JPH0559299U - 電解質測定用フロー型電極 - Google Patents

電解質測定用フロー型電極

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JPH0559299U
JPH0559299U JP135892U JP135892U JPH0559299U JP H0559299 U JPH0559299 U JP H0559299U JP 135892 U JP135892 U JP 135892U JP 135892 U JP135892 U JP 135892U JP H0559299 U JPH0559299 U JP H0559299U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存中に気温や気圧の変化があってもイオン
感応膜の好しくない変形や破壊が生ぜず、電極性能の劣
化を良好に防止することのできるフロー型電極を提供す
る。 【構成】 電極外壁(2)の一点から他点へ試料を電極
内部に保有される電解質溶液(7)と接触することなく
流通させる試料流路孔(3)を内有する流路部(4)、
該流路部(4)の一部を欠損させ該欠損部に試料と接す
るようにイオン感応膜(5)を貼付し、電極外壁(2)
を貫通して一端が該イオン感応膜(5)の近傍に、他端
が電極の外部に位置するように内部極(6)を配置して
構成される電解質測定用フロー型電極において、電極内
部圧の変化に応じて、使用されているイオン感応膜の引
張り強度の0.8倍以下の圧力で作動する電極内部圧調
節部(1)が設けられていることを特徴とする電解質測
定用フロー型電極。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は電解質分析装置に用いるフロー型電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフロー型電極は、図3に斜視図(一部破断して示す)を示したように電 極外壁(2)の一点から他点へ試料を電極内部に保有される電解質溶液(7)と 接触することなく流通させる試料流路孔(3)を内有する流路部(4)、該流路 部(4)の一部を欠損させ該欠損部に試料と接するようにイオン感応膜(5)を 貼付し、電極外壁(2)を貫通して一端が該イオン感応膜(5)の近傍に、他端 が電極の外部に位置するように内部極(6)を配置して構成されている。
【0003】 一般にイオン感応膜はポリ塩化ビニル等の熱可組成樹脂と可塑剤からなる液膜 、また高分子膜から構成されており、また電解質溶液は電極内部に接着剤等を用 い密封されている。電極外壁(2)及び流路部(4)は硬質樹脂から成り、これ ら電極を構成している硬質樹脂を以下電極セルと称する。電極セルは通常硬質ポ リ塩化ビニル(以下、硬質塩ビとも略す)、ポリアセタール、ポリピロピレン、 ポリスチレン、ポリカーボネート等の硬質樹脂等が用いられる。
【0004】 フロー型電極を用いる電解質分析装置の一例の概念図を図2に示す。本装置は 、フロー型電極21が設置された測定セル22の一端に液流入路23、及び他端 に液流出路24を連繋し、該比較電極液の流路25に比較電極液の流路25及び 液排出路26を連繋し、該液流出路25には比較電極27が設けられて構成され る。前記フロー型電極21と比較電極27とは、電圧計28を介して結線されて いる。該電解質測定装置を使用して試料液のイオン濃度を測定する場合次の操作 を行う。すなわち、まず、液流入路23の末端に、試料液29、比較電極液の流 路25の末端に比較電極液30を用意しておく。次に液排出路26に取り付けら れたポンプ31を駆動し試料液29を液流入路23、測定セル22及び液流出路 24に通し、他方比較電極液30を比較電極液の流路25に通して、液排出路2 6から夫々排出する。そして、この排出を連続的又は間欠的に行いながら、フロ ー型電極21と比較電極27との間の電位差を測定する。この測定された電位差 の値から、試料液中のイオン濃度を知得する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
フロー型電極の電極セルの材質である硬質塩ビ、ポリカーボネート等の硬質樹 脂は引張り強度(25℃)が約250kg/cm2 以上であり高い強度を有して いる。それに対しイオン感応膜は軟質ポリ塩化ビニル(以下、軟質塩ビとも略す )等からなる引張り強度(25℃)が0.1〜50kg/cm2 程度の柔らかい 液膜あるいは比較的脆い高分子膜等からなる。そのため、例えば硬質塩ビからな る電極外壁にイオン感応膜、内部極を取付け電解質溶液を充填したのち電極内部 を密封しフロー型電極を完成した場合、電極内部の圧力変動は相対的に柔らかい イオン感応膜が受けやすい。言い換えれば、イオン感応膜は、電極内部に含まれ る電解質溶液および電極内部に温度変化または圧力変化により電解質溶液中から 発生した空気が、電極保存中の気温変化および航空輸送の際の気圧変化により体 積変化を起こしたときに変形を起こしやすい。そして、さらには変形量がイオン 感応膜の変形限界を越え、膜の非可逆的変形、さらには破壊が起こる場合がある 。イオン感応膜が試料流路孔側に変形した場合、流通試料量が減少し、試料流通 速度が速くなるためイオン感応物質が溶失しやすくなる。イオン感応膜が試料流 路孔の反対側に変形した場合、試料流通速度が遅くなり汚れの付着が起こりやす くなる。さらにはイオン電極自体の性能の劣化が起こり、分析目的イオン以外の 共存するイオンに対する選択性の低下、寿命の短命化さらにはフロー型電極が使 用不可能になるという問題点があった。
【0006】 本考案の課題は、これら従来の問題点を解決したフロー型電極を提供すること である。すなわち、フロー型電極が保存中に気温の変化または気圧の変化を受け た際にも、イオン感応膜が変形を起こさず、さらには電極性能の劣化を良好に防 止し得るフロー型電極を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果本考案 の代表的実施態の斜視図(一部破断して示す)である図1に示したようにフロー 型電極に電極内部圧調節部(1)を取り付けることにより目的を達し得ることを 見いだし、本考案をここに提案するに至った。
【0008】 即ち、本考案は、電極外壁(2)の一点から他点へ試料を電極内部に保有され る電解質溶液(7)と接触することなく流通させる試料流路孔(3)を内有する 流路部(4)、該流路部(4)の一部を欠損させ該欠損部に試料と接するように イオン感応膜(5)を貼付し、電極外壁(2)を貫通して一端が該イオン感応膜 (5)の近傍に、他端が電極の外部に位置するように内部極(6)を配置して構 成される電解質測定用フロー型電極において、電極内部圧の変化に応じて、使用 されているイオン感応膜の引張り強度の0.8倍以下の圧力で作動する電極内部 圧調節部(1)が設けられていることを特徴とする電解質測定用フロー型電極で ある。
【0009】 ここで電極外壁(2)とは図1に示すように一般に電極セルを構成している硬 質樹脂のうち流路部でない部分である。
【0010】 また、電極内部は、電極外壁、流路部およびイオン感応膜で囲まれた空間部分 であり、該電極内部には電解質溶液が保有されている。
【0011】 電解質溶液(7)は、分析目的のイオンをある一定量含んだ水溶液であり、例 えば、ナトリウムイオンの分析に用いるナトリウム電極の場合には0.01〜1 Mの塩化ナトリウム水溶液が好適に、カリウムイオンの分析に用いるカリウム電 極の場合には0.01〜1Mの塩化カリウム水溶液が好適に用いられる。
【0012】 また、試料流路孔(3)は、流路部に内有状態で設けられた試料が流通する部 分であり、その両端は電極外壁を貫通している。一般に試料流路孔の内径は0. 1〜2mmのものが用いられる。
【0013】 流路部(4)は電極セルのうち試料流路孔(3)を内有する部分である。
【0014】 また、イオン感応膜(5)は分析目的のイオンに比べ分析試料中に含まれる共 存イオンの影響を受けにくいイオン感応性物質を含有した膜である。該感応性物 質はイオン電極の種類に応じ、例えばナトリウム電極であればナトリウム感応性 物質を、クロル電極であればクロル感応性物質を含んでいる。感応膜の様態は、 イオン感応膜に含有されるイオン感応性物質によって異なるが、例えばイオン感 応性物質が分子量約1500以下の比較的低分子量の有機化合物では例えばポリ 塩化ビニルおよび可塑剤等を含有することにより液膜として、また、イオン感応 性物質が重量平均分子量2000以上の比較的高分子量の有機化合物では単体で 高分子膜として使用することが出来る。
【0015】 また、内部極(6)としては、銀/塩化銀電極、飽和カロメル電極、炭素電極 、白金電極等の公知の参照電極を用いることができる。内部極とイオン感応膜と の距離は、測定電位安定のため1〜5mmの範囲であることが望ましい。
【0016】 また、引張り強度は材料の機械特性を表す数値の一種であり、材料を切断する までに耐えた最大荷重を平行部の原断面積で除した商であって、その算出方法は 例えば[プラスチックポケットブック p345(桜内雄二郎編著、工業調査会 )]その他に示されている。
【0017】 本考案の最大の特徴は、電極内部圧の変化に応じて、使用されているイオン感 応膜(5)の引張り強度の所定以下の圧力で作動する電極内部圧調節部(1)が 設けられていることである。該電極内部圧調節部(1)は、電極内部圧を変化さ せる原因となる気温や気圧の変化等が生じた場合にも、該電極内部圧を調節し、 イオン感応膜の好しくない変形や破壊を防止するものである。
【0018】 電極内部圧の調節は、一般に電極内部と電極外部の圧力の差を緩和する作用に よってなされる。
【0019】 電極内部圧調節部(1)の代表的な具体的態様としては、電極外壁(2)に所 定以下の圧力で作動即ち変形して電極内部圧を調節する膜状物(以下、単に「変 形可能な膜状物」とも略称する)を設ける態様や同じく電極外壁(2)に所定以 下の圧力で作動して電極内部圧を調節するシリンジ状物を設ける態様が挙げられ る。
【0020】 これらの電極内部圧調節部(1)が作動する圧力は、イオン感応膜(5)の好 しくない変形や破壊を防止するために、一般にイオン感応膜(5)の引張強度の 0.8倍以下更に好しくは0.6倍以下の圧力であることが必須である。
【0021】 かかる所定以下の圧力で作動即ち変形する膜状物としては、例えば熱可塑性樹 脂を含む膜、金属薄膜が挙げられる。
【0022】 熱可塑性樹脂を含む膜は、熱可塑性樹脂単体、または熱可塑性樹脂および可塑 剤等から成り、その強度は一般に引張り強度(25℃)0.1〜50kg/cm 2 を示す膜であり、膜厚は10〜300μm程度である。上記引張り強度(25 ℃)0.1〜50kg/cm2 を示す膜において、熱可塑性樹脂単体では、ポリ プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セロハン、6ナイ ロン、66ナイロン等のポリアミド類、シリコーンゴム、または、天然ゴム、そ して、クロロプレン等の合成ゴム、テフロン(登録商標)樹脂が用いられる。比 較的柔軟性に欠ける膜状物を付与する熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ポ リスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル等を用いるときは、可塑剤を 使用することもできる。該可塑剤は特に限定されず公知のものを使用できるが、 一般には、次のようなものを使用すればよい。例えば、ジブチルフタレート、ジ オクチルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチ ルセバケート等の脂肪酸エステル類;0−ニトロフェニルフェニルエーテル、0 −フルオロ−0′−ニトロジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル類;0− ニトロフェニルオクチルエーテル等の0−ニトロフェニルアルキルエーテル類が 挙げられる。これらの可塑剤の添加量は膜状物の強度に応じて適宜選択すればよ いが、一般には熱可塑性樹脂100重量部に対して可塑剤を30〜300重量部 の範囲で選べば好適である。
【0023】 上記の膜状物の製造方法として代表的な製造方法を例示すれば次の通りである 。
【0024】 まず、熱可塑性樹脂単体または熱可塑性樹脂と可塑剤を有機溶媒に溶解し、該 溶液を板上面に塗布又は流し込んだ後、有機溶媒を蒸発させ膜状物とする方法が あげられる。上記有機溶媒としては熱可塑性樹脂および可塑剤を溶解する公知の ものが使用される。一般に好適に用いられる有機溶媒を具体的に例示すれば、テ トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド 、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、メチルエチルケトン 、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
【0025】 また熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂および可塑剤を添加して、該混合物を原 料に加熱成形して膜状物をする方法がある。該加熱成形する方法は公知の方法が 採用できる。例えば熱可塑性樹脂あるいは必要に応じて可塑剤を添加した混合物 を該熱可塑性樹脂の軟化温度又は溶融温度以上の温度下に溶融押しだし、膜状物 に成形する方法あるいは該混合物を熱プレスにより膜状物に成形する方法を採用 すればよい。
【0026】 また金属薄膜としては、アルミ箔、銅箔等の展性の高い膜で、通常膜厚5〜2 0μmのものが用いられる。
【0027】 膜状物を設ける箇所は特に制限されないが取り付け易さの点から電極外壁が好 ましい。その取り付け態様は、電極外壁の平滑面またはカーブ面に図4に示すよ うに膜状物を電極外壁面に沿わした状態で接着、または、図5、図6に示すよう に曲率を有する状態で接着する方法が用いられる。曲率を有する場合には、図6 に示すように波状に両面に曲率を有する場合の方が、電極内部の電解質溶液およ び空気の体積変化に対して、高い緩衝作用を有するのでより好ましく採用される 。
【0028】 なお、図4〜図6及び後記の図7は、膜状物を設けた電極外壁部分の部分拡大 水平断面図である。
【0029】 電極外壁に設ける膜状物貼付の為の孔の形状はその性能また成形性の面から円 状または楕円状が好ましく、また孔の面積は電解質溶液の収容されうる電極内容 積により異なるが、通常は0.1〜1.0cm2 の範囲が実用上好しく採用され る。
【0030】 電極外壁と膜状物の接着には、電極外壁および膜状物の材質を考慮してポリ酢 酸ビニル系、エポキシ系、ポリ塩化ビニル系、フェノール縮合系等公知の適宜の 接着剤を用いればよい。また、膜状物を位置させる具体的態様は電極外壁の内側 面、言い換えれば電解質溶液と接触する部分、または、電極外壁の外側面のいず れの面に位置させてもイオン感応膜保護の面で性能は同等であるが、膜状物を電 極外壁の外側に位置させて接着した場合には、接着面の剥離のおそれがあるので 電極使用時の取扱やすさからは、膜状物を電極外壁の内側に位置させて接着を行 う方が好ましい。さらに、膜状物が何らかの障害物などにより破損することを防 止するために図7に示したように膜状物の外側に硬質樹脂、金属等の保護部材1 0を取り付けるのが好ましい。
【0031】 また、シリンジ状物としては図8、図9に斜視図を示したように電極内部と電 極の外部との間に移動可能なシール材(9)を設置した筒状物(8)が挙げられ る。移動可能なシール材とは、イオン感応膜の引張り強度の0.8倍以下の圧力 で電極内部と電極の外部の圧力差を緩和する方向に移動可能なものである。シリ ンジ状物の取り付け場所も膜状物の場合と同様に取り付け易さの点から電極外壁 が好ましい。該シール材としては、平板、液状物が用いられる。該平板はポリプ ロピレン、ポリエチレン、硬質塩ビ、ポリアセタール等の樹脂、または、鉄、ア ルミニウム、ステンレス等の金属、またはセラミックスからなり、該平板の厚さ は筒状物の大きさにより異なるが1〜5mmの範囲が適当である。また、該液状 物としては電解質溶液への溶解度が10g/リットル以下の単一の液体、または 2種類以上の液体の混合物であり、さらに融点マイナス10℃以上、沸点100 ℃以上の有機化合物あるいはケイ素含有化合物が好適に用いられる。さらに、該 液状物の粘性率は0.1〜100mPasが使用可能であるが、電極内部圧調節 の効果の点からは0.2〜10mPasのものが好適に用いられる。該液状物と しては、たとえば、シリコーンオイル、流動パラフィン等の高分子液体、ペルフ ロート(株式会社徳山曹達製)、フロリナート(住友スリーエム株式会社製)等 の不活性液体、また、ヒマシ油、大豆油等の植物性油脂、キシレン、グリセリン エステル類等の有機溶剤が用いられる。液状物を用いる際には、図9に示したよ うに筒状物の電極外部側先端部を上に向け、液状物が流れでないようにするのが 望ましい。
【0032】 本考案の電極を用いて行う測定試料としては、水溶液からなるあらゆる分析試 料を対象とすることが出来る。例えば、血清、尿、リコール等の生体試料、また は、水道水、雨水、海水、地下水、飲料水、清涼飲料水、工業排水等の試料、ま た、有機または無機の合成あるいは精製等の操作中に生じた試料を、そのままの 状態または緩衝液等で一定の割合に希釈して用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本考案を利用した実施例を電極保存中に温度変化、または気圧変化が生 じた場合について示す。
【0034】 実施例1 電極セルには引張り強度(25℃)約300kg/cm2 の硬質塩ビを用いた 。膜状物貼付用の孔は直径4mmの円状であり、膜状物としてはポリ塩化ビニル /可塑剤膜、ポリプロピレン、アルミ箔等を用いた。膜状物として熱可塑性樹脂 単体または熱可塑性樹脂と可塑剤を用いる際には、熱可塑性樹脂単体または熱可 塑性樹脂と可塑剤を表1〜表3に示した分量混ぜ合わせ、該混合物を10mLの テトラヒドロフランに溶解し、該溶液をガラスシャーレに流し込んだ後、テトラ ヒドロフランを蒸発させ膜状物とした。金属箔、セロハンの場合は市販品をその ままの状態で用いた。貼付の態様は図4、図5、図6に示す3通りである。試料 流路孔の内径は1.4mmである。電極としては、液膜型ナトリウム電極、液膜 型カリウム電極および高分子膜型クロル電極の3種類を用いた。液膜型ナトリウ ム電極に用いるイオン感応膜には、ナトリウム感応物質として下記の化1に示す 構造式で表わされる化合物を用いた。
【0035】
【化1】
【0036】 該ナトリウム感応物質とポリ塩化ビニル、ジオクチルフタレートを加熱成形し ナトリウム電極用イオン感応膜を製膜した。液膜型カリウム電極に用いるイオン 感応膜には、カリウム感応物質として下記の化2に示す構造式で表わされる化合 物を用いた。
【0037】
【化2】
【0038】 該カリウム感応物質、ポリ塩化ビニル、ジオクチルセバケートを加熱成形し製 膜することによりカリウム電極用イオン感応膜とした。高分子型クロル電極用の イオン感応膜には、下記の化3に示す構造式で表わされる化合物10mmolと 過酸化ベンゾイル7mgをクロロホルム10mlと共に試験管に入れ、試験管内 を窒素雰囲気下にした後、密栓をし、70℃で20時間重合させ、内容物をメタ ノール500ml中に注ぎ生成した沈澱を濾過によって集め、更に減圧乾燥によ って得られたイオン交換性重合体500mgをクロロホルム10mlに溶解し、 次いでポリテトラフルオロエチレン製シャーレに流延し、クロロホルムを60℃ 大気圧の条件下で蒸発させて得た透明な膜状物を更に90℃の水中に10分間浸 漬することにより得られたイオン感応膜を用いた。
【0039】
【化3】
【0040】 これらイオン感応膜を流路部の欠損部に貼付し、電極外壁に内部極を取り付け た。電極内部に充填する電解質溶液はナトリウム電極およびクロル電極には0. 1Mの塩化ナトリウム水溶液を用い、カリウム電極には0.1Mの塩化カリウム 溶液を用いた。電極内部に液温25℃の上記電解質溶液を満たしのち電解質溶液 を電極内部に密封し電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は 3.0mlである。上記電極を袋に密封し、0℃の恒温水槽に1カ月浸漬したの ち、室温(25℃)に電極を戻した。浸漬後のイオン感応膜の外形の変化および 試料として血清を5000回測定したのち妨害イオンに対する選択性を電極性能 の指標としその変化を測定した。
【0041】 ナトリウム電極におけるカリウムイオンに対するナトリウムイオンの選択係数 の決定は、[JIS イオン電極方法通則(KO122)の(1−b)測定対象 イオン濃度を一定にする場合]に基づき求めた。具体的には塩化カリウムと塩化 ナトリウムを含む溶液において、塩化ナトリウムを一定濃度(10-4M)とし、 塩化カリウムの濃度を変化させて起電力を測定した。そして、起電力と塩化カリ ウム濃度の関係をプロットし、屈曲点に於ける塩化カリウムの濃度を求める。塩 化ナトリウムの濃度を屈曲点に於ける塩化カリウムの濃度で除した値をもって選 択係数とした。この値は小なるほどナトリウム電極として優れている。
【0042】 カリウム電極におけるナトリウムイオンに対するカリウムイオンの選択係数の 決定も、[JIS イオン電極方法通則(KO122)の(1−b)測定対象イ オン濃度を一定にする場合]に基づき求めた。具体的には塩化ナトリウムと塩化 カリウムを含む溶液において、塩化カリウムを一定濃度(10-4M)とし、塩化 ナトリウムの濃度を変化させて起電力を測定した。そして、起電力と塩化ナトリ ウム濃度の関係をプロットし、屈曲点に於ける塩化ナトリウムの濃度を求める。 塩化カリウムの濃度を屈曲点に於ける塩化ナトリウムの濃度で除した値をもって 選択係数とした。この値は小なるほどナトリウム電極として優れている。
【0043】 クロル電極における硝酸イオンに対するクロルイオンの選択係数の決定も、[ JIS イオン電極方法通則(KO122)の(1−b)測定対象イオン濃度を 一定にする場合]に基づき求めた。具体的には硝酸カリウムと塩化カリウムを含 む溶液において、塩化カリウムを一定濃度(10-4M)とし、硝酸カリウムの濃 度を変化させて起電力を測定した。そして、起電力と硝酸カリウム濃度の関係を プロットし、屈曲点に於ける硝酸カリウムの濃度を求める。塩化カリウムの濃度 を屈曲点に於ける硝酸カリウムの濃度で除した値をもって選択係数とした。この 値は小なるほどクロル電極として優れている。
【0044】 結果についてはナトリウム電極については表1に、カリウム電極については表 2に、クロル電極については表3に記した。比較例として電極内部圧調節部のな い電極の場合を表1から表3に併せて示した。イオン感応膜の外形の変化は、流 路部(4)の一部を欠損させ該欠損部に試料流路孔(3)内を流通する試料と接 するように貼付されたイオン感応膜(5)が、試料流路孔(3)内側に変形する 場合をプラスとして示す。例えば図10は、イオン感応膜(5)が貼付された部 分の流路部(4)の部分拡大水平断面図を示すが、本図においては、膜は+Lの 長さ変形していることとなる。表1〜3において、樹脂、可塑剤の略号は次のよ うに記する。
【0045】 ポリ塩化ビニル : PVC ポリプロピレン : PP ジブチルフタレート : DBP 0−ニトロフェニルフェニルエーテル : NPPE 0−ニトロフェニルオクチルエーテル : NPOE ジオクチルアジペート : DOA 表1から表3で示されるように、電極内部圧調節部を変形可能な膜状物で構成 することによりイオン感応膜の変形が著しく抑えられ、電極の破損、さらに電極 性能の面でも非常に効果があることは明らかである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】 実施例2 電極セルには引張り強度(25℃)約300kg/cm2 の硬質塩ビを用いた 。
【0050】 膜状物貼付け用の孔は直径4mmの円状であり、膜状物としてはポリ塩化ビニ ル/可塑剤膜、ポリスチレン/可塑剤膜、アルミ箔等を用いた。熱可塑性樹脂お よび可塑剤を用いた膜状物の場合には熱可塑性樹脂および可塑剤を表4〜6に示 した分量混ぜ合わせた混合物を120℃に加熱した熱板上でミクロスパーテルを 用いて十分混合したのち、該混合物を熱プレスにより膜状物とした。シリコーン ゴム、テフロン、66ナイロンの場合には市販品をそのまま用いた。貼付の態様 は図4、図5、図6に示す3通りである。試料流路孔の内径は1.4mmである 。電極としては、液膜型ナトリウム電極、液膜型カリウム電極および高分子膜型 クロル電極の3種類を用いた。ナトリウム電極に用いるイオン感応膜には、ナト リウム感応物質として実施例1で示したナトリウム感応物質を用いた。該ナトリ ウム感応物質、ポリ塩化ビニルそしてジオクチルフタレートを加熱成形し製膜す ることによりナトリウム電極用イオン感応膜とした。カリウム電極に用いるイオ ン感応膜には、カリウム感応物質として実施例1で示したカリウム感応物質を用 いた。該カリウム感応物質、ポリ塩化ビニル、ジオクチルセバケートを加熱成形 し製膜することによりカリウム電極用イオン感応膜とした。クロル電極に用いる イオン感応膜には、実施例1で示したクロル感応物質を用いた。これらイオン感 応膜を流路部の欠損部に貼付け、電極外壁に内部極を取り付けた。電極内部に充 填する電解質溶液はナトリウム電極およびクロル電極には0.1Mの塩化ナトリ ウム水溶液を用い、カリウム電極には0.1Mの塩化カリウム溶液を用いた。電 極内部に液温25℃の上記電解質溶液を満たしたのち電解質溶液を電極内部に密 封し、電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は3mlである 。
【0051】 上記電極を袋に密封し、40℃の恒温水槽に1カ月浸漬したのち、室温(25 ℃)に電極を戻した。浸漬後のイオン感応膜の外形の変化および試料として血清 を5000回測定したのち電極性能の変化を測定した。選択性の測定は実施例1 に準じて行った。結果についてはナトリウム電極については表4に、カリウム電 極については表5に、クロル電極については表6に記した。比較例として変形可 能な膜状物のない電極(膜状物貼付け用の穴もなし)の場合を表4から表6に併 せて示した。イオン感応膜の外形の変化は、実施例1に準じて示す。表4〜6に おいて、樹脂、可塑剤の略号は次のようにする。
【0052】 ポリ塩化ビニル : PVC ポリスチレン : PSt ジオクチルフタレート : DOP 0−ニトロフェニルオクチルエーテル : NPOE ジオクチルアジペート : DOA ポリ塩化ビニリデン : PVDC 表4から表6で示されるように、電極内部圧調節部を変形可能な膜状物で構成 することによりイオン感応膜の変形が著しく抑えられ、電極の破損、さらに電極 の選択性の面でも非常に効果があることは明らかである。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】 実施例3 電極セルには引張り強度(25℃)約300kg/cm2 の硬質塩ビを用いた 。
【0057】 膜状物貼付け用の孔はトラック状(面積0.17mm2 )であり、膜状物とし てはポリ塩化ビニル/可塑剤膜、ポリスチレン/可塑剤膜等を用いた。膜状物と して熱可塑性樹脂と可塑剤を用いる際には、熱可塑性樹脂と可塑剤を表7〜9に 示した分量混ぜ合わせ、該混合物を10mLのジメチルホルムアミドに溶解し、 該溶液をガラスシャーレに流し込んだ後、ジメチルホルムアミドを蒸発させ膜状 物とした。天然ゴム、テフロンそして6ナイロンの場合には市販シートの状態で 用いた。貼付の態様は図4、図5、図6に示す3通りである。試料流路孔の直径 は1.4mmである。電極としては、液膜型ナトリウム電極、液膜型カリウム電 極および高分子膜型クロル電極の3種類を用いた。ナトリウム電極に用いるイオ ン感応膜には、ナトリウム感応物質として実施例1で示したナトリウム感応物質 を用いた。該ナトリウム感応物質、ポリ塩化ビニルそしてジオクチルフタレート を加熱成形し製膜することによりナトリウム電極用イオン感応膜とした。カリウ ム電極に用いるイオン感応膜には、カリウム感応物質として実施例1で示したカ リウム感応物質を用いた。該カリウム感応物質、ポリ塩化ビニル、ジオクチルセ バケートを加熱成形し製膜することによりカリウム電極用イオン感応膜とした。 クロル電極に用いるイオン感応膜には、実施例1で示したクロル感応物質を用い た。これらイオン感応膜を流路部の欠損部に貼付け、電極外壁に内部極を取り付 けた。電極内部に充填する電解質溶液はナトリウム電極およびクロル電極には0 .1Mの塩化ナトリウム水溶液を用い、カリウム電極には0.1Mの塩化カリウ ム溶液を用いた。電極内部に液温25℃の上記電解質溶液を満たしたのち電解質 溶液を電極内部に密封し、電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の 容積は3mlである。
【0058】 電極を0.7気圧にて24時間保存した。そして、0.7気圧での保存中のイ オン感応膜の外形の変化を12時間後、24時間後に測定した。結果についてナ トリウム電極については表7に、カリウム電極については表8に、クロル電極に ついては表9に記した。比較例として電極内部圧調節部のない電極の場合を表7 から表9に併せて示した。イオン感応膜の外形の変化は、実施例1に準じて示し た。表7から表9において、樹脂、可塑剤の略号は次のように記する。
【0059】 ポリ塩化ビニル : PVC ポリスチレン : PSt ジブチルフタレート : DBP 0−ニトロフェニルオクチルエーテル : NPOE ジオクチルアジペート : DOA ポリメタクリル酸メチル : PMMA 表7から表9で示されるように、電極内部圧調節部を変形可能な膜状物で構成 することによりイオン感応膜の変形が著しく抑えられ、電極の破損の面で非常に 効果があることは明らかである。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】 実施例4 電極セルには引張り強度(25℃)約300kg/cm2 の硬質塩ビを用いた 。電極内部圧調節部としては、図8、図9に示したようにフロー型電極使用時に 筒状物の電極の外部端が上または水平方向を向くように取り付けたシリンジ状物 を用いた。筒状物としては内半径3mmの長さ10mmのものを用いた。シール 材は、筒状物の内部形状にあった厚さ2mmの平板、または液状物、あるいは平 板と液状物を併せて用いた。
【0064】 電極としては、液膜型ナトリウム電極、液膜型カリウム電極および高分子膜型 クロル電極の3種類を用いた。ナトリウム電極に用いるイオン感応膜には、ナト リウム感応物質として実施例1で示したナトリウム感応物質を用いた。該ナトリ ウム感応物質、ポリ塩化ビニルそしてジオクチルフタレートを加熱成形し製膜す ることによりナトリウム電極用イオン感応膜とした。カリウム電極に用いるイオ ン感応膜には、カリウム感応物質として実施例1で示したカリウム感応物質を用 いた。該カリウム感応物質、ポリ塩化ビニル、ジオクチルセバケートを加熱成形 し製膜することによりカリウム電極用イオン感応膜とした。クロル電極に用いる イオン感応膜には、実施例1で示したクロル感応物質を用いた。これらイオン感 応膜を流路部の欠損部に貼付け、電極外壁に内部極を取り付けた。電極内部に充 填する電解質溶液はナトリウム電極およびクロル電極には0.1Mの塩化ナトリ ウム水溶液を用い、カリウム電極には0.1Mの塩化カリウム溶液を用いた。
【0065】 平板を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極内部に液温25℃の上記電 解質溶液を満たしのち、平板を筒状物の上部に取り付け電解質溶液を電極内部に 密封し、フロー型電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は3 .1mlである。
【0066】 液状物を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極内部に液温25℃の上記 電解質溶液を満たしのち、電解質溶液を電極内部に密封し液状物を筒状物内に流 しいれフロー型電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は3. 1mlである。
【0067】 平板および液状物を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極内部に液温2 5℃の上記電解質溶液を満たしたのち、平板を筒状物の上部に取り付け電解質溶 液を電極内部に密封し、液状物を筒状物に流し入れフロー型電極を完成させた。 電極内部に封入した電解質溶液の容積は3.1mlである。
【0068】 上記電極を袋に密封し、0℃の恒温水槽に1カ月浸漬したのち、室温(25℃ )に電極を戻した。浸漬後のイオン感応膜の外形の変化および試料として血清を 5000回測定したのち電極性能の変化を測定した。
【0069】 ナトリウム電極、カリウム電極及びクロル電極の電極性能は、前記実施例1に 示した方法で求めた。
【0070】 結果についてはナトリウム電極については表10に、カリウム電極については 表11に、クロル電極については表12に記した。比較例として電極内圧調節部 のない電極の場合を表10から表12に併せて示した。イオン感応膜の外形の変 化も、実施例1に準じて示した。
【0071】 表10から表12で示されるように、電極内圧調節部をシリンジ状物で構成す ることによりイオン感応膜の変形が著しく抑えられ、電極の破損、さらに電極の 選択性の面でも非常に効果があることは明らかである。
【0072】
【表10】
【0073】
【表11】
【0074】
【表12】
【0075】 実施例5 電極セルには引張り強度(25℃)約300kg/cm2 の硬質塩ビを用いた 。電極内部圧調節部としては、図8、図9に示したようにフロー型電極使用時に 筒状物の電極の外部端が上または水平方向を向くように取り付けたシリンジ状物 を用いた。筒状物としては内径6mmの長さ10mmのものを用いた。シール材 については、筒状物の内部形状にあった厚さ2mmの平板、または液状物、ある いは平板と液状物を併せて用いた。
【0076】 電極としては、液膜型ナトリウム電極、液膜型カリウム電極および高分子膜型 クロル電極の3種類を用いた。ナトリウム電極に用いるイオン感応膜には、ナト リウム感応物質として実施例1で示したナトリウム感応物質を用いた。該ナトリ ウム感応物質、ポリ塩化ビニルそしてジオクチルフタレートを加熱成形し製膜す ることによりナトリウム電極用イオン感応膜とした。カリウム電極に用いるイオ ン感応膜には、カリウム感応物質として実施例1で示したカリウム感応物質を用 いた。該カリウム感応物質、ポリ塩化ビニル、ジオクチルセバケートを加熱成形 し製膜することによりカリウム電極用イオン感応膜とした。クロル電極に用いる イオン感応膜には、実施例1で示したクロル感応物質を用いた。
【0077】 これらイオン感応膜を流路部の欠損部に貼付け、電極外壁に内部極を取り付け た。電極内部に充填する電解質溶液はナトリウム電極およびクロル電極には0. 1Mの塩化ナトリウム水溶液を用い、カリウム電極には0.1Mの塩化カリウム 溶液を用いた。
【0078】 平板を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極の内部に液温25℃の上記 電解質溶液を満たしのち、平板を筒状物の上部に取り付け電解質溶液を電極内部 に密封しフロー型電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は3 .1mlである。
【0079】 液状物を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極内部に液温25℃の上記 電解質溶液を満たしのち、電解質溶液を電極内部に密封し液状物を筒状物内に流 しいれフロー型電極を完成させた。電極内部に封入した電解質溶液の容積は3. 1mlである。
【0080】 平板および液状物を用いる場合には筒状物の取り付けられた電極内部に液温2 5℃の上記電解質溶液を満たしのち、平板を筒状物の上部に取り付け電解質溶液 を電極内部に密封し、液状物を筒状物に流し入れフロー型電極を完成させた。電 極内部に封入した電解質溶液の容積は3.1mlである。
【0081】 電極を0.7気圧にて24時間保存した。そして、0.7気圧での保存中のイ オン感応膜の外形の変化を12時間後、24時間後に測定した。
【0082】 結果についてはナトリウム電極については表13に、カリウム電極については 表14に、クロル電極については表15に記した。比較例として電極内圧調節部 のない電極の場合を表13から表15に併せて示した。イオン感応膜の外形の変 化も、実施例1に準じて示した。
【0083】 表13から表15で示されるように、電極内圧調節部をシリンジ状物で構成す ることによりイオン感応膜の変形が著しく抑えられ、電極の破損、さらに電極の 選択性の面でも非常に効果があることは明らかである。
【0084】
【表13】
【0085】
【表14】
【0086】
【表15】
【0087】
【作用効果】
以上説明した本考案の電解質測定用フロー型電極は、電極内部圧の変化に応じ て、使用されているイオン感応膜の引張り強度の0.8倍以下の圧力で作動する 電極内部圧調節部が設けられているために、気温や気圧の変化によって電極内部 圧が上昇しても高々イオン感応膜の引張り強度の0.8倍の圧力にとどまり、そ のためイオン感応膜の好しくない変形や破損が防止され、さらには電極性能の劣 化を良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の代表的実施態様の電極の斜視図であ
る。なお、一部を破断して示す。
【図2】フロー型電極を用いる電解質分析装置の一例を
示す概念図である。
【図3】従来のフロー型電極の斜視図である。なお、一
部を破断して示す。
【図4】本考案における電極内部圧調節部として膜状物
を設けた電極外壁部分の部分拡大水平断面図である。
【図5】本考案における電極内部圧調節部として膜状物
を設けた電極外壁部分の部分拡大水平断面図である。
【図6】本考案における電極内部圧調節部として膜状物
を設けた電極外壁部分の部分拡大水平断面図である。
【図7】本考案における電極内部圧調節部として膜状物
を設けた電極外壁部分の部分拡大水平断面図である。
【図8】本考案における電極内部圧調節部としてシリン
ジ状物を設けた電極の斜視図である。なお、一部を破断
して示す。
【図9】本考案における電極内部圧調節部としてシリン
ジ状物を設けた電極の斜視図である。なお、一部を破断
して示す。
【図10】本考案における流路部のイオン感応膜が貼付
された部分の部分拡大水平断面図である。
【符号の説明】
1 電極内部圧調節部 2 電極外壁 3 試料流路孔 4 流路部 5 イオン感応膜 6 内部極 7 電解質溶液 8 筒状物 9 シール材 10 保護部材 21 フロー型電極 22 測定セル 23 液流入路 24 液流出路 25 比較電極液の流路 26 液排出路 27 比較電極 28 電圧計 29 試料液 30 比較電極液 31 ポンプ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極外壁(2)の一点から他点へ試料を
    電極内部に保有される電解質溶液(7)と接触すること
    なく流通させる試料流路孔(3)を内有する流路部
    (4)、該流路部(4)の一部を欠損させ該欠損部に試
    料と接するようにイオン感応膜(5)を貼付し、電極外
    壁(2)を貫通して一端が該イオン感応膜(5)の近傍
    に、他端が電極の外部に位置するように内部極(6)を
    配置して構成される電解質測定用フロー型電極におい
    て、電極内部圧の変化に応じて、使用されているイオン
    感応膜の引張り強度の0.8倍以下の圧力で作動する電
    極内部圧調節部(1)が設けられていることを特徴とす
    る電解質測定用フロー型電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016180630A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 株式会社エイアンドティー イオン選択性電極及び電解質分析装置

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