JPH0557331A - 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法Info
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- JPH0557331A JPH0557331A JP24838091A JP24838091A JPH0557331A JP H0557331 A JPH0557331 A JP H0557331A JP 24838091 A JP24838091 A JP 24838091A JP 24838091 A JP24838091 A JP 24838091A JP H0557331 A JPH0557331 A JP H0557331A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 加熱炉で生成する表面酸化物を完全に除去
し、表面性状の良好な熱延鋼板を製造する。 【構成】 熱延鋼板の製造工程において、サイジングプ
レスの直前からプレス中にかけて、鋼板表面を1100
℃以下に冷却し、表面の温度が低い状態で1%以上の変
形を加え、表面のスケールを除去する。
し、表面性状の良好な熱延鋼板を製造する。 【構成】 熱延鋼板の製造工程において、サイジングプ
レスの直前からプレス中にかけて、鋼板表面を1100
℃以下に冷却し、表面の温度が低い状態で1%以上の変
形を加え、表面のスケールを除去する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板の熱間圧延方法に
関するもので、その目的は加熱炉にて生成する表面酸化
物を完全に除去することによって、表面性状の良好なる
熱延鋼板を製造する方法に関する。
関するもので、その目的は加熱炉にて生成する表面酸化
物を完全に除去することによって、表面性状の良好なる
熱延鋼板を製造する方法に関する。
【0002】鋼材の熱間圧延工程は、圧延を800℃〜
1100℃といった高温下で行うため、加熱炉で鋼片を
1100℃〜1300℃に加熱する必要がある。このよ
うな高温下では鋼片の表面にスケールと呼ばれる酸化皮
膜が成長する。このスケールは、酸化鉄(Fe203,F
e304,Fe0)を主体とし、合金成分によってはCr
203,Si02,Al203等を含む酸化生成物からなっ
ており、加熱炉中において、スケール厚は0.5〜3.
0mmにもなる。
1100℃といった高温下で行うため、加熱炉で鋼片を
1100℃〜1300℃に加熱する必要がある。このよ
うな高温下では鋼片の表面にスケールと呼ばれる酸化皮
膜が成長する。このスケールは、酸化鉄(Fe203,F
e304,Fe0)を主体とし、合金成分によってはCr
203,Si02,Al203等を含む酸化生成物からなっ
ており、加熱炉中において、スケール厚は0.5〜3.
0mmにもなる。
【0003】熱間圧延時に、鋼材表面にスケールが存在
すると、疵の原因となるため、圧延の前にスケールの除
去を行っている。特に、加熱炉において生成したスケー
ルが粗圧延の前に完全に除去されなかった場合、そのス
ケールは圧延を繰り返した後の最終製品の表面に残り、
黒皮材の表面性状を悪化させるばかりではなく、酸洗を
行いスケール除去を行った後の表面をも悪化させる。
すると、疵の原因となるため、圧延の前にスケールの除
去を行っている。特に、加熱炉において生成したスケー
ルが粗圧延の前に完全に除去されなかった場合、そのス
ケールは圧延を繰り返した後の最終製品の表面に残り、
黒皮材の表面性状を悪化させるばかりではなく、酸洗を
行いスケール除去を行った後の表面をも悪化させる。
【0004】このため、粗圧延の前におけるデスケーリ
ングは重要であり、通常、鋼片に表裏両面から100〜
150kgf/cm2の高圧水を噴射させて、スケールの除去
を行っている。また、 ただ単に高圧水を噴射させるだ
けでなく、縦型圧延機によって横からの変形を加え、ス
ケール層を浮き上がらせ剥離しやすい状態にしてから高
圧水を噴射することが行われている。
ングは重要であり、通常、鋼片に表裏両面から100〜
150kgf/cm2の高圧水を噴射させて、スケールの除去
を行っている。また、 ただ単に高圧水を噴射させるだ
けでなく、縦型圧延機によって横からの変形を加え、ス
ケール層を浮き上がらせ剥離しやすい状態にしてから高
圧水を噴射することが行われている。
【0005】例えば、特開昭63−309318号公報
では、幅圧延する過程において、スラブ表面に気水混合
流体を噴射して酸化スケールを除去する方法が示されて
いる。また、特開昭53−85755号公報では、横形
鍛造プレスを用いてスケールの剥離を起こさせる方法が
示されている。しかし、このような高圧水や縦型圧延
機、横型プレス等を用いても、Si,Ti入り鋼等一部
鋼種によっては完全にデスケーリングできない物があ
る。
では、幅圧延する過程において、スラブ表面に気水混合
流体を噴射して酸化スケールを除去する方法が示されて
いる。また、特開昭53−85755号公報では、横形
鍛造プレスを用いてスケールの剥離を起こさせる方法が
示されている。しかし、このような高圧水や縦型圧延
機、横型プレス等を用いても、Si,Ti入り鋼等一部
鋼種によっては完全にデスケーリングできない物があ
る。
【0006】例えば鋼中にSiが入っていた場合、低融
点酸化物ファイアライト(2Fe0・Si02)が生成
し、ファイアライトとウスタイトの共晶温度1170℃
以上では溶融層が生じるため、非常に剥離性が悪化す
る。そのため、デスケーリングが不十分となり、赤スケ
ールと呼ばれるスケール疵が発生する。この赤スケール
の発生を抑制するため、鋼中のSi量を抑制したり、あ
るいは加熱温度を溶融層の生じない1170℃以下にす
る、といった対策が採られてきた。
点酸化物ファイアライト(2Fe0・Si02)が生成
し、ファイアライトとウスタイトの共晶温度1170℃
以上では溶融層が生じるため、非常に剥離性が悪化す
る。そのため、デスケーリングが不十分となり、赤スケ
ールと呼ばれるスケール疵が発生する。この赤スケール
の発生を抑制するため、鋼中のSi量を抑制したり、あ
るいは加熱温度を溶融層の生じない1170℃以下にす
る、といった対策が採られてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】粗圧延前のデスケーリ
ング装置によって、加熱炉で生成したスケールが完全に
除去できないのは、合金元素の酸化物が原因となること
が多い。ここでは、いちばん問題となるSiを例にとっ
て説明する。
ング装置によって、加熱炉で生成したスケールが完全に
除去できないのは、合金元素の酸化物が原因となること
が多い。ここでは、いちばん問題となるSiを例にとっ
て説明する。
【0008】Si含有熱延鋼板の場合、1000℃以上
では低融点酸化物ファイアライト(2Fe0−Si
02)が生成する。さらに、ファイアライトとウスタイ
トの共晶温度1170℃以上になると溶融層が生じる。
ここで一般に高圧水によるデスケーリングは、水流の衝
突による機械的応力と、水流による冷却により生じる熱
応力と、スケールの成長による圧縮応力(スケールは生
成時に体積膨張する)の総合された応力によってなされ
ていることが知られている。
では低融点酸化物ファイアライト(2Fe0−Si
02)が生成する。さらに、ファイアライトとウスタイ
トの共晶温度1170℃以上になると溶融層が生じる。
ここで一般に高圧水によるデスケーリングは、水流の衝
突による機械的応力と、水流による冷却により生じる熱
応力と、スケールの成長による圧縮応力(スケールは生
成時に体積膨張する)の総合された応力によってなされ
ていることが知られている。
【0009】しかし、Si含有熱延鋼板において加熱時
に1170℃以上となると、溶融層が生じるため、スケ
ール成長による圧縮応力は解放され、また、デスケーリ
ング時に1170℃以上となる場合には、熱応力も十分
に発生しないので、デスケーリングが不十分となりやす
い。これは、高圧水によるデスケーリングに加え、縦型
圧延機や横型鍛造プレスを用いた機械的なスケール剥離
を加えた場合にもさこの問題は解決できなかった。
に1170℃以上となると、溶融層が生じるため、スケ
ール成長による圧縮応力は解放され、また、デスケーリ
ング時に1170℃以上となる場合には、熱応力も十分
に発生しないので、デスケーリングが不十分となりやす
い。これは、高圧水によるデスケーリングに加え、縦型
圧延機や横型鍛造プレスを用いた機械的なスケール剥離
を加えた場合にもさこの問題は解決できなかった。
【0010】これは、横からの変形を加えても、スケー
ル層は十分な変形能力を持っているためにスケール層が
剥離しないためである。このため、従来より二つの対策
が採られてきた。一つは、鋼中のSi量を抑制する方法
である。しかし、鋼中のSiは、鋼板の成形性を向上さ
せ、さらに耐疲労性も向上させる。従って、鋼板の機械
的特性を向上させるには、Si量を増加させたいという
要望がある。
ル層は十分な変形能力を持っているためにスケール層が
剥離しないためである。このため、従来より二つの対策
が採られてきた。一つは、鋼中のSi量を抑制する方法
である。しかし、鋼中のSiは、鋼板の成形性を向上さ
せ、さらに耐疲労性も向上させる。従って、鋼板の機械
的特性を向上させるには、Si量を増加させたいという
要望がある。
【0011】もう一つの方法は、鋼片の加熱温度を溶融
層が生じない1170℃以下に抑制する方法である。し
かし、加熱温度を低くした場合、圧延温度が低くなるた
め、圧延荷重、トルクが高くなり、板厚が薄い物、ある
いは、板幅が広い物の生産できないといった問題点があ
った。本発明の目的は、表面性状の良好なる熱延鋼板を
製造するため、その製造工程内において、加熱炉におい
て発生したスケールを圧延前に完全に除去する方法を提
供することである。
層が生じない1170℃以下に抑制する方法である。し
かし、加熱温度を低くした場合、圧延温度が低くなるた
め、圧延荷重、トルクが高くなり、板厚が薄い物、ある
いは、板幅が広い物の生産できないといった問題点があ
った。本発明の目的は、表面性状の良好なる熱延鋼板を
製造するため、その製造工程内において、加熱炉におい
て発生したスケールを圧延前に完全に除去する方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】熱延鋼板の製造プロセス
において、鋳片の幅サイズの統合を目的とした幅サイジ
ングプレス(横型鍛造プレス)が導入されている。これ
は、鋳片を両側のダイスによりプレスし、鋳片の幅を最
大30%まで変化させようというものである。サイジン
グプレスでプレスした時には、鋳片は幅方向全ての領域
で変形する。従って、1%圧下した時には鋳片の幅方向
全ての表面にも約1%の歪が加わる。
において、鋳片の幅サイズの統合を目的とした幅サイジ
ングプレス(横型鍛造プレス)が導入されている。これ
は、鋳片を両側のダイスによりプレスし、鋳片の幅を最
大30%まで変化させようというものである。サイジン
グプレスでプレスした時には、鋳片は幅方向全ての領域
で変形する。従って、1%圧下した時には鋳片の幅方向
全ての表面にも約1%の歪が加わる。
【0013】熱延鋼板のデスケーリングは、鋼板とスケ
ールの界面における応力がある一定の値を越えたとき
に、鋼板とスケールの界面が破壊されることによって生
じる。従って、サイジングプレスによって鋼板を変形さ
せたときに、スケールがその変形に追従できなければ、
スケール層は破壊され、剥離する。
ールの界面における応力がある一定の値を越えたとき
に、鋼板とスケールの界面が破壊されることによって生
じる。従って、サイジングプレスによって鋼板を変形さ
せたときに、スケールがその変形に追従できなければ、
スケール層は破壊され、剥離する。
【0014】本発明者らは、Si含有鋼等の難脱スケー
ル鋼における、サイジングプレス時の表面スケールの変
形挙動を詳細に調べた。その結果、Si含有鋼の場合、
1170℃以上では溶融層を生じるため、プレスによっ
て横から変形させても歪は生じず、スケールは剥離しな
かった。また1100℃以上でもスケール層は可塑性と
なり、プレスを行ってもスケールは剥離しなかった。
ル鋼における、サイジングプレス時の表面スケールの変
形挙動を詳細に調べた。その結果、Si含有鋼の場合、
1170℃以上では溶融層を生じるため、プレスによっ
て横から変形させても歪は生じず、スケールは剥離しな
かった。また1100℃以上でもスケール層は可塑性と
なり、プレスを行ってもスケールは剥離しなかった。
【0015】しかし、1100℃以下ではスケールは脆
性的な性質を示し、わずか1%の圧下を加えただけでも
スケールは破壊され、剥離した。これらの事実により、
1100℃以下の温度領域でプレスを行った場合、表面
のスケールは破壊・剥離することがわかった。しかし、
熱延鋼板の圧延では、圧延荷重・トルクの軽減化のた
め、あるいは機械的性質の確保のため、圧延温度を高く
することが望まれており、サイジングプレス時の温度が
1100℃では低すぎる。
性的な性質を示し、わずか1%の圧下を加えただけでも
スケールは破壊され、剥離した。これらの事実により、
1100℃以下の温度領域でプレスを行った場合、表面
のスケールは破壊・剥離することがわかった。しかし、
熱延鋼板の圧延では、圧延荷重・トルクの軽減化のた
め、あるいは機械的性質の確保のため、圧延温度を高く
することが望まれており、サイジングプレス時の温度が
1100℃では低すぎる。
【0016】ここで、1100℃以下でなければならな
いのは、スケールのみである。したがって、鋳片の温度
は高温にし、サイジングプレス直前で冷却し、表面のス
ケールのみを1100℃以下とすることによって、スケ
ールは剥離し、鋳片の温度は高温であるといった状態が
成り立つことを発見した。
いのは、スケールのみである。したがって、鋳片の温度
は高温にし、サイジングプレス直前で冷却し、表面のス
ケールのみを1100℃以下とすることによって、スケ
ールは剥離し、鋳片の温度は高温であるといった状態が
成り立つことを発見した。
【0017】本発明の構成および作用について、図1を
参照して以下に詳細に説明する。加熱炉において、鋼片
は1200〜1300℃に加熱され、表面に2〜3mmの
スケールが生成する。スケールは、高温であるため塑性
変形能を有し、更にSi等の合金元素を含有する場合に
は、低融点酸化物を作るために溶融状態になっている。
このような状態で、サイジングプレス2より鋼片1を変
形させても、表面のスケールは母材の変形に追従し、ス
ケールは剥離しない。ここで、サイジングプレス2の入
側からプレスしているところまでにおいて鋼板表面を冷
却装置3によって冷却し、表面のスケールの温度を11
00℃以下にする。スケールは1100℃以下になる
と、脆性的な性質を示し、サイジングプレス2により横
からの変形を受けると、母材の変形に追従できず、母材
とスケールの界面が破壊され、スケールは剥離する。
参照して以下に詳細に説明する。加熱炉において、鋼片
は1200〜1300℃に加熱され、表面に2〜3mmの
スケールが生成する。スケールは、高温であるため塑性
変形能を有し、更にSi等の合金元素を含有する場合に
は、低融点酸化物を作るために溶融状態になっている。
このような状態で、サイジングプレス2より鋼片1を変
形させても、表面のスケールは母材の変形に追従し、ス
ケールは剥離しない。ここで、サイジングプレス2の入
側からプレスしているところまでにおいて鋼板表面を冷
却装置3によって冷却し、表面のスケールの温度を11
00℃以下にする。スケールは1100℃以下になる
と、脆性的な性質を示し、サイジングプレス2により横
からの変形を受けると、母材の変形に追従できず、母材
とスケールの界面が破壊され、スケールは剥離する。
【0018】ここでサイジングプレスによる幅圧下率を
1%以上とするのは、これ以下では母材の変形が小さ
く、母材とスケールの界面が破壊されないためである。
剥離したテスールは、冷却ノズルによる水流によって流
されるが、冷却ノズルとは別にサイジングプレスの出側
にスケール除去用のノズルを設置すると剥離スケールが
完全に除去されて更に望ましい。
1%以上とするのは、これ以下では母材の変形が小さ
く、母材とスケールの界面が破壊されないためである。
剥離したテスールは、冷却ノズルによる水流によって流
されるが、冷却ノズルとは別にサイジングプレスの出側
にスケール除去用のノズルを設置すると剥離スケールが
完全に除去されて更に望ましい。
【0019】このようにして、加熱炉において生成した
スケールは完全に除去される。この時、サイジングプレ
スにおいて冷却するのは、スケール部分を含む極表層の
みなので、鋼片全体の平均温度はほとんど下がらず、ま
た、鋼片表層もすぐに復熱するので、その後の圧延に全
く影響を及ぼさない。また、極表層のみを冷やすだけな
ので、サイジングプレスによってスラブ表面に割れは発
生しない。鋼板表面温度(スケールの温度)と鋼板中心
温度のサイジングプレス前後における変化を図2を用い
て説明する。
スケールは完全に除去される。この時、サイジングプレ
スにおいて冷却するのは、スケール部分を含む極表層の
みなので、鋼片全体の平均温度はほとんど下がらず、ま
た、鋼片表層もすぐに復熱するので、その後の圧延に全
く影響を及ぼさない。また、極表層のみを冷やすだけな
ので、サイジングプレスによってスラブ表面に割れは発
生しない。鋼板表面温度(スケールの温度)と鋼板中心
温度のサイジングプレス前後における変化を図2を用い
て説明する。
【0020】サイジングプレス入側において鋼片1の表
面温度は約1240℃、中心温度は約1260℃であ
る。この温度のままサイジングプレス2により鋼片1を
プレスし幅を変化させても、表面のスケールは十分に変
形できるので、表面から剥離しない。ここでサイジング
プレス入側から出側までの間に水冷装置を取り付け、表
面を冷却する。すると、鋼片の表面温度は冷却開始直後
から急激に冷える。しかし、鋼片の厚さは200mm以上
あるので、鋼片中心温度はほとんど変化しない。鋼板の
表面温度は、冷却中下がり続け、実際にプレスにより変
形しているときには、1100℃以下となる。しかし、
温度が低下しているのは極表層のみであるため、表面の
冷却をやめると、復熱し、しばらくすると、中心温度に
近い温度に戻る。よって、この冷却装置による鋼片の温
度低下はごくわずかであり、圧延等の次工程にはほとん
ど影響しない。
面温度は約1240℃、中心温度は約1260℃であ
る。この温度のままサイジングプレス2により鋼片1を
プレスし幅を変化させても、表面のスケールは十分に変
形できるので、表面から剥離しない。ここでサイジング
プレス入側から出側までの間に水冷装置を取り付け、表
面を冷却する。すると、鋼片の表面温度は冷却開始直後
から急激に冷える。しかし、鋼片の厚さは200mm以上
あるので、鋼片中心温度はほとんど変化しない。鋼板の
表面温度は、冷却中下がり続け、実際にプレスにより変
形しているときには、1100℃以下となる。しかし、
温度が低下しているのは極表層のみであるため、表面の
冷却をやめると、復熱し、しばらくすると、中心温度に
近い温度に戻る。よって、この冷却装置による鋼片の温
度低下はごくわずかであり、圧延等の次工程にはほとん
ど影響しない。
【0021】また、本発明では、母材に横からの変形を
与える方法として、サイジングプレスによるプレス変形
を用いているが、これは、エッジャーロールによるエッ
ジング圧延でも同様の効果が得られる。ただ、エッジャ
ーロールの場合は、幅圧下率を大きくすることができ
ず、また、変形が幅方向において不均一となりやすいた
め、サイジングプレスを用いたときよりも、効果が小さ
くなる。
与える方法として、サイジングプレスによるプレス変形
を用いているが、これは、エッジャーロールによるエッ
ジング圧延でも同様の効果が得られる。ただ、エッジャ
ーロールの場合は、幅圧下率を大きくすることができ
ず、また、変形が幅方向において不均一となりやすいた
め、サイジングプレスを用いたときよりも、効果が小さ
くなる。
【実施例】鋼板の熱間圧延ラインにおいて、サイジング
プレスの直前(0.5m 前)からプレス終了までの間
に、冷却ノズル(圧力15kgf/cm2)を設置した。試験
には、Si含有鋼(Si=0.4%)を用い、冷却を行
わなかった時と、冷却を行った時の圧延後の表面性状を
比較した。実施結果を表1に示す。表面性状は表面性状
コード(1から5まで)によって表し、数字が大きくな
るほど状態は悪い。
プレスの直前(0.5m 前)からプレス終了までの間
に、冷却ノズル(圧力15kgf/cm2)を設置した。試験
には、Si含有鋼(Si=0.4%)を用い、冷却を行
わなかった時と、冷却を行った時の圧延後の表面性状を
比較した。実施結果を表1に示す。表面性状は表面性状
コード(1から5まで)によって表し、数字が大きくな
るほど状態は悪い。
【0022】
【表1】
【0023】本発明による冷却を行わない場合、加熱温
度が低くなるにつれて表面性状は良くなる。しかし実際
には、加熱温度が1200℃以下では、圧延時の変形抵
抗が高く、板厚の薄い製品、あるいは板幅の広い製品は
製造できなかった。これに対して、本発明による方法で
は、前加熱温度条件において表面性状は良くなり、特に
加熱温度1260℃以下の場合、表面の状態は非常に良
かった。
度が低くなるにつれて表面性状は良くなる。しかし実際
には、加熱温度が1200℃以下では、圧延時の変形抵
抗が高く、板厚の薄い製品、あるいは板幅の広い製品は
製造できなかった。これに対して、本発明による方法で
は、前加熱温度条件において表面性状は良くなり、特に
加熱温度1260℃以下の場合、表面の状態は非常に良
かった。
【0024】
【発明の効果】加熱炉において生成したスケール、特に
除去困難な低融点酸化物を含むスケールを、スケール残
りなく完全に除去することが可能となり、表面性状の良
好な熱延鋼板を製造することができた。
除去困難な低融点酸化物を含むスケールを、スケール残
りなく完全に除去することが可能となり、表面性状の良
好な熱延鋼板を製造することができた。
【図1】本発明における、冷却装置をサイジングプレス
にとりつけた時の略式説明図である。
にとりつけた時の略式説明図である。
【図2】本発明による熱延鋼板の製造を行う場合の鋼片
表面温度と中心温度の変化を表す図である。
表面温度と中心温度の変化を表す図である。
1:鋼片 2:サイジングプレス 3:水冷装置
Claims (2)
- 【請求項1】 熱延鋼板の製造工程において、サイジン
グプレスの直前からプレス中にかけて、鋼板表面を11
00℃以下に冷却し、表面の温度が低い状態で1%以上
の変形を加え、表面のスケールを除去することを特徴と
する熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 サイジングプレス出側において、浮き上
がったスケールを取り除くため水流あるいは気流を鋼板
表面に吹き付けることを特徴とする請求項1記載の方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24838091A JPH0557331A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24838091A JPH0557331A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0557331A true JPH0557331A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17177246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24838091A Pending JPH0557331A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0557331A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104384209A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-03-04 | 首钢总公司 | 一种消除机清条纹的方法 |
-
1991
- 1991-09-03 JP JP24838091A patent/JPH0557331A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104384209A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-03-04 | 首钢总公司 | 一种消除机清条纹的方法 |
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