JPH056087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈利用分野〉 この考案は半導体製造の際、ウエーハを切り出
す工程に使用されるスライシング機の内周に刃を
有するブレードの張り上げ装置に係るものであ
る。

〈従来技術〉 スライシング機は椀状のボトムリング上に上記
のブレードを置き、その上からトツプリングをも
つて、この三者を一体とし、かつブレードを平均
に、強い張力をもつて上下のリング間に固定す
る。第２図はその状態を示すが、ボトムリング
１、ブレード３、トツプリング２は外側のボルト
４で固定される。このときブレードの張力は不十
分であつて、これを更に外方に平均に引つ張る必
要がある。そこでボトムリング１の図の上面に円
周をもつた浅い溝５を作り、トツプリング２にこ
の溝５に相対して深い溝６を設け、この溝６に入
るプレスリング７を入れる。そしてこのプレスリ
ングに対して溝の上から押さえボルト８をもつて
プレスリング７を下方に押し付け、ブレード３を
下の浅い溝５の中に湾曲させることにより、ブレ
ード３を外方に平均に引つ張る。

なお近来ウエーハの外径が大となり、これによ
つてブレードの外径も大となり、上下のリング
１，２及びプレスリング７も大径となつてかつ重
くなつている。そのためブレードの張り替え等に
よつて、トツプリングを取り外す時に、プレスリ
ング７が脱落する危険が発生する。このようにプ
レスリングがトツプリングから分離されていると
危険なためこれをボルトをもつて吊り下げること
も考えられている。例えば第３図においては、溝
６の上に設けた孔９に自由に上下可能のボルト１
０を入れ、その下端をプレスリング７にねじ込ん
で置く。これによつてプレスリング７はトツプリ
ング２から脱落することがなく、ブレードの交換
作業は楽に出来るが、このようにすると、押さえ
ボルト８をプレスリングに当たる位置が常に同じ
で何回も強圧されることによつてプレスリングの
上面にくぼみを発生し、プレスリングが変形する
ことが起こる。またボルト９を取り付けるため、
幅の狭いプレスリングにねじ孔を立てるので、こ
の部分の強度が減じ、ひびが入り、破損すること
が発生する。本考案はこの点を改善したものであ
る。

以下、添付図面に従つて本考案に係るスライシ
ング機の好ましい実施例を詳説する。

本考案は、第２図に示した従来例と同様に、ボ
トムリング１、トツプリング２、ブレード３、ボ
ルト４、浅い溝５、深い溝６、プレスリング７、
押さえボルト８を有している。

本考案においては、第１図に示すように、プレ
スリング７の入る深い溝６に対して、トツプリン
グ２に複数の孔１１をあけ、この孔に自由に入る
吸着ロツド１２を設ける。そして吸着ロツド１２
の図の上部に孔１１の径よりも大きな径の抜け止
め用頭１３を有し、かつ下部には永久磁石１４を
固定して、プレスリング７を吸着ロツド１２をも
つて吸着保持可能とする。

前記の如く構成された本考案に係る実施例の作
用は次の通りである。

スライシングの作業中には、この吸着ロツド１
２を孔１１から抜いて運転する。ブレード３の張
り替えに際しては、まずこの吸着ロツド１２を孔
１１に差し込んでから、プレスリング７の押さえ
ボルト８、トツプリング２の取付ボルト４を緩め
る。この状態でトツプリング２を上に持ち上げる
と、プレスリング７は吸着ロツド１２に懸架され
た状態となつて、トツプリング２の取り出しに際
してプレスリング７が脱落することがない。また
ブレード３を張るときには押さえボルト８を締め
ることにより、プレスリング７は溝５に向けて進
入して磁石１４から離れ、吸着ロツド１２は簡単
に孔１１から手で抜くことができる。

このように本願考案に係るスライシング機によ
れば、吸着ロツドを介してプレスリングをトツプ
リングに吸着保持するので、トツプリングの取外
しに際してプレスリングが脱落することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を示すトツプリングの部分的断
面図、第２図は従来、一般に使われているトツプ
リングの断面図、第３図は従来使用されてきたプ
レスリングの保持方法を示す断面図。 １……ボトムリング、２……トツプリング、３
……ブレード、４……取付ボルト、５，６……
溝、７……プレスリング、８……押さえボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 その表面に環状の溝が形成されたボトムリング
   と、 ボトムリングの表面に固定され、ボトムリング
   との間で内周刃ブレードを挟持するトツプリング
   と、 トツプリングのボトムリングに対向する面に環
   状に形成された収納溝に収納されたプレスリング
   と、 トツプリングに設けられねじ込まれることによ
   りプレスリングの背面に当接してプレスリングを
   ボトムリングの環状の溝に進入させて内周刃ブレ
   ードに緊張力を与える押さえボルトと、 先端に磁石を有してトツプリングの孔に着脱可
   能に設けられ該孔に挿入されることによりプレス
   リングの背面を磁力吸着してプレスリングをトツ
   プリングに懸架可能な吸着ロツドと、 から成るスライシング機。