JPH0558899A - プロテインc活性化促進剤 - Google Patents

プロテインc活性化促進剤

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JPH0558899A JP3242784A JP24278491A JPH0558899A JP H0558899 A JPH0558899 A JP H0558899A JP 3242784 A JP3242784 A JP 3242784A JP 24278491 A JP24278491 A JP 24278491A JP H0558899 A JPH0558899 A JP H0558899A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血栓症などの予防・治療に有用なプロテイン
C活性化促進剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、ホスファチジルエタノールアミン
を有効成分とするプロテインC活性化促進剤である。プ
ロテインCはトロンボモジュリンとトロンビンとのコン
プレックスにより活性化され、血液凝固抑制作用を有す
る活性型プロテインCに変換される。本発明の有効成分
であるホスファチジルエタノールアミンはトロンボモジ
ュリンを活性化し、プロテインCから活性型プロテイン
Cへの変換を促進する。従って、本発明の薬剤によれ
ば、活性型プロテインCの産生を促進することができ、
血栓症などの予防・治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロテインC活性化促進
剤に関する。より詳細には、トロンボモジュリンによる
プロテインC活性化を促進し、血栓症などの治療、予防
等に有用な薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンボモジュリンは血管内皮細胞など
の表面に結合した糖蛋白で、カルシウムイオン存在下
で、トロンビンと1:1の化学量論的なコンプレックス
を形成することにより、トロンビンの機能的な性質、即
ち凝固経路においてフィブリノーゲンを凝固させ、血小
板を活性化し、血液凝固第V因子及び第VIII因子を活性
化された形態であるVa及びVIIIaに変換するという性
質を実質的に変化させ、凝固活性や血小板凝集を阻害す
る。また、同時に、トロンボモジュリンとトロンビンと
のコンプレックスは、血中のプロテインCを活性化し、
血栓を構成するフィブリンを分解させ、血液凝固第Va
因子及び第VIIIa因子を不活性化する作用を有し、最
近、活性型プロテインCによる血液凝固抑制が注目され
ている。より詳細には、プロテインCは、カルシウムイ
オンと結合性を有するγ−カルボキシグルタミン酸ドメ
インを含有する血漿糖蛋白の一種であり、血中では不活
性型の前駆酵素として存在するが、トロンビンにより活
性化されて活性型プロテインCとなり、上記の効果を発
現する。しかし、トロンビン単独でのプロテインCの活
性化は、極めて遅く、非効率なものであるにすぎない。
それと対照的に、トロンボモジュリンとトロンビンの
1:1のコンプレックスはプロテインCの活性化を促進
し、その速度定数はトロンビン単独のものと比較すると
約20000倍に達する。このように活性型プロテイン
Cは血液凝固抑制作用を有し、プロテインCを活性化さ
せるトロンボモジュリンは汎発性血管内凝固症をはじめ
とする血栓症などの治療薬、予防薬として期待されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のトロンボモジュ
リンとトロンビンの1:1のコンプレックスによるプロ
テインCの活性化は、カルシウムイオンの存在下に進行
し、その際、カルシウムイオンと結合し得る陰イオン性
リン脂質が大きな影響を及ぼすことが明らかにされてい
る。即ち、Cazenaveらはヒト胎盤から精製したトロンボ
モジュリンを、陰イオン性リン脂質を含むリン脂質小胞
に組み込むと、プロテインCの活性化を促進し、ホスフ
ァチジルコリン/ホスファチジルセリン含有小胞の場合
が最も強いことを見出している。そして、その作用・機
作は、陰イオン性リン脂質とプロテインCがカルシウム
イオンを介して結合し、活性化反応の場が形成されるこ
とよると推察している[Biochem. J. (1986) 238. 151-
157参照]。
【0004】本発明者等は、これらの知見に基づいてト
ロンボモジュリンのプロテインC活性化を促進するリン
脂質を鋭意研究した結果、非陰イオン性リン脂質である
ホスファチジルエタノールアミンが陰イオン性リン脂質
よりも優れた活性化能を有することを見出して、本発明
を完成した。即ち、本発明は、トロンボモジュリンによ
るプロテインCの活性化を著しく促進でき、血栓症など
の治療、予防に有用な薬剤を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明のプロテインC活性促進剤は、ホス
ファチジルエタノールアミンを有効成分とするものであ
り、更にトロンボモジュリン、ホスファチジルセリン及
び/又はプロテインCを含んでいてもよい。また、剤形
としてはリポソーム製剤又は脂肪乳剤製剤が好ましい。
【0006】本発明は上記の構成からなり、本発明にお
いて用いられるホスファチジルエタノールアミン(以
下、PEという)は下記一般式で表わされるリン脂質の
一つであり、生物界に広く分布しており、動植物細胞や
細菌細胞等に含まれている。 (式中、R1及びR2は同一又は異なった脂肪酸残基を意
味する) 本発明で使用されるPEは、これを医薬として使用でき
る程度に精製されたものであれば特に制限されるもので
はない。動植物細胞や細菌細胞等から単離・精製された
ものでもよく、また化学的に合成されたものであっても
よい。
【0007】上記一般式中、R1及びR2で示される脂肪
酸残基は特に限定されるものではなく、当該脂肪酸とし
ては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、
リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の飽和又は不
飽和の高級脂肪酸が例示される。好ましくは不飽和高級
脂肪酸(より好ましくは不飽和度の高い高級脂肪酸)が
挙げられ、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等を多く含
有するPEが好適である。
【0008】本発明の薬剤において、有効成分であるP
Eはホスファチジルセリンと併用してもよい。ホスファ
チジルセリンは医薬として使用できる程度に精製された
ものであれば特に制限されるものではない。動植物細胞
や細菌細胞等から単離・精製されたものでもよく、また
化学的に合成されたものであってもよい。また、ホスフ
ァチジルセリンの構成脂肪酸は、上記PEの構成脂肪酸
として例示した各種脂肪酸が用い得るが、好適には不飽
和高級脂肪酸を含有するホスファチジルセリンが用いら
れる。ホスファチジルセリンは、通常、PEと同量乃至
それ以下の量で添加される。
【0009】本発明の薬剤の好ましい態様として、トロ
ンボモジュリン(以下、TMという)を含有する薬剤が
挙げられる。前述のようにTMは生体内に存在するが、
本発明の薬剤にTMを加えることにより、生体内のプロ
テインC(以下、ProCという)の活性化を著しく促
進することができる。また、本発明の薬剤にはProC
を添加してもよく、より好ましくは上記TMとともに添
加される。ProCを加えた薬剤は、ProCが生体内
で迅速に活性型ProCに変換されるので、血栓症の予
防・治療に高い効果を発現することができる。
【0010】本発明の薬剤は種々の剤形とすることがで
きるが、好ましくはリポソーム製剤又は脂肪乳剤製剤と
される。リポソーム製剤は、常法に準じて調製すること
ができ、例えば、PE(及びホスファチジルセリン)を
クロロホルムなどの有機溶媒に溶解した後、溶媒を留去
して乾固し、次いで所望に応じてTM及び/又はPro
C並びに必要に応じて安定化剤などの慣用の添加剤とと
もに、精製水又は適当な緩衝液を加えて、超音波処理を
することにより調製される。また、脂肪乳剤製剤も常法
に準じて調製することができる。例えば、水に油脂及び
乳化剤を加えると共にPE(及びホスファチジルセリ
ン)を添加し、更に所望に応じてTM及び/又はPro
C並びに必要に応じて安定化剤などの慣用の添加剤した
後、乳化することにより調製される。本発明の薬剤は、
通常、静脈内投与され、投与量は、患者の体重、年齢、
疾患の程度等に応じて、適宜調整することができるが、
通常、PEとして、0.0005〜0.03g/kg体重/日、特に
0.001〜0.01g/kg体重/日を1日に1〜数回に分けて投
与される。
【0011】
【実施例】以下、実施例及び製剤例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、以下の実施例において、活性型
ProC産生量の測定は下記の方法にて行った。活性型ProC産生量の測定方法 リン脂質は、有機溶媒溶液から溶媒を留去した後、窒素
ガスで十分に乾固させ、次いで下記緩衝液を加えて超音
波処理して懸濁させた。測定は、TM、ProC、カル
シウムイオン、トロンビン等を含む下記の基本反応溶液
(100μl)を10分間、37℃でインキュベートし、活性型P
roCを産生させた後、下記アンチトロンビンIII溶液
(150μl)を添加し、37℃で10分間インキュベートして反
応を停止させた。次いで、活性型ProCの産生量を測
定するため、合成基質であるBoc-Leu-Ser-Thr-Arg-MCA
(100μM)を250μl添加して37℃で10分間インキュベート
した。600μlの20%酢酸を添加することにより反応を停
止し、生成した7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC)量を蛍
光光度計(励起波長380nm、蛍光波長460nm)により定量し
た。TMのコファクター活性は、標準AMCの蛍光強度か
ら求めた値を、pmol/min/mlで表示し、又は対照の値に
対する相対値で表示した。なお、TMは、ヒト胎盤又は
ウサギ肺から前記文献に記載の方法に準じて精製したも
のを用いた。
【0012】緩衝液 20 mM Tris-HCl (pH 7.5) 0.15 M NaCl 5 mg/ml ウシ血清アルブミン 基本反応溶液 0〜2 mg/ml リン脂質 20 mM Tris-HCl (pH 7.5) 0.15 M NaCl 5 mg/ml ウシ血清アルブミン 2 mM CaCl2 1 U/ml トロンビン 4.0 U/ml ProC 10 ng/ml ウサギ肺TM 又は 25 ng/ml ヒト胎盤TM アンチトロンビンIII溶液 3.3 U/ml アンチトロンビンIII 13.3 U/ml ヘパリン 50 mM Tris-HCl (pH 8.5) 0.1 M NaCl 1 mM CaCl2
【0013】実施例1TMによるProCの活性化に及ぼす各種リン脂質の影
リン脂質として卵黄PE、卵黄ホスファチジルコリン
(以下、PCという)、ウシ大脳由来ホスファチジルセ
リン(以下、PSという)及びウシ肝臓由来ホスファチ
ジルイノシトール(以下、PIという)を使用し、リン
脂質濃度1 mg/ml及びヒト胎盤TM 25 ng/mlの基本反応
溶液を用いて、TMによるProCの活性化に及ぼす各
種リン脂質の影響を調べた。その結果を図1に示す。図
1から明らかなように、PE又はPSの添加により、T
M活性が上昇し、活性型ProCの産生が促進されるこ
とが判明した。
【0014】実施例2TMによるProCの活性化に及ぼすPE濃度の影響 ヒト胎盤TM 25 ng/ml又はウサギ肺TM 10 ng/mlの基
本反応溶液のPE濃度を変化させ、TMによるProC
の活性化に及ぼすPE濃度の影響を調べた。その結果を
図2に示す。なお、図2中、○はヒト胎盤TMを、□は
ウサギ肺TMを示す。図2に示されるように、活性型P
roCの産生量はPE濃度に依存し、約1mg/mlで最大
となった。
【0015】実施例3PEによるTM活性上昇に及ぼす抗TMポリクローナル
抗体の影響 PEによるTM活性上昇に及ぼす抗TMポリクローナル
抗体の影響を検討するために、ヒト胎盤TM 25 ng/ml
又はウサギ肺TM 10 ng/mlを、それぞれ、TMに対し
て100倍量の抗ヒト胎盤TMポリクローナル抗体又は抗
ウサギ肺TMポリクローナル抗体と室温で30分間インキ
ュベートしたものを試料とし、TMに代えてこの試料を
含む基本反応溶液(PE 0又は1 mg/ml含有)を用いて
活性型ProC産生量を調べた。その結果を図3に示す
(図3中、黒塗のグラフ)。一方、対照には、プレイム
ノ血清から調製した免疫グロブリンを用いた(図3中、
白抜きのグラフ)。図3の横軸において、−PEはPE
非存在下を、+PEはPE存在下を意味する(以下同
様)。図3に示されるように、PEの存在下に両TM活
性は上昇したが、それぞれポリクローナル抗体で前処理
した試料を用いると、その活性上昇は完全に抑制され
た。このことから、本発明の効果は、反応系に存在する
ProCの活性化や活性型に変換されたProCの合成
基質水解速度にPEが直接影響した結果でないことが示
された。
【0016】実施例4TMによるProCの活性化に及ぼすリン脂質の脂肪酸
組成の影響 前記PEの一般式において、R1及びR2がステアリン酸
残基(以下、18:0という)、オレイン酸残基(以下、18:
1という)、リノール酸残基(以下、18:2という)及びリ
ノレン酸残基(以下、18:3という)であるPEを用い、T
MによるProCの活性化に及ぼすリン脂質の脂肪酸組
成の影響を調べた。即ち、構成脂肪酸として上記の不飽
和脂肪酸を含有するPEを1 mg/ml含む基本反応溶液
(ウサギ肺TM 10 ng/ml含有)を用い、活性型Pro
Cの産生量を調べた。また、比較として、構成脂肪酸と
して不飽和脂肪酸を含有するPCについても同様な試験
を行った。その結果を図4に示す。図中、横軸のリン脂
質において、上段はR1の脂肪酸残基を、下段はR2の脂
肪酸残基を示す。図4から明らかなように、PE中の構
成脂肪酸の不飽和度の増加につれ、TM活性は上昇し、
活性型ProCの産生量が増加した。また、PCの場合
でも、ジリノール酸含有PCではTM活性の上昇が認め
られたが、同じ組成のPEと比較するとその程度は低い
ものであった。なお、不飽和脂肪酸単独では、TM活性
の上昇は認められないことを確認してある。
【0017】実施例5PEによるウサギ肺TM活性上昇に及ぼすカルシウムイ
オン(2+)の影響 基本反応溶液(ウサギ肺TM 10 ng/ml、PE 0又は1 m
g/ml含有)中のカルシウムイオン(2+)濃度を変化さ
せて、PEによるウサギ肺TM活性上昇に及ぼすカルシ
ウムイオン(2+)の影響を調べた。その結果を図5に
示す。図5に示されるように、PE存在下ではカルシウ
ムイオン濃度の上昇につれて活性が上昇し、血液中の生
理的濃度に近い約2 mMのカルシウムイオン濃度までTM
活性は上昇した。
【0018】製剤例1 ホスファチジルエタノールアミン1.5g、オレイン酸565m
g及びDL−α−トコフェロール15mgに0.1Mトリス緩衝
液を7ml加え、氷水で冷却しながら超音波処理を行うこ
とによって、平均粒子径が50nm以下のリポソーム製剤を
調製した。リポソーム製剤のpHは0.1Mトリス緩衝液又
は1N塩酸を添加することによってpH8.0に調整した。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明のProC活性化
促進剤においては、有効成分としてPEが用いられてお
り、PEはTMを活性化するので、ProCの活性型P
roCへの変換が促進される。特に、TM、ProC及
び/又はホスファチジルセリンを含有する本発明の薬剤
は一層顕著な活性型ProC産生効果を有する。従っ
て、本発明によれば、抗血栓作用を有する活性型Pro
Cの産生が促進されるので、本発明の薬剤は血栓症の予
防・治療等に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】TMによるProCの活性化に及ぼす各種リン
脂質の影響を示す図である。
【図2】TMによるProCの活性化に及ぼすPE濃度
の影響を示す図である。
【図3】PEによるTM活性上昇に及ぼす抗TMポリク
ローナル抗体の影響を示す図である。
【図4】TMによるProCの活性化に及ぼすリン脂質
の脂肪酸組成の影響を示す図である。
【図5】PEによるウサギ肺TM活性上昇に及ぼすカル
シウムイオン(2+)の影響を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】トロンボモジュリンは血管内皮細胞など
の表面に結合した糖蛋白で、カルシウムイオン存在下
で、トロンビンと1:1の化学量論的なコンプレックス
を形成することにより、トロンビンの機能的な性質、即
ち凝固経路においてフィブリノーゲンを凝固させ、血小
板を活性化し、血液凝固第V因子及び第VIII因子を
活性化された形態であるVa及びVIIIaに変換する
という性質を実質的に変化させ、凝固活性や血小板凝集
を阻害する。また、同時に、トロンボモジュリンとトロ
ンビンとのコンプレックスは、血中のプロテインCを活
性化し、血液凝固第Va因子及び第VIIIIa囚子を
不活性化する作用を有し、最近、活性型プロテインCに
よる血液凝固抑制が注目されている。より詳細には、プ
ロテインCは、カルシウムイオンと結合性を有するγ−
カルボキシグルタミン酸ドメインを含有する血漿糖蛋白
の一種であり、血中では不活性型の前駆酵素として存在
するが、トロンビンにより活性化されて活性型プロテイ
ンCとなり、上記の効果を発現する。しかし、トロンビ
ン単独でのプロテインCの活性化は、極めて遅く、非効
率なものであるにすぎない。それと対照的に、トロンボ
モジュリンとトロンビンの1:1のコンプレックスはプ
ロテインCの活性化を促進し、その速度定数はトロンビ
ン単独のものと比較すると約20000倍に達する。こ
のように活性型プロテインCは血液凝固抑制作用を有
し、プロテインCを活性化させるトロンボモジュリンは
汎発性血管内凝固症をはじめとする血栓症などの治療
薬、予防薬として期待されている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファチジルエタノールアミンを有
    効成分とするプロテインC活性化促進剤。
  2. 【請求項2】 追加的にトロンボモジュリンを含有す
    る請求項1記載のプロテインC活性化促進剤。
  3. 【請求項3】 追加的にプロテインCを含有する請求
    項1又は2記載のプロテインC活性化促進剤。
  4. 【請求項4】 追加的にホスファチジルセリンを含有
    する請求項1から3のいずれかに記載のプロテインC活
    性化促進剤。
  5. 【請求項5】 ホスファチジルエタノールアミン及び
    /又はホスファチジルセリンの脂肪酸残基の少なくとも
    一つが不飽和高級脂肪酸である請求項1から4のいずれ
    かに記載のプロテインC活性化促進剤。
  6. 【請求項6】 剤形がリポソーム製剤である請求項1
    から5のいずれかに記載のプロテインC活性化促進剤。
  7. 【請求項7】 剤形が脂肪乳剤製剤である請求項1か
    ら5のいずれかに記載のプロテインC活性化促進剤。
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