JP2758162B2 - 出血疾患の治療方法および治療用組成物 - Google Patents

出血疾患の治療方法および治療用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は出血疾患の治療、さらに詳しくは、組織因子
タンパク質を用いてある種の臨床状態において、特にあ
る種の凝固タンパク質を欠いている動物において止血を
行なうことに関する。因子VIIIおよび因子IX欠損が2つ
の例である。 従来技術 出血は、疾患の最も重大かつゆゆしい徴候の1つであ
る。これは局所的に起こることもあるし、また全体的で
あることもある。局所的な損傷に関連した出血が、正常
な、または欠損した止血機序と重なることがある。正常
な止血には、損傷ののち直ちに作用する機序ともっと長
い期間にわたって作用する機序が含まれる。一次止血
は、主として2種類の要素、すなわち血管収縮および血
小板栓子生成からなる。維持機序は、凝固システムによ
って生成するフィブリン血餅からなる。血小板栓子生成
は毛細管止血において特に重要であり、一方、血管収縮
およびフィブリン血餅生成は比較的大きい血管の止血に
おいてより重要となる。微小循環においては、止血は血
管収縮および血小板栓子生成からなる。血小板栓子生成
はいくつかの段階に分けることができる。すなわち、損
傷を受けた内皮下表面への血小板の粘着;血小板活性の
放出反応;血小板凝集(結果として、その部位における
付加的な血小板が除去され、フィブリノーゲンおよび凝
固タンパク質がトロンビン生成を含む血小板表面に結合
する);および融合(フィブリンと溶融血小板が癒着し
て安定な止血栓子を生成すること)である。 血液凝固には、血小板凝集を誘起するトロンビンの生
成および血小板栓子を安定なものにするフィブリンの生
成という2種類の機能が発揮される。「凝固因子類」と
呼ばれる。多数の独立したプロ酵素群およびプロ補助因
子群が凝固過程に関与している。この過程はいくつかの
段階からなり、フィブリンの生成で終結する。トロンビ
ンの作用によってフィブリノーゲンがフィブリンに変換
される。トロンビンは、プロ酵素であるプロトロンビン
のタンパク質加水分解的な切断によって生成する。この
タンパク質加水分解は、活性化された因子X(因子Xaと
呼ばれる;活性化された血小板の表面に結合し、Vaおよ
びカルシウムイオンの存在下でプロトロンビンを切断す
る)によって行なわれる。 因子Xの活性化は2種類の別個の経路、すなわち外因
性または内因性のどちらかによって起こりうる(第1
図)。内因性のカスケードは一連の反応からなり、ここ
でタンパク質前躯体が切断されて活性なプロテアーゼが
生成する。それぞれの段階で新しく生成したプロテアー
ゼは、カスケードの次の段階で前駆体プロテアーゼの活
性化を触媒する。この経路においていずれかのタンパク
質を欠くと、その段階で活性化過程が遮断され、これに
より血餅の生成が妨げられ、代表的には出血傾向を生じ
る。たとえば、因子VIIIまたは因子IXの欠損は、重篤な
出血症候群、血友病AおよびBをそれぞれ引き起こす。
外因性経路の血液凝固では、組織因子(組織トロンボプ
ラスチンとも呼ばれる)が損傷を受けた細胞から放出さ
れ、因子VIIおよびカルシウムの存在下で因子Xを活性
化する。因子Xの活性化は組織因子および因子VIIによ
って触媒されるただ1つの反応であると始めは考えられ
ていたが、現在では、因子X、因子VIIおよび因子IXの
間に増幅ループが存在していることが知られている[オ
ステラッドおよびラパポート(Osterud,B.,and S.I.Rap
aport,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74:5260−5264(197
7));ツアー等(Zur,M.et al.,Blood,52:198(197
8))]。この図式におけるセリンプロテアーゼのそれ
ぞれは、他の2つのタンパク質加水分解によって、活性
化された形に変換することができ、これによって凝固過
程のこの段階でのシグナルを増幅する(第2図)。現在
では、この外因性の経路が、実際の正常な血液凝固の主
な生理学的経路ではないかと考えられている[Haemosta
sis,13:150−155(1983)]。組織因子は通常血液中に
見い出されないので、このシステムは継続して凝固させ
ることはない。従って、凝固の引き金は損傷を受けた組
織からの組織因子の放出であろう。 組織因子は、上記のように、外因性経路による血液凝
固の引き金となるうる必須の膜・糖タンパク質である
[バッハ等(Bach,R.et al.,J.Biol.Chem.,256(16),8
324−8331(1981))]。組織因子は、タンパク質部分
(以前は組織因子アポタンパク質−IIIと呼ばれてい
た)とリン脂質からなる[オステラッドおよびラパポー
ト(Osterud,B.,and Rapaport,S.I.,PNAS,74:5260−526
4(1977))]。この複合体は、単球および血管壁の種
々細胞の膜に見い出されている[オステラッド(Osteru
d,B.,Scand.J.Haematol.,32,337−345(1984))]。種
々の器官および種由来の組織因子は、42,000〜53,000の
相対分子量を有すると報告されている。ヒト組織トロン
ボプラスチンは、組織因子タンパク質:リン脂質が約1:
80の最適比で、リン脂質2重層に挿入された組織因子タ
ンパク質からなると記載されている[リーバーグおよび
プリーズ(Lyberg,T.and Prydz.H.,Nouv.Rev.Fr.Hemato
l,25(5),291−293(1983))]。種々の組織からの
組織因子の精製が報告されている:ヒト脳[グーハ等
(Guha,A.et al.,PNAS,83:299−302(1986))およびブ
ローズ等(Broze,G.H.et al.,J.Biol.Chem.,260(20),
10917−10920(1985))];ウシ脳[バッハ等(Bach,
R.et al.,J.Biol.Chem.,256,8324−8331(1981))];
ヒト胎盤[ボム等(Bom,V.J.J.et al.,Thrombosis Re
s.,42,635−643(1986))およびアンドー等(Andoh,K.
et al.,Thrombosis Res.,43,275−286(1986))];ヒ
ツジ脳[カールセン等(Carlsen,E.et al.,Thromb.Haem
ostas.,48(3),315−319(1982))];および肺[グ
ラスおよびアストラップ(Glas,P.and Astrup,T.,Am.J.
Physiol.,219,1140−1146(1970))]。ウシおよびヒ
ト組織トロンボプラスチンがその大きさおよび機能にお
いて同一であることがわかった[たとえば、ブローズ等
(Broze,G.H.et al.,J.Biol.Chem.,260(20),10917−1
0920(1985))を参照]。組織因子タンパク質の構造に
おいては種間で差異が存在しているが、インビトロ凝固
検定で測定すると機能的な差異は存在しないことが広く
認められている(グーハ等、上記)。さらに、動物の種
々の組織(たとえば、イヌの脳、肺、動脈および静脈)
から単離した組織因子は、消衰係数、窒素およびリン含
量および脂質に対する最適リン脂質比などのいくつかの
点で類似しており、分子の大きさ、アミノ酸含量、抗体
との反応性および血漿半減期においてわずかに異なって
いる[ゴンモリおよびタケダ(Gonmori,H.and Takeda,
Y.,J.Physiol.,229(3),618−626(1975))]。種々
のイヌ器官由来の組織因子のすべては、脂質の存在下で
凝固活性を示した(同上)。生物学的な活性を示すため
には、組織因子がリン脂質と結合しなければならないこ
とが広く認められている[ピトリックおよびネマーソン
(Pitlick,F.A.and Nemerson,Y.,Biochemistry,,5105
−5111(1970))、およびバッハ等(上記、8324
頁)]。たとえばホスホリパーゼを用いて組織因子のリ
ン脂質成分を除去すると、その生物学的な活性が失われ
ることがわかった[ネマーソン(Nemerson,Y.,J.C.I.,4
7,72−80(1968))]。もう一度脂質処理すると、イン
ビトロでの組織因子活性を回復させることができる[ピ
トリックおよびネマーソン(Pitlick,F.A.and Nemerso
n,Y.,Biochemistry,,5105−5113(1970))、および
フレイシネット等(Freyssinet,J.M.et al.,Thrombosis
and Haemostasis,55,112−118(1986))]。 組織因子を注入すると正常な止血を損なうものと長い
間考えられていた。1834年にフランスの生理学者ブラン
ヴィルが初めて、組織因子が血液凝固に直接的に寄与し
ていることを証明した[ブランヴィル(de Blainville,
H.Gazette Medicale Paris,Series ,524(183
4))]。また、ブランヴィルは、脳組織懸濁液を静脈
内注入すると直ちに死を引き起こすことも観察した(こ
の死は、剖検で認められた広範囲の播種性血餅を生じる
高凝固状態と関係していた)。現在では、組織トロンボ
プラスチンを静脈内注入すると、血管内凝固を引き起こ
し、種々の動物を死に至らしめることもあることがよく
認められている[イヌ:レビスおよびゼト(Lewis,J.an
d Szeto,I.F.,J.Lab.Clin.Med.,60,261−273(196
2));ウサギ:フェダー等(Fedder,G.et al.,Thromb.
Diath.Haemorrh.,27,365−376(1972));ラット:ギ
エルクスキー等(Giercksky,K.E.et al.,Scand.J.Haema
tol.,17,305−311(1976));およびヒツジ:カールセ
ン等(Carlsen,E.et al.,Thromb.Haemostas.,48,315−3
19(1982))]。 組織因子の外部投与に由来する血管内凝固または高凝
固状態に加えて、組織トロンボプラスチンの血管内放出
が播種性の血管内凝固(DIC)を開始することもあるこ
とが示唆されている[プレンチス(Prentice,C.R.,Cli
n.Haematol.,14(2),413−442(1985))]。DICは種
々の状態、たとえばショック、敗血症、心停止、強度の
外傷、毒ヘビにかまれたとき、急性肝疾患、大手術、や
けど、敗血流産、熱射病、播種性の悪性疾患、膵臓およ
び卵巣ガン、プロ骨髄性の白血病、心筋梗塞、新生物、
全身性の紅斑性狼瘡、腎疾患および子癇などで起こりう
る。現在のDICの治療には、血液および新鮮な凍結血漿
の輸血;ヘパリンの注入;生成した血栓の除去が含まれ
る。前述の臨床的な症候群は、組織因子の内生放出が重
篤な臨床的合併症に導くこともあることを示唆している
[アンドー等(Andoh,K.et al.,Thromb.Res.,43,275−2
86(1986))]。酵素トロンボプラスチナーゼを用いて
組織トロンボプラスチンの血栓作用を抑える努力が為さ
れた[ゴラブ等(Gollub,S.et al.,Thromb.Diath.Haemo
rh.,,470−479(1962))]。トロンボプラスチナー
ゼはホスホリパーゼであり、おそらく組織因子のリン脂
質部分を切断するのであろう(同上)。 先天的な凝固疾患は、その特徴として、凝固タンパク
質1つだけが関与している。血友病は、凝固因子の遺伝
的欠損(たとえば、因子VIIIのプロ凝固活性の遺伝的欠
損)による出血疾患である。出血を治療するための基本
は、欠けている凝固タンパク質を含む物質の輸血であ
り、たとえば血友病Aに特異的な欠陥を一時的に正常化
する因子VIIIプロ凝固活性の注入である。 ヴィレブランド(von Willebrand)病は、ヴィレブラ
ンドタンパク質の欠損または異常に関連して出血時間が
長くなることを特徴とする別の出血疾患である。その治
療は、正常な血漿またはヴィレブランドタンパク質に富
む組成物の注入によって行なわれる。他の凝固因子それ
ぞれの先天的な欠損が生じ、これが出血性傾向に関係し
ていることもある。現在行なわれているこれら欠損の治
療は次のようである:すなわち、因子IX欠損は因子IXを
含有している濃縮物を用いて治療され、因子XIXおよび
因子III欠損には血漿の注入を行なっている。 後天的な凝固疾患は、それより前の出血の病歴とは関
係なく、病気進行の結果として各個体に現れる。何度も
輸血を受けた個体に血液凝固因子の抑制因子が現れるこ
とがある。また、未知の病因による後天的な凝固因子欠
損によっても止血の問題が生じる。DICは止血機序の低
下が大きいことを表している。 本発明の目的は、遺伝的なおよび後天的な出血傾向を
特徴とする各種慢性出血疾患用の凝固誘導治療組成物を
提供することである。このような慢性出血疾患の例は、
因子VIII、IXまたはXIの欠損である。後天的な疾患の例
には以下に挙げるものが含まれる:血液凝固因子(たと
えば、因子VIII、ヴィレブランド因子、因子IX、V、X
I、XIIおよびXIII)の後天的な阻害;DICおよび凝固因子
合成の減少を含む肝臓病の結果としての止血疾患;DICお
よび凝固因子欠損を含む急性および慢性の腎臓病と関係
した出血傾向;外傷または手術後の止血;因子VIII、ヴ
ィレブランド因子およびフィブリノーゲンの増加をとも
なってDICに現れる、播種性の悪性疾患患者;ならびに
心肺の手術および大量の輸血の間の止血。また、このよ
うな慢性出血疾患の治療方法を提供することも本発明の
目的である。 本発明の別の目的は、正常な患者および慢性出血疾患
を有する患者の急性出血疾患用の凝固誘導治療組成物を
提供することである。また、このような急性出血疾患の
治療方法を提供することも本発明の目的である。 さらに別の本発明の目的は、高凝固状態に導くことも
ある内性放出組織トロンボプラスチンの血栓作用を中和
するための、組織因子タンパク質に対する拮抗薬を含有
する抗凝固治療剤を提供することである。すなわち、組
織因子タンパク質に対する拮抗薬を含有するこのような
抗凝固剤は、組織因子タンパク質を不活性化することに
よって、内生的に放出された組織トロンボプラスチンの
高凝固作用を中和するであろう。この組織因子タンパク
質拮抗薬は、タンパク質成分を特異的に不活性化する抗
体またはその他のタンパク質であってよい。 発明の要約 本発明は、その一部には、凝固因子を欠いているウサ
ギに組織因子タンパク質を注入すると止血欠損が正常化
されるだけでなく、播種性の血管内凝固を誘導せず、ま
たその他の望ましくない副作用に導かないという新規か
つ予想外の観察に基づいている。組織因子タンパク質
は、天然のリン脂質を欠いた組織因子のタンパク質部分
であり、以前は組織因子アポタンパク質IIIと呼ばれて
いたものであり、かつ以前は不活性であると考えられて
いたものである。組織因子タンパク質が、因子VIII欠損
に関係した出血素因(すなわち、出血への傾向)をイン
ビボで正常化することを初めて見い出した。組織因子が
リン脂質を絶対的に必要としていると記載されている文
献に照らして、組織因子タンパク質の注入は効果的では
ないと予想されることもあろう。しかし、ここに観察し
た毒性の欠如およびその効力は、ブランヴィルおよびそ
れに続く過去152年間の研究者の仕事から予想されるで
あろう結果とは対照的である。 すなわち、本発明は、組織因子タンパク質を出血疾患
患者の凝固薬として含有している医薬組成物に関する。
また、本発明は慢性の出血疾患の治療方法にも関する。
さらに、本発明は慢性の出血疾患患者の急性出血の治療
方法にも関する。加えて、本発明は、内生的に放出され
た組織トロンボプラスチンの凝固作用を、組織因子タン
パク質を不活性化することによって中和する抗凝固剤に
関する。 図面の説明 第1図は、内生経路による血液凝固の活性化を示す模
式図である。 第2図は、外生経路による凝固シグナルの増幅を示す
模式図である。 第3図は、組織因子タンパク質を投与した動物での表
皮出血時間(CBT)を表すグラフである。矢印は組織因
子タンパク質の投与量(U/kg)を表す。Preは注入前のC
BTを示している。 詳細な説明 本明細書中で用いる「組織因子タンパク質」なる語句
は、種々の出血疾患、特に凝固因子の欠損に関係した疾
患を正常化しうるタンパク質を指す。この組織因子タン
パク質は、天然の脂質部分を分子中に欠いており、組織
因子または組織トロンボプラスチンとは別異のものであ
る。また、この組織因子タンパク質には、リン脂質と結
合した組織因子タンパク質(脂質が組織トロンボプラス
チンと結合している天然の脂質とは別異のものであり、
かつ脂質化したタンパク質で観察される付随の毒性を示
さずに凝固誘導能力を示す)が含まれる。ここに定義し
た組織因子タンパク質を注入しても播種性の血管内凝固
は起こらない。組織因子タンパク質の各種出血疾患を正
常化する能力は、種々のインビボ出血モデル[たとえ
ば、表皮出血時間測定による血友病のイヌでの凝固開
始;ギルズ等(Giles,A.R.et al.,Blood,60,727−730
(1982))]を用いて容易に測定することができる。 「組織因子タンパク質拮抗薬」なる語句は、2つの経
路で機能する物質を指す。第1に、組織因子タンパク質
拮抗薬は、十分な親和性および特異性を有する組織因子
タンパク質に結合して組織因子タンパク質を中和し、そ
の結果、組織因子タンパク質は因子VIIまたはVII aと結
合することができないし、また因子IXまたはXのタンパ
ク質加水分解(因子VIIまたはVII aと複合したときの)
を行なうこともできないであろう。もう一方では、組織
因子タンパク質拮抗薬は、組織因子タンパク質または組
織因子/因子VII a複合体を切断してこれを不活性化す
るであろう(たとえば、特異的なプロテアーゼ)。拮抗
薬は、本明細書中に記載した、血漿フィブリノーゲンレ
ベルの変動で示されるような種々の凝固疾患(たとえ
ば、重篤な感染および敗血症、手術後または外傷を受け
た際に発生するDIC)の治療において有用である(ヘパ
リンなどの他の抗凝固剤の代わりに、またはそれらと組
み合わせて、単独または混合したときのいずれであって
もよい)。 組織因子タンパク質を中和するであろう拮抗薬の例
は、組織因子タンパク質の中和抗体である。この組織因
子タンパク質中和抗体は、プロインドアジュバンント中
の組織因子タンパク質で免疫化し、次いで必要なブース
ターを行なうことによって、ウサギまたはマウスなどの
動物中に容易に得られる。免疫マウスがハイブリドーマ
製造用のB細胞の供給源として特に有用であり、次いで
このハイブリドーマは培養して大量かつ安価な抗−組織
因子タンパク質モノクローナル抗体を製造する。このよ
うな組織因子タンパク質モノクローナル抗体を、カーソ
ン等[Carson,S.D.,et al.,Blood,66(1),152−156
(1985)]が調製している。 組織因子は、損傷を受けた細胞から放出され、因子VI
IまたはVII aおよびカルシウムの存在下で因子IXおよび
Xを活性化する(第2図参照)。凝固の外性経路による
因子Xの活性化は組織因子を絶対的に必要とする[シル
バーバーグ等(Silverberg,S.A.,et al.,J.Biol.Chem.,
252,8481−8488(1977))]。本発明に係る発見以前に
は、組織因子の脂質成分が、因子VIIまたはVII aによる
因子Xまたは因子IXの触媒作用における最適な組織因子
の活性に必須であると考えられていた。本発明は、組織
因子タンパク質を投与してこれらの欠損を迂回すること
によって種々の急性および慢性出血疾患を治療すること
を包含する。さらに具体的に言うと、本発明は、種々の
凝固因子欠損を有する動物に認められる出血疾患に適用
することができる。 組織トロンボプラスチンまたは組織因子は、糖タンパ
ク質部分(以前は組織因子アポタンパク質IIIと呼ばれ
ていたものであり、十分で均質になるまで精製されてい
た[ブショークリッド等(Bjorklid,E.et al.,Biochem.
Biophys.Res.Commun.,55,969−976(1973))])とリ
ン脂質部分からなる。脳、肺および胎盤などの他種類の
組織由来の組織因子の精製が多数報告されている。ヒツ
ジ、ウシ、ウサギ、イヌおよびヒトが組織因子の供給源
である。化学的な精製の第1段階は、たとえば有機溶媒
による抽出を用いて、組織因子とその本来の脂質とを分
離することである。このような有機溶媒の例には、ピリ
ジン、ヘプタン−ブタノール混合液またはエタノールが
含まれる。組織因子タンパク質は化学的な方法で精製さ
れる。このような化学的な方法の例は、デオキシコール
酸塩またはトリトン(Triton)X−100などの清浄例に
よる処理;ゲル濾過およびドデシル硫酸ナトリウムの存
在下でのプレパラティブ・ポリアクリルアミド−ゲル電
気泳動;セファロース(Sepharose)カラムに結合した
コンカナバリンA;および因子VIIに対する選択的な吸着
または組織因子タンパク質に対する抗体を用いるアフィ
ニティ・カラムである。組換えまたは合成供給源からの
組織因子タンパク質は組織因子タンパク質の範囲内に含
まれる。また、組織因子タンパク質の2量体およびアミ
ノ酸の置換、および/または欠失および/または付加を
有する組織因子タンパク質変異体、組織因子タンパク質
の有機および無機塩および共有結合的に修飾した誘導体
も含まれる。組換え法によって得られた組織因子タンパ
ク質には、天然のプロ形ならびにプレプロ形の組織因子
タンパク質が含まれる。 組織因子タンパク質または組織因子タンパク質拮抗薬
を注入用調製物に製剤化することができる。非経口製剤
が適しており、静脈内投与が好ましい。これらの製剤
は、治療学的有効量の組織因子タンパク質を含有してお
り、滅菌溶液、懸濁液または凍結乾燥形のいずれかであ
り、所望により安定剤または賦形剤を含有している。凍
結乾燥組成物は、通常、適当な希釈剤(たとえば、注射
用滅菌水、滅菌食塩水など)で復元される(ここで、そ
の生物学的活性は、ウサギ注入試験で観察されるように
止血凝固を誘導するのに十分である)。 別法では、組織因子タンパク質を胃腸吸収用の調製物
に製剤化することができる。この調製物は経口投与用に
適している。このような経口用調製物は、治療学的有効
量の組織因子タンパク質、親油性担体、および胃腸吸収
促進剤を含有している。適当な親油性担体には、鉱油、
トリグリセリド類、エステル化グリコール類、疎水性ア
ルキル側鎖を有するポリグリコール類、およびステロー
ル類が含まれる。吸収促進剤の例には、ヒドロキシアリ
ールまたはヒドロキシアラルキル酸またはその塩、エス
テルあるいはアミドが含まれる。類似の性質を有する他
の化合物には、サリチル酸誘導体、エナミノ酸および1,
3ジカルボニル化合物のアミン、およびその塩、アミド
およびエステルが含まれる。 組織因子タンパク質を、血管内注入または経口投与に
より、出血疾患を治療するに十分な量で投与することが
できる(たとえば、因子VIII欠損に対する置換療法)。
また、組織因子タンパク質を、凝固因子欠損が存在する
際の急性出血を治療するに十分な量で投与することもで
きる。組織因子タンパク質の治療用量は、約10〜300U/k
gの範囲内であり、約50〜250U/kgの範囲内であるのが好
ましい。最も好ましい組織因子タンパク質の治療用量
は、約75〜200U/kgの範囲内である。組織因子活性の国
際標準がないので、組織因子の標準を確立した。組織因
子活性の単位は、色素検定で測定したときの、組織トロ
ンボプラスチン[シグマ(Sigma,St.Louis,MO)からの
市販品を利用できる]10μ中の組織因子タンパク質量
である(後記の色素検定の記載を参照)。この投与量
は、特定の種類の組織因子タンパク質の相対活性(たと
えば、ウシ組織因子タンパク質と比較したときのヒト組
織因子タンパク質)に依存するであろう。相対活性は色
素検定を用いて測定することができる。たとえば、イン
ビボでの血友病イヌのモデルで、ヒト組織因子タンパク
質の活性がウシ組織因子タンパク質の半分であるときに
は、ヒト組織因子タンパク質を用いる治療の用量範囲は
係数2で増加するであろう。また、この用量は、治療し
ようとする動物の種類、投与経路、用いる組織因子タン
パク質の性質(たとえば、その活性および生物学的な半
減期)、製剤中の組織因子タンパク質の濃度、患者の血
漿量、患者の臨床所見(たとえば、具体的な出血疾
患)、および医師が考慮するであろうその他のパラメー
ターを含む種々の治療学的な変数にも依存するであろ
う。 組織因子タンパク質拮抗薬を、血管内注入によって、
出血疾患(たとえば、DIC)を治療するに十分な量で投
与することができる。拮抗薬を、このような出血疾患を
治療するに十分な用量で投与することができる。この用
量は、通常の医師が熟知している種々の治療学的な変数
に依存するであろう。 また、組織因子タンパク質は、冷適用および穏やかな
圧力に関連して、影響を受け易い部位から生じた小出血
のための、局所治療用の調製物に製剤化するのにも適し
ている。このような局所治療用の調製物は、皮膚学的な
担体中、治療学的有効濃度の組織因子タンパク質を含ん
でいる。投与されるべき組織因子タンパク質の量および
局所製剤中の組織因子タンパク質濃度は、選択した担
体、臨床所見、用いる組織因子タンパク質の種類、およ
び製剤中の組織因子タンパク質の安定性に依存するであ
ろう。 凍結乾燥した組織因子の調製物も本発明の範囲内であ
るが、本発明に係る組織因子タンパク質または拮抗薬を
滅菌溶液として製剤化し、投与するのが好ましい。組織
因子タンパク質の滅菌濾過または当分野で自体既知の他
の方法で滅菌溶液を調製する。次いで、この溶液を凍結
乾燥するか、または医薬投与容器に充填する。溶液のpH
は、pH3.0〜9.5、好ましくはpH5.0〜7.5の範囲内である
べきである。組織因子タンパク質は、リン酸塩、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン−HClまたはクエン
酸塩などの適当な薬学的に許容しうる緩衝液の溶液であ
るべきである。緩衝液濃度は、1〜100mMの範囲内であ
るべきである。また、組織因子タンパク質の溶液は、塩
化ナトリウムまたは塩化カリウムなどの塩を50〜750mM
の濃度で含有していてもよい。本発明の組成物は、所望
により、有効量の安定剤(たとえば、アルブミン、グロ
ブリン、ゼラチン、単糖あるいは多糖、アミノ酸または
糖)を含有する。安定量の洗浄剤[たとえば、ノニオン
系清浄剤(PRGあるいはブロック共重合体)、デオキシ
コール酸ナトリウム、トリトンX−100またはドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)]を加えてもよい。 組織因子タンパク質または拮抗薬を、滅菌入口部を有
する容器、たとえば皮下注射針で突き通すことができる
栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルに入れるの
が好ましい。 凝固因子欠損の置換治療の場合、組織因子タンパク質
の全身投与は毎日であってもよいし、1週間に数回であ
ってもよい。通常、投与は静脈内注入によって行なわれ
る。また、鼻内または他の非注入経路で投与してもよ
い。さらに、ミクロスフェアー、リポソーム、または血
液を含むある種の組織中に入れた他の微粒子投与システ
ムによって組織因子タンパク質を投与してもよい。 実施例1 全般的な材料および方法 成熟ウシ脳をペル−フリーズ(Pel−Freeze,Rogers,A
r.)から入手し、−20℃で保存した。トリトンX−100
およびα−D−メチルグルコシドは、カルビオケム(Ca
lbiochem,San Diego,CA)から入手した。コンカナバリ
ンA−セファロース樹脂(第1表ではコンAセファロー
スで表す)はファーマシア(Pharmacia)から、ウルト
ロゲル(Ultrogel)AcA44はLKB(Gaithersburg,MD)か
ら入手した。製造用および分析用ドデシル硫酸ナトリウ
ム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)の
ための化学物質および試薬のすべてはバイオ−ラッド・
ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories,Richmond,C
A)から入手した。因子IX a/因子X試薬およびS2222/I2
581はヘレナ・ラボラトリーズ[Helena Laboratories,B
eaumond,CA;カビ・コーテスト・キット(Kabi Coatest
kit);カタログNo.5293]から入手した。YM10限外濾過
メンブランはアミコン(Amicon)から入手した。因子VI
Iはウシ血漿から精製した[ブローズおよびマジェラス
(Broze,G.and Majerus,P.,J.Biol.Chem.,255(4),12
42−1247(1980))]。因子VIII欠損の血漿、および正
常なプールしてクエン酸塩処理した血漿はジョージ・キ
ング・バイオメディカルズ(George King Biomedicals,
Overland Park,Kansas)から入手した。粗製のホスホチ
ジルコリン(大豆からのレシチン顆粒)はシグマ(Sigm
a,St.Louis,MO)から入手した。その他の化学物質のす
べては試験級またはそれ以上のものであった。 アセトンによるウシ脳の脱脂質化 成熟ウシ脳2つを室温で解凍し、蒸留水で凝固した血
液を洗い落とした。次いでこの組織を、ウルトラ−タレ
ックス(Ultra−Turrex)組織ホモジナイザーを用いて
氷冷アセトン中にホモジナイズし、ウシ脳の生重量1gあ
たりアセトン10mlの容量とした。このホモジネートを4
℃で30分間抽出し、次いで排出フラスコ上のワットマン
(Whatman)No.1濾紙で濾過した。この組織スラリーを
初めの容量の氷冷アセトンに再懸濁し、抽出し、濾過し
た(6回)。最後の濾過ケーキを窒素気流下で乾燥し、
−20℃で保存した。 組織因子のトリトンX−100可溶化 アセトン脳の粉体(145g)を0.05Mトリス/0.1M NaC
l、pH7.5(TBS)中にホモジナイズし、アセトン脳粉体1
gあたり緩衝液20mlの最終容量とした。このホモジネー
トを4℃で1時間抽出し、次いで4℃で1時間、10,000
xgで遠心した。この上清を捨て、ペレットをTBS/0.1%
トリトンX−100(3)中に再ホモジナイズした。こ
れを上記のようにして抽出し、遠心した。こうして得た
ペレットを、次いでTBS/2%トリトンX−100(3)中
にホモジナイズし、組織因子を可溶化した。このホモジ
ネートを上記のようにして4℃で16時間抽出し、次いで
遠心した。 コンカナバリンA−セファロース・アフィニティー・カ
ラム 2%トリトンX−100抽出物からの上清を1mMのCaCl2
およびMgCl2とし、4℃で16時間、コンカナバリンA−
セファロース樹脂100mlでバッチ吸着させた。吸着させ
た後、このセファロース樹脂を3×20cmカラムに入れ、
TBS/0.05%トリトンX−100(500ml)を用い流速2ml/分
で洗浄した。吸収を280nMでモニターした。カラムから
タンパク質が全く洗い流されなくなったとき、100mg/ml
のα−D−メチルグルコシドを含有するTBS/0.05%トリ
トンX−100緩衝液でこのセファロースをイソクラティ
ックに溶離した。2ml/分の流速で10ml毎の分画を集め
た。分画を再脂質化し、組織因子活性を検定した。組織
因子タンパク質を約4倍カラム量の溶離液で溶離した。
この溶出液を、YM10限外濾過メンブランを用いてアミコ
ン濃縮セル中で濃縮した。 ゲル透過クロマトグラフィー 濃縮したコンカナバリン−Aセファロース溶出液10ml
を、TBS 0.1%トリトンX−100(pH7.4)1(4回緩
衝液を交換して)に対して透析した。8時間透析した
後、これを、TBS 0.1%トリトンX−100で予め平衡化
したAcA44ウルトロゲルの120×1.5cmカラムにかけた。
このカラムを、6ml/時間の流速でイソクラティックに展
開した。分画を1ml毎に集めた。この分画を再脂質化
し、組織因子活性を検定した。ピークの分画を集め、最
終容積20mlにした。これを使用するまで−20℃で保存し
た。 組織因子タンパク質の精製 アセトン脱脂質化、トリトンX−100抽出、レシチン
・アフィニティー・クロマトグラフィー、およびゲル透
過クロマトグラフィーを組み合わせて、ウシ脳から組織
因子タンパク質を部分的に精製した。高度に精製した組
織因子タンパク質は、脳粉体から12,000倍に精製されて
いた(第1表)。感度の高い組織因子タンパク質の色素
検定を用いて精製工程をモニターした。アセトン脳粉体
の清浄剤抽出の後は、組織因子タンパク質を再脂質化し
なければその活性を検定で検出することはできない。ウ
サギに注入したこの物質は、後記の1段階凝固検定ある
いは2段階色素検定のいずれにおいても、再脂質化する
前には補助因子活性を示さなかった(第2表)。これは
よく知られた組織因子のリン脂質依存性を示すものであ
る[ネマーソン(上記)を参照]。ヒト胎盤組織因子を
既知の方法を用いて単離した[たとえば、グーハ等(上
記)を参照]。ヒト胎盤組織因子タンパク質をウシ組織
因子タンパク質と比較した。第5表に示したように、ヒ
ト胎盤組織因子とウシ組織因子の両者は、インビトロ色
素検定における活性に対しては脂質を必要としている。
既述のように、ヒト胎盤およびウシ組織因子は構造が類
似している。従って、ヒト胎盤組織因子は、ウサギに注
入したときにはウシ組織因子と同様に機能するものと予
想される。 組織因子タンパク質の検定 1.色素による組織因子検定 非イオン性清浄剤を用いてウシ脳から抽出したすべて
の試料を検定前に再脂質化した。前述のように、組織因
子は、インビトロ検定システムで活性を示すためにはリ
ン脂質を絶対的に必要としている[ピトリックおよびネ
マーソン(上記)]。0.25%デオキシコール酸ナトリウ
ムを含有するトリス0.05M、0.1M NaCl、pH7.4(TBS)中
でレシチン顆粒をホモジナイズし、1mg/mlの濃度にし
た。この溶液(PC/DOC)を用い、以下のようにして組織
因子を再脂質化した。組織因子タンパク質を、0.1%ウ
シ血清アルブミンを含有するTBS(TBSA)で希釈した。5
0μを12×75mmのポリスチレン試験管に入れ、PC/DOC
溶液50μを加えた。次いで、TBSA(350μ)を100mM
のCdCl2(25μ)とともに加えた。この再脂質化混合
物を37℃で30分間インキュベートした。 色素検定用に、再脂質化した組織因子タンパク質試料
をTBSAで希釈した。その10μを、因子IX a/因子X試
薬50μおよび精製した因子VIIの溶液(30単位/ml)2
μとともに試験管に入れた。この試験管を37℃まで暖
め、25mMのCaCl2を100μ加えた。この試料を37℃で5
分間インキュベートし、合成トロンビン阻害剤I2581を
含有する色素基質S2222(50μ)を加えた。反応を10
分間行ない、50%氷酢酸溶液100μを加えて停止させ
た。吸収を405nMで検知した。ウサギ脳トロンボプラス
チン[シグマ(Sigma,St.Louis,MO)からの市販品を利
用できる;カタログ#TO263]を用いて標準曲線を作成
した(この試薬が100組織因子単位/mlであるとして)。
希釈は1:10から1:1000まで行なった。縦軸にプロットし
た希釈の尺度とともに、吸収を片対数グラフ用紙の横軸
にプロットした。 2.組織因子活性の1段階検定 接触相の凝固による非特異的な活性化を防ぐため、血
友病の血漿100μを、シリコ処理したガラス試験管中
の再脂質化した組織因子、脂質を含まない組織因子また
は対照としてのTBSA10μに加えた。この反応混合物を
37℃まで暖め、25mMのCaCl2を100μ加え、血餅の生成
時間を測定した[バータムおよびプリーズ(Hvatum,Y.a
nd Prydz,H.,Thromb.Diath.Haemorrh.,21,217−222(19
69))]。 実施例2 ウサギのモデルでの組織因子タンパク質の効
力および毒性の欠如 1.8kgのニュージーランド白ウサギ2匹の耳に動脈お
よび静脈カニューレを挿入した。各動物から動脈血液0.
8mlを取り、0.13Mクエン酸三ナトリウム0.2mlで抗凝固
化した。次いで、静脈カニューレから両動物に、600μ
のタンパク質−A精製した、ヒト、抗−ヒト因子VIII
抗体、1700ベセスダ(Bethesda)U/mlを注入した。注入
の30分後に、動脈カニューレを食塩水1mlで流し、血液1
mlを取り、捨てた。次いで、上記のようにして0.8mlの
血液を検定用に抗凝固処理した。次に、第1のウサギに
対照として300μのTBS/0.1%トリトンX−100を注入
し、一方、第2のウサギには300μの組織因子タンパ
ク質を与えた。再脂質化した場合、これは1kgあたり組
織因子233単位の用量(U/kg)を表すであろう。抗体注
入の60分後に両ウサギから検定用血液を採取し、動脈カ
ニューレを除去した。血液を集め、流出量および流出時
間を記録した。 インビトロの検定システムでは、ウサギ因子VIIIはヒ
ト抗−ヒト因子VIII抗体と交差反応した。次いで、これ
らの抗体を用いてウサギを抗凝固処理し、こうして組織
因子タンパク質の因子VIII迂回活性をインビボで証明す
ることを可能にした。抗−因子VIII抗体注入の30分後に
は、色素による因子VIII検定によっては、血漿中に因子
VIIIは全く検出されなかった(第3表)。対照のウサギ
には、動脈性静脈カニューレを除去する30分前に、0.1
%トリトンX−100を含有する緩衝液(300μ)を注入
した。これにより出血が多くなり、止まるまでに11分か
かった(第3表)。組織因子タンパク質を与えた動物
は、同じ処理をした後、わずかに出血するだけであり、
この出血は38秒後には止まり、組織因子タンパク質がイ
ンビボで因子VIII活性を迂回することを示した(第3
表、No.2)。組織因子タンパク質を与えた動物には、文
献で報告されているような、および上に記述したような
血栓は全く観察されなかった。 組織因子タンパク質調製物の毒性を、1kgあたり組織
因子タンパク質を250単位注入したウサギ6匹で試験し
た。3日後に、問題となる作用は全く観察されなかった
(第4表)。この投与量は第3表の実験(ここで、出血
が正常化されていた)で用いた量である。次いで、ウサ
ギ2匹には250U/kgの2回目の投与を行ない、1匹には
この2倍量を与え、別の1匹には5倍量を与えた。これ
らの動物、ならびに2回目の注入を行なわなかった2匹
をさらに2日間モニターした。合計120時間の観察の後
もすべての動物は正常に見え、この物質が許容性の高い
ものであり、かつ非毒性であることを示した。従って、
同様のヒト組織因子タンパク質調製物は、患者に注入し
たとき許容性が高く(第4表)、かつ出血疾患を正常化
することができる(第3表)と予想される。 実施例3 イヌの血友病モデルでの組織因子タンパク質
の効力および毒性の欠如 ギルズ等[Giles,A.R.et al.,Blood,60,727−730(19
82)]の方法を用いて組織因子タンパク質を血友病のイ
ヌに注入した。 始めに、50組織因子タンパク質U/kgおよび250組織因
子タンパク質U/kgの用量でボーラス注入した正常なイヌ
で組織因子タンパク質の毒性の欠如を測定した。注入前
およびそれぞれの注入の30分後に表皮出血時間(CBT)
の測定を行なった[ギルズ(上記)]。実験中の種々の
時間に血液を採取し、凝固検定用に抗凝固処理した(第
3図)。組織因子タンパク質のインビボでの因子VIII迂
回活性を確かめるため、血友病のイヌを用いて実験を行
なった。断食させた動物を麻酔し、注入前にCBT測定を
行なった。次いで、ボーラス注入によって組織因子タン
パク質を投与し、注入して90分までの種々の時間にCBT
測定を行なった。数種類の用量の組織因子タンパク質を
投与した。各実験期間中に血液試料を採取し、因子V、
プロトロンビンおよび部分的なトロンボプラスチン時間
を検定した。12分より大きいCBTを大ざっぱにみて異常
であるとみなした。これらの爪を焼灼して過度の血液流
失を防止した。 色素検定で再脂質化したときの組織因子タンパク質が
50および250U/kgである量の組織因子タンパク質を、麻
酔した正常なイヌに投与した。この動物でのCBT測定は
注入の約3分前に行なった(第3図)。因子Vのレベル
は、それぞれの注入の30分後には正常であった(第6
表)。プロトロンビンおよび部分的なトロンボプラスチ
ン時間は実験の終わりの時点で変化しておらず、またCB
Tも正常の範囲内であった。すなわち、組織因子タンパ
ク質の注入は正常なイヌにおいて許容性が高く、播種性
の血管内凝固を示すものは全く見い出されなかった。 血友病Aの長くなったCBTの特徴を有する血友病のイ
ヌに、組織因子タンパク質50U/kgを投与した。CBTは注
入の30分後に正常になった(第3図)。この正常化は因
子Vレベルの変化とは無関係であり、またプロトロンビ
ン時間を長くすることもなかった(第6表)。プロ凝固
作用は注入の90分後には保持されていなかった:すなわ
ち、この時間にCBTは再び異常なものになった。用量と
応答の関係は、250組織因子タンパク質U/kgの注入によ
って確かめた。この用量では、血友病イヌのCBTは30お
よび90分で正常化された(第3図)。しかし、この増加
用量は、因子Vレベルの減少、およびプロトロンビン時
間がわずかに長くなることに結び付いた(第6表)。そ
のため、他の凝固因子のレベルが影響を受けないように
しながら最大の効力期間を得るため、100組織因子タン
パク質U/kgの用量を用いて実験を繰り返した。すなわ
ち、血友病のイヌに100組織因子タンパク質U/kgを与
え、CBT測定を15、30および45分に行なった。おもしろ
いことに、15分でのCBTはなお異常であり(第3図)、
注入の30分後まで出血停止は起こらなかった。この観察
は、非−阻害血友病のイヌにおいて通常のイヌ因子VIII
調製物を用いて得られる結果と一致する。この用量のと
き、CBTは45分で正常であった。血液試料を採取し、消
耗性の凝固障害の証拠について分析した(第6表)。こ
の処置によって因子Vレベル、プロトロンビン時間、ト
ロンビン凝固時間および血小板レベルは変わらなかっ
た。すなわち、組織因子タンパク質のインビボでの効力
が、播種性の血管内凝固を引き起こさない用量のところ
で示された。迂回活性は、100組織因子タンパク質U/kg
の用量を用い、30および45分にCBT測定を行なって、第
3の血友病のイヌで確認した。両時間のところで効力が
確かめられたが、幾分かの再出血が45分のところで現れ
た。 実施例4 ウシおよびヒト組織因子タンパク質の機能的
な相同性 色素による組織因子検定法を用いて、ウシおよびヒト
組織因子タンパク質の間の機能的な相同性を明らかにし
た。ウシ組織因子タンパク質は既述のようにして精製し
た。ヒト組織因子タンパク質は、コンカナバリン−Aセ
ファロースによるアフィニティー・クロマトグラフィー
を含むフレイシネット等[Freyssinet et al.,Thrombos
is and Haemostasis,55(1),112−118(1986)]の方
法を用いて胎盤から部分的に精製した。このカラムから
溶出した物質を、次いで、ウシタンパク質について索に
記載したようにして、AcA 44ウルトロゲルカラムによ
るゲル濾過クロマトグラフィーにかけた。 ウシおよびヒト組織因子タンパク質(第5表では、そ
れぞれBTFPおよびHTFPで表す)を、既に記載した標準的
な色素法組織因子検定で調べた。検定前に再脂質化した
試料は、強い組織因子補助因子活性を示した(第5表で
は、それぞれBTFP+P1およびHTFP+P1で表す)。再脂質
化していない試料は、この検定で補助因子活性を示さな
かった(BTFP−P1およびHTFP−P1)。 これら試料中のタンパク質濃度は、ウシ組織因子タン
パク質0.59mg/mlおよびヒト組織因子タンパク質13.55mg
/mlであった。このタンパク質濃度の差は精製度の差に
よるものである。これらの結果は、ヒトおよびウシから
の組織因子タンパク質の間に機能的な相同性が存在する
ことを示している。
【図面の簡単な説明】 第1図は、内生経路による血液凝固の活性化を示す模式
図であり、第2図は、外生経路による凝固シグナルの増
幅を示す模式図であり、第3図は、組織因子タンパク質
を投与した動物での表皮出血時間(CBT)を表すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゴードン・アレン・ビーハー アメリカ合衆国カリフォルニア94070、 サン・カルロス、レスリー・ドライブ 110番 (56)参考文献 特開 昭58−154515(JP,A) 特公 昭35−2942(JP,B1) Chemical Abstract s,Vol.104,No.7 (1986) P.336 Abstract番号 49211Z Chemical Abstract s,Vol.102,No.3 (1985) P.441,要約番号 21737K

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.出血傾向であることを特徴とする出血疾患を有する
    動物に投与するための医薬組成物であって、組織因子タ
    ンパク質および薬学的に許容しうる担体からなる組成
    物。 2.出血疾患が凝固因子欠損に関連した疾患である第
    (1)項記載の組成物。 3.凝固因子欠損が因子VIIIの欠損である第(2)項記
    載の組成物。 4.凝固因子欠損が因子IXの欠損である第(2)項記載
    の組成物。 5.凝固因子欠損が因子XIの欠損である第(2)項記載
    の組成物。 6.出血疾患が後天的な凝固疾患である第(1)項記載
    の組成物。 7.静脈内投与される第(1)項記載の組成物。 8.経口投与される第(1)項記載の組成物。 9.組織因子タンパク質が約50〜250U/kgの範囲の量で
    投与される第(1)項記載の組成物。 10.組織因子タンパク質が約75〜200U/kgの範囲の量
    で投与される第(1)項記載の組成物。 11.滅菌されている第(1)項記載の組成物。 12.血液と等張である第(1)項記載の組成物。 13.担体が親油性の持続放出の配合である第(1)項
    記載の組成物。
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