JPH06167488A - リン濃度測定方法及び装置 - Google Patents

リン濃度測定方法及び装置

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JPH06167488A
JPH06167488A JP31759092A JP31759092A JPH06167488A JP H06167488 A JPH06167488 A JP H06167488A JP 31759092 A JP31759092 A JP 31759092A JP 31759092 A JP31759092 A JP 31759092A JP H06167488 A JPH06167488 A JP H06167488A
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phosphorus
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tank
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JP31759092A
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Akira Matsunaga
旭 松永
Hiroyuki Goto
浩之 後藤
Norimasa Yoshino
徳正 吉野
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検体中の高濃度のリン測定する際に、試料を
無希釈で測定し、且つ全操作の自動化を可能としたリン
濃度測定方法を提供することを目的とする。 【構成】 検体を凝集分離槽3に取り入れて、凝集剤の
注入により固形物の凝集を行い、開口部を下向きにして
挿入したロート6を用いて液だけをゆっくり吸引して試
料溶液とし、この一定量を反応槽13内でリン不溶化試
薬注入装置17からの試薬注入によってしてリンを沈澱
させ、反応槽13の下方に配備した自動真空濾過機構2
6を用いて液体だけを吸引除去した後、沈澱物を濃塩酸
注入装置18からの塩酸で溶解し、窒素ガス通気装置1
6の通気によって溶解炭酸を揮散した後、蒸留水を加え
て滴定用試料溶液とし、電導ビュレット21によるアル
カリの滴定を行って滴定に要したアルカリ溶液の量から
計算式を用いて試料溶液中のリン酸イオン態リンの濃度
を算出するリン濃度測定方法と装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汚泥とか屎尿中の高濃度
のリンの濃度を、滴定法を用いて無希釈で測定する方法
と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リンは地中に広く存在する元素であって
自然水中にも含まれているが、特に屎尿とか汚泥,肥料
等に多量に含まれているため、これらが自然水に混入す
る場合が多い。水中におけるリンは、オルトリン酸塩,
メタリン酸塩,ピロリン酸塩,ポリリン酸塩とか、リン
酸エステル,リン脂質等の有機性リン化合物等種々の形
態で存在する。リンの形態はリン酸イオン態リンと加水
分解性リン及び全リンの3種類に分けられ、これらは更
に溶解性と不溶解性とに分けられる。
【0003】これら種々のリン化合物は、前処理によっ
て最終的にすべてオルトリン酸とし、リン酸イオン固有
の反応を利用して測定し、リンの量で表わしている。リ
ン自体は生物の増殖活動に重要な役割を果たしており、
且つ下水等の生物処理においては必須の元素であるが、
他方でリンは湖沼とか海域の富栄養化を促進する一因と
もなっており、水中におけるリン化合物の増加は好まし
くない。
【0004】上記のリン酸イオン態リンとは水中のリン
酸イオンをリン(P)の量で表したものであり、その測
定方法として、一般的にモリブデン青[アスコルビン酸
又は塩化スズ(2)]吸光光度法が知られている。この
モリブデン青[アスコルビン酸]吸光光度法とは、リン
酸イオンがモリブデン酸アンモニウム及びタルトラトア
ンチモン酸カリウム(酒石酸アンチモニルカリウム)と
反応して生成するヘテロポリ化合物をアスコルビン酸で
還元し、生成したモリブデン青の吸光度を測定してリン
酸イオン態リン(P)を定量する方法である。この方法
は多量の塩類を含む試料とか、前処理によって多量の塩
類を生じた試料とか前処理によって多量の塩類を生じた
試料の測定に適している。定量範囲は、リン(P)とし
て0.0016〜0.05mgである。
【0005】他方のモリブデン青[塩化スズ(2)]吸
光光度法は、リン酸イオンとモリブデン酸アンモニウム
とが反応して生成するヘテロポリ化合物を塩化スズ
(2)で還元し、生成したモリブデン青の吸光度を測定
してリン酸イオン態リン(P)を定量する方法である。
定量範囲はリン(P)として0.002〜0.05mg
である。
【0006】このような従来のリン濃度測定方法、特に
リン酸イオン態リンの測定方法として現在一般的に採用
されているモリブデン青吸光光度法は、リン濃度が比較
的低濃度(10mg・P/l以下程度)の試料、例えば
河川水とか家庭から排出される下水等のリン濃度の測定
には適しているが、屎尿とか消化汚泥等の比較的高濃度
(50〜1000mg・P/l程度)のリンを含む試料
に適用する場合には希釈を実施する必要があるという難
点がある。例えばモリブデン青吸光光度法の定量範囲は
比較的狭いため、適当な希釈倍率が得られるように希釈
倍率を何段階か変えて測定を行う必要があり、特にリン
酸濃度が高くなる程希釈倍率を高くしなければならない
ので、この希釈倍率に比例して測定誤差が大きくなって
しまうとともに測定に長時間を要してしまうという不都
合が生じる。従って高濃度のリンを無希釈で測定するこ
とができれば、希釈に伴う測定誤差が最小限となり、測
定精度を高めることができる上、短時間での測定が可能
になるものと考えられる。
【0007】上記に鑑みて、本願出願人は先に出願した
特願平4−238753号により、図2のチャートに示
した滴定法によるリン酸態リンの測定方法を提案した。
この測定方法の概要を説明すると、ステップ101により
汚泥消化槽から検体を適当量採取し、ステップ102によ
り該検体を遠心分離機にかけて、3000rpm,5分
間の遠心分離を行い、上澄液を採取する。次にステップ
103により、この上澄液を限外濾過装置にかけて処理す
る。尚、ステップ102を省略して消化汚泥を直接限外濾
過装置にかけて処理することも可能である。
【0008】そしてステップ104で限外濾過装置の濾過
膜を透過した検体から50mlを採取して試料とする。
次にステップ105において試料にリン酸イオン不溶化試
薬を添加する。このリン酸イオン不溶化試薬としては、
試料50mlに対して塩化カルシウム溶液(1.1W/
V%)10ml,及び水酸化ナトリウム溶液(1W/V
%)と炭酸ナトリウム溶液(1.3W/V%)の等容混
合液5mlを加えて10分間放置する。
【0009】次にステップ106によって再度3000r
pm,5分間の遠心分離操作を行って上澄液をデカンテ
ーションによって除去する。次段のステップ107では、
遠心分離機の底に残った沈澱物に対して濃塩酸を添加し
て溶解する。次にステップ108で水浴中で10分間加熱
して二酸化炭素を除去し、ステップ109でメスシリンダ
に移してから水を加えて全量を50mlにする。
【0010】次にステップ110にて全量をビーカに移
し、pH計を設置する。この時に磁気撹拌機も設置す
る。ステップ111で試料に5〜10Nの濃NaOH溶液
を添加してpHを2に調整する。次段のステップ112に
おいて、1NのNaOH溶液を用いて中和滴定を行う。
そしてステップ113において、試料のpHがpH4から
pH7まで達するのに要したアルカリ滴定量a(ml)
を記録する。
【0011】他方で、ブランクテストとしてステップ11
4で蒸留水50mlを採取し、この蒸留水を対象として
上記のステップ105〜112と同一の操作を実施し、ステッ
プ115で蒸留水のpHがpH4からpH7まで達するの
に要した滴定量b(ml)を記録する。
【0012】そしてステップ116で以下に記す計算式
(1)を用いてリン酸イオン態リンの濃度を算出する。
【0013】
【数1】 リン酸イオン態リン濃度(mg・P/l) =(a−b)×(1000/50)×F×30.9738・・・・(1) ここでa:試料のpH4から7までの滴定量(ml) b:蒸留水のpH4から7までの滴定量(ml) F:1N,NaOH溶液のファクター 上記計算式(1)はリン酸イオン標準液を用いて滴定量
と調整濃度の関係を求めた結果から導いたものであり、
pH4からpH7までの滴定範囲においては、リン酸イ
オン1モルが水酸化ナトリウム1モルと反応してリン酸
イオンが沈澱するという定量的関係に基づいている。
【0014】図3は、横軸にリン酸イオン態リン調整濃
度を取り、縦軸に本実施例にかかる滴定法並びに上記計
算式(1)を用いて算出したリン酸イオン態リン測定値
を取ってプロットしたグラフである。同図に示したよう
に、リン酸イオン態リンの調製濃度と測定値とが良好な
対応を示していることが理解される。
【0015】かかるリン酸イオン態リンの測定方法を用
いることにより、屎尿とか消化汚泥等のように比較的高
濃度のリンを含む試料のリン濃度を測定する場合でも希
釈を行う必要がなく、希釈倍率に比例して生じる測定誤
差がなくなり、しかも試料中に金属イオンとか有機酸,
蛋白質等の測定値に正の誤差を与える物質が含まれてい
る場合にも、これらの大部分は前処理によって除去する
ことが可能である。更にリン濃度を測定した後の排液中
にはモリブデンのような重金属が含まれておらず、排液
処理に関する特別な配慮を不要とする利点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図2に示した測定方法
によれば、希釈に伴う測定誤差が最小限となり、測定精
度を高めることができる上、短時間での測定が可能とな
って前記した従来の測定方法に存する難点を解消するこ
とができるが、すべての操作を自動化することが出来な
いという課題が残っている。
【0017】上記測定操作を自動化することが出来ない
理由として、以下の技術的問題点を挙げることができ
る。即ち、上記の測定方法における遠心分離操作とし
て、消化汚泥とか屎尿等の試料から固形物を除去する操
作と、リン酸イオン不溶化試薬を添加した後、沈澱物と
上澄液とを分離するという2操作があるが、このような
遠心分離とかデカンテーション等の操作は現在の技術レ
ベルでは自動化が困難であり、仮りに自動化してとして
も設備費が高くついてしまう機構が含まれているため、
コスト的にきわめて不利になってしまうことが考慮され
る。
【0018】更に遠心分離後の沈澱物に対して濃塩酸を
添加して溶解し、水浴中で加熱して二酸化炭素を除去す
る方法も自動化が困難であり、代替技術を採用する必要
がある。
【0019】そこで本発明は上記した課題を解消して、
試料を無希釈で測定することによって測定誤差を最小限
とすることができる上、全操作を自動化して煩瑣な操作
をなくし、その結果として測定時間を短縮することがで
きるリン濃度測定方法及び装置を提供することを目的と
するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、先ず請求項1により、検体を凝集分離槽
に取り入れて、凝集剤の注入,撹拌により固形物の凝集
を行った後、該凝集分離槽内に開口部を下向きにして挿
入したロートを用いて液だけをゆっくり吸引して試料溶
液とし、この試料溶液の一定量を反応槽内でリン不溶化
試薬を注入してリンを沈澱させ、該反応槽の下方に配備
した自動真空濾過機構を用いて沈澱物を除く液体だけを
吸引除去した後、得られた沈澱物を強酸で溶解し、更に
窒素ガスの通気によって溶解炭酸を揮散した後、水を加
えて滴定用試料溶液とし、この試料溶液にアルカリ溶液
を用いて滴定を行い、この滴定に要したアルカリ溶液の
量から、計算式を用いて試料溶液中のリン酸イオン態リ
ンの濃度を算出するリン濃度測定方法を提供する。
【0021】又、請求項3により、検体を採取するため
の試料自動採取装置と、採取された試料が注入される凝
集分離槽と、該凝集分離槽に付設された凝集剤注入機構
及び撹拌機構と、この凝集分離槽内に開口部を下向きに
して挿入されたロートによる液吸引機構と、吸引された
試料溶液を濾過する限外濾過装置と、限外濾過された試
料溶液の一定量が注入されるとともに窒素ガス通気装
置、リン不溶化試薬注入装置、強酸注入装置、蒸留水注
入装置、濃アルカリ注入装置、アルカリ滴定用電動ビュ
レット、液pH計測装置が付設された反応槽と、上記リ
ン不溶化試薬の注入により沈澱したリン以外の液を吸引
除去する自動真空濾過機構と、反応槽内に沈澱したリン
を強酸で溶解し、窒素ガスの通気及び蒸留水と濃アルカ
リの注入後の試料溶液に対するアルカリ溶液の滴定量か
ら、計算式を用いて該試料溶液中のリン酸イオン態リン
の濃度を算出する演算制御装置とを具備したリン濃度測
定装置を提供する。
【0022】上記の自動真空濾過機構は、反応槽の底部
に充填された濾材の下方に電動弁を介して連結された濾
液受器と、該濾液受器の側壁面に配設され、電動弁を介
して外気に連通された管及び電動弁を介して真空ポンプ
に連接された管と、電動弁を介して排水口に連通された
管とを備え、上記各電動弁の開閉制御と真空ポンプの駆
動制御により、反応槽内の沈澱物以外の液を真空吸引す
る構成を有している。
【0023】
【作用】かかる請求項1記載のリン濃度測定方法によれ
ば、屎尿とか消化汚泥等のように比較的高濃度のリンを
含む試料のリン濃度を測定する場合にあっても試料の希
釈を行うことなく測定可能となり、希釈倍率に略比例し
て生じる測定誤差が最小限になり、特に高濃度のリンの
測定方法として実用性が高いという作用がもたらされ
る。
【0024】更に請求項3記載のリン濃度測定装置は、
上記のリン濃度測定方法を実現するための装置構成を提
供しており、試料から固形物を除去する操作と沈澱物と
上澄液とを分離する操作に対して自動化が困難な遠心分
離とかデカンテーション等の操作を採用しておらず、更
に沈澱物に対して強酸を添加して溶解した後の水浴中で
加熱に代替して窒素ガス通気法を採用したため、各技術
手段が何れも自動化が容易であり、その結果として測定
に要する全操作の自動化を可能にするとともに測定に要
する時間が短縮されるという作用が得られる。
【0025】
【実施例】以下本発明にかかるリン濃度測定方法及び装
置の一実施例を詳述する。本実施例では、消化汚泥とか
屎尿のように比較的高濃度のリンを含む試料を対象とし
て、pH計を用いた滴定法によりリン酸イオン態リンを
無希釈で、且つ操作自体を全自動的に測定することを特
徴としている。
【0026】図1は本実施例にかかるリン測定装置の基
本的な構成を全体的に示す概要図であって、図中の1は
汚泥消化槽としてのメタン発酵槽、2は該メタン発酵槽
1から検体としての試料を採取するための試料自動採取
装置、3は試料が注入される凝集分離槽である。この凝
集分離槽3には凝集剤注入機構4と撹拌機構5とが付設
されている。
【0027】この凝集分離槽3内には、ロート6が開口
部を下向きにして挿入されており、このロート6に接続
された導管6aは、ポンプ7を介して分離液貯留槽8に
連接されている。この分離液貯留槽8の底部近傍から取
り出された導管8aは、ポンプ9を介して限外濾過装置
10へ連接されている。この限外濾過装置10内の限外
濾過膜不透過液は、管10aを経由して分離液貯留槽8
に返流される。
【0028】11は試料貯留槽、12は定量注入装置、
13は反応槽であり、定量注入装置12から前記限外濾
過膜を透過した一定量の試料が注入管12aを経由して
反応槽13に注入される。この反応槽13の上部近傍に
はオーバーフロー管13aが設けられている。39は測
定の都度前記凝集分離槽3と反応槽13に洗浄液を供給
する洗浄機構である。
【0029】反応槽13内にはpH電極14が配置さ
れ、且つ該反応槽13には撹拌機構15と窒素ガス通気
装置16とが付設されている。17はリン不溶化試薬注
入装置、18は強酸としての濃塩酸注入装置、19は蒸
留水注入装置、20は濃アルカリ(NaOH)注入装
置、21はNaOH滴定用電動ビュレットである。更に
22は前記pH電極14に連結された液pH計測装置、
23は演算制御装置、24は表示装置、25は操作盤で
ある。
【0030】一方、26は自動真空濾過機構であり、こ
の自動真空濾過機構26の構成を以下に説明する。即
ち、反応槽13の底部にはガラスビーズ等の濾材27が
金網28に支持された状態に充填されていて、この金網
28の下方に位置する電動弁29を介して濾液受器30
が配置されている。
【0031】この濾液受器30の上部は二重壁となって
いて、外側壁の側面に二つの空気出入用の管が設けられ
ている。即ち、該二重壁から分岐された一方の管30a
は電動弁31を介して外気32に連通され、二重壁から
分岐された他方の管30bは電動弁33を介して真空ポ
ンプ34に連接されている。又、濾液受器30の下部は
狭くなっていて、電動弁35を介して排水口36に連通
されている。
【0032】かかる構成を有する本実施例の作用を以下
に説明する。先ず汚泥消化槽としてのメタン発酵槽1か
ら試料自動採取装置2によって採取された試料を凝集分
離槽3に注入し、凝集剤注入機構4から注入された凝集
剤とともに撹拌機構5によって撹拌することによって固
形物の凝集分離を行う。
【0033】次にポンプ7を駆動して凝集分離槽3内に
開口部を下向きとして挿入されたロート6から液をゆっ
くり吸引することにより、固形物が凝集分離された液の
みが導管6aを介して分離液貯留槽8に送り込まれる。
即ち、このロート6を利用した吸引動作が従来例におけ
る遠心分離動作の代替技術となっている。
【0034】次にポンプ9を駆動することにより、試料
が分離液貯留槽8の底部近傍から導管8aを経由して限
外濾過装置10へ送り込まれて濾過される。そして限外
濾過膜を透過した液は試料貯留槽11に入り、限外濾過
膜不透過液は、管10aを経由して分離液貯留槽8に戻
る。
【0035】次に試料貯留槽11に貯留された試料の一
定量を定量注入装置12によって採取して、注入管12
aを介して反応槽13に注入する。そして該反応槽13
にリン不溶化試薬注入装置17からリン不溶化試薬を注
入して、撹拌機構15によって一定時間撹拌する。撹拌
停止後10分間静置し、自動真空濾過機構26を働かせ
ることによって試料液が濾液受器30側に排出され、沈
澱物は濾材27上に残留する。
【0036】この自動真空濾過機構26の動作を以下に
説明すると、先ず試料の吸引濾過操作を実施する際に
は、電動弁29と電動弁33を「開」、電動弁31と電
動弁35を「閉」とし、真空ポンプ34を稼働する。こ
れによって試料液が濾材27内を吸引濾過されて濾液受
器30内に滴下する。又、濾液を排出する際には、電動
弁29と電動弁33を「閉」、電動弁31と電動弁35
を「開」とし、真空ポンプ34の稼働を停止することに
より、電動弁31から外気が吸引されながら排水口36
から濾液が排出する。
【0037】次に反応槽13内の沈澱物に濃塩酸注入装
置18から濃塩酸を適量注入して該沈澱物を溶解し、こ
の溶解された試料液のpHを2以下とし、次に窒素ガス
通気装置16から試料液中に窒素ガスを10分間通気し
て溶解炭酸を揮散する。次に蒸留水注入装置19から反
応槽13内に蒸留水を適量添加し、撹拌機構15によっ
て撹拌を行いつつ濃アルカリ注入装置20から5N〜1
0Nの濃NaOHを試料液のpHが2になるまで添加す
る。
【0038】その後、濃アルカリの添加を停止し、次で
電動ビュレット21を用いて試料液中に1N又は0.1
NのNaOHを滴下する。この時にpH電極14とpH
計測装置22によって試料液のpHを測定し、該pHが
pH4からpH7になるまでに要したNaOHの滴定量
が演算制御装置23に入力され、演算式を用いてリン濃
度が演算されて、結果が表示装置24に表示される。
【0039】上記のすべての操作は自動的に行われる
が、演算制御装置23と接続した操作盤25を用いて手
動用スイッチのオンオフによって手動操作を行うことも
可能である。又、本実施例によればリン測定の全操作が
1時間以内で実施可能であることが確認された。
【0040】操作終了後は試料液をすべて排出して洗浄
機構39から供給される洗浄液により凝集分離槽3と反
応槽13の洗浄を行う。反応槽13内の洗浄液はオーバ
ーフロー管13aと自動真空濾過機構の作用に基づいて
外部に排出される。
【0041】以上の説明で明らかなように、本実施例で
は消化汚泥とか屎尿等の検体から固形物を除去する操作
と、リン酸イオン不溶化試薬を添加した後の沈澱物と上
澄液とを分離するという2操作に対して遠心分離とかデ
カンテーション等の操作を採用しておらず、前記したよ
うにロート6による吸引とか、自動真空濾過機構26を
用いた濾過によって代替しており、更に沈澱物に対して
濃塩酸を添加して溶解した後、従来水浴中で加熱して二
酸化炭素を除去する方法に対しては、窒素ガス通気装置
16による窒素通気によって代替したことが特徴となっ
ている。
【0042】従って本実施例における上記技術手段は何
れも自動化が容易であり、換言すれば本実施例で採用し
た技術手段のすべてが自動化可能であるため、その結果
として測定に要する全操作を自動化することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるリン濃度測定方法及び装置によれば、比較的高濃度
のリンを含む試料のリン濃度を測定する場合にあっても
試料の希釈を行うことなく測定が可能となり、希釈倍率
に略比例して生じる測定誤差を最小限として、特に高濃
度のリンの測定方法として高い実用性が得られる。又、
排液中にモリブデン等の重金属が含まれていないので、
排液処理にも特別な配慮が要求されないという効果があ
る。
【0044】本発明によれば、従来の測定方法における
遠心分離操作とかデカンテーション等の自動化が困難で
あって、しかも自動化しても設備費が高くついてしまう
機構が含まれておらず、更に水浴中で加熱して二酸化炭
素を除去するという従来の方法も代替技術が実現された
ことにより、コスト的にも有利である。特に測定に要す
る全操作を自動化することが可能となり、それに伴って
操作員の煩瑣な測定作業をなくして測定時間を短縮する
ことができるという大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるリン濃度測定装置の基本的な構
成を全体的に示す概要図。
【図2】本発明で採用した滴定法によるリン濃度操作の
具体例を示すチャート図。
【図3】本発明で採用した滴定法によるリン酸イオン態
リンの測定値と該リン酸イオン態リン調整濃度の相関を
示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体を凝集分離槽に取り入れて、凝集剤
    の注入,撹拌により固形物の凝集を行った後、該凝集分
    離槽内に開口部を下向きにして挿入したロートを用いて
    液だけをゆっくり吸引して試料溶液とし、この試料溶液
    の一定量を反応槽内でリン不溶化試薬を注入してリンを
    沈澱させ、該反応槽の下方に配備した自動真空濾過機構
    を用いて沈澱物を除く液体だけを吸引除去した後、得ら
    れた沈澱物を強酸で溶解し、更に窒素ガスの通気によっ
    て溶解炭酸を揮散した後、水を加えて滴定用試料溶液と
    し、この試料溶液にアルカリ溶液を用いて滴定を行い、
    この滴定に要したアルカリ溶液の量から、計算式を用い
    て試料溶液中のリン酸イオン態リンの濃度を算出するこ
    とを特徴とするリン濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記試料溶液の前処理として、該試料溶
    液を限外濾過装置にかけて、限外濾過膜透過液を採取し
    て反応槽に注入するようにした請求項1記載のリン濃度
    測定方法。
  3. 【請求項3】 検体を採取するための試料自動採取装置
    と、採取された試料が注入される凝集分離槽と、該凝集
    分離槽に付設された凝集剤注入機構及び撹拌機構と、こ
    の凝集分離槽内に開口部を下向きにして挿入されたロー
    トによる液吸引機構と、吸引された試料溶液を濾過する
    限外濾過装置と、限外濾過された試料溶液の一定量が注
    入されるとともに窒素ガス通気装置、リン不溶化試薬注
    入装置、強酸注入装置、蒸留水注入装置、濃アルカリ注
    入装置、アルカリ滴定用電動ビュレット、液pH計測装
    置が付設された反応槽と、上記リン不溶化試薬の注入に
    より沈澱したリン以外の液を吸引除去する自動真空濾過
    機構と、反応槽内に沈澱したリンを強酸で溶解し、窒素
    ガスの通気及び蒸留水と濃アルカリの注入後の試料溶液
    に対するアルカリ溶液の滴定量から、計算式を用いて該
    試料溶液中のリン酸イオン態リンの濃度を算出する演算
    制御装置とを具備して成ることを特徴とするリン濃度測
    定装置。
  4. 【請求項4】 前記自動真空濾過機構は、反応槽の底部
    に充填された濾材の下方に電動弁を介して連結された濾
    液受器と、該濾液受器の側壁面に配設され、電動弁を介
    して外気に連通された管及び電動弁を介して真空ポンプ
    に連接された管と、電動弁を介して排水口に連通された
    管とを備え、上記各電動弁の開閉制御と真空ポンプの駆
    動制御により、反応槽内の沈澱物以外の液を真空吸引す
    る構成を有することを特徴とする請求項3記載のリン濃
    度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112485315A (zh) * 2020-11-10 2021-03-12 西安西热水务环保有限公司 一种高硬度废水成垢离子在线监测系统及方法
KR20230093130A (ko) * 2021-12-17 2023-06-27 주식회사 포스코 산 농도 분석을 위한 산세 용액 전처리 장치
CN116577172A (zh) * 2023-07-14 2023-08-11 广州兰泰胜科技有限公司 基于共沉淀-分离氧化法的尿液样品前处理装置

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