JPH0556528A - 導体接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁ガスを封入した箱体に収納された電気機
器相互の主回路を接続する導体接続装置に関し、優れた
絶縁性能でコンパクトな導体接続装置を得る。 【構成】 絶縁ガスが封入された箱体１内の主回路を接
続する接続導体８の接続部を熱収縮材から成る容器19で
覆い、さらに容器19内にシリコーンゲル20を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置の主
回路導体を接続する導体接続装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のガス絶縁スペーサが取り付けられ
たガス絶縁開閉装置の一例を示す図３において、外周を
軟鋼板で気密に囲まれた箱体１の内部は、図示左方の前
面寄りに縦に設けられた隔壁２で前方の遮断器室１ａと
後方の母線室１ｂに仕切られ、各室には六ふっ化硫黄ガ
ス（以下、絶縁ガスという）が封入してある。

【０００３】このうち、遮断器室１ａの内部には遮断器
３が収納され、隔壁２には図示しない貫通穴に後述する
絶縁スペーサ９が取り付けられ、この絶縁スペーサ９の
前側は遮断器３に連結している。

【０００４】又、母線室１ｂの天井部には、前側の端子
部が接続導体８を介して上側の絶縁スペーサ９の後部に
接続された断路器４Ａが取り付けられ、この断路器４Ａ
の後側の端子部は、接続導体８を介して後方の碍子６に
取り付けられた母線５に接続されている。

【０００５】一方、母線室１ｂの底部には、前側端子部
が接続導体８を介して下側の絶縁スペーサ９の後部に接
続された断路器４Ａと同形の断路器４Ｂが取り付けら
れ、この断路器４Ｂの後側の端子側は、接続導体８を介
して底板の後方に縦に取り付けられたケーブルベッド７
の上端に接続されている。図４は、図３のガス絶縁スペ
ーサ９の縦断面拡大詳細図である。

【０００６】同図において、隔壁２に溶接で取り付けら
れた取付板10には、貫通穴10ａが設けられ、ガス絶縁ス
ペーサ９は、電極11の外周にエポキシ樹脂で略円板状に
成形された絶縁部12の外周の取付部で取付板10にボルト
13で固定されている。また、取付板10との接合面にはＯ
リング14を介して気密を保っている。電極11の内部に
は、両方向から接続導体８が挿入され、これらの接続導
体８は、フィンガ接触子15やボルト16締めにより、図３
で示す遮断器３と断路器４にそれぞれ接続されている。
ここで、接続導体８のボルト16締め部は、電界緩和のた
め特開昭60−128807に開示されているとおり、大きな曲
率半径を持ったシールドリング17がボルト18により接続
導体８に固定されている。このシールドリング17は、ア
ルミの絞り加工等で形成され、取付け易いように数個に
分割されているものもある。即ち、接続部は鋭角部を覆
うようにシールドリング17を取付けている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように構成された
接続部のシールドリング17は、電界強度を抑制するため
大きな曲率半径が必要であり、それに伴って大形化とな
る。ここで、絶縁スペーサ９は３相分を横一列配置で取
付けているため、シールドリング17が大形化すれば、相
間となるシールドリング間17，17や、シールドリング17
と対地間との絶縁距離は、所要耐電圧値に保つ程度に必
要である。このため、絶縁スペーサ９の取付け間隔を増
加させなければならない。また、断路器４方向において
は、断路器４の電極等と同電位であるものの、接触させ
ないようにシールドリング17の取付けスペースを確保す
るため、断路器４との接続導体８の寸法を長尺にしなく
てはならない。絶縁ガスは、電気的負性気体であり、破
壊電圧が電界強度に依存するので、定格電圧が高くなる
とシールドリング17の曲率半径は増々大きくなり、それ
に伴って大形化する。これらのことより、接続部が大形
化となり、装置の全体形状が大形化していた。本発明の
目的は、絶縁性能に優れ且つコンパクトな導体接続装置
を得ることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明は、絶縁ガスを封入した箱体に収納
された電気機器相互の主回路を接続する接続部を有する
導体接続装置において、接続部を熱収縮材から成る容器
で覆い、この容器の上方に設けた開口部よりシリコーン
ゲルを充填したので、接続部の電界緩和および耐電圧特
性を向上させ、小形化させることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。但し、従来技術と重複する部分には同符号を付し
て説明を省略する。

【００１０】図１は本発明の導体接続装置の拡大断面図
である。同図において、絶縁部12は電極11と一体に注形
で形成され、取付板10に絶縁部12を貫通させ、Ｏリング
14を介してボルト13で固定されている。また電極11には
接続導体８が挿入され、フィンが接触子15やボルト16で
電気的に接続・固定され、遮断器３や断路器４へ接続さ
れることは、従来と同様である。

【００１１】ここで、接続導体８の断路器４側の接続部
には、接続部の鋭角部を覆うように例えば熱収縮チュー
ブのような絶縁材料から成る容器19を取付け、上方に設
けた開口部19ａより例えばシリコーンゲル20を充填し、
ゲル化させている。ここで、容器19はあらかじめ接続部
の形状におおまかに合せた形状の熱収縮チューブであ
り、導体接続後に温風により収縮硬化させている。特
に、接続導体８や電極11と接触する個所では、架橋密度
の低い材質としておき、熱による収縮寸法が大きくなる
ようにしている。なお、分割を必要とする場合には、分
割した接合面に接着前を塗布後に熱収縮させ、容器を形
成させている。

【００１２】このような構成において、シリコーンゲル
20は、表面張力が小さいので、容器19と接続導体８等の
すき間によく充填でき、また、粘着性があるので、これ
らとよく接着して、ゲル化する。ゲル化は、シリコーン
オイルと硬化剤の混合比により異なるが、１：１の比率
で混合すれば室温で10数時間で硬化する。このようにゲ
ル化したシリコーンゲル20は、誘電率が２〜３程度とな
り、絶縁ガスの誘電率より大きくなる。これにより、鋭
角部の電界強度は誘電率の大きさに反比例して抑制さ
れ、また、ゲルの持つ優れた絶縁耐力で、接続部の絶縁
特性が向上する。例えば、シリコーンゲル20の破壊電圧
は常温で数10KV／mmあるので、定格電圧が数10KVでは、
数mmの絶縁厚さがあれば、接続部の絶縁耐力を維持でき
ることになる。また、表面張力が小さいので、ボイド等
の欠陥が生じにくく部分放電の発生等を生じることはな
い。更には、粘着力があるので、容器19や接続導体８等
との接着性がよく、すき間等ができず、良好な絶縁耐力
が保てる。

【００１３】これらのことにより、電界強度が抑制さ
れ、数mmの絶縁厚さで優れた絶縁特性が得られるので、
接続部がコンパクトになるだけでなく、電界緩和のため
の装置で絶縁距離を広げることがなくなり装置の小形化
ができる。

【００１４】他の実施例として、図２に示すように直線
状の接続部においては、ボルト21、ナット22で導体８を
接続後、容器23を熱収縮させて取付け、シリコーンゲル
24を開口部23ａより充填、ゲル化させれば、接続部の鋭
角部の電界強度が抑制され、またゲルの優れた絶縁特性
により小形化ができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、例えばガ
ス絶縁開閉装置内の電気機器相互の主回路を接続する接
続部を熱収縮材から成る容器で覆い、この容器の開口部
からシリコーンゲルを充填したので、電界強度を抑制し
て優れた絶縁性能を維持しつつコンパクトな導体接続装
置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の導体接続装置の拡大断面図。

【図２】本発明の他の実施例を示す導体接続装置の拡大
断面図。

【図３】代表的なガス絶縁開閉装置の側面図。

【図４】従来の導体接続装置の拡大断面図。

【符号の説明】

８…接続導体、19…容器、20…シリコーンゲル

フロントページの続き (72)発明者 和久 恵二 東京都港区芝浦一丁目１番１号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 永田 恭文 東京都港区芝浦一丁目１番１号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁ガスを封入した箱体に収納された電
   気機器相互の主回路を接続する接続部を有する導体接続
   装置において、前記接続部を熱収縮材から成る容器で覆
   い、この容器の上方に設けた開口部よりシリコーンゲル
   を充填したことを特徴とする導体接続装置。