JP2016506920A - 止血組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、脂質化組織因子とトロンビンの組み合わせを含有する組成物であって、トロンビンの量が組成物1グラム当たり1から30IUであり、脂質化組織因子の量が組成物1グラム当たり5から150ngである、組成物を提供する。本発明はまた薬学的又は獣医学的組成物並びに止血組成物を提供する。本発明の組成物は出血の治療に有用である。【選択図】なし

Description

本発明は止血組成物の分野である。
負傷後の出血を止めるために引き起こされる一連の生理学的機構は止血として知られている。止血は、様々な分子及び細胞型が関与する非常に複雑なプロセスである。その研究を容易にするために、止血は4つの重なる工程、つまりi)血管収縮、ii)創傷領域での初期の血小板血栓の形成、iii)フィブリン耐性血栓の形成(凝固カスケード)、及びiv)そこから創傷治癒プロセスが始まる血栓溶解工程又は線維素溶解に分けることができる。
凝固カスケードは、血漿中の可溶性及び不活性型の第VII因子(FVII)が、組織因子(以下、「TF」と言う)として知られているその特異的受容体と相互作用する際に開始される。その天然型では、TFは血管を取り巻く様々な細胞型の表面上に主に位置している。従って、正常な条件下では、外傷又は創傷の場合、TFが血漿分子と唯一接触する。血管破裂後、凝固カスケードは、TFがFVIIと結合し、様々な血液凝固因子間のその後の相互作用を誘発することによって開始される。最終結果はトロンビン(FIIa)の形成であり、これがついで、血漿中に非常に豊富であるフィブリノゲン(FI)をフィブリン繊維に変換する。これらのフィブリン繊維は不溶性で、網目を形成し、これが血小板と一緒になって、フィブリン血栓として知られているものを生じる。
大量出血の場合の迅速な止血を容易にする目的で、直接の圧迫、ガーゼパッキング、縫合糸のような糸、及び止血帯のような様々な方法が何世紀にもわたって使用されている。これらの技術は「非能動的(non-active)」止血手段として知られており、様々なタイプの包帯と共に使用される場合、止血プロセスに役立つ。今日、最も使用される包帯材は、コラーゲン繊維、ゼラチン又は酸化セルロース繊維のような生体適合性の吸収性材料に基づいている。
外科止血環境を改善する試みにおいて、過去数十年の間、伝統的な技術に加えて、止血の改善に役立ちうる「能動的(active)」成分を含む新製品の開発に力が入れられている。この点で、血漿濃縮物中に一切の凝固因子を含むか又は高純度の単離因子に基づく、薬剤(「能動的止血手段」)が市場に出ている。
それらの中でも、第VII凝固因子(FVII)、第VIII凝固因子(FVIII)、第IX凝固因子(FIX)、及び第XI凝固因子(FXI)が既に市販されている。それらは、血友病などの所定の疾患の原因である様々な血漿の欠陥を克服するために静脈内経路で使用されなければならない。それにもかかわらず、活性型第II因子(FIIa)としても知られているトロンビン又はそれを含有する組成物だけが、皮膚病変上に塗布される局所用止血剤として又は手術での出血性創傷に対して使用される。実際に、50年代から、FIIaは複数の外科的用途に広く使用されてきている。開示された用途の多くでは、FIIaは、スポンジ型のサポート、ガーゼ、又はゲル、例えばコラーゲンゲル又はゼラチンに付随させられている。
FIIaは、凝固カスケードの最後の工程でフィブリノゲン(FI)に直接作用し、迅速な血栓形成を容易にする。従って、その効果は、残りの凝固因子の活性化を必要としない。しかしながら、その効果を確実なものにするためには、FIIaは出血表面に高濃度で適用されなければならない。これは、i)その濃度が血流のために希釈される、ii)その天然阻害剤の抗トロンビンIIIとの相互作用のために急速に不活性化する、iii)血栓形成におけるその固定化のために更に不活性する、及びiv)ガーゼによるか又は外科手技の洗浄によるその機械的除去等、その活性濃度を低減させる多くの要因が存在するためである。このような要因(i)−(iv)は生理的血栓形成中に必要とされるものよりも高い治療的FIIa濃度の使用を強制する。ヘパリンの使用が推奨される所定の外科活動では、推奨されるFIIa濃度が上昇する。
その有用性にもかかわらず、そのような多量のFIIaの使用に起因する多くの副作用が開示されている。それらの中には次のものがある:(a)炎症誘発性分子であるので、そのような濃度は、非生理的な炎症過程を引き起こす場合がある;(b)そのようなトロンビンは、多くの場合、非ヒト動物血漿から得られるので、免疫原性リスクがある、及び(c)ヒト由来の血漿から得られるFIIaは外来性物質を含んでいる危険性を有している。(a)−(c)に加え、使用される濃度とは別に、トロンビン自体が、速やかな止血に必要な、適切な血液凝固伝播の誘導には効果的ではない。
従って、上記に鑑みると、適切な止血特性を持つ更なる止血組成物の必要性が存在する。
本発明者等は、トロンビンに脂質化(lipidated)組織因子(TF)を加えると、トロンビンの止血効果を大幅に増大させ、所望の効果を得るのに必要なトロンビンの量を低減させることができることを見出した。
特に、脂質化組織因子とトロンビンの組み合わせを含む組成物を調製した場合、組成物1グラム当たり5−150ngの濃度で脂質化TFが組成物中に存在していると、トロンビンの止血効果が相乗的に増加し、少量のトロンビン(組成物1グラム当たり1から30IU)を使用することができることが見出された。
以下の表2にまとめられるように、例えば、本発明のものとして、組成物1グラム当たり1IUのトロンビンを含有する組成物を使用すると、脂質化TFが組成物1グラム当たり5、15、又は150ngの濃度で導入された場合、凝固時間が少なくとも約5倍減少した。組成物1グラム当たり3UI又は30UIのトロンビンを含有する組成物が、組成物1グラム当たり5、15、及び150ngの濃度の脂質化TFと共に作製された場合にも凝固時間の大幅な減少がまた観察された。
従って、これらの実験データは、トロンビンが脂質化TFと組み合わされると、フィブリン網目形成を開始させるのに必要な時間の大きな低減が観察されると結論付けることを可能にする。これは、トロンビンと共に脂質化TFを投与すると、非常に強い止血効果が得られることを意味する。所定の濃度でのトロンビンとTFの組み合わせから得られるこの相乗効果はインビボ実験においてもまた観察された(図1)。
よって、第一の態様では、本発明は、脂質化組織因子とトロンビンの組み合わせを含有する組成物であって、トロンビンの量が組成物1グラム当たり1から30IUであり、脂質化組織因子の量が組成物1グラム当たり5から150ngである、組成物を提供する。
上記に加えて、低濃度のトロンビンを含む本発明の組成物は、300UI/mLのトロンビン投与により得られるものと実質的に同じでありうる止血効果をもたらす。
上で述べたように、少ない量のトロンビンを使用する本発明の組成物の投与では、出血を止めるのに必要な時間は更に少ない。
これは、トロンビン又は他の止血製品を用いた圧迫が出血を止めるにはあまり効果的ではなく、患者が死亡するリスクが大きい内部外傷性障害の場合には特に好適である。本発明の組成物では、凝固が更に速く起こり、これは、出血を止める時間が患者の生存に極めて重要である内部外傷性障害の場合に大きな進歩であることを意味する。
また、少ない量のトロンビンを使用するので、本発明の組成物では、従来技術において開示された多量のトロンビンの投与に関連した問題、例えばとりわけ炎症及び免疫原性の副作用が回避される。
本発明の第一の態様の組成物は、 線維素溶解阻害剤、CaCl等々の他の成分を、該他の成分がトロンビンと脂質化組織因子の組み合わせの止血活性に悪影響を及ぼさない限り、含むことができる。
本発明の第一の態様の組成物の性質により、該組成物は薬学的又は獣医学的組成物の形態で使用することができる。
従って、第二の態様では、本発明は、本発明の第一の態様の組成物の治療的有効量を、他の適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に含有する、薬学的又は獣医学的組成物を提供する。
本発明の第一の態様の組成物の優れた止血特性(以下の表2)のため、本発明の第一の態様の組成物並びに本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の双方を、適切な担体物質と共に止血組成物の製剤化に使用することができる。
従って、第三の態様では、本発明は、本発明の第一の態様に記載の組成物、又は本発明の第二の態様に記載の薬学的又は獣医学的組成物と担体物質とを含有する止血組成物を提供する。
第四の態様では、本発明は、本発明の第一の態様に記載の組成物又は本発明の第二の態様に記載の薬学的又は獣医学的組成物の止血剤としての使用を提供する。
上で検討されたように、本発明の組成物はその止血効果により、出血の治療に有用である。
よって、第五の態様では、本発明は、医薬として使用するための、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物を提供する。この態様は、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物の治療的有効量を、他の適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に、それを必要とする対象に投与することを含む、疾患の治療方法として構成することができる。
第六の態様では、本発明は、出血の治療に使用するための、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物を提供する。
この態様は、別の形では、出血の治療のための医薬の製造における、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物の使用として構成することができる。この態様は、別の形では、出血の治療方法であって、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物の治療的有効量を、他の適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に、それを必要とする対象に投与することを含む方法として構成することができる。
更なる態様では、本発明は、創傷治癒剤としての、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物又は本発明の第三の態様の止血組成物の使用を提供する。
最後に、本発明の組成物はキットとして提供することができる。
よって、第八の態様では、本発明は、本発明の第一の態様に記載の組成物又は本発明の第二の態様に記載の薬学的組成物と、トロンビンと脂質化組織因子の双方の同時適用を可能にするアプリケータとを含むキットを提供する。
肝臓内の個々の切開部の幾通りかの治療における凝固時間を表す。各バーは、x軸に記載の各試験物質を用いた3ないし6回の独立した実験で達成された止血までの時間(秒)の平均に対応する。該結果の統計的有意性は、ニューマン−コイルス多重比較検定により確認され、次のp値を与えた:バー5対バー6及びバー3:p値<0.05。
上述したように、第一の態様では、本発明は、トロンビンと脂質化組織因子を含有する組成物を提供する。
一実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、固体形態、半固体形態、又は液体形態である。
本発明では、「固体形態」という用語は、粉末、及び固体発泡体を含むものとして理解されるべきである。
本発明では、「半固体形態」という用語は、軟膏、ペースト、クリーム、軟質又は硬質ゲル、懸濁液、エマルジョン、及び坐剤を含むものとして理解されるべきである。
本発明では、「液体形態」という用語は、液体の泡、溶液、及びローションを含むものとして理解されるべきである。
一実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、組成物1グラム当たり10から30IUからなる濃度のトロンビンを含有する。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、組成物1グラム当たり1IU、組成物1グラムあたり3IU又は組成物1グラム当たり30IUの濃度でトロンビンを含有する。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、組成物1グラム当たり5から15ngからなる濃度で脂質化組織因子を含有する。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、組成物1グラム当たり150ngの濃度で脂質化組織因子を含有する。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、以下からなる群から選択される一つである:
− 組成物1グラム当たり1IUのトロンビンと組成物1グラム当たり5ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり1IUのトロンビンと組成物1グラム当たり15ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり1IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり3IUのトロンビンと組成物1グラム当たり5ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり3IUのトロンビンと組成物1グラム当たり15ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり3IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり30IUのトロンビンと組成物1グラム当たり5ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり30IUのトロンビンと組成物1グラム当たり15ngの脂質化TF;及び
− 組成物1グラム当たり30IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、以下からなる群から選択される一つである:
− 組成物1グラム当たり1IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF;
− 組成物1グラム当たり3IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF;及び
− 組成物1グラム当たり30IUのトロンビンと組成物1グラム当たり150ngの脂質化TF。
他の実施態様では、本発明の第一の態様の組成物は、組成物1グラム当たり20IUのトロンビンと組成物1グラム当たり8ngの脂質化TFを含有する。
本発明において、「組織因子」(TF)との用語は、動物界に広く分布している膜内在性糖タンパク質として理解されなければならない。TFは、主に内皮下組織に様々な細胞型で現れ、FIIaの生産と安定したフィブリン血栓の形成をもたらす凝固カスケードの外因性経路の開始に必要である。本発明で使用することができる例示的なTFタンパク質は、ヒトTF(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン148、2012年11月、受託番号P13726)、マウスTF(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン103、2012年11月、受託番号P20352)、ウシTF(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン89、2012年11月、受託番号P30931)、ウサギTF(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン90、2012年11月、受託番号P24055)及び様々な動物のTFタンパク質を含む。
SwissProt受託番号P13726のヒトTFタンパク質は、(1)シグナルペプチド又は未成熟から成熟形態まで翻訳後プロセシングを受けた32個のアミノ酸のリーダー配列を有する領域;(2)219個のアミノ酸を含むN−グリコシル化親水性細胞外ドメイン;(3)膜貫通ドメインを形成する23個のアミノ酸の高度に疎水性の断片;及び(4)タンパク質細胞質の断片である21アミノ酸のカルボキシル末端を含む、明確に定まったドメイン構造を有している。
特定の実施態様では、TFは成熟TFに対応する。
ここで使用される「成熟TF」との用語は、そのアミノ酸配列がシグナルペプチドを欠くTFタンパク質を指す。一実施態様では、該成熟TFタンパク質は配列番号:1の成熟ヒトTFである。
一実施態様では、TFはグリコシル化されている。
ここで使用される場合、「グリコシル化」との用語は、如何なる度合いのグリコシル化も含む。天然型TFは幾つかのグリコシル化部位を含んでいるので、以下に詳細に説明するように、「組織因子」との表現はまた異なった度合いのグリコシル化を示すタンパク質の形態を包含し、これら形態はN−グリコシル化反応を行うことができる宿主中でTFを発現させることにより得られる。加えて、「組織因子」との用語は天然型TF配列における一又は複数のアミノ酸残基の挿入、欠失、又は置換から生じる変異体をまた包含する。与えられたポリペプチドがTFの機能的変異体であるかどうかを評価するために使用できる適切な機能アッセイは、FVIIaに特異的に結合するTF変異体の能力の決定、又は血漿又は全血中の凝固時間のインビトロでの決定、重症出血動物モデルにおけるインビボアッセイ、又は致死的出血動物モデルにおけるインビボアッセイに基づくアッセイである。これらのアッセイを実施するための手順は従来技術に開示されている。
本発明に係るそのような変異体は、上述の天然型TF分子と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%又は96%同一であるアミノ酸配列を含む。当該技術分野で知られているように、2つのタンパク質間の「同一性」は、一つのタンパク質のアミノ酸配列とその保存的アミノ酸置換物を第二のタンパク質の配列と比較することによって決定される。2つのタンパク質間の同一性の度合いは、当業者に広く知られているコンピュータアルゴリズム及び方法を使用して決定される。二つのアミノ酸配列間の同一性は、好ましくはBLASTPアルゴリズムを使用して決定される。
TFは完全にグリコシル化されても、部分的にグリコシル化されても、又は非グリコシル化でもよい。
本出願において、「完全にグリコシル化される」とは、全ての潜在的なグリコシル化部位がグリコシル化されていることを意味する。
本出願において、「部分的にグリコシル化される」とは、3つのNグリコシル化部位の少なくとも一つが非機能的で、そのグリコシル化が可能でないことを意味する。
本出願において、「非グリコシル化」は、N−グリコシル化部位の何れも機能的ではないこと、あるいはTFポリペプチドがインビトロで非グリコシル化法によって(すなわち、無細胞発現系)、又は代謝グリコシル化経路が取り除かれたベクター(すなわち、大腸菌)において発現されていることを意味する。
一実施態様では、TFは、部分的にグリコシル化されるか又は非グリコシル化型である。この実施態様では、TFは、N−グリコシル化部位の少なくとも一つが非機能的で、そのグリコシル化が可能ではないように改変されている。
全ての成熟TFタンパク質は、コンセンサス配列Asn−Xaa−Ser/Thrを有する3つの潜在的N結合型グリコシル化部位を含んでいる。ヒト成熟TFの場合には、そのような3つのグリコシル化部位は、Asn11(配列Asn11−Leu12−Thr13)、Asn124(配列Asn124−Val125−Thr126)及びAsn137(配列Asn137−Asn138−Thr139)に位置しており、該位置は配列番号:1についてのものである。
一実施態様では、ヒト成熟TFタンパク質においてそれらを非機能的にするように修飾できるN−グリコシル化部位(一又は複数)は、上記配列番号:1の成熟ヒトTFにおける11−13位のN−グリコシル化部位NLT、124−126位のNVT、及び137−139位のNNTに対応するものである。
別の実施態様では、TFは、N−グリコシル化のためのアクセプターではない残基へのAsn残基の一又は複数の置換を有している。更により好ましい実施態様では、TF変異体は、成熟ヒトTFにおける11、124又は137位に対応する位置のAsn残基に一又は複数のAsnからAlaへの変異を含む。好ましくは、成熟ヒトTFは、配列番号:1の124位にAsnからAlaへの変異を有する。
グリコシル化は、TFの生産に使用される発現系に応じて変わる。例えば、組織因子タンパク質は、一又は複数の植物特異的グリカン、酵母特異的グリカン、昆虫特異的グリカン、又は動物特異的グリカンを含みうる。
TFが酵母で生産される場合、グリコシル化は、典型的には、2つのGlcNAc残基を介してアスパラギンに結合された約10のマンノース残基の内部コアと、50−100のマンノース残基の外側の分枝鎖を含むであろう。従って、N結合グリコシル化は、潜在的に、300もの多くのマンノース残基をTFに付加し、約60kDaの分子量の増加となる。更に、幾つかのマンノース残基を様々なO結合型グリコシル化部位(25より多い)に結合させることも可能である。従って、本発明の組成物に含まれるTF分子は、一又は複数のN−グリコシル化部位に可変度合い及び組成のN結合型グリコシル化を有している。更に別の実施態様では、TFタンパク質は融合タンパク質であり、該融合タンパク質は、前記TFタンパク質を含む第一の部分と、他のペプチド又はタンパク質を含む第二の部分を含む。
前記第二の部分は前記TFタンパク質断片のN末端の第一の部分に結合されうるか、
あるいは前記第二の部分は前記TFタンパク質断片のC末端領域に結合されうる。第一の部分と第二の部分の双方が直接結合されるか又は前記第一及び第二の領域間にリンカーポリペプチドを介して結合されうる。
別の実施態様では、前記第二の部分はタグである。タグは、TFタンパク質の第一の部分のC末端又はN末端ドメインに結合されうる。本発明において、「タグ」との用語は、融合タンパク質の単離又は精製に使用できる、前記TFタンパク質のC末端又はN末端ドメインに結合した任意のペプチド又はアミノ酸配列として理解されなければならない。よって、前記タグは、高い親和性で、一又は複数のリガンド、例えばクロマトグラフィー担体又はビーズのようなアフィニティーマトリックスの一又は複数のリガンドに結合することができる。前記タグの一例は、ヒスチジンタグ(Hisタグ又はHT)、例えば6残基のヒスチジン(His6又はH6)を含むタグであり、これは高親和性でニッケル(Ni2+)又はコバルト(Co2+)のカラムに結合しうる。融合タンパク質を単離し又は精製するために有用なタグの更なる例示的で非限定的な例には、Argタグ、FLAGタグ、Strepタグ、抗体によって認識され得るエピトープ、例えばc−mycタグ(抗c−myc抗体によって認識される)、SBPタグ、Sタグ、カルモジュリン結合ペプチド、セルロース結合ドメイン、キチン結合ドメイン、グルタチオンS−トランスフェラーゼタグ、マルトース結合タンパク質、NusA、TrxA、DsbA、Aviタグ、とりわけ、Ala−His−Gly−His−Arg−Pro(配列番号:2);Pro−Ile−His−Asp−His−Asp−His−Pro−His−Leu−Val−Ile−His−Ser(配列番号:3);Gly−Met−Thr−Cys−X−X−Cys(配列番号:4);βガラクトシダーゼ等のアミノ酸配列が挙げられる。
組換えTFの単離又は精製に使用されるHisタグは、それが殆どのタンパク質を変性させ殆どのタンパク質−タンパク質相互作用に破壊的である条件下でそのリガンドに結合することができるという望ましい特徴を有していることがこれまでに開示されている。従って、それを使用して、ベイトが関与したタンパク質−タンパク質相互作用の破壊後にH6でタグ付けされたベイトタンパク質を除去することができる。
従って、一実施態様では、タグはHisタグである。別の実施態様では、そのようなHisタグはTFタンパク質の第一の部分のC末端ドメインに結合している。更に別の実施態様では、そのようなHisタグは、TFタンパク質の第一の部分のN末端ドメインに結合している。
別の実施態様では、融合タンパク質の第一の部分は、成熟TFタンパク質、好ましくは成熟ヒトTFタンパク質を含む。更に別の実施態様では、第一の部分はヒト成熟TFである。
別の実施態様では、融合タンパク質は、そのNグリコシル化部位の少なくとも一つが非機能的である成熟ヒト組織因子タンパク質を含む第一の部分と、Hisタグを含む第二の部分とを有する。好ましい実施態様では、組織因子は、(a)シグナル配列を欠き、(b)グリコシル化部位にN124A変異を有し、かつ(c)C末端にヘキサヒスチジンタグを有する、配列番号:5のヒトTFを含む融合タンパク質である。
前記融合タンパク質は、従来の手段、例えば適切な酵母細胞における前記融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の遺伝子発現によって、得ることができる。最終的なタグは、所望されれば、前記融合タンパク質の単離又は精製に使用することができる。
ここで使用される「脂質化組織因子(TF)」との用語は、脂質小胞又は細胞膜に完全に又は部分的に挿入されているTFであるTFの任意の供給源を指す。「脂質化TF」源の例証的な非限定的例は、1)組織抽出物を含む脂質化TF(その単離は、とりわけヒツジ、ウシ、ウサギ、イヌ、及びヒトなどの様々な動物由来の、脳、胎盤、及び肺組織のような幾つかの組織から実施することができる);2)精製され、(再)脂質化されたTFタンパク質性成分、すなわち、TF精製後に脂質成分(リン脂質)が添加されたもの;及び3)脂質画分が宿主細胞から由来し、TFが組換え発現された脂質化TF含有細胞抽出物である。
精製され(再)脂質化されたTFは、例示的で非限定的な例を挙げれば、Mimms L. T.等(”Phospholipid vesicle formation and transmembrane protein incorporation using octylglucoside”, Biochemistry 1981, vol. 20(4), p. 833-840)によって過去に記載されたプロトコルに従って調製することができる。該プロトコルでは、非脂質化TFが、N−オクチル−β−D−ガラクトピラノシドのような非イオン性界面活性剤を使用して、リン脂質小胞中に取り込まれる。本発明に係る脂質化TFにおいて使用することができるリン脂質は、任意の由来(動物、植物又は合成)のものでよい。実質的に任意のリン脂質を、ここで言及される脂質化TFの調製に使用することができる。脂質化TFの調製に用いることができるリン脂質の例証的で非限定的な例には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン等が含まれる。TFタンパク質性成分:リン脂質比(モル、重量又は体積)は、例えば約1:50000から約1:3000の、広い範囲で変わりうる。特定の実施態様では、脂質化TFは脂質化ヒトTFであり、ヒトの組織から又は組換え細胞から単離され、適切なTFタンパク質性成分:リン脂質比で脂質膜に挿入されたTFのタンパク質性成分からなる。最適なTF活性を達成するための脂質組成物(好ましくはホスファチジルコリン及びホスファチジルセリン)の好ましいモル比は、当該技術分野においてよく知られている。
脂質画分が宿主細胞に由来し、TFが組換え的に発現された脂質化TF含有細胞抽出物の調製については、TF分子が大きな疎水性ドメインを含んでいるので、利用可能な真核生物発現系の任意のものにおけるrTF遺伝子のクローニングが、宿主細胞の脂質膜に結合する組換えTF(rTF)の発現を生じるであろうと考えるのが合理的である。この関連で、宿主膜成分が、rTF分子に対して、TFが通常付随する哺乳動物細胞に見出されるものと同様の又は同じスキャフォールドを模倣し又は提供することが可能であろう。従って、これら膜状成分の精製は利用可能な脂質化rTF源をもたらすであろう。その化学組成のため、これらの単離された脂質膜性成分は、異なったサイズの小胞の形で主に見出されるであろう。rTFに加えて、それら小胞もまた、宿主細胞の起源に応じて、特定のタンパク質又は脂質を含んでいるであろう。従って、酵母、細菌、例えば昆虫、哺乳動物、植物、魚類、藻類などの異なる起源由来の細胞から生じる脂質膜は、またそのような宿主細胞に特徴的なタンパク質及び脂質を含むであろう。
TFは、脂質膜に固定されている疎水性領域(膜貫通ドメイン)を含む一方、その親水性領域(すなわち、前記TFタンパク質のアミノ末端領域及びカルボキシル末端領域)は膜の外細胞質側に面する。
本発明において、「脂質膜」との用語は、細胞の境界(すなわち、細胞又は形質膜)又は細胞内小器官の境界を形成する厚い数分子(脂質及びタンパク質)の組織化層として理解されなければならない。典型的には、膜は、タンパク質を埋め込むことができる二つの配向された脂質層から構成される。細胞の膜の基本構造である脂質二重層は、通常、水性環境中で両親媒性分子(例えば、リン脂質、脂肪酸等)により形成され、各分子は、層の外側で親水性基で、層の内部に疎水性基で配向される。好ましくは、TFは脂質微小胞に固定される。
本発明において、「脂質微小胞」は、実質的に脂質の単層又は二重層によって構成された小さな閉じた区画として理解されなければならない。本発明のTF担持微小胞のサイズは、比較的広い範囲内で変わり得、通常、該サイズは10μm以下、典型的には0.5μm以下である。特定の実施態様では、本発明のTF担持酵母由来微小胞のサイズは10から0.01μmの範囲である。微小胞は、真核細胞から、脂質膜又はその断片によって形成される。一実施態様では、微小胞は、負に荷電したリン脂質、好ましくはホスファチジルセリン中で富化することができる。ホスファチジルセリン中でこのような微小胞を富化する方法は、例えば国際公開第2011/131658号に開示されている。簡潔に述べると、リン脂質に富む前記TF担持微小胞は、a)TFタンパク質を発現する組換え真核細胞の培養物を、前記TFタンパク質又は凝固促進活性を有するその断片の発現を可能にする条件下で発酵に供し;b)工程a)の発酵から得られる培養細胞をペレット化して発酵産物とし;c)工程b)からの前記発酵産物を均質化処理に供して発酵ホモジネートとし;及びd)工程c)からの前記発酵ホモジネートを分離に供して、ペレットと凝固促進活性を有する前記TF担持由来微小胞を含む清澄酵母抽出物(CYE)とし;e)凝固促進活性を有する前記TF担持酵母由来微小胞を含む清澄酵母抽出物(CYE)を集め;及び場合によっては、f)所望されれば、凝固促進活性を有する前記TF担持酵母由来微小胞を、サイズ分配手順によって単離又は精製し、及びg)負の荷電リン脂質(すなわちホスファチジルセリン)中の得られた微小胞を、ホスファチジルセリンとTFを含む脂質微小胞の双方の成分のインキュベーションにより、富化することを含む、方法によって調製することができる。述べられたインキュベーションの前工程として、ホスファチジルセリンを、緩衝溶液中での脂質の再懸濁と続く超音波処理によって多重膜小胞として調製することができる。
TFの製造方法は使用される真核細胞に依存する。一般には、真核細胞は、真菌、酵母、植物又は動物(例えば、魚、爬虫類、哺乳動物、昆虫等)からのものでありうる細胞において機能的プロモーターに作用可能に連結されたTFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターで形質転換される。TFタンパク質をコードするcDNAは、鋳型としてcDNAライブラリーと適切なプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅させることができる。実施例1は、3’端に18の付加的ヌクレオチド(6つのヒスチジンをコード)を有する成熟hTFタンパク質をコードするcDNAの増幅を開示している。
別の実施態様では、TFタンパク質は、十分に確立されたクロマトグラフィー精製手順に従って、上記の工程a)−d)から精製することができる。ひとたび精製されれば、TFタンパク質は、最適なリン脂質濃度でインビトロで脂質化されうるであろう。
更なる実施態様では、脂質化TFは、例えば脳、胎盤、及び肺組織、とりわけヒツジ、ウシ、ウサギ、イヌ、及びヒトなどの様々な動物由来の組織のような動物組織抽出物から得ることができる。好ましくは、脂質化TFはヒト由来である。より好ましくは、脂質化TFはヒト組換え型である。
本発明において、「トロンビン」(FIIa)との用語は、止血において重要な役割を果たしている主要なセリンプロテアーゼとして理解されなければならない。FIIaはフィブリノゲン(FI)、第V因子(FV)、第VIII因子(FVIII)、第XI因子(FXI)、及び第XIII因子(FXIII)を含む凝固カスケードに関与する凝固因子の多くを活性化させる。FIIaはまた血小板及び血管内皮細胞を活性化させる。トロンビン前駆体は、チモーゲンプロトロンビン(FII)であり、これは肝臓から血液中に分泌される。凝固カスケードの間に、FIIは、最初に活性型FX(FXa)によって異なった速度で、カスケードの最後の工程でプロトロンビアーゼ複合体(FXa:FVa)によって、FIIaに転換される。市販のFIIaはヒト又はウシ由来の血漿からFIIを単離後に生産される。その単離後、FIIはインビトロでFIIaに形質転換される。現在市販されている全てのFSは、ヒト又はウシ由来のFIIaを含む。加えて、高度に精製された組換えヒトFIIaもまた入手可能である。この組換えヒトFIIaは組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からのヒトFIIの精製と、続くインビトロ手順によるFIIaへのそのプロセシングの後に得られる。
本発明において使用することができる例示的なFIIタンパク質には、ヒトFII(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン182、2012年11月、受託番号P00734)、ウシFII(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン153、2012年11月、受託番号P00735)、マウスFII(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン141、2012年11月、受託番号P19221)、ブタFII(UniProtKB/Swiss−Prot.バージョン37、2012年11月、受託番号B3STX9)、及び異なる動物のFIIタンパク質が含まれる。好ましくはトロンビンはヒト又はウシ由来であるが、より好ましくは、ヒトトロンビン、更により好ましくは組換えヒトトロンビンである。
トロンビンの濃度は1mL当たりの単位で提供されることは当該技術分野において十分に確立されている。トロンビンの量を表現するための単位は「NIH」単位又は国際単位とできる。また、ある系で表された単位の他のものへの変換が如何にしてなされなければならないかもまた当該技術分野において十分に確立されている:
1 IOWA単位=0.83 NIH単位
1 IU=1 NIH単位
1 NIH単位=0.324±0.073mg
1 NIH単位=1 USP単位
一実施態様では、本発明の組成物の何れも液体形態である。この実施態様では、組成物は、両方の溶液を混合した場合、得られる組成物が上述の特定の濃度でトロンビンとTFを有するような濃度で、トロンビン及び脂質化TF溶液の別々の溶液を調製して得ることができる。別法では、組成物は、トロンビン又は脂質化TFの溶液を調製し、他の成分を粉末形態で添加することで得ることができ、但し、各成分の最終濃度は、得られた液体組成物において上述したものである。任意の生理学的に許容される溶媒を使用することができる。溶媒の例証的な非限定的例には、水、生理食塩水緩衝液、リン酸緩衝液、又は体液、例えば血液又は滑液が含まれる。
別の実施態様では、本発明の組成物の何れも粉末形態である。この実施態様では、組成物は、特定の濃度でトロンビンと脂質化TFを既に有する(上に開示したようにして得ることができる)液体組成物から出発して得ることができ、その後、それは、周知の粉体技術に供せられるが、但しそのような技術は、トロンビン又はTFの安定性に悪影響を与えるものではない。粉末技術の例証的な非限定的例は乾燥技術、すなわち、凍結乾燥又は噴霧乾燥等に基づく。
あるいは、粉末組成物は、粉末形態のトロンビン及び脂質化TFから出発して得ることができる。この実施態様では、当業者は、成分の各々が特定の濃度の組成物を得るのに必要な成分の各一の量を容易に決定することができる。
別の実施態様では、本発明の組成物の何れも固体発泡体の形態である。これらの固体発泡体は、噴霧乾燥技術によって(上に開示されたようにして得ることができる)液体組成物から得ることができる。
別の実施態様では、本発明の組成物の何れも半固体形態である。そのような形態を得るために、適切な賦形剤と担体が必要とされる。以下にそのような半固体組成物を得る際に有用な賦形剤及び担体が提供される。
本発明の第一の態様の一実施態様では、組成物は架橋剤を更に含有する。
本発明の第一の態様の別の実施態様では、組成物は線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第一の態様の更に別の実施態様では、組成物はCaClを更に含有する。
本発明の第一の態様の更なる実施態様では、組成物は、架橋剤と線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第一の態様の更なる実施態様では、組成物は、架橋剤とCaClを更に含有する。
本発明の第一の態様の更なる実施態様では、組成物は、線維素溶解阻害剤とCaClを更に含有する。
本発明の第一の態様の更なる実施態様では、組成物は、架橋剤、線維素溶解阻害剤、及びCaClを更に含有する。
好ましくは、前記架橋剤はFXIII又は活性型FXIIIaである。
好ましくは、線維素溶解阻害剤はアプロチニン、トラネキサム酸、及びアミノカプロン酸から選択される。
上述したように、更なる態様では、本発明は、適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に、本発明の第一の態様の組成物の治療的有効量を含有する薬学的又は獣医学的組成物を提供する。
ここで使用される「治療的有効量」との表現は、投与されると、対処される疾患の症状の一つ以上の発症を予防し、又はある程度まで軽減するのに十分な組成物の量を意味する。本発明に従って投与される組成物の特定の用量は、投与される化合物、投与経路、治療される特定の症状、及び類似の考慮事項を含む、症例を取り巻く特定の状況によって当然決定されるであろう。
このような薬学的又は獣医学的組成物の調製方法は当該技術分野において周知である。
本発明の薬学的又は獣医学的組成物は、直接、又はガーゼのような担体材料で、出血部位に局所的に適用されるべきである。局所適用の例には、外部、皮膚、鼻腔内、膀胱内、膣内、頬側、直腸、眼(ophthalmic)、内視鏡的局所適用、及び点眼(instillation)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物は、軟質又は硬質ゲル、液体、ローション、クリーム、軟膏、ペースト、ロールオン製剤、スプレー、エアロゾル、フォーム剤、パッド塗布製剤及び被膜形成製剤の形態をとることができる。
局所投与では、適切な薬学的賦形剤又は担体には、限定されるものではないが、保湿剤(hydrating agents)、エモリエント(皮膚軟化剤)、乳化剤、湿潤剤(humectants)、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、ビヒクル、又はそれらの混合物が含まれる。使用される賦形剤又は担体は、皮膚への親和性を持ち、十分に耐容性があり、安定で、所望のコンシステンシーと容易な適用をもたらすのに十分な量で使用される。
本発明の薬学的又は獣医学的組成物が局所用である場合、限定されないが、溶液、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、クリーム、軟質又は硬質ゲル、液体、フォーム剤、ロールオン製剤、スプレー、エアロゾル、パッド塗布製剤及び被膜形成製剤を含む幾つかの形態で処方することができる。これらの局所用薬学的組成物は、当該技術分野においてよく知られている方法に従って調製することができる。適切な薬学的賦形剤及び/又は担体と、それらの量は、調製される製剤の種類に応じて当業者が直ぐに決定することができる。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の一実施態様では、組成物は架橋剤を含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の別の実施態様では、組成物は線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更に別の実施態様では、組成物はCaClを更に含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更なる実施態様では、組成物は架橋剤及び線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更なる実施態様では、止血組成物は架橋剤とCaClを更に含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更なる実施態様では、組成物は線維素溶解阻害剤とCaClを更に含有する。
本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更なる実施態様では、組成物は架橋剤、線溶阻害剤及びCaClを更に含有する。
好ましくは、前記架橋剤はFXIIIである。
好ましくは、前記線維素溶解インヒビターは、アプロチニン、トラネキサム酸、及びアミノカプロン酸から選択される。
本発明の組成物は、手術時に一般的な外科術(例えば、縫合術、結紮術、及び焼灼術)による出血を調節するとき、手術を受ける患者における止血の補助として、また漏出を防ぐ標準的な外科技術(例えば縫合術及び結紮術)における補助として使用することができる。
更なる態様では、本発明は、本発明の第一の態様の組成物又は本発明の第二の態様の薬学的又は獣医学的組成物と、担体物質を含有する止血組成物を提供する。
本発明において、組成物、効果及び使用に言及される「止血」との用語は、止血を促進する、つまり出血を止める物質として理解されなければならない。また、「抗出血性」及び「凝血促進」とも呼ぶことができる。
「担体物質」との用語は、本発明の組成物をその上に付着させ、その輸送及び所望の部位、例えば本発明の組成物がその治療効果を奏しなければならない部位でのその放出を可能にする適切な物質の基材として理解されなければならない。前記担体物質は固体担体でありうる。固体担体の例証的な非限定的例としては、包帯材、バンドエイド、圧定布、プラスター等々が含まれる。液体担体の例証的な非限定的例としては、ゲル、スプレー、マウスウォッシュ等々が含まれる。組成物の成分と固体材料間の相互作用は物理的又は化学的相互作用でありうる。
一実施態様では、担体材料は、コラーゲン、ゼラチン又は酸化再生セルロース製の固体担体である。
別の実施態様では、担体材料は、粉末を分配するための装置である。
一実施態様では、第一の態様の組成物は液体の形態で担体物質上に適用される、すなわち、担体に本発明の組成物が含浸させられる。
本発明の第三の態様の止血組成物の別の実施態様では、止血組成物は架橋剤を含有する。
本発明の第三の態様の止血組成物の別の実施態様では、止血組成物は線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第三の態様の止血組成物の更に別の実施態様では、止血組成物はCaClを更に含有する。
本発明の第三の態様の止血組成物の更なる実施態様では、止血組成物は架橋剤及び線維素溶解阻害剤を更に含有する。
本発明の第三の態様の止血組成物の更なる実施態様では、止血組成物は架橋剤とCaClを更に含有する。
本発明の第三の態様の薬学的又は獣医学的組成物の更なる実施態様では、止血組成物は線維素溶解阻害剤とCaClを更に含有する。
本発明の第二の態様の止血組成物の更なる実施態様では、止血組成物は架橋剤、線溶阻害剤及びCaClを更に含有する。
好ましくは、前記架橋剤はFXIIIである。
好ましくは、前記線維素溶解インヒビターは、アプロチニン、トラネキサム酸、及びアミノカプロン酸から選択される。
上で詳細に指摘した性質のため、本発明の組成物は創傷治癒剤として使用することができる。
「創傷治癒」との表現は、任意の種類の任意の部位における損傷創傷治癒後に皮膚がそれ自身を修復する複雑な過程を意味する。それは正常及び障害性創傷治癒でありうる。後者は、特に、疾患の場合、例えば、糖尿病、血管炎、動脈閉塞性疾患、慢性静脈及び/又は感染潰瘍、並びに不完全治癒胃潰瘍などで見いだされる。障害性創傷治癒はまた神経支配障害の場合、例えば、対麻痺、ハンセン病、神経障害など、及び介護を必要とする人の圧迫壊疽において見いだされる。障害性創傷治癒は、特に腸の手術及び皮膚及び他の臓器の移植の後で、縫合が弱い場合に、それぞれ生じる可能性がある。
障害性創傷治癒はまた、骨折、火傷、及びステロイドを用いた治療の場合においても見いだされる。
ここで使用される場合、「創傷」との用語は、任意の組織への損傷を含み、例えば、癒すことが遅延した又は困難な創傷、及び慢性の創傷を含む。創傷の例としては、開放創傷と閉じた創傷の両方を含みうる。「創傷」との用語は、例えば、異なる形で惹起された皮膚及び皮下組織へ傷害(例えば、長期の床上安静による床ずれ及び外傷によって誘発される創傷)、及び様々な特性を持つ傷害を含む。創傷は傷の深さに応じて4段階のいずれかに分類されうる:i)上皮に限られたグレードIの創傷;ii)真皮内に及んだグレードIIの創傷;iii)皮下組織に及んだグレードIIIの創傷;及びiv)骨が露出した(例えば、大転子又は仙骨など骨の圧力点)グレードIV(又は全層創傷)の創傷。
「慢性創傷」との用語は、一般的に治癒していない創傷を指す。慢性創傷は、静脈性潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈性潰瘍、褥瘡(pressure ulcer)、糖尿病性潰瘍、糖尿病性足部潰瘍、血管炎性潰瘍、褥瘡性潰瘍(decubitus ulcer)、熱傷潰瘍、外傷誘発潰瘍、感染性潰瘍、混合潰瘍、壊疽性膿皮症を含む。
本発明の組成物はまた出血の治療に使用することができる。好ましくは、本発明の組成物は局所的に適用される。このような出血は、特に、凝固障害、負傷、創傷、又は血小板障害に起因しうる。
以下に示されるように、本発明の組成物は、抗出血剤として作用し、従って、出血性疾患、特に出血性素因に関連する出血性障害を治療し又は直すために使用することができる。
「出血性素因」との用語は、止血障害を引き起こし、その結果、拡張した過度の出血を伴って時折発生し得る出血症候群の発生を引き起こす過程を意味する。
「凝固障害」との用語は、凝固因子障害を指す。この障害は、特定の凝固因子欠損症又は欠損が原因である可能性があり、その結果、出血症候群の発生となり得、又は凝固因子障害が原因である可能性がある。凝固障害は、一般的に先天性凝固障害又は後天性凝固障害でありうる。先天性凝固障害の例証的な非限定的例として、凝固第V因子(FV)、凝固第VII因子(FVII)、その欠乏又は欠損が血友病Aを引き起こす凝固第VIII因子(FVIII)、その欠乏又は欠損が血友病Bを引き起こす凝固第IX因子(FIX)、凝固第X因子(FX)、その欠乏又は欠損が血友病Cを引き起こす凝固第XI因子(FXI)、凝固第XII因子(FXII)、凝固第XIII因子(FXIII)及びそれらの組み合わせから選択される凝固因子の欠損を挙げることができる。後天性凝固障害は、異なる起源を持ちうる。例証的な例としては、重篤な肝障害、抗凝固療法(ヘパリン、低分子量ヘパリン、ワルファリン、クマリン誘導体、ジクマリンなど)における凝固因子合成の欠損が含まれる。代替メカニズムは、出血病変に凝血塊を形成するために利用できないほどの凝固因子の過剰消耗に基づいている。このメカニズムは、複数の微小血栓の形成と共に血小板及び凝固因子を活性化させる微小循環内皮を損傷する重度の敗血症;胎盤放出などのTFによる血管侵入;死亡胎児の保持;組織の破壊を伴う多重外傷;有毒のヘビの噛みつきなどの複数の疾患において起こる消耗に起因する、播種性血管内凝固症候群又は凝固障害で生じる。血管炎では、体壁及び内皮の損傷が凝固アクチベーターを放出する。凝固因子の消費は、抗血小板薬及び抗凝固薬であるプラスミンの作用による多くの微小血栓の繊維素の溶解により悪化する。
「血小板障害」との用語は、血小板の数及び機能的能力の双方の障害を指し、その結果、出血症候群が起こる。前記血小板障害は先天性又は後天性であり得る。特定の実施態様では、該血小板障害は先天性血小板障害である。先天性血小板障害の例証的な非限定的例としては、グランツマン病、ベルナール・スーリエ病、ボーリン・ジェイミーソン(Bolin-Jamieson)症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群、パリ・トルソー・ヤコブセン症候群、X染色体血小板減少症、灰色血小板症候群、セバスチャン症候群及びファンコニー貧血が挙げられる。他の特定の実施態様では、前記血小板障害は後天性血小板障害である。後天性血小板障害の例証的な非限定的例としては、血小板血症、赤血球増加症、慢性骨髄球性白血病などの骨髄増殖性障害が挙げられ、出血時間の延長、ガラスビーズ保持欠損、血小板凝集欠損、異常放出、及び血小板因子III欠損を伴う骨髄化生における機能的血小板障害がある。機能的血小板欠損は、壊血病及び先天性心疾患及び硬変におけるタンパク異常血症において見いだされている。
本発明の第七の態様の一実施態様では、損傷部位へのその適用により、出血の局所治療に使用される上で定義された組成物が提供される。
ここで使用される「対象」との用語は、ヒト種を含む動物種の何れかのメンバーを含み、例証的な非限定的例を挙げると、該対象は霊長類、家畜、齧歯類などの哺乳類でありうる。該対象は好ましくは、任意の年齢及び人種の男性又は女性である。特定の実施態様では、該対象は、止血障害の履歴のないヒト、例えば、凝固障害又は血小板障害を有していない個体である。別の特定の実施態様では、前記対象は、止血障害の履歴のあるヒト、例えば、凝固障害、例えば先天性もしくは後天性凝固障害など、又は血小板障害、例えば先天性もしくは後天性血小板障害などの出血素因を有する個体である。
TFはよく知られた血管新生促進分子であるので、本発明の組成物はまた欠損した血管新生に関連する疾患の治療に使用することができる。
ここで使用される「欠損した血管新生に関連した疾患」は、血管形成を活性化することによって治療することができる疾患を指す。「血管形成」なる表現は、任意の種類の任意の部位における血管形成に関する。血管形成の促進は、多くの臨床症状に有用であり得る。例えば、本発明の組成物は、虚血性疾患、心筋梗塞の最中又は後に、又は冠動脈バイパス手術後に、心筋組織における側副脈管構造の血管新生を促進するために使用されうる。本発明の組成物の提供により治療されうる他の疾患又は症状は、末梢又は中枢神経系の病理を引き起こす血管疾患及び/又は虚血性疾患を含む。このような症状/疾患は、例えば、血栓閉塞によって又は動脈瘤の破裂によって引き起こされる脳血管発作、又は神経細胞死を引き起こす全身性/局所性虚血、又は運動もしくは感覚機能などの末梢機能障害又は言語障害、虚血性心筋症、又は慢性四肢虚血跛行(骨格筋)などの末梢動脈疾患、休息痛/虚血性潰瘍形成/壊疽を含みうる。更に、血管形成の促進は、例えば古い血管など、障害を受けた血管を置換するのに十分である。それらは例えば、脳卒中又は梗塞を予防又は治療することができるように、脳又は心臓に存在することができる。予防策はまたプレスビオフレニーに対して取ることができる。また、それは、動脈硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎、糖尿病性網膜症、足/下腿潰瘍の深部静脈血栓症の治療のための血管形成、並び再発防止に関する。
最後に、更なる態様では、本発明は、アプリケータと共に、本発明の第一又は第二の態様の組成物を含むキットを提供する。
該キットは、(a)各パートが組み合わせを構成する各成分を含むような形の、二パート、つまりキットの一つのパートがトロンビンを含み、他のものが脂質化組織因子を含む形態;あるいは(b)トロンビンと脂質化TFの双方が単一のパートを共有するような形の、一パートの形態を採りうる。
従って、一実施態様では、キットは、a)トロンビンを含む第一のパート;b)脂質化組織因子を含む第二のパート;及びc)キットに含まれる全ての成分を同時に適用するアプリケータを含む。
別の実施態様では、キットは、a)トロンビンと脂質化組織因子を含む第一のパート;及びb)キットに含まれる全ての成分を同時に適用するアプリケータを含む。
キットに含まれるトロンビン及び脂質化組織因子は、適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に、それらがそれぞれ1−30IU/g組成物及び5−150ng/g組成物の濃度である限り、溶液、懸濁液、又は粉末のような、任意の適切な形態でありうる。
加えて、キットは、上述の用途の何れかでの使用のための指示書を含みうる。
一実施態様では、キットは架橋剤を更に含む。
別の実施態様では、キットは線維素溶解阻害剤を更に含む。
更に別の実施態様では、キットはCaClを更に含む。
更なる実施態様では、キットは架橋剤及び線維素溶解阻害剤を更に含む。
更なる実施態様では、キットは架橋剤とCaClを含む。
更なる実施態様では、キットは線維素溶解阻害剤とCaClを含む。
更なる実施態様では、キットは、架橋剤、線維素溶解阻害剤、及びCaClを含む。
好ましくは、架橋剤はFXIIIである。
好ましくは、前記線維素溶解阻害剤はアプロチニン、トラネキサム酸、及びアミノカプロン酸から選択される。
架橋剤、線維素溶解阻害剤、及び/又はCaClは、トロンビン及び脂質化組織因子に対して上で特定されたパートの何れか一つに含めることができ、又は別法では、各一が更なる別個のパートに入れられうるか、又はキットの同じパートを共有しうる。
任意の更なる成分は、それがそこに含まれる組成物の止血特性に負の影響を及ぼさない限り、キットに含めることができる。このような追加の成分は、トロンビン及び脂質化組織因子について上で特定したパートの何れか一つに含めることができる、あるいは、キットの「追加の成分」の各一は更なる別個のパートに入れることができる。
キットに含まれる全ての成分を同時に適用することを可能にするアプリケータの例証的な非限定的例は、バレル式シリンジ、スプレーアプリケータ、パッド、又はそれらは粉末形態である場合は成分を分配する装置である。
粉末の分配装置の一例は国際公開第2010/07033号に開示されたものである。
明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(含有する)(comprise)」という語及びその語の変形語は、他の技術的特徴、添加物、成分、又は工程を排除することを意図していない。更に、「含む」という語は「からなる」の場合を包含する。本発明の更なる目的、利点及び特徴は、明細書の検討により当業者に明らかになるか、又は本発明の実施によって知得されうる。次の実施例及び図面は例示のために提供され、それらは本発明を限定することを意図するものではない。更に、本発明はここに記載の特定の実施態様及び好ましい実施態様の全ての可能な組み合わせを包含する。
実施例1:酵母における完全長TFhisタグ修飾タンパク質の発現に基づく組換え組織因子の生産(以下、「TT−173」とも称される)
URA3遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、酵母の2μ複製開始点、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPD)プロモーター及びホスホグリセリン酸キナーゼの酵母転写終結シグナルを含む、国際公開第2008080989号の実施例1に記載された酵母エピソームベクターpTT−10301を使用して、GPDプロモーターの制御下で、 3’末端にHisタグを持ち、天然hTF配列(配列番号:5)に潜在的なN−グリコシル化部位の一つを不活性化するAsn124Ala変異を持つ成熟hTFタンパク質(配列番号:1のaa33−295)をコードする配列番号:6のcDNAをクローニングした。
配列番号:6は次のようにして得た。TFのヒトcDNA配列(Genbank受託番号BC011029、配列番号:11)を、配列番号:7及び配列番号:8の配列のプライマーを使用して増幅した。得られた増幅DNA配列を、配列番号:9及び配列番号:10の配列のプライマーを使用して、部位特異的突然変異誘発によって更に改変させた。このため、クイックチェンジ部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を、Stratageneマニュアルに記載された方法に従って、使用した。このような後者の突然変異誘発により、TFタンパク質配列のアミノ酸残基124にAsnからAlaへの点変異を含むTF配列を作製した。
形質転換後、ウラシル非含有培地中で増殖可能な酵母株を回収し、本質的に国際公開第2008080989号に記載されたように酵母抽出物のウェスタンブロット分析によってhTFを発現するそれらの能力を試験した。簡潔に述べると、TFをコードする遺伝子の改変型(配列番号:6)を持つエピソーム発現プラスミドを含む酵母を発酵槽中で増殖させ、得られた細胞を遠心分離により回収する。回収した細胞を適切な溶解緩衝液(20mMのホスフェート、50mMのNaCl、pH7.4)に再懸濁させ、圧力1000バールでホモジナイザーを3回通過させることにより高圧溶解に供し、発酵溶解物(発酵ホモジネート)を得る。細胞懸濁液を、容器を氷浴に浸すことにより低温に維持する。その後、最も重い材料を遠心分離によって発酵溶解物から除去し、よって清澄な酵母抽出物(CYE)上清を得る。均質化工程から得られたCYEを、全タンパク質含有量が5−6mg/mLの間の濃度に達するまで溶解緩衝液で希釈し、それぞれ0.45μm、0.2μm、及び0.1μmの連続したフィルターで濾過し、非膜宿主細胞由来のタンパク質(HCP)の量を減少させ、rTF−小胞中のより均質な材料を得る。
0.1μmの微小濾液残留物の小胞は0.2μm未満の直径を持つ。微量のDNAを除去するために、0.1μmの微小濾液残留物をついで10U/mLのエンドヌクレアーゼBenzonase(メルク)及び塩化マグネシウムで1mMの最終濃度まで処理し、およそ20rpmで揺動するガラス容器において4℃で12時間インキュベートし、更なる濃縮工程で使用する。
それらのサイズに応じて異なる小胞亜集団を更に分画し、不要な残留細胞物質を除去するために、フィルター清澄化酵母抽出物を、Sephacrylのサイズ排除クロマトグラフィーカラムに適用する。分離後、rTFに富む小胞に対応する分画2から22をプールし、フィルター滅菌する。その後、0.1mg/mLの最終濃度のホスファチジルセリン(PS)を滅菌産物に添加し、混合物を室温で2時間維持し、小胞へのPSの取り込みを可能にする。前工程として、PSは、リン脂質(SUV)を製造するためのモリッシーラボプロトコル(Morrissey Lab Protocol)に従って、緩衝溶液中に脂質を再懸濁させた後、超音波処理を続けることによって多層膜小胞として調製することができた。簡単に言えば、(1)2.6μmolの全リン脂質(PL)をガラス試験管(13×100mmチューブが簡便なサイズである)に分注する;(2)ドラフト中で、窒素又はアルゴンの穏やかな流れの下でPL混合物を乾燥させる。乾燥したとき、高真空下で更に60分間、減圧濃縮(speed−vac)させる。(これは残留クロロホルムを除去するためである。);(3)乾燥させられたPLに、2.6mlの室温HBS溶液を追加し、パラフィルムでチューブの端部を覆う。室温で1時間放置する;(4)チューブを激しくボルテックスして、PLを完全に再懸濁させる。結果物は乳白色の均一な懸濁液でなければならない;(5)槽のソニケーターに室温の水を満たす。リングスタンドと試験管クランプを使用して、PL懸濁液を含むチューブを槽に吊り下げる。チューブ内の液面はチューブ外のものと等しくしなければならない。懸濁液が乳白色からほぼ透明の外観に変化する(つまり、ごく僅かに曇る)まで、超音波処理する。10分毎に確認する;通常、10から30分の全超音波処理時間がかかる。(槽を過熱させないように留意し、完全に冷えるまで槽を排出させない);及び(6)4℃で最終産物を保存する。結果物はHBS中に合計1mMのリン脂質を含む小さい単層小胞(SUV)の懸濁液である。
2時間のインキュベーション後、PSに富む小胞を含む滅菌品を等分し、凍結乾燥させる。この凍結乾燥材料は、以下の試験で使用されたrTFに対応し、PSに高度に富む脂質小胞に固定された配列番号:5のタンパク質からなる。
実施例2:全血中のトロンビンに対するTFの添加の効果
これらの実験では、3名の健康な個体からのクエン酸ナトリウム処理血液試料を使用した。実験開始前に、トロンビン及び脂質化TFの溶液を調製した。このために、凍結乾燥された1000NIH単位のウシトロンビン(Ref.T4648 SIGMA)を含む一つのバイアルを、1mLのホスフェート緩衝液(20mMのホスフェート、50mMのNaCl、pH7.4)中に再懸濁させた。並行して、1μgの脂質化TFを含む凍結乾燥TT−173を、1mLのホスフェート緩衝液でまた再構成させた。これら二つの原液から、
i)個々の試験品:トロンビン(1000、300、30、3、及び1IU/mL及び)又は脂質化TF(150、15、及び5ng/mL)、及び
ii)1ミリリットル当たり、次の比のトロンビン(IU)+脂質化TF(ng)の組み合わせを調製した:1+5、1+15、1+150、3+5、3+15、3+150、30+5、30+15及び30+150。
調製された溶液の各一に対して、個々の試験品であれ、又は組み合わせであれ、1mLが1グラムの重さであることが見いだされた。従って、トロンビン、脂質化TF、又は異なるトロンビン+脂質化TFの比に対して上で述べられた濃度はまた溶液1グラム当たり(トロンビン又は脂質化TF単独の場合)又は組成物1グラム当たり(トロンビン+脂質化TFの組み合わせの場合)で表すことができる。
ひとたび調製されたところで、20μLの上記溶液をトロンボエラストグラフ(TEG)の標本カップに独立に配置した後、20μLの塩化カルシウムを添加した。ついで、300μLの血液をTEGカップに移し、TEGによって凝固時間パラメータ(以下、「CTパラメータ」という)をモニターした。最後に、各試験品(トロンビン、脂質化TF又は組み合わせ)濃度に対するCT時間を記録した。結果を表1−2に要約する:
Figure 2016506920
Figure 2016506920
予想されたように、1、3、30IU単位/g組み合わせの濃度で血液に外因性トロンビンを添加すると、用量依存的にCT値を有意に減少させる(表1参照)。
次の工程は、どの試験濃度(1、3及び30U/mL)のFIIaに脂質化TFの組み合わせの効果が発揮されるかを決定することであった。驚くべきことに、FIIaに最小量の脂質化TF(5ng/mL)を添加した場合にCT時間の顕著な減少が誘導された。表2に示されるように、1、3、又は30IUのトロンビンとの5ngの脂質化TFの組み合わせは、300U/mLのトロンビン単独で得られたものと同様のCT時間を誘導する。
これらの結果は、TT−173の代わりに市販の脂質化rTF(American Diagnostica ref. 4500L)を同様の実験に使用して、確認された。これらの研究では、単一濃度の脂質化rTFのみが試験された。結果を表3に示す。
Figure 2016506920
これらの結果から、組成物1グラム当たり、1−30IUのトロンビンと5−150ngの脂質化TFを含有する組成物が相乗的な凝固効果を奏することが結論できる。
実施例3 脂質化rTF+トロンビンの組合わせのインビボ効果
ある濃度比での脂質化rTF+トロンビンの組合わせが実質的な相乗効果を誘導したことを実証するために、次の実験を標準的な肝臓ブタモデルで実施した。
このために、動物実験に関する標準UE規制に従って適切な施設において維持した30−40Kgの重さの1匹のブタを、塩酸キシラジン(1.1mg/Kg)及び塩酸ケタミン(15mg/Kg)の組合わせの筋肉内注射によって麻酔し、それを全試験期間中、イソフルランと酸素の吸入下で維持した。ブタは仰臥位に配した。皮膚を剃り、無菌手術の準備をした。肝臓損傷には、皮膚を通して上位正中開腹切開を行った。肝臓を露出させ、直径8mmの端部が鋭いプローブを左葉内2cmに挿入した。直後に、止血試験品を創傷の上に適用し、止血に必要な時間をクロノメーターを用いて記録した。その後、同様の切開部を3cm離して形成し、新たな試験品の止血効果を試験した。試験した試験品は以下の通りであった:
1.−生理食塩水1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
2.−脂質化rTF(TT−173)80ngを含むリン酸緩衝液1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
3.−脂質化rTF(TT−173)8ngを含むリン酸緩衝液1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
4.−トロンビン(SIGMA)200IUを含むリン酸緩衝液1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
5.−トロンビン(SIGMA)20IUを含むリン酸緩衝液1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
6.−トロンビン(SIGMA)20IU+rTF(TT−173)8ngを含むリン酸緩衝液1mLに浸した5cmの市販コラーゲンパッド(Curaspon)
調製された溶液の各一に対して、個々の試験品又は組合わせの何れも、1mLが1グラムの重さであったことが見いだされた。従って、トロンビン、脂質化TF又は異なったトロンビン+脂質化TF比に対して上で述べられた濃度は溶液1グラム当たり(トロンビン又は脂質化TF単独の場合)又は組成物1グラム当たり(トロンビン+脂質化TFの組合わせの場合)でも表すことができる。
各試験品を3から6回試験した。試験品の各々に対する観察された止血時間の平均を図1に示す。実験の終了時に、動物はペントタールの静脈内注射によって安楽死させた。
図に示されているように、生理食塩水に浸した市販コラーゲンパッドを用いた創傷の処置では、止血までの時間はおよそ260秒の(バー1)になった。しかし、rTF単独の2用量(80又は8ng/mLのrTF)(バー2及び3)あるいはトロンビン単独の2用量(200又は20IU/mL)(バー4及び5)に独立に浸した市販コラーゲンパッドで創傷を処置した場合、用量依存的に凝固時間の明らかな減少があった。従って、80ngのrTF/mLでの処置は260秒から50秒の凝固時間の減少をもたらした(バー1及び2を比較のこと)。予想されたように、rTF濃度の10倍の低減は50から170秒の凝固時間の増加をもたらした(バー2及び3を比較)。同様に、200IU/mLのトロンビン(80秒、バー4)で見られた止血効果は、トロンビン用量を10倍下げたときに劇的に減少した(230秒バー5)。
驚いたことに、最も少ないトロンビンの用量(20IU/mL)とrTFの最も少ない用量(8ng/mL)の組合わせが、相乗効果を奏し、rTF単独(170から90秒、バー3をバー6と比較のこと)、又はトロンビン単独(240から90秒、バー5をバー6と比較のこと)の同様の濃度を適用した場合と比較して、凝固時間の実質的な減少を誘導した。これらの結果は、ある濃度比のトロンビンと脂質化rTFを含有する組成物が相乗止血効果を奏することをインビボで確認するものである。
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国際公開第2008/080989号;
国際公開第2010/07033号;
国際公開第2011/131658号;及び
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Claims (14)

  1. 脂質化組織因子とトロンビンの組み合わせを含有する組成物であって、トロンビンの量が組成物1グラム当たり1から30IUであり、脂質化組織因子の量が組成物1グラム当たり5から150ngである、組成物。
  2. 脂質化組織因子が組成物1グラム当たり5から15ngである、請求項1に記載の組成物。
  3. 組織因子のNグリコシル化部位のうち少なくとも一つが非機能的である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記組織因子が、組織因子タンパク質を含む第一の部分と、他のペプチド又はタンパク質を含む第二の部分とを含む融合タンパク質である、請求項1から3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 第二の部分がタグである、請求項4に記載の組成物。
  6. 融合タンパク質が、Nグルコシル化部位の少なくとも一つが非機能的である成熟ヒト組織因子タンパク質を含む第一の部分と、Hisタグを含む第二の部分とを有する、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. 融合タンパク質が配列番号:5に対応する、請求項6に記載の組成物。
  8. TFタンパク質が脂質微小胞に固定される、請求項1から7の何れか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の組成物の治療的有効量を、他の適切な薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤及び/又は担体と共に含有する、薬学的もしくは獣医学的組成物。
  10. 請求項1から8の何れか一項に記載の組成物又は請求項9に記載の薬学的もしくは獣医学的組成物と、担体物質を含有する止血用組成物。
  11. 止血剤として使用するための、請求項1から8の何れか一項に記載の組成物又は請求項9に記載の薬学的もしくは獣医学的組成物。
  12. 医薬として使用するための、請求項1から8の何れか一項に記載の組成物又は請求項9に記載の薬学的もしくは獣医学的組成物、又は請求項10に記載の止血組成物。
  13. 出血の治療に使用するための、請求項1から8の何れか一項に記載の組成物又は請求項9に記載の薬学的もしくは獣医学的組成物、又は請求項10に記載の止血組成物。
  14. 請求項1から8の何れか一項に記載の組成物又は請求項9に記載の薬学的もしくは獣医学的組成物又は請求項10に記載の止血組成物と、組み合わせを構成する全成分の同時の適用を可能にするアプリケータとを含むキット。
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