JPH0560102A - 流体圧アクチユエータ装置 - Google Patents

流体圧アクチユエータ装置

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JPH0560102A
JPH0560102A JP3218304A JP21830491A JPH0560102A JP H0560102 A JPH0560102 A JP H0560102A JP 3218304 A JP3218304 A JP 3218304A JP 21830491 A JP21830491 A JP 21830491A JP H0560102 A JPH0560102 A JP H0560102A
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electromagnetic
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negative pressure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体圧アクチュエータ装置の応答性を向上さ
せる。 【構成】 車両のEGR装置の弁体5の開度を変化させ
るアクチュエータ本体12と、負圧タンク13と、これ
らを連通する連通路19と、連通路19から分岐する通
路23と、第1及び第2の電磁開閉弁14,15と、開
度センサ21と、各電磁開閉弁14,15を選択的に操
作するコントローラ16等を備えた負圧アクチュエータ
装置10である。コントローラ16は、CU4から供給
された目標開度Lt と、開度センサ21から供給された
実測開度Lm との大小関係より、いずれの電磁開閉弁を
操作するかを決定すると共に、その操作時間を、実測開
度L m と目標開度Lt との差、及び圧力室18の容積V
の大小に応じて算出する。この操作時間中は電磁開閉弁
が開弁しており、弁体5の開度を迅速に変化させること
ができる。また、容積Vが考慮されているので、前記変
化が正確になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開閉弁等を、流体の圧
力を利用して開閉操作する流体圧アクチュエータ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両に装備された排気ガス再循環装置
(以下、EGR装置と称す)のコントロールバルブは、
エンジン吸気系の負圧を利用した流体圧アクチュエータ
装置で開閉操作されている。従来の流体圧アクチュエー
タ装置は、例えばベロフラムで区画された負圧室を有す
るアクチュエータ本体と、この負圧室にインテークマニ
ホールドの負圧を供給する連通路と、この連通路の途中
から分岐する大気開放路と、大気開放路を開閉する第1
の電磁開閉弁と、連通路を、大気開放路とインテークマ
ニホールドとの間の位置で開閉する第2の電磁開閉弁
と、各電磁開閉弁を選択的に操作するコントローラ等を
備えて構成されている。アクチュエータ本体は、EGR
装置のコントロールバルブと一体に形成されており、コ
ントロールバルブの弁体はベロフラムに取り付けられて
いる。従って、コントローラが各電磁開閉弁を選択的に
操作して前記負圧室内の圧力を変化させると、ベロフラ
ムが変位して前記コントロールバルブの開度が変化す
る。
【0003】コントローラは、コントロールバルブに取
り付けられた開度センサからの信号に基づいてバルブの
現在の開度を監視している。そして、この現在の開度L
m と、EGR装置で算出された目標開度Lt との偏差Δ
Lを求め、各電磁開閉弁をフィードバック制御してい
る。つまり、コントローラは、目標開度Lt が現在開度
m よりも大きく偏差ΔLが正の場合には、第2の電磁
開閉弁を開弁させて負圧室に負圧を導入し、目標開度L
t が現在開度Lm よりも小さく偏差ΔLが負の場合に
は、第1の電磁開閉弁を開弁させて負圧室に大気圧を導
入する。
【0004】そして、コントローラは、偏差ΔLの絶対
値が所定値ε1 よりも大きい場合には、一方の電磁開閉
弁を全開させてアクチュエータ本体を急激に駆動し、偏
差ΔLの絶対値が所定値ε1 以下になると一方の電磁開
閉弁をデューティ制御してアクチュエータ本体を緩やか
に駆動させ、さらに、偏差ΔLの絶対値が所定値ε2
りも小さくなると、現在開度Lm と目標開度Lt とが一
致したものとみなし、電磁開閉弁を全閉させてアクチュ
エータ本体を停止させ、コントロールバルブのオーバシ
ュートを防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の流体圧アクチュエータ装置においては、前記偏差Δ
Lの絶対値が所定値ε2 よりも小さくなった場合に、電
磁開閉弁をデューティ制御してコントロールバルブを緩
やかに操作するので、コントロールバルブを迅速に変位
させることができず、流体圧アクチュエータ装置が応答
性に劣るとの問題があった。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、操作の確実性を保持しつつ、応答性に
優れた流体圧アクチュエータ装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、被駆動部材の現在位置を検出する手
段を有し、この被駆動部材を目標位置にまでフィードバ
ック制御しながら変位させる流体圧アクチュエータ装置
において、可動膜で区画された圧力室を有するととも
に、被駆動部材と可動膜とを連結する出力伝達部材を有
するアクチュエータ本体と、圧力源と、圧力室と圧力源
とを連通する流体通路と、この流体通路の途中に設けら
れた大気開放通路と、大気開放通路を開閉する第1の電
磁開閉弁と、流体通路の途中に、圧力源と大気開放通路
との間に位置して設けられた第2の電磁開閉弁と、圧力
室の容積を検出する容積検出手段と、第1及び第2の電
磁開閉弁を選択的に開閉操作して圧力室の容積を変化さ
せるコントローラとを備え、このコントローラは、被駆
動部材の現在位置と目標位置との大小関係より第1及び
第2の電磁開閉弁のうちのいずれの電磁開閉弁を操作す
るかを決定すると共に、この決定された電磁開閉弁の操
作時間を、前記現在位置と目標位置との差、及び圧力室
の容積の大小に応じて算出する構成としたものである。
【0008】
【作用】第1及び第2の電磁開閉弁を選択的に操作する
ことで、アクチュエータ本体の圧力室内には大気圧ある
いは圧力源の圧が導入され、可動膜が変位する。可動膜
が変位すると、出力伝達部材が被駆動部材を移動させ
る。操作する電磁開閉弁や、その操作時間を変えると、
可動膜の変位する方向や距離が変化し、従って、被駆動
部材の移動方向や距離が変わる。
【0009】コントローラは、被駆動部材の現在位置と
目標位置との大小関係より第1の電磁開閉弁を操作する
か第2の電磁開閉弁を操作するかを決定する。そして、
前記現在位置と目標位置との差、及び負圧室の容積の大
小に応じて、電磁開閉弁の操作時間を算出する。この操
作時間だけ、コントローラが、操作決定された電磁開閉
弁を操作すると、可動膜が所望方向に所望距離だけ変位
し、従って、被駆動部材が目標位置まで移動する。コン
トローラは、例えば、所定の時間周期毎に、または、被
駆動部材の目標位置が更新される毎に上記手順を繰り返
し、被駆動部材をフィードバッグ制御する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明を適用した流体圧アクチュ
エータ装置の一実施例を示し、この流体圧アクチュエー
タ装置10は、負圧アクチュエータ装置であり、例え
ば、EGR装置に取り付けられている。
【0011】EGR装置は、排気管と吸入管(共に図示
せず)を連通させる排気ガス再循環路2と、この排気ガ
ス再循環路2に介在されたコントロールバルブユニット
(以下、単にバルブユニットと記す)3と、各種センサ
からの信号に基づきバルブユニット3の目標開度(目標
位置)Lt を算出するEGRコントロールユニット4等
より構成されている。バルブユニット3は、排気ガス再
循環路2内の排気ガス流量を調整する弁体5と、後述す
るように流体圧アクチュエータ装置10の構成要素であ
るアクチュエータ本体12等を備えている。また、EG
Rコントロールユニット(以下、CUと記す)4は、算
出した目標開度Lt の更新毎に、この目標開度Lt を流
体圧アクチュエータ装置10のコントローラ16に供給
する。
【0012】流体圧アクチュエータ装置(以下、負圧ア
クチュエータ装置と記す)10は、アクチュエータ本体
12、負圧タンク13、第1及び第2の電磁開閉弁1
4,15、及びコントローラ16等より構成されてい
る。この負圧アクチュエータ装置10は、フィードバッ
ク制御することにより、バルブユニット3、詳しくは弁
体5の実測開度Lm をCU4から供給された目標開度L
t に向けて変化させる。
【0013】アクチュエータ本体12は、所謂べロフラ
ム式のアクチュエータで、ケーシング12a内に配置さ
れたベロフラム12bで負圧室18を区画している。ケ
ーシング12aは、前記排気ガス再循環路2の所定位置
に介在されている。このケーシング12aの所定位置に
は、負圧室18に臨むポート12cが形成されており、
このポート12cには、連通路19の一端19aが接続
されている。
【0014】ベロフラム12bには、弁軸12eが接続
されている。この弁軸12eは、前記弁体5と一体に成
形されている。従って、このベロフラム12bが変位す
ると、弁体5の開度が変化する。また、ベロフラム12
bは、リターンスプリング12dにより、バルブユニッ
ト3を閉じる方向に常時付勢されている。また、アクチ
ュエータ本体12には、開度センサ21が取り付けられ
ている。開度センサ21は、前記弁体5の開度を電気抵
抗を利用して検出し、実測開度L m としてコントローラ
16に供給する。弁体5は、弁軸12eを介してベロフ
ラム12bに接続されているので、コントローラ16
は、弁体5の実測開度Lm が小さい場合には負圧室18
の容積Vが大であると、また、全体5の実測開度Lm
大きい場合には負圧室18の容積Vが小であると判断す
る。即ち、開度センサ21は、バルブユニット3の実測
開度Lm を検出する開度検出手段であると共に、負圧室
18の容積Vを検出する容積検出手段でもある。
【0015】負圧タンク13には、連通路19の他端1
9bが接続されている。従って、負圧タンク13と前記
アクチュエータ本体12の負圧室18とは、この連通路
19を介して連通されている。負圧タンク13は所定の
容積を有しており、逆止弁20を介して負圧源、例えば
インテークマニホールド(図示せず)に接続されてお
り、所定の負圧力を蓄えている。従って、この負圧タン
ク13は、所定の負圧力を負圧室18に供給することが
できる。
【0016】連通路19の途中からは通路23が分岐し
ており、その先端23aは大気に開放されている。そし
て、この通路23の途中には、第1の電磁開閉弁14が
取り付けられている。第1の電磁開閉弁14は常閉型の
開閉弁で、コントローラ16がソレノイド14aを励磁
すると弁体14bが通路23を開く。通路23が開く
と、連通路19を介して負圧室18内に大気が供給され
る。負圧室18内に供給される大気の量、即ち圧力の大
きさは、電磁開閉弁14の開弁時間で決定される。
【0017】第2の電磁開閉弁15は、連通路19の途
中に、通路23と負圧タンク13との間に位置して設け
られている。電磁開閉弁15は常閉型の開閉弁で、コン
トローラ16がソレノイド15aを励磁すると弁体15
bが連通路19を開く。連通路19が開くと、負圧タン
ク13から負圧室18内に所定の負圧力が供給される。
負圧室18内に供給される負圧力の量、即ち負圧の大き
さは、電磁開閉弁14の開弁時間により決定される。
【0018】コントローラ16は、マイクロコンピュー
タを有している。コントローラ16の入力側には開度セ
ンサ21及びCU4が、また、出力側には各電磁開閉弁
14,15がそれぞれ電気的に接続されている。コント
ローラ16は、後述する手順に従い、各電磁開閉弁1
4,15を励磁して負圧室18内の圧力を調整し、弁体
5の実測開度Lm をCU4から供給された目標開度Lt
に一致させる方向に変化させる。コントローラ16は、
所定時間毎に、また、CU4からの目標開度Lt が更新
される毎にその手順を繰り返し、フィードバック制御す
る。
【0019】また、コントローラ16内のメモリには、
後述する弁開度制御ルーチン、所定値ε0 ,α,β,T
D1、図4及び図5のコントロールマップ等が予め記憶さ
れている。次に、負圧アクチュエータ装置10が、弁体
5の弁開度を変化させる手順を、図2及び図3に基づい
て詳述する。
【0020】図2及び図3は、コントローラ16のメモ
リ内に記憶された弁開度制御ルーチンの流れ図であり、
このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。し
かしながら、CU4から供給される目標開度Lt が更新
された場合には、たとえこのルーチンを実行している最
中であっても、その実行を直ちに中止して新たにこのル
ーチンの実行を開始する。
【0021】先ず、図2のステップS31においては、
CU4から供給された目標開度Lt と、開度センサ21
から供給された実測開度Lm とを読み込む。そして、ス
テップS32において、目標開度Lt から実測開度Lm
を減じて偏差ΔLを求める。ステップS33では、偏差
ΔLの絶対値が、所定値ε0 に比べて小であるか否かを
判断する。偏差ΔLの絶対値が微小であり所定値ε0
りも小さいには、コントローラ3の開度が、目標開度L
t と一致しているとみなすことができる。従って、偏差
ΔLの絶対値が所定値ε0 よりも小の場合には、各電磁
開閉弁14,15を操作することなくこのルーチンから
脱出し、再度所定時間毎に、または、目標開度Lt が更
新される毎にこのルーチンを繰り返し実行する。
【0022】一方、ステップS33において、上述の条
件を満たさず、偏差ΔLの絶対値が所定値ε0 以上の場
合には、ステップS34に進む。ステップS34では、
操作する電磁開閉弁を決定する。つまり、偏差ΔLが正
の場合、即ち目標開度Lt が実測開度Lm よりも大きい
場合にはステップS35に進み、操作する電磁開閉弁を
第2の電磁開閉弁15に設定する。これにより、負圧室
18に負圧を供給でき、負圧室18の容積Vを減少させ
て、弁体5の開度を増加させることができる。
【0023】一方、ステップS34において、偏差ΔL
が負の場合、即ち目標開度Lt が実測開度Lm に比べて
小さい場合にはステップS36に進み、操作する電磁開
閉弁を第1の電磁開閉弁14に設定する。これにより、
負圧室18に大気圧を供給でき、負圧室18の容積Vを
増加させて、弁体5の開度を減少させることができる。
【0024】そして、ステップS37では、コントロー
ラ16のメモリに記憶されているコントロールマップを
基に、上述のようにして決定された電磁開閉弁の基本開
弁時間T0 を求める。このコントロールマップの概念を
図4に示す。偏差ΔLが正の領域では第2の電磁開閉弁
15の基本開弁時間T0 を表し、偏差ΔLが負の領域で
は第1の電磁開閉弁15の基本開弁時間T0 を表してい
る。基本開弁時間T0 の設定曲線は、偏差ΔLの絶対値
の増加に応じて増加するように設定されている。基本開
弁時間T0 の設定曲線は、負圧室18の容積Vごとに設
定されており、容積Vが、V1 ,V2 ・・・Vn と増加
するに従って各設定曲線の傾きが大きくなり、容積Vが
大きくなるに従って基本開弁時間T0 を大きく設定して
いる。
【0025】負圧室18の容積Vの大小は、弁体5の開
度等に影響を与える。詳述すると、アクチュエータ本体
12のベロフラム12bの変形量(変位量)と、負圧室
18の容積Vの変化量とは、比例しない。つまり、ベロ
フラム12bが伸びていない状態から所定量Xだけ伸び
た場合と、ある程度伸びている状態からさらに所定量X
だけ伸びた場合とでは、負圧室18の容積Vの変化量が
異なる。換言すると、負圧室18内に一定量の大気圧あ
るいは負圧が導入された場合、その容積Vが比較的小さ
い容積V1 であるときと、容積V1 よりも大きいV2
あるときとでは、ベロフラム12bの変形量が異なる。
【0026】弁体5は、ベロフラム12bが変形するこ
とで開閉されるので、ベロフラム12bの変形量が異な
ると、弁体5の移動距離、即ち開度量も異なる。このた
め、負圧室18の容積Vの大小に応じてその変化量を調
整すれば、容積VがV1 の場合とV2 の場合とで弁体5
の移動距離を一定にすることができる。負圧室18内の
容積Vは、負圧室18内の圧力変化に伴って変化する。
負圧室18内に供給される圧力の大きさは、前述したよ
うに、各電磁開閉弁14,15の開弁時間で決定され
る。従って、負圧室18の容積VがV1 ,V2 ・・・V
n と増加するに応じて基本開弁時間T0 を大きく設定す
ると、負圧室18の容積Vの大小とは無関係に弁体5の
移動距離が一定になる。
【0027】そして、ステップS37において、基本開
弁時間T0 を求めた後、図3に示すステップS40に進
む。ステップS40では、電磁開閉弁14あるいは15
を励磁中であるか否かを識別し、弁体5の操作中である
か否かを判断する。つまり、このルーチンは、その実行
が最終ステップ(ステップS47)まで進んでいない場
合であっても、前記目標開度Lt が更新されたときに
は、その実行を途中で中止して、新たにステップS31
から実行し直す。このときには、弁体5の開度を変化さ
せている状態のままで前回のルーチンの実行を中止する
ことがある。
【0028】弁体5の開度を変化させている状態でのま
まで前回のルーチンの実行を中止したときには、電磁開
閉弁14あるいは15が励磁されてから実際に弁体5の
開度が変化し始めるまでの応答遅れ等の時間を考慮する
必要がない。一方、電磁開閉弁14あるいは15が励磁
されておらず、弁体5の開度が保持されているときに
は、前記応答遅れ等の時間を考慮する必要がある。
【0029】ステップS40において、電磁開閉弁14
あるいは15を励磁しておらず、弁体5の開度が保持さ
れていると判断した場合には、ステップS41に進む。
そして、ステップS41において、弁体5の開度の微分
値よりこの開弁速度を求めた後、ステップS42に進
み、基本開弁時間T0 の補正時間TD をメモリに記憶さ
れているコントロールマップに基づいて演算する。
【0030】図5は、このコントロールマップの概念を
示す。電磁開閉弁14,15を励磁していない場合にの
み、ステップS40からステップS41,42に進むの
であるが、この場合においても、排気ガス再循環路2内
を流れる排気ガス等の圧力等により弁体5の開度が変化
することがある。従って、補正時間TD を設定する際、
このことを考慮する。
【0031】つまり、弁体5が停止中でその開弁速度が
0である場合や、開弁速度の絶対値が所定値α以下の場
合には、補正時間TD を所定値TD1に設定する。また、
前記開弁速度の絶対値が所定値αよりも大きく、且つ、
所定値β以下の場合には、その開弁速度に応じて補正時
間TD を設定する。そして、前記開弁速度の絶対値が所
定値βよりも大きい場合には、電磁開閉弁14あるいは
15が励磁されてから実際に弁体5の開度が変化し始め
るまでの応答遅れの時間等を考慮せずに、補正時間TD
に0を代入する。そして、ステップS44に進む。
【0032】なお、ステップS42においては、所定の
値を一律に補正時間TD に代入しても良い。一方、ステ
ップS40において、電磁開閉弁14あるいは15を励
磁しており、弁体5の開度が変化している最中であると
判断した場合には、ステップS43に進み、上述したよ
うに補正時間TD に0を代入する。そして、ステップS
44に進む。
【0033】ステップS44では、開弁タイマTを設定
する。即ち、開弁タイマTには、ステップS37で求め
た基本開弁時間T0 と、ステップS42,S43で求め
た補正時間TD とを加えた時間を代入する。そして、ス
テップS45に進み、コントローラ16は、ステップS
35あるいはS36で設定された電磁開閉弁14あるい
は15の励磁を開始する。これにより、電磁開閉弁14
あるいは15は全開となり、従来のように電磁開閉弁を
デューティ制御した場合に比べて、短時間に多量の空気
を流すことができ、負圧室18の容積Vの増減が迅速に
なる。
【0034】ステップS46では、開弁タイマTの経過
を判断し、時間Tが経過していない場合にはこのステッ
プをループし、弁体5を目標開度Lt に向けて変化させ
る。そして、時間Tが経過すると、ステップS47に進
み、励磁中の電磁開閉弁14あるいは15の励磁を停止
しこれを閉弁させる。従って、各電磁開閉弁14及び1
5は閉弁状態となり、負圧室18内の圧力及び容積Vは
保持される。
【0035】そして、このルーチンから脱出し、所定時
間の経過毎、あるいは、目標開度L t の更新毎に、繰り
返しこのルーチンを実行し、弁体5の開度をフィードバ
ック制御する。なお、本実施例の負圧アクチュエータ装
置10においては、車両に装備されたEGR装置のバル
ブユニット3の弁体5を開閉操作する構成としたが、こ
れに限るものではなく、例えば、車両に装備されるトラ
クションコントロールシステムのスロットルバルブ等
を、負圧アクチュエータ装置10で開閉操作しても良
い。
【0036】また、本実施例においては、負圧室18を
有する負圧アクチュエータ装置10に適用した場合につ
いて説明したが、これに限るものではなく、正圧室を有
する正圧アクチュエータ装置に適用しても良い。さら
に、本実施例においては、ベロフラム12bに代えて、
単なるダイヤフラムやベーロズ等でも良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
ントローラは、被駆動部材の現在位置と目標位置との関
係と、これに加えて圧力室の容積の大小に応じて、第1
あるいは第2の電磁開閉弁の操作時間を算出する。操作
時間中には、電磁開閉弁が全開し、駆動部材を迅速に変
位させることができる。また、操作時間には圧力室の容
積が反映されており、被駆動部材の変位精度が向上する
等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した流体圧アクチュエータ装置の
一実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1の流体圧アクチュエータ装置の作動を示
し、その処理の前側部分の流れ図である。
【図3】図2の続きの処理の流れ図である。
【図4】基本開弁時間T0 を求めるコントロールマップ
の概念図である。
【図5】補正時間TD を求めるコントロールマップの概
念図である。
【符号の説明】
3 コントロールバルブユニット 10 負圧アクチュエータ装置 12 アクチュエータ本体 13 負圧タンク 14 第1の電磁開閉弁 15 第2の電磁開閉弁 16 コントローラ 18 負圧室 19 連通路 21 開度センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動部材の現在位置を検出する手段を
    有し、この被駆動部材を目標位置にまでフィードバック
    制御しながら変位させる流体圧アクチュエータ装置にお
    いて、 可動膜で区画された圧力室を有するとともに、被駆動部
    材と可動膜とを連結する出力伝達部材を有するアクチュ
    エータ本体と、圧力源と、圧力室と圧力源とを連通する
    流体通路と、この流体通路の途中に設けられた大気開放
    通路と、大気開放通路を開閉する第1の電磁開閉弁と、
    流体通路の途中に、圧力源と大気開放通路との間に位置
    して設けられた第2の電磁開閉弁と、圧力室の容積を検
    出する容積検出手段と、第1及び第2の電磁開閉弁を選
    択的に開閉操作して圧力室の容積を変化させるコントロ
    ーラとを備え、 このコントローラは、被駆動部材の現在位置と目標位置
    との大小関係より第1及び第2の電磁開閉弁のうちのい
    ずれの電磁開閉弁を操作するかを決定すると共に、この
    決定された電磁開閉弁の操作時間を、前記現在位置と目
    標位置との差、及び圧力室の容積の大小に応じて算出す
    ることを特徴とする流体圧アクチュエータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007534028A (ja) * 2004-04-20 2007-11-22 イントラレース コーポレーション 閉ループ焦点位置合わせシステムおよび方法
JP2012207747A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Azbil Corp ポジショナ

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