JPH056062B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動変速機のシフト制御装置のバツク
アツプ装置に関する。

（従来技術及び問題点） 自動変速機を用いた車両において、各ギヤ段の
シフト位置は、あらかじめ設定された値によつて
制御されているが、使用するうちにギヤの摩耗等
により適切なギヤ位置が初期設定された位置から
乖離する場合がある。従つて常にギヤシフト終了
時に各ギヤ位置と対応する値を学習することによ
り、適切なギヤ位置の目標値を設定している。し
かしながら、車両は走行中に電波雑音を受けやす
い場所を通過することも多く、また、エンジンか
らも電波雑音を受ける。この制御装置では、走行
中に各ギヤ段の学習を行なうため、電磁干渉、そ
の他のノイズにより、学習値が異常に変化し、ま
たは消滅してしまうことがありえる。その場合、
そのまま学習を続行すると、異常値等の影響を受
け、得られる学習値が最適値から乖離し、ギヤの
シフト不良等が生じ、車両の安全走行が不能にな
る場合がある。

（発明の目的） 本発明の目的は、学習値データの異常を、学習
中に得た学習値データビツトの和とチエツク時に
得た学習値データビツトの和が一致しているか否
かにより判断し、不一致の場合、すなわち学習値
異常の場合、初期データを学習値として使用する
ことによりシフト不良等を避けることができるシ
フト制御装置のバツクアツプ方法を提供すること
にある。

（発明の概要） 前述の目的を達成するために、本発明によれ
ば、シフトアクチユエータのシフト量をストロー
クセンサにより検出し、変速の際のシフト量を常
時学習して目標値を設定する電子制御装置を備え
た車両用自動変速装置において、学習中にシフト
量の学習値データビツトの和を算出する第１の手
段と、チエツク時にシフト量の学習値データビツ
トの和を算出する第２の手段と、第１と第２の手
段からの和値を比較する第３の手段と、第３の手
段で不一致信号を検出したとき、初期データを学
習値として格納する手段とを有する自動変速機の
バツクアツプ装置が提供される。

（実施例） 第１図は、本発明のバツクアツプ装置が実施さ
れている自動変速機のギヤシフトアクチユエータ
及びギヤセレクトアクチユエータを示す概略図で
あり第２図は本発明のバツクアツプ装置のフロー
チヤートである。

第１図において、１はシフトアクチユエータで
あり、３位置に停止できる構成になつている。２
はセレクトアクチユエータであり４位置に停止で
きる構成となつており、各停止位置はセレクトス
イツチ２ａにより表示される。３，４はシフトア
クチユエータを作動する電磁バルブであり、電磁
バルブ３が油圧源８に連通すると、シフトアクチ
ユエータ１のピストンロツドは上昇し、Ｌ，３，
５速側にシフトされ、電磁バルブ４が油圧源８に
連通すると、シフトアクチユエータ１のピストン
ロツドは下降し、Ｒ，２，４，６速側にシフトさ
れることになる。電磁バルブ３，４が同時に油圧
源８に連通すると中立位置をとりニユートラルと
なる。またセレクトアクチユエータ２は電磁バル
ブ５，６，７により作動されるように構成されて
いる。

９は、電磁バルブ３，４，５，６，７の油排出
用タンクである。

１０は、シフトアクチユエータのシフト量を検
出するためのギヤストロークセンサである。

１１は、電子制御装置で、この電子制御装置１
１は、図示のストロークセンサ１０の出力や図示
しないエンジン回転速度、車速、セレクトレバー
等の各種信号に基づいて、シフトアクチユエータ
用電磁バルブ３，４、セレクトアクチユエータ用
電磁バルブ５，６，７を選択的に作動するもので
ある。

次に、自動変速機のシフト制御装置のストロー
クセンサの学習バツクアツプ方法を第２図のフロ
ーチヤートを参照して説明する。

最初に、車両走行中において、学習中か否かが
判断される（ステツプａ）。学習中の場合、すな
わち学習の命令が出されている場合、ストローク
センサ１０の電圧値が読み取られ、Ａ／Ｄ変換さ
れて電子制御装置１１に入力され、電子制御装置
１１において、すでに格納されている学習値と、
例えば加重平均処理がなされ、得られた新しい目
標値が学習値としてRAMに格納される（ステツ
プｂ）。次にその学習値データのビツトの和が計
算される（ステツプｃ）。すなわち、例えば８ビ
ツト（01000100）の場合、“１”ビツトの和、す
なわち２を算出する。そしてこのデータビツトの
和をチエツクデータに格納する（ステツプｄ）。
これによりチエツク時のチエツクデータが準備さ
れたことになる。

次に、学習中でない場合、すなわちチエツク時
となつた場合、比較すべきチエツクデータ作成の
ために走行中の現在値である学習値データビツト
の和が計算され（ステツプｅ）、チエツクデータ
として格納してあるビツトの和とステツプｅで得
られたビツトの和が比較される（ステツプｆ）。

ノイズ等の障害がなければ、比較した結果は一
致するはずであり、その場合は正常と判断される
が、不一致の場合には、異常と判断され、学習値
として初期値を格納し（ステツプｇ）、または比
較データとして初期値データビツトの和を計算し
（ステツプｈ）、この初期値データビツトをチエツ
クデータビツトとして格納する（ステツプｄ）。

このようにして、ノイズによる学習値の異常を
検出し、それによる悪影響を避けることができ
る。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、学習値
データビツトの和を算出し、比較するという手段
を設けているので、比較的簡単に学習値の異常を
検出し、その悪影響を避けるための自動変速機の
バツクアツプを行なうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のバツクアツプ装置が実施さ
れる自動変速機のギヤシフトアクチユエータ及び
ギヤセレクトアクチユエータを示す概略図、第２
図は本発明の自動変速機のバツクアツプ装置のフ
ローチヤートである。 １……ギヤシフトアクチユエータ、２……ギヤ
セレクトアクチユエータ、３，４，５，６，７…
…電磁バルブ、８……油圧源、９……タンク、１
０……ストロークセンサ、１１……電子制御装
置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シフトアクチユエータのシフト量をストロー
   クセンサにより検出し、変速の際のシフト量を常
   時学習して目標値を設定する電子制御装置を備え
   た車両用自動変速装置において、 学習中にシフト量の学習値データビツトの和を
   算出する第１の手段と、 チエツク時にシフト量の学習値データビツトの
   和を算出する第２の手段と、 第１と第２の手段からの和値を比較する第３の
   手段と、 第３の手段で不一致信号を検出したとき、初期
   データを学習値として格納する手段とを有するこ
   とを特徴とする自動変速機のバツクアツプ装置。