JPH0559162B2 - - Google Patents

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JPH0559162B2
JPH0559162B2 JP13576284A JP13576284A JPH0559162B2 JP H0559162 B2 JPH0559162 B2 JP H0559162B2 JP 13576284 A JP13576284 A JP 13576284A JP 13576284 A JP13576284 A JP 13576284A JP H0559162 B2 JPH0559162 B2 JP H0559162B2
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powder
layer
sintered
capsule
manufacturing
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Tadashi Sasa
Arata Koga
Kazuhiro Matsuno
Tooru Tanaka
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IHI Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は金属粉、セラミツクス粉またはこれ
らの複合粉末の焼結機械部品製造方法に係り、更
に詳しく言えばこれらの粉末を用いて熱間等方圧
プレスによつて加圧しながら焼結して機械部品を
製造する方法の改良に係る。
(従来技術と解決すべき問題点) 従来金属粉、セラミツクス粉または両者の複合
粉末(以下これらの粉末を原料粉という)の成形
体(本明細書では未焼結の成形体をいう)を焼結
して機械部品を製造する場合、焼結中に加圧しな
いのが通例であるため得られた焼結体の強度や信
頼性が不充分であつた。
これを改善するため熱間等方圧プレスによつて
三次元形状の成形体に等方的な加圧を行いながら
焼結することが提案され、一部にすでに実施され
ている。しかしながらこの方法は未だ技術的に十
分確立されておらず、特に次のような問題点が残
されている。すなわち、予め原料粉を所望の形状
に成形したのち脆弱な成形体を損傷することなし
に密着性の良い容器内に密封することが困難であ
る。また成形体の所要の焼結温度において適当な
変形特性と安定性を有する密封容器の材料を得る
ことが難しい等の問題がある。
これに対して原料粉を薄肉の金属管またはガラ
ス管内に封入する方法あるいは予め製作した成形
体上にガラス粉を塗布する方法等が提案されてい
るが、いずれも一長一短があつて上記の問題点を
十分に解決するに至つていない。
(問題点を解決する手段) この発明は上記の問題点を解決する製造方法を
提供することを目的とし、 金属粉、セラミツクス粉または金属・セラミツ
クス複合粉を原料粉として熱間等方圧プレスによ
つて焼結機械部品を製造する方法において、 (第1工程) 所望原料粉によつて所望形状の粉
末成形体を製作する工程、 (第2工程) 該粉末成形体に下記の3種類の被
覆層を順次形成する工程、 (イ) 成形体の原料粉と反応しない耐火物粉より
なる第1層、 (ロ) 焼結温度において溶融及び軟化しない耐火
物粉と焼結温度以下で軟化性の材料粉よりな
り、軟化性物質の混合量が15〜90体積%であ
る混合粉よりなる第2層、 (ハ) 焼結温度以下で軟化、融解する珪酸塩系ガ
ラスの軟化性物質粉よりなる第3層、 (第3工程) 該第3層を構成する材料の融点ま
たは軟化点以上でかつ焼結温度より低い温度に
加熱して、被覆層表面の気孔を封じて粉末成形
体を封入したカプセルとする工程、 (第4工程) 熱間等方圧プレス装置内で該カプ
セルを焼結温度に加圧、加熱してカプセル内の
粉末成形体を焼結する工程、 (第5工程) カプセルを除去して焼結体を取出
す工程よりなることを特徴とする焼結機械部品
の製造方法に係る。
次に添付図面に示すフローシートを参照しなが
ら本発明の方法を説明する。
(第1工程) 目的とする焼結機械部品を製造す
るため所望の原料粉を用いて所望の寸法、形状
に成形する。
原料粉としては金属粉の場合は平均粒径が数〜
100μmで、アトマイズ法や回転電極法等による球
形粒子であることが緻密で、高強度の焼結体を得
る点で望ましい。セラミツクス粉の場合は平均粒
径が10μm以下、望ましくは1μm以下であること
が同様な理由から好ましい。
また窒化珪素や炭化珪素等それ自体では焼結体
が不充分であるセラミツクスの場合には焼結促進
剤を加えると良く、焼結促進剤としては窒化珪素
の場合にはAl2O3,AlN,Y2O3,MgO,CeO2
が、炭化珪素の場合にはB,Al,Cの組合せ等
が適当である。
また上記のほかにもWC−Co,TiN−Ni等の
サーメツトや、Y2O3等のセラミツクス粉をNi合
金等の金属中に分散させた分散強化合金または
C,B,SiC等の繊維をAl,Ti等の金属中に分散
させた繊維強化合金の粉を原料粉として使用する
こともできる。同様にSi3N4等のセラミツクス中
にZrO2等の他のセラミツクス粒子やSiC等の繊維
を分散させた複合系の粉も原料粉として使用する
ことができる。
これら原料粉の成形には金型プレス法、静水圧
プレス成形法、泥漿鋳込み法、押出成形法、射出
成形法、テープ成形法等の公知の方法またはこれ
ら成形法と機械加工を組合せた方法によることは
通例のとおりである。また成形体の取扱いの際の
強度を向上させるため粉末粒子間の焼結が僅かに
起こる低い温度で仮焼結を行つても良い。
なお成形体の寸法は後の熱間等方圧プレス工程
における焼結収縮を見込んでその分だけ大きく製
作しておくことが必要である。
(第2工程) 本発明の特徴は前記成形体上に3
種類の被覆層を順次形成し、第3層(外層)を
溶融軟化させて成形体を内部に密封したカプセ
ルを形成させることにある。第2工程はこれら
3種類の被覆層を形成する工程である。
(イ) 第1層の形成:成形体に直接接触する第1
層の粉末は後の焼結温度において成形体の原
料粉と反応せず、また第2層、第3層中に含
まれる軟化性物質とも低融点化合物を生成し
たり共融を起こしたりせず、それ自身も安定
で、かつ殆ど焼結を起こさない耐火物である
ことが必要である。第1層をこのような耐火
物粉で形成するのは成形体を第2層と直接接
触させると加圧焼結の段階で反応して、得ら
れた焼結体の表面が損傷したり変質すること
を防止するためである。
このような条件を満足する耐火物粉として
は原料粉の種類に応じて雲母のごとき鉱物、
シリカ、ムライト、アルミナ、ジルコニア、
チタニア等の耐熱性酸化物、窒化アルミニウ
ム、窒化硼素、窒化珪素等の耐熱性窒化物、
炭化珪素、炭化ジルコニウム等の耐熱性炭化
物等多くの耐火物粉を使用することができ
る。特に製品焼結体に高度の寸法精度が要求
される場合には本発明の焼結段階で外部から
の加圧力を十分に成形体に伝達し、かつその
焼結収縮に十分追随して変形し、かつ焼結終
了後には表面から容易に除去されることが必
要であり、そのような場合には上記の耐火物
のうちでも特に結晶構造が層状構造であり、
容易に剪断変形を起こす性質を有するのが好
ましい。このような耐火物としては黒鉛、窒
化硼素、雲母、パイロフイライト、モンモリ
ロナイト等の粘土鉱物があり、これらのうち
から所望の原料粉との反応性、焼結温度にお
ける安定性、被覆第2層物質との反応性を考
慮して選択することにより最適な耐火物粉を
用いるようにする。
このような耐火物粉を成形体上に設けるに
当たつて両者に対して不活性な液体中に耐火
物粉をスラリー状に分散させ、成形体をその
中に浸漬するなどして塗布し、乾燥する方法
が均一な厚さの塗膜層を形成するのに適して
いる。特に塗布、乾燥後に被覆層が剥離しに
くくするためには分散用液体に可溶性の有機
系のバインダまたはアルミナセメント、リン
酸アルミニウム、コロイダルシリカ等の無機
系バインダ等を耐火物スラリー中に混合させ
ておくことが望ましい。
(ロ) 被覆第2層(中間層)の形成:被覆第2層用
の粉末は熱間静水圧プレスによる焼結温度にお
いて溶融ないし軟化しない耐火物粉を第1成分
とし、これに該温度において溶融または軟化す
る物質の粉を第2成分として混合し、後者が15
〜90体積%となるような配合とする。
この被覆第2層は熱間静水圧プレス内で加
圧、加熱する際成形体上に等方圧を伝達する主
要な役割を果たすもので、所望の焼結温度で十
分に等方的な粘弾塑性変形を起こすことが重要
で、かつ第2層の材質そのものが焼結温度にお
いて軟化しすぎて内側の第1層の気孔内を通過
して成形中に浸透するような低い粘度を持たな
いことが必要である。
このような条件を満足するように熱間静水圧
プレスの加圧、加熱条件に応じて第1成分の耐
火物粉と第2成分の軟化性物質粉の種類を決定
する必要があり、特にこれら2成分の混合比に
ついては上記の理由から軟化性物質の混合量を
15〜90体積%とすることが大切である。
上記の耐火物粉としてアルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア等の耐熱性酸化物、窒化アルミ
ニウム、窒化珪素等の耐熱性窒化物、炭化珪
素、炭化硼素等の耐熱性炭化物等の中から条件
に応じて選択する。また軟化性物質としては溶
融しても粘性の高いガラス質物質が望ましくシ
リカ、アルミノ珪酸塩化合物、硼珪酸化合物を
ベースとする物質の中から選択する。また、第
2層は、第2層の材質そのものが焼結温度にお
いて軟化しすぎて第1層を透過して成形体中に
浸透することがないので、成形体と直接接触し
て反応を起こすようであつてもさしつかえな
い。
なお第2層の形成は第1層の場合と同様にス
ラリー状分散液を塗布して行う。特に第2層を
或る程度の厚さとする場合には一度に所望の厚
さにせず数回の塗布を繰り返して所望の厚さに
することが望ましい。
(ハ) 被覆第3層(外層)の形成:第2層の上に第
3層を形成する。第3層としては原料粉の焼結
温度よりも低い温度で溶融または軟化する珪酸
塩系ガラスの粉を用いる。第3層の役割は熱間
等方圧プレスで加熱、加圧を行う前に被覆層を
完全に気密化することにある。
即ち第3層を形成した成形体を所要の焼結温
度よりも低い温度の無酸化雰囲気中で予め加熱
し第3層を完全に溶融ないし軟化させ気密化し
て被覆層をカプセルとすることにより、以後の
熱間等方圧プレスの段階でカプセル内部へガス
が侵入することなく、加圧焼結することができ
る。このように、ガスがカプセル内部へ侵入す
ることがないようにするためには第3層の軟化
性物質としては、焼結の際、溶融し流れ落ちな
い物質にしなければならず、軟化しすぎてもさ
しつかえない、溶融状態で粘性の高い珪酸塩系
ガラスにする必要がある。珪酸塩系ガラスは、
珪酸化合物をベースとするガラス質物質で、珪
酸塩ガラス又は硼珪酸塩ガラスが望ましい。被
覆第3層の形成は第1層、第2層の場合と同様
に行えば良い。
(第3工程) 成形体上に前記3層構造の被覆層
を形成したのち、その第3層(外層)を構成す
る軟化性物質の融点または軟化点以上で所要の
焼結温度以下の温度に加熱して第3層を完全に
気密化し、成形体を封入したカプセルとする。
この加熱は真空中で、カプセル内を十分に脱気
しながら行うことが望ましいが、カプセル内に
残留するガスがその後の熱間等方圧プレス内の
加圧焼結のさい悪影響を及ぼさなければ該加圧
焼結の際の圧力よりも十分に低い圧力の雰囲気
中で行つても良い。また成形体や被覆層中に有
機質バインダや水分などが含まれている場合に
は第3層が気密化する温度よりも低い温度で十
分加熱して除去しておくことが必要である。
(第4工程) 次に成形体を封入したカプセルを
熱間等方圧プレス装置内に入れ、所要の焼結温
度及び圧力条件にすれば、カプセル第2層の成
分の軟化性物質は溶融または軟化し、耐火物粉
との混合相の第2層が適切な粘弾塑性変形(ゴ
ムのように柔軟に変形)をするから、カプセル
内の成形体は等方圧下で加圧焼結され、密度の
高い焼結体となる。また、焼結の際、第2層の
材質そのものが軟化しすぎて第1層を透過して
成形体中に浸透することがないので、第3層が
軟化しすぎても、第3層の材質そのものが成形
体中に浸透することがない。
(第5工程) 熱間等方圧プレスによる加圧焼結
の後カプセルを冷却し、その中から焼結体を取
り出す。カプセルの除去には振動、サンドブラ
スト等機械的方法のほか、オートクレーブ中で
アルカリ溶液処理をするなど化学的方法による
ともできる。溶融、固化した第3層および第2
層と焼結体との間にある第1層が離型剤の役を
するので焼結体からカプセルを除去することは
容易であり、焼結体表面に損傷や変質がないの
で表面状態良好な高品質の製品を得ることがで
きる。
次に実施例について説明する。
(実施例 1) 平均粒径0.7μmの窒化珪素粉に6重量%の窒化
アルミニウムを加えた混合粉にポリプロピレンを
主成分とする熱可塑性樹脂系の成形助剤を加えて
射出成形によつてターボ過給機翼車形状に成形
し、更に大気中で加熱して脱脂して窒化珪素基の
成形体を得た。これを窒素雰囲気中で1200℃に加
熱、仮焼結を行い、成形体に取扱いに耐える強さ
を付与した。次に成形体の上に、窒化硼素粉をエ
タノールを主成分とする液体中に分散させたスラ
リーを塗布し、乾燥させて被覆第1層を形成させ
た。次に耐火物粉として炭化珪素55体積%と軟化
性物質として硼珪酸ガラス粉45%との混合粉を第
1層の形成と同様の手法で第1層の上に塗布し、
乾燥して第2層を形成させた。その上に軟化性物
質の硼珪酸ガラス粉のみを用いて同様にして塗布
層を形成させ、第3層とした。
以上の3重の被覆層を形成した成形体を熱間等
方圧プレス内に入れ、十分な脱気と予備加熱を行
つたのち、プレス内を真空にして1500℃まで加熱
した。この温度では窒化珪素成形体は殆ど焼結を
起こさないが、被覆第3層の硼珪酸ガラスは溶融
し、カプセルは完全に気密化された。
次にアルゴンガスで2000気圧まで加圧しながら
1750℃に昇温した。この温度でカプセル第2層の
炭化珪素は溶融も軟化もしないが、硼珪酸ガラス
は溶融状態になるため、この第2層の粘弾塑性的
変形によつて内部の窒化珪素成形体に等方圧が加
えられ、加圧焼結が行われた。
焼結終了後、冷却してカプセルを除去したが、
カプセル第1層の窒化硼素粉は窒化珪素焼結体と
実質的に反応せず、また第1層の窒化硼素粉層中
に第2層の溶融硼珪酸ガラスの浸透は僅少で、窒
化珪素粉自体も焼結していなかつた為カプセルの
除去は容易であり、焼結体表面にも全く変質や損
傷は見られなかつた。製品の焼結体自体もほぼ理
論密度で焼結しており、寸法形状の精度も高いこ
とが確認された。
本発明の方法に対する比較のため全く同一の原
料粉と成形プロセスで製作した窒化珪素質の翼車
形状の成形体に下記比較例1〜6に示す被覆層を
形成して真空中1500℃加熱の後、1750℃2000気圧
の熱間等方圧プレス処理を施した。
比較例1:第2層を炭化珪素55%、硼珪酸ガラス
45%(体積%)混合粉塗布とし、第1層と第3
層は形成しない。
比較例2:第2層は比較例1と同じ。第3層(硼
珪酸ガラス粉)形成。第1層を省く。
比較例3:第1層(窒化硼素粉)、第2層(比較
例1に同じ)を形成、第3層を省く。
比較例4:第1層(窒化硼素粉)、第3層(比較
例2に同じ)形成、第2層を省く。
比較例5:第1層(窒化硼素粉)、第2層(炭化
珪素粉90体積%、硼珪酸ガラス粉10体積%)、
第3層(比較例2に同じ)形成。
比較例6:第1層(窒化硼素粉)、第2層(炭化
珪素粉5体積%、硼珪酸ガラス粉95体積%)、
第3層(比較例2に同じ)形成。
上記の各試料について熱間等方圧プレス加工後
に成形体とカプセルとを分離して検査したところ
次のような欠陥が生ずることが認められた。
比較例1及び2:焼結体とカプセルとの間に反応
が起こり、カプセルが容易に除去されず、焼結
体表面も変質していた。
比較例1及び3:カプセルが完全に気密化されて
いないため高圧ガスが内部に侵入し、加圧がう
まく行われず、焼結体の密度が不充分であつ
た。
比較例4及び6:溶融硼珪酸ガラスの粘性が本発
明の用途に対しては小さいため第1層を通して
成形体表面まで到達し、成形体表面と多少反応
が認められ、カプセルの除去も困難であつた。
また、カプセルが軟化しすぎて、粉末成形体に
対して圧力を等方的に加えることができず、高
い密度で良好な形状の焼結体は得られなかつ
た。
比較例5:等方圧伝達層として第2層の軟化変形
が不充分であつたため焼結体に変形がみとめら
れた。
以上の比較例からも第2層の硼珪酸ガラス粉は
10体積%以上、95体積%以下であることが適当で
あると判断された。
以上の実施例により本発明の3層構造のカプセ
ルを用いる方法は高密度、高品質で、かつ寸法形
状、表面状態の優れた焼結体を製造するのに好適
な方法であることが明らかである。
(実施例 2) 平均粒径0.8μmの炭化珪素粉に1重量%の硼素
と1重量%の炭素を加え、解膠剤としてアルギン
酸アンモニウム、結合剤としてポリビニルアルコ
ールを添加した水溶液に分散させてスリツプとし
たのち、石膏型を用いて泥漿鋳込みを行つて小型
ガスタービン静翼形状の成形体を得た。この成形
体上にコロイダル黒鉛分散液をスプレー塗布し、
続いて窒化硼素粉分散液をスプレー塗布して被覆
第1層とした。この上に耐火物粉として窒化硼素
粉60重量%、軟化性物質としてムライト粉40重量
%の混合粉スラリーを塗布して第2層を形成し
た。更にその上にシリカ粉のスラリーを塗布して
第3層とした。
以上の3層構造の被覆層を形成した成形体を十
分乾燥、脱脂したのち熱間等方圧プレス内に入れ
て1気圧のアルゴンガス中で1800℃に加熱した。
この温度では窒化珪素基成形体は殆ど焼結しない
が、被覆第3層のシリカ粉は溶融し、完全に気密
化されたカプセルが形成された。次いでアルゴン
ガスの圧力を1500気圧に上昇させると共に2050℃
まで温度を上昇させ、カプセル第2層中のムライ
トを溶融させたので、窒化珪素粉とムライト粘性
液体の混合状態が適度の粘弾塑性変形をするよう
になり、内部の炭化珪素基成形体を等方圧下で加
圧焼結することができた。
焼結終了後、冷却してカプセルを除去したとこ
ろカプセル第1層の黒鉛、窒化硼素層は窒化珪素
基焼結体の表面から容易に除去でき、かつ焼結体
表面の変質など全く認められなかつた。また焼結
体自体もほぼ理論密度を有し、寸法精度も高いこ
とが確かめられた。
(実施例 3) ニツケル合金IN100(Ni−14%Co−9%Cr−
5.5%Al−4.7%Ti−3%Mo)の平均粒径100μm
の球形粉を原料粉として静水圧プレスと精密鍛造
によりジエツトエンジンブレード形状に成形し
た。この成形体上にジルコニア粉分散スラリーを
塗布して被覆第1層を形成し、さらに耐火物粉と
してジルコン粉70体積%、軟化性物質粉としてパ
レツクスガラス粉30体積%の混合粉の分散スラリ
ーを塗布して第2層を形成し、その上に軟化性物
質として軟質ガラス粉の分散スラリーを塗布して
第3層を形成した。
上記3層被覆層を形成した成形体を十分乾燥、
脱水したのち熱間等方圧プレス内に入れ、真空中
で800℃に加熱した。この温度ではニツケル合金
粉成形体は焼結を起こさないが、第3層の軟質ガ
ラスは溶融し、完全に気密化したカプセルを形成
した。次いでアルゴンガスで1500気圧の圧力をか
けておいて1200℃まで加熱した。カプセル第2層
のパイレツクスガラスは溶融して固体のままのジ
ルコン粉との混合状態の第2層の粘弾塑性変形に
より等方圧下で加圧焼結を行うことができた。
焼結終了後冷却して成形体からカプセルを除去
したところ、カプセル第1層のジルコニア粉層は
焼結体表面と全く反応せず、またパイレツクスガ
ラスの侵入も殆ど無く焼結もしていなかつたので
容易に除去することができ、焼結体表面には変質
や損傷は認められず、焼結体自体も密度、寸法精
度共に極めて良好であることが確認された。
(実施例 4) 酸化物分散強化合金MA753粉(Ni−20%Cr−
2.3%Ti−1.5%Al−1.3%Y2O3、ほか)を原料粉
とし、静水圧押出しと機械加工によりタービン翼
形状の成形体とした。この上に被覆第1層として
スピネル粉層を塗布し、その上に耐火物層として
アルミナ55体積%、軟化性物質として硼珪酸ガラ
ス粉45体積%の混合粉を塗布して第2層を形成
し、その上に第3層としてソーダ石灰ガラス粉層
を形成した。
これを熱間等方圧プレス内に入れ、真空中850
℃に加熱し、被覆第3層を溶融させて気密化させ
てカプセルとし、次いでアルゴンガス2000気圧、
1250℃で加圧加熱し、カプセル第2層の粘弾塑性
変形により等方圧下で焼結させた。
冷却後カプセルは容易に除去することができ、
高密度、高品質で寸法精度の高い酸化物分散強化
合金製のタービン翼を得ることができた。
(実施例 5) 市販の純アルミニウム粉末(99.8%Al)80体積
%、SiCウイスカ20体積%を混合し、分割金型及
び真空熱間プレスにより600℃で過給機インペラ
を成形し、同時に仮焼結を行つた。この成形体表
面に黒鉛粉分散液をスプレー塗布して被覆第1層
とし、この上に耐火物粉としてジルコニア65体積
%、軟化性物質としてアルミニウムほうろう用フ
リツト粉35%を混合した混合粉を塗布して第2層
とした。さらにその上に低融点ガラス粉を塗布し
て第3層を形成した。この3層の被覆層の厚みは
全体で1.5mmであつた。次に十分乾燥、脱気して、
真空中で630℃まで加熱し第3層を軟化させて気
密化したカプセルとし、熱間等方圧プレス内に入
れてアルゴンガス2000気圧、温度640℃でSiCウ
イスカ混合の複合材料を加圧焼結した。冷却後の
カプセル除去は容易であり、得られた過給機イン
ペラは健全なものであつた。
以上の実施例に用いた材料のほかに本発明の方
法はその他のセラミツクス粉、金属粉、及び金
属・セラミツクス複合材料にも適用できることは
容易に理解されよう。
(発明の効果) 以上述べたように本発明の方法は所望の成形体
上に3層構造の被覆層を設けその最外層のみを焼
結温度以下の温度で溶融させて密封カプセルと
し、中間層は耐火物と軟化性物質との混合粉で形
成するので所望の熱間等方圧プレス条件に応じて
適切な軟化特性、圧力伝達特性及び安定性をカプ
セルに付与することができる。被覆層の形成に当
たつては成形体表面に粉末を塗布して行くので脆
弱な成形体を損傷することがない。被覆層の外層
には軟化性物質単味の層を形成するため、該外層
を溶融させることによつて気密化が完全なカプセ
ルとすることができる。カプセルの内層に離型性
の耐火物層を形成するので焼結後のカプセルの焼
結体からの離型が良く、製品の表面の損傷がな
い。熱間等方圧プレスによつて加圧しながら焼結
するので高品質、高密度の複雑形状の焼結体を得
ることができる等の実用上優れた効果を奏するの
で、各種のタービン、エンジン、過給機、鍛圧機
械、産業機械等の複雑形状の精密部品を耐熱性、
耐食性、耐摩耗性、高強度、軽量の点に優れた金
属、セラミツクスまたは両者の複合材料によつて
生産性より製造することが可能になるので産業上
貢献するところが甚だ大きい。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明の方法を示すフローシートで
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属粉、セラミツクス粉または金属・セラミ
    ツクス複合粉を原料粉として熱間等方圧プレスに
    よつて焼結機械部品を製造する方法において、 (第1工程) 所望原料粉によつて所望形状の粉
    末成形体を製作する工程、 (第2工程) 該粉末成形体に下記の3種類の被
    覆層を順次形成する工程、 (イ) 成形体の原料粉と反応しない耐火物粉より
    なる第1層、 (ロ) 焼結温度において溶融及び軟化しない耐火
    物粉と焼結温度以下で軟化性の材料粉よりな
    り、軟化性物質の混合量が15〜90体積%であ
    る混合粉よりなる第2層、 (ハ) 焼結温度以下で軟化、融解する珪酸塩系ガ
    ラスの軟化性物質粉よりなる第3層、 (第3工程) 該第3層を構成する材料の融点ま
    たは軟化点以上でかつ焼結温度より低い温度に
    加熱して、被覆層表面の気孔を封じて粉末成形
    体を封入したカプセルとする工程、 (第4工程) 熱間等方圧プレス装置内で該カプ
    セルを焼結温度に加圧、加熱してカプセル内の
    粉末成形体を焼結する工程、 (第5工程) カプセルを除去して焼結体を取出
    す工程よりなることを特徴とする焼結機械部品
    の製造方法。 2 原料粉がアルミニウム、チタン、ニツケル、
    コバルトまたは鉄のうちいずれか一つを主成分と
    する金属粉である特許請求の範囲第1項記載の焼
    結機械部品の製造方法。 3 原料粉が窒化珪素、炭化珪素、アルミナまた
    はジルコニアのうちいずれか一つを主成分とする
    セラミツクスである特許請求の範囲第1項記載の
    焼結機械部品の製造方法。 4 原料粉がアルミニウム、チタン、ニツケル、
    コバルトまたは鉄のうちいずれか一つを主成分と
    し、セラミツクス粒子またはセラミツクス繊維を
    分散させた複合材料である特許請求の範囲第1項
    記載の焼結機械部品の製造方法。 5 被覆第1層が炭素、窒化硼素、ジルコニア、
    アルミナ、マグネシア、イツトリアまたはスピネ
    ルのいずれか一つよりなる特許請求の範囲第1項
    記載の焼結機械部品の製造方法。 6 被覆第2層の耐火物が炭化珪素、窒化珪素、
    窒化硼素、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、
    スピネルまたはジルコンのいずれか一つである特
    許請求の範囲第1項記載の焼結機械部品の製造方
    法。 7 被覆第2層の軟化性物質が珪酸塩、硼珪酸塩
    またはアルミノ珪酸塩のいずれか一つである特許
    請求の範囲第1項記載の焼結機械部品の製造方
    法。 8 被覆第3層の軟化性物質が珪酸塩ガラスまた
    は硼硅酸塩ガラスである特許請求の範囲第1項記
    載の焼結機械部品の製造方法。 9 3層被覆層の形成方法が所望の粉末を液体に
    分散させてスラリーとし、成形体表面に順次塗布
    し、またはスプレー塗布する方法である特許請求
    の範囲第1項記載の焼結機械部品の製造方法。
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