JPH06174713A - 有機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法 - Google Patents

有機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法

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JPH06174713A
JPH06174713A JP4329764A JP32976492A JPH06174713A JP H06174713 A JPH06174713 A JP H06174713A JP 4329764 A JP4329764 A JP 4329764A JP 32976492 A JP32976492 A JP 32976492A JP H06174713 A JPH06174713 A JP H06174713A
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sample
titration
concentration
ammonia
organic acid
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JP4329764A
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Akira Matsunaga
旭 松永
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消化汚泥等の高濃度の有機酸とアンモニア,
リンを含む試料中の上記3項目の濃度を一連の操作で同
時に測定する方法を得ることを目的とする。 【構成】 被測定試料とブランク試料としての蒸留水を
用意して、両試料にリン酸イオン不溶化試薬を添加して
から固液分離を行い、分離液は酸性化してから溶解性炭
酸を揮散させ、アルカリ溶液を用いて所定の滴定pH範
囲に相当する滴定を行い、滴定量とブランクテストとの
比較から総有機酸濃度と総アンモニア濃度を算出し、固
液分離後の沈澱物を強酸で溶解して溶解炭酸を揮散した
後、アルカリ溶液を用いて同様なアルカリ滴定を行い、
この滴定量とブランクテストとの比較から被測定試料中
のリン酸イオン態リンの濃度を算出するようにした有機
酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消化汚泥とか屎尿に含有
されている有機酸とアンモニア及びリン酸イオン態リン
の濃度を滴定法によって同時に測定する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から液相有機酸の濃度を測定する方
法として、水蒸気蒸留法、直接滴定法、直接蒸留法、ガ
スクロマトグラフ法、イオンクロマトグラフ法等が知ら
れており、比較的精度が高い水蒸気蒸留法が一般に採用
されているが、この水蒸気蒸留法は操作が煩瑣で測定時
間がかかるという難点がある。又、ガスクロマトグラフ
法の場合も操作がやや煩瑣であり、且つ蟻酸の濃度が測
定できない等の難点があるため、普及率は低くなってい
る。上記の手段以外にも、イオン選択電極法とか、希釈
電導度法を利用した有機酸測定装置も開発されている。
【0003】一方、液相中のアンモニア濃度を測定する
方法として、例えば下水試験方法(1984年版)に
は、インドフェノール青吸光光度法、中和滴定法、イオ
ン電極法が記載されている。
【0004】更に液相中のリンの濃度を測定する方法と
して、モリブデン青[アスコルビン酸又は塩化スズ
(2)]吸光光度法が知られている。モリブデン青[ア
スコルビン酸]吸光光度法とは、リン酸イオンがモリブ
デン酸アンモニウム及びタルトラトアンチモン酸カリウ
ム(酒石酸アンチモニルカリウム)と反応して生成する
ヘテロポリ化合物をアスコルビン酸で還元し、生成した
モリブデン青の吸光度を測定してリン酸イオン態リン
(P)を定量する方法である。他方のモリブデン青[塩
化スズ(2)]吸光光度法は、リン酸イオンとモリブデ
ン酸アンモニウムとが反応して生成するヘテロポリ化合
物を塩化スズ(2)で還元し、生成したモリブデン青の
吸光度を測定してリン酸イオン態リン(P)を定量する
方法である。
【0005】一方、上記の既存分析方法とは全く異なる
測定原理を用いて消化汚泥の総有機酸濃度,総アンモニ
ア濃度及び全無機炭素濃度を同時に定量する自動測定方
法及び装置(消化タンクモニタ装置)が提案されてい
る。この方法は、酸,塩基平衡理論に基づいて消化汚泥
を一定のpHに調整するのに必要な酸,塩基の滴定量か
ら有機酸やアンモニア、無機炭素濃度を算出する方法で
あり、測定装置の自動化が比較的容易で実現性の高い方
法である。
【0006】本発明者等は、先に上記の酸,塩基滴定法
に最適化という統計解析方法を導入した新しい測定方法
を開発した。即ち、pH滴定曲線を利用して化学平衡式
と電荷バランス式より導いた式の重回帰分析より算出し
た総有機酸濃度,総アンモニア濃度及び全無機炭素濃度
等を初期値として、シンプレックス法を用いて最適化処
理を行う方法である。ここで最適化処理の評価関数は、
各pHの実測値と計算値の二乗和として、この最小値を
与える総有機酸濃度,総アンモニア濃度及び全無機炭素
濃度を算出して滴定法による測定値とした(特願平3−
301455号及び特願平3−340549号等)。こ
の方法によって総有機酸,総アンモニア及び全無機炭素
の三者とも500から1000mg/lの濃度範囲では
測定値が10〜20%の誤差の範囲内に入り、総アンモ
ニアと全無機炭素に関しては実用上満足できる測定精度
が得られている。
【0007】更に本発明者等は、先に特願平3−216
818号によってメタン発酵槽の有機酸測定方法を提案
し、更に特願平4−55775号により滴定法を用いた
有機酸とアンモニア濃度同時に測定する方法を提案し
た。更に特願平4−238753号によって滴定法を用
いたリン酸イオン態リンの測定方法を提案した。
【0008】図2は上記特願平4−55775号により
提案した有機酸とアンモニア濃度を同時に測定する方法
を示すチャート図であり、これを簡単に説明すると、ス
テップ101により消化汚泥の上澄液を遠心分離法によっ
て採取して試料とし、次段のステップ102により試料に
リン不溶化試薬を添加した後、再度遠心分離機にかけ、
ステップ103によって試料を限外濾過装置を用いて処理
する。そしてステップ104で限外濾過装置の濾過膜を透
過した試料から50mlを採取する。
【0009】次段のステップ105で上記試料に(1+
1)硫酸を加えてpH2.5以下に酸性化し、次にステ
ップ106で窒素通気法,即ち窒素ガスN2を30分間バブ
リングを行うか、又は旧下水試験方法1974年版の直
接滴定法で採用されている加熱還流手段、もしくは真空
吸引を行う。上記加熱還流手段とは、酸性化した検体を
ホットプレート等のヒーター上で還流冷却器をつけて5
分間沸騰する方法である。上記窒素ガスN2に代えて二
酸化炭素が除去された空気を用いることも可能である。
このステップ106によって試料中の溶解性炭酸が揮散さ
れる。
【0010】次にステップ107でアルカリ溶液としての
1N水酸化ナトリウム溶液で試料のpHが3になるよう
に調整し、次段のステップ108でN/10又は1N水酸
化ナトリウムを用いて中和滴定を行う。
【0011】上記とは別途に、ステップ109によってブ
ランク試料としての蒸留水50mlを準備して、この蒸
留水に上記ステップ105〜108と同一の処理を実施する。
【0012】そしてステップ110により、pH4からp
H7になるまでに要したアルカリの滴定量から総有機酸
濃度を算出する。そしてステップ112により、滴定pH
補正表を用いて滴定pH範囲を選定し、ステップ113に
よって上記滴定pH範囲に相当する滴定量とブランク試
験の滴定量から総有機酸濃度を算出する。
【0013】上記の有機酸濃度算出から更に滴定を継続
して、ステップ111によりpH7からpH11.5にな
るまでに要したアルカリの滴定量と、蒸留水を対象とし
て同様にpH4からpH11.5になるまでに要したア
ルカリ溶液の量(ブランクテスト)を測定して、計算式
に基づいて総アンモニア濃度を算出する。
【0014】ステップ111でアルカリ滴定量からアンモ
ニア濃度を算出する計算式は次式のように表わすことが
出来る。
【0015】
【数1】 総アンモニア(mg・N/l)=(a−b)F×(1000/検体ml)×14×1.3 ・・・・・・(1) ここでa;試料の滴定pH範囲(7〜11.5)に相当する
滴定量 b;蒸留水の滴定pH範囲(7〜11.5)に相当する滴定
量 F;1N水酸化ナトリウム溶液のファクター (1)式で14は濃度換算係数、1.3はリン不溶化処理を
行った場合のリン不溶化試薬添加による希釈を考慮した
換算係数である。アルカリとして0.1N・NaOHを
用いた場合には更に係数0.1を乗じる。
【0016】又、蒸留水によるブランク試験を実施した
理由は、試料中へ空気中の二酸化炭素が溶解することを
完全に防止することは不可能であるため、同一の試験条
件下における二酸化炭素の溶解による滴定量の増加分
と、蒸留水のpH上昇に必要な滴定量を求めて、これら
の合計量を検体の滴定量から差し引くことが合理的であ
るという根拠に基づいている。
【0017】次に図3によって特願平4−238753
号によって提案した滴定法によるリン酸イオン態リンの
測定方法を簡単に説明する。即ち、ステップ201により
汚泥消化槽から検体を適当量採取し、ステップ202によ
り該検体を遠心分離機にかけて、3000rpm,5分
間の遠心分離を行い、上澄液を採取する。次にステップ
203により、この上澄液を限外濾過装置にかけて処理す
る。次にステップ204で限外濾過装置の濾過膜を透過し
た検体から50mlを採取して試料とする。ステップ20
5において試料にリン酸イオン不溶化試薬を添加して1
0分間放置する。
【0018】次にステップ206によって再度3000r
pm,5分間の遠心分離操作を行って上澄液をデカンテ
ーションによって除去し、次段のステップ207では、遠
心分離機の底に残った沈澱物に対して濃塩酸を添加して
溶解する。次にステップ208で水浴中で10分間加熱し
て二酸化炭素を除去し、ステップ209でメスシリンダに
移してから水を加えて全量を50mlにする。
【0019】次にステップ210にて全量をビーカに移
し、pH計を設置する。この時に磁気撹拌機も設置す
る。ステップ211で試料に5〜10NNaOH溶液を添
加してpHを2に調整する。次段のステップ212におい
て、1NのNaOH溶液を用いて中和滴定を行う。そし
てステップ213において、試料のpHがpH4からpH
7まで達するのに要したアルカリ滴定量a(ml)を記
録する。
【0020】他方で、ブランクテストとしてステップ21
4で蒸留水50mlを採取し、この蒸留水を対象として
上記のステップ205〜212と同一の操作を実施し、ステッ
プ215で蒸留水のpHがpH4からpH7まで達するの
に要した滴定量b(ml)を記録する。
【0021】そしてステップ216で以下に記す計算式
(2)を用いてリン酸イオン態リンの濃度を算出する。
【0022】
【数2】 リン酸イオン態リン濃度(mg・P/l) =(a−b)×(1000/50)×F×30.9738・・・・(2) ここでa:試料のpH4から7までの滴定量(ml) b:蒸留水のpH4から7までの滴定量(ml) F:1N,NaOH溶液のファクター 上記計算式(2)はリン酸イオン標準液を用いて滴定量
と調整濃度の関係を求めた結果から導いたものであり、
pH4からpH7までの滴定範囲においては、リン酸イ
オン1モルが水酸化ナトリウム1モルと反応するという
定常的関係に基づいている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記したように水蒸気
蒸留法、直接滴定法、直接蒸留法、ガスクロマトグラフ
法、イオンクロマトグラフ法等による液相有機酸の濃度
測定方法は、操作の煩瑣性に加えて測定精度が充分に満
足できる水準に達していないという難点があり、又、液
相アンモニア濃度測定方法であるインドフェノール青吸
光光度法、中和滴定法、イオン電極法等も同様に操作が
煩瑣で測定時間が長くかかる上、試料の希釈等に起因す
る測定精度の低下が発生し易く、且つ測定操作を自動化
することが困難であるという課題があった。特に消化汚
泥のようにアンモニア性窒素濃度が数百から数千mg/
l程度の高濃度の試料の測定を行う場合には試料の希釈
を行う必要があり、一般に希釈倍率が高くなるほど測定
精度が低下するという難点がある。
【0024】更に前記リン酸イオン態リンの濃度測定方
法は、リン濃度が比較的低濃度の試料の測定には適して
いるが、屎尿とか消化汚泥等の比較的高濃度のリンを含
む試料に適用する場合には希釈を実施する必要があり、
アンモニア濃度測定の場合と同様に希釈倍率に比例して
測定誤差が大きくなり、しかも測定に長時間を要してし
まうという課題がある。
【0025】前記した酸,塩基滴定法を利用した自動測
定装置は現在開発中であるが、消化汚泥試料の固液分離
装置、酸,塩基滴定装置、パソコン等の制御装置から構
成される測定装置の価格は極めて高価であり、従ってこ
のような高価な測定装置を用いずに測定時間が短縮され
た測定方法があれば、仮りに測定精度はイオン電極法と
同程度かやや劣るとしても実用上有用であると考えられ
る。
【0026】一方、前記図2に示した滴定法による有機
酸とアンモニアの同時測定方法と、図3に示した滴定法
によるリン酸イオン態リンの測定方法は、各ステップ中
に限外濾過処理とかリンの不溶化試薬添加等の共通の操
作が含まれているが、両者における操作の順序が微妙に
異なっているため、単一の試料から有機酸とアンモニア
及びリン濃度の3項目を同時に測定することが出来な
い。従って一連の工程によって上記3項目を同時に測定
する方法があれば実用的価値が高いものと考えられる。
【0027】そこで本発明は、上記の観点に基づいてな
されたものであって、単一の試料から有機酸とアンモニ
ア及びリン濃度の3項目を同時に測定することを可能と
し、しかも操作が簡易化されて測定時間が短縮できる
上、試料の希釈等に起因する測定精度の低下が発生せ
ず、価格の高騰化をともなわずに測定操作の自動化を可
能とする有機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方
法を提供することを目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、被測定試料とブランク試料としての蒸留
水を用意して、両試料にリン酸イオン不溶化試薬を添加
してから固液分離を行い、分離液を酸性化してから窒素
ガス又は二酸化炭素を除去した空気を一定時間通気して
試料中の溶解性炭酸を揮散させ、アルカリ溶液を用いて
所定の滴定pH範囲に相当する滴定を行い、この滴定に
要したアルカリ溶液の量とブランクテストによる滴定量
から被測定試料中の総有機酸濃度を算出するとともに、
溶液中のアンモニウムイオンが遊離アンモニアになるま
でに要したアルカリの滴定量とブランクテストによる滴
定量との差から被測定試料の総アンモニア濃度を算出
し、更に前記固液分離後の沈澱物を強酸で溶解し、水を
加えてからアルカリ溶液を用いて所定のpH滴定範囲に
相当する滴定を行い、この滴定に要したアルカリ溶液の
量とブランクテストによる滴定量から被測定試料中のリ
ン酸イオン態リンの濃度を算出するようにした有機酸と
アンモニア及びリン濃度の同時測定方法を提供する。
【0029】前記被測定試料は消化汚泥の上澄液を遠心
分離処理して得られた液体であり、更に前処理として該
試料を限外濾過装置にかけて、妨害物質としての液中の
懸濁物質成分及び蛋白質を除去してある。
【0030】
【作用】かかる方法によれば、消化汚泥等の被測定試料
とブランク試料と両試料にリン不溶化試薬を添加した後
に固液分離し、分離液を酸性化して窒素ガス又は二酸化
炭素を除去した空気を通気することによっての溶解性炭
酸が揮散される。その後にアルカリ溶液を用いて滴定p
H範囲に相当する滴定を行い、この滴定に要したアルカ
リ溶液の量とブランクテストによる滴定量から被測定試
料中の総有機酸濃度が算出されるとともに、更に滴定を
継続して溶液中のアンモニウムイオンが遊離アンモニア
になるまでに要したアルカリの滴定量とブランクテスト
によるアルカリ滴定量との差から総アンモニア濃度が算
出される。
【0031】更に前記固液分離後の沈澱物を強酸で溶解
して水浴中で加熱することにより、溶解炭酸が揮散さ
れ、水を加えてアルカリ溶液を用いて所定のpH滴定範
囲に相当する滴定を行って滴定に要したアルカリ溶液の
量とブランクテストによる滴定量から被測定試料中のリ
ン酸イオン態リンの濃度が算出される。従って本発明に
よれば、単一の試料を用いて有機酸とアンモニア及びリ
ン濃度の3項目を一連の工程によって同時に測定するこ
とが可能となる。
【0032】又、試料を限外濾過装置にかけることによ
って妨害物質としての液中の懸濁物質成分及び蛋白質が
除去されて、アンモニア測定値に対する正の誤差が減少
するという作用が得られる。
【0033】
【実施例】以下本発明にかかる有機酸とアンモニア及び
リン濃度の同時測定方法の一実施例を図1のチャート図
に基づいて詳述する。先ずステップ11により汚泥消化槽
から検体を適当量採取し、ステップ12により該検体を遠
心分離機にかけて、3000rpm,5分間の遠心分離
を行い、上澄液を採取する。
【0034】ステップ13により、この上澄液を限外濾過
装置にかけて処理する。次にステップ14で限外濾過装置
の濾過膜を透過した検体から50mlを採取して試料と
する。尚、ステップ12を省略して消化汚泥を直接限外濾
過装置にかけることも可能である。更にステップ14の限
外濾過処理を省略して遠心分離機の上澄液を試料とする
方法も考慮されるが、この場合には測定精度がやや低下
することが予想される。
【0035】次にステップ15で上記試料にリン酸イオン
不溶化試薬を添加して10分間放置する。このリン酸イ
オン不溶化試薬としては、試料50mlに対して塩化カ
ルシウム溶液(1.1W/V%)10ml,及び水酸化
ナトリウム溶液(1W/V%)と炭酸ナトリウム溶液
(1.3W/V%)の等容混合液5mlを加える。
【0036】次にステップ16によって再度3000rp
m,5分間の遠心分離操作を行って固液分離を行い、上
澄液をデカンテーションによって別の容器に移す。この
遠心分離上澄液は有機酸とアンモニアの濃度測定用の試
料となり、遠心分離機の底に残った沈澱物はリン酸イオ
ン態リンの濃度測定用の試料となる。
【0037】上記上澄液は次段のステップ17で(1+
2)硫酸を加えてpH3以下に酸性化し、次にステップ
18で窒素通気法,即ち窒素ガスN2を20分間バブリン
グを行う。この窒素ガスのバブリングに代えて旧下水試
験方法1974年版の直接滴定法で採用されている加熱
還流手段、もしくは真空吸引を行っても良い。上記加熱
還流手段とは、酸性化した検体をホットプレート等のヒ
ーター上で還流冷却器をつけて5分間沸騰する方法であ
る。又、上記窒素ガスN2に代えて二酸化炭素が除去さ
れた空気を用いることも可能である。このステップ18に
よって試料中の溶解性炭酸が揮散される。
【0038】次にステップ19でアルカリ溶液としての1
N又は0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定を行
い、pH滴定曲線を作成する。
【0039】上記とは別途に、ステップ20によってブラ
ンク試料としての蒸留水50mlを準備して、この蒸留
水に上記ステップ15〜19と同一の処理を実施する。そし
てステップ21により、滴定pH補正表を用いて滴定pH
範囲を選定して、この滴定pH範囲に相当する滴定量と
ブランク試験の滴定量から計算式に基づいて総有機酸濃
度と総アンモニア濃度を算出する。
【0040】次に遠心分離機の底に残った沈澱物は、ス
テップ22で少量の濃塩酸を添加して溶解し、ステップ23
で水浴中で10分間加熱して二酸化炭素を除去し、ステ
ップ24でメスシリンダに移してから水を加えて全量を5
0mlにする。
【0041】次にステップ25で全量をビーカに移し、p
H計を設置する。この時に磁気撹拌機も設置する。そし
てステップ26で試料に5〜10N水酸化ナトリウム溶液
を添加してpHを2に調整する。次段のステップ27にお
いて、1NのNaOH溶液を用いて滴定を行い、pH滴
定曲線を作成する。
【0042】前記のステップ20によって準備したブラン
ク試料としての蒸留水50mlに上記ステップ15,16,
22〜27と同一の処理を実施する。そしてステップ28によ
り、滴定pH範囲に相当する滴定量とブランク試験の滴
定量から計算式に基づいてリン酸イオン態リンの濃度を
算出する。
【0043】前記ステップ13における限外濾過装置は、
検体中の緩衝性のある蛋白質を除去するだけでなく、s
s成分(Suspended solid,水中の懸濁物質)をも除去
する作用を有している。このss成分中には金属硫化物
も含まれており、その一部は酸性条件下で流出する。更
にアルカリを添加すると一部は金属水酸化物として沈澱
するのでアルカリ消費物質でもある。従って限外濾過を
行うことは、特にアンモニア濃度測定時における妨害物
質を除いて測定誤差を低減するという効果がある。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば単一の試料を用いて有機酸とアンモニア及びリン濃
度の3項目を一連の工程によって同時に測定することが
可能となり、しかも従来知られた各測定方法に比較して
操作が簡易化されて測定時間が短縮される上、全ての測
定操作を自動化することが可能となる。又、同一試料の
繰返し測定誤差を許容範囲にすることが可能であり、特
に消化汚泥のように有機酸とアンモニア及びリン濃度が
きわめて高い試料に適用した場合でも試料の希釈を行わ
なくとも良いので、測定精度を高めることができる。
【0045】更に本発明によれば、高価な測定装置を用
いなくとも実用上満足できる測定精度が得られるという
効果がある。
【0046】又、被測定試料の前処理として、この試料
を限外濾過装置にかけてpH緩衝作用のあるss成分中
の酸可溶性固形硫化物とか蛋白質を除去することによ
り、妨害物質による誤差をなくすことができて、更に測
定精度の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の測定方法を説明するためのチャー
ト図。
【図2】滴定法による有機酸とアンモニアの濃度測定方
法を説明するためのチャート図。
【図3】滴定法によるリン酸イオン態リンの濃度測定方
法を説明するためのチャート図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 31/16 Z 7906−2J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定試料とブランク試料としての蒸留
    水を用意して、両試料にリン酸イオン不溶化試薬を添加
    してから固液分離を行い、分離液を酸性化してから窒素
    ガス又は二酸化炭素を除去した空気を一定時間通気して
    試料中の溶解性炭酸を揮散させ、アルカリ溶液を用いて
    所定の滴定pH範囲に相当する滴定を行い、この滴定に
    要したアルカリ溶液の量とブランクテストによる滴定量
    から被測定試料中の総有機酸濃度を算出するとともに、
    溶液中のアンモニウムイオンが遊離アンモニアになるま
    でに要したアルカリの滴定量とブランクテストによる滴
    定量との差から被測定試料の総アンモニア濃度を算出
    し、更に前記固液分離後の沈澱物を強酸で溶解し、水を
    加えてからアルカリ溶液を用いて所定のpH滴定範囲に
    相当する滴定を行い、この滴定に要したアルカリ溶液の
    量とブランクテストによる滴定量から被測定試料中のリ
    ン酸イオン態リンの濃度を算出することを特徴とする有
    機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法。
  2. 【請求項2】 前記被測定試料は、消化汚泥の上澄液を
    遠心分離処理して得られた液体である請求項1記載の有
    機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定試料の前処理として、該試料を限
    外濾過装置にかけて、妨害物質としての液中の懸濁物質
    成分及び蛋白質を除去することを特徴とする請求項1記
    載の有機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法。
JP4329764A 1992-12-10 1992-12-10 有機酸とアンモニア及びリン濃度の同時測定方法 Pending JPH06174713A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014228468A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 栗田工業株式会社 シリカ濃度測定方法及び装置
CN114720626A (zh) * 2022-03-23 2022-07-08 北京安胜瑞力科技有限公司 一种1,3-二羰基化合物含量的测定方法

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