JPH037628B2 - - Google Patents

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JPH037628B2
JPH037628B2 JP58225236A JP22523683A JPH037628B2 JP H037628 B2 JPH037628 B2 JP H037628B2 JP 58225236 A JP58225236 A JP 58225236A JP 22523683 A JP22523683 A JP 22523683A JP H037628 B2 JPH037628 B2 JP H037628B2
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JP
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hot
powder
pressure
molded
organic substance
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Kyotaka Tsukada
Masaya Yamada
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH037628B2 publication Critical patent/JPH037628B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高強度で信頼性が高く、均一な組織
を有し欠陥のないセラミツクス焼結体の製造方法
に係り、特に本発明は肉厚品や複雑形状品にも最
適の各種の前記特徴を有するセラミツクス焼結体
の製造方法に関する。 従来、一般的に行われているセラミツクス焼結
体の製造方法は、セラミツクス原料を所望の形状
成形し、次いで加圧又は常圧下で焼結する方法で
ある。 ところで前記セラミツクス原料を所望の形状に
成形する方法としては、泥漿鋳込み成形、ドクタ
ーブレード成形、押出し成形、射出成形、乾式ま
たは半乾式加圧成形、揺動成形或いは冷間ラバー
プレス成形などの各種の成形方法が知られてい
る。 しかしながら、このような成形方法により肉厚
の一次成形体を成形するとセラミツクス原料微粉
の粒子相互の作用で該成形体に圧力分布や温度分
布を生じ、該成形体の表面部と内部との各部分で
著しい密度差や残留応力が生じ易く、また、複雑
な形状の一次成形体を成形すると圧力が該成形体
の各細部まで均一に伝達されず、圧力不足や集中
応力が生ずる部分があつて、ひいては成形体に亀
裂や変形を惹き起し易い欠点がある。 このように、肉厚や複雑形状の成形体は、その
一次成形時に多くの欠陥を生じ易く、得られるセ
ラミツクス焼結体は極めて不均一の組織のものと
なり、諸物性の劣化の原因となつている。すなわ
ち、上記のような欠陥を有する一次成形体を焼結
すると、焼結後もこれらの欠陥はそのまま残留す
るばかりでなく、組織の不均一性や成形体の形状
の如何によつて新らたに成形体に亀裂、フクレ、
局部的な反りやねじれなどの歪み変形を生じて、
正常な形状で均一な組織のセラミツクス焼結体を
得ることは極めて困難であつた。 そのため、肉厚の一次成形体を成形するに当つ
ては非常に高い圧力を加えて該成形体の表面部と
内部との密度差をできるだけ少くする試みがなさ
れたり、該成形体を焼結するに当つて昇温速度を
著しく遅くして表面部と内部との収縮の差を出来
るだけなくする試みなどがなされていた。 しかしながら、このような試みは高圧プレスの
設備費が高価なものとなつたり、焼結時間に長時
間を要するため著しく生産性が低下し、セラミツ
クス焼結体の量産には適しないなどの欠点があつ
た。 一方、複雑形状の一次成形体を成形するに当つ
ては、たとえば特開昭56−45871号公報および特
開昭56−50175号公報などによれば、複雑形状部
分を幾つかのパーツ部分に分割して成形した後、
これらの分割成形体を焼成前或いは焼成後に部分
的に嵌合したり他の接合方法により成形体各部分
を合体し一体化することが行われている。 しかしながら、このような方法によれば成形工
程や焼成工程が幾つかに分かれて複雑となるばか
りでなく、嵌合部分や接合部分の成形体や焼成体
の強度が一体成形方法の場合に比較して低下する
欠点があり、また製品の諸物性や生産性の点でも
難点があつた。 このように、分割した肉厚や複雑形状の一次成
形体からは高強度でその他の諸物性が優れた高い
信頼性のあるセラミツクス焼結体を製造すること
は非常に困難であつた。 これに対し、特開昭55−75969号および特開昭
55−75970号公報などによれば、セラミツクター
ビンローターのような複雑形状のセラミツクス製
品の製造方法において、窒化ケイ素と焼結助剤と
からなるセラミツクス材料粉末に有機バインダー
を混合したものを射出成形により一体成形した後
常圧焼結し、その後必要に応じて粉体の圧力媒体
を用いたホツトプレスまたは熱間等圧プレスを行
うことにより、高密度で高強度の焼結体を製造す
ることができると報告されている。 しかしながら、この製造方法においては円板状
のハブ部とその外周に設けられた翼部をが一体成
形されるため、特に翼部のように複雑形状である
部分のうち翼の付け根部分などは該成形体の厚さ
がハブ本体部に比較して著しく薄くなつており、
肉厚の部分ら急激に厚さが薄くなる部分であるこ
とから局部的に集中応力が加わつて亀裂を生じ易
く、さらに部分的な密度の差に伴う焼結時の熱膨
張の差に基因する応力が境界部に集中して加わり
亀裂が生じ易くなるため、焼結体の全体にわたり
均一な組織を形成することはきわめて困難であつ
た。 本発明は、上記従来技術の事情に鑑み、高強度
で信頼性が高く、均一な組織を有し欠陥のない各
種のセラミツクス焼結体の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。 本発明によれば、各種のセラミツクス原料微粉
に熱可塑性を有する有機物(以下、熱可塑性有機
物と称す)を均一に混合添加したものを一次成形
し、その表面に特に被膜を形成することなくその
ままの状態でホツトプレスまたは熱間等方圧プレ
スを行うか或いは表面にたとえば熱可塑性物質か
ら成る被膜を形成して外気と遮断した状態でホツ
トプレスまたは熱間等方圧プレスを行い、次いで
前記有機物および被膜を除去した後、該成形体を
焼結することを特徴とするセラミツクス焼結体の
製造方法を提供することによつて前記目的を達成
することができる。 次に本発明について詳しく説明する。 従来、セラミツクス原料粉末に1種又は2種以
上の有機質バインダーを添加し混練したものを成
形し、該成形体を加熱して含有されるバインダー
を除去した後に焼結するセラミツクスの製造方法
は、前記のセラミツクタービンローターの製造方
法などによつて、既に公知の技術であるが、本発
明者らは前述のように成形体を加熱して有機バイ
ンダーを除去する際に、バインダーが軟化して同
時にセラミツク原料微粉の各粒子が移動し易くな
ることなどに着眼し、有機バインダーの除去前に
圧力媒体を用いたホツトプレスまたは熱間等方圧
プレス方法で温度を加えつつ圧力を加えることに
よつて、成形圧力の伝達が成形体の細部にまで均
一に行きわたり、その結果均一な組織を有し全体
として欠陥がなく高強度で信頼性の高い各種のセ
ラミツクス製品が得られることを新規に知見し本
発明を完成するに至つた。 つまり、本発明はセラミツクス原料微粉に熱可
塑性有機物を均一に混入添加した混合物を射出成
形が押出成形のように従来知られた一般的な前述
のような成形方法でまず一次成形し、肉厚や複雑
形状の成形体のように気泡が比較的多く残存し易
いものは、その表面に可塑性被膜を形成して外気
を遮断した状態で熱可塑性有機物を軟化した状態
下で、ホツトプレスまたは熱間等方圧プレスで二
次成形し、この成形体の芯部や細部のすべての部
分に至るまで圧力を均等に伝達することによつ
て、成形体全体に気泡がなく密度差もない成形体
を得ることを特徴とするものである。そのため、
一次成形の際に生じていた残留応力は解除され、
集中応力によつて生じた成形体の亀裂やラミネシ
ヨーンは完全に解消される。一方、円板や薄板の
ような単純形状の成形体のように気泡が比較的少
ない独立気泡や無泡のものは、その表面に被膜を
形成することなくそのままの状態でかつ熱可塑性
有機物が軟化した状態下で従来では採用されてい
なかつたホツトプレスまたは熱間等方圧プレスで
二次成形し、均一な密度の欠陥のない成形体を得
る。このように従来では採用されていない二次成
形処理をすることによつて、その後の熱可塑性有
機物及び成形体表面の被膜の除去や焼成の工程の
コントロールも容易となり、さらには焼結体の組
織全体が均一で緻密なものとなるため、機械強度
やその他の諸物性も向上することになる。 なお、独立気泡の成形体においてもその表面に
熱可塑性被膜を形成して、ホツトプレスや熱間等
方圧プレスを同様に行うこともできる。 本発明によれば、セラミツクス原料微粉に熱可
塑性有機物を均一に混合した混合物を一次成形す
ることが必要である。 本発明における前記セラミツクス原料微粉とし
ては種々のものが使用できるが、なかでも炭化
物、窒化物、酸化物あるいはそれらの化合物のな
かから選ばれる少なくとも1種を主成分とするも
のであることが好ましく、炭化物として例えば炭
化珪素、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化タ
ングステン、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ジ
ルコニウム、窒化物としては例えば窒化珪素、窒
化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化
タンタル、窒化ジルコニウム、酸化物としては例
えばステアタイト、フオルステライト、アルミ
ナ、ジルコン、ベリリア、マグネシア、ムライ
ト、コージエライト、チタン酸アルミニウム、ジ
ルコニア等を使用することができる。 本発明において、前記セラミツクス微粉は平均
粒径が2μm以下の微粉末であることが好ましい。
平均粒径が2μmよりも大きいセラミツクス粉末
は粒子相互の接触点が比較的少なく、従来公知の
潤滑剤で十分成形性を向上させることができる
が、粉末の焼結性が劣るため、高密度の焼結体を
製造することが困難であるからである。 そして、上記セラミツクス原料微粉のほかに、
必要により焼結助剤が添加される。 窒化珪素、炭化珪素等はそれ自体では焼結しに
くい材料であるのでこの場合は焼結を促進するた
めに適量の焼結助剤が必要である。これら焼結助
剤として酸化イツトリウム、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化珪素等の酸化物の他、ボロン、炭化ボ
ロン、炭素、炭化タングステン等を用いることが
できる。特に酸化物は焼結促進性が高く好ましい
が、この中でも特に酸化イツトリウム、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウムは焼結促進性に優れ
るとともに、焼結部材の高温強度を低下させるこ
とが少なく特に好ましい。これらの焼結助剤の粒
度も微粉である事が好ましい。 一方、本発明における前記熱可塑性有機物とし
ては、ワツクス、木ろう、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリプタジエン、ブタジエン共重体、
シエラツク、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸
ビニール、メチルセルロース、酢酸セルロース、
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリス
チレン、ポリエステル樹脂、更には樟脳、ナフタ
リン、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン
酸、リノール酸、アントラセン、カルバミン酸及
びそれ等の誘導体の中から1種又は2種以上選ば
れたものが用いられる。 また、これらの熱可塑性有機物のほかに通常成
形圧力の伝達性を良好にし成形性を改善するため
に潤滑剤を添加することが行なわれている。 前記潤滑剤としては例えばカーボンワツクス、
ステアリン酸ジグリコール、ステアリン酸、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、
鉱油と脂肪の混合物、パラフインエマルジヨン、
ワツクスエマルジヨン、グリセリンあるいはポリ
エチレンなどがある。 本発明によれば、前記セラミツクス原料微粉
100容量部に対して、前記熱可塑性有機物5〜300
容量部を添加し混合することが必要である。その
理由は、前記熱可塑性有機物の添加量が5容量部
よりも少ないと、混合物は成形性が著しく劣り一
次成形体の形成する際に極めて大きな圧力を必要
とするばかりでなく、該成形体の嵩密度や成形時
の圧力分布にバラツキが生じ易くなる。また二次
成形時にホツトプレスや熱間等方圧プレスにより
加温しても前記熱可塑性有機物が軟化して流動性
を増して均一で欠陥の少ない成形体を得ることが
困難である。一方300容量部より多いと該成形体
中に存在する熱可塑性有機物の占める量が多くな
り過ぎて成形体の密度が低くなり高密度の焼結体
を得ることが困難となるからである。なかでも、
熱可塑性有機物の添加量は20〜200容量部である
ことが好適である。 本発明によれば、前記セラミツクス原料微粉と
熱可塑性有機物とその他必要により添加される焼
結助剤または潤滑剤などの混合物を一次成形する
ことが必要である。 一次成形する方法としては、前述のような射出
成形、押出成形、泥漿鋳込み成形、ドクターブレ
ード成形、乾式又は半乾式加圧成形、揺動成形或
いは冷間ラバープレス成形などの方法があり、こ
れらの方法のいずれも任意に採用することができ
る。なお、本発明においても上記の方法により一
次成形した複雑形状の成形体、例えばガスタービ
ン機関のバーナー、ノーズコーン、ローター、ス
テーター、熱交換器、デイーゼルエンジンのシリ
ンダーピストン、ターボチヤージヤーローター等
の他、精密機械工作機器の切削工具、ボールベア
リング、ローラーベアリング、更に圧延鋼板製造
用圧延ローター等数多くの部材の成形体には、亀
裂やラミネーシヨンが生ずることがある。 そのため、本発明によればこれらの成形体の亀
裂やラミネーシヨンを解消する目的で前記熱可塑
性有機物が少なくとも軟化する温度、例えば200゜
〜300℃以下の温度で加熱した状態で粉末の圧力
媒体を用いたホツトプレスまたは液体もしくは気
体の圧力媒体を用いた熱間等方圧プレスにより二
次成形をして、成形圧力の伝達を成形体の細部に
まで均一に行うことにより、一次成形段階におけ
る残留応力を解除し、集中応方によつて生じた亀
裂やラミネーシヨンなどを解消する。 前記粉末の圧力媒体を用いたホツトプレスを用
いた二次成形方法としては、例えば黒鉛モールド
型の中に前記一次成形体を入れ、詰め粉として例
えば窒化ホウ素(BN)粉末や炭素(c)粉末を圧力
媒体として充填して、300℃以下の温度で前記成
形体を加熱しながら加圧する方法を採用すること
ができる。上記300℃以下の温度とする理由は、
前記熱可塑性有機物が少くとも軟化する温度であ
り、最も軟化点の低い有機物であれば、常温ない
しこれに準ずるごくわずかの加熱でもよい場合が
ある。この点、従来例として前掲の特開昭55−
75970号公報におけるホツトプレスを用いて1600゜
〜1800℃で成形物を焼結するのとは本質的にその
作用効果が異なるものである。 また、前記液体もしくは気体の圧力媒体を用い
た熱間等方圧プレスを用いる二次成形方法として
は、一般にアイソスタテイツク又はハイドロスタ
テイツク加圧成形法と呼ばれるパスカルの原理を
利用した全面等方圧の成形方法であつて、最も代
表的なものは、ラバープレス法と呼ばれる変形抵
抗の少ない弾性体容器である耐熱肉厚ゴム製の中
空容器内に前記一次成形体を納入し、緊締具で密
閉後、高圧容器に投入し、ヘリウムやアルゴンガ
スなどの非酸化性ガスか、水もしくは各種の油類
のような液体を封入し、液圧や気体圧を高めると
共に液体や気体を加熱膨張させつつ、複雑形状で
表面に凹凸部を有する成形体であつても等方圧プ
レスを加熱した状態で二次成形をすることができ
る。 そして本発明によれば、前記ホツトプレスまた
は熱間等方圧プレスの圧力を、前記一次成形の圧
力の5〜500%であることを必要とする。二次成
形としてのホツトプレスまたは熱間等方圧プレス
の圧が一次成形の圧力の5%よりも小さいと前記
熱可塑性有機物が軟化して成形体内の流動性が向
上しても成形圧力が細部にまで均一に伝達されず
に成形体中に気孔が残り易く、また封入された空
気などの気体によるラミネシヨーンが解消し難
く、しかも二次成形に長時間を要し効率が低下す
るかである。一方500よりも大きいと極めて高い
耐圧容器を必要とするばかりでなく加圧設備も高
価なものとなり、さらには成形体内の軟化した有
機物が外部に流出して形状がくずれ易くなる。 本発明によれば、一次成形体の気孔が連続気泡
である場合には、成形体表面の一部または全部に
被膜を形成して外気と遮断した状態でホツトプレ
スまたは熱間等方圧プレスを行う必要がある。前
記連続気泡とは、成形体内に空気その他の気体が
封入されており、その気泡が占める割合、すなわ
ち気孔率が4〜5%以上である場合には、小さな
気泡同誌が合体して非独立気泡の連続した気泡の
状態となつているものを意味し、一次成形方法と
して射出成形法や冷間ラバープレスなど以外の空
気を成形体内に巻き易い成形方法を採用した場合
に起り易い。また、成形体表面の一部に被膜を形
成する場合としては、複雑形状の一つであるター
ビンローターの如き翼部と本体部の境界面や翼部
のように肉薄で亀裂を生じ易い部分のみに被膜を
形成して、外部と遮断して気封状態に近い状態で
ホツトプレスや熱間等方圧プレスで加熱加圧する
ことにより一次成形の段階で生じた残留応力を解
消したり、集中応力によつて生じた亀裂やラミネ
ーシヨンなどを完全に解消する目的で二次成形す
るものである。 なお、前記被膜は熱可塑性物質であつて有機物
であつても無機物であつてもよい。有機物として
は、前記熱可塑性有機物のTg点よりも低くかつ
該有機物の分解温度よりも高い分解温度の物質で
あることが望ましい。例えば、ポリアミド樹脂や
ポリエチレン樹脂のようにTg点が比較的低く、
また分解温度が比較的高い有機物やシリコンゴム
のように同じような性質を有する無機物が、その
代表的なものとして採用できる。これらの熱可塑
性物質は200℃〜300℃という比較的温度の高いホ
ツトプレスや熱間等方圧プレスの加熱状態下にお
いて、熱分解することなく、成形体内部を外気と
遮断した状態で被膜を保持できる性質を有し、併
せて成形体内部に均一に混合分散された熱可塑性
有機物が軟化する以前に、いち早く成形体表面に
被膜を形成して、成形体内部を外気と遮断して成
形体内部に外気が侵入したり、成形体内部に残存
する気体によるラミネーシヨンが顕著になること
を防止すると共に、成形体表面に生じた亀裂を接
合し、さらには亀裂の発生を防止する効果がある
ものであることが好適なものとなる。 本発明によれば、前記ホツトプレス又は熱間等
方圧プレスの温度は、前記熱可塑性有機物のTg
点、すなわちガラス移転温度
(Thermogravimetry)の80%〜該有機物の分解
温度の98%の範囲内であることを必要とする。
Tg点は例えばポリアミド樹脂について説明すれ
ば、40゜〜70℃の範囲にあり、この80%以上であ
れば、成形体内に均一に分散した熱可塑性樹脂は
殆んど軟化点に達して溶融し成形体は熱変形を起
こし易い状態となると共に、同時にセラミツクス
原料微粉も移動し易い状態となる。一方、同樹脂
の分解温度は概ね150゜〜270℃位であるが、この
温度の98%以下であれば、該樹脂は熱分解するこ
となく軟化した状態を維持し、前記二次成形の圧
力が該成形体の細部にまで均一にゆきわたること
になり、たとえ成形体が複雑形状であつてもその
細部に至るまで成形圧力がゆきわたつて密度差が
なくなり、かつ気孔がほとんど残存しない良好な
状態となることによつて、このような二次成形体
から得られる各種のセラミツクス焼結体は均一組
織でバラツキがなくきわめて信頼性の高い優れた
諸物性を有するものとなる。 このような条件を具備する熱可塑性有機物は、
一般に軟化点が低く、しかも熱分解ガスは有害で
はなく、強アルカリ性や強酸性のガスを発生する
ことなく、しかも灰分又は炭化残留分(C)などの少
ないものであることが好ましく、被膜形成物質と
しての熱可塑性物質は、これらの熱可塑性有機物
よりもTg点が低く、しかも熱分解温度が高い物
質であることが有利である。 本発明によれば、前記二次成形方法により加熱
加圧処理した成形体の表面に形成された被膜およ
び成形体内に分散する熱可塑性有機物を除去する
必要がある。このような被膜と熱可塑性有機物を
焼結前に除去しないと焼結時に大量の熱分解ガス
を発生して成形体が変形したり発泡による亀裂を
生じ、さらには成形体内の組織が不均一となつ
て、焼結体の諸物性が著しく低下したり、焼結が
著しく阻害されることになる。それゆえ、焼結前
に前記熱可塑性被膜や熱可塑性有機物を除去する
のであるが、その方法としては大別して、(イ)各種
の溶媒や加圧蒸気を介して液体として成形体から
除去する方法、(ロ)蒸発又は熱分解蒸発などをさせ
て気体として除去する方法のいずれかの方法を採
用することができる。この際、該有機物などの蒸
発が成形体表面或いは表面近くで起る場合には蒸
発速度が速くても成形体の破損は少なく、該有機
物がワツクスである場合には溶融状態で粘度の低
い液体となるので、成形体中を移動し易くなり成
形体表面にまで移動して蒸発し易いものであるこ
とを考慮すれば、セラミツクス原料微粉と混合す
る前記熱可塑性有機物は、この点に関しては少く
ともワツクスを選択して使用することが有利であ
る。一方、前記熱可塑性有機物が樹脂系有機物で
あると溶融時の粘度は著しく大きいので、成形体
内での移動が起りにくく、深部すなわち肉厚成形
体の中心部などにおける蒸発(分解)による発泡
(ふくれ)や変形、さらには成形体の破かいなど
を生じて不利であり、また蒸発に要する処理時間
も長くなる欠点がある。そして同一の粘度の溶融
液体であつても一時的に熱分解したり蒸発する有
機物は、成形体の発泡や変形、さらには破かいを
起こし易いので、このような諸条件を充分に考慮
して、熱可塑性有機物や熱可塑性被膜を成形する
物質を適宜選択することが重要な点である。 この点、前記熱可塑性有機物は、セラミツクス
原料微粉との混練性、滑り性、強度、膨張及び収
縮性、蒸発又は熱分解による除去性などを総合し
て考慮することにより選択する必要がある。 本発明によれば、成形体の形状が複雑形状であ
る場合には、常圧焼結または熱間等圧焼結のいず
れかの方法により該成形体を焼結することが有利
である。これらの焼結方法は、複雑形状の成形体
の焼結に適しているからである。特に熱間等方圧
プレス焼結法は、ラバープレスと称する等方圧縮
成形法と常圧焼結法とを同時に行うものであつ
て、圧力媒体としてヘリウムやアルゴンなどの非
活性ガスを用いた熱間静水圧焼結法(HIP)を採
用することにより、加圧と加熱とを同時に行える
特徴があり複雑な形状の焼結体を有利に製造する
ことができる。この点、本発明の特徴事項の一つ
である二次成形方法と共通する技術思想ではある
が、本発明は均質な成形体を得るに当つて、上記
HIPの長所を熱可塑性物質の特性と絡み合わせて
最も有利に活用したものであつて、前記従来例と
は本質的に異なる。 以下、本発明の実施例を比較例と対比しながら
説明する。 実施例 1 焼結用sicパウダー100容量部にメタクリル樹脂
を32容量部添加し混合した後そのパウダーを金型
に入れ1.5t/cm2のプレス圧で成形し、φ100mm×
100mm厚の成形体を得た。この成形体の気孔率は
48%であつた。この表面にポリアミド樹脂の被膜
をコーテイングして、カーボンモールド内に前記
成形体を窒化ボロン(BN)粉を共に収納し、
200℃で加熱しながら1.0t/cm2の圧力でプレスを
行つた。その結果、この成形体の気孔率は5%と
なつた。この成形体を20℃/Hrでで500℃まで脱
脂を行つたが成形体に異常は生じなかつた。この
成形体を30℃/Hrの昇温スピードで焼結した。
こうして得られた焼結体の密度は97.5%TDに達
し、表面部では97.7%TD、中心部では、97.2%
TDであつた。この焼結体の表面部および中心部
から供試体を10本切り出して曲げ強度を調べた結
果、表面部の強度は85.6Kgf/mm2、中心部の強度
は84.9Kgf/mm2であり、ワイブル係数はそれぞれ
10.8、11.5であつた。 比較例 実施例1と同一組成のパウダーを用いて温間等
方圧処理を行わず、同様の脱脂を行つたところ、
成形体は中心部から亀裂が入り完全に割れてしま
つた。 そこで脱脂速度を5℃/Hrで行つたところ亀
裂を生じなかつた。この成形体を30℃/Hrの昇
温スピードで焼結した。この焼結体の密度は85%
TDであり、表面部では92%TD、中心部では80
%TDであつた。この焼結体を実施例と同様に強
度試験を行つたところ、表面部、中心部の強度お
よびワイブル係数mはそれぞれ、62.5Kgf/mm2
(m=4.9)、23.4Kgf/mm2(m=6.8)であつた。 実施例 2 焼結用Si3N4パウダー100容量部にポリスチロ
ール樹脂を90容量部添加し混練した後、そのパウ
ダーを1.5t/cm2の射出圧力でタービンローターの
射出成形を行い、直径150mm、最大肉厚50mm、翼
部厚み2mmの成形体を得た。この成形体の気孔率
は4%であつたため、そのままN2ガスを圧力媒
体とした等方圧プレス内に収納し、250℃で加熱
しながら、2.0t/cm2の等方圧プレス処理を行つ
た。この結果成形体の気孔率は0.5%となつた。
この成形体を3℃/Hrで500℃まで脱脂を行い30
℃/Hrの昇温速度で焼結したところ、この焼結
体の密度は98.0%TDに達し、翼部では98.3%
TD、最大肉厚部でも97.8%TDであつた。各部分
の強度、ワイブル係数はそれぞれ103.5(14.5)、
105.8Kgf/mm2(12.3)であつた。 実施例 3 実施例2と同様に一次成形を行つた成形体のう
ち、翼のつけ根部分に翼裂の生じているものに、
シリコンゴムをコーテイングして同様の温間等方
圧処理を施したところ、前記亀裂は完全に癒着し
ており、同様の脱脂、焼成を行つた後も前記亀裂
が再び生じることはなかつた。この焼結体の密度
も変らず、翼部、最大肉厚部の強度、ワイブル係
数はそれぞれ104.7(13.8)、101.9(13.1)であつ
た。 比較例 実施例2と同様の成形体に温間等方圧処理を行
なわず、同様の脱脂を行つたところ、翼部に多数
の亀裂が生じた。そこで1℃/Hrで脱脂を行つ
たところ外観上に亀裂が認められなかつた。焼結
後、同様の評価を行つたところ、密度は93.2%、
翼部98.1%、最大肉厚部92.2%TDで最大肉厚部
には多数の亀裂がみられた。 実施例 4 焼結用のZrO2パウダー100容量部にパラフイン
ワツクスを28容量部添加し、1.0t/cm2の押出成形
を行い外径100mm、内径20mm、長さ1000mmに長尺
パイプを得た。このパイプには表面に細かい亀裂
が多数生じており、ポリエチレン樹脂被膜をコー
テイングした温間等方圧処理によりこの亀裂は完
全に消滅し、良好な焼結体を得た。 実施例 5 焼結用Al2O3パウダー100容量部にポリアミド
樹脂を29容量部添加して、鋳込み成形を行い500
×500×150mmの角板成形体を得た。この成形体に
ポリスチロール樹脂をコーテイングして温間等方
圧処理を施し、焼結したところ、内部と表面部の
密度差がほとんどなく、良好な焼結体を得ること
ができた。 上記実施例1〜5と比較例により得られるセラ
ミツクス焼結体の製造条件、殊に一次成形と二次
成形の諸条件をまとめると下記の表の通りであ
る。
【表】 以上、本発明によれば、セラミツクス焼結体の
生成形体を均一に組織にすることにより、密度ム
ラを無くし機械強度を向上させることができると
共に、焼結体の部分的クラツクの発生などのない
肉厚で複雑形状の射出成形が可能な製品を得るこ
とができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セラミツクス原料微粉に熱可塑性を有する有
    機物を均一に添加混合した混合物を一次成形し、
    表面に皮膜を形成することなくそのままの状態で
    粉末の圧力媒体を用いたホツトプレス又は熱間等
    方圧プレスを行うか或いは表面の一部又は全部に
    皮膜を形成して外気と遮蔽した状態で粉末の圧力
    媒体を用いたホツトプレス又は熱間等方圧プレス
    を行い、次いで前記有機物および成形体表面の被
    膜を除去した後、該成形体を焼結することを特徴
    とするセラミツクス焼結体の製造方法。 2 セラミツクス原料微粉100容量部に対して熱
    可塑性を有する有機物5〜300容量部を均一に添
    加混合した混合物を一次成形することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記記載の製造方法。 3 前記熱可塑性を有する有機物または前記被膜
    が少なくとも軟化する温度で加熱した状態で粉末
    の圧力媒体を用いたホツトプレス又は液体もしく
    は気体の圧力媒体を用いた熱間等方圧プレスを行
    うことを特徴とする特許請求の範囲第1項または
    第2項に記載の製造方法。 4 前記粉末の圧力媒体を用いたホツトプレス又
    は熱間等方圧プレスの圧力は、一次成形の圧力の
    5〜500%であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項〜第3項のいずれかに記載の製造方法。 5 前記被膜は熱可塑性物質であつて前記熱可塑
    性を有する有機物のTg点よりも低くかつ該有機
    物の分解温度よりも高い物質から成り、前記プレ
    スの温度は、該有機物のTg点の80%〜該有機物
    の分解温度の98%の範囲内であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記
    載の製造方法。 6 前記セラミツクス原料微粉は、平均粒径が
    2μm以下の炭化物、窒化物、酸化物あるいはそ
    れらの化合物のなかから選ばれる少なくとも1種
    を主成分とする特許請求の範囲第1項〜第5項の
    いずれかに記載の製造方法。
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