JPH0557077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、フライホイールの慣性力を利用した
加圧成形装置に関し、特にプレス装置のフレーム
に固定したメネジと、このメネジに螺合するスク
リユーシヤフトと、スクリユーシヤフトの上端に
取付けたフライホイールと、スクリユーシヤフト
の下方に配置した上下に摺動自在なプレツシヤブ
ロツクと、このプレツシヤブロツクの下部に固着
したパンチとを備えたスクリユープレス装置に関
する。

［従来技術］ 近年、耐火レンガの成形加工には、より高密度
な成形が要求されている。本出願人は、油圧シリ
ンダーによる予備加圧を行う油圧複合プレスや軟
質スカートを持つ真空式レンガ成形装置（特公昭
58−44054号公報）を開発し、提案してきた。

しかしながら、フライホイールとスクリユーシ
ヤフトを持つ従来型のフリクシヨンプレスは性能
が高い割りには余り評価されていない面もあつ
た。

この種の従来のフリクシヨンプレスは、第２図
に示すようなものであつて、フレーム８０にはス
クリユーシヤフト８１がメネジにより上下動自在
に支えられており、スクリユーシヤフト８１の下
端部はプレツシヤブロツク８４に連結されてい
る。プレツシヤブロツクはガイドレールに沿つて
上下動し、下端に取付けたパンチ８２がフレーム
上に載置したダイ８３と協働して耐火レンガ等を
成形加工する。

スクリユーシヤフト８１の上端部には、フライ
ホイール８５が取付けてあつて、その外周にはレ
ザーベルト８６が巻かれている。一方、モータ８
７で駆動されるカウンターシヤフト８８には、一
対のデイスクプレート８９が取付けてあり、アク
チユエータ９０でカウンターシヤフト８８を摺動
してデイスクプレート８９を交互にフライホイー
ル８５に接触する。これによりフライホイールに
は正逆の回転が伝えられ、スクリユーシヤフトを
上下動させる。

以上に説明した従来のフリクシヨンプレスに
は、以下に列挙する不具合が存在していた。

(1) レザーベルト８６の材質は、ナイロンで強化
された牛皮を使用しているが、これも品質の安
定が困難である。気候の変化によつて皮が伸縮
したり、長時間運転すれば摩擦熱で皮が変質し
て、切断される場合等があり、レザーベルトを
常時点検する必要がある。

そして運転中に切断するようなことがあれ
ば、すぐに機械を停止して取替えないと大事故
につながるため運転者は20日〜30日に１回の取
替えであつても、気を許せない面もあつた。又
毎日プレスの上部に登つて始動前に点検をした
り、レザーベルトのゆるみをしめ直すことは必
須であるため作業に余分の時間がかかる。

(2) 機構上の面からみれば、フライホイール８５
の上部でカウンターシヤフト８８が回転してい
るため、フライホイール８５のブレーキが充分
でない場合カウンターシヤフトにつき当る心配
もある。

(3) フライホイール８５の正転逆転は皮とデイス
クプレート８９の摩擦力だけに頼るためどうし
てもタイムラグは避けられず、余分のアイドル
ストロークが必要であるため成形に要する時間
は長い。特に最近10回以上の反復加圧を必要と
する成形方法では成形時間の短縮はキーポイン
トである。

(4) 連続24時間運転をする場合、皮の温度上昇に
よつてどうしても休止冷却時間が必要である。

等の問題があつた。

これからの無人運転を目指す機械を考えた場合
人間の目で、確認しなくてはならない点検箇所が
多ければ多いだけ、また数値で制御できない箇所
が少しでもある機械は信頼できないものとなる。
最も重要な加圧機構が不確定な制御しかできない
ものであればこれを改良する必要性は大きな課題
である。

いずれにせよ、回転する２つのデイスクプレー
トや、フライホイールのレザーベルトを取り払つ
た新しい機構は数多いが、その割には実用化され
たものは少ない。

また特開昭59−30499号公報には油圧シリンダ
を併用したスクリユープレスが開示されている。
しかしながら、耐火レンガは粉体を圧縮成形する
ために粉体間の空気（真空プレスにおいても空気
分子は存在する）による弾性作用や粉体間の摩擦
作用により充分に高密度なレンガを得ることがで
きない。

［解決しようとする課題］ したがつて本発明の目的は、充分に高密度の耐
火レンガを成形でき、かつスクリユープレスの前
述の欠点を解消できる耐火レンガ成形用スクリユ
ープレス装置を提供するにある。

［課題を解決する手段］ 本発明によれば、プレス装置のフレームに固定
したメネジと、このメネジに螺合するスクリユー
シヤフトと、スクリユーシヤフトの上端に取付け
たフライホイールと、スクリユーシヤフトの下方
に配置した上下に摺動自在なプレツシヤブロツク
と、このプレツシヤブロツクの下部に固着したパ
ンチとを備えた耐火レンガ成形用スクリユープレ
ス装置において、プレツシヤブロツク３２には一
対のロツド３４が取付けられ、このロツド３４に
設けたピストン３５はフレーム３０の側面に設け
たシリンダ３６に挿入されており、スクリユーシ
ヤフト３８の下端部はプレツシヤブロツク３２の
上面に形成した凹部３９に係合し、そしてスクリ
ユーシヤフト３８の上部はベアリング４０を介し
て駆動ホルダー４１に取付けられ、その駆動ホル
ダー４１に設けた一対のロツド４２のピストン４
３がフレーム３０に設けた油圧シリンダ４４に挿
入されている。

［作用効果の説明］ したがつて、フレーム３０の下部に設置したダ
イスに耐火レンガの粉体材料を充填し、まずシリ
ンダ３６に油圧を供給してプレツシヤブロツク３
２を降下させてパンチ３３で予備的な加圧成形を
行う。その際に粉体材料は粉体間の間隙は充分に
圧縮される。

次いで、シリンダ４４に油圧を供給してピスト
ン４３を降下させる。するとスクリユーシヤフト
３８は駆動ホルダー４１を介して回転しながら降
下し、その回転エネルギーはフライホイールに貯
えられる。そしてスクリユーシヤフト３８の下端
がプレツシヤブロツク３２の凹部３９に当接する
と、油圧とフライホイールの回転エネルギーとに
よつて強大な衝撃力がプレツシヤブロツク３２に
与えられる。その際に、プレツシヤブロツク３２
は前記の予備的な加圧を行つているので、きわめ
て強大な力で材料を成形でき、その結果、高密度
の成品が得られる。

また予備加圧中のプレツシヤブロツクに、フリ
クシヨンプレスの特色である回転エネルギーの瞬
間放出する衝撃力が印加されるので、効率よいフ
リクシヨンプレスを提供できる。

［実施例］ 以下第１図を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図において、スクリユープレス装置のフレ
ーム３０にはガイドレール３１があつて、プレツ
シヤブロツク３２を摺動自在に支えている。プレ
ツシヤブロツク３２の下端部にはパンチ３３が取
付けられていて、図示しないダイスと協働して成
形加工を行う。

プレツシヤブロツク３２には、一対のロツド３
４が取付けられていて、このロツドに設けたピス
トン３５はフレーム側に設けたシリンダ３６に挿
入されている。したがつて、このシリンダ３６に
油圧を送ることによつてパンチ３３を降下させて
ダイスに対して予備的な加圧力を加えることがで
きる。

一方フレーム３０の上部中心部にはメネジ３７
が固定されていて、このメネジ３７にスクリユー
シヤフト３８が螺合している。このスクリユーシ
ヤフト３８の下端部は、プレツシヤブロツク３２
の上面に形成した凹部３９に係合するようになつ
ている。またスクリユーシヤフト３８の上部はベ
アリング４０を介して駆動ホルダー４１に取付け
られている。駆動ホルダー４１には一対のロツド
４２が設けてあり、このロツド４２に形成したピ
ストン４３がフレーム３０に設けた油圧シリンダ
４４内に挿入されている。この油圧シリンダ４４
の上下端には油圧ポート４５，４６があつて油圧
が選択的に供給される。

また、スクリユーシヤフト３８の上端部には、
フライホイール４７が取付けられている。

作動に際し、フレーム３０の下方に設置したダ
イス（図示せず）に耐火レンガ等の成形品の材料
を充填し、まずシリンダ３６の上部に油圧を供給
してプレツシヤブロツク３２を降下させてパンチ
３３で予備的な加圧成形を行う。

次にシリンダ４４のポート４５側に油圧を送つ
てピストン４３を降下させる。これにより駆動ホ
ルダー４１を介してスクリユーシヤフト３８は回
転しながら降下し、回転エネルギーはフライホイ
ール４７に貯えられる。スクリユーシヤフト３８
の下端がプレツシヤブロツク３２の上面の凹部３
９に当接すると、スクリユーシヤフトの油圧とフ
ライホイールの回転エネルギーによる強大な衝撃
力がプレツシヤブロツクに伝えられ、パンチ３３
によつて密度の高い成形が達成される。

衝撃力をプレツシヤブロツク側に放出した直後
に、スクリユーシヤフトは上方へ反発し、シリン
ダ４４内にサージ圧が発生するが、この瞬間に油
圧制御装置を作動してシリンダの油圧を中立に戻
し、その後ポート４６側へ油圧を切替えて駆動ホ
ルダー４１を上端の待機位置に戻して１サイクル
を完了する。

このように本発明では、油圧による予備的な成
形の後に衝撃力を与えて本格的な成形を行うの
で、高密度で精度の高い成形品を得ることができ
る。

なお、図示の実施例においては、駆動ホルダー
４１をスクリユーシヤフト３８の上部に取付けた
が、スクリユーシヤフトの下部に取付けてもよ
い。

［発明の効果］ 本発明によれば、シリンダ３６により予備的な
加圧成形を行い、その状態で衝撃力を印加するの
で、粉体材料間の隙間がなくなる。その結果、高
密度精度の成形品を得ることができる。

また本発明では加圧力、スピード、ストローク
はすべて油圧シリンダの作動力、スピード、スト
ロークと比例するので、油圧シリンダに供給され
る油をサーボコントロールすることにより打撃の
エネルギーは制御できる。そして自動制御も容易
であり、無人化が達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図は従来技術の断面図である。 ３０……フレーム、３２……プレツシヤブロツ
ク、３３……パンチ、３４……ロツド、３５……
ピストン、３６……シリンダ、３７……メネジ、
３８……スクリユーシヤフト、３９……凹部、４
０……ベアリング、４１……駆動ホルダー、４２
……ロツド、４３……ピストン、４４……油圧シ
リンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス装置のフレームに固定したメネジと、
   このメネジに螺合するスクリユーシヤフトと、ス
   クリユーシヤフトの上端に取付けたフライホイー
   ルと、スクリユーシヤフトの下方に配置した上下
   に摺動自在なプレツシヤブロツクと、このプレツ
   シヤブロツクの下部に固着したパンチとを備えた
   耐火レンガ成形用スクリユープレス装置におい
   て、プレツシヤブロツク３２には一対のロツド３
   ４が取付けられ、このロツド３４に設けたピスト
   ン３５はフレーム３０の側面に設けたシリンダ３
   ６に挿入されており、スクリユーシヤフト３８の
   下端部はブレツシヤブロツク３２の上面に形成し
   た凹部３９に係合し、そしてスクリユーシヤフト
   ３８の上部はベアリング４０を介して駆動ホルダ
   ー４１に取付けられ、その駆動ホルダー４１に設
   けた一対のロツド４２のピストン４３がフレーム
   ３０に設けた油圧シリンダ４４に挿入されている
   ことを特徴とする耐火レンガ成形用スクリユープ
   レス装置。