JPH0557614A - コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法 - Google Patents

コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法

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JPH0557614A
JPH0557614A JP21905891A JP21905891A JPH0557614A JP H0557614 A JPH0557614 A JP H0557614A JP 21905891 A JP21905891 A JP 21905891A JP 21905891 A JP21905891 A JP 21905891A JP H0557614 A JPH0557614 A JP H0557614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
shot peening
shot
residual stress
fatigue strength
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP21905891A
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English (en)
Inventor
Michiaki Tateyama
道昭 舘山
Takeshi Miki
武司 三木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイルばねの最表層から内部深くまで高圧縮
残留応力を付与して、耐疲れ性を向上する。 【構成】 母材硬さHvが550以上に調質されたコイ
ルばねに、予め冷却したショット粒を投射しながらショ
ットピーニング処理する。 【効果】 自動車エンジンの弁ばねあるいは懸架ばねの
疲労強度を大幅に向上させることができるので、産業上
極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジンの弁ば
ねあるいは懸架ばねなどの疲労特性を高度に要求されて
いる分野に用いられるコイルばねの疲労強度向上ショッ
トピーニング法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、繰返し荷重を常時受け、しか
も疲れ破損のおそれの高いばねの製造工程は、成形し、
熱処理を施した後、セッチングの前にショットピーニン
グを行うのが通例である。ショットピーニングによって
得られる圧縮残留応力分布は、ショットピーニング条件
(投射速度、投射時間、ショット硬さと粒径)およびば
ねの硬さなどによって大きく異なり、特にその最大値は
通常の場合、最表層となるが、ショットピーニング条件
によって内部に存在することがあったり、また圧縮応力
が引張り応力に逆転する点、即ちクロッシングポイント
の位置が定まらなかったりして、きわめて複雑である。
このようなことから、ばねの疲労寿命の信頼性向上のた
めに、圧縮残留応力分布を高めたり、また最大値および
クロッシングポイントなどの位置を安定化するためのシ
ョットピーニング技術の開発が盛んに進められている。
【0003】例えば、特開昭60−96717号公報
(ばねの表面処理方法)に開示されている発明は、ばね表
面にショットピーニングを施して圧縮残留応力を生じさ
せた後に、ドライホーニングや液体ホーニングを施して
表面粗さを軽減させることを要旨とするものであり、表
面粗さの軽減とともに表面の残留応力を高くすることが
できたと述べているが、実施例から推測すると、最高残
留応力とその深さはそれぞれ約−90kgf/mm2 および約
30μmまでである。
【0004】また特公昭60−39512号公報(コイ
ルばねのストレスショットピーニング方法)には、コイ
ルばねに圧縮力を加えながら、コイルの内側および外側
に均一なショットピーニングを施すと、使用時に要求さ
れる高い有効な残留応力を得ることができる、と記載さ
れている。しかし、この場合は圧縮状態を保持するため
に、コイルばね一個一個を固定台でその都度挟持して押
圧するため極めて効率が悪く、しかもコイル内面側にシ
ョット粒子を当てるための機構が必要となる。
【0005】さらには、特開昭63−76730号公報
(弁ばねの製造方法)によれば、弁ばねの表面に窒化処理
を施すと、表面に硬化層が形成されるとともに内部に圧
縮残留応力が形成され、しかる後、粒径の大きいショッ
トでショットピーニングを施すと、表面の応力は小さい
が、深く圧縮残留応力が形成され、続いて粒径の小さい
ショットでショットピーニングを施すことにより表面の
圧縮残留応力が上昇し、これにより表面の応力が高く、
かつ深さも十分な圧縮残留応力が得られるとしている
が、以下にいう本発明の圧縮残留応力とは全く関係ない
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術で達
し得なかった大深度高残留応力分布を得ることにより、
耐疲れ性を飛躍的に向上させて、自動車用内燃機関の弁
ばねや車両の懸架ばねのように、繰返し荷重を受ける頻
度が高く、疲れ破損のおそれのあるばねの疲労強度向上
を実現しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、母材硬さHvが550以上に調質されたコイルば
ねに、予め冷却したショット粒を投射することを特徴と
するコイルばねの疲労強度向上ショットピーニング法に
ある。
【0008】
【作用】以下、これらの詳細について、説明する。ばね
に最も要求される機械的性質は、高い疲労強度である。
疲労強度が、硬度あるいは残留応力と相関関係にあるこ
とはよく知られている。圧縮残留応力が高くなれば疲労
強度も高くなるが、その反面において高圧縮残留応力を
付与するための手段として工業化されているショットピ
ーニング処理法では、ばね材の硬度がHvが550未満
程度が限界とされている。
【0009】ここで、本発明においては、コイルばねの
母材硬さHvが550以上であっても平均80kgf/mm2
以上の高圧縮残留応力を内部深くまで付与可能である。
また、耐疲れ性に優れる高硬度なコイルばねを要求する
程、素材内部の非金属介在物が疲労強度に与える影響は
大きいため、高圧縮残留応力状態を表層から一様に内部
深くまで分布させる考えがあるが、未だその解決手段を
見出せない。
【0010】本発明においては、最表層から少なくとも
150μmまで高圧縮残留応力を付与可能であって、従
来100〜300μmに位置する非金属介在物を起点と
した疲労破断を皆無とすることが可能である。即ち本発
明においては、予め冷却したショット粒をコイルばねに
投射することによって表面から内部に亘る低温領域で歪
応力分布が形成され、且つその状態においてショットピ
ーニング処理を施すので、圧縮残留応力を容易に生成す
ることができる。耐疲れ性に優れたコイルばねとして
は、理想的な応力分布を生成することが可能であるとと
もに、ショットピーニング処理時に生じる加工発熱を同
時に抑えることができるので表面脱炭が全く見られるこ
となく、さらにはコイルばね表面性状も損なうことのな
いものである。
【0011】したがって、平均圧縮残留応力を80kgf/
mm2 以上として、しかもその分布を一様に少なくとも最
表層から深さ150μm程度までを実現するためには、
ショット粒を投射前に−30〜−120℃の範囲に冷却
し、その直後にコイルばねへ直接投射しながらショット
ピーニングするのが有効である。ここでコイルばねに投
射するショット粒を予め冷却する温度が−30℃より高
い温度でショットピーニングを行うと目標とする圧縮残
留応力値に至らず、しかも内部に深く一様な応力分布が
得られない。また−120℃より低い温度となるとショ
ット粒が破損するなどしてコイルばね表面に疵となって
残るため、疲労強度に悪影響を与えるので問題がある。
【0012】なお、母材硬さHvが550以上に調質さ
れたコイルばねを対象としているのは、耐疲れ性から最
も適当な残留応力分布が得られるものであって、本発明
が有効に活用できるからである。このように予め冷却し
たショット粒をコイルばねに直接投射するには、ショッ
ト粒が通過する管あるいは一時的にストックされる槽に
おいて冷媒噴射ノズルを設けて、外部に液体窒素または
それとのアルコール混合液などの供給槽を設置して配管
することにすれば、本発明を容易に実施することが可能
となる。
【0013】本発明のショットピーニング処理によって
多少の凹凸が生じるので、さらなる疲労強度向上には、
バレル研磨などの表面平滑化を行えばその効果は一層向
上する。コイルばねのへたり特性を向上させるためにセ
ッチングは不可欠であって、本発明においてもショット
ピーニングを施した後セッチングを行う。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例により、さら
に具体的に示す。母材硬度Hvが500〜800に調質
されたφ3.6のシリコンクロム鋼オイルテンパー線を
用いて、ばね平均径23.2mm、ばね高さ58mm、
総巻き数7.5巻き、有効巻き数5.5巻きのコイルば
ねを成形した。ただし、母材硬度Hv≧750のコイル
ばねは浸炭窒化したものである。
【0015】その後、0.8mm径のスチールカットワ
イヤで、しかもショット粒の投射速度を75m/sec
一定としてショットピーニングを行うが、予め0℃〜−
90℃の範囲で冷却したショット粒を直ちにインペラー
で投射して、コイルばねに圧縮残留応力を付与すること
とした。ここで本発明の効果を明瞭にするために、これ
らすべてのコイルばね残留応力分布を測定した。このこ
とによって得られた、コイルばねを表1にまとめて示し
た。ただし、本実施例においては、予め冷却したショッ
ト粒でショットピーニング処理したことの効果を疲労強
度で明確にするため、バレル研磨は実施していない。
【0016】このようにして製造したコイルばねについ
て、ばね形状から計算される剪断応力がτm=70±5
0kgf/mm2 になるように圧縮荷重を繰り返し負荷して疲
労寿命を求めた。これらの結果を表2に示す。その結
果、本発明のショットピーニング処理コイルばねは、高
寿命を示すものであることがわかる。破断位置をSEM
観察したところ、表面からの深さ310〜410μmで
介在物を起点としたものであった。
【0017】一方、本発明のショットピーニング処理を
しなかった比較材の破断は、表面疵からの疲労破断か、
あるいは内部100〜300μmに存在した介在物を起
点とした疲労破断であった。つまり、単に圧縮残留応力
を付与しても、応力分布から外れて介在物があると、そ
れを起点に破断することとなる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、従来のコイルばねで
は圧縮残留応力分布が小さくて疲労寿命が十分達成でき
なかったが、本発明に従って処理されたコイルばねを用
いれば自動車エンジンの弁ばねあるいは懸架ばねの疲労
強度を大幅に向上させることができるので、産業上極め
て有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材硬さHvが550以上に調質された
    コイルばねに、予め冷却したショット粒を投射すること
    を特徴とするコイルばねの疲労強度向上ショットピーニ
    ング法。
JP21905891A 1991-08-29 1991-08-29 コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法 Withdrawn JPH0557614A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21905891A JPH0557614A (ja) 1991-08-29 1991-08-29 コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21905891A JPH0557614A (ja) 1991-08-29 1991-08-29 コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法

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Publication Number Publication Date
JPH0557614A true JPH0557614A (ja) 1993-03-09

Family

ID=16729611

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JP21905891A Withdrawn JPH0557614A (ja) 1991-08-29 1991-08-29 コイルばねの疲労強度向上シヨツトピーニング法

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Effective date: 19981112