JPH0560672A - 熱機械的分折装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、材料の機械的特性を温度、時間の関 数として測定する熱機械的分析装置に関するもの である。

〔発明の概要〕

本発明は、従来から広く使われている熱機械的 分析装置を改良して、簡易に動的粘弾性測定がで きる装置を提供することを目的とし、関数発生器 と、応力付与器と、歪検出器と、濾波器と、減算 器と、アナログ・デジタル変換器と、記憶器と、 フーリエ変換演算器とを備え、前記関数発生器か ら正弦波信号を発生させた際の試料の正弦波的応 力・歪応答を前記フーリエ変換演算部でフーリエ 変換演算することにより、試料の動的粘弾性測定 が行える熱機械的分析装置。

〔従来の技術〕

従来、この種の発明に関しては試料の動的粘弾 性を求めるにあたって、応力信号の歪信号の振幅 比および位相差を信号から直接読み取る方法や、 応力歪座標上で描かれるリサージュ波形の形状か ら読み取る方法などがある。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術においては、０．００１〜１Ｈｚ 程度の低周波域において、試料の熱膨張や収縮が 試料の弾性応答である歪信号に混入し、動的粘弾 性測定値の信頼性が低下するのみならず、応力信 号と歪信号の位相差を正確に読み取るのが困難な こと、および１周期毎のリサージュ波形に対して 幾何学的演算が必要なことなど、主として、動的 粘弾性測定値を得るまでの手順の繁雑さ、複雑さ もまた欠点となっていた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記の欠点をなくすために開発され たもので、その主たる構成要件は、所望の周波数 で正弦波信号を発生する関数発生器と、前記関数 発生器に接続され試料に正弦波応力を印加する応 力付与器と、前記正弦波応力により前記試料に生 じる正弦波状歪を検出する歪検出器と、歪検出器 に接続され前記正弦波信号の周期に応じて歪信号 を濾波する濾波器と、前記歪検出器および前記濾 波器に接続されて両者の出力の差を出力する減算 器と、前記応力付与器と前記減算器の出力をアナ ログ・デジタル変換するアナログ・デジタル変換 器と、前記アナログ・デジタル変換器の出力を記 憶する記憶器と、前記記憶器のデータをフーリエ 変換する演算器とからなっている。

〔作用〕

上記構成の作用は、まず、関数発生器の出力で ある正弦波は前記応力付与器により正弦波応力に 変換され試料に印加される。試料に印加された応 力は試料の粘弾的特性に応じた歪を試料に生じさ せる。試料の歪は歪検出器で検出され、前記正弦 波の周期に応じた濾波器により正弦波の周波数成 分を除去した信号が減算器により差し引かれる。

前記応力付与器の応力信号と前記減算器の出力と は、共にアナログ・デジタル変換器でデジタル信 号値に変換された後、記憶器に所定の形式で記憶 される。記憶器に保持されたデータは演算器によ り読み出され、演算器は次式に基づく演算を行い 試料の動的粘弾性測定値を出力する。

である。

〔実施例〕

以下、本発明を一実施例に示した図面に基づき 詳細に説明する。

第１図は試料であり、試料１は試料ホルダー２ の底部に載置され、試料ホルダー２の上端はマイ クロメータ３に固定され、試料ホルダー２は試料 １の長さに応じて、マイクロメータ３によって上 下移動させることができる。前記試料１の上端に はプローブ４が載せられており、プローブ４の上 部はアーム７の副支点７ａに回転自在に接続され ている。また、プローブ４の途中にはコア５が連 結され、コア５を取巻く形で配設された差動トラ ンス６との間でプローブ４の相対的な変位を検出 する。差動トランス６は保持材６ａにより筺体14 に固定されている。一方、前記アーム７は主支点 ７ｂにより筺体14に回動自在に固定され、一種の 天秤系を形成している。アーム７の副支点７ａと 反対側の端にはコイルホルダー８が連結され、コ イルホルダー８にはコイル９が捲回されている。

コイル９の周囲にはマグネツト10が配設され、マ グネツト10は台11を介して筺体14に固定されてい る。また前記マイクロメータ３の一部は筺体14に 固定的に把持されている。さらに、前記試料１の 周囲には、試料１の温度を変えることを目的とし、 炉12が配設され、炉12は移動機構13を介して上下 移動可能な形で筺体14に固定されている。

第１図15は関数発生器であり、直流ランプ状関 数および正弦波交流などの関数が発生できる。関 数発生器15には電圧電流変換器16が接続され、電 流に変換された関数波形が前記コイル９に送られ 前記マグネツト10との共働により関数波形に従う 力が発生される。発生した力は前記アーム７およ びプローブ４を介して前記試料１に伝達され、こ のとき試料１に生じた歪変形は前記プローブ４を 介してコア５の上下運動として伝えられ、前記差 動トランス６に接続された歪検出回路17によって 検出される。歪検出回路17には前記正弦波の周期 に応じて信号を濾波する濾波器23が接続され、歪 検出回路17の出力である歪信号の交流成分が除か れた熱膨張あるいは熱収縮に基づく信号が出力さ れる。歪検出回路17および濾波器23には減算器24 が接続され、前記試料１の弾性応答に基づく歪信 号を出力している。前記電圧電流変換器16および 前記減算器24はスイッチ18を介してＡ／Ｄ変換器 19に接続され、Ａ／Ｄ変換器19でデジタル値に変 換された信号は記憶器20に蓄えられ、必要に応じ て演算器21に送られる。一方、前記炉12は温度制 御器22に接続され、温度制御器22は炉12の制御を 通じて前記試料１の温度を調節する。

本実施例による装置の動作は、まず、試料１の 温度を所望の温度プログラムに従って、温度制御 器22および炉12により変化させる。同時に関数発 生器15により、膨張率の測定であれば直流信号を 動的粘弾性の測定であれば、所望の信号の正弦波 を含む関数を発生させる。関数発生器15で発生さ れた関数信号は、電圧電流変換器16，コイル９、 マグネット10、コイルおよびホルダー８，アーム ７，プローブ４からなる応力付与器により、試料 １に対して力の形で印加される。このとき試料１ に生じる歪は、プローブ４，コア５，差動トラン ス６，歪検出回路17からなる歪検出器により検出 され、濾波器23および減算器24により熱膨張ある いは収縮による歪信号への寄与が取り除かれる。

前記応力付与器により発生した力および前記減算 器24により出力された歪のアナログ信号は、スイ ッチ18の働きで交互に所定のタイミングでＡ／Ｄ 変換器19によりデジタル信号に変換され、記憶器 20により所定の形式で蓄えられる。動的粘弾性測 定の際には、記憶器20に蓄えられた力および歪の デジタル信号は、演算器21により読み出され、以 下に示すような演算が施されるる。

ここで、 π：円周率 ω：正弦波角周波数 Ｔ：周期（＝２π／ω） Ｔｓ：データサンプリング時間間隔 Ｆｉ：周期分割の後ｉ番目力データ ｘ_ｉ：周期分割の後ｉ番目歪データ ｔ：時間 Ｍ^＊：試料の複素弾性率 l：試料長さ ｓ：試料断面積 である。

この演算結果は、演算器21から動的粘弾性測定 結果として出力される。

また、試料変形のモードを圧縮からずりやその 他のモードに変更した場合でも式の係数ｌ／ Ｓを適切に変更することにより、試料の複素弾性 率を正しく測定できるのはもちろんのことである。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば歪信号から 試料の熱膨張、収縮が除去され、応力(Fi)歪み (Xi)のすべてのデータを有効利用するため、測 定精度が向上され、また、幾何学的処理なしで、 すべて代数的演算の組返しにより結果が得られる ことから、容易に動的粘弾性測定値が得られ、熱 機械的分析装置の性能向上を達成できるという効 果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部ブロツク 図入り断面図である。 １・・・試料 ２・・・試料ホルダー ３・・・マイクロメータ ４・・・プローブ ５・・・コア ６・・・差動トランス ７・・・アーム ８・・・コイルホルダー ９・・・コイル 10・・・マグネツト 11・・・台 12・・・炉 13・・・移動機構 14・・・筺体 15・・・関数発生器 16・・・電圧電流変換器 17・・・歪検出回路 18・・・スイッチ 19・・・Ａ／Ｄ変換器 20・・・記憶器 21・・・演算器 22・・・温度制御器 23・・・濾波器 24・・・減算器 6a・・・保持材 7a・・・副支点 7b・・・主支点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正弦波信号を発生する関数発生器と、関
   数発生 器に接続され関数発生器の出力に基づいて試料に 正弦波状外力を付与する応力付与器と、応力付与 器により試料に生じた歪を検出する歪検出器と、 歪検出器に接続され前記正弦波信号の周期に応じ て、歪信号を濾波する濾波器と、前記歪検出器お よび前記濾波器に接続され、両者の出力の差を出 力する減算器と、 前記応力付与器および前記減算器の出力をデジ タル値に変換するアナログ・デジタル変換器と、 アナログ・デジタル変換器の出力を記憶する記憶 器と、記憶器に記憶された信号値に対しフーリエ 変換演算を行う演算器とを備え、前記演算器は、 演算結果として前記試料の動的粘弾性を出力する ことを特徴とする熱機械的分析装置。