JPH0557877A - 輪転印刷機のウエブ加湿装置 - Google Patents

輪転印刷機のウエブ加湿装置

Info

Publication number
JPH0557877A
JPH0557877A JP24655991A JP24655991A JPH0557877A JP H0557877 A JPH0557877 A JP H0557877A JP 24655991 A JP24655991 A JP 24655991A JP 24655991 A JP24655991 A JP 24655991A JP H0557877 A JPH0557877 A JP H0557877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
web
water
cooling
roller
transfer roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24655991A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryukichi Azuma
隆吉 我妻
Masaru Tsunoda
勝 角田
Akira Kosuge
晃 小菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komori Corp
Original Assignee
Komori Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komori Corp filed Critical Komori Corp
Priority to JP24655991A priority Critical patent/JPH0557877A/ja
Publication of JPH0557877A publication Critical patent/JPH0557877A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supply, Installation And Extraction Of Printed Sheets Or Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成によりウェブの全面への均一な加
湿を効率良く行うことを可能にした輪転印刷機のウェブ
加湿装置を提供することを目的としている。 【構成】 弾性表面を有する転移ローラ13を1番目の
冷却ローラ4と4番目の冷却ローラ7とのウェブ非添接
箇所に回転自在に圧接させた。転移ローラ13の表面に
水を噴射する複数個のノズル21を転移ローラの軸線方
向に並設した。転移ローラ13よりもウェブ9の走行方
向下流側に位置し冷却ローラ7に添接するウェブ9の表
面に圧接される圧接ローラ43を設けた。転移ローラ1
3の軸線方向に並列するノズル21を、噴射する水を水
圧力によって水滴状態にするノズルとした。転移ローラ
13の表面に水を噴射するノズル21を、噴射される水
滴の分布が楕円形になるようなノズルとした。楕円形分
布の長軸方向を転移ローラ13の軸線方向に対し傾斜さ
せ、この傾斜角度を調整可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は輪転印刷機において、印
刷ユニットと折機との間の冷却装置内に設けられ印刷後
に乾燥,冷却されるウェブに水分を付与するウェブ加湿
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウェブ輪転印刷機において、印刷ユニッ
トで印刷を施されたウェブは、乾燥装置で印刷面を乾燥
されたのち冷却装置で冷却されて折機やシータへ搬送さ
れ、折られたり断裁されたりして集積される。このよう
な印刷工程のうちの乾燥工程においては、印刷面のイン
キが乾燥されるだけではなく、紙に含まれている水分ま
で除去されてしまうために、このあと折機で折られる紙
の折目が破れたり、集積された折丁を丁合して製本する
ときに針綴じ部が切れたりすることがあって印刷物の品
質が著しく低下したり、損紙が発生したりするという問
題がある。
【0003】そこで従来、乾燥,冷却後のウェブに水分
を付与する加湿装置として、折機手前におけるウェブの
走行径路内に注射針状の注水部材やローラ状の加湿部材
を設けたり、あるいは、走行中のウェブの印刷面にシリ
コンの薄い皮膜を形成させるシリコンアプリケータを設
けたりすることが提案されており、また、乾燥装置と折
機との間に複数個のノズルを設けて走行中のウェブに水
を噴射し直接または冷却ローラを介して加湿するように
した加湿装置も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の加湿装置のうち、注射針状の注水部材やロー
ラ状の加湿部材を設けるものにおいては、ウェブを,そ
の走行方向である天地方向にのみ加湿するものであっ
て、ウェブの幅方向に延びる折目の加湿には対応できな
いという問題がある。また、シリコンアプリケータは、
静電気による紙詰まり等を防止する目的で設けられるも
のであって、これを加湿装置に兼用すると、供給する水
分の絶対量が不足して充分な加湿効果が期待できないと
いう問題がある。さらに走行中のウェブに水を噴射して
直接または冷却ローラを介し加湿するものにおいては、
加湿むらのない均一性を有する加湿を行なおうとする
と、水滴の径を小さくして多くの霧状水滴を発生させな
ければならず、余分な霧を多く出すことにより周辺の部
材に湿気による錆が発生するという問題がある。またこ
の場合も充分な加湿効果が期待できない。さらに、この
ような加湿装置では、エアを細管に通してノズルから水
とともに吹き出させることによって加湿を行っているの
で、エアとともに吹き出される水滴は、加湿対象物(以
下、単に対象物という)に向うときにエアの流れととも
に球状になって運ばれるが、そのエアが対象物の近くで
は向きを変えた気流となるために、ノズルの外側から対
象物に近づいた水滴が対象物に付くのをこの空気が妨げ
てしまうことになる。この結果、対象物へ水滴の付着効
率が悪く、余った水滴が周囲に散って周辺部品を発錆さ
せるという問題がある。
【0005】また、ウェブが添接される冷却ローラを設
けてこの冷却ローラに、刷版への給水装置と同じような
ローラ組の加湿装置を付設することも提案されている
が、構造が複雑で安価に提供することができないばかり
でなく、加湿がウェブの表面のみに止まり、ウェブの中
への浸透に時間がかかるために、折機のフォーマを通過
する際におけるしわの発生を無くすことができない。さ
らに、加湿装置を設けずに乾燥装置の温度を下げること
により対応することも試みられているが、印刷面のイン
キが充分に乾燥しないので、未乾燥の印刷面が折機のフ
ォーマやターンバーでこすられて印刷面が汚れるし、印
刷速度を下げると、生産性が低下するという問題があ
る。また、この加湿装置では給水装置で刷版へ供給され
る湿し水を紙へも転移させ、乾燥の際に除去される水分
をこの湿し水で補っているが、近年、水無しの平版印刷
が普及し始めていることにより、湿し水による水分の補
填を期待することができない。
【0006】さらに、スプレーノズルを用いて均一に給
水するために、ノズルの数を多くして各ノズルの噴射範
囲を互いにオーバラップさせることも試みられている
が、スプレーの広がり方のばらつきによって加湿むらが
出たり、オーバラップさせた部分とさせない部分との供
給量の調整ができないという問題がある。加湿にむらが
あると、シータから排紙したときに、加湿の多いところ
では紙がふくらんで見掛け上の紙厚が大きくなり、加湿
の少ないところではふくらまないことにより、これが何
枚も重られると、積載紙の上端がノズルのピッチに対応
して波状になり、紙の揃いが悪くなる。また、折機を用
いる場合には、加湿効果を得ようとして、加湿量の少な
い部分に合わせて加湿量を決めると、加湿量の多い部分
では紙の湿気が大き過ぎて折丁が運ばれる間にブレーキ
となって紙詰まりが起こりやすく、また、加湿量の多い
部分に合わせて加湿量を決定すると、加湿量が少ない部
分で加湿効果が得られないという問題がある。
【0007】本発明は以上のような点に鑑みなされたも
ので、簡単な構成によりウェブの全面への均一で充分な
加湿を効率良く行うことを可能にした輪転印刷機の加湿
装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために請求項1記載のウェブ加湿装置においては、ウ
ェブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、乾燥後走行するウ
ェブを順次添接させて冷却する複数個の冷却ローラを有
する冷却装置とを備えた輪転印刷機において、弾性表面
を有する転移ローラを、奇数番目の冷却ローラと偶数番
目の冷却ローラとのウェブ非添接周面に回転自在に圧接
させ、この転移ローラの表面または転移ローラよりも冷
却ローラ回転方向上流側における冷却ローラの周面に水
を噴射する複数個のノズルを転移ローラの軸線方向に並
設した。
【0009】請求項2記載のウェブ加湿装置では、ウェ
ブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、乾燥後走行するウェ
ブを順次添接させて冷却する複数個の冷却ローラを有す
る冷却装置と、ウェブに水を付与するノズルとを備えた
輪転印刷機において、冷却ローラに添接するウェブの非
添接面に圧接手段により圧接される圧接ローラを設け
た。
【0010】請求項3記載のウェブ加湿装置では、請求
項1記載の輪転印刷機のウェブ加湿装置において、水を
噴射するノズルを、噴射する水を水圧力によって水滴状
態にするノズルとした。
【0011】請求項4記載のウェブ加湿装置において
は、請求項1記載の輪転印刷機のウェブ加湿装置におい
て、水を噴射する複数個のノズルを、噴射される水滴の
分布が楕円形になるようなノズルとし、楕円形の長軸方
向が転移ローラの軸線方向に対し傾斜するようにノズル
を傾斜させかつこの傾斜角度を調整可能にした。
【0012】
【作用】請求項1記載のウェブ加湿装置においては、ノ
ズルから噴出して転移ローラの弾性表面または転移ロー
ラよりも冷却ローラ回転方向上流側における冷却ローラ
の周面に付着した水は、冷却ローラの表面に付着して持
回りされ、冷却ローラに添接して走行するウェブの印刷
面に転移して加湿が行われる。この場合、水はウェブの
全面に付着する。
【0013】請求項2記載のウェブ加湿装置において
は、ウェブの表面に圧接ローラが圧接されているので、
インキ表面の水滴が潰されて拡がるとともに、水分が紙
の中まで浸透する。
【0014】請求項3記載のウェブ加湿装置において
は、噴射ノズルを、噴射水を水圧力によって水滴状態に
するノズルとしたことにより、噴射水は転移ローラの表
面またはその近接箇所に水滴となって付着し、付着した
水滴は、転移ローラと冷却ローラとの間を通るときに押
し拡げられて水膜となるので余分な水滴ができない。
【0015】請求項4記載のウェブ加湿装置において
は、転移ローラの表面に噴射される水滴の分布が楕円形
になるようにしたことにより、水滴の分布が均一にな
る。また楕円形の長軸方向を転移ローラの軸線方向に対
し傾斜させかつこの傾斜角度を調整可能にしたことによ
り、ノズルから出る水滴の広がりを変えることができ最
適の加湿状態が得られる。
【0016】
【実施例】図1ないし図6は本発明に係る輪転印刷機の
ウェブ加湿装置の実施例を示し、図1はウェブ加湿装置
を設けた冷却装置の概要側面図、図2はノズルの断面
図、図3は図2のA視正面図、図4はノズル管と転移ロ
ーラとの概要平面図、図5はノズルによる水の噴射面の
正面図、図6はウェブ加湿装置の配管図である。
【0017】図において、輪転印刷機の乾燥装置と折機
との間には、冷却装置1が設けられており、この冷却装
置1は、4隅をパイプステー2で連結された左右一対の
フレーム3を備えている。これら左右のフレーム3に
は、本実施例の場合、4個の冷却ローラ4,5,6,7
の両端部が、互いの中心を結ぶ線がほゞ菱形状をなすよ
うに配置されて軸受を介し回転自在に軸架されている。
また左右のフレーム3には、複数個のガイドローラ8の
両端部が軸受を介し回転自在に軸支されており、印刷後
に乾燥装置で乾燥されたウェブ9は、冷却ローラ4〜6
とガイドローラ8に添接されたのち、折機へ向って送り
出されるように構成されている。そして、ウェブ9は奇
数番目である第1冷却ローラ4と第3冷却ローラ6とに
は裏面を添接されており、偶数番目である第2冷却ロー
ラ5と第4冷却ローラ7とには表面を添接されている。
【0018】そして、第1冷却ローラ4と第4冷却ロー
ラ7とのウェブ非添接面近傍には、ウェブ加湿装置10
とウェブ加湿装置11とがそれぞれ配設されている。こ
れらのウェブ加湿装置10,11は、左右のフレーム3
の内面にそれぞれ固定された左右一対のブラケット12
を備えており、このブラケット12には、ゴムなどの弾
性表面を有し冷却ローラ4,7とほゞ同長の転移ローラ
13が、両端部を回転自在に軸支されている。この転移
ローラ13は、図6に示すエアシリンダ14により冷却
ローラ4,7の非添接面に圧接されており、非使用時に
はエアシリンダのピストンロッド15を後退させること
により冷却ローラ4,7の非添接面から離間するように
構成されている。16はコンプレッサ17とエアシリン
ダ14とを連結する配管であって、この配管16上に
は、電磁切替弁18と流量調節弁19とが設けられてい
る。
【0019】左右のブラケット12に固定されたホルダ
間には、転移ローラ13の軸方向に延びるノズル管20
が軸架されており、このノズル管20には、後ほど詳述
する複数個のノズル21が、本実施例の場合、水の噴射
方向を転移ローラ13の表面に指向させ軸方向に並列し
て支持されている。一方、フレーム3の近傍には、給水
源22との間をストレーナ23を有する配管24で接続
されたタンク25が配設されており、このタンク25内
には、ストレーナ23で浄化された水26が、浮子27
で貯水量を規制されて貯えられている。このようなタン
ク25と前記ノズル管20とは、配管28とこれから分
岐された配管29とで連結されており、配管28上に
は、タンク25内の水26を汲上げるポンプ30がモー
タ31に直結されて設けられている。32は配管28上
に設けられた圧力計であり、33は配管28から分岐す
る配管34上に設けられた流量調整弁である。さらに各
配管29上には、電磁開閉弁35と調整弁36と圧力計
37とが設けられている。
【0020】ここで前記ノズル21の構成を説明する。
ノズル21はノズル管20のねじ孔に螺入されるねじ部
38aと、螺入時にスパナを掛ける6角部38bとを有
する円筒状のボディー38を備えており、そのストレー
ト部38cの周面には、一対の爪38dが周面を円周方
向に2等分する位置に突設されている。39はノズル管
20側からねじ部38a内孔を経て送り込まれる水を清
浄化するストレーナーであって、その鍔部をボディー3
8に固定されてボディー38の内孔内に収納されてい
る。
【0021】一方、ノズル21はボディー38のストレ
ート部38cに被冠される円筒状のキャップ40を備え
ており、その周面には前記爪38dを係入させる円弧状
の溝40aが円周方向に延設されている。40dは組立
に際し爪38dを溝40aに導く一対の溝であり、41
はボディー38の外端面とキャップ40の内端面との間
に介挿されたガスケットである。そして、キャップ40
の内孔には、鍔付きのチップ42がガスケット41に隣
接して嵌合されており、その鍔はガスケット41とキャ
ップ40の内孔段部との間に形成された環状溝に嵌合さ
れている。さらに、前記円弧状の溝40aは、キャップ
40の軸線方向へ互いに位相を違えた両直線面とこれら
両直線面の間の傾斜面とで溝カム状に形成されており、
キャップ40を、その周面に突設されたつまみ40bを
把持して回動操作することにより溝40aのカム作用に
よりチップ42がキャップ40とガスケット41との間
で挟持されて固定されたり、挟持による固定から解放さ
れて回動調節が可能となったりするように構成されてい
る。さらに、チップ42の中心部には、水の噴出孔42
aが穿設されており、またチップ42には、3方向へ開
口するスリット42bが噴出孔42aに連通して形成さ
れている。
【0022】このように構成されていることにより、ポ
ンプ30を回転させて電磁開閉弁35を開くと、水26
がノズル21の噴出孔42aからスリット42bを経て
転移ローラ13の表面へ噴射されるが、本装置における
ノズル21としては、これから噴射される水を水圧力に
よって比較的大きな水滴状態にするように噴出孔42a
の径等が形成されており、また、噴出孔42aに続くス
リット42bを形成することにより、図5で示すよう
に、ノズル21から転移ローラ13の表面に噴射される
水滴の分布26Aが楕円形になるように構成されてい
る。さらに、スリット42bが例えば10°傾斜してい
ることにより、楕円形をなす水滴分布26Aの楕円形長
軸方向が、転移ローラ13の軸線方向に対して傾斜して
おり、前述したようにキャップ40を弛めてチップ42
を回動調節することにより楕円形の傾斜角度が調整でき
るように構成されている。また、隣接する楕円形分布2
6Aが互いにオーバラップするように転移ローラ13に
対するノズル管20の遠近方向位置が設定されている。
【0023】さらに、第4冷却ローラ7の前方には、左
右一対のエアシリンダ43が両側のフレーム3に回動自
在に枢着されており、そのピストンロッド44の作用端
は、各フレーム3に枢着されたL字レバー45の一方の
遊端部に枢着されている。また左右のL字レバー45の
他方の遊端部には、ゴムなどの弾性表面を有し冷却ロー
ラ7とほゞ同長の圧接ローラ46が、両端部を回転自在
に軸支されており、ピストンロッド44を前進させるこ
とにより、圧接ローラ46が冷却ローラ7に添接された
ウェブ9に圧接されるように構成されている。
【0024】以上のように構成されたウェブ加湿装置の
動作を説明する。印刷作業に先立ちウェブ9の一端を、
給紙装置から印刷ユニットと乾燥装置とに通すいわゆる
紙通しを行って冷却装置1の手前に導き、冷却ローラ
4,5,6,7とガイドローラ8に紙通しして例えば折
機に導き紙通しを行う。そして、転移ローラ13を冷却
ローラ4,7のウェブ非添接面に圧接させ、圧接ローラ
43を冷却ローラ7のウェブ添接面に圧接させたのち、
印刷作業を開始する。
【0025】印刷作業の開始により、印刷ユニットで印
刷されて乾燥装置で乾燥されたウェブ9は、表面と裏面
とを交互に冷却ローラ4,5,6,7に添接して冷却さ
れ、さらに複数個のガイドローラ8に添接して走行す
る。このとき、ポンプ30でタンク25から汲上げられ
た水26は配管28,29を通って2箇所のノズル管2
0に導かれ、ノズル21から噴出して転移ローラ13の
表面に水滴となって付着する。転移ローラ13の表面が
弾性体であり、かつ転移ローラ13と冷却ローラ47と
の間で所定の予圧が掛けられていることにより、転移ロ
ーラ13の表面に付着した水滴は、転移ローラ13と冷
却ローラ4,7との対接点において水膜となり、冷却ロ
ーラ4,7の表面に転移する。この水膜は冷却ローラ
4,7によって持ち回りされ、ウェブ9の添接箇所にお
いてウェブ9に転移してこれを加湿するので、乾燥装置
で失われた水分に見合う水分が与えられて加湿が行われ
る。冷却ローラ4,7からウェブ9への水膜の転移に際
しては、転移時間が瞬間的なものではなく、ウェブ9の
巻付け角度分の進行時間があるので、充分な加湿が行わ
れる。また、ウェブ9は裏面を冷却ローラ4に添接され
ており、表面を冷却ローラ7に添接されているので、両
面に対して加湿が行われる。
【0026】ノズル21から噴出する水滴の大きさは、
ノズル21の口径やタイプまたはエアを使用するかどう
か、エアの量、水の供給量などの要素によって異なる
が、比較的大きな水滴を用いても転移ローラ13と冷却
ローラ4,7との対接点を通過する間に水膜となって均
一な加湿ができ、従来のノズルのように水滴を小さくす
る必要がないので、ノズル21の口径を大きくすること
ができ、目詰まりによる供給量のばらつきが無くなる。
また、水滴が大きいので、水滴の持っている運動エネル
ギーが大きく、水滴が転移ローラ13に接したときにほ
とんど付着することになり、小さな水滴と比べて付着効
率が大きくなる。
【0027】また、この加湿に際しては、圧接ローラ4
6が冷却ローラ7に添接されたウェブ9に圧接されてい
るので、もし圧接ローラ46の手前においてウェブ9と
冷却ローラ4〜7との間にエア層が存在していたとして
も、このエア層は、圧接ローラ46でしごかれて除かれ
るので、不均一な水膜が均一になる。すなわち、印刷さ
れたインキが油性であるからその表面に加湿されたとき
に、インキの表面に水が水滴となっており、また、イン
キのない裏面に付着した水は、毛細管現象によってウェ
ブの周囲に拡がるだけであるが、本装置では圧接ローラ
43によって加圧されるので、インキ表面の水滴がつぶ
れて広がり、表面だけであった水分がウェブの中まで浸
透することになる。
【0028】さらに、本装置においては、水を噴射する
複数個のノズル21を、噴射する水を水圧力によって水
滴状態にするようなノズルとしたことにより、転移ロー
ラ13の表面に噴射される水は比較的大きい水滴のまゝ
であって、界面張力によって先端が球面になっており、
後端は周囲の空気との気圧差で流線形となっている。ま
た、転移ローラ13の真近では転移ローラ13表面の周
回により層流となって転移ローラ13の表面と同方向に
動いているエアを水滴の運動エネルギーによって突き破
って水滴が転移ローラ13の表面に付着する。この結
果、ノズルからの水滴をエアとともに吹き出す方式と比
べて水滴が転移ローラ13に付着させるのを妨げる要素
が少なくなり、付着効率が良い。また、水滴が転移ロー
ラ13の表面に付着する際の運動エネルギーが少なくて
よいので、水滴の速度が小さくても付着することにな
る。さらに転移ローラ13の表面に付着した水滴は、冷
却ローラ4,7との圧接点を通過するときに均一に押し
拡げられて水膜となるので、余分な水滴や霧が作られこ
とがない。
【0029】さらに、本装置においては、転移ローラ1
3の表面等に水を噴射する複数個のノズル21にスリッ
ト42bを設けて噴射される水滴の分布26Aが楕円形
になるようにし、楕円形の長軸方向を転移ローラ13の
軸線方向に対し傾斜させ、かつチップ42の回動により
傾斜角度を調整可能にしたことにより、従来は不可能で
あったノズル21から噴射される水滴の広がり調整が可
能となり、また隣接する楕円形の水滴分布を互いにオー
バラップさせることができるので、ウェブ9の幅方向に
対する水の全供給バランスをとって加湿むらを最小限に
することができる。また、転移ローラ13と冷却ローラ
4,7との圧接点を通過するときに、比較的少ない量の
水滴部分には比較的多い部分から水滴が移動するので、
圧接点を過ぎた箇所では、均一な水膜が得られる。
【0030】なお、前記各実施例では、ノズルからの水
を転移ローラの表面に噴射する例を示したが、転移ロー
ラよりも冷却ローラ回転方向上流側における冷却ローラ
の周面に向って噴射しても同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように本発明
によれば、ウェブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、乾燥
後走行するウェブを順次添接させて冷却する複数個の冷
却ローラを有する冷却装置とを備えた輪転印刷機におい
て、弾性表面を有する転移ローラを、奇数番目の冷却ロ
ーラと偶数番目の冷却ローラとのウェブ非添接周面に回
転自在に圧接させ、この転移ローラの表面、または転移
ローラよりも冷却ローラ回転方向上流側における冷却ロ
ーラの周面に水を噴射する複数個のノズルを転移ローラ
の軸線方向に並設したことにより、噴射される水滴が大
きくても転移ローラと冷却ローラとの対接点を通過する
間に水膜となって均一な加湿ができるとともに、ノズル
の口径を大きくすることができ、目詰まりによる供給量
のばらつきが無くなる。また、水滴が大きいので、水滴
の持っている運動エネルギーが大きく、水滴が転移ロー
ラに接したときにほとんど付着することになり付着効率
が大きくなる。さらにノズルの周辺に余分な水滴が霧と
なって飛散することがなく、錆などが発生することがな
いので、周辺部材の耐久性が向上する。また、ウェブの
表面と裏面とに上記のような充分な水分が付与され、加
湿機能が向上する。
【0032】請求項2記載のウェブ加湿装置において
は、ウェブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、乾燥後走行
するウェブを順次添接させて冷却する複数個の冷却ロー
ラを有する冷却装置と、ウェブに水を付与するノズルと
を備えた輪転印刷機において、冷却ローラに添接するウ
ェブの非添接面に圧接手段により圧接される圧接ローラ
を設けたことにより、圧接ローラの手前においてウェブ
と冷却ローラとの間にエア層が介在されていても、この
エア層は圧接ローラでしごかれて除かれるので、水膜が
均一になるとともに、圧接ローラによって水膜が加圧さ
れるので、水滴がつぶれて広がり、従来、表面だけであ
った水分がウェブの中まで浸透することになり加湿機能
が向上する。
【0033】請求項3記載のウェブ加湿装置において
は、請求項1記載のウェブ加湿装置において、水を噴射
するノズルを、噴射する水を水圧力によって水滴状態に
するノズルとしたことにより、噴射される水は比較的大
きい水滴のまゝであるから、これら噴射対象物と同方向
に動いているエアを水滴の運動エネルギーによって突き
破って水滴が噴射対象物に付着するので、水滴が噴射対
象物に付着するのを妨げる要素が少なくなり付着効率が
向上する。また、水滴が噴射対象物に付着する際の運動
エネルギーが少なくてよいので、水滴の速度が小さくて
も付着することになり、水量の調整幅を大きく取ること
ができる。さらに転移ローラの表面等に付着した水滴
は、冷却ローラとの圧接点を通過するときに均一に押し
拡げられて水膜となるので、余分な水滴や霧が作られる
ことがなく、ノズルの周辺に余分な水滴が霧となって飛
散することが無くなることにより、錆などが発生するこ
とが無くなり周辺部材の耐久性が向上する。
【0034】請求項4記載のウェブ加湿装置において
は、請求項1記載のウェブ加湿装置において、水を噴射
する複数個のノズルを、噴射される水滴の分布が楕円形
になるようなノズルとし、楕円形の長軸方向が前記転移
ローラの軸線方向に対し傾斜するようにノズルを傾斜さ
せかつこの傾斜角度を調整可能にしたことにより、水滴
の分布が均一になるとともに、ノズルから噴射される水
滴の広がり調整が可能となり、また隣接する楕円形の水
滴分布を互いにオーバラップさせることができるので、
加湿むらを最小限にすることができる。また転移ローラ
と冷却ローラとの圧接点を通過するときに水滴が移動す
るので、均一な水膜が得られ加湿むらが無くなって加湿
機能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェブ加湿装置を実施した冷却装置の概要側面
図である。
【図2】ノズルの断面図である。
【図3】図2のA視正面図である。
【図4】ノズル管と転移ローラとの概要平面図である。
【図5】ノズルによる水の噴射面の正面図である。
【図6】ウェブ加湿装置の配管図である。
【符号の説明】
1 冷却装置 4 冷却ローラ 5 冷却ローラ 6 冷却ローラ 7 冷却ローラ 9 ウェブ 10 ウェブ加湿装置 11 ウェブ加湿装置 13 転移ローラ 20 ノズル管 21 ノズル 26 水 26A 水滴の分布 38 ボディー 40 キャップ 42 チップ 42a 噴出孔 42b スリット 43 流体圧シリンダ 46 圧接ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 晃 千葉県東葛飾郡関宿町桐ケ作210番地 株 式会社小森コーポレーシヨン関宿プラント 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、
    乾燥後走行するウェブを順次添接させて冷却する複数個
    の冷却ローラを有する冷却装置とを備えた輪転印刷機に
    おいて、弾性表面を有する転移ローラを、奇数番目の前
    記冷却ローラと偶数番目の前記冷却ローラとのウェブ非
    添接周面に回転自在に圧接させ、この転移ローラの表面
    または転移ローラよりも冷却ローラ回転方向上流側にお
    ける冷却ローラの周面に水を噴射する複数個のノズルを
    前記転移ローラの軸線方向に並設したことを特徴とする
    輪転印刷機のウェブ加湿装置。
  2. 【請求項2】 ウェブの印刷面を乾燥する乾燥装置と、
    乾燥後走行するウェブを順次添接させて冷却する複数個
    の冷却ローラを有する冷却装置と、ウェブに水を付与す
    るノズルとを備えた輪転印刷機において、冷却ローラに
    添接するウェブの非添接面に圧接手段により圧接される
    圧接ローラを設けたことを特徴とする輪転印刷機のウェ
    ブ加湿装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の輪転印刷機のウェブ加湿
    装置において、水を噴射するノズルを、噴射する水を水
    圧力によって水滴状態にするノズルとしたことを特徴と
    する輪転印刷機のウェブ加湿装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の輪転印刷機のウェブ加湿
    装置において、水を噴射する複数個のノズルを、噴射さ
    れる水滴の分布が楕円形になるようなノズルとし、前記
    楕円形の長軸方向が前記転移ローラの軸線方向に対し傾
    斜するように前記ノズルを傾斜させかつこの傾斜角度を
    調整可能にしたことを特徴とする輪転印刷機のウェブ加
    湿装置。
JP24655991A 1991-09-02 1991-09-02 輪転印刷機のウエブ加湿装置 Pending JPH0557877A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24655991A JPH0557877A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 輪転印刷機のウエブ加湿装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24655991A JPH0557877A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 輪転印刷機のウエブ加湿装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0557877A true JPH0557877A (ja) 1993-03-09

Family

ID=17150220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24655991A Pending JPH0557877A (ja) 1991-09-02 1991-09-02 輪転印刷機のウエブ加湿装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0557877A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08500064A (ja) * 1992-08-17 1996-01-09 ヴァイトマン ウント コンラート ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 印刷され次いで熱乾燥させられた運動する材料ウェブを湿す方法および装置
CN117980145A (zh) * 2022-01-18 2024-05-03 株式会社新克 滚筒用腐蚀装置以及方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08500064A (ja) * 1992-08-17 1996-01-09 ヴァイトマン ウント コンラート ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 印刷され次いで熱乾燥させられた運動する材料ウェブを湿す方法および装置
CN117980145A (zh) * 2022-01-18 2024-05-03 株式会社新克 滚筒用腐蚀装置以及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2561997B2 (ja) 印刷機の噴射装置
US6309704B1 (en) Method for direct or indirect application of liquid or viscous coating medium onto a moving material web
US5596930A (en) Process and device for moistening a moving printed then thermally dried web of material
EP2406075B1 (en) Atomization apparatus and method for web moistening
JP6370493B2 (ja) 印刷ユニット
US5517214A (en) Ink jet image drier
EP2229324B1 (de) Verfahren zum etikettieren von behältern sowie etikettierstation
JPH0575599B2 (ja)
JPH0330497B2 (ja)
JP2001162763A (ja) 直線流を使用する印刷機湿し装置及び印刷機に湿し水を供給する方法
JPH02233172A (ja) 塗工装置及び巻取紙塗布方法
US20090324818A1 (en) Silicone applicator for a printing press
US2655102A (en) Intaglio printing press
JPH0557877A (ja) 輪転印刷機のウエブ加湿装置
JP2009023350A (ja) 回転する印刷表面を処理液で処理するための装置および方法
US4452139A (en) Dampening fluid evaporator and method
US1724644A (en) Means and method of treating sheet material
US3990365A (en) Cylinder moistening device
US3302296A (en) Method and apparatus for drying of moisture-setting inks
JPH0564877A (ja) 輪転印刷機のウエブ加湿装置
EP2382094A1 (en) A device and method for feeding dampening solution in an offset printing unit
CH646639A5 (de) Befeuchtungsvorrichtung fuer eine druckmaschine.
JP2594524B2 (ja) 多色刷用平版輪転印刷機
FI111020B (fi) Menetelmä filmipuristimessa ja filmipuristin
CN219856372U (zh) 一种上水组件以及胶印装置