JP3225513B2 - 光学フィルタおよびこれを用いた光照射装置 - Google Patents
光学フィルタおよびこれを用いた光照射装置Info
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Description
置、特に擬似太陽光照射装置に関するものである。
(波長域および透過率に関する)を調整することのでき
る光学フィルタ、およびこのような可調整透過特性のフ
ィルタを用いて、所望のスペクトル分布を有する人工光
を得るようにした光照射装置、特に自然太陽光になるべ
く近似したスペクトル分布の光を得ることのできる擬似
太陽光照射装置に関する。
然太陽光のスペクトル分布を高い精度で再現するための
人工光源装置である。
種太陽エネルギ利用機器の特性測定、繊維・塗料・プラ
スチックなどの耐光・耐候性測定、加速劣化試験、ある
いは植物の成長試験などのために、最近では無くてはな
らないものとなっている。
ランプを用いることが多く、この発光は適当なフィルタ
(硼硅酸ガラスや水の層などの光吸収形スペクトルフィ
ルタ、または多層干渉膜フィルタなど)に通すことによ
り、そのスペクトル分布が自然太陽光のそれに近似する
ように調整されることが知られている(実開昭64−3315
4号公報など)。
や白熱灯の光をそれぞれ適当なフィルタでスペクトル分
布を調整した後、これらの光を混合することにより、自
然太陽光のスペクトル分布により一層近似したスペクト
ル分布を有する擬似太陽光を生成することも提案されて
いる(特開昭61−131301号公報、特開昭61−269801号公
報など)。
過率の絶対値の精度や再現性が十分でなく、設計通りの
波長帯域透過特性を持ったものが得られにくい。このた
めに、その製造には熟練と長時間を要し、コスト高にな
り易いという問題がある。
陽光照射装置などの人工光源装置でも、設計どおりのス
ペクトル分布が得られなかったり、組立て調整に熟練と
長時間を要し、コスト高になったりするなどの問題があ
った。
フィルタ特性をもったフィルタは、製造が困難であり、
高価になるので、面積の小さいフィルタを、集束されて
断面積の小さくなった光路上に配置することが多かっ
た。このために、吸収熱による温度上昇が著しく、光源
と集光ミラーとの相対位置調整の際に、誤ってフィルタ
の変質や劣化を生じさせることがあり、信頼性や長期の
安定性に欠けるという問題もあった。
る、フィルタ単体の透過波長域や透過率の絶対値の精度
や再現性が十分でなく、大面積のものが得られない」と
いう課題を解決し、その特性を所望どおりに再現性良く
製造でき、しかも大面積のものも容易に実現できる光学
フィルタを提供することにある。
組立て工程で、そのスペクトル分布特性を正確に所望ど
おりに調整できる人工光源装置、特に、自然太陽光に極
めて近似したスペクトル分布を有する擬似太陽光を発生
する擬似太陽光照射装置を提供することにある。
を複数の区分(モザイク小片)に分割し、それぞれのモ
ザイク小片に所望の、少なくとも2種のフィルタ特性を
持たせると共に、1つのフィルタに含まれる各モザイク
小片のフィルタ特性および個数を、全体として所望のフ
ィルタ特性が得られるように選定、変更できるようにし
ている。
ィルタを、積分光学系の前面に配置して人工光源装置を
構成する。
したことにより、1つのフィルタに含まれる各モザイク
小片がフィルタ特性(透過波長域や透過率の絶対値)お
よびを個数を、適当に選定することにより、全体として
所望のフィルタ特性をもった、大サイズ(面積)のフィ
ルタが得られる。
であり、平均的特性を設計値に合致させることも容易に
なる。
そのスペクトル分布特性を正確に所望どおりに調整でき
る人工光源装置、特に、自然太陽光に極めて近似したス
ペクトル分布を有する擬似太陽光を発生する擬似太陽光
照射装置が、容易に、かつ比較的廉価に実現できる。
面図である。フィルタ10は、複数のモザイク小片10a,10
b,…10i…をマトリックス状に、1平面上に配列するこ
とによって構成される。
少なくとも2種の透過率絶対値と透過波長域(透明であ
ることを含む:以下同じ)とを有するので、各モザイク
小片10a,10b,…10i…の透過率絶対値および/または透
過波長域ならびに個数に適当に選定することにより、換
言すれば、適切な透過率絶対値および/または透過波長
域特性を持ったモザイク小片を適当数配置することによ
り、全体として、所望どおりの総合的な透過率絶対値お
よび/または透過波長域特性を持ったフィルタを構成す
ることができる。
あることができる。
このように構成すれば、透過光以外の光は実質上すべて
反射されることになるから、反射光に所望の透過率絶対
値および/または透過波長域特性を持たせてこれを有効
利用することもできる。
光不透明材や光透明材で覆っても良い。
明の人工光源装置の原理的構成を示す概略図である。
その背後に配置された集光ミラー(例えば、楕円反射
鏡)2で集光され、モザイクフィルタ10を透過した光は
積分光学系4に入射される。積分光学系4を出た光は良
く知られているようにして、コリメータ6によって平行
光線とされ、被照射面5上に均等に投射される。
小部分に区画し、このように区画された各小部分の光の
それぞれを被照射面5の全面に均等に分散投射する。
の光透過または反射特性が異なることに起因して、積分
光学系4の入射側の各小部分の光の性質(波長域特性お
よび/または強度)がばらつき、相違していたとして
も、被照射面5の上には、これらを平均化した均質な光
が投射されることになる。
に、適切な透過率絶対値および/または透過波長域特性
を持ったモザイク小片を配置することにより、被照射面
5上の投射光の特性(スペクトル強度・分布)を所望設
計値に合致させることができる。
干渉フィルタ10Rを用いた、本発明の人工光源装置の原
理的構成を示す概略図である。同図において、第2図と
同一の符号は同一または同等の部分を表している。
以外の波長域の光は実質上すべて反射するから、その反
射光の特性が所望設計値に合致するように、各モザイク
小片のフィルタ特性を設定すれば、第2図の装置と全く
同様な特徴を持った人工光源装置を実現できることは明
らかである。
性としては、ある波長を境にして一方の波長側の光は透
過させ、他方の波長側の光は遮断する急峻な特性が要求
されることがある。
特性を設計どおりの特定波長のところで持たせること
は、現在の製造技術では極めて困難であり、境界の波長
がある程度ばらつくことは避けることができない。
うとすれば、その製造には長時間と熟練を必要とし、大
幅なコスト高となる。このために、これを組込んだ人工
光源装置の製造までが長期間を要し、コスト高になる要
因となっていた。
iの組合わせであるから、そのフィルタ特性はこれら多
数のモザイク小片10iの各フィルタ特性の平均値とな
る。
性のばらつきは正規分布をなすと期待できるから、本発
明のように多数のモザイク小片フィルタの平均値を利用
すれば、実用上十分に急峻な遮断/透過特性を設計値ど
おりの特定波長のところで持たせるが容易である。その
結果として、フィルタ特性の改善と製造の容易化、およ
び価格の低廉化が達成される。
対値や透過波長域特性を維持しながら、大面積に作るこ
とが容易であるから、光源からの光が未だ集光されず、
光束の断面積が広い位置、例えば第2,3図において、集
光ミラー2に比較的近接した光路上に設置することが可
能となる。
による劣化や変質が防止され、信頼性の向上と長寿命化
が達成される。
面図である。フィルタは、適当な手段によって互いに平
行に滑動可能なように、隣接して支持された縦長ストリ
ップ状のフィルタ・バー20A,20B…20Eによって構成され
る。
び/または透過波長域特性(透明であることを含む)を
異にする、少なくとも2種類の多数のモザイク小片A1,A
2,B1,B2,…E1,E2などからなっている。
を示すものであり、同じ符号はフィルタ特性が同じであ
ることを表わし、また異なる符号はフィルタ特性が異な
ることを表わしている。なお無符号部分は透明(100%
透過)であることを表わしている。
…22Eを介して駆動装置24A,24B…24Eが設けられてお
り、これによって各フィルタ・バー20A,20B…20Eはその
縦軸(長軸)方向に移動されることができる。移動され
た状態の1例を第5図に示している。
A,20B…20Eを移動させるように、適当な操作棒を設けて
もよい。
0Rの代わりに用いることができる。なお、フィルタ10R
の代わりに用いるときは、第3図に関する説明から明ら
かなように、各モザイク小片は多層干渉膜フィルタであ
ることが必要であり、透明部分は反射鏡でなければなら
ない。
まれるもののみが実際にフィルタとして機能する。すな
わち、フィルタ機能領域25は、その範囲内に光源からの
光が入射されることを示している。
その長軸方向に移動させることにより、実際にフィルタ
として機能するモザイク小片の組合わせが変化するの
で、フィルタを透過(または反射)した光のスペクトル
分布特性を調整することができる。
を中心として回動傾斜させるようにしてもよい。このよ
うにすれば、各モザイク小片への光入射角が変化し、そ
の内部での光路長が変化するので、傾斜量を適当に選定
することにより、透過率絶対値を所望値に調整すること
ができる。
界部から光が洩れたりすることがないように、境界部を
不透明材で遮蔽することが望ましい。第1図の場合も、
各モザイク小片を傾斜可能にできることは当然である。
ルタ面を全体として光軸に対して傾斜可能に支持し、傾
斜角の調整によって減衰量を制御することもできる。
太陽光のスペクトル分布特性を対比して示すスペクトル
分布図であり、図中、一点鎖線は基準太陽光(エアマス
1)のスペクトル分布特性を、また実線は光源1として
キセノン短アークランプを用いた場合のスペクトル分布
特性を、それぞれ示している。
発光のスペクトル分布を自然太陽光のスペクトル分布に
近付けるためには、約450nm以下の波長域および約800nm
以上の波長域において、キセノン短アークランプの発光
を減衰させる必要がある。
の範囲よりも少なく減衰させ、また波長500〜700nmの範
囲と比較すれば、極めて大幅に減衰させることによって
実現できる。
イク小片として、波長350〜400nmの光を吸収するもの
を、長300〜350nmの光を吸収するものよりも少なく配列
し、また波長500〜700nmの光を吸収するものは殆ど配置
しないようにすることにより、全体として所望の透過率
絶対値および透過波長域特性を示すフィルタを比較的容
易に実現することができる。
過率絶対値を急峻に変化させることが必要であるが、前
述のように、多数のモザイク小片を組合わせて1つのフ
ィルタを実現するから、事実上十分に急峻な遮断特性が
比較的容易に実現できる。
いに相異なる少なくとも2種のフィルタ特性(透過率絶
対値と透過波長域:透明であることを含む)を有する各
モザイク小片10a,10b,…10i…を組合わせて、1つのフ
ィルタを構成するので、各モザイク小片10a,10b,…10i
…のフィルタ特性(透過率絶対値および/または透過波
長域)、ならびに個数とを適当に選定することにより、
換言すれば、適切なフィルタ特性を持ったモザイク小片
を適当数配置することにより、全体として、所望どおり
の総合的なフィルタ特性を持ったフィルタを構成するこ
とができる。
iのフィルタ特性のばらつきは正規分布をなすと期待で
きるから、本発明のように多数のモザイク小片の集合で
フィルタを構成し、その平均値を利用すれば、実用上十
分に急峻な遮断/透過特性を設計値どおりの特定波長の
ところで持たせることが容易である。
化、および価格の低廉化が期待できる。
対値や透過波長域特性を維持しながら、大面積に作るこ
とが容易であるから、光源からの光が未だ集光されず、
光束の断面積が広い位置、例えば第2,3図において、集
光ミラー2に比較的近接した光路上に設置することが可
能となる。
による劣化や変形が防止され、信頼性の向上と長寿命が
達成される。
図である。第2図は、第1図のモザイクフィルタを用い
た人工光源装置の原理的構成を示す概略図である。第3
図は、モザイクフィルタとして多層膜干渉フィルタを用
いた人工光源装置の原理的構成を示す概略図である。第
4図は本発明の光学フィルタの他の実施例を示す平面図
である。第5図は、第4図において、フィルタ・バー
を、その縦軸方向に移動した状態の1例をを示す平面図
である。第6図は、キセノン短アークランプの発光およ
び自然太陽光のスペクトル分布特性を対比して示すスペ
クトル分布図である。 1……光源、2……集光ミラー、4……積分光学系、5
……被照射面、6……コリメータレンズ、10,10R……モ
ザイクフィルタ、20A〜20E……フィルタバー、22A〜22E
……連結棒、24A〜24E……駆動装置
Claims (12)
- 【請求項1】連続する予定波長帯域で所望の総合フィル
タ特性を得る光学フィルタにおいて、 フィルタ特性の異なる複数種類のモザイク小片が各種類
毎に複数設けられて1平面に配列されてなり、 複数種類の複数個のモザイク小片が照射光の単一照射面
内に含まれるよう、各モザイク小片の形状寸法が設定さ
れていることを特徴とする光学フィルタ。 - 【請求項2】各モザイク小片は矩形であり、複数のモザ
イク小片はマトリックス状に配列されたことを特徴とす
る前記請求項1記載の光学フィルタ。 - 【請求項3】連続する予定波長帯域で所望の総合フィル
タ特性を得る光学フィルタにおいて、 それぞれが、フィルタ特性の異なる複数種類のモザイク
小片が各種類毎に複数設けられて1平面に直線的に配列
された複数のフィルタバーを、方向を揃えて前記モザイ
ク小片と同一平面内に整列させて設け、 各フィルタバー同士の相対位置を変化させて総合フィル
タ特性が所望の特性になるよう、前記フィルタバーをそ
れぞれ長手方向に移動可能にするとともに、 互いに隣接するフィルタバーのモザイク小片を含む複数
種類の複数個のモザイク小片が照射光の単一照射面内に
含まれるよう、各フィルタバー同士の間隔および各モザ
イク小片の形状寸法が設定されていることを特徴とする
光学フィルタ。 - 【請求項4】各フィルタバーはそれぞれの縦軸が平行に
なるように配列されたことを特徴とする前記請求項3記
載の光学フィルタ。 - 【請求項5】縦長の各フィルタバーは、その縦軸の回り
に回動可能に支持されたことを特徴とする前記請求項3
または4記載の光学フィルタ。 - 【請求項6】各モザイク小片は光吸収形のスペクトルフ
ィルタであることを特徴とする前記請求項1ないし5の
いずれかに記載の光学フィルタ。 - 【請求項7】各モザイク小片は多層干渉膜フィルタであ
ることを特徴とする前記請求項1ないし5のいずれかに
記載の光学フィルタ。 - 【請求項8】光源と、前記光源の光軸上に配置され、前
記光源の光を入射される積分光学系と、前記光源および
積分光学系の間の光路上に配置された前記請求項1ない
し7のいずれかに記載の光学フィルタとからなることを
特徴とする光照射装置。 - 【請求項9】光学フィルタの面は、光軸に対して傾斜可
能に配置されたことを特徴とする前記請求項8記載の光
照射装置。 - 【請求項10】光源はキセノン短アークランプであるこ
とを特徴とする請求項8記載の光照射装置。 - 【請求項11】光源はキセノン短アークランプおよびハ
ロゲン放電灯または白熱灯の混合光であることを特徴と
する請求項8記載の光照射装置。 - 【請求項12】擬似太陽光に近似したスペクトル分布を
有する光を照射することを特徴とする請求項8ないし請
求項11のいずれかに記載の光照射装置。
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JP05137390A JP3225513B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 光学フィルタおよびこれを用いた光照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05137390A JP3225513B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 光学フィルタおよびこれを用いた光照射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03252604A JPH03252604A (ja) | 1991-11-11 |
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Family
ID=12885141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05137390A Expired - Lifetime JP3225513B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 光学フィルタおよびこれを用いた光照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1990
- 1990-03-02 JP JP05137390A patent/JP3225513B2/ja not_active Expired - Lifetime
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