JPH0763234A - 変速機の制御方法 - Google Patents

変速機の制御方法

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Publication number
JPH0763234A
JPH0763234A JP5213037A JP21303793A JPH0763234A JP H0763234 A JPH0763234 A JP H0763234A JP 5213037 A JP5213037 A JP 5213037A JP 21303793 A JP21303793 A JP 21303793A JP H0763234 A JPH0763234 A JP H0763234A
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JP
Japan
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clutch
hydraulic pressure
transmission
output shaft
value
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Application number
JP5213037A
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English (en)
Inventor
Yasunori Okura
泰則 大蔵
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、外部からの過大な負荷の進入を回
避させて、変速機全体としての耐久性を向上させ、かつ
装置の小型化及びコストダウンを図る変速機の制御方法
を提供することを目的とする。 【構成】複数の変速クラッチの組み合わせによって速度
段を選択する変速機の制御方法において、変速終了を確
認した後、変速機の出力軸の伝達トルクを算出し、該算
出した伝達トルクを変速機の出力軸側のクラッチ油圧に
換算し、該換算値に所定の値を加える演算処理を実行
し、該演算値をクラッチ油圧指令として出力軸側のクラ
ッチを制御する第1の工程と、出力軸側のクラッチに滑
りが検出されたならば、出力軸側のクラッチ油圧を該ク
ラッチの滑りが収束するまでの間漸増する第2の工程
と、前記出力軸側のクラッチの滑りが収束すると、前記
演算処理を再度実行し、該演算された値までクラッチ油
圧を降下させ、再度滑りが検出されるまでこの油圧値を
保持する第3の工程とを具えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は走行機械や建設機械等
における変速機の制御方法に関し、特に複数の変速機の
選択組み合せによって速度段を選択する変速機におい
て、外部からの過大な負荷の進入をクラッチの滑りによ
って回避して変速機全体としての耐久性を向上させる変
速機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、変速機においては、複数
のクラッチの選択組み合せによって任意の速度段を選択
する。
【0003】図11は、従来一般的に行われている変速
時のクラッチ制御を示すもので、この種変速機において
は、変速の際には、係合しようとするクラッチの油圧を
徐々に(dp/dt)上昇させるモジュレーション制御を実
行することにより変速ショックを低減させるとともに、
クラッチの耐久性を向上させるようにしている。
【0004】しかし従来においては、変速が終了した後
は、図12に示すように、出力される伝達パワーに関係
なく、伝達される最大トルク(リミットトルク)Tlの
換算油圧Plに一定値を加えた油圧(一定値)Pcをクラ
ッチに加えるようにしていた。これは、クラッチでの不
要な滑りを防止するためであり、クラッチの耐久性を維
持するために必要と考えられていた。
【0005】しかし、かかる従来制御によれば、クラッ
チトルクが現在伝達されているトルク(実行出力トルク
Ta)よりかなり大きめな値(最大伝達トルクTl+安全
率)となっているため、過大なトルクが外部より加わる
と、この過大なトルクが変速機の内部に進入して各部に
過大な応力がかかり、クラッチを破損させる恐れがあっ
た。
【0006】このため、従来システムにおいては、これ
らの過大な負荷に対しても各部が耐えられるように設計
を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、建設機械のよ
うに、使用される環境が特定できない機種では、過大負
荷を予測するのが困難であり、依然として不具合が発生
する場合があった。また、上記のような事を考慮して設
計をすると、システム全体(変速機やシャフトなど)が
通常の負荷に対して余裕を付けすぎてしまい、コスト高
になるという問題がある。
【0008】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、外部からの過大な負荷の進入を回避させて、
変速機全体としての耐久性を向上させ、かつ装置の小型
化及びコストダウンを図る変速機の制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明では、複数の変
速クラッチの組み合わせによって速度段を選択する変速
機の制御方法において、変速終了を確認した後、変速機
の出力軸の伝達トルクを算出し、該算出した伝達トルク
を変速機の出力軸側のクラッチ油圧に換算し、該換算値
に所定の値を加える演算処理を実行し、該演算値をクラ
ッチ油圧指令として出力軸側のクラッチを制御する第1
の工程と、出力軸側のクラッチに滑りが検出されたなら
ば、出力軸側のクラッチ油圧を該クラッチの滑りが収束
するまでの間漸増する第2の工程と、前記出力軸側のク
ラッチの滑りが収束すると、前記演算処理を再度実行
し、該演算された値までクラッチ油圧を降下させ、再度
滑りが検出されるまでこの油圧値を保持する第3の工程
とを具えるようにする。
【0010】
【作用】かかる発明によれば、変速終了後は、実際に変
速機の出力軸の伝達トルクを算出し、該算出した伝達ト
ルクを変速機の出力軸側のクラッチ油圧に換算し、該換
算値に所定のマージン値を加えた値をクラッチに加える
ようにする。
【0011】そして、このような状態でクラッチの滑り
を常時検出し、クラッチに滑りが発生した場合は、出力
軸側のクラッチ油圧を該クラッチの滑りが収束するまで
の間漸増する。その後クラッチの滑りが収束すると、再
度現在の変速機の出力軸トルクに対応するクラッチ圧を
求め、該クラッチ圧に所定のマージンを加えたクラッチ
圧値までクラッチ油圧を降下させ、再度滑りが検出され
るまでこの油圧値を保持する。そして、再びクラッチの
滑りが検出された場合は、前記同様にしてクラッチ圧の
漸増制御を実行する。
【0012】すなわち、クラッチ油圧をクラッチ伝達ト
ルクより若干増しにすることで、過大負荷の発生時にク
ラッチを滑らせ変速機内への過大負荷の進入を防止す
る。しかし、この場合でもクラッチ過負荷となる可能性
があるので、変速終了後は常時クラッチの滑りを検出
し、滑り出しを確認したならば、クラッチの油圧を漸増
させ、滑ってしまった回転エネルギーの分を吸収させる
ようにする。
【0013】
【実施例】以下この発明を添付図面に示す実施例に従っ
て詳細に説明する。
【0014】図2にこの発明を適用する変速システムを
示す。
【0015】図2において、エンジン1の出力はトルク
コンバ―タ(トルコン)2を介してトランスミッション
3に伝達され、トランスミッション3の出力は差動装
置、終減速機4を介して駆動輪5に伝えられる。トルコ
ン2の入出力軸間にはそれらの軸を直結させるロックア
ップクラッチ6が介在されている。
【0016】エンジン1にはその回転数n1に対応した
数の信号を出力するエンジン回転センサ7が、またトラ
ンスミッション3にはその入力軸、中間軸および出力軸
の回転数n2,n3,n4に対応した数の信号を出力する
回転センサ8、9及び15が各々設けられており、これ
らセンサの出力はコントロ―ラ10に加えられる。
【0017】スロットル量センサ11はスロットルペダ
ルの踏込量を検出しこの踏込量を示す信号Sをコントロ
―ラ10へ入力する。車重センサ12は車重I(積載物
重量)を検出しこの検出値をコントロ―ラ10へ入力す
る。シフトセレクタ13はシフトレバ―14によって選
択されたシフトポジション(R,N,D,1…)を示す
信号をコントロ―ラ10に入力する。
【0018】トランスミッション3は、この場合トルク
コンバ―タ2の出力軸に連結される1段目の副変速クラ
ッチH(High)およびL(Low)とトランスミッション
3の出力軸に連結される2段目の主変速クラッチ1stお
よび2ndを有し、副変速機側のクラッチH,Lと主変速
機側のクラッチ1st,2ndとの組合わせで速度段を(L
1:1速、H1:2速、L2:3速、H2:4速)選択
する。
【0019】これらのクラッチに圧油を供給するクラッ
チ圧油供給装置20は、図3に示す如く、油圧ポンプ2
1、リリ―フバルブ22の他に、上記クラッチH,L,
1stおよび2ndに油圧を作用させるクラッチ油圧制御バ
ルブ31,32,33および34を各クラッチ毎に各別
に備えている。また、ロックアップクラッチ6も、同ク
ラッチに油圧を作用させる電子式の圧力比例制御弁35
を具えており、これらバルブ31〜35はコントロ―ラ
10からの電気指令によって夫々独立に作動される。
【0020】図4は、上記クラッチ油圧制御バルブ31
〜34の構成を示すもので、このクラッチ油圧制御バル
ブ31〜34は、図3にも示すように、それぞれクラッ
チ油圧を制御する圧力制御弁301と、流量検出弁30
2と、フィリング終了検出用のセンサ部303とで構成
されている。圧力制御弁301はコントロ―ラ10によ
って制御され、またセンサ部303の検出信号はコント
ロ―ラ10に入力される。
【0021】このクラッチ油圧制御バルブ31〜34は
入力ポ―ト310を介してポンプ21からの油を流入
し、出力ポ―ト311を介してクラッチへ油を供給す
る。ポ―ト312は閉塞され、またポ―ト313,31
4はドレンポ―トである。
【0022】電子式圧力制御弁301はスプ―ル315
を有し、このスプ―ル315の右端は比例ソレノイド3
16のプランジャ317に当接され、左端にはバネ31
8が設けられている。スプ―ル315とピストン339
によって画成された油室320にはスプ―ル315内に
形成された油路321を介して油路322の油圧がフィ
―ドバックされている。
【0023】流量検出弁302はスプ―ル325を有
し、このスプ―ル325によって油室326,327お
よび328を画成する。このスプ―ル325の油室32
7,328間にはオリフィス330が形成してある。こ
のスプ―ル325は3つの異なる受圧面積A1,A2、お
よびA3を有するよう構成され、これら面積間にはA1+
A3>A2、かつA2>A3の関係を持たせている。このス
プ―ル325の左端にはバネ331が、右端にはバネ3
32が設けられており、このスプ―ル325は油室32
7,328に圧力がたっていないときにはバネ331お
よび332の各自由長の位置で図5に示す中立位置を保
持するようになっている。すなわちこの場合、バネ33
1はスプ―ル325の戻しバネとして作用し、またバネ
332はクラッチ油圧検出のための圧設定用バネとして
働く。
【0024】バルブボディ333の上部右側には金属製
の検出ピン334が設けられ、この検出ピン334によ
りスプ―ル325がバネ332のバネ力に抗して図4に
示す中立位置から更に右に移動したことを検出する。こ
の検出ピン334はカバ―335によって絶縁シ―ト3
36を介してボディ333に取付けられており、この検
出ピン334からはリ―ド線337が引き出されてい
る。
【0025】このリ―ド線337は直列接続された抵抗
R1およびR2間のa点に接続されている。これら抵抗R
1,R2間には所定の直流電圧V(例えば12V)が印加
されており、またボディ333はア―スされている。
【0026】かかる構成のバルブ31〜34の作用を図
5のタイムチャ―トを参照して説明する。
【0027】尚、図5において、(a)はコントロ―ラ1
0からの指令電流I、(b)は油室328の油圧(クラッ
チ圧)、(c)はセンサ303の出力を示すものである。
【0028】クラッチを係合しようとする場合、コント
ロ―ラ10は該当するクラッチ油圧制御バルブのソレノ
イド316にトリガ指令を入力し、その後指令電流Iを
クラッチ油圧初期圧に対応する所定の初期圧指令電流に
降下させ、この状態でフィリング終了時まで待機する
(図5(a)参照)。
【0029】前記トリガ指令の入力により、圧力制御弁
301のスプ―ル315が左方向に移動し、ポンプから
の油は入力ポ―ト310、油路322を介して流量検出
弁302の油室327に流入する。油室327に入った
油は、オリフィス330を介して油室328へ流入し、
出力ポ―ト311を介してクラッチへ流れ込む。このと
きオリフィス330によって油室327と328との間
に差圧が発生するのでスプ―ル325は左行する。
【0030】この結果、流量検出弁302は開となり、
油路329に流入したポンプからの油は油室326を介
して油室327に流入し、その後、オリフィス330、
油室328、出力ポ―ト311を介してクラッチへ流入
する。この油の流れはクラッチパックが油で充満される
まで続く。
【0031】ここで、スプ―ル325が図4に示す中立
位置にあるとき、およびスプ―ル325が該中立位置よ
り左に移動しているフィリングタイムtfの期間中に
は、スプ―ル325は検出ピン334から離間してい
る。
【0032】このため、この状態においてはa点の電位
は図5(c)に示す如く電圧Vを抵抗R1,R2で分圧した
電圧値となっている。
【0033】クラッチパックが油で充満するとフィリン
グ終了となり、もはや油が流れなくなるのでオリフィス
330前後に差圧がなくなる。
【0034】したがって、スプ―ル325はバネ331
の復帰力にスプ―ル325の受圧面積差(A1+A3−A
2)による力を加えた力で右方向に移動する。
【0035】このスプ―ル325の復帰の際、ポンプか
らの油圧が油路329、油室327、オリフィス33
0、油室328等を介してクラッチ油圧にかかり、この
結果図6(b)に示すようなオ―バ―シュ―ト圧が発生す
る。
【0036】ここで、前記バネ332のバネ定数は図5
(b)に示す如く前記オ―バ―シュ―ト圧より小さな圧力
値Thに設定してある。
【0037】したがってこの復帰動作の際スプ―ル32
5は図4に示す中立位置まで右行した後、前述のシュ―
ト圧によってバネ332の付勢力に打勝って更に右行
し、その右端面が検出ピン334に接触する。
【0038】この結果、検出ピン334はスプ―ル32
5を介してア―スされたボディ333と導通することに
なるので、a点電位は図5(c)に示す如く零まで降下
し、a点には電圧は現われなくなる。
【0039】このa点電位はコントロ―ラ10に入力さ
れており、コントロ―ラ10は、該a点電位の立下がり
をもってフィリング終了を判定する。このフィリング終
了を判定すると、コントロ―ラ10は直ちに当該クラッ
チに対する指令電流Iを初期圧指令電流値から除々に増
大させてゆく(図5(a))。
【0040】この結果、当該クラッチのクラッチ圧は図
5(b)に示す如く前記オ―バ―シュ―ト圧値から初期圧
に降下した後、漸増されてゆく。したがって、スプ―ル
325はピン334に接した状態から一旦中立位置方向
へ左行する。その後、クラッチ圧は、漸増されていくの
で、ある時点においてバネ332の設定圧Thを超え
る。この結果、スプ―ル325はバネ332の付勢力に
打勝って再び右行し、その右端面を検出ピン334に接
触する。この為、a点電位は再び零まで降下し、以後こ
の零レベルを維持することになる。
【0041】すなわちa点電位は、クラッチに設定圧T
h以上の圧がたっているとき零となり、クラッチ圧が設
定圧Th以下のとき所定の電圧値となるので、コントロ
―ラ10はこのa点電位をモニタすることでフィリング
終了検知のみならず、クラッチ圧の有無すなわちクラッ
チの係合状態を知ることができる。
【0042】次に、かかる構成におけるコントロ―ラ1
0の変速制御について図1のフロ―チャ―トを参照して
説明する。
【0043】本発明は、変速終了後の制御に関するもの
であり、以下の動作は変速終了後についてのみ示してい
る。
【0044】まず、コントローラ10は、トランスミッ
ション入力軸回転センサ8及びトランスミッション出力
軸回転センサ9の出力n2、n4によってクラッチ相対回
転数(n2−n4・G G;ギア比)を求め、この値が
0近傍の値になった時を変速終了時として判定する(ス
テップ100)。なお、変速終了時点は、係合開始時点
またはフィリング終了時点から係合終了時点までに要す
る時間を予め実車テストなどで調べておき、タイマ管理
により検出するようにしてもよい。
【0045】変速終了が判定されると、次にコントロー
ラ10は、現走行がロックアップクラッチ6を接続して
走行しているロックアップ走行か、トルコン2を介した
トルコン走行かを識別する(ステップ110)。
【0046】車両がロックアップ走行をしている場合
は、エンジントルクTeを求めてこれからトランスミッ
ション負荷トルク(トランスミッション出力軸の伝達ト
ルク)を算出し、該トルクをトランスミッションの出力
側クラッチの油圧に換算する(ステップ120)。
【0047】エンジン1から出力されるトルクTeは、
図6に示すように、エンジン回転数とアクセル開度とに
密接な関係にあり、コントローラ10内のメモリにこれ
ら各パラメータの各値に対応するトルク値Teを各種予
記憶しておく。そして、このメモリからエンジン回転セ
ンサ7及びスロットル量センサ11の検出出力に応じた
トルク値を読み出すことによりエンジントルクTeを求
める。実際には、各センサからの検出出力と予記憶パラ
メータ値が完全に一致するとは限らないので、補間処理
などを用いて適正な値を求めるようにする。
【0048】ここで、クラッチ伝達トルクTcは次式 Tc=k・μ・P …(1) k;クラッチ係数 μ;クラッチの摩擦係数 P;クラッチ圧 で表すことができる。したがって、上記(1)式に基づ
いてTc=Teが成立するクラッチ圧Pを求めることによ
り、エンジン出力トルクTeをクラッチ圧Pに換算する
ことができる。
【0049】また、ステップ110の判定において、ト
ルコンモードであると判定された場合は、トルクコンバ
ータの入出力回転数n1,n2と、トルコン性能値によっ
てトルコン2の出力軸トルクTtを算出し、これを変速
機の出力側クラッチの油圧Pに変換する(ステップ13
0)。
【0050】すなわち、トルコン2の性能を表すプライ
マリ係数Spおよびトルク比Stは、図7に示すように、
トルコン2の入出力軸の回転数n1,n2の比の関数であ
る。したがって、トルコン2の入力軸および出力軸の回
転数n1,n2を回転数センサ7,8によって夫々検出
し、それらの回転数の比e=n2/n1を求めることによ
り、トルコン2の性能を表わすプライマリ係数Spおよ
びトルク比Stを算出することができる。
【0051】そして、トルコン入力トルクTeが Te=Sp・(n1/1000) …(2) と表され、またトルコン出力トルクTtが Tt=Te・St …(3) と表わされることから、これらの各式と上記係数Spお
よびトルク比Stとに基づいてトルコン出力トルクTtの
値を算出することができる。
【0052】さらに、トランスミッション3の出力軸の
トルクTcとトルコン出力トルクTtとが下式のような関
係にある事から Tc=Tt・ST/ρ ρ;クラッチまでのギア比 トルコン出力トルクTtをトランスミッション3の出力
軸のトルクTcに変換することができる。
【0053】そして、このようにして求めた出力軸トル
クTcを前記(1)式にしたがってクラッチ圧Pに変換
する。すなわち、Tc=Teが成立するクラッチ圧Pを求
めることにより、トランスミッション出力軸トルクをク
ラッチ圧Pに換算することができる。
【0054】このようにして換算値が計算されたなら
ば、トルクの変動分、誤差分、マージン(ばらつき等)
を考慮した所定の値αを前記クラッチ圧Pに加え、これ
をクラッチ油圧指令として出力することによりクラッチ
圧を前記計算した所定圧P+αに保持する(ステップ1
40、150)。
【0055】すなわち、図8に示すように、クラッチ油
圧をクラッチ伝達トルクより若干増しにすることで、過
大負荷の発生時にクラッチを滑らせ変速機内への過大負
荷の進入を防止する。しかし、この場合でもクラッチ過
負荷となる可能性があるので、以下に述べるような制御
を実行する。
【0056】すなわち、クラッチに所定の油圧値を与え
ている状態中、コントローラ10は変速機の入出力軸回
転センサ8、9の出力からクラッチの相対回転数を調べ
ることによりクラッチの滑り出しを常時検出する(ステ
ップ160)。そして、クラッチの滑り出しを検出した
場合は、係合中のクラッチの油圧を漸増させる制御を実
行する(ステップ170、180)。
【0057】すなわち、クラッチの滑りを検出したなら
ば、クラッチ油圧を適当な傾きで漸増させることによ
り、滑ってしまった回転エネルギーの分を吸収させるよ
うにする。ここで、過大負荷はピーク的に発生すること
が殆どであるのでエネルギー的にはそれほど大きなもの
ではないが、一旦滑りが発生した場合クラッチ摩擦係数
は、図9に示すように、徐々に減少してますます滑るこ
とになるので、上記クラッチ油圧の漸増制御はこのこと
の防止も兼ねている。
【0058】上記クラッチの漸増制御中にも前記相対回
転数によってクラッチの滑りを検出するようにしており
(ステップ190)、前記漸増制御はクラッチの滑りが
停止するまで行われる(ステップ200)。そして、コ
ントローラ10はクラッチの滑りが停止したことを検出
すると、この時点でクラッチ漸増を停止し、その油圧値
を保持する(ステップ210)。一方、コントローラ1
0は、前記滑りが停止してから予め設定した所定時間t
aが経過するまで再度の滑りが発生しないことを確認し
(ステップ220〜240)、該確認がとれると、手順
をステップ110に復帰し、再度前述の計算を行ってT
c+αに対応するクラッチ油圧Pを求め、該算出した油
圧にクラッチ圧を降下させこの降下させた油圧値を保持
する(ステップ120〜150)。しかし、前記一定時
間taの間に再度の滑りが発生した場合は、再度クラッ
チ圧を漸増して前述の制御を繰り返す(ステップ180
〜210)。
【0059】図10は、本実施例によるクラッチ油圧制
御を示すもので、クラッチに滑りが発生するとクラッチ
油圧が漸増され、滑りが収束すると一定時間ta後にク
ラッチ油圧が降下制御されている事が示されている。
【0060】なお、上記実施例においては、変速終了後
はクラッチ油圧をステップ120またはステップ130
で計算した油圧値に保持するようにしたが、メカニカル
制御などのようにエンジントルクが計算できないとき
は、予め限界値となるクラッチ油圧を与えておき、滑り
が生じた場合は前記同様のクラッチ油圧漸増制御を実行
させるようにしてもよい。
【0061】また、上記実施例では、図4に示した構成
のフィリング検出センサ303を用いてフィリング終了
検出を行なうようにしたが、他の構成のフィリング検出
センサを用いてもよく、さらには予め適当なフィリング
タイムを設定しておく時間管理による方法でもよい。
【0062】また、本発明はマニュアル変速車、自動変
速車の何れにも適用可能である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
変速機において外部(履帯、タイヤ)からの過大な負荷
の進入をクラッチの滑りにより回避するようにしたの
で、変速機全体としての耐久性を向上させることができ
る。また、負荷の限界値をその都度計算によって求めて
いるので、該値を常に最適に設定する事ができるように
なり、これにより各部コンポーネントを過剰品質にする
必要がなくなり、変速機各部のコンポーネントを小型化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速機の制御方法の一実施例を示
したフロ―チャ―ト。
【図2】変速システムの全体構成例を示すブロック図。
【図3】同変速システムのクラッチ油圧供給装置の内部
構成を示す油圧回路図。
【図4】クラッチ油圧制御バルブの内部構成を示す断面
図。
【図5】同クラッチ油圧制御バルブの動作を説明するた
めのタイムチャ―ト。
【図6】エンジントルクとエンジン回転数の関係を示す
グラフ。
【図7】トルクコンバータの出力特性例を示すグラフ。
【図8】クラッチ油圧とエンジントルクの関係を示すグ
ラフ。
【図9】クラッチ摩擦特性を示すグラフ。
【図10】本発明の作用を示すタイムチャート。
【図11】変速時及び変速終了後に与えられる油圧指令
を示すタイムチャート。
【図12】従来技術を説明するためのタイムチャ―トで
ある。
【符号の説明】
1…エンジン 2…トルクコンバ―タ 3…トランスミッション 6…ロックアップクラッチ 7,8,9…回転数センサ 10…コントロ―ラ 11…スロットル量センサ 12…車重センサ 13…シフトセレクタ 1st,2nd…主変速機 H,L…副変速機 301…流量制御弁 302…流量検出弁 303…フィリング終了検出センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の変速クラッチの組み合わせによって
    速度段を選択する変速機の制御方法において、 変速終了を確認した後、変速機の出力軸の伝達トルクを
    算出し、該算出した伝達トルクを変速機の出力軸側のク
    ラッチ油圧に換算し、該換算値に所定の値を加える演算
    処理を実行し、該演算値をクラッチ油圧指令として出力
    軸側のクラッチを制御する第1の工程と、 出力軸側のクラッチに滑りが検出されたならば、出力軸
    側のクラッチ油圧を該クラッチの滑りが収束するまでの
    間漸増する第2の工程と、 前記出力軸側のクラッチの滑りが収束すると、前記演算
    処理を再度実行し、該演算された値までクラッチ油圧を
    降下させ、再度滑りが検出されるまでこの油圧値を保持
    する第3の工程と、 を具える変速機の制御方法。
  2. 【請求項2】前記第3の工程は、出力軸側のクラッチの
    滑りが収束すると、該クラッチの滑りがなくなった状態
    が予設定した所定時間の間継続することを確認し、該確
    認後にクラッチ油圧を前記演算された値まで降下させる
    請求項1記載の変速機の制御方法。
  3. 【請求項3】複数の変速クラッチの組み合わせによって
    速度段を選択する変速機の制御方法において、 変速終了を確認した後、クラッチ油圧を所定の限界油圧
    値に保持する第1の工程と、 出力軸側のクラッチに滑りが検出されたならば、出力軸
    側のクラッチ油圧を該クラッチの滑りが収束するまでの
    間漸増する第2の工程と、 前記出力軸側のクラッチの滑りが収束すると、クラッチ
    油圧を前記所定の限界油圧値まで降下させ、再度滑りが
    検出されるまでこの油圧値を保持する第3の工程と、 を具える変速機の制御方法。
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