2mmの高純度石英
ガラス17によりシールされている。
【0030】促進耐候性試験機8においては、ランプ室
10に設けられた人工光源12から出射された光(実線
矢印L1 で示す)は、アルミ製広帯域ミラー9により反
射された後または直接、本発明の光学フィルター構造体
1を構成するアクアフィルター6の入射面(高純度石英
ガラス板2a)に入射する。高純度石英ガラス板2aに
入射した光は、高純度石英ガラス板2a、水5、高純度
石英ガラス板2bおよびガラスフィルター7を順次透過
した後に高純度石英ガラス17を透過して試料室11に
入る。したがって、試料室11に設けられた台16に載
せられた試料15には、上述のようにして光学フィルタ
ー構造体1と高純度石英ガラス17とを透過した光(破
線矢印L2 で示す)が照射される。
【0031】光学フィルター構造体1の透過率曲線を図
2中に実線で示す。図2中に示したように、光学フィル
ター構造体1の短波長側の吸収端は約295nmにあり、
780nmよりも長波長側での分光透過率の最大値は約2
8%(1100nm波長付近)である。そして、光学フィ
ルター構造体1は可視域の光を十分に透過する。なお、
参考として、高純度石英ガラス(厚み2mm)の透過率曲
線を図3に示す。
【0032】実施例2および比較例1 アクアフィルターにおける液層の光路長を22.5mmと
した以外は実施例1の光学フィルター構造体1と同構成
の光学フィルター構造体を作製した(実施例2)。ま
た、アクアフィルターにおける液層の光路長を2.2mm
とした以外は実施例1の光学フィルター構造体1と同構
成の光学フィルター構造体を作製した(比較例1)。実
施例2の光学フィルター構造体の透過率曲線を図2中に
一点鎖線で示す。また比較例1の光学フィルター構造体
の透過率曲線を図2中に破線で示す。図2中に示したよ
うに、実施例2の光学フィルター構造体における短波長
側の吸収端は光学フィルター構造体1と同様に約295
nmにあり、実施例2の光学フィルター構造体にける78
0nmよりも長波長側での分光透過率の最大値は約24.
5%(1080nm波長付近)である。一方、比較例1の
光学フィルター構造体における短波長側の吸収端は光学
フィルター構造体1と同様に約295nmにあるが、比較
例1の光学フィルター構造体における780nmよりも長
波長側での分光透過率の最大値は約42.5%(128
0nm波長付近)と高い。
【0033】実施例3 実施例1で用いたガラスフィルター7に代えて酸化銅を
1.5wt%含有する弗燐酸系ガラス(酸化銅を除くガラ
ス組成:重量%で28P2 5 −10AlF3 −5Mg
2 −10CaF2 −19SrF2 −15BaF2 −8
Al2 3 −4Li2 O)を用いた以外は実施例1と同
様にして光学フィルター構造体を得、この光学フィルタ
ー構造体をランプ室と試料室との仕切り窓部に実施例1
と同様にして適用した促進耐候性試験機を作製した。こ
の光学フィルター構造体の透過率曲線を図4に示す。図
4に示したように、この光学フィルター構造体の短波長
側の吸収端は約310nmにあり、780nmよりも長波長
側での分光透過率の最大値は約12%(1280nm波長
付近)である。そして、この光学フィルター構造体は可
視域の光を十分に透過する。
【0034】本発明で得られた光学フィルター構造体を
評価するために、以下のようにして耐ソーラリゼーショ
ン性試験を行った。耐ソーラリゼーション性試験 実施例1の促進耐候性試験機8を144時間連続運転
し、光学フィルター構造体1の320nmでの透過率特性
から耐ソーラリゼーション性を評価した。なお人工光源
12としては図5に示す波長エネルギー分布のメタルハ
ライドランプ(出力:4kW)を用い、アクアフィルタ
ー6を構成する水5の流量を15 l/分とし、試料室
11に設けたブラックパネル温度計[図1中には図示せ
ず。なお、ここでいうブラックパネル温度計とは、試料
(被験物)15近傍に配置されたブラックパネルに熱電
対を接続したものである。]によるブラックパネルの温
度を70℃として、試験した。また人工光源12の出力
は、ガラスフィルター7表面の紫外強度(300〜40
0nm波長)が70mW/cm2となるように調節した。また
比較として、ガラスフィルター7に代えて前述したガラ
スフィルターA、BおよびCを用いた場合についての耐
ソーラリゼーション性を評価した。これらの結果を図6
および図7に示す。
【0035】図6から明らかなように、本発明の光学フ
ィルター構造体は紫外線による透過率特性の経時変化が
小さく、耐ソーラリゼーション性に優れている。一方、
図6および図7から明らかなように、従来のガラスフィ
ルターを用いた光学フィルター構造体(ガラスフィルタ
ーA、B、Cを水と組合せて、本発明の光学フィルター
構造体と同じ構造体としたものを光学フィルター構造体
A、光学フィルター構造体B、光学フィルター構造体C
として示してある)は、紫外線による透過率特性の経時
変化が大きく、本発明の光学フィルター構造体よりも耐
ソーラリゼーション性に劣っている。なお、実施例2〜
実施例3で得られた光学フィルター構造体についても、
実施例1の光学フィルター構造体と同様の試験結果が得
られた。
【0036】次に、本発明で得られた光学フィルター構
造体を用いた促進耐候性試験機を評価するために、以下
のようにして試料室内の温度上昇に対する抑制能につい
て試験した。試料室内の温度上昇に対する抑制能についての試験 本発明の光学フィルター構造体で用いるガラスフィルタ
ーおよび従来の各種ガラスフィルターが試料室内の温度
上昇に及ぼす影響を調べるため、実施例1と同様にして
作製した図1の促進耐候性試験機(ただし、アクアフィ
ルターの液層の光路長は5mmとした)を用いて、照射3
0分後の試料室内の温度上昇を測定した。なお人工光源
としては、温度上昇に特に大きな影響を及ぼす赤外線の
放射の高いミゼットレフ屋内用60W形白熱灯(100
V,57W)を用いた。また、試料室内の温度の測定
は、表面粗さが60度グロス2.5である黒色(色度;
* =24.9,a* =−0.2,b* =−0.1)の
ポリエチレン製シート(サイズ;40×40×0.25
mm)の中央部に熱電対をとりつけ、この熱電対を前記ポ
リエチレン製シートと同色、同サイズのポリエチレン製
シートで挾み込んだ後に周囲をアルミテープでシールし
たものを被照射物として試料室内に置き、その温度を測
定することにより行った。この結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】試料室内の温度上昇を調べた結果を示す表
1に認められるように、照射30分後の試料室の温度
は、ガラスフィルターのみを用いた場合、本発明の光学
フィルター構造体で用いている実施例1の燐酸塩ガラス
フィルター(酸化銅0.5wt%)および実施例3の弗燐
酸塩ガラスフィルター(酸化銅1.5wt%)はガラスフ
ィルターAよりも試料室内の温度上昇を抑制している
が、ガラスフィルターB,Cに比べると劣っている。し
かしながら、ガラスフィルターとアクアフィルターとを
組合せて光学フィルター構造体とした場合には、実施例
1の燐酸塩ガラスフィルターおよび実施例3の弗燐酸塩
ガラスフィルターはアクアフィルターと相乗的に機能し
て、ガラスフィルターA,Cに比べて試料室内の温度上
昇を顕著に抑制している。なおガラスフィルターBは、
試料室内の温度上昇の抑制については効果的であること
が認められるが、前述したように耐ソーラリゼーション
性が極めて悪い。
【0039】なお本発明の光学フィルター構造体は、上
述した実施例1〜実施例3で作製した光学フィルター構
造体に限定されるものではなく、種々の変形例および応
用例を含む。例えば、実施例1〜実施例3の光学フィル
ター構造体は板状であるが、図8に示すように円筒状で
あってもよい。図8は図1と同様に促進耐候性試験機8
を示すものであるが、図8に示した光学フィルター構造
体21では、送排水用の枝管22a,22bを有する2
重管構造の石英ガラス製ジャケット23と、該ジャケッ
ト23内に供給されたフィルター用溶液24(液層に相
当)とによりアクアフィルター25が構成されている。
そして、アクアフィルター25の外表面(石英ガラス製
ジャケット23の外側壁面)に密着された円筒状のガラ
スフィルター(酸化銅を含有する燐酸系または弗燐酸系
ガラスフィルター)26と上述のアクアフィルター25
とにより光学フィルター構造体21が構成されている。
図8に示した促進耐候性試験機8では、ランプ室10と
試料室11との境にある仕切り用壁27に仕切り窓用の
石英ガラス28を設けることによりランプ室10と試料
室11とを仕切っている。なお、図8において図1と共
通する上記以外の部材等については、図1と同じ符号を
付してその説明を省略する。
【0040】また、本発明の光学フィルター構造体は図
9に示す構造にしてもよい。図9も図8と同様に促進耐
候性試験機8を示すものであるが、図9に示した光学フ
ィルター構造体31は、図8に示したものと同一構成の
アクアフィルター25と、このアクアフィルター25内
(石英ガラス製ジャケット23内)に設けられた円筒状
のガラスフィルター(酸化銅を含有する燐酸系または弗
燐酸系ガラスフィルター)36とにより構成されてい
る。なお、図9において図8と共通する上記以外の部材
等については、図8と同じ符号を付してその説明を省略
する。
【0041】なお、図1に示した構造の光学フィルター
構造体1を用いた耐候性試験機を作製するにあたって
は、高純度石英ガラス17に代えて、耐ソーラリゼーシ
ョン性、耐熱性および耐湿性に優れたコーティング膜
(例えば弗素樹脂コート等)をガラスフィルター7に設
けてもよい。実施例1で用いたガラスフィルター7は必
要に応じて複数枚のガラス板により構成してもよい。こ
の場合、各ガラス板の加工精度が高ければ互いに密着さ
せるだけでもよいが、接合面の隙間から光のもれが生じ
るようであれば接着剤、テープ、金属等によりシールし
てもよい。実施例1で示した光学フィルター構造体1の
ように各構成部材を枠3により保持した構成の光学フィ
ルター構造体を耐候性試験機に適用する場合は、アクア
フィルターからの水漏れを防止するために、あるいは試
料室からの湿気がガラスフィルター部へ侵入しないよ
う、シリコーンゴム等で目地止めすることが好ましい。
【0042】本発明の光学フィルター構造体は、耐候性
試験機の光源装置の一部として適用する以外に、メタル
ハライドランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、
水銀ランプ、白熱灯等の種々の人工光源と組み合わせ
て、各種の光学的測定機器、光学的試験機、印刷関連機
器、樹脂硬化機器、バイオ関連機器、照明器具等として
利用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば耐
ソーラリゼーション性に優れ、かつ近赤外を含む赤外線
および短波長の紫外線を効率よく遮断するとともに可視
光を十分に透過させる光学フィルター構造体が提供され
た。本発明の光学フィルター構造体を人工光源と組み合
わせて用いた場合には、人工光源の出力を高くしても被
照射物の昇温を抑制することができるとともに、分光分
布および光量が安定した光を長期に亘って照射すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の光学フィルター構造体を用いた促
進耐候性試験機の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】は、実施例1、実施例2および比較例1の光学
フィルター構造体の透過率曲線を示す図である。
【図3】は、高純度石英ガラス(厚み2mm)の透過率曲
線を示す図である。
【図4】は、実施例3の光学フィルター構造体の透過率
曲線を示す図である。
【図5】は、耐ソーラリゼーション性試験で用いたメタ
ルハライドランプの波長エネルギー分布を示す図であ
る。
【図6】は、本発明の光学フィルター構造体と、従来の
ガラスフィルターA,Cを用いた光学フィルター構造体
とについての耐ソーラリゼーション性試験の結果を示す
図である。
【図7】は、従来のガラスフィルターBを用いた光学フ
ィルター構造体についての耐ソーラリゼーション性試験
の結果を示す図である。
【図8】は、本発明の光学フィルター構造体を用いた促
進耐候性試験機の他の一例を模式的に示す断面図であ
る。
【図9】は、本発明の光学フィルター構造体を用いた促
進耐候性試験機の他の一例を模式的に示す断面図であ
る。
【図10】は、従来のガラスフィルターA,BおよびC
の透過率曲線を示す図である。
【図11】は、本発明の光学フィルター構造体で用いる
ガラスフィルターの透過率曲線の一例を示す図である。
【図12】は、本発明の光学フィルター構造体で用いる
ガラスフィルターおよび従来のガラスフィルターAおよ
びCの耐ソーラリゼーション性試験の結果を示す図であ
る。
【図13】は、従来のガラスフィルターBの耐ソーラリ
ゼーション性試験の結果を示す図である。
【図14】は、アクアフィルターを構成する液層の光路
長と透過率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,21,31…光学フィルター構造体、 5…水(液
層)、 6,25…アクアフィルター、 7,26,3
6…ガラスフィルター、 8…促進耐候性試験機、 1
2…人工光源、 24…フィルター用溶液(液層)。
フロントページの続き (72)発明者 井上 匡 大阪府大阪市中央区淡路町2丁目1番3号 大日本プラスチツクス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I) 酸化物換算量で0.1〜5重量%の酸
    化銅を含有させた燐酸系または弗燐酸系ガラスからなる
    ガラスフィルターと、光路長3〜50mmの液層を有する
    アクアフィルターとを備え、 (II)前記ガラスフィルターは前記アクアフィルターの容
    器壁外または前記液層内に配置されており、 (III) 短波長側の吸収端が250〜330nmの範囲にあ
    るとともに、780nmよりも長波長側での分光透過率の
    最大値が40%以下であることを特徴とする光学フィル
    ター構造体。
  2. 【請求項2】 アクアフィルターにおける光の入射面お
    よび出射面が石英ガラスからなる、請求項1に記載の光
    学フィルター構造体。
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