JPH0558879A - 制癌剤含有リポソーム製剤 - Google Patents

制癌剤含有リポソーム製剤

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JPH0558879A
JPH0558879A JP24709691A JP24709691A JPH0558879A JP H0558879 A JPH0558879 A JP H0558879A JP 24709691 A JP24709691 A JP 24709691A JP 24709691 A JP24709691 A JP 24709691A JP H0558879 A JPH0558879 A JP H0558879A
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JP
Japan
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liposome
liposomes
lipid
carcinostatic agent
hydrogenated
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JP24709691A
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Hiroshi Kiwada
弘志 際田
Atsushi Nagai
篤 永易
Yoshito Kiuchi
義人 木内
Yoichiro Takechi
陽一郎 武市
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 癌組織に制癌剤を到達させ、蓄積させること
の可能なリポソーム製剤を提供する。 【構成】 膜形成成分が水素添加天然リン脂質、コレス
テロール、負電荷脂質からなる平均粒子サイズが100nm
以下の制癌剤含有リポソーム製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腫瘍組織への高い集積性
を有し、癌治療上有用なリポソーム製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】リポソームに制癌剤を封入して癌へのタ
ーゲテイングを試みる研究としては、モノクロナール抗
体を用いてリポソームを修飾する方法[Chem.Pharm.B
ull.,vol.35, 748 (1987)]、癌細胞に特異的指向性の
ある脂質を添加する方法[特開平2−76810号]、リポ
ソームの血液循環時間を著しく長くする特殊な脂質を添
加する方法「特表平1−502590号]等、多数報告されて
いる。
【0003】しかしながら、未だ画期的な制癌剤含有リ
ポソーム製剤の実用化はなされていない。その理由の1
つとしてこれらの方法が高価な新しい脂質や大量生産困
難なモノクロナール抗体を用いていることが挙げられ、
またもう一つの理由として未だ充分な癌へのターゲテイ
ングがなされていないことが挙げられる。例えば癌への
ターゲテイングを目的とした多くのリポソーム研究の中
でも特表平1−502590号に開示された方法はガングリオ
シドGM1等の非常に高価な脂質を用いて、これまでの
報告の中では高いターゲテイング効果を示し、世界的に
注目されている方法であるが、この方法でも癌組織中薬
物濃度は肝臓中薬物濃度の6分の1である。
【0004】水素添加天然リン脂質はリポソームの膜形
成成分として以前からしばしば用いられており、特開昭
59−222410号では水素添加天然リン脂質と負電荷を与え
る脂質を用いたリポソームが開示されている。しかし、
このリポソームは調製時の薬物捕捉効率が優れ、また血
液中で薬物の徐放性を示すことを特徴とするものであ
り、腫瘍組織に薬物を運ぶことを目的として水素添加天
然リン脂質を用いたものではなく本発明とは異質のもの
である。又、当該特許出願の実施例に示されたリポソー
ム調製方法には偶然にも本発明の実施例に示した方法と
同じく100,000×g、60分の超遠心分離法が採用されてい
るが、当該実施例では遠心分離の沈殿物(ペレツト)す
なわち大きなリポソームを用いているのに対して、本出
願の実施例では逆に、最終工程で大きなリポソームを除
去するために超遠心分離法を用いている。このことから
も、特開昭59−222410号と本発明は同じ水素添加レシチ
ンを用いていても全く異質のものであることは明らかで
ある。
【0005】リポソーム等の微粒子はその粒子サイズが
極めて小さければ、肝臓の実質細胞や腫瘍組織のような
血管透過性の亢進した部位へ移行し易いことは以前から
広く知られており、例えば特開平2−167217号にも、こ
ういつた理念の記載が認められる。しかし、単に粒子サ
イズが小さいだけでは、微粒子は腫瘍よりもむしろ肝臓
に高く集積されるという報告がしばしば見受けられる。
肝臓は本来異物を代謝する組織であるが、抗癌剤のよう
な毒性の強い薬物はできるだけ移行しない方が望まし
く、微粒子を運搬体とした抗癌剤の薬物送達システムで
は如何にして肝臓に集積させないかは大きな課題であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は癌組織
に制癌剤を到達させ、蓄積させることの可能なリポソー
ム製剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は膜形成成分が水
素添加天然リン脂質、コレステロール、負電荷脂質から
なる平均粒子サイズが100nm以下の制癌剤含有リポソー
ム製剤に係る。
【0008】本発明における水素添加天然リン脂質とは
天然のリン脂質の不飽和脂肪酸を水素で飽和したリン脂
質であり、例えば水素添加卵黄レシチン、水素添加大豆
レシチン等が例示される。これらのリン脂質の水素添加
度はヨウ素価で30以下、好ましくは10以下である。
【0009】本発明における負電荷脂質としてはリン酸
ジセチル、ホスフアチジン酸等が例示される。
【0010】膜形成成分のモル比率としては、水素添加
天然リン脂質、コレステロール、負電荷脂質が5:3〜
5:0.1〜2であるものが好ましい。
【0011】また本発明における制癌剤としては、リポ
ソームの形成を阻害しない限り、特に制限はなく、例え
ばフルオロデオキシウリジン、N4−アシルシトシンア
ラビノシド、シトシンアラビノシド、マイトマイシン
C、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシ
ン、メルフアラン、ナイトロジエンマスタード−N−オ
キシド、チオテパ、メトトレキセート、イホスフアミ
ド、エトポシド、L−アスパラギナーゼ、アンシタビ
ン、ニムスチン、ミトキサントロン、カルボコン、シク
ロホスフアミド、シスプラチン、シゾフイラン、ダカル
バジン、チオイノシン、フルオロウラシル、ラニムスチ
ン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチン、ア
クチノマイシンD、アクラルビシン、エピルビシン、ピ
ラルビシン、クロモマイシンA3、ネオカルチノスタチ
ン、ペプロマイシン、メルカプトプリン、アセグラト
ン、ウベニメクス、プロカルバジン、トシル酸インプロ
スルフアン、ミトブロニトールが例示される。
【0012】本発明の制癌剤含有リポソームは公知の方
法によつて製造される。例えば、(1)制癌剤が脂溶性
物質の場合は、水素添加天然リン脂質、コレステロー
ル、負電荷脂質及び制癌剤をクロロホルム、テトラヒド
ロフラン、エタノール等の適当な有機溶媒に溶解し、得
られた溶液から溶媒を留去して脂質の薄膜を調製する。
得られた薄膜に電解質溶液等の分散媒を添加して激しく
かき混ぜ均一に分散させる。(2)制癌剤が水溶性物質
の場合は、水素添加天然リン脂質、コレステロール及び
負電荷脂質をクロロホルム、テトラヒドロフラン、エタ
ノール等の適当な有機溶媒に溶解し、得られた溶液から
溶媒を留去して脂質の薄膜を調製する。得られた薄膜に
制癌剤を溶解した分散媒を添加して激しくかき混ぜ均一
に分散させる。(1)又は(2)で得られた分散液に加
圧噴霧処理もしくは超音波処理を施し小さなリポソーム
を調製する。所望により得られたリポソームに、微粒子
濾過膜による濾過もしくは超遠心分離を施し、大きなリ
ポソームを除去し、さらに透析、ゲル濾過等により遊離
した薬物を除去して目的のリポソームを得ることができ
る。
【0013】リポソームの平均粒子サイズは100nm以下
であることが好ましく、より好ましくは30〜100nmであ
る。平均粒子サイズを求める方法としては例えばレーザ
ー光散乱法により測定し、重量平均値を採用する方法が
挙げられる。
【0014】本発明のリポソーム製剤には糖、多価アル
コールあるいは電解質等の等張化剤を更に添加すること
ができる。
【0015】又本発明によつて得られたリポソーム製剤
はそのままで注射剤として、或いは所望により、凍結後
脱水し、凍結乾燥製剤として供することができる。
【0016】
【実施例】次に実施例、比較例及び試験例により本発明
を説明するが、本発明はこれによつて限定されるもので
はない。
【0017】実施例1 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、更にこれに脂質マーカーとし
3H−コレステリルヘキサデシルエーテル 5μCiを
加えた。クロロホルムに溶解した後、減圧下クロロホル
ムを除去し、脂質の薄膜を生成させた。これに水相マー
カーとして14C−イヌリン 50μCiを添加した等張リン
酸緩衝液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超
音波処理してSUV(1枚膜小胞)リポソームとした。
超遠心分離法(100,000×g、60分)により混在する大き
いリポソームを除去後、透析によつて遊離のマーカーを
除去して粒子サイズ 41.5±15nmのリポソーム懸濁液を
得た。
【0018】実施例2 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量2mmolになるように
ナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、減
圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させた。
これにシトシンアラビノシド 3.5gを含む等張リン酸緩
衝液(pH7.4)50mlを加えて撹拌振盪し、1時間超音波
処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法(100,
000×g、60分)により混在する大きいリポソームを除去
後、透析によつて遊離のシトシンアラビノシドを除去し
て粒子サイズ 51.1±7nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0019】実施例3 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これにフルオロデオキシウリジン 2gを含む等張リ
ン酸緩衝液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間
超音波処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法
(100,000×g、60分)により混在する大きいリポソーム
を除去後、透析によつて遊離のフルオロデオキシウリジ
ンを除去して粒子サイズ 44.5±23nmのリポソーム懸濁
液を得た。
【0020】実施例4 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これにブレオマイシン 150mgを含む等張リン酸緩衝
液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超音波処
理してSUVリポソームとした。超遠心分離法(100,00
0×g、60分)により混在する大きいリポソームを除去
後、透析によつて遊離のブレオマイシンを除去して粒子
サイズ 52.2±6nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0021】実施例5 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これにダウノルビシン 25mgを含むクエン酸添加生
理食塩液(pH4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超
音波処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法
(100,000×g、60分)により混在する大きいリポソーム
を除去した。水酸化ナトリウム溶液を添加してpH8に
調整後、透析によつて遊離のダウノルビシンを除去して
粒子サイズ 84.4±14nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0022】実施例6 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これにマイトマイシンC 10mgを含む等張リン酸緩
衝液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超音波
処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法(100,
000×g、60分)により混在する大きいリポソームを除去
して粒子サイズ 51.3±7nmのリポソーム懸濁液を得
た。
【0023】実施例7 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これにメルフアラン 25mgを含む等張リン酸緩衝液
(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超音波処理
してSUVリポソームとした。超遠心分離法(100,000
×g、60分)により混在する大きいリポソームを除去し
て粒子サイズ 51.9±6nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0024】実施例8 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:5:0.5、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、更にエノシタビン(N4−ベ
ヘノイルシトシンアラビノシド) 1.3mgを加えた。テト
ラヒドロフランに溶解した後、減圧下テトラヒドロフラ
ンを除去し、脂質の薄膜を生成させた。これに等張リン
酸緩衝液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間超
音波処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法
(100,000×g、60分)により混在する大きいリポソーム
を除去して粒子サイズ 51.2±21nmのリポソーム懸濁液
を得た。
【0025】実施例9 水素添加大豆レシチン、コレステロール、ホスフアチジ
ン酸をモル比で5:3:2、全脂質量0.2mmolになるよ
うにナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した
後、減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成さ
せた。これにドキソルビシン 25mgを含むクエン酸添加
生理食塩液(pH4)5mlを加えて撹拌振盪し、1時間
超音波処理してSUVリポソームとした。超遠心分離法
(100,000×g、60分)により混在する大きいリポソーム
を除去した。水酸化ナトリウム溶液にてpH8に調整
後、透析によつて遊離のドキソルビシンを除去して平均
粒子サイズ 68.7±15nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0026】比較例1 卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチルをモル
比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるようにナス型
フラスコにとり、以下実施例1と同様に操作して粒子サ
イズ51.5±7nmのリポソーム懸濁液を得た。
【0027】比較例2 水素添加卵黄レシチン、コレステロール、リン酸ジセチ
ルをモル比で5:4:1、全脂質量0.2mmolになるよう
にナス型フラスコにとり、クロロホルムに溶解した後、
減圧下クロロホルムを除去し、脂質の薄膜を生成させ
た。これに3H−イヌリン 50μCiを添加した等張リン
酸緩衝液(pH7.4)5mlを加えて撹拌振盪した。ポアサ
イズ 400nmのポリカーボネート膜にて加圧濾過後、透析
によつて遊離のマーカーを除去してMLV(多重層)リ
ポソーム懸濁液を得た。
【0028】試験例1 ドンリユウ系雄性ラツトの脇下皮下に吉田肉腫(5×10
6細胞/ラツト)を移植した。4日経過後、実施例1及
び比較例1及び2で得られたリポソームの懸濁液を脂質
20μmol/200g相当量、ラツト尾静脈より投与した。24
時間後に屠殺し、肝臓、癌及び腹部の筋肉を摘出した。
各臓器をアルカリ溶解脱色後液体シンチレーシヨンカウ
ンターにて放射活性を測定した。
【0029】この結果を表1に示した。実施例1の結果
を、比較例1すなわち膜形成成分に通常の卵黄レシチン
を用いた結果と比較すると、腫瘍中濃度は4〜5倍の値
であり、これに対して肝臓中濃度は2〜3分の1に減少
している。脂質、水相いずれのマーカーも同じ傾向にあ
ることより、本発明のリポソームは肝臓への集積性が減
少して腫瘍組織に集積する性質を有することが指摘され
る。その結果、筋肉中濃度の10倍以上、肝臓中濃度と比
較しても同等もしくはそれ以上の腫瘍組織中濃度を示し
ていると考えられる。また比較例2、すなわち水素添加
卵黄レシチンを用いているが平均粒子サイズが約400nm
であるリポソームでは低い腫瘍組織中濃度であつた。
【0030】
【表1】
【0031】試験例2 ウイスター系雄性ラツトの脇下皮下に Walker 256 癌腫
(5×106細胞/ラツト)を移植した。4日経過後、実
施例1及び比較例1で得られたリポソームの懸濁液を脂
質20μmol/200g相当量、ラツト尾静脈より投与した。
以下試験例1と同様に試験した。
【0032】結果を表2に示す。癌の種類を代えた本試
験結果でも、本発明のリポソーム製剤は筋肉の10倍以上
高く、肝臓よりも高い、癌組織中濃度を示した。
【0033】
【表2】
【0034】試験例3 ドンリユウ系雄性ラツトの脇下皮下に吉田肉腫(5×10
6細胞/ラツト)を移植した。5日経過後、実施例5で
得られたリポソームの懸濁液をダウノルビシン2.16mg/
kg相当量、ラツト尾静脈より投与した。また同様に癌を
移植した別の群のラツトにリポソーム投与群と同量のダ
ウノルビシンの溶液を投与し、対照群とした。癌移植12
日後にラツトを屠殺し、腫瘍重量を測定した。下記式に
よりT/Cを求めた。結果を表3に示す。 T/C(%)=(試験群の平均腫瘍重量/生理食塩液投与
群の平均腫瘍重量)×100
【0035】
【表3】
【0036】試験例4 ドンリユウ系雄性ラツトの脇下皮下に吉田肉腫(5×10
6細胞/ラツト)を移植した。5日経過後、実施例3で
得られたリポソームの懸濁液をフルオロデオキシウリジ
ン 62mg/kg相当量、ラツト尾静脈より投与した。癌移
植10日後まで同量の投与を連日行つた。また同様に癌を
移植した別の群のラツトにリポソーム投与群と同量のフ
ルオロデオキシウリジンの溶液を投与し、対照群とし
た。癌移植12日後にラツトを屠殺し、腫瘍重量を測定し
た。上記と同様にしてT/Cを求めた。また、その間の
体重変化も測定した。結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】試験例3では、本発明のリポソームで癌は
ほぼ完全に縮退したが、対照群では著しい腫瘍縮退効果
は認められておらず、制癌剤を本発明のリポソームに封
入することの有用性が示された。また、試験例4では本
発明のリポソーム投与群、対照群共に癌はほぼ完全に縮
退しているが、このフルオロデオキシウリジン投与量に
おいては対照群で著しい体重減少が認められた。これに
対して、本発明のリポソーム投与群では体重減少は認め
られず、フルオロデオキシウリジンを本発明のリポソー
ムに封入し癌にターゲテイングすることにより、明らか
な全身性副作用の軽減が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明によつて腫瘍組織指向性を有する
リポソーム製剤が提供される。本発明のリポソームは腫
瘍組織への高い分布を示す一方で肝臓への分布は腫瘍と
同等かそれ以下である。癌へのターゲテイングを目的と
したこれまでの多くのリポソーム研究の中でも特表平1
−502590号に開示された方法はガングリオシドGM1
の非常に高価な脂質を用いて、これまでの報告の中では
高いターゲテイング効果を示し、世界的に注目されてい
る方法であるが、この方法でも癌組織中薬物濃度は肝臓
中薬物濃度の6分の1である。これに対し本発明では水
素添加天然リン脂質という最も安価な脂質を用いてはる
かに優れた結果が得られたことは驚くべき事実である。
また、実際に本発明のリポソームに制癌剤を封入して行
つた効力試験でもターゲテイング効果が明らかに現れて
おり、本発明の有用性は極めて大きいと言える。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜形成成分が水素添加天然リン脂質、コ
    レステロール、負電荷脂質からなる平均粒子サイズが10
    0nm以下の制癌剤含有リポソーム製剤。
  2. 【請求項2】 水素添加天然リン脂質、コレステロー
    ル、負電荷脂質のモル比率が5:3〜5:0.1〜2であ
    る請求項1のリポソーム製剤。
JP24709691A 1991-08-30 1991-08-30 制癌剤含有リポソーム製剤 Pending JPH0558879A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995015154A1 (en) * 1993-12-03 1995-06-08 Kappa Pharmaceuticals Limited A medicament for the treatment of metastases
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CN1062733C (zh) * 1994-07-30 2001-03-07 大连市医药科学研究所 脂质体制备工艺及制剂
US6818227B1 (en) 1999-02-08 2004-11-16 Alza Corporation Liposome composition and method for administration of a radiosensitizer

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