JPH0558438B2 - - Google Patents

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JPH0558438B2
JPH0558438B2 JP60053432A JP5343285A JPH0558438B2 JP H0558438 B2 JPH0558438 B2 JP H0558438B2 JP 60053432 A JP60053432 A JP 60053432A JP 5343285 A JP5343285 A JP 5343285A JP H0558438 B2 JPH0558438 B2 JP H0558438B2
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Japan
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ribose
solution
arabinose
boric acid
water
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JP60053432A
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JPS61212592A (ja
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Hiroshi Hagiri
Takashi Tobe
Masahiko Hatsutori
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Tokyo Tanabe Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tanabe Co Ltd
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Publication of JPH0558438B2 publication Critical patent/JPH0558438B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明はD−リボースの製造方法に関する。さ
らに詳しくは、D−アラビノースをモリブデン酸
化合物及びホウ酸化合物の存在下でエピメリ化反
応を行ないD−リボースを高収率で製造する方法
に関する。
従来の技術 従来、D−リボースを生産する方法としては、
天然物から抽出する方法、微生物による醗酵法、
化学合成法などが知られている。
化学合成法としてはD−グルコースを酸素で酸
化してD−アラボン酸とし、これをアルカリ条件
下でD−リボン酸としたのちD−リボノラクトン
とし、次いでナトリウムアマルガムで還元してD
−リボースを得る方法が通常工業的に行なわれて
きた。一方、アラビノースを水溶液中でモリブデ
ン酸化合物を触媒としてエピメリ化してリボース
を得る方法がいくつか知られている。たとえば、
チエコスロバキア特許第149472号(ケミカルアブ
ストラクツvol.18、178189K、1974)にはL−ア
ラビノースから約33%のエピメリ化率でL−リボ
ースを、特開昭55−164699号にはD−アラビノー
スから約25%のエピメリ化率でD−リボースを得
る方法が記載されている。さらに、反応水溶液中
のモリブデン酸の分離を簡単にするためモリブデ
ン酸化合物の代りにモリブデン酸を担持したイオ
ン交換樹脂又はイオン交換繊維を用いた方法が特
開昭55−76894号、同57−54197号、同57−54198
号に開示されており、D−アラビノースからD−
リボースへのエピメリ化率はそれぞれ30.6%、約
25〜30%、25.1%である。
2価又は3価の金属型陽イオン交換体を用いた
糖液の分離方法がいくつか知られており、たとえ
ば特公昭59−25600号には異性化糖水溶液をカル
シウム型、ストロンチウム型、バリウム型等の強
酸性陽イオン交換樹脂へ導入して果糖水溶液とぶ
どう糖水溶液とに分離する方法が、特開昭57−
54197号及び同57−54198号にはD−アラビノース
をモリブデン酸イオンの存在下でエピメリ化した
反応液、即ち、D−リボース(25.1〜28.0%)、
D−アラビノース(66.4〜72.2%)、D−キシロ
ースとD−リクソース(0.6〜1.8%)を含有する
水溶液をカルシウム型、バリウム型、ストロンチ
ウム型、アルミニウム型等の陽イオン交換樹脂カ
ラムに通液してD−リボースを分離する方法が、
また、特開昭55−164699号にはD−アラビノース
をモリブデン酸触媒下でエピメリ化した反応液か
ら大部分(70%)の未反応のD−アラビノース及
び無機物を除去した母液、即ちD−リボース(約
70%)、D−アラビノース(10%)、D−キシロー
スとD−リクソース(10%)及び他の糖類副生成
物(10%)を含有する水性アルコール溶液をカル
シウムイオン又はバリウムイオンを負荷した陽イ
オン交換体上でクロマトグラフイ処理してD−リ
ボースを得る方法などが開示されている。その
他、ホウ酸塩型にした強塩基性陰イオン交換樹脂
を用いてリボースとアラビノースを分離する方法
〔J.Am.Chem.Soc,73,2399(1951);同74,2090
(1952)〕も知られている。ホウ酸又はホウ酸塩含
有糖液を分離する方法としては亜硫酸水素型又は
亜硫酸型陰イオン交換体を用いる方法(特公昭52
−9740号)が知られている。
発明が解決しようとする問題点 D−アラビノース水溶液をモリブデン酸化合物
の触媒下でエピメリ化してD−リボースを得る従
来の方法では、エピメル化率はせいぜい20〜30%
であり工業的に実施するには不十分であり、より
高収率のエピメリ化が望まれている。
〔発明の構成〕
問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、D−アラビノースを水、有機溶
媒又は含水有機溶媒中モリブデン酸化合物の存在
下に、さらにホウ酸化合物を加えて加熱すること
により約70〜94%、特に有機溶媒を使用すると約
90〜94%という驚異的なエピメリ化率でD−リボ
ースが生成し、さらに、高い含量のD−リボー
ス、少量の未反応D−アラビノース、微量の副生
成物のD−キシロースとD−リクソース、モリブ
デン酸化合物及びホウ酸化合物を含有する反応液
を金属型陽イオン交換体を充填したカラムへ通液
することにより純粋なD−リボースが高収率で得
られることを見い出し本発明を完成した。本発明
方法はD−アラビノースから高収率でD−リボー
スを得ることができるので工業的に非常に有利な
方法である。
次に、本発明の方法を具体的に説明する。
D−アラビノースをD−アラビノースに対して
0.5〜3.0倍量(w/v)の水、有機溶媒又は含水
有機溶媒へ加え、得られた溶液又は懸濁液中へモ
リブデン酸イオンとしてD−アラビノースに対し
1〜10%(w/w)のモリブデン酸化合物を加
え、さらにD−アラビノースに対して0.5〜5.0倍
モル、好ましくは1.5〜3倍モルのホウ酸化合物
を加え30〜120℃、好ましくは50〜100℃の反応温
度で、30〜60分間撹拌する。
使用する溶媒としては水のほかメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコ
ール、イソアミルアルコール、sec−アミルアル
コール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコ
ール、2−エチル−ヘキサノール、シクロヘキサ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル(カルビ
トール)、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル(メチルカルビトール)などのアルコール
類、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケ
トン、ジオキサン、ピリジン、α−ピコリン、
2,6−ルチジン、アセトニトリル、N,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチル
アセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)などの有機溶媒又はそれらの含水溶媒
である。
使用するモリブデン酸化合物としては、モリブ
デン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン
酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデ
ン酸カルシウム、アセチルアセトンモリブデン酸
塩などが挙げられ、特にモリブデンの価の化合
物が好ましい。また、モリブデン酸を担持したイ
オン交換樹脂又はイオン交換繊維を用いてもよ
い。
使用するホウ酸化合物としては、ホウ酸、酸化
ホウ素、ホウ酸メチル、ホウ酸エチル、ホウ酸ア
ンモニウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、フエニルホウ酸などが挙げられる。ホウ酸エ
ステル又はホウ酸塩を用いる場合、有機酸又は無
機酸によつて反応液のPHを1〜5、好ましくは3
〜3.5に調整する。また、反応溶媒として無水有
機溶媒を用いる場合、特にホウ酸が好適である。
こうして得られた反応液を冷却するとホウ酸化
合物の一部が析出するので、これを除去すること
により後処理の負担を軽減することができる。回
収されたホウ酸化合物は再度反応に使用できる。
また、ホウ酸化合物は必要に応じて低級アルコー
ルによる共沸除去法又は弱塩基性陰イオン交換樹
脂による処理などの公知の方法で除去することも
できる。しかし、本発明方法においては、反応液
を冷却して析出した一部分量を除去しただけで次
の精製処理に使用できるもので簡便である点も特
徴の一つである。
このD−リボースを含有する反応溶液をリボフ
ラビンの合成原料として使用する場合、溶液中の
D−リボースの含有率が高いため、D−リボース
を単離せず、陰イオン交換樹脂で触媒類を除去し
た溶液を4−ニトロ−o−キシレン又は3,4−
キシリジンの存在下接触還元し、生成した混合物
を結晶化してI−D−リビチル−3,4−キシリ
ジンを得、これをジアゾニウム塩溶液とカツプリ
ング反応し、次いでバルビツール酸と縮合すれば
よい。
前記の反応溶液中にはD−リボースのほか未反
応D−アラビノース、副生成物のD−キシロース
とD−リクソース、モリブデン酸化合物、ホウ酸
化合物を含有し、その他使用した原料にもとずく
イオン、副生成物が含まれることもある。
この反応溶液を2価又は3価の金属型陽イオン
交換体を充填したカラム中へ通液し、水で溶離す
る。溶離する順序はモリブデン酸化合物、ホウ酸
化合物、D−キシロースとD−リクソース、D−
アラビノース、D−リボースの順であり、その溶
離分布図を実施例1に基ずいて第1図に例示し
た。また、陰イオン交換樹脂でモリブデン酸化合
物を除去したあとの反応溶液の溶離分布図を実施
例3に基ずいて第2図に例示した。
2価又は3価の金属型陽イオン交換体としては
ポリスチロールスルホン酸型強酸性イオン交換樹
脂をカルシウム型、バリウム型、ストロンチウム
型又はアルミニウム型と成したものが好適に使用
できる。
D−アラビノースの分画液にはホウ酸化合物及
びモリブデン酸化合物が含まれるため、その溶液
を一定濃度に濃縮し、加熱すれば再びエピメリ化
反応が可能のためD−リボースの収率がさらに向
上する。また、モリブデン酸化合物の分画液はほ
とんど不純物を含まないので再度反応に使用でき
るのも本方法の特徴である。
最も遅れて溶出するD−リボース分画液を集め
減圧濃縮するとD−リボースのシロツプ上残渣が
回収率95%以上で得られる。この残渣をメタノー
ル又はエタノールにて結晶化することにより純度
99.5%以上のD−リボースの結晶を得ることがで
きる。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。
実施例中、反応溶液中の糖分の組成及び結晶D
−リボースの純度は糖分をホウ素化水素ナトリウ
ムで還元し対応する糖アルコールとし、次いで無
水トリフルオロ酢酸でアセチル化し、これをガス
クロマトグラフイーにより測定した。また、モリ
ブデン酸化合物及びホウ酸化合物の定量分析は前
者をキレート滴定法により、後者を中和滴定法に
よつて測定した。
なお、実施例中、使用したイオン交換樹脂ダイ
ヤイオンMK−31S,SK−1B,WA−30はすべて
三菱化成工業(株)製の商品名である。
実施例 1 D−アラビノース25gをエタノール50mlに加
え、さらにモリブデン酸アンモニウム1.75g及び
ホウ酸25.8gを加えて反応温度88℃(反応容器内
の温度はエタノールの沸点より高くなる。)で45
分間撹拌下加熱した。反応終了後、溶媒を減圧留
去し、残渣に水50mlを加えて撹拌し、10℃に冷却
して析出したホウ酸を別した。結晶を冷水で洗
浄し、乾燥してホウ酸20.5gを回収した。液と
洗液を合すると110mlであつた。
この溶液中の糖分の組成は次の通りであつた。
D−リボース 90.5% D−アラビノース 7.7% D−キシロースとD−リクソース他 1.8% この溶液をカルシウム型に交換した強酸性溶イ
オン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 510mlを充
填したカラムに通液し、水で溶出し、溶出液をフ
ラクシヨンコレクターによつて10mlずつ分画し
た。その流速は68ml/時であつた。
溶出順序はモリブデン、ホウ酸、D−キシロー
スとD−シクソース、D−アラビノース、D−リ
ボースであつた(第1図参照)。溶出液は全量
1030mlであり、そのうちD−リボース分画として
フラクシヨンNo.43〜103の610ml、D−アラビノー
ス・ホウ酸分画としてフラクシヨンNo.25〜42の
180ml、モリブデン分画としてフラクシヨンNo.11
〜24の140mlをそれぞれ分取した。D−リボース
分画液を合し、溶媒を減圧乾固してシロツプ残渣
23.1gを得た。この残渣にエタノール40mlを加え
た冷蔵庫に一晩放置すると結晶が析出したので
取し、乾燥してD−リボースの結晶20.4g(81.6
%)を得た。融点86℃。〔α〕24 D−18.4°(C=1.0、
水)。純度99.7%。
さらに、D−アラビノース・ホウ酸分画液を減
圧濃縮してシロツプ状としたのちエタノール5ml
を加え90℃で40分間撹拌下加熱した。反応後、水
10mlを加えて6℃に冷却し、析出したホウ酸を
別、洗浄した。液と洗浄液を合した溶液を上記
と同様の方法に準じてクロマト分離、結晶化等を
行なつてD−リボースの結晶1.38g(5.5%)を
得た。融点86.0℃。純度99.8%。合計の収率は
87.1%であつた。
また、モリブデン分画及びアラビノース・ホウ
酸分画中のモリブデンとホウ酸の量はモリブデン
として0.9g、ホウ酸として5.1g含まれており定
量的に回収できた。
実施例 2 D−アラビノース20gをメタノール40mlに加
え、さらにモリブデン酸アンモニウム1.5g及び
ホウ酸20.6gをオートクレープに入れ、88℃40分
間撹拌下加熱した。反応終了後、オートクレーブ
から反応液を取出し、溶媒を減圧留去し、残渣に
水50mlを加えて撹拌し、冷蔵庫中に一晩放置し
た。析出したホウ酸別し、冷水35mlで洗浄し、
乾燥してホウ酸16gを回収した。液と洗液を合
すると92mlであり、この溶液中の糖分の組成は次
の通りであつた。
D−リボース 87.8% D−アラビノース 10.4% D−キシロースとD−リクソース他 1.7% この溶液にメタノール35mlを加えカルシウム型
に変換した強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオン
MK−31S 510mlを充填したカラムに通液し、水
に用いて75ml/時の流速で溶出した。溶出液を15
mlずつ分画し、全量990mlを得た。そのうちD−
リボース分画450ml、D−アラビノース・ホウ酸
分画210ml、モリブデン分画240mlであつた。
D−リボース分画液を合し、溶媒を減圧乾固し
て得られたシロツプ残渣17.2gへエタノール20ml
を加えて冷蔵庫に一晩放置し、析出した結晶を
取し、乾燥してD−リボースの結晶15.1g(75.5
%)を得た。融点86.5℃。純度99.5%。
次に、アラビノース・ホウ酸分画液を合し、減
圧濃縮し、イソプロパノール5mlを加えて反応温
度88℃で撹拌下60分間反応した。反応終了後、溶
楳を減圧留去し、水30mlを加え4℃に冷却し、析
出したホウ酸を別、洗浄した。液と洗液の合
計は40mlであり、この溶液中の糖分の組成は次の
通りであつた。
D−リボース 73.2% D−アラビノース 15.3% D−キシロースとD−リクソース他 11.4% この溶液を上記と同様の方法に準じてクロマト
分離、結晶化等を行なつてD−リボースの結晶
1.34g(6.7%)を得た。融点86.2℃。純度99.8
%。
合計の収率は82.2%であつた。
実施例 3 D−アラビノース25gをジオキサン45mlに加
え、さらにモリブデン酸アンモニウム1.8g及び
ホウ酸30gを加え、90℃で40分間撹拌下加熱し
た。次いで、実施例1と同様の操作によつてホウ
酸23.8gを回収し、液量78mlの水溶液を得た。こ
の溶液中の糖分の組成は次の通りであつた。
D−リボース 94.2% D−アラビノース 4.9% D−キシロースとD−リクソース他 0.9% この溶液を遊離型に調整したスチレン系弱塩基
性陰イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−30を20ml
用いてモリブデン酸を除去した。この処理液を80
mlまで減圧濃縮し、カルシウム型に交換した強酸
性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 510
mlを充填したカラムに通液し、水で連続的に溶出
して12mlずつ分画した(第2図参照)。流速は98
ml/時であつた。溶出液の全量は960mlであり、
そのうちD−リボース分画としてフラクシヨンNo.
31〜80の600ml、D−アラビノース・ホウ酸分画
としてフラクシヨンNo.14〜30の204mlを分取した。
D−リボース分画液中の糖分の組成はD−リボ
ース99.2%、D−アラビノース他0.8であつた。
この溶液を減圧乾固し、エタノール35mlを加え
て冷蔵庫へ一晩放置し、析出した結晶を取し、
乾燥してD−リボースの結晶20.8g(83.2%)を
得た。融点86.4℃。純度100%。
実施例 4 D−アラビノース10gを5%含水イソプロパノ
ール25mlに加え、さらにモリブデン酸アンモニウ
ム0.8g及びホウ酸12.6gを加え、90℃で50分間
撹拌下加熱した。次いで、実施例1と同様の操作
によつてホウ酸9.5gを回収し、液量45mlの水溶
液を得た。この溶液中の糖分の組成は次の通りで
あつた。
D−リボース 89.5% D−アラビノース 8.2% D−キシロースとD−リクソース他 2.2% この溶液をカルシウム型に交換した強酸性陽イ
オン交換樹脂SK−1B 1000mlを充填したカラム
に通液し、流速200ml/時で水によつて溶出した。
溶出液を15mlずつ分画し、モリブデン分画450ml、
D−アラビノース・ホウ酸分画390ml、D−リボ
ース分画900mlを分取した。
D−リボース分画液中の糖分の組成はD−リボ
ース98.7%、D−アラビノース0.8%、その他0.5
%であつた。
この溶液を減圧乾固し、エタノール15mlで結晶
化したD−リボースの結晶7.6g(76%)を得た。
融点86℃。純度99.8%。
実施例 5 D−アラビノース20gを水15mlに加え、さらに
モリブデン酸ナトリウム2.1g及びホウ酸メチル
28gを加え酢酸でPH3.2に調整し、93℃で50分間
撹拌下加熱した。反応終了後、反応液に水20mlを
加え、10℃に冷却した。析出したホウ酸を別
し、水洗してホウ酸13.2gを回収した。液と洗
液を合わせた溶液60ml中の糖分の組成は次の通り
であつた。
D−リボース 69.8% D−アラビノース 27.8% D−キシロースとD−リクソース他 2.4% この溶液をバリウム型に交換した強酸性陽イオ
ン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 500mlを充填
したカラムに通液し、カラム内の温度を40℃に保
持しながら、水で溶出した。流速は70ml/時であ
つた。溶出液をモリブデン分画240ml、D−アラ
ビノース・ホウ酸分画190ml、D−リボース分画
450mlの順に分取した。
D−リボース分画液の糖分の組成はD−リボー
ス98.2%、D−アラビノース1.2%、その他0.5%
であつた。
その溶液を減圧乾固してシロツプ残渣13.7gを
得、これにエタノール15mlを加えて結晶化し、
取し、乾燥してD−リボースの結晶11.4g(57
%)を得た。融点86.2℃。純度99.5%。
実施例 6 D−アラビノース60gをジオキサン110mlに加
え、さらにモリブデン酸アンモニウム4.8g及び
ホウ酸61.8gを加え、88℃で45分間反応した。次
いで、実施例1と同様の操作によつてホウ酸48.2
gを回収し流量210mlの水溶液を得た。この溶液
中の糖分の組成は次の通りであつた。
D−リボース 93.4% D−アラビノース 5.8% D−キシロースとD−リクソース他 0.7% この溶液をカルシウム型に交換した強酸性陽イ
オン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 1500mlを充
填したカラムに通液し、水を用いて流速285ml/
時で溶出した。分取したD−リボース分画液1080
mlを減圧乾固してシロツプ残渣56.6gを得た。こ
れをエタノール80mlにて結晶化してD−リボース
の結晶51.6g(86%)を得た。
一方、D−アラビノース・ホウ酸分画液480ml
中の糖分の組成はD−アラビノース85.4%、D−
キシロースとD−リクソース他11.4%、D−シボ
ース3.2%であり、さらにホウ酸10.2gを含有し
ていた。また、モリブデン分画液555ml中にはモ
リブデン2.4g及びホウ酸3.2gを含有していた。
D−アラビノース・ホウ酸分画液を減圧濃縮し
てシロツプ状とし、これにモリブデン酸アンモニ
ウム0.1g及びジオキサン5mlを加え、88℃で45
分間加熱撹拌した。反応終了後、水50mlを加え、
10℃に冷却し、析出物を別した液中の糖分の
組成はD−リボース78.7%、D−アラビノース
11.5%、D−キシロースとD−リクソース他10.8
%であつた。
この溶液を上記と同様の方法によつて、クロマ
ト分離、結晶化を行なつてD−リボースの結晶
1.6g(2.6%)を得た。融点86.4%。純度100%。
合計の収率は88.6%であつた。
実施例 7 D−アラビノース15gを5%含水エチレングリ
コール40mlに加え、さらにホウ酸メチル31gを加
えたのち希硫酸でPHを3.3に調整した。そこにモ
リブデン酸アンモニウム1.2gを加え90℃で40分
間撹拌した。反応終了後、反応液を10℃まで冷却
し、析出物を別し、結晶を25mlの冷水で洗浄し
た。液を減圧濃縮して溶媒を留去したあと水50
mlを加えた。この水溶液中の糖分の組成は次の通
りであつた。
D−リボース 90.2% D−アラビノース 7.3% D−キシロースとD−リクソース他 2.5% この溶液をストロンチウム型に交換した強酸性
陽イオン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 500ml
を充填したカラムに通液し、水で溶出し、溶出液
を10mlずつ分画した。D−リボースの分画液を集
めて減圧乾固し、得られたシロツプ残渣をエタノ
ール20mlで結晶化し、取し、乾燥してD−リボ
ースの結晶11.8g(78.7%)を得た。融点85.8℃。
純度99.7%。
実施例 8 D−アラビノース15gを水20mlに加え、さらに
ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7・10H2O)57.2g及
びモリブデン酸(80%)1.5gを加え、得られた
水溶液を希硫酸でPH3.2に調整し、92℃で40分間
加熱撹拌した。反応終了後、反応液を8℃まで冷
却し、析出したホウ酸、硫酸ナトリウムを別
し、その液を強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイ
オンSK−1Bで処理して脱塩した。処理液を60ml
まで減圧濃縮したのち糖分の組成を測定すると次
の通りであつた。
D−リボース 68.5% D−アラビノース 29.1% D−キシロースとD−リクソース他 2.4% この溶液をアルミニウム型に交換した強酸性陽
イオン交換樹脂ダイヤイオンMK−31S 500mlを
充填したカラムに通液し、流速88ml/時をもつて
水で溶出し、溶出液を10mlずつ分画した。D−リ
ボース分画液を合し減圧乾固し、エタノールから
結晶化を行なつてD−リボースの結晶9.1g
(60.6%)を得た。融点86℃。純度99.5%。
D−リボース含有溶液をリボフラビンの合成に
使用する場合には次の通りに行なう。
参考例 D−アラビノース16.0gをジオキサン30mlに加
え、モリブデン酸アンモニウム1.15g及びホウ酸
18.5gを加え、88℃で45分間加熱撹拌した。前記
実施例と同様の操作でホウ酸を別したあとの溶
液中の糖分の組成は次の通りであつた。
D−リボース 92.5% D−アラビノース 6.4% D−キシロースとD−リクソース他 1.1% この溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂ダイヤイ
オンWA−30を12ml用いて処理しモリブデン酸を
除去した。この溶液を糖濃度が約50%になるまで
濃縮して500mlのオートクレーブ中へ入れ、さら
にメタノール230ml、3,4−キシリジン12.6g、
酢酸0.3ml、酢酸ナトリウム0.4g、ラネーニツケ
ル9.0g(含水)を加え水素を充填し、60℃で80
分間撹拌した。反応終了後、反応液からラネーニ
ツケルを別し、液を約200mlまで濃縮し、冷
却すると結晶が析出した。この結晶を取し、50
%メタノールで再結晶して1−D−リビチル−
3,4−キシリジンの結晶24.4g(89.7%)を得
た。融点145℃。〔α〕20 D−21.8°(C=0.4、メタノ
ール) こうして得られた1−D−リビチル−3,4−
キシリジンを常法に従つてジアゾニウム塩溶液と
カツプリング反応し、次いでバルビツール酸と縮
合すればリボフラビンが得られる。
〔発明の効果〕
従来のD−アラビノースのエピメリ化反応は水
の溶媒のもと、モリブデン酸化合物を触媒として
行ない、D−リボースへのエピメリ化率は20〜30
%程度であつた。
本発明方法は、従来の方法にホウ酸化合物を添
加し、さらに溶媒として水のほか有機溶媒又は含
水有機溶媒を使用することによりエピメリ化率を
約70〜94%にまで向上することができた。特に、
溶媒として有機溶媒を使用すると約90〜94%とい
う驚異的なエピメリ化率を示した。
つづいて、この反応液をカルシウム型、バリウ
ム型、ストロンチウム型又はアルミニウム型に交
換した強酸性陽イオン交換樹脂を用いてカラムク
ロマトグラフイーを一回行なうことにより95%以
上の回収率で、99.5%以上の高純度のD−リボー
スを得ることができる。さらに、クロマト分離に
よつて回収された未反応D−アラビノース、モリ
ブデン及びホウ酸は再使用することができるとい
う利点もある。
従つて、本発明方法は極めて高収率D−リボー
スを製造することができるので工業的に非常に有
益な方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施例1の溶離分布図、
第2図は実施例3の溶離分布図である。 ○

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水、有機溶媒又は含水有機溶媒中へD−アラ
    ビノース及びモリブデン酸化合物を加え、さらに
    ホウ酸化合物を添加して加熱下でエピメリ化反応
    を行ない、次いで反応液を2価又は3価の金属型
    陽イオン交換体のカラムに通液してD−リボース
    を分離することを特徴とするD−リボースの製造
    方法。 2 金属型陽イオン交換体の金属がカルシウム、
    バリウム、ストロンチウム又はアルミニウムであ
    る特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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