JPH056034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワークの組付ラインの２点間で組付
作業中にワークと組合せて使用するパレツトを循
環させる装置に関し、さらに言えば、本考案に係
るパレツトは、組付ラインを流れるワークそのも
ののパレツトではなく、組付ラインの途中で部分
的かつ補助的に循環使用するタイプの組付補助用
のパレツトである。

（従来の技術） 従来、自動車部品などのワークの組付ラインに
おいては、通常その搬送途中で順次ワークに部品
を直接組付けている。また、これとは異なりワー
クに仮止めした部品を一時的に取り外して、所定
の加工または他部品の組付を施したのち再びもと
の位置に組付けることもある。このような場合、
取付した部品は、本明細書でいう“組付作業中に
ワークと組合せて使用するパレツト”上に仮置き
せられることになる。パレツトをワーク上に置く
理由は、ワークとパレツトが互に離れていると、
必要スペースが増大するばかりか、パレツトの搬
送装置も必要となるからである。また、ワーク上
に置けばパレツトがワークの近くで常に同じ速度
で移動し、組付部品をパレツトから簡便に出し入
れすることができる。

なお、このパレツトを使用するのは、長い生産
工程ラインの全領域ではなく、そのうちの一部分
の経路のみである。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、従来は組付ラインの一箇所で作業者が
組付部品用パレツトをワークの上に手作業でその
都度載せ、組付ラインの他の箇所でワーク上のパ
レツトを取り出して、再び前記一箇所に作業者が
運んで戻している。このため、組付ラインにおけ
る組付部品用パレツトの出し入れに多大な手間を
要し、組付ラインの流れ速度が制限されて生産性
がわるいとともに、重いパレツトを頻繁に持ち運
びし、かつ、作業者の歩行距離も長くなる場合が
あるので腰痛などの発生原因になり作業環境の点
で問題がある。

本考案はこの点に鑑みてなされたもので、長い
組付ラインの任意の位置への設置を可能にし、か
つ、パレツトの供給回収を自動的に行えるように
して、上記問題を解決したパレツトの循環装置を
提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題を解決するための本考案に係る手段
は、搬送コンベアの下方に位置して搬送コンベア
に平行な所定長さの回収コンベアを設け、該回収
コンベアの両端に位置して前記搬送コンベアの搬
送方向に対して直角方向に移動可能なシヤトルコ
ンベアを設け、該シヤトルコンベアのほぼ直上で
あつて前記搬送コンベアの上方に位置し、上下方
向に移動可能なジヨー部を備えたシヤトル移載ユ
ニツトを前記搬送コンベアの搬送方向に対して直
角方向に移動可能に設けたことを特徴とするもの
である。

（作用） 本考案このように構成したので次の通りの作用
がある。すなわち、回収コンベアは搬送コンベア
の下方に位置して設けられ、かつ、シヤトルコン
ベアをこの回収コンベアの両端部に位置して設け
ると共にシヤトル移載ユニツトをシヤトルコンベ
アのほぼ直上であつて前記搬送コンベアの上方に
位置して設けたので、搬送コンベアに干渉するこ
となく任意の位置に回収コンベア、シヤトルコン
ベアおよびシヤトル移載ユニツトを設置すること
が可能になる。

そして、回収コンベアは任意の所定の長さにす
ることができるので、回収コンベアの長さを各組
付ステーシヨンでの作業者の組付に要する時間に
合わせて選択することが可能になり、効率的な作
業時間とパレツトの回収時間とのタイミングを図
ることが可能になる。

そして、回収コンベアを搬送コンベアに平行に
設け、この回収コンベアの両端に位置して設けた
シヤトルコンベアの移動方向を前記搬送コンベア
の搬送方向に対して直角方向にするとともに、こ
のシヤトルコンベアのほぼ直上であつて前記搬送
コンベアの上方に位置して設けたシヤトル移載ユ
ニツトの移動方向も前記搬送コンベアの搬送方向
に対して直角方向にし、このシヤトル移載ユニツ
トに上下方向に移動可能なジヨー部を設けたの
で、搬送コンベアによつて搬送されてきたパレツ
トをジヨー部で取り上げられ、シヤトル移載ユニ
ツトを搬送コンベアの搬送方向に対して直角方向
に移動することにより搬送コンベアとジヨー部と
の干渉を避けてジヨー部を下降し、ほぼ直下にあ
るシヤトルコンベアにパレツトを乗せて回収コン
ベアに移載し、次に回収コンベアの他の端部に設
けたシヤトルコンベアにパレツトを移載してシヤ
トルコンベアを搬送コンベアの搬送方向に対して
直角方向に移動して搬送コンベアとジヨー部との
干渉を避けるようにしてパレツトをジヨー部で取
り上げ、次にシヤトル移載ユニツトを搬送コンベ
アの搬送方向に対して直角方向に移動してパレツ
トを搬送コンベアに移載することが可能になる。

このように、シヤトル移載ユニツトおよびシヤ
トルコンベアを搬送コンベアの搬送方向に対して
直角方向に移動可能にし、搬送コンベアとジヨー
部の干渉を避けるようにしてパレツトを循環する
ようにしたので、搬送コンベアの任意の位置でパ
レツトを自動的に循環させることが可能になる。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を図によつて説明す
る。

第１図において、２はワーク１の組付ラインの
途中で部分的に使用される補助パレツトで、補助
パレツト２はステーシヨンＡでラインに供給さ
れ、ステーシヨンＺでラインから取り外されて再
びステーシヨンＡに自動的に戻されるものであ
る。

搬送方向が矢印Ｘ方向である搬送コンベア３の
途中にはステーシヨンＡとステーシヨンＺがあ
り、このステーシヨンＡとステーシヨンＺに対応
する位置にはパレツト用シヤトル移載ユニツト
６，１６がそれぞれ設置されている。

シヤトル移載ユニツト６はステーシヨンＡで補
助パレツト２をワーク１の上に供給する手段であ
り、シヤトル移載ユニツト１６はステーシヨンＺ
でワーク１の上の補助パレツト２を取り外す手段
である。

シヤトル移載ユニツト６とシヤトル移載ユニツ
ト１６とはほぼ同一の構造であるので、ここでは
移載ユニツト１６の構造について説明し、移載ユ
ニツト６については省略する。

シヤトル移載ユニツト１６は、逆Ｔ字型断面の
一対のベース４，４の上面に固定されたＴ型脚
５，５に載設されている。シヤトル移載ユニツト
１６の構成は、第２図に示すように、Ｔ型脚５，
５にワーク搬送方向Ｘと直角方向YY′に移動自在
に載せられたユニツト本体１７と、ユニツト本体
１７と前記方向YY′に駆動するシリンダ１８と、
ユニツト本体１７に昇降自在に支持されワーク１
を吸着するジヨー部１９と、ジヨー部１９を昇降
駆動するシリンダ２０とからなつている。

このジヨー部１９は組付部品の種類に応じて、
バキユーム方式、クロー方式、チヨー方式、マグ
ネツト方式などが採用される。

一対のベース４，４間の下部上面には、補助パ
レツト２を載置するためのシヤトルコンベア８が
配設され、シヤトルコンベア８はシリンダ９によ
つてワーク搬送方向Ｘと直角方向YY′に往復動す
るようになつている。

シヤトル移載ユニツト６のベース１４とシヤト
ル移載ユニツト１６のベース４との間には、補助
パレツト２を反ワーク搬送方向X′に運ぶ回収コ
ンベア７が設けられ、回収コンベア７の両端面は
シヤトルコンベア８，２８の側端面に近接対向し
ている。回収コンベア７およびシヤトルコンベア
８，２８は搬送コンベア３の真下において互いに
同一高さレベルで連続するよう設置され、回収コ
ンベア７に対しシヤトルコンベア８，２８はその
終端部分を構成している。

上記のように構成した実施例の動作について説
明すると、ステーシヨンＡでワーク１に補助パレ
ツト２が載せられると、補助パレツト２は搬送コ
ンベア３によりワーク１と共にＸ方向に送られ
る。その途中でワーク１のある小物部品が取外さ
れ補助パレツト２に載せ、ワーク１に所定の加工
を行つたのち小物部品はワーク１に再び組付けら
れる。組付後、補助パレツト２及びワーク１がス
テーシヨンＺに送られる。ステーシヨンＺにおい
て補助パレツト２はジヨー部１９によつて吸着さ
れたのち、シリンダ２０で持ち上げられてワーク
１から離れる。補助パレツト２がワーク１から離
れると、シリンダ１８の短縮により補助パレツト
２は第２図の位置Ｂまで後退し、次にシリンダ２
０の伸長により下方に移動し位置Ｃでシヤトルコ
ンベア８に載せられる。

シヤトルコンベア８に補助パレツト２が載せら
れると、シリンダ９の伸長により補助パレツト２
は回収コンベア７と対応する前進位置Ｄまで移動
する。

この後、補助パレツト２はステーシヨンＺのシ
ヤトルコンベア８に内蔵したモータの作動により
回収コンベア７に乗り移つて方向X′へ運ばれ、
これにより補助パレツト２は回収コンベア７から
ステーシヨンＡのシヤトルコンベア２８に乗り移
る。

シヤトルコンベア２８に補助パレツト２が乗り
移ると、第３図に示すように、シリンダ２９の短
縮により補助パレツト２は後退位置Ｅまで移動
し、ついでジヨー部３９で吸着されたのち、シリ
ンダ３０で上端位置Ｆまで持ち上げられる。つい
で、シリンダ３８の伸長によりユニツト本体２７
が前進し、補助パレツト２は、ワーク１と対応す
る前進位置まで移動する。補助パレツト２が前進
位置まで移動すると、シリンダ３０の伸長により
補助パレツト２が下降し、ジヨー部３９の吸着力
を解除することによつて補助パレツト２はワーク
１の上に載せられる。

この後、補助パレツト２は搬送コンベア３によ
つてワーク１とともにステーシヨンＺに送られ、
前述したことと同一の移動経路をたどることとな
る。上記動作サイクルを繰り返すことにより組付
部品用補助パレツト２はステーシヨンＡとステー
シヨンＺの間を循環して使用されることになる。

上記実施例では回収コンベア７はこれをベース
４の前側（搬送コンベア３側）に配設したが、第
４図に示すようにベース４の後側に回収コンベア
７を配設してもよい。

また、第５図に示すように、補助パレツト２を
ワーク１に載せずに、搬送コンベア３のワーク１
の近くに載せることにより、補助パレツト２をワ
ーク搬送方向に運ぶようにしてもよい。

このように構成した本実施例の作用について次
に説明する。第１図において、回収コンベア７は
搬送コンベア３の下方に位置して設けられ、か
つ、シヤトルコンベア８，２８をこの回収コンベ
ア７の両端部に位置して設けると共にシヤトル移
載ユニツト６，１６をシヤトルコンベア８，２８
のほぼ直上であつて前記搬送コンベア３の上方に
位置して設けたので、搬送コンベア３に干渉する
ことなく搬送コンベア３の任意の位置に回収コン
ベア７、シヤトルコンベア８，２８およびシヤト
ル移載ユニツト６，１６を設置することが可能に
なる。

そして、回収コンベア７は任意の所定の長さに
することができるので、回収コンベア７の長さを
搬送コンベア３とは無関係に任意に決定すること
が可能になる。例えば搬送コンベア３が連続的に
動いている場合に、搬送コンベア３の搬送速度と
作業者による組付時間との関係で組み立てが完了
できる区間に第１図に示すステーシヨンＡとＺを
設け、このステーシヨン間に合わせて回収コンベ
ア７の長さを決定することが可能であり、また搬
送コンベア３が組付作業時間に合わせて間欠的に
移動する場合には搬送されてきた部品の組付を完
了する作業者の組付に要する時間に合わせて補助
パレツト２の循環速度が適切になるように回収コ
ンベア７の長さを選択することが可能になり、作
業時間と補助パレツト２の回収時間との間の効率
的なタイミングを図ることが可能になる。

そして、回収コンベア７を搬送コンベア３に平
行に設け、この回収コンベア７の両端に位置して
設けたシヤトルコンベア８，２８の移動方向を前
記搬送コンベア３の搬送方向Ｘに対して直角方向
にするとともに、このシヤトルコンベア８，２８
のほぼ直上であつて前記搬送コンベア３の上方に
位置して設けたシヤトル移載ユニツト６，１６の
移動方向も前記搬送コンベア３の搬送方向Ｘに対
して直角方向にし、このシヤトル移載ユニツト
６，１６に上下方向に移動可能なジヨー部１９，
３９を設けたので、搬送コンベア３によつて搬送
されてきた補助パレツト２をジヨー部１９で取り
上げ、シヤトル移載ユニツト１６を搬送コンベア
３の搬送方向Ｘに対して直角方向に移動すること
により搬送コンベア３とジヨー部１９との干渉を
避けてジヨー部１９の下降を可能にし、これによ
りほぼ直下にあるシヤトルコンベア８に補助パレ
ツト２を乗せることができて回収コンベア７に移
載することが可能になり、次に回収コンベア７の
他の端部に設けたシヤトルコンベア２８に補助パ
レツト２を移載してシヤトルコンベア２８を搬送
コンベア３の搬送方向Ｘに対して直角方向に移動
して搬送コンベア３とジヨー部３９との干渉を避
けるようにして補助パレツト２をジヨー部３９で
取り上げることが可能になり、次にシヤトル移載
ユニツト６を搬送コンベア３の搬送方向Ｘに対し
て直角方向に移動して補助パレツト２を搬送コン
ベア３に移載することが可能になる。

このように、シヤトル移載ユニツト６，１６お
よびシヤトルコンベア８，２８を搬送コンベア３
の搬送方向Ｘに対して直角方向に移動可能にし、
搬送コンベア３とジヨー部１９，３９の干渉を避
けるようにして補助パレツト２を循環するように
したので、搬送コンベア３の任意の位置で補助パ
レツト２を自動的に循環させることが可能にな
る。

（考案の効果） 以上詳述した通り本考案によれば、搬送コンベ
アの任意の位置に回収コンベア、シヤトル移載コ
ンベアおよびシヤトルコンベアを設置可能にし、
かつ、シヤトル移載ユニツトおよびシヤトルコン
ベアを搬送コンベアの搬送方向に対して直角方向
に移動可能にし、搬送コンベアとジヨー部の干渉
を避けるようにしてパレツトを循環するようにし
たので、搬送コンベアの任意の位置でパレツトを
自動的に循環させることができる。

また、回収コンベアのながさが作業者の組付時
間およびパレツトの回収時間との兼ね合いで任意
に選択できるので、組付時間とパレツトの回収時
間のタイミングを効率よく行うことができる。

このように、搬送コンベアの任意の位置への設
置ができ、かつ、パレツト回収循環の自動化と組
付時間とパレツトの回収時間のタイミングの効率
化により、生産性が大幅に向上し、作業環境を大
幅に改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体正面図、
第２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図
は第１図の−線に沿う断面図、第４図、第５
図はそれぞれ第１図に示すシヤトル移載ユニツト
の構造の変形例を示す断面図である。 １……ワーク（被組付部品）、２……組付用補
助パレツト、３……搬送コンベア、６……シヤト
ル移載ユニツト（パレツト供給ユニツト）、１６
……シヤトル移載ユニツト（パレツト取出しユニ
ツト）、７……回収コンベア、８，２８……シヤ
トルコンベア、Ａ，Ｚ……ステーシヨン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送コンベアの下方に位置して搬送コンベアに
   平行な所定長さの回収コンベアを設け、該回収コ
   ンベアの両端に位置して前記搬送コンベアの搬送
   方向に対して直角方向に移動可能なシヤトルコン
   ベアを設け、該シヤトルコンベアのほぼ直上であ
   つて前記搬送コンベアの上方に位置し、上下方向
   に移動可能なジヨー部を備えたシヤトル移載ユニ
   ツトを前記搬送コンベアの搬送方向に対して直角
   方向に移動可能に設けたことを特徴とするパレツ
   トの循環装置。