JPH0557298A - メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置 - Google Patents
メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置Info
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- JPH0557298A JPH0557298A JP21681891A JP21681891A JPH0557298A JP H0557298 A JPH0557298 A JP H0557298A JP 21681891 A JP21681891 A JP 21681891A JP 21681891 A JP21681891 A JP 21681891A JP H0557298 A JPH0557298 A JP H0557298A
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- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 メタン発酵槽内における液相の有機酸濃度を
測定する操作を自動化することができる上、検体中に残
存するリン酸塩等の不揮発性のアルカリに起因する測定
結果への誤差を最小限とし、測定精度を高めることがで
きる有機酸の測定方法及び装置を提供することを目的と
する。 【構成】 メタン発酵槽1から採取された試料を、試料
前処理装置3によりリン酸イオンを不溶性の塩とし、限
外濾過装置6を透過した一定量の試料が、内部にpH計
が配設された滴定用反応器9に注入され、該滴定用反応
器9内の試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した空気
をバブリングして、試料中の炭酸と硫化水素等を揮散
し、演算制御装置17の出力に基づいて作動する酸注入
装置21によって試料を酸性化した後、自動ビュレット
20によって中和滴定を行って、この中和滴定に要した
アルカリ溶液の量から試料中の有機酸の総量を算出する
メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置を提供する。
測定する操作を自動化することができる上、検体中に残
存するリン酸塩等の不揮発性のアルカリに起因する測定
結果への誤差を最小限とし、測定精度を高めることがで
きる有機酸の測定方法及び装置を提供することを目的と
する。 【構成】 メタン発酵槽1から採取された試料を、試料
前処理装置3によりリン酸イオンを不溶性の塩とし、限
外濾過装置6を透過した一定量の試料が、内部にpH計
が配設された滴定用反応器9に注入され、該滴定用反応
器9内の試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した空気
をバブリングして、試料中の炭酸と硫化水素等を揮散
し、演算制御装置17の出力に基づいて作動する酸注入
装置21によって試料を酸性化した後、自動ビュレット
20によって中和滴定を行って、この中和滴定に要した
アルカリ溶液の量から試料中の有機酸の総量を算出する
メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタン発酵槽内における
液相の有機酸濃度を測定する方法及び装置に関するもの
である。
液相の有機酸濃度を測定する方法及び装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来からメタン発酵槽内における液相の
揮発性有機酸(CH3COOHmg/l)の濃度を測定
する方法として、以下に記す5つの手段が知られてい
る。
揮発性有機酸(CH3COOHmg/l)の濃度を測定
する方法として、以下に記す5つの手段が知られてい
る。
【0003】(1)水蒸気蒸留法・・・・・検体を遠心分離
機にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えてpH3〜4
に酸性化し、これに硫酸マグネシウムと硫酸銅水溶液を
添加し、しかる後に水蒸気蒸留を行い、留出液にフェノ
ールフタレイン指示薬2〜3滴を加え、N/10水酸化
ナトリウム溶液で中和滴定して要した水酸化ナトリウム
溶液の量(ml)を求める。更にN/10水酸化ナトリ
ウム溶液を所定量加え、直ちに塩化バリウムを加えて密
栓し、振り混ぜながら5分間放置する。次いでN/10
塩を紅色が消えるまで滴定し、要したN/10塩酸の量
と上記水酸化ナトリウムの量とから揮発性有機酸濃度を
算出する(下水試験方法の1984年版を参照)。
機にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えてpH3〜4
に酸性化し、これに硫酸マグネシウムと硫酸銅水溶液を
添加し、しかる後に水蒸気蒸留を行い、留出液にフェノ
ールフタレイン指示薬2〜3滴を加え、N/10水酸化
ナトリウム溶液で中和滴定して要した水酸化ナトリウム
溶液の量(ml)を求める。更にN/10水酸化ナトリ
ウム溶液を所定量加え、直ちに塩化バリウムを加えて密
栓し、振り混ぜながら5分間放置する。次いでN/10
塩を紅色が消えるまで滴定し、要したN/10塩酸の量
と上記水酸化ナトリウムの量とから揮発性有機酸濃度を
算出する(下水試験方法の1984年版を参照)。
【0004】(2)直接滴定法・・・・・検体を遠心分離機
にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えてpH3.5に
酸性化する。次にホットプレート上で還流冷却器をつけ
て5分間沸騰して二酸化炭素を除去した後、室温に冷却
し、この液をN/10水酸化ナトリウム溶液でpHを
4.0に調整する。更にN/10水酸化ナトリウム溶液
でpHが7.0になるまで中和滴定を行い、pHが4.
0から7.0になるまでに要したN/10水酸化ナトリ
ウム溶液の量(ml)から揮発性有機酸濃度を酢酸のm
g/lとして算出する(下水試験方法の1974年版を
参照)。
にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えてpH3.5に
酸性化する。次にホットプレート上で還流冷却器をつけ
て5分間沸騰して二酸化炭素を除去した後、室温に冷却
し、この液をN/10水酸化ナトリウム溶液でpHを
4.0に調整する。更にN/10水酸化ナトリウム溶液
でpHが7.0になるまで中和滴定を行い、pHが4.
0から7.0になるまでに要したN/10水酸化ナトリ
ウム溶液の量(ml)から揮発性有機酸濃度を酢酸のm
g/lとして算出する(下水試験方法の1974年版を
参照)。
【0005】(3)直接蒸留法・・・・・検体を遠心分離機
にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えて酸性化し、蒸
留速度毎分5〜6mlで直接蒸留し、この留出液にフェ
ノールフタレイン指示薬を加え、N/10水酸化ナトリ
ウム溶液で中和滴定する。そして要した水酸化ナトリウ
ム溶液の量mlから揮発性有機酸濃度を酢酸のmg/l
として算出する(下水試験方法の1974年版を参
照)。
にかけ、上澄液に硫酸(1+1)を加えて酸性化し、蒸
留速度毎分5〜6mlで直接蒸留し、この留出液にフェ
ノールフタレイン指示薬を加え、N/10水酸化ナトリ
ウム溶液で中和滴定する。そして要した水酸化ナトリウ
ム溶液の量mlから揮発性有機酸濃度を酢酸のmg/l
として算出する(下水試験方法の1974年版を参
照)。
【0006】(4)ガスクロマトグラフ法・・・・・脂肪
酸,例えば酢酸5mlを水に溶かして1lとして脂肪酸
標準液とする。この標準液は使用のつど濃度を標定す
る。そして検体を遠心分離機にかけ、上澄液にpH11
になるまで水酸化ナトリゥム溶液を加え、濃縮冷却した
後、濃縮液に塩酸(1+2)を加えてpH4以下に調整
し、更に蟻酸10mlを加え、水を加えて試料液とす
る。この試料液を脂肪酸標準液に注入してガスクロマト
グラムを記録し、脂肪酸の保持時間に相当する位置のピ
ーク面積を測定し、検量線から当該脂肪酸の量を求め、
試料中の揮発性脂肪酸濃度(mg/l)を算出する(下
水試験方法の1984年版を参照)。
酸,例えば酢酸5mlを水に溶かして1lとして脂肪酸
標準液とする。この標準液は使用のつど濃度を標定す
る。そして検体を遠心分離機にかけ、上澄液にpH11
になるまで水酸化ナトリゥム溶液を加え、濃縮冷却した
後、濃縮液に塩酸(1+2)を加えてpH4以下に調整
し、更に蟻酸10mlを加え、水を加えて試料液とす
る。この試料液を脂肪酸標準液に注入してガスクロマト
グラムを記録し、脂肪酸の保持時間に相当する位置のピ
ーク面積を測定し、検量線から当該脂肪酸の量を求め、
試料中の揮発性脂肪酸濃度(mg/l)を算出する(下
水試験方法の1984年版を参照)。
【0007】(5)イオンクロマトグラフ法・・・・・移動
相としてイオンを用いるクロマトグラフ法(基本的な手
段はガスクロマトグラフと共通であるため、詳細な説明
は省略する)。
相としてイオンを用いるクロマトグラフ法(基本的な手
段はガスクロマトグラフと共通であるため、詳細な説明
は省略する)。
【0008】上記5つの手段の中で、比較的精度が高い
(1)の水蒸気蒸留法が一般に採用されているが、この
水蒸気蒸留法は操作が煩瑣で測定時間がかかるという難
点がある。又、ガスクロマトグラフ法の場合も操作がや
や煩瑣であり、且つ蟻酸の濃度が測定できない等の難点
があるため、普及率は低くなっている。そして遠心分離
機による上澄液の採取とか、ホットプレート上で還流冷
却器をつけての沸騰による二酸化炭素の除去等の自動化
が難しい操作が含まれているため、上記(1),
(2),(3),(4)の各手段を利用した有機酸の自
動測定装置は実用化されていない現状にある。
(1)の水蒸気蒸留法が一般に採用されているが、この
水蒸気蒸留法は操作が煩瑣で測定時間がかかるという難
点がある。又、ガスクロマトグラフ法の場合も操作がや
や煩瑣であり、且つ蟻酸の濃度が測定できない等の難点
があるため、普及率は低くなっている。そして遠心分離
機による上澄液の採取とか、ホットプレート上で還流冷
却器をつけての沸騰による二酸化炭素の除去等の自動化
が難しい操作が含まれているため、上記(1),
(2),(3),(4)の各手段を利用した有機酸の自
動測定装置は実用化されていない現状にある。
【0009】上記の手段以外にも、イオン選択電極法と
か、希釈電導度法を利用した有機酸測定装置も開発され
ているが、操作の煩瑣性に加えて測定精度が充分に満足
できる水準に達していない。
か、希釈電導度法を利用した有機酸測定装置も開発され
ているが、操作の煩瑣性に加えて測定精度が充分に満足
できる水準に達していない。
【0010】そこで近時は、操作が比較的簡易であり、
各種の有機酸が種類毎に分別測定できるイオンクロマト
グラフ法が普及しつつあり、更に限外濾過装置とイオン
クロマトグラフ法とを組み合わせた有機酸自動装置が市
販されている。
各種の有機酸が種類毎に分別測定できるイオンクロマト
グラフ法が普及しつつあり、更に限外濾過装置とイオン
クロマトグラフ法とを組み合わせた有機酸自動装置が市
販されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のメタン発酵槽内における液相の有機酸測定装置
の場合、操作が煩瑣で測定時間がかかる上、測定操作を
自動化することが困難であるという課題があった。
な従来のメタン発酵槽内における液相の有機酸測定装置
の場合、操作が煩瑣で測定時間がかかる上、測定操作を
自動化することが困難であるという課題があった。
【0012】即ち、前記(1)(2)(3)の各手段
は、検体の遠心分離操作,加熱還流操作及び水蒸気蒸留
操作を必要とするが、これらの操作を自動化することは
技術的に困難である。更に(1)(3)の手段では、水
蒸気蒸留によって得られた有機酸を含む留出液にN/1
0水酸化ナトリウム溶液を用いて中和滴定を行っている
ため、測定精度は高い反面で水蒸気蒸留に長時間を要し
てしまうという難点がある。
は、検体の遠心分離操作,加熱還流操作及び水蒸気蒸留
操作を必要とするが、これらの操作を自動化することは
技術的に困難である。更に(1)(3)の手段では、水
蒸気蒸留によって得られた有機酸を含む留出液にN/1
0水酸化ナトリウム溶液を用いて中和滴定を行っている
ため、測定精度は高い反面で水蒸気蒸留に長時間を要し
てしまうという難点がある。
【0013】又、前記(2)の手段では、水蒸気蒸留は
行わず、代りに検体を還流冷却器を用いて沸騰させるこ
とにより溶解性の二酸化炭素を除去し、次にN/10水
酸化ナトリウム溶液を用いた中和滴定を実施しているた
め、比較的短時間で測定が行えるという利点があるが、
検体中に炭酸とか硫化水素が残存していたり、亜硝酸塩
とか亜硫酸塩又はリン酸塩等の不揮発性のアルカリ消費
物質があった場合には、測定結果に対して正の誤差を与
えてしまい、特に有機酸の低濃度領域における測定精度
が低下してしまうことがあるという問題点がある。
行わず、代りに検体を還流冷却器を用いて沸騰させるこ
とにより溶解性の二酸化炭素を除去し、次にN/10水
酸化ナトリウム溶液を用いた中和滴定を実施しているた
め、比較的短時間で測定が行えるという利点があるが、
検体中に炭酸とか硫化水素が残存していたり、亜硝酸塩
とか亜硫酸塩又はリン酸塩等の不揮発性のアルカリ消費
物質があった場合には、測定結果に対して正の誤差を与
えてしまい、特に有機酸の低濃度領域における測定精度
が低下してしまうことがあるという問題点がある。
【0014】更に前記(4)(5)の手段であるガスク
ロマトグラフ法とかイオンクロマトグラフ法における各
操作を自動化するには高度な技術が要求され、従って前
記した限外濾過装置とイオンクロマトグラフ法とを組み
合わせた有機酸自動装置は極めて高価になってしまうと
いう難点がある。
ロマトグラフ法とかイオンクロマトグラフ法における各
操作を自動化するには高度な技術が要求され、従って前
記した限外濾過装置とイオンクロマトグラフ法とを組み
合わせた有機酸自動装置は極めて高価になってしまうと
いう難点がある。
【0015】そこで本発明はこのような従来のメタン発
酵槽の有機酸測定手段が有している課題を解消して、測
定操作を自動化することができる上、検体中に残存する
リン酸塩等の不揮発性のアルカリに起因する測定結果へ
の誤差を最小限として、価格の高騰化をともなわずに測
定精度を高めることができる有機酸の測定方法及び装置
を提供することを目的とするものである。
酵槽の有機酸測定手段が有している課題を解消して、測
定操作を自動化することができる上、検体中に残存する
リン酸塩等の不揮発性のアルカリに起因する測定結果へ
の誤差を最小限として、価格の高騰化をともなわずに測
定精度を高めることができる有機酸の測定方法及び装置
を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、メタン発酵槽内の検体を限外濾過装置に
かけて、この限外濾過装置の濾過膜を透過した試料を酸
性化し、この試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した
空気を一定時間通気して試料中の溶解炭酸及び硫化水素
を揮散させ、更にアルカリ溶液を用いて中和滴定を行
い、この中和滴定に要した水酸化ナトリウム溶液の量か
ら試料中の有機酸の総量を算出する発酵槽の有機酸測定
方法を基本とし、上記検体の前処理として、試料中にリ
ン酸不溶化試薬を加えて限外濾過を行うことにより、検
体中のリン酸イオンを不溶性の塩として除去したメタン
発酵槽の有機酸測定方法を提供する。
成するために、メタン発酵槽内の検体を限外濾過装置に
かけて、この限外濾過装置の濾過膜を透過した試料を酸
性化し、この試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した
空気を一定時間通気して試料中の溶解炭酸及び硫化水素
を揮散させ、更にアルカリ溶液を用いて中和滴定を行
い、この中和滴定に要した水酸化ナトリウム溶液の量か
ら試料中の有機酸の総量を算出する発酵槽の有機酸測定
方法を基本とし、上記検体の前処理として、試料中にリ
ン酸不溶化試薬を加えて限外濾過を行うことにより、検
体中のリン酸イオンを不溶性の塩として除去したメタン
発酵槽の有機酸測定方法を提供する。
【0017】又、有機酸濃度範囲の大きさに応じて、中
和滴定範囲を予め設定された値に変更して、選択された
中和滴定範囲に相当するアルカリ溶液の滴定量を求め、
更に蒸留水を用いたブランク試験を実施してアルカリ溶
液の滴定量を求めて、両滴定量から試料中の有機酸の総
量を算出する測定方法にしてある。
和滴定範囲を予め設定された値に変更して、選択された
中和滴定範囲に相当するアルカリ溶液の滴定量を求め、
更に蒸留水を用いたブランク試験を実施してアルカリ溶
液の滴定量を求めて、両滴定量から試料中の有機酸の総
量を算出する測定方法にしてある。
【0018】更にメタン発酵槽から試料自動採取装置に
よって採取された試料を受け入れる試料前処理装置と、
この試料前処理装置に付設され、試料中のリン酸イオン
を不溶性の塩とする不溶化試薬注入装置と、前処理され
た試料を透過処理する限外濾過装置と、この限外濾過装
置を透過した一定量の試料が試料定量注入装置を介して
注入され、内部にpH計が配設された滴定用反応器と、
該滴定用反応器内の試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除
去した空気を通気して試料中の炭酸と硫化水素等を揮散
する装置と、上記試料を酸性化する酸注入装置と、試料
の中和滴定を行うアルカリ用の自動ビュレットと、前記
pH計の測定値に基づいて、酸注入装置及び自動ビュレ
ットの作動を制御する演算制御装置とを具備したメタン
発酵槽の有機酸測定装置の構成にしてある。
よって採取された試料を受け入れる試料前処理装置と、
この試料前処理装置に付設され、試料中のリン酸イオン
を不溶性の塩とする不溶化試薬注入装置と、前処理され
た試料を透過処理する限外濾過装置と、この限外濾過装
置を透過した一定量の試料が試料定量注入装置を介して
注入され、内部にpH計が配設された滴定用反応器と、
該滴定用反応器内の試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除
去した空気を通気して試料中の炭酸と硫化水素等を揮散
する装置と、上記試料を酸性化する酸注入装置と、試料
の中和滴定を行うアルカリ用の自動ビュレットと、前記
pH計の測定値に基づいて、酸注入装置及び自動ビュレ
ットの作動を制御する演算制御装置とを具備したメタン
発酵槽の有機酸測定装置の構成にしてある。
【0019】
【作用】かかるメタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置
によれば、メタン発酵槽から採取された試料中に、試料
前処理装置でリン酸不溶化試薬が撹拌混合されて、試料
中のリン酸イオンを不溶性の塩とした後、限外濾過装置
で濾過される。そして一定量の試料が滴定用反応器に供
給され、pH計によって試料の酸性度が測定され、この
pH計から入力される信号に基づいて、演算制御装置は
酸注入装置を作動して、試料が所定のpHに調整され
る。
によれば、メタン発酵槽から採取された試料中に、試料
前処理装置でリン酸不溶化試薬が撹拌混合されて、試料
中のリン酸イオンを不溶性の塩とした後、限外濾過装置
で濾過される。そして一定量の試料が滴定用反応器に供
給され、pH計によって試料の酸性度が測定され、この
pH計から入力される信号に基づいて、演算制御装置は
酸注入装置を作動して、試料が所定のpHに調整され
る。
【0020】そして試料中に通気される窒素ガス又は二
酸化炭素が除去されたガスによって、試料中に溶解され
ている炭酸と硫化水素が揮散され、更に自動ビュレット
の作動により、試料に対するアルカリ溶液の中和滴定が
行われ、中和滴定に要したアルカリ滴定量から、試料中
の有機酸の総量が算出される。
酸化炭素が除去されたガスによって、試料中に溶解され
ている炭酸と硫化水素が揮散され、更に自動ビュレット
の作動により、試料に対するアルカリ溶液の中和滴定が
行われ、中和滴定に要したアルカリ滴定量から、試料中
の有機酸の総量が算出される。
【0021】又、請求項3の測定方法を採用したことに
より、適宜に選択された中和滴定範囲に相当するアルカ
リ溶液の滴定量と、蒸留水を用いたブランク試験に基づ
くアルカリ溶液の滴定量とから有機酸濃度が高い範囲に
おけ算出値が補正されて、この算出値が実際の濃度より
も過小になることがなくなり、より正確に総有機酸濃度
を測定することができる。
より、適宜に選択された中和滴定範囲に相当するアルカ
リ溶液の滴定量と、蒸留水を用いたブランク試験に基づ
くアルカリ溶液の滴定量とから有機酸濃度が高い範囲に
おけ算出値が補正されて、この算出値が実際の濃度より
も過小になることがなくなり、より正確に総有機酸濃度
を測定することができる。
【0022】
【実施例】以下本発明にかかるメタン発酵槽の有機酸測
定装置の一実施例を詳述する。
定装置の一実施例を詳述する。
【0023】先ず図2に基づいて本発明装置の測定原理
を説明する。即ち、ステップ101により試料50mlを
採取する。この試料は、メタン発酵槽内の検体を限外濾
過装置にかけて、この限外濾過装置の濾過膜を透過した
液体を用いる。即ち下水試験方法の1974年版に記載
されているように、従来の試料が検体を遠心分離機にか
けた際の上澄液を用いているのに対して試料の採取方法
が先ず異なっている。
を説明する。即ち、ステップ101により試料50mlを
採取する。この試料は、メタン発酵槽内の検体を限外濾
過装置にかけて、この限外濾過装置の濾過膜を透過した
液体を用いる。即ち下水試験方法の1974年版に記載
されているように、従来の試料が検体を遠心分離機にか
けた際の上澄液を用いているのに対して試料の採取方法
が先ず異なっている。
【0024】次段のステップ102では、上記試料に硫酸
(1+1)を加えてpH2.5に酸性化し、次にステッ
プ103で窒素通気法,即ち窒素ガスN2を30分間バブリ
ングする。このバブリングにより、試料中の溶解炭酸と
が硫化水素が揮散される。尚、上記窒素ガスN2に代え
て二酸化炭素が除去された空気を用いることも可能であ
る。
(1+1)を加えてpH2.5に酸性化し、次にステッ
プ103で窒素通気法,即ち窒素ガスN2を30分間バブリ
ングする。このバブリングにより、試料中の溶解炭酸と
が硫化水素が揮散される。尚、上記窒素ガスN2に代え
て二酸化炭素が除去された空気を用いることも可能であ
る。
【0025】そしてステップ104でアルカリ溶液として
の10N水酸化ナトリウム溶液で試料のpHが3〜3.
5になるように調整し、次段のステップ105でN/10
水酸化ナトリウム溶液でpHが7になるまで中和滴定を
行い、ステップ106で試料のpHがpH4からpH7に
なるまでに要したN/10水酸化ナトリウム溶液ml
(a)の量から揮発性有機酸の総量を酢酸のmg/lと
して次式により算出する 。 総有機酸(CH3COOHmg/l)=aF×(1000/検体ml)×6.01・・・・・(1) ここでFはN/10水酸化ナトリウム溶液のファクター 尚、図2に示したステップ103Aは、前記下水試験方法の
1974年版に記載されている加熱法、即ち酸性化した
検体をホットプレート等のヒーター上で還流冷却器をつ
けて5分間沸騰して二酸化炭素を除去した後、室温に冷
却する方法を記載してあり、本発明におけるステップ10
3との相違を比較するために図示してある。
の10N水酸化ナトリウム溶液で試料のpHが3〜3.
5になるように調整し、次段のステップ105でN/10
水酸化ナトリウム溶液でpHが7になるまで中和滴定を
行い、ステップ106で試料のpHがpH4からpH7に
なるまでに要したN/10水酸化ナトリウム溶液ml
(a)の量から揮発性有機酸の総量を酢酸のmg/lと
して次式により算出する 。 総有機酸(CH3COOHmg/l)=aF×(1000/検体ml)×6.01・・・・・(1) ここでFはN/10水酸化ナトリウム溶液のファクター 尚、図2に示したステップ103Aは、前記下水試験方法の
1974年版に記載されている加熱法、即ち酸性化した
検体をホットプレート等のヒーター上で還流冷却器をつ
けて5分間沸騰して二酸化炭素を除去した後、室温に冷
却する方法を記載してあり、本発明におけるステップ10
3との相違を比較するために図示してある。
【0026】又、メタン発酵槽内の液相の亜硝酸塩とか
亜硫酸塩は低濃度であるが、リン酸塩がかなり含まれて
おり、このリン酸塩が測定結果に対して正の誤差を与え
てしまうことが考慮されるため、検体10ml当たり塩
化カルシウム溶液(1.1W/V%)2ml,及び水酸
化ナトリウム溶液(1W/V%)と炭酸ナトリウム溶液
(1.3W/V%)の等容混合液1mlを加えて10分
間放置した後、限外濾過を行い、リン酸イオンを不溶性
の塩として除去することが望ましい。
亜硫酸塩は低濃度であるが、リン酸塩がかなり含まれて
おり、このリン酸塩が測定結果に対して正の誤差を与え
てしまうことが考慮されるため、検体10ml当たり塩
化カルシウム溶液(1.1W/V%)2ml,及び水酸
化ナトリウム溶液(1W/V%)と炭酸ナトリウム溶液
(1.3W/V%)の等容混合液1mlを加えて10分
間放置した後、限外濾過を行い、リン酸イオンを不溶性
の塩として除去することが望ましい。
【0027】次に図1により、上記測定原理に基づくメ
タン発酵槽の有機酸測定装置の具体例を説明する。
タン発酵槽の有機酸測定装置の具体例を説明する。
【0028】図中の1はメタン発酵槽、2は試料自動採
取装置、3は試料前処理装置であり、この試料前処理装
置3にはリン酸不溶化試薬注入装置4と撹拌機5とが設
置されている。6は限外濾過装置、7は限外濾過膜透過
液貯留槽、8は試料定量注入装置である。
取装置、3は試料前処理装置であり、この試料前処理装
置3にはリン酸不溶化試薬注入装置4と撹拌機5とが設
置されている。6は限外濾過装置、7は限外濾過膜透過
液貯留槽、8は試料定量注入装置である。
【0029】9は滴定用反応器であり、この滴定用反応
器9にはエアポンプ又は窒素ガスボンベ10によって作
動する二酸化炭素吸着塔11と、洗浄水供給機構12か
ら滴定用反応器9に供給される洗浄水を断接する電動弁
13と、排水用の電動弁14と、撹拌機15とが設置し
てあり、更に該滴定用反応器9の内部には試料の酸性度
を測定するpH計16が取り付けられている。
器9にはエアポンプ又は窒素ガスボンベ10によって作
動する二酸化炭素吸着塔11と、洗浄水供給機構12か
ら滴定用反応器9に供給される洗浄水を断接する電動弁
13と、排水用の電動弁14と、撹拌機15とが設置し
てあり、更に該滴定用反応器9の内部には試料の酸性度
を測定するpH計16が取り付けられている。
【0030】17は演算制御装置であり、この演算制御
装置17には操作盤18と表示装置19とが配設されて
いる。20はアルカリとしての水酸化ナトリウム溶液の
自動ビュレット、21は硫酸注入装置であり、この自動
ビュレット20及び硫酸注入装置21の作動はともに演
算制御装置17の出力信号によって制御される。
装置17には操作盤18と表示装置19とが配設されて
いる。20はアルカリとしての水酸化ナトリウム溶液の
自動ビュレット、21は硫酸注入装置であり、この自動
ビュレット20及び硫酸注入装置21の作動はともに演
算制御装置17の出力信号によって制御される。
【0031】かかる有機酸測定装置の作用を以下に説明
する。先ずメタン発酵槽1から試料自動採取装置2によ
って採取された試料は、試料前処理装置3に送り込まれ
る。そして試料前処理装置4に、リン酸不溶化試薬注入
装置4から注入された塩化カルシウム溶液及び水酸化ナ
トリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液の等容混合液から成
るリン酸不溶化試薬とが撹拌機5によって撹拌混合され
て、試料中のリン酸イオンを不溶性の塩とした後、限外
濾過装置6に供給される。そして限外濾過膜を透過した
試料は、限外濾過膜透過液貯留槽7に一旦貯留される。
する。先ずメタン発酵槽1から試料自動採取装置2によ
って採取された試料は、試料前処理装置3に送り込まれ
る。そして試料前処理装置4に、リン酸不溶化試薬注入
装置4から注入された塩化カルシウム溶液及び水酸化ナ
トリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液の等容混合液から成
るリン酸不溶化試薬とが撹拌機5によって撹拌混合され
て、試料中のリン酸イオンを不溶性の塩とした後、限外
濾過装置6に供給される。そして限外濾過膜を透過した
試料は、限外濾過膜透過液貯留槽7に一旦貯留される。
【0032】次に限外濾過膜透過液貯留槽7に貯留され
た試料から、試料定量注入装置8によって一定量の試
料、例えば50mlの試料が滴定用反応器9に供給さ
れ、撹拌機15によって撹拌される。
た試料から、試料定量注入装置8によって一定量の試
料、例えば50mlの試料が滴定用反応器9に供給さ
れ、撹拌機15によって撹拌される。
【0033】そして滴定用反応器9の内部に取り付けら
れたpH計16によって試料の酸性度が測定され、測定
値がpH計16から信号ラインL1を介して演算制御装
置17に入力される。
れたpH計16によって試料の酸性度が測定され、測定
値がpH計16から信号ラインL1を介して演算制御装
置17に入力される。
【0034】このpH計16から入力される信号に基づ
いて、演算制御装置17は信号ラインL2を介して硫酸
注入装置21を作動して、試料が所定のpH、例えばp
H2.5になるまで滴定用反応器9内に硫酸(1+1)
が注入される。
いて、演算制御装置17は信号ラインL2を介して硫酸
注入装置21を作動して、試料が所定のpH、例えばp
H2.5になるまで滴定用反応器9内に硫酸(1+1)
が注入される。
【0035】次にエアポンプ又は窒素ガスボンベ10か
ら二酸化炭素吸着塔11を通過して二酸化炭素が除去さ
れたガスが試料中に送り込まれ、所定時間、例えば30
分間試料をバブリングすることにより、試料中に溶解さ
れている炭酸と硫化水素が揮散される。
ら二酸化炭素吸着塔11を通過して二酸化炭素が除去さ
れたガスが試料中に送り込まれ、所定時間、例えば30
分間試料をバブリングすることにより、試料中に溶解さ
れている炭酸と硫化水素が揮散される。
【0036】次に上記バブリングの終了後、撹拌機15
を作動したまま、演算制御装置17から信号ラインL3
を介して自動ビュレット20の作動を開始する信号が出
力され、試料に対する10N水酸化ナトリウム溶液の中
和滴定が行われる。同時に演算制御装置17によって試
料のpH滴定曲線が作成され、表示装置19に表示され
る。
を作動したまま、演算制御装置17から信号ラインL3
を介して自動ビュレット20の作動を開始する信号が出
力され、試料に対する10N水酸化ナトリウム溶液の中
和滴定が行われる。同時に演算制御装置17によって試
料のpH滴定曲線が作成され、表示装置19に表示され
る。
【0037】そして試料のpHがpH4からpH7にな
るまでに要した10N水酸化ナトリウムの滴定量から、
前記(1)式に基づいて試料中の有機酸(CH3COO
Hmg/l)総量が算出される。
るまでに要した10N水酸化ナトリウムの滴定量から、
前記(1)式に基づいて試料中の有機酸(CH3COO
Hmg/l)総量が算出される。
【0038】滴定の終了後は、信号ラインL4によって
電動弁13,14を「開」とし、滴定用反応器9内の試
料が排水用の電動弁14から排出された後、洗浄水供給
機構12を働かせることにより電動弁13から滴定用反
応器9内に洗浄水が供給され、この洗浄水によって滴定
用反応器9の内部が洗浄される。洗浄水は排出用電動弁
14から排出され、しかる後両電動弁13,14を
「閉」として再び同様な操作が繰り返される。
電動弁13,14を「開」とし、滴定用反応器9内の試
料が排水用の電動弁14から排出された後、洗浄水供給
機構12を働かせることにより電動弁13から滴定用反
応器9内に洗浄水が供給され、この洗浄水によって滴定
用反応器9の内部が洗浄される。洗浄水は排出用電動弁
14から排出され、しかる後両電動弁13,14を
「閉」として再び同様な操作が繰り返される。
【0039】前記(1)式において、試料のpHがpH
4からpH7になるまでの水酸化ナトリウムの滴定量を
用いて有機酸の総量を算出した場合、試料中の有機酸濃
度が1〜100(mg/l)の場合は問題がないが、有
機酸濃度が100(mg/l)を越える場合は滴定pH
の範囲が狭くなり、算出値が実際の濃度よりも過小にな
ってしまうことが知られている。その理由として、図3
のグラフに示したように、酢酸の濃度が約100(mg
/l)以上では、pHは4以下となり、以下酢酸濃度が
高くなるほどpHは低下するので、前記したように滴定
範囲をpH4からpH7に固定すると、有機酸が実際の
濃度よりも過小に算出されてしまうことになる。
4からpH7になるまでの水酸化ナトリウムの滴定量を
用いて有機酸の総量を算出した場合、試料中の有機酸濃
度が1〜100(mg/l)の場合は問題がないが、有
機酸濃度が100(mg/l)を越える場合は滴定pH
の範囲が狭くなり、算出値が実際の濃度よりも過小にな
ってしまうことが知られている。その理由として、図3
のグラフに示したように、酢酸の濃度が約100(mg
/l)以上では、pHは4以下となり、以下酢酸濃度が
高くなるほどpHは低下するので、前記したように滴定
範囲をpH4からpH7に固定すると、有機酸が実際の
濃度よりも過小に算出されてしまうことになる。
【0040】そこで試料のpHがpH4からpH7にな
るまでの水酸化ナトリウムの滴定量に基づいて算出した
有機酸の総量が100(mg/l)を越える場合は、表
1に示す滴定pH範囲の補正を行う。
るまでの水酸化ナトリウムの滴定量に基づいて算出した
有機酸の総量が100(mg/l)を越える場合は、表
1に示す滴定pH範囲の補正を行う。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すように、有機酸濃度(mg/
l)が1以下の場合は滴定pH範囲を4.8〜7とし、
有機酸濃度が1〜100の場合は滴定pH範囲を4〜
7、有機酸濃度が100〜500の場合は滴定pH範囲
を3.6〜7、有機酸濃度が500以上の場合は滴定p
H範囲を3.2〜7とする。そして表1によって選択さ
れた滴定pH範囲に相当する水酸化ナトリウムの滴定量
a′(ml)を前記滴定曲線から求める。
l)が1以下の場合は滴定pH範囲を4.8〜7とし、
有機酸濃度が1〜100の場合は滴定pH範囲を4〜
7、有機酸濃度が100〜500の場合は滴定pH範囲
を3.6〜7、有機酸濃度が500以上の場合は滴定p
H範囲を3.2〜7とする。そして表1によって選択さ
れた滴定pH範囲に相当する水酸化ナトリウムの滴定量
a′(ml)を前記滴定曲線から求める。
【0043】次に試料として蒸留水を用いて、前記測定
方法と同じ操作を行うブランク試験を実施し、滴定曲線
から水酸化ナトリウムの滴定量b′(ml)を求める。
そして(2)式により有機酸の総量を算出する。
方法と同じ操作を行うブランク試験を実施し、滴定曲線
から水酸化ナトリウムの滴定量b′(ml)を求める。
そして(2)式により有機酸の総量を算出する。
【0044】 総有機酸(CH3COOHmg/l)=(a′−b′)F×(1000/検体ml)×6.01・・・ ・・・・・(2) ここでa′は滴定pH範囲の補正を行った場合の滴定量 b′はブランク試験における滴定量 FはN/10水酸化ナトリウム溶液のファクター 上記ブランク試験を実施した理由は、試料中への空気中
の二酸化炭素の溶解を完全に防止することは不可能であ
るため、同一の試験条件下における二酸化炭素の溶解に
よる滴定量の増加分と、蒸留水のpH上昇に必要な滴定
量を求めて、これらの合計量を検体の滴定量から差し引
くことが合理的であるという根拠に基づいている。
の二酸化炭素の溶解を完全に防止することは不可能であ
るため、同一の試験条件下における二酸化炭素の溶解に
よる滴定量の増加分と、蒸留水のpH上昇に必要な滴定
量を求めて、これらの合計量を検体の滴定量から差し引
くことが合理的であるという根拠に基づいている。
【0045】以上のように試料の滴定pH範囲の補正を
実施することにより、pH範囲をpH4〜pH7に固定
する算出方法に比較してより正確に総有機酸濃度を測定
することができる。
実施することにより、pH範囲をpH4〜pH7に固定
する算出方法に比較してより正確に総有機酸濃度を測定
することができる。
【0046】尚、図1に示す試料前処理装置3で、試料
とリン酸不溶化試薬注入装置4からリン酸不溶化試薬を
注入して、試料中のリン酸イオンを不溶性の塩とする操
作を実施した場合は、試薬の注入による試料の希釈を考
慮して濃度補正を実施する必要がある。
とリン酸不溶化試薬注入装置4からリン酸不溶化試薬を
注入して、試料中のリン酸イオンを不溶性の塩とする操
作を実施した場合は、試薬の注入による試料の希釈を考
慮して濃度補正を実施する必要がある。
【0047】次に表2は、総有機酸濃度,全無機炭素,
総アンモニアが特定の濃度に調整された試料を用いて、
窒素通気法による直接滴定(中和滴定と記してある)を
行った場合の従来方法の算出結果と、この算出結果にブ
ランク補正及びpH補正を実施した場合の算出結果を示
しており、表3は全無機炭素,総アンモニア,溶解性硫
化物及び総有機酸が特定の濃度に調整された人口汚泥脱
離液を用いて、従来方法に基づく総有機酸の測定値(m
g/l)と、この測定値にブランク補正及びpH補正を
実施した測定値(mg/l)を示している。
総アンモニアが特定の濃度に調整された試料を用いて、
窒素通気法による直接滴定(中和滴定と記してある)を
行った場合の従来方法の算出結果と、この算出結果にブ
ランク補正及びpH補正を実施した場合の算出結果を示
しており、表3は全無機炭素,総アンモニア,溶解性硫
化物及び総有機酸が特定の濃度に調整された人口汚泥脱
離液を用いて、従来方法に基づく総有機酸の測定値(m
g/l)と、この測定値にブランク補正及びpH補正を
実施した測定値(mg/l)を示している。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2、表3から、従来の方法による算出結
果にブランク補正を実施した結果に比較して、本実施例
に基づくpH補正を実施した算出結果の方が広い濃度範
囲で実際の調整濃度に近いことが明らかである。又、窒
素のバブリングにより、溶解性炭素と溶解性硫化物とが
ほとんど揮散してしまい、測定値に正の誤差を与える原
因が除去されていることがわかる。
果にブランク補正を実施した結果に比較して、本実施例
に基づくpH補正を実施した算出結果の方が広い濃度範
囲で実際の調整濃度に近いことが明らかである。又、窒
素のバブリングにより、溶解性炭素と溶解性硫化物とが
ほとんど揮散してしまい、測定値に正の誤差を与える原
因が除去されていることがわかる。
【0051】更に人口汚泥脱離液の場合には、遠心分離
機とか限外濾過装置による操作を省略しているが、実試
料を遠心分離機にかけた場合には、有機酸の測定値にか
なり大きな正の誤差が出ており、この原因としてSS成
分とかリン酸塩の存在が考えられる。本実施例では前処
理段階でリン酸を不溶化した後に限外濾過を実施したこ
とにより、上記正の誤差を与える原因物質の大部分を除
去することができて、実試料にあっても有機酸の低濃度
領域における測定精度を改善することが可能である。
機とか限外濾過装置による操作を省略しているが、実試
料を遠心分離機にかけた場合には、有機酸の測定値にか
なり大きな正の誤差が出ており、この原因としてSS成
分とかリン酸塩の存在が考えられる。本実施例では前処
理段階でリン酸を不溶化した後に限外濾過を実施したこ
とにより、上記正の誤差を与える原因物質の大部分を除
去することができて、実試料にあっても有機酸の低濃度
領域における測定精度を改善することが可能である。
【0052】次に表4に消化汚泥を対象として、リン酸
塩を不溶化して遠心分離機にかけ、上澄液を限外濾過し
て調整した試料を用いて、従来法である直接滴定法と本
実施例である窒素通気法を適用して測定した有機酸濃度
(mg/l)と、イオンクロマトグラフ法を適用した有
機酸濃度(mg/l)の測定結果を示す。
塩を不溶化して遠心分離機にかけ、上澄液を限外濾過し
て調整した試料を用いて、従来法である直接滴定法と本
実施例である窒素通気法を適用して測定した有機酸濃度
(mg/l)と、イオンクロマトグラフ法を適用した有
機酸濃度(mg/l)の測定結果を示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4に示された結果から、本実施例の場合
にあってもリン酸塩を不溶化して限外濾過することによ
り、測定精度が向上することが判明した。
にあってもリン酸塩を不溶化して限外濾過することによ
り、測定精度が向上することが判明した。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるメタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置によれば、
以下に記す作用効果が得られる。
かるメタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置によれば、
以下に記す作用効果が得られる。
【0056】即ち、有機酸測定時の操作を全て自動化す
ることが技術的に可能であるため、作業員の煩瑣な操作
をなくすことができる。特にバブリング機構から送り込
まれるガスによって、試料中に溶解されている炭酸とか
硫化水素が揮散され、更に自動ビュレットの作動により
試料に対するアルカリ溶液の中和滴定が行われ、中和滴
定に要したアルカリ滴定量から試料中の有機酸の総量が
算出可能であり、比較的短時間で測定を行うことが可能
となる。又、全体的な構成が簡易化されているため、装
置自体の価格が高騰化せず、しかもメンテナンスが容易
であるという効果がある。
ることが技術的に可能であるため、作業員の煩瑣な操作
をなくすことができる。特にバブリング機構から送り込
まれるガスによって、試料中に溶解されている炭酸とか
硫化水素が揮散され、更に自動ビュレットの作動により
試料に対するアルカリ溶液の中和滴定が行われ、中和滴
定に要したアルカリ滴定量から試料中の有機酸の総量が
算出可能であり、比較的短時間で測定を行うことが可能
となる。又、全体的な構成が簡易化されているため、装
置自体の価格が高騰化せず、しかもメンテナンスが容易
であるという効果がある。
【0057】又、検体中にリン酸塩等の不揮発性のアル
カリ消費物質があった場合にあっても、測定結果に対す
る誤差は最小限となり、有機酸の測定精度を高めること
ができる。
カリ消費物質があった場合にあっても、測定結果に対す
る誤差は最小限となり、有機酸の測定精度を高めること
ができる。
【0058】更に本発明によれば、適宜に選択された中
和滴定範囲に相当するアルカリ溶液の滴定量と、蒸留水
を用いたブランク試験に基づくアルカリ溶液の滴定量と
から有機酸濃度が高い範囲における算出値を補正するこ
とにより、算出値が実際の濃度よりも過小となることが
なくなり、正確な濃度測定が行えるという効果が発揮さ
れる。
和滴定範囲に相当するアルカリ溶液の滴定量と、蒸留水
を用いたブランク試験に基づくアルカリ溶液の滴定量と
から有機酸濃度が高い範囲における算出値を補正するこ
とにより、算出値が実際の濃度よりも過小となることが
なくなり、正確な濃度測定が行えるという効果が発揮さ
れる。
【図1】本発明装置の具体例を全体的に示した概要図。
【図2】本発明装置の測定原理を説明するための概要
図。
図。
【図3】酢酸の濃度とpHとの相関を示すグラフ。
1…メタン発酵槽、2…試料自動採取装置、3…試料前
処理装置、 4…リン酸不溶化試薬注入装置、5,15…撹拌機、6
…限外濾過装置、 7…限外濾過膜透過液貯留槽、8…試料定量注入装置、
9…滴定用反応器 16…pH計、17…演算制御装置、18…操作盤、1
9…表示装置、 20…自動ビュレット、21…硫酸注入装置。
処理装置、 4…リン酸不溶化試薬注入装置、5,15…撹拌機、6
…限外濾過装置、 7…限外濾過膜透過液貯留槽、8…試料定量注入装置、
9…滴定用反応器 16…pH計、17…演算制御装置、18…操作盤、1
9…表示装置、 20…自動ビュレット、21…硫酸注入装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 31/16 Z 9015−2J
Claims (4)
- 【請求項1】 メタン発酵槽内の検体を限外濾過装置に
かけて、この限外濾過装置の濾過膜を透過した試料を酸
性化し、この試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去した
空気を一定時間通気して試料中の溶解炭酸及び硫化水素
を揮散させ、更にアルカリ溶液を用いて中和滴定を行
い、この中和滴定に要したアルカリ溶液の量aから試料
中の有機酸の総量を 総有機酸(CH3COOHmg/l)=aF×(1000/検体ml)×6.01・・・・・(1) (Fはアルカリ溶液のファクター) 式によって算出することを特徴とするメタン発酵槽の有
機酸測定方法。 - 【請求項2】 上記検体の前処理として、メタン発酵槽
から採取された試料にリン酸不溶化試薬を加えて限外濾
過を行うことにより、検体中のリン酸イオンを不溶性の
塩として除去することを特徴とする請求項1記載のメタ
ン発酵槽の有機酸測定方法。 - 【請求項3】 有機酸濃度(mg/l)が1以下,1〜
100,100〜500,500以上の場合に応じて、
中和滴定範囲を予め設定された値に変更して、選択され
た中和滴定範囲に相当するアルカリ溶液の滴定量a′を
求め、更に蒸留水を用いたブランク試験を実施してアル
カリ溶液の滴定量b′を求めて、試料中の有機酸の総量
を 総有機酸(CH3COOHmg/l)=(a′−b′)F×(1000/検体ml)×6.01 ・・・・・・・(2) 式によって算出することを特徴とするメタン発酵槽の有
機酸測定方法。 - 【請求項4】 メタン発酵槽から試料自動採取装置によ
って採取された試料を受け入れる試料前処理装置と、こ
の試料前処理装置に付設され、試料中のリン酸イオンを
不溶性の塩とする不溶化試薬注入装置と、前処理された
試料を透過処理する限外濾過装置と、この限外濾過装置
を透過した一定量の試料が試料定量注入装置を介して注
入され、内部にpH計が配設された滴定用反応器と、該
滴定用反応器内の試料に窒素ガス又は二酸化炭素を除去
した空気を通気して試料中の炭酸と硫化水素等を揮散す
る装置と、上記試料を酸性化する酸注入装置と、試料の
中和滴定を行うアルカリ用の自動ビュレットと、前記p
H計の測定値に基づいて、酸注入装置及び自動ビュレッ
トの作動を制御する演算制御装置とを具備して成ること
を特徴とするメタン発酵槽の有機酸測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21681891A JPH0557298A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21681891A JPH0557298A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0557298A true JPH0557298A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=16694376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21681891A Pending JPH0557298A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | メタン発酵槽の有機酸測定方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0557298A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011128102A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 発酵液中の揮発性有機酸濃度のモニタリング装置 |
CN104777267A (zh) * | 2015-03-30 | 2015-07-15 | 中国农业大学 | 一种自动滴定厌氧发酵缓冲能力的装置 |
CN106290704A (zh) * | 2015-06-23 | 2017-01-04 | 中美华世通生物医药科技(武汉)有限公司 | 滴定系统及滴定方法 |
CN109762729A (zh) * | 2019-02-16 | 2019-05-17 | 清正生态科技(苏州)有限公司 | 生物天然气汽爆发酵系统 |
CN110361551A (zh) * | 2018-04-09 | 2019-10-22 | 北京化工大学 | 一种在线监控预警厌氧发酵过程的装置及方法 |
CN114632468A (zh) * | 2022-05-16 | 2022-06-17 | 江苏国盛新材料有限公司 | 一种铈锆复合氧化物生产用具有酸优化能力的溶解装置 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP21681891A patent/JPH0557298A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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