JPH0558131A - 車両のサスペンシヨン装置 - Google Patents

車両のサスペンシヨン装置

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JPH0558131A
JPH0558131A JP3222560A JP22256091A JPH0558131A JP H0558131 A JPH0558131 A JP H0558131A JP 3222560 A JP3222560 A JP 3222560A JP 22256091 A JP22256091 A JP 22256091A JP H0558131 A JPH0558131 A JP H0558131A
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伸 竹原
Toshiki Morita
俊樹 森田
Akira Nakayama
中山  晃
Kenji Hamada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダ・ガスばね系に対して作動流体を給
排することによりサスペンション特性を変え得るように
構成された車両のサスペンション装置において、フェイ
ルセーフ時やイグニッションスイッチOFF状態からの
車両姿勢の急変を防止し、フェイルセーフ時の操縦安定
性を向上させる。 【構成】 シリンダ4と該シリンダ4に連通される複数
個のガスばね14とからなるシリンダ・ガスばね系のうち
上流側ガスばね14a を除いた残りのシリンダ・ガスばね
系部分への作動流体の給排を遮断する開閉弁55とを設け
る。開閉弁55を閉じれば、シリンダ・ガスばね系Aは、
シリンダ4と連通するガスばね14の数が減少する形で維
持されるため、そのサスペンション特性が硬めとなり、
車両姿勢の急変の防止や、操縦安定性の向上を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体と車輪との間に架
設されたシリンダとガスばねとからなるシリンダ・ガス
ばね系に対して作動流体を給排することによりサスペン
ション特性を変え得るように構成された車両のサスペン
ション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のサスペション装置は、一般に機械
的ばねとショックアブソーバとの組合せからなっている
が、例えば特開昭63-130418 号公報に開示されているよ
うに、車体と車輪との間に架設したシリンダとガスばね
とからなるシリンダ・ガスばね系に対する作動流体の供
給、排出を制御することにより、車高や硬軟等のサスペ
ンション特性を自在に変更できるように構成された、い
わゆるアクティブサスペンション装置の提案もなされて
いる。
【0003】このようなアクティブサスペンション装置
における上記シリンダ・ガスばね系に対する作動流体の
給排制御は、一般に、エンジンにより駆動されるオイル
ポンプがリザーバタンクから汲み上げて供給する上記作
動流体の供給圧力を所定範囲内で維持した状態で行なわ
れるようになっており、上記作動流体の給排路等に何ら
かの異常が発見された時には、上記したシリンダ・ガス
ばね系に対する作動流体の給排を遮断することにより、
サスペンション装置をいわゆるパッシブ状態にして、フ
ェイルセーフを図るようになっている。また、イグニッ
ションスイッチをOFFにした状態においても、上記シ
リンダ・ガスばね系に対する作動流体の給排を遮断する
ことにより、上記シリンダ・ガスばね系内の作動流体が
減少するのを防止して、車高が下がることを防止するよ
うにしたものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、上
記アクティブサスペンション装置では、急な加速、減
速、旋回等による車両姿勢の急変の抑制等は、上記シリ
ンダ・ガスばね系に対する作動流体の給排を制御するこ
とによりアクティブに制御することができるが、路面か
らの小突など比較的高周波の振動に対してはアクティブ
に制御することは困難である。そのため、ガスばねの特
性を軟らかに設定することで、この高周波の振動を吸収
して乗心地を良くするようにしている。
【0005】したがって、上記の様にフェイルセーフ時
に、シリンダ・ガスばね系に対する作動流体の給排が遮
断されると、その時のサスペンション特性が軟らかな状
態にある場合には、ロール等の車両姿勢の変化を抑える
ことが困難となり、操縦安定性が悪くなるなどの不都合
がある。また、同じくサスペンション特性が軟らかな状
態で、イグニッションスイッチをOFF状態にしてシリ
ンダ・ガスばね系に対する作動流体の給排が遮断される
と、この状態で乗員数や荷物などの積載荷重が大きくな
ると車高が下がり、またイグニッションスイッチをオン
にすると急に車高が高くなることが考えられる。また、
このような不都合を解決するためにあらかじめガスばね
の特性を硬めに設定することは、通常のアクティブ制御
時の乗心地を悪くしてしまうので好ましいことではな
い。
【0006】本発明は、上記課題に鑑み、フェイルセー
フ時やイグニッションスイッチOFF時における車両姿
勢の変化防止および操縦安定性の向上を図ることの可能
な車両のサスペンション装置を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による車両のサスペンション装置は、請求項
1に記載したように、車輪に連係された可動隔壁により
液圧室が画成されてなるシリンダと、可動隔壁によりガ
ス室と前記シリンダの前記液圧室に連通された液室とに
画成されてなる複数個のガスばねとからなるシリンダ・
ガスばね系を備え、該シリンダ・ガスばね系に対して作
動流体を供給、排出することによりサスペンション特性
を変え得るように構成された車両のサスペンション装置
において、 前記シリンダ・ガスばね系のうち少なくと
も1個の前記ガスばねを除いた残りのシリンダ・ガスば
ね系部分への前記作動流体の給排を遮断する開閉弁が設
けられていることを特徴とする構成を有するものであ
る。
【0008】上記構成において、請求項2に記載したよ
うに、前記開閉弁を、前記シリンダ・ガスばね系全体に
対する前記作動流体の給排を遮断する第1開閉弁と、前
記除かれる少なくとも1個のガスばねの前記液室と前記
シリンダの液圧室との連通を遮断する第2開閉弁とから
なるようにすることができる。
【0009】また、上記構成において、請求項3に記載
したように、前記除かれる少なくとも1個のガスばね
を、前記残りのシリンダ・ガスばね系部分よりも上流側
に位置するように設け、前記開閉弁を、該除かれる少な
くとも1個のガスばねと該残りのシリンダ・ガスばね系
部分との間に設けるようにすることもできる。
【0010】また、上記構成において、請求項4に記載
したように、前記除かれる少なくとも1個のガスばね
を、前記残りのシリンダ・ガスばね系部分よりも上流側
に位置するように設け、前記開閉弁を、該除かれる少な
くとも1個のガスばねと該残りのシリンダ・ガスばね系
部分との間に設け、さらに、前記除かれる少なくとも1
個のガスばねの上流側である位置に該除かれる少なくと
も1個のガスばねへの前記作動流体の給排を遮断する他
の開閉弁を設けることもできる。
【0011】
【作用および効果】上記構成に示すように、本発明によ
る車両のサスペンション装置によれば、シリンダ・ガス
ばね系のうち少なくとも1個のガスばねを除いた残りの
シリンダ・ガスばね系部分への作動流体の給排を遮断す
る開閉弁が設けられているので、この開閉弁をフェイル
セーフ時やイグニッションスイッチOFF状態で閉じれ
ば、シリンダ・ガスばね系は、少なくとも1個のガスば
ねが除かれた状態、すなわち通常の状態からシリンダに
連通するガスばねの数が減少した状態で維持されること
になる。
【0012】シリンダ・ガスばね系が、シリンダに連通
するガスばねの数が減少した状態で維持されるというこ
とは、シリンダ・ガスばね系全体が、シリンダに連通す
るガスばねの数が全く減少しない状態で維持される場合
と比較して、連通するガスばねの数が減った分、複数個
のガスばねのガス室の容量が全体として減少するので、
サスペンション特性が硬くなることになる。したがっ
て、除かれる少なくとも1個のガスばねの数(割合)を
適正に決めることによって、フェイルセーフ時やイグニ
ッションスイッチOFF状態における車両姿勢の変化防
止および、操縦安定性の向上を図ることができる。ま
た、その場合、請求項3に記載したような構成とすれ
ば、開閉弁は各シリンダ・ガスばね系に1個ずつ設けれ
ば良く、コストを低減することができる。
【0013】なお、フェイルセーフ時やイグニッション
スイッチOFF状態において、上記除かれる少なくとも
1個のガスばねの液室内の作動流体が抜けて、これと上
記残りのシリンダ・ガスばね系部分内との圧力差が大き
くなると、フェイルセーフ解除時やイグニッションスイ
ッチをONにした時に、上記開閉弁が開いて上記残りの
シリンダ・ガスばね系部分内の作動流体が上記除かれる
少なくとも1個のガスばねの液室内に瞬時に流入して、
乗員に多少のショックを与えることも考えられる。そこ
で、請求項2や請求項4に記載したような構成とすれ
ば、フェイルセーフ時やイグニッションスイッチOFF
時に2つの開閉弁(第1開閉弁と第2開閉弁、または開
閉弁とその他の開閉弁)を同時に閉じることにより、上
記除かれる少なくとも1個のガスばねの液室と上記残り
のシリンダ・ガスばね系部分内との圧力を略等しく維持
することができるので、これにより上記ショックの発生
を抑制することができる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明による
車両のサスペンション装置の実施例について説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例による車両のサ
スペンション装置を示す油圧回路図、図2は、該サスペ
ンション装置の全体構成図である。なお、図中、右前
輪,左前輪,右後輪および左後輪に対応した主な要素に
ついてはそれぞれ付番に「FR」,「FL」,「RR」
および「RL」の符号を付加して示すが、以下の説明に
おいては特に必要の有る場合だけそれらの符号を付ける
ことにする。
【0016】図2に示すように、車体2には各輪毎に液
圧シリンダ4が固定され、該液圧シリンダ4内に摺動自
在に嵌挿された可動隔壁としてのピストン6により液圧
室8が画成されている。このピストン6と一体化された
ピストンロッド10には車輪12が保持されている。上記液
圧室8には液圧通路を介してガスばね14が連通されてい
る。このガスばね14は、可動隔壁としてのダイヤフラム
16により画成されたガス室18と液室20とを有し、この液
室20が上記液圧シリンダの液圧室8に連通されている。
【0017】図1に示すように、ガスばね14は、前輪用
としては液圧シリンダ4の上流側に1個、下流側に3個
の計4個ずつ、一方後輪用としては液圧シリンダ4の上
流側に1個、下流側に2個の計3個ずつ設けられてお
り、これら複数個のガスばね14と液圧シリンダ4とによ
り、シリンダ・ガスばね系Aが構成されている。また、
ガスばね14のそれぞれに連通する各液圧通路22には各々
オリフィス24が設けられており、このようなシリンダ・
ガスばね系およびオリフィス24の組合わせからなるユニ
ットは、ガスばね14の緩衝作用とオリフィス24の減衰作
用とでサスペンション装置としての基本的な機能を備え
ることとなる。
【0018】上記各液圧シリンダ4には高圧配管26Fあ
るいは26Rが接続され、この配管を通して液圧シリンダ
4に対する作動油液の供給、排出がなされる。この作動
油液を供給するポンプ28は、エンジンにより駆動される
ベーンポンプからなり、リザーバタンク30から作動油液
32を汲み上げ、共通高圧配管26を通して該作動油液を前
輪用、後輪用の各高圧配管26F,26Rに圧送する。この
共通高圧配管26には上流側から順にフィルター36,チェ
ック弁38が設けられ、前輪用,後輪用の各高圧配管26
F,26Rには、蓄圧作用を果たすメインアキュムレータ
40F,40R,システム油圧計42F,42Rがそれぞれ設け
られている。またポンプ28内には、吐出側圧力が異常上
昇したとき吐出した作動油液を吸込側に還流させるポン
プ内リリーフ弁44が設けられている。
【0019】前輪用の高圧配管26Fは右前輪用高圧配管
26FR,左前輪用高圧配管26FLに分岐され、これらの
各配管26FR,26FLはそれぞれ右前輪用液圧シリンダ
4FR,左前輪用液圧シリンダ4FLの各液圧室8に連
通されている。後輪用についても全く同様である。また
上記各高圧配管26F,26Rからはパイロット通路46F,
46Rが分岐され、これらパイロット通路46F,46Rは電
磁開閉弁48にそれぞれ接続されている。上記各高圧配管
26FR,26FL,26RR,26RLには、上流側から順に
流量制御弁52,第1加圧作動型開閉弁54,上流側ガスば
ね14の下流側に位置する第2加圧作動型開閉弁55,リリ
ーフ弁56およびシリンダ内圧検出用のシリンダ油圧計58
が介設されている。第1加圧作動型開閉弁54はシリンダ
・ガスばね系A全体に対する作動油液の給排を遮断する
開閉弁であり、一方第2加圧作動型開閉弁55は上流側ガ
スばね14a とシリンダ10との連通を遮断する開閉弁であ
る。
【0020】これにより、前輪用の流量制御弁52FRお
よび52FLの前後の差圧は、システム油圧計42Fの検出
圧力とシリンダ油圧計58FRおよび58FLの各検出圧力
との差圧としてそれぞれ検出され、同様に、後輪用の流
量制御弁52RRおよび52RLの前後の差圧は、システム
油圧計42Rの検出圧力とシリンダ油圧計58RRおよび58
RLの各検出圧力との差圧としてそれぞれ検出される。
そして、コントロールユニット74は、このようにして検
出された差圧に基づいて各流量制御弁52FR,52FL,
52RR,52RLを流れる作動油液の流量制御を行う。
【0021】上記各リリーフ弁56のリリーフ口は還流配
管60Fあるいは60Rに接続されている。また電磁開閉弁
48の各作動油液還流口も上記還流配管60Fあるいは60R
に接続されている。これら還流配管60F,60Rの流量制
御弁52近傍には蓄圧作用を果たすリターンアキュムレー
タ62がそれぞれ取り付けられている。
【0022】前輪側の還流配管60Fと後輪側の還流配管
60Rは、冷却回路64を経てリザーバタンク30に至る共通
還流配管60に接続されている。この共通還流配管60と共
通高圧配管26とはリリーフ配管66および68によって連通
され、これらリリーフ配管66および68にはアンロードリ
リーフ弁70およびイグニッションスイッチ連動弁72がそ
れぞれ介設されている。上記リリーフ配管66および68と
共通高圧配管26との接続は、チェック弁38の上流側およ
び下流側においてそれぞれなされている。
【0023】次に上記構成のサスペンション装置の作動
について説明する。アンロードリリーフ弁70,イグニッ
ションスイッチ連動弁72,電磁開閉弁48および流量制御
弁52の作動は、例えばマイクロコンピュータからなるコ
ントロールユニット74(第2図参照)によって制御され
る。このコントロールユニット74には、前記システム油
圧計42,各液圧シリンダ4毎に設けられたシリンダ油圧
計58,各車輪12FR,12FL,12RR,12RL毎にばね
上加速度を検出する加速度センサ76,および同じく各車
輪12FR,12FL,12RR,12RL毎に車高(シリンダ
ストローク)を検出する車高センサ78の出力が入力され
る(なお第2図では、左後輪12RLに対応する油圧計5
8,加速度センサ76,および車高センサ78のみを示して
ある)。そして、コントロールユニット74は、油圧計5
8,加速度センサ76および車高センサ78がそれぞれ示す
シリンダ内圧、ばね上加速度および車高に基づいて作動
油液の給排を制御する。
【0024】すなわちポンプ28等が正常に作動している
ときにコントロールユニット74により電磁開閉弁48が開
かれると、第1および第2加圧作動型開閉弁54,55の作
動圧受入口54a ,55a に作動油液の圧力が加えられ、そ
れにより該開閉弁54,55が開く。こうして第1および第
2加圧作動型開閉弁54,55が開かれるとともにコントロ
ールユニット74が指定する開度に流量制御弁52が開かれ
ている場合において、例えばピストン10が上方(第1図
中左方)に変位している最中に液圧シリンダの液圧室8
に作動油液が供給されると、該作動油液によってピスト
ン6の変位が抑制される結果、サスペンション装置の動
ばね定数が大となる方向に変化する。こうして液圧シリ
ンダ4内に作動油液を給排することにより、オリフィス
24の絞り抵抗およびガスばね14の弾性率を変化させたの
と同じ作用が得られ、サスペンション装置はいわゆるア
クティブサスペンション装置として機能する。また、上
記の液圧室8の作動油液量を制御して車高を各輪毎に制
御することも可能である。
【0025】上記給排制御中にシステム油圧計42が示す
高圧配管26内の圧力すなわち供給圧力が上限設定値以上
になると、コントロールユニット74のアンロード指令に
よりアンロードリリーフ弁70が開かれ、これにより作動
油液がリザーバタンク30に戻され、高圧配管26内の圧力
異常上昇が防止される。また、コントロールユニット74
はイグニッションスイッチONのときのみイグニッショ
ンスイッチ連動弁72を閉じる制御を行い、これによりエ
ンジン停止後はイグニッションスイッチ連動弁72が開か
れて高圧配管26内の高圧状態が解除される。
【0026】一方上記給排制御中に上記供給圧力が下限
設定値以下になると、コントロールユニット74のロード
指令によりアンロードリリーフ弁70が閉じられ、これに
より作動油液がメインアキュムレータ40に供給されて該
メインアキュムレータ40内に蓄圧され、高圧配管26内の
圧力上昇が図られる。
【0027】一方、配管系に異常が発生するなどして供
給圧力が所定値より低下した場合、コントロールユニッ
ト74は電磁開閉弁48を閉じることによりフェイルセーフ
を図る。すなわち、コントロールユニット74により電磁
開閉弁48が閉じられた場合、ポンプ28等が正常に作動し
ていても、パイロット通路46の作動油液はこの電磁開閉
弁48において第1加圧作動型開閉弁54および第2加圧作
動型開閉弁55への供給が断たれる。パイロット通路46に
接続された第1および第2加圧作動型開閉弁54,55は、
常時は閉状態を保ち、作動圧受入口54a ,55aに所定の
作動圧を受けたときのみ開くものである。したがって上
述のようにして作動圧受入口54a ,55aへの作動油液の
供給が断たれたときは閉状態となる。第1加圧作動型開
閉弁54が閉状態となると、作動油液のシリンダ・ガスば
ね系A全体への給排が遮断され、第2加圧作動型開閉弁
55が閉状態になると、上流側ガスばね14a と液圧シリン
ダ4との連通が遮断されるとともに、上流側ガスばね14
a を除いた残りのシリンダ・ガスばね系部分への作動油
液の給排が遮断される。こうして第1および第2加圧作
動型開閉弁54,55がともに閉じられている場合、サスペ
ンション装置は、下流側ガスばね14b の弾性率とオリフ
ィス24の絞り抵抗に基づく特性を示す。すなわち、この
ときサスペンション装置は、いわゆるパッシブサスペン
ションとなり、しかも、第1加圧作動開開閉弁54のみが
閉じられた場合のサスペンション特性と比較すると、除
かれる上流側ガスばね14a が減った分硬めの特性を示
す。なお、本実施例では、電磁開閉弁48の作動により第
1および第2加圧作動型開閉弁54,55の開閉が同時に行
なわれるようになっているが、第1および第2加圧作動
型開閉弁54,55のそれぞれに対応する別々の電磁開閉弁
48,48を設けて、第1加圧作動型開閉弁54と第2加圧作
動型開閉弁55の開閉を別々に行なうようにすることもで
きる。
【0028】上記のように配管系の異常に対するフェイ
ルセーフは、コントロールユニット74の制御によってな
されるが、本実施例においては、機械的にもフェイルセ
ーフがなされるようになっている。すなわち、例えば高
圧配管26が破損する等して、流量制御弁52よりも上流側
の油圧(供給圧力)が異常低下すると(例えばP<90Kg
f /cm2 になると)、たとえ電磁開閉弁48が開かれてい
ても、第1および第2加圧作動型開閉弁54,55には所定
の作動圧が加わらないことになる。それにより該開閉弁
54,55は自動的に閉状態となり、このときサスペンショ
ン装置は前述のパッシブ状態となる。勿論、この状態で
もサスペンション装置としての基本的な機能は維持さ
れ、しかも上述したように、この時のサスペンション特
性は硬めとなるので、ロール等の車体姿勢の急変を抑え
ることができ、操縦安定性が向上する。
【0029】また、車両駐車時にエンジンが停止される
と、ポンプ28が停止し、しかもイグニッションスイッチ
連動弁72が開くので、第1および第2加圧作動型開閉弁
54,55の作動圧受入口54a ,55aには所定の作動圧が加
わらない。したがってこの場合、たとえ電磁開閉弁48が
故障して開き放しになっていても、第1および第2加圧
作動型開閉弁54,55は閉状態となるので、この時サスペ
ンション装置は、硬めの特性を示すように維持され、イ
グニッションスイッチOFF後に車両への積載荷重が増
えても、車高が極端に低くなることがない。また、この
状態からイグニッションスイッチをONにしても、車高
が急に高くなることも防止できる。さらに、本実施例で
はフェイルセーフ時やイグニッションスイッチOFF時
に第1および第2加圧作動型開閉弁54,55を同時に閉じ
ることにより、除かれる上流側ガスばね14a の液室と残
りのシリンダ・ガスばね系部分内との圧力を略等しく維
持することができるので、フェイルセーフ解除時やイグ
ニッションスイッチON時に上記開閉弁54,55が開いて
も上記残りのシリンダ・ガスばね系部分内の作動流体が
上記除かれる上流側ガスばね14a 内に瞬時に流入して乗
員にショックを与えることもない。
【0030】以上、本発明による車両のサスペンション
装置の一実施例を説明したが、本発明による車両のサス
ペンション装置は、かかる実施例に限定されるものでは
なく種々の変更が可能である。すなわち、本発明は、フ
ェイルセーフ時やイグニッションスイッチをOFFにし
た時に、シリンダ・ガスばね系内のガスばねの数が減少
した状態で液圧通路を遮断して維持することにより、サ
スペンション特性を硬めにするものであり、このために
よるシリンダ・ガスばね系内のシリンダおよび各ガスば
ねの配置や、開閉弁の設置場所は種々変更することがで
きる。例えば、前記実施例において、第2加圧作動型開
閉弁55のみを設け、第1加圧作動型開閉弁54は設けない
場合でも、第2加圧作動型開閉弁55がシリンダ・ガスば
ね系のうち上流側ガスばね14a を除いた残りのシリンダ
・ガスばね系部分への作動流体の給排を遮断する開閉弁
となるので、本発明による基本的な作用効果を奏する。
【0031】次に、これらの配置が異なる他の実施例に
ついて図面に基づいて簡単に説明する。なお、以下の説
明で参照する図には、1つの車輪のシリンダ・ガスばね
系のみを示し、また、シリンダ、ガスばねおよび開閉弁
以外の部材は省略する。図3は、本発明の他の実施例に
よる車両のサスペンション装置を示す油圧回路部分図で
ある。
【0032】図3に示すように、本実施例では、液圧シ
リンダ4の下流側に3個のガスばね14が設けられてなる
シリンダ・ガスばね系に対する作動油液の給排を遮断す
る第1加圧作動型開閉弁54と、最下流側のガスばね14と
液圧シリンダ4との連通を遮断する第2加圧作動型開閉
弁55とが設けられている。第1および第2加圧作動型開
閉弁54,55が同時に閉じられることにより、シリンダ・
ガスばね系Aは、その系内のガスばね14の数が3個から
2個へ減少した形で維持され、これにより、前記実施例
と同様の効果を奏する。
【0033】図4は、本発明のその他の実施例による車
両のサスペンション装置を示す油圧回路部分図である。
図4に示すように、本実施例では、液圧シリンダ4の上
流側に1個、下流側に2個のガスばね14が設けられてな
るシリンダ・ガスばね系に対する作動油液の給排を遮断
する第1加圧作動型開閉弁54と、最下流側のガスばね14
と液圧シリンダ4との連通を遮断する第2加圧作動型開
閉弁55とが設けられ、さらに、上流側のガスばね14と液
圧シリンダ4との連通する電磁作動型開閉弁55′が設け
られている。
【0034】第1および第2加圧作動型開閉弁54,55が
同時に閉じられ、電磁作動型開閉弁55′が開かれている
場合、シリンダ・ガスばね系Aは、その系内のガスばね
14の数が3個から2個へ減少した形で維持される。一
方、第1および第2加圧作動型開閉弁54,55と電磁作動
型開閉弁55′とが全て閉じられている場合、シリンダ・
ガスばね系Aは、その系内のガスばね14の数が3個から
1個へ減少した形で維持されることになる。したがっ
て、本実施例によれば、シリンダ・ガスばね系A内の作
動油液の圧力状態等に応じて、電磁作動型開閉弁55′の
開閉を適宜制御することにより、フェイルセーフ時等の
サスペンション特性を状況に応じたより適正なものに維
持することが可能となる。なお、本実施例において、電
磁作動型開閉弁55′が設けられていない場合でも、上記
2つの実施例の場合と同様の効果は奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車両のサスペンション
装置を示す油圧回路図
【図2】上記実施例のサスペンション装置の全体構成図
【図3】本発明の他の実施例による車両のサスペンショ
ン装置を示す油圧回路部分図
【図4】本発明のその他の実施例による車両のサスペン
ション装置を示す油圧回路部分図
【符号の説明】
2 車体 4FR,4FL,4RR,4RL 液圧シリンダ 12 車輪 26 高圧配管 32 作動油液 40F,40R メインアキュムレータ 42F,42R システム油圧計 52FR,52FL,52RR,52RL 流量制御弁 54 第1加圧作動型開閉弁 55 第2加圧作動型開閉弁 55′ 電磁作動型開閉弁 74 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 謙二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に連係された可動隔壁により液圧室
    が画成されてなるシリンダと、可動隔壁によりガス室と
    前記シリンダの前記液圧室に連通された液室とに画成さ
    れてなる複数個のガスばねとからなるシリンダ・ガスば
    ね系を備え、該シリンダ・ガスばね系に対して作動流体
    を供給、排出することによりサスペンション特性を変え
    得るように構成された車両のサスペンション装置におい
    て、 前記シリンダ・ガスばね系のうち少なくとも1個の前記
    ガスばねを除いた残りのシリンダ・ガスばね系部分への
    前記作動流体の給排を遮断する開閉弁が設けられている
    ことを特徴とする車両のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉弁は、前記シリンダ・ガスばね
    系全体に対する前記作動流体の給排を遮断する第1開閉
    弁と、前記除かれる少なくとも1個のガスばねの前記液
    室と前記シリンダの液圧室との連通を遮断する第2開閉
    弁とからなることを特徴とする請求項1記載の車両のサ
    スペンション装置。
  3. 【請求項3】 前記除かれる少なくとも1個のガスばね
    は、前記残りのシリンダ・ガスばね系部分よりも上流側
    に位置するように設けられ、前記開閉弁は、該除かれる
    少なくとも1個のガスばねと該残りのシリンダ・ガスば
    ね系部分との間に設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の車両のサスペンション装置。
  4. 【請求項4】 前記除かれる少なくとも1個のガスばね
    の上流側の位置に、該除かれる少なくとも1個のガスば
    ねへの前記作動流体の給排を遮断する他の開閉弁が設け
    られていることを特徴とする請求項3記載の車両のサス
    ペンション装置。
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